JP2001098256A - 凍結防止剤及びその製造方法 - Google Patents

凍結防止剤及びその製造方法

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JP2001098256A
JP2001098256A JP27445599A JP27445599A JP2001098256A JP 2001098256 A JP2001098256 A JP 2001098256A JP 27445599 A JP27445599 A JP 27445599A JP 27445599 A JP27445599 A JP 27445599A JP 2001098256 A JP2001098256 A JP 2001098256A
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salt
acid
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JP27445599A
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Takashi Yano
高志 矢野
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 速効性と持続性とに優れた凍結防止剤を提供
する。 【解決手段】 温度−5℃で、氷60gを凍結防止剤2
gで融氷するとき、融解時間x=0〜60分に対する融
氷量(y(g))が、下記式(I)を充足する凍結防止
剤を用いる。 (−0.0007x2+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x2+ 0.28x+0.62) (I) この凍結防止剤は、例えば、カルボン酸カルシウムマグ
ネシウムやカルボン酸カルシウムマグネシウムカリウム
などの第1の塩成分と、アルカリ金属酢酸塩などの第2
の塩成分とで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雪や氷を融解した
り、積雪や氷結を防止するのに有用な凍結防止剤及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地では、積雪、路面の凍結又は氷結
などにより、自動車のスリップ事故及びそれに伴う交通
渋滞などが生じやすい。このようなスリップ防止対策と
して、薬剤(凍結防止剤)を散布することが行なわれてい
る。
【0003】凍結防止剤としては、従来、岩塩(塩化ナ
トリウム)や塩化カルシウムなどの塩化物が多く使用さ
れている。しかし、これら塩化物を用いた場合の融雪融
氷効果は、速効性はあるものの、長時間に亘り凍結防止
性能を維持する持続性が不十分である。また、持続性が
ないために、凍結防止剤を繰り返して散布する必要があ
り、トータルの薬剤散布量が大きくなる。さらに、これ
ら薬剤(凍結防止剤)を多量に散布すると、自動車や道
路施設などで使用されている金属の腐食が早くなる。ま
た、薬剤が水に溶解して流出するため、植物の枯死や、
地下水、河川及び湖沼などでの水質汚染の原因になる。
【0004】そこで、近年、持続性があり、腐食性が少
なく、かつ環境保護性に優れている凍結防止剤として、
酢酸カルシウムマグネシウム(以下、単にCMAと称す
る場合がある)が用いられている。このCMAは、種々
の方法により製造でき、例えば、特許第2507504
号公報には、結晶性酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、未反応マグネシウム塩基を実質的に含まない実質上
純粋な酢酸カルシウムマグネシウム複塩の組成物の製造
方法として、カルシウムマグネシウム塩基と水との混合
液に、理論量の70〜110%の酢酸を添加して、少な
くとも50重量%の水を含む酢酸カルシウムマグネシウ
ムスラリーを調製し、熟成後、乾燥し、ペレット化する
方法が開示されている。また、この文献には、酢酸カル
シウム、酢酸マグネシウム、又は酢酸カルシウムマグネ
シウムを含むスラリーを支持体粒子上に薄層に散布し、
乾燥することにより除氷組成物を製造する方法が開示さ
れている。特許第2598169号公報には、実質的に
非水溶媒中にカルシウム、マグネシウムおよび酢酸イオ
ンを含む溶液を形成し、80〜120℃で加熱して維持
することにより、酢酸カルシウムマグネシウムを析出さ
せ、少なくとも99.5%の純度を有する実質的に純粋
な酢酸カルシウムマグネシウム無水結晶を製造する方法
