JP2001096769A - 液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents
液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置Info
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Abstract
せ、多値階調の記録を実現する。 【解決手段】 第1の吐出液滴66aを吐出させた後、
可動部材31が変位した状態である間に第2の吐出液滴
66bを吐出させる。第1の吐出液滴66aよりも第2
の吐出液滴66bのほうが、可動部材31の移動エネル
ギーおよび液流路10の吐出口18とは反対の方向への
液流のエネルギーとして消費されるエネルギーの量が小
さいので、吐出エネルギーが大きく、速度が大きい。こ
のため、第1の吐出液滴66aと第2の吐出液滴66b
は、被記録媒体150に到達する前に第1と第2の合体
液滴66dとなる。このようにして、吐出液体の量を変
化させる。
Description
体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望
の液体を吐出する液体吐出方法と、液体吐出ヘッドおよ
び液体吐出装置に関し、特に気泡の発生を利用して変位
する可動部材を用いた液体吐出方法、液体吐出ヘッドお
よび液体吐出装置に関する。
革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス
等の被記録媒体に対し記録を行うプリンタ、複写機、通
信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有する
ワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複
合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明で
ある。
形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与するこ
とだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与
することをも意味する。
で、インクに急峻な体積変化を伴う状態変化(気泡の発
生)を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット(登録商標)記録方法が従来知られ
ている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置
には、米国特許第4,723,129号等の公報に開示されてい
るように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通するインク流路と、インク流路内に配されたイ
ンクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気
熱変換体とが一般的に配されている。
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の建築用システムに
まで利用されるようになってきている。
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらに高まっている。
スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好なイン
ク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆動条件
が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐出され
た液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速い液体
吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したものが提案
されている。
伴って発生するバック波(吐出口へ向かう方向とは逆の
方向へ向かう圧力)に着目し、インクを吐出させる過程
において損失エネルギーになるバック波の発生を抑える
構造の発明が特開平6−31918号公報(特に同公報の第3
図)に開示されている。この公報に記載の発明による液
体吐出ヘッドは、三角形状の板状部材の三角形部分を気
泡を発生するヒーターに対して対向させて配置したもの
である。この発明の液体吐出ヘッドでは、板状部材によ
ってバック波を一時的に且つわずかには抑えられる。し
かし、気泡の成長と三角形部分との相関関係については
全く触れていないし、その着想もない。このため、この
発明は以下の問題点を含んでいる。
体吐出ヘッドでは、ヒータが凹部の底に位置しており吐
