JP2001098294A - 体内蓄積脂肪の利用促進剤 - Google Patents

体内蓄積脂肪の利用促進剤

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JP2001098294A
JP2001098294A JP2000232608A JP2000232608A JP2001098294A JP 2001098294 A JP2001098294 A JP 2001098294A JP 2000232608 A JP2000232608 A JP 2000232608A JP 2000232608 A JP2000232608 A JP 2000232608A JP 2001098294 A JP2001098294 A JP 2001098294A
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fat
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energy
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Koji Kizawa
孝司 鬼沢
Hiroyuki Watanabe
浩幸 渡邉
Hiroe Honda
啓恵 本多
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 全グリセリド中の50重量%以上がジグリセ
リドであるグリセリドからなる体内蓄積脂肪の利用促進
剤。 【効果】 本発明の体内蓄積脂肪の利用促進剤を摂取す
れば、スポーツ時等のエネルギー必要時に体内に蓄積し
た脂肪の利用を促進し、積極的に必要なエネルギーを供
給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は運動時に体内の脂肪
をエネルギー源として利用する作用を促進する体内蓄積
脂肪の利用促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、数多くの健康飲料、特にスポ
ーツ時のエネルギー補給を目的とした飲料が開発されて
いる。例えば、エネルゲン(大塚製薬)などがあり、持
久運動時のエネルギー補給を目的としたものである。運
動に必要なエネルギーは、体内に貯蔵されている糖質と
脂肪から主に供給される。この2つのエネルギー源のう
ち糖質は短時間の急激な運動に利用され、脂肪は、持久
力的な運動に利用される。スポーツにおいては、体内に
保有する脂肪を有効的に使用し持久力を維持することが
大切である。
【0003】ところでエネルギー源として重要な脂肪の
本体はトリグリセリドであり、摂取された又は体内に蓄
積されたトリグリセリドは脂肪酸に分解された後、アセ
チルCoAを経てクエン酸回路によって代謝される。こ
の脂肪酸代謝と脂肪摂取とのバランスが良好であれば、
脂肪が過剰に体内に蓄積したり、また運動時のエネルギ
ーが不足したりすることがないと考えられる。
【0004】一方、ケトン体は、アセト酢酸、β−ヒド
ロキシ酪酸、アセトンの総称である。これら一群の化合
物は、主として肝臓で脂肪酸のβ酸化によってアセチル
CoAを生成するが、脂肪酸からのアセチルCoAが過
剰量になった時や、絶食、糖尿病などで生体内の糖の利
用性が低下した時に増加する。特に病態時でない場合で
も、糖代謝においてTCAサイクルが低下した場合にも
ケトン体が増加することが知られている。生成したケト
ン体は、エネルギーの必要時には心臓や骨格筋におい
て、エネルギー源としても利用される。従って、エネル
ギーの必要時に血中ケトン体を増加させる作用を有する
物質は、体内に蓄積している脂肪の利用を促進させ、健
康飲料の成分として有用であると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はエネルギーの必要時に体内の脂肪の利用を促進する体
内蓄積脂肪の利用促進剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは脂
肪の摂取と尿中ケトン体排泄量との関係について種々検
討した結果、意外にもジグリセリドがトリグリセリドに
比べてエネルギーの必要な運動時に体内に蓄積している
脂肪の利用を促進する作用を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、全グリセリド中の5
0重量%以上がジグリセリドであるグリセリドからなる
体内蓄積脂肪の利用促進剤を提供するものである。
【0008】本発明に用いられるジグリセリド、すなわ