が開示されている。特開平9−208955号公報には
密閉系で焼成ドロマイトと酢酸を反応させ、反応熱を有
効に利用しつつ反応熱を効率よく除去しながらCMA含
有組成物を製造する方法が開示されている。
【0005】CMAは前述したようにすぐれた利点を有
するものの、散布後の初期融氷性能(速効性)が低い。
そこで、特開平8−99928号公報には、軽焼ドロマ
イトを消化することにより得られたCa(OH)2とM
g(OH)2の混合物に、酢酸カリウムと、前記水酸化
物に対して略当量の酢酸とを含む水溶液を加え、攪拌し
て反応させることにより三元複塩Ca4Mg33(CH3
CO)17(以下、CMPAと称する場合がある)を含む
凍結防止剤を製造する方法が開示されている。このCM
PA組成物は、少量の酢酸カリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウムなどを含んでいてもよく、CMAに
比べ、速効性が改善していることが記載されている。
【0006】しかしながら、CMA及びCMPA組成物
はいずれも、前記塩化物系凍結防止剤などの汎用凍結防
止剤に比べ、速効性が不十分である。このため、凍結前
に道路に散布する事前散布用途にしか実質的に適用でき
ない。
【0007】特開平11−5969号公報には、遅効性
(持続性)と速効性の両方を兼ね備えた融雪剤として、
酢酸カルシウムマグネシウムに酢酸マグネシウム(以
下、MAと称する場合がある)を5〜40%配合した組
成物が開示されている。しかし、この文献では、軽焼ド
ロマイトを焼成して微粉末とし、この微粉末と酢酸とを
ニーダで混合反応し、造粒することによりCMAを製造
し、一方、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムを
焼成して微粉末とし、この微粉末と酢酸とをニーダーで
混合反応し、造粒することによりMAを製造しており、
このようにして得られたCMAとMAとを配合すること
により融雪剤を得ている。また、酸化カルシウムや酸化
マグネシウムを軽焼ドロマイトと酢酸との反応に添加で
きることが記載されているが、マグネシウムは反応が遅
い。さらに、実際に道路に凍結防止剤を散布する場合に
は、その地域性、気象条件、散布時期(凍結前の散布、
凍結後の散布など)に合わせて、速攻性と持続性とのバ
ランスを調整する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、速効性と持続性とを高いレベルで両立できる凍結防
止剤及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
達成するため鋭意検討した結果、凍結防止剤の適用初期
の時間に対する融氷量(初期融氷性)が特定の関係を有
している場合、凍結防止剤が、速効性のみならず持続性
をも併せ持つことを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の凍結防止剤は、温度−
5℃で、氷60gを凍結防止剤2gで融氷するとき、融
氷量(y(g))が融解時間x=0〜60分の範囲で、
下記式(I)を充足している。
【0011】 (−0.0007x2+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x2+ 0.28x+0.62) (I) この凍結防止剤は、カルボン酸カルシウムマグネシウム
やカルボン酸カルシウムマグネシウムカリウムなどの第
1の塩成分と、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属の塩
(ハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、カ
ルボン酸塩、スルホン酸塩、有機リン酸塩)などの第2
の塩成分とで構成されている。第1の塩成分は非晶質で
あってもよく、第2の塩成分には、アルカリ金属酢酸塩
が含まれていることが多い。前記凍結防止剤には、粒状
の第1の塩成分と粒状の第2の塩成分との混合物の粒状
物や、又は第1の塩成分と第2の塩成分とを含む粒状体
などが含まれる。混合物中の第1の塩成分と第2の塩成
分の平均粒径比は、例えば、前者/後者=1/30〜3
0/1程度である。
【0012】前記凍結防止剤は、アルカリ金属の炭酸塩
又は水酸化物と、ドロマイトとの混合物に、酢酸を反応
させることによって得ることができる。また、第1の塩
成分と第2の塩成分とを、式(I)の特性を有するよう