出口との直線的連通状態をとれないため、液滴形が安定
せず、さらに三角形の頂点の部分の周辺からの気泡の成
長が許容されているため、気泡は三角形の板状部材の片
側から反対側全体まで成長し、結果的に板状部材が存在
していないかのように液中における通常の気泡の成長が
完成してしまう。従って、成長した気泡に対して板状部
材の存在はほとんど無意味なものとなってしまう。逆
に、板状部材の全体が気泡に囲まれるために、気泡の収
縮段階において凹部に位置するヒーターへのリフィル時
のインクの流れに板状部材が乱流を生じせしめ、その凹
部内に微小気泡を蓄積する原因となり、この気泡が体積
変化を吸収してしまうなど、成長気泡に基づいて吐出を
行う原理自体を乱すことになってしまう。
傍域と気泡発生部との間にこれらを遮断する第1弁と、
気泡発生部とインク供給部との間にこれらを完全に遮断
する第2弁とを配し、この2つの弁を交互に開閉させる
発明を提案している(EP436047A1の第4〜9図)。しか
し、この発明による液体吐出ヘッドは2つの弁によって
遮断された3つの部屋を、弁の開閉の各過程でそれぞれ2
つづつに区分してしまうために、吐出時には液滴に追従
するインクが大きな尾を引くこととなり、気泡成長・収
縮・消泡を行う通常の吐出方式に比べてサテライトドッ
ト(吐出インクの尾部分の被記録媒体への付着による形
成画像)がかなり多くなってしまう(消泡によるメニス
カス後退の効果を使えないと推定される)。また、リフ
ィル時は気泡発生部に液体が消泡に伴って供給される
が、吐出口近傍域には次の発泡が生じるまで液体は供拾
できないので、吐出液滴の大きさのばらつきが大きいだ
けでなく、吐出応答周波数が極めて小さく、実用的では
ない。
ったく異なり液滴の吐出に関し有効に貢献できる可動部
材(自由端を支点よりも吐出口側に有する板状部材等)
を用いた発明が、数多く提案されている。その発明のう
ち、特開平9−48127号公報は上述した可動部材の挙動が
わずかに乱れることを防止すべく、可動部材の変位の上
限を規制する発明を開示している。また、特開平9−323
420号公報は、上記可動部材に対して、上流における共
通液室の位置を、上記可動部材の利点を利用して可動部
材の自由端側、つまり下流側にシフトさせてリフィル能
力を高める発明を開示している。これらは、発明が生み
出される前提の想定に、気泡の成長を可動部材で一時的
に包み込んだ状態から一気に吐出口側に開放する形態を
採っていたため、気泡全体が液滴形成に関わる個々の要
素や、それらの相関関係については注目されていない。
にて、液体吐出に関わる要素として圧力波(音響波)伝
播による気泡成長に注目した発明として、気泡発生領域
の一部を上記可動部材から開放する発明を開示してい
る。しかしながら、この発明においても液体吐出時の気
泡の成長のみに着目しているため、気泡全体が液滴自体
の形成に係わる個々の要素や、それらの相関関係につい
て注目されていない。
の液体吐出ヘッド(ヒーター形成面に平行な方向に吐出
口が形成されているヘッド)において、膜沸騰による気
泡の前方部分(吐出口側の部分)が吐出に大さな影響を
与えることは知られているものの、この部分をより効率
よく吐出液滴の形成に貢献せしめることについて従来着
目したものはなく、本発明はこれらの技術的解明をすべ
く鋭意研究を行ったものである。
記録を行うとする場合、複数の発熱体を選択的に駆動す
ることによって行うものが主であったが、この場合、複数
の発熱体を設けることは各発熱体の位置をそれぞれ最適
の位置に設けることが困難であったり、また、ヘッドの小
型化を妨げたりしていた。
いう観点から、気泡の発生から消泡にいたる経過をより
詳細に解析することで、数多くの発明が生まれた中の一
つであって、多値階調記録を実現し、連続吐出動作にお
ける画像品位の安定性を達成するという従来の技術水準
に比べ極めて高い水準に至ったものである。本発明の主
たる目的は以下の通りである。
の吐出口側の液体及び供給側の液体を可動部材と液流路
全体の構造とによって抑制することで、極めて新規な液
体吐出原理を提供することにある。
複数の吐出液滴を合体させて被記録媒体上に着弾させ、
これにより、同一ノズルから吐出される液滴の吐出量を
制御することを可能とし、多値階調記録を実現すること
にある。
を両立させた液体記録装置を提供することにある。
に本発明は、液流路中の液体を加熱して該液体中に気泡
を発生させて成長させ、前記液流路中に設けられている
一端支持の片持ち梁状の可動部材を前記気泡の成長に伴
って初期状態から変位させ、前記液流路の上流側への液
体の流れ及び気泡の成長を抑制し、前記気泡の成長に伴
う圧力によって前記液流路の下流側に連通する吐出口か
ら前記液体を吐出し、前記液滴吐出後、前記気泡の消泡
に伴って、可動部材が変位状態から前記初期状態に復帰
する液体吐出方法であって、同一の前記液流路から連続