ち、脂肪酸のグリセリンジエステルは、炭素原子数6〜
22(特に、炭素原子数14〜22)の飽和若しくは不
飽和の脂肪酸とグリセリンとのジエステルであることが
好ましい。炭素原子数6〜22の飽和脂肪酸の例として
は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸、そしてベヘン酸を挙げることがで
きる。炭素原子数6〜22の不飽和脂肪酸の例として
は、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、
イソオレイン酸、ペトロセリン酸、エルカ酸、リノール
酸、そしてリノレイン酸を挙げることができる。
【0009】本発明に用いるジグリセリドは、不飽和脂
肪酸成分の多い脂肪酸組成を持つことが望ましい。すな
わち、本発明でジグリセリドは、不飽和脂肪酸基が全脂
肪酸基の70重量%以上を占めることが望ましく、特に
80重量%以上であることが望ましい。そして、ジグリ
セリドの大部分がジ不飽和脂肪酸グリセリドであること
が望ましい。なお、本発明においてジグリセリドは、単
独で用いても良いが、ジグリセリドのみを単離すること
は工業上で容易でないため、モノグリセリドあるいはト
リグリセリドとの混合物として用いてもよい。ただし、
その場合には全グリセリド中の50重量%以上がジグリ
セリドであることが必要である。
【0010】本発明において好ましく用いられるジグリ
セリドは、たとえば、不飽和脂肪酸基の含有量が多い油
脂(例、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン
油、菜種油、大豆油、パーム油、ひまわり油、ごま油;
ラード、牛脂、魚油、乳脂、あるいはそれらの分別油、
ランダム化油、硬化油、エステル交換油)から選ばれた
一種あるいは二種以上の油脂とグリセリンとを、アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下でエス
テル交換させるか、又はこれらの油脂由来の不飽和脂肪
酸含量の高い脂肪酸混合物とグリセリンとのエステル化
反応により得ることができる。反応で生成した過剰のモ
ノグリセリドは分子蒸留法又はクロマトグラフィーなど
の分離手段を利用して除去することができる。なお、こ
れらの反応は上記のようなアルカリ触媒等を用いた化学
反応によっても実施することができるが、1,3−位選
択的リパーゼ等の酵素を用いて温和な条件で反応を行う
方が、得られるジグリセリドの風味もよく、好ましい。
【0011】本発明で用いられるジグリセリドは、天然
食用油脂の分別によっても得ることができる。
【0012】これらのジグリセリドのラットにおける経
口急性毒性は10g/kg体重以上であり、安全性の高い
ものである。
【0013】本発明の体内蓄積脂肪の利用促進剤は健康
飲料等に添加して使用される。健康飲料への配合量は、
特に制限されないが、ジグリセリドとして0.01重量
%以上が好ましく、0.01〜30重量%がより好まし
く、1〜10重量%が特に好ましい。
【0014】本発明の体内蓄積脂肪の利用促進剤を添加
した健康飲料には、ジグリセリド以外に通常の清涼飲料
水に配合できる成分、例えば砂糖、果糖、ブドウ糖、液
糖等の甘味料、食塩、塩化カリウム、塩化マグネシウム
などのミネラル類、ビタミン類、クエン酸、リンゴ酸、
酒石酸などの有機酸、アミノ酸等を配合することができ
るが、これに限定されるものではない。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】以下の各実施例で用いたジグリセリドは、
下記の方法で製造したものである。固定化1,3−位選
択的リパーゼである市販リパーゼ製剤(ノボインダスト
リA.S社製、商品名:Lypozyme 3A)を触
媒として、表1の脂肪酸組成を有する菜種油由来脂肪酸
860gとグリセリン140gとを40℃で反応させ
た。反応後リパーゼ製剤を濾別したのち、反応生成物を
分子蒸留にかけ、常法により精製して、脂肪酸基の大部
分が不飽和脂肪酸である、ジグリセリド80重量%、ト
リグリセリド18重量%及びモノグリセリド2重量%か
らなるグリセリド混合物を得た。なお、以下に示すジグ
リセリドの使用量は、この混合物の使用量である。
【0017】
【表1】
【0018】また、以下の各実施例で用いたトリグリセ
リドは、上記と同じ脂肪酸組成の菜種油である。
【0019】実施例1 A.試験方法 (1)表2のスケジュールで、SD系雄性ラット11週
齢(180〜182g)に20%のジグリセリド及びト
リグリセリドを配合した食餌を1週間与え、血中及び、