に乾式混合又は混合造粒することにより得ることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の凍結防止剤は、温度−5
℃で、氷60gを凍結防止剤2gで融氷するとき、初期
融氷量(融解時間x=0〜60分の間の融氷量)(y
(g))が、下記式(I)、好ましくは下記式(II)
を充足している。
【0014】 (−0.0007x2+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x2+ 0.28x+0.62) (I) (−0.0008x2+0.14x)≦y≦(−0.001x2+0.2x+0 .1) (II) なお、融氷性試験は、具体的には以下の手順で行うこと
ができる。 (1)シャーレ(直径8〜9cm)中で、蒸留水60g
をゆっくりと凍結し、凍結後、−5℃で2時間以上保持
することにより氷を作製する。 (2)凍結防止剤2gを秤取り、−5℃で1時間以上保
持する。 (3)シャーレ中の氷に、凍結防止剤2gを均一に散布
し、−5℃に維持する。 (4)(3)の凍結防止剤散布時を0分(x=0)とし
て、以後、10分間隔(x=10、20、30、40、
50、60分)でサンプルを取り出す。 (5)取り出したサンプルから、スポイトを用いて、融
解成分(融氷水)を抜き取る。なお、氷の中にも融氷水
が取り込まれている場合があるため、この取り込まれた
融氷水もスポイトで抜き取る。1個のサンプルからの融
氷水の抜取量(重量(g))を測定する(融氷量)。
【0015】なお、各時間毎の取り出すサンプル数は1
〜10個程度(通常、3〜5個程度)である。各時間で
のサンプル数が2以上の場合、融氷量として、平均値を
使用する。
【0016】なお、持続性については、例えば、凍結防
止剤を散布した散布面の氷の硬度を測定し、散布直後
(例えば、散布後30分経過時)に比べて、散布後一定
時間(例えば、散布後180分)経過時の氷が軟化して
いる場合、持続性に優れていると考えられる。
【0017】前記所定の初期融氷性を有する凍結防止剤
は、例えば、カルボン酸カルシウムマグネシウム、カル
ボン酸カルシウムマグネシウムカリウムなどの第1の塩
成分と、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの第
2の塩成分とを組み合わせることで得ることができる。
これら第1の塩成分及び第2の塩成分は、それぞれ、単
独で又は2種以上組み合わせて使用できる。第1の塩成
分単独又は第2の塩成分単独で凍結防止剤を構成する
と、凍結防止剤が前記式(I)の特性を充足せず、速効
性又は持続性が低下する。
【0018】第1の塩成分は、主として凍結防止剤の持
続性に寄与する。第1の塩成分は、カルボン酸とカルシ
ウムとマグネシウムとの複塩、カルボン酸とカルシウム
とマグネシウムとカリウムとの複塩などの結晶性の成分
であってもよい。また、第1の塩成分は、カルボン酸と
カルシウムとマグネシウム、又はカルボン酸とカルシウ
ムとマグネシウムとカリウムとが混在化又は複合化した
非結晶性(非晶質)の成分であってもよい。なお、結晶
性か非結晶性かの判断は、X線回折により行うことがで
きる。
【0019】第1の塩成分を構成するカルボン酸として
は、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
などのC1-5カルボン酸が挙げられる。好ましいカルボ
ン酸成分はC1-3カルボン酸(特に、蟻酸や酢酸)であ
る。
【0020】第1の塩成分がカルボン酸カルシウムマグ
ネシウム成分の場合、カルシウムとマグネシウムとの割
合は、例えば、カルシウム/マグネシウム=20/80
〜80/20(モル比)程度、好ましくは30/70〜
75/25(モル比)程度(特に、30/70〜70/
30(モル比)程度)である。
【0021】第1の塩成分がカルボン酸カルシウムマグ
ネシウムカリウム成分の場合、カルシウムとマグネシウ
ムとの割合は、例えば、カルシウム/マグネシウム=4
0/60〜70/30(モル比)程度、好ましくは50
/50〜60/40(モル比)程度である。カルシウム
とカリウムとの割合は、例えば、カルシウム/カリウム
=40/60〜70/30(モル比)程度、好ましくは
50/50〜60/40(モル比)程度である。また、
マグネシウムとカリウムとの割合は、例えば、40/6
0〜60/40(モル比)程度、好ましくは45/55
〜55/45(モル比)程度である。
【0022】結晶性のカルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分には、酢酸カルシウムマグネシウム、例えば、組