尿中のケトン体を測定した。
【0020】
【表2】
【0021】(2)また、高エネルギー利用状態のモデ
ルとして、運動を負荷した場合と運動のない通常のエネ
ルギー利用状態のモデルについても比較検討を行った。
なお、運動負荷は、表3のスケジュールでトレッドミル
(夏目製作所製)を用いて強制運動を負荷した。
【0022】
【表3】
【0023】食餌に用いた飼料組成は表4の通りであ
る。
【0024】
【表4】
【0025】*1,*2:AIN86配合 *3 :トリグリセリドと脂肪酸量をあわせる為に2
1.0%とした。
【0026】なお、血中及び尿中ケトン体濃度の測定は
臨床医vol.9,増刊号1811〜1814及びクリ
ニカ キミカ アクタ(Clinica Chimic
aAct),134;327−336に記載の方法に準
じて行った。
【0027】B.試験結果 結果を表5〜表8に示す。
【0028】
【表5】
【0029】表5より、運動負荷群は、非運動群に比較
して、体重、各臓器重量は低値を示したが、ジグリセリ
ド投与群とトリグリセリド投与群間では差は認められな
かった。
【0030】
【表6】
【0031】表6より、運動負荷群は、非運動群に比較
して、摂食量は低値を示したが、ジグリセリド投与群と
トリグリセリド投与群間での差は認められなかった。
【0032】
【表7】
【0033】表7より、運動をすることにより血中ケト
ン体量は増加したが、ジグリセリド投与群とトリグリセ
リド投与群間での差は認められなかった。
【0034】
【表8】
【0035】表8より、血中ケトン体量は運動負荷群及
び非運動群においても各群間で差は認められなかった。
一方、尿中ケトン体量は運動負荷群では、ジグリセリド
投与群はトリグリセリド投与群に比較して有意に低値を
示した。また、非運動群では、ジグリセリド投与群はト
リグリセリド投与群に比較して有意に高値を示した。
【0036】表5〜表8より、運動負荷しないラットに
おいては、血中のケトン体量には差は認められなかった
ものの、尿中へのケトン体排泄量は、ジグリセリド食で
高値を示した。このことは、ジグリセリドが食餌又は、
体脂肪由来の脂肪酸をケトン体に変え、尿中へ排泄し、
脂肪の体蓄積を抑制していることを示す。運動を負荷し
たラットにおいては、尿中のケトン体は、トリグリセリ
ド群に比較してジグリセリド群では低値を示した。一
方、血中ケトン体はジグリセリド食群及びトリグリセリ
ド食群とも、運動前に比較して運動後に上昇し、その値
は両食餌群で差は認められなかった。このことは、ジグ
リセリドが体内の脂肪を運動時のエネルギー源として利
用すると同時に、ジグリセリドから生成されるケトン体
をもエネルギー源として利用し、尿中へのケトン体排泄
が低下したものと考えられる。すなわち、運動時におい
てもジグリセリドは体内への脂肪酸を利用して体内への
蓄積を抑制している。
【0037】実施例2
【0038】 (表9) 健康飲料組成 クエン酸 50mg ビタミンB1 5mg ビタミンB2 5mg ビタミンB6 5mg ビタミンC 20mg カフェイン 50mg ブドウ糖 10g 果糖 3g 塩化ナトリウム 50mg 塩化カリウム 50mg アラニン 100mg ジグリセリド 5g ドリンクフレーバー 微量 ミネラルウォーター バランス
【0039】
【発明の効果】本発明の体内蓄積脂肪の利用促進剤を摂
取すれば、スポーツ時等のエネルギー必要時に体内に蓄
積した脂肪の利用を促進し、積極的に必要なエネルギー
を供給することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11C 3/06 C11C 3/06 3/10 3/10 // A23L 2/52 A23L 2/38 Z 2/38 2/00 F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全グリセリド中の50重量%以上がジグ
    リセリドであるグリセリドからなる体内蓄積脂肪の利用
    促進剤。
  2. 【請求項2】 ジグリセリドの含有量が0.01重量%
    以上である請求項1記載の体内蓄積脂肪の利用促進剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005048722A1 (en) * 2003-11-18 2005-06-02 Archer-Daniels-Midland Company Foods and drinks containing diacylglycerol
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