成式CaxMgy(C2322(x+y)(式中、xは2〜
6、好ましくは3〜4の整数,yは8〜4、好ましくは
7〜6の整数)で表される結晶性CMAが含まれる。こ
の結晶性CMAは、組成式CaMg2(C2326
表される化合物であってもよい。結晶性のカルボン酸カ
ルシウムマグネシウムカリウムには、酢酸カルシウムマ
グネシウムカリウム、例えば、組成式Ca4Mg3
3(C23217で表される三元複塩などが挙げられ
る。
【0023】非結晶性(非晶質)の第1の塩成分として
は、特開平9−208955号公報記載の酢酸カルシウ
ムマグネシウムなどが参照できる。
【0024】第2の塩成分は、主として凍結防止剤の速
効性に寄与する。第2の塩成分(アルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩など)は、アルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属と酸とで形成されている。
【0025】酸としては、ハロゲン化水素酸(HCl、
HBrなど)、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;カル
ボン酸、スルホン酸、有機リン酸類などの有機酸が挙げ
られる。好ましい酸には、カルボン酸(例えば、C1-5
カルボン酸、特に酢酸などのC1-3カルボン酸)が含ま
れる。
【0026】アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどが使用できる。また、アルカリ土類金
属には、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウムなどが使用できる。
【0027】好ましい第2の塩成分には、C1-3カルボ
ン酸(蟻酸や酢酸など)との塩、例えば、アルカリ金属
蟻酸塩(蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウムなど)、アルカ
リ金属酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、
アルカリ土類金属蟻酸塩(蟻酸マグネシウムなど)、ア
ルカリ土類金属酢酸塩(酢酸マグネシウムなど)など、
特にアルカリ金属蟻酸塩又は酢酸塩が含まれる。
【0028】第1の塩成分と第2の塩成分との割合は、
例えば、前者/後者=30/70〜88/12(重量
比)程度、好ましくは40/60〜85/15(重量
比)程度である。
【0029】凍結防止剤は、第1の塩成分及び第2の塩
成分で構成されていればよく、通常、粒状組成物、例え
ば、粒状の第1の塩成分と粒状の第2の塩成分との混合
物、第1の塩成分と第2の塩成分とを含む粒状体などと
して使用される。
【0030】凍結防止剤が粒状の第1の塩成分と粒状の
第2の塩成分との混合物である場合、第1の塩成分と第
2の塩成分との割合は、各成分の粒径や混和性(均一混
和性)などに応じて前記式(I)の特性を充足するよう
に、幅広い範囲から選択できる。粒状体の平均粒径が大
きいと、速効性が低下し易くなり、第1の塩成分と第2
の塩成分との粒子径の差が大きいと、各成分が分離又は
偏在し易くなる。このため、平均粒径比(第1の塩成分
/第2の塩成分)が、1/30〜30/1程度(例え
ば、1/20〜20/1)程度である場合、速効性と持
続性とに優れた凍結防止剤を得ることができる。粒状体
の粒径は、例えば、0.1〜20mm程度、好ましくは
0.3〜10mm程度、さらに好ましくは1〜5mm程
度である。
【0031】第1の塩成分と第2の塩成分とを含む粒状
体としては、第1の塩成分が第2の塩成分を含有(又は
包含)した粒状体、例えば、第1の塩成分と第2の塩成
分との混合造粒体、第1の塩成分及び第2の塩成分を構
成する各金属成分とカルボン酸とを反応し、造粒するこ
とにより生成する粒状体などが挙げられる。
【0032】凍結防止剤は、必要に応じて、種々の添加
剤、例えば、摩擦助剤(例えば、砂、粉砕石灰、バーミ
キュライト、軽石、木粉、果実の殻などの不活性な粒状
物など)、黒色物質(例えば、炭、カーボンブラックな
どの黒色着色剤など)などを含んでいてもよい。
【0033】このような凍結防止剤は、例えば、(1)
第1の塩成分と第2の塩成分とを、混合物が前記式
(I)の特性を有するように混合する方法(例えば、乾
式混合する方法、第1の塩成分と第2の塩成分とを混合
して造粒する方法など)、又は(2)第1の塩成分に対
応する金属成分(第1の金属成分)と、第2の塩成分に
対応する金属成分(第2の金属成分)と、カルボン酸と
を反応させる方法などにより得ることができる。特に
(2)の方法は、一つの反応機内で一段階で簡便に組成
物を得ることができ、コストパフォーマンスに優れてい
る。
【0034】前記(1)の方法において、第1の塩成
分、特に酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)は、慣
用の方法、例えば、カルシウムとマグネシウムと酢酸と
を含む溶液を形成して、CMAを析出させる方法(特許
第2507504号公報、特表平5−508617号公
報などに開示されている方法)、ドロマイト石灰などの
カルシウムマグネシウム成分と酢酸とを混合(反応)さ
せる方法(特開昭62−267246号公報、特開平9
−208955号公報などに開示されている方法)など
により得ることができる。第1の塩成分のうち、酢酸カ
ルシウムマグネシウムカリウムは、例えば、カルシウム
マグネシウム成分(特に、Ca(OH)2、Mg(O
H)2などを含有する消化ドロマイト)と、カリウム成
分(特に、酢酸カリウムなど)と、酢酸とを混合(反
応)させる方法(特開平8−99928号公報などに開
示されている方法)により得ることができる。
【0035】第1の塩成分と第2の塩成分との乾式混合
は、慣用の混合機、例えば、ニーダー、Vブレンダーな
どを用いて行うことができる。
【0036】前記(2)の方法においては、第1の金属
成分を含む化合物(ドロマイトなどのカルシウムマグネ
シウム成分など)と第2の金属成分を含む化合物とカル
ボン酸(酢酸など)とを反応させてもよい。第2の金属
成分を含む化合物には、アルカリ金属及び/又はアルカ
リ土類金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸マグネシウムなど)、水酸化物(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなど)、酸化
物(酸化マグネシウムなど)などが含まれる。好ましい
第2の金属成分を含む化合物は、アルカリ金属の炭酸塩
又は水酸化物である。例えば、ドロマイト(焼成ドロマ
イトなど)とアルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物と酢酸
とを反応することにより、CMAとアルカリ金属酢酸塩
との組成物を得ることができる。
【0037】前記(2)の方法では、図1に示す特開平
9−208955号公報記載の装置を用いることができ
る。すなわち、第1の金属成分を含む化合物と第2の金
属成分を含む化合物をホッパ1及び定量フィーダー2を
通じて、混練機(混和機)3の始端部に定量的に供給で
きる。混練機3で混練移送された前記混合物に対して、
カルボン酸供給ライン5から分岐する供給口4a〜4c
を通じてカルボン酸を定量的に供給することにより反応
させる。なお、反応系からの蒸発成分(水及び未反応カ
ルボン酸など)は、コンデンサ6a、6bにより凝縮し
て反応系に返送可能である。反応混合物は、混練機3の
後端部に移送され、連続的に排出可能である。
【0038】なお、混練機3の後端部に移送された反応
混合物に対して、水供給ライン8及び水供給口7から水
を供給して、造粒可能な含水組成物としてもよく、この
組成物は、混練機3の後端部に接続する造粒機9で造粒
し、冷却コンベア10で冷却しながら、吸引フード11
により乾燥してもよい。乾燥体は、整粒機12で、整粒
機内の回転カッターにより切断可能であり、粒状又はペ
レット状の製品(凍結防止剤)とすることができる。
【0039】本発明の凍結防止剤は、所定の初期融雪融
氷性を有しているため、速効性に優れているだけでな
く、持続性にも優れている。このため、幅広い用途に使
用できる。すなわち、従来の凍結防止剤では、速効性か
持続性のいずれか一方の特性にのみ優れているため、散
布時期(持続性が重視される道路凍結前の散布(事前散
布)、速効性が重視される道路凍結後の散布など)、道
路状況(持続性が重視される圧雪路面、速効性が重視さ
れる凍結路面など)、地域性、気象特性などに応じて、
細かく使い分ける必要があったが、本発明の凍結防止剤
は、これら諸状況によらず幅広い用途に使用できる。
【0040】また、本発明の凍結防止剤は、氷や雪を融
解する能力に優れているため、融雪融氷剤(除雪剤、除
氷剤)としても使用できる。さらには、凍結面、雪面、
氷面などに散布することにより、走行車両の制動距離を
短縮できるスリップ防止剤としても有用である。
【0041】凍結防止剤(融雪融氷剤、スリップ防止
剤)の散布量は、気温、積雪量、凍結度合、散布目的
(凍結防止、融雪融氷、スリップ防止)などに応じて選
択でき、例えば1〜500g/m2、好ましくは5〜2
50g/m2、さらに好ましくは10〜100g/m2
度である。
【0042】本発明の凍結防止剤を用いると、高い融氷
性を長時間に亘って維持できるため、1日当りの薬剤散
布回数を大きく低減できる。すなわち、速効性の塩化カ
ルシウムや岩塩を用いる場合、散布後、比較的短時間で
融雪融氷性が低下して再凍結するため、頻繁に散布を繰
り返す必要があるのに対し、本発明の凍結防止剤では、
融氷性が低下しないため、散布間隔(時間)を大きくで
き、散布の手間を低減できる。さらに、散布コストは殆
どが人件費で占められており、薬剤費が占める割合は僅
か数%程度であるため、散布回数の低減により、散布コ
ストも大きく低減できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、所定の初期融氷性を有
する凍結防止剤を用いているため、速効性と持続性とを
高いレベルで両立できる。この凍結防止剤は、散布時
期、道路状況、地域性、気象条件等によらず、幅広い用
途に使用できる。また、散布コストを大きく低減でき
る。
【0044】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0045】実施例1 下流側のコンデンサ6bと、下流側の酢酸供給ライン4
b、4cとが配設されていない以外は、図1と同様の装
置を用いた。焼成ドロマイトと無水炭酸ナトリウムとの
混合物(焼成ドロマイト/無水炭酸ナトリウム=68/
32(重量比))を定量フィーダー2から二軸連続式混
練機3(100mmφ×1000mm、回転数30rp
m)に速度20kg/hrで供給した。混練機3で混練
して移送される前記混合物に対し、酢酸供給ライン4a
から酢酸を速度36kg/hr(プランジャーポンプ使
用)で供給して反応させた。スパイラル式コンデンサ6
a(伝熱面積0.3m2)には水道水(冷却水)を通水
し、混練機内の反応混合物から発生した蒸発成分(酢
酸、水など)を凝縮し、反応系に戻した。混練機3の後
端部に移送された反応混合物に対して、水供給口8から
水を速度6kg/hrで添加して含水組成物(温度10
5℃、一部が顆粒状である粉末状)とした後、混練機3
から連続的に押し出すことにより、CMAと酢酸ナトリ
ウムとの混合物を得た。なお、前記連続運転時(すなわ
ち、仕込量62kg/hrの運転時)の混練の所用動力
は、定格1.5kwのモーターに対して電流約4Aであ
り、円滑に運転できた。
【0046】実施例2 焼成ドロマイトを定量フィーダー2から速度25kg/
hrで供給し、酢酸を酢酸供給口4aから速度52kg
/hrで供給する以外は、実施例1と同様にしてCMA
を得た。得られたCMAと無水酢酸ナトリウムとを、混
合物が前記式(I)を充足するようにV型ブレンダーで
混合した。CMA100重量部に対して、用いた無水酢
酸ナトリウムは100重量部となった。
【0047】実施例3 焼成ドロマイトと炭酸カリウムとの混合物(焼成ドロマ
イト/炭酸カリウム=67/33(重量比))を定量フ
ィーダー2から速度25kg/hrで供給し、酢酸を酢
酸供給口4aから速度43kg/hrで供給する以外
は、実施例1と同様にして、CMAと酢酸カリウムとの
混合物を得た。なお、この場合も、実施例1と同様に、
円滑に運転できた。
【0048】実施例4 焼成ドロマイト、炭酸ナトリウム及び酸化マグネシウム
の混合物(焼成ドロマイト/炭酸ナトリウム/酸化マグ
ネシウム=65/22/13(重量比))を定量フィー
ダー2から速度25kg/hrで供給し、酢酸を酢酸供
給口4aから速度53kg/hrで供給する以外は、実
施例1と同様にして、CMAと酢酸ナトリウムと酢酸マ
グネシウムとの混合物を得た。なお、この場合も、実施
例1と同様に、円滑に運転できた。
【0049】比較例1〜4 凍結防止剤として、結晶性CMA、結晶性CMPA組成
物(米山化学(株)製)、塩化カルシウム、又は無水酢
酸ナトリウムを用いた。
【0050】比較例5実施例2と同様にして得られたC
MA100重量部と塩化カルシウム2水塩900重量部
とを、V型ブレンダーで混合することにより、CMAと
塩化カルシウムとの混合物を得た。
【0051】実施例1〜4及び比較例1〜5の凍結防止
剤の初期融氷性を表1及び図2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1〜4及び比較例1〜5の凍結防止
剤の持続性を以下の基準に基づいて評価した。
【0054】[持続性]−5℃の氷板(17cm×17
cm×2cm)に、5gの凍結防止剤を散布(散布量
1.7g/100cm2)し、散布から30分経過後の
氷の硬度(kgf/cm2)と、散布から180分経過
後の氷の硬度(kgf/cm2)とを測定した。なお、
氷の硬度は、重さ1kgの貫入棒を高さ40cmから落
下して氷板に貫入させ、貫入した先端部の長さ(深さ)
に基づいて求めることができる。
【0055】180分経過時点の硬度が、30分経過時
点の硬度に比べ、低下幅45kgf/cm2以上で低下
していた場合、持続性ありとし、それ以外を持続性なし
とした。
【0056】評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】図2、表2から明らかなように、実施例の
凍結防止剤は、速効性及び持続性のいずれにも優れてい
る。これに対して、比較例1及び比較例2の凍結防止剤
(CMA又はCMPA組成物)は速効性が不十分であ
り、比較例3〜5の凍結防止剤(塩化カルシウム、無水
酢酸ナトリウム、又は所定の初期融氷特性を示さないC
MA組成物)は持続性が不十分であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の凍結防止剤の製造方法を説明す
るための装置概略図である。
【図2】図2は実施例及び比較例の凍結防止剤の初期融
氷性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ホッパ 3…混練機 5…カルボン酸供給ライン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度−5℃で、氷60gを凍結防止剤2
    gで融氷するとき、融解時間x=0〜60分に対する融
    氷量(y(g))が、下記式(I)を充足する凍結防止
    剤。 (−0.0007x2+0.13x+0.07)≦y≦(−0.0025x2+ 0.28x+0.62) (I)
  2. 【請求項2】 凍結防止剤が、カルボン酸カルシウムマ
    グネシウム及びカルボン酸カルシウムマグネシウムカリ
    ウムから選ばれた少なくとも一種の第1の塩成分と、ア
    ルカリ金属と酸との塩及びアルカリ土類金属と酸との塩
    から選ばれた少なくとも一種の第2の塩成分とで構成さ
    れており、前記酸が、ハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、
    リン酸、カルボン酸、スルホン酸及び有機リン酸から選
    ばれた少なくとも一種である請求項1記載の凍結防止
    剤。
  3. 【請求項3】 第2の塩成分が、アルカリ金属C1-3
    ルボン酸塩で構成されている請求項2記載の凍結防止
    剤。
  4. 【請求項4】 凍結防止剤が、粒状の第1の塩成分と粒
    状の第2の塩成分との混合物、又は第1の塩成分と第2
    の塩成分とを含む粒状体で構成され、第1の塩成分が非
    晶質である請求項2記載の凍結防止剤。
  5. 【請求項5】 混合物中の第1の塩成分と第2の塩成分
    の平均粒径比が前者/後者=1/30〜30/1である
    請求項4記載の凍結防止剤。
  6. 【請求項6】 酢酸カルシウムマグネシウム及び酢酸カ
    ルシウムマグネシウムカリウムから選ばれた第1の塩成
    分と、アルカリ金属C1-3 カルボン酸塩を含有する第2
    の塩成分とで構成された凍結防止剤であって、下記式
    (II)の特性を充足する請求項1記載の凍結防止剤。 (−0.0008x2+0.14x)≦y≦(−0.001x2+0.2x+0 .1) (II)
  7. 【請求項7】 アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物と、
    ドロマイトとの混合物に、酢酸を反応させて、前記式
    (I)の特性を充足する凍結防止剤を製造する方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の第1の塩成分と第2の塩
    成分とを、前記式(I)の特性を有するように乾式混合
    又は混合造粒する凍結防止剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102775959A (zh) * 2012-07-16 2012-11-14 深圳市科中大交通建材有限公司 一种新型环保型融雪剂及其制备方法

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