的に液体吐出を行なう場合には、先の液体吐出後に前記
変位状態から復帰する前記可動部材の振動が完全に収束
してしまう前であって、前記可動部材が前記変位状態に
向う方向に変位している最中に、次の液体吐出のための
前記液体の加熱を開始し、同一の前記吐出口から連続的
に複数の液滴を吐出し、該複数の液滴は前記被記録媒体
上に着弾する以前に合体して一つの液滴を形成すること
を特徴とする。
動部材は変位状態にあり、発泡開始時点の前記可動部材
の変位量(初期状態から変位状態に至る前記可動部材の
移動量)は、前回の発泡開始時点の前記可動部材の変位
量よりも大きいことを特徴とする。
後の液滴の吐出速度は、前の前記液滴の吐出速度よりも
大きいことを特徴とする。前記液流路中に発熱体が設け
られており、該発熱体を駆動することにより前記液体の
加熱を行なうことが好ましい。そしてこの場合、前記発
熱体が電気熱変換体であり、該電気熱変換体に駆動パル
スを供給することにより前記液体の加熱を行なってもよ
い。
液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された液
体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と
を備えている。そして、前記液体吐出ヘッドからインク
を吐出し、被記録媒体にインクを付着させることで記録
を行う。
は、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部材)を
経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、又はこ
の構成上の方向に関しての表現として表されている。
の中心に対して、上記流れ方向や上記構成上の方向に関
する下流側、又は、発熱体の面積中心より下流側の領域
で発生する気泡を意味する。同様に、気泡自体に関する
上流側とは気泡の中心に対して、上記流れ方向や上記構
成上の方向に関する上流側、又は、発熱体の面積中心よ
り上流側の領域で発生する気泡を意味する。
実質約な接触とは両者の間に数μm程度の液体が介在し
た近接状態であっても、直接接触した状態であってもよ
い。
て図面を参照して説明する。
体吐出ヘッドを液流路方向で切断した断面図で示すとと
もに、液流路内の特徴的な現象を図1(a)〜(f)、図2
(g)〜(l)の工程に分けて示したものである。
吐出するための吐出エネルギー発生素子として、液体に
熱エネルギーを付与する発熱体2が平滑な素子基板1に設
けられており、素子基板1上に発熱体2に対応して液流路
10が配されている。液流路10は吐出口18に連通している
と共に、複数の液流路10に液体を供給するための共通液
室13に連通しており、吐出口18から吐出された液体に見
合う量の液体をこの共通液室13から受け取る。液流路10
に充填された液体のメニスカスMは、吐出口18及びそれ
に連通する液流路10の内壁によって発生する毛細管力に
よって通常負圧である共通液室13の内圧に対して、吐出
口18近傍でつり合っている。
天板50とが接合されることで構成されており、発熱体2
と吐出液との接する面の近傍領域には、発熱体2が急速
に加熱された際、吐出液に発泡を生じさせる気泡発生領
域が存在する。この気泡発生領域を有する液流路10に、
可動部材31が、少なくともその一部が発熱体2と対面す
るように配されている。この可動部材31は吐出口18に向
かう下流側に自由端32を有すると共に、液流路10よりも
上流側に配置された支持部材34に支持されている一端支
持の片持ち梁状である。特に本実施形態では、上流側へ
のバック波及び液体の慣性力に影響する、気泡の上流側
半分の成長を抑制するため、自由端32が気泡発生領域の
(発熱体2の)中央付近に配されている。そして可動部
材31は気泡発生領域で発生する気泡の成長に伴い、支持
部材34に対して変位可能である。この変位をするときの
支点33は、支持部材34における可動部材31の支持部の端
部となっている。
制部)64が位置していて、気泡の上流側半分の成長を抑
制するために可動部材31の変位を一定の範囲に規制して
いる。共通液室13から吐出口18への液体の流れにおい
て、ストッパ64を境に上流側に、液流路10と比較して相
対的に流路抵抗の低い低流路抵抗領域65が設けられてい
る。この低流路抵抗領域65における流路構造は上壁がな
かったり流路断面積が大きいことなどで、液の移動に対
する流路から受ける抵抗を小さくしている。
よって、液流路の上流側への液体の流れ及び上流側への
気泡の成長を抑制する特徴的なヘッド構造を提案してい
る。次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの吐出動作につ
いて詳しく説明する。図1,2には3連続吐出における1発
目から3発目までの液体吐出と吐出した後の液滴が被記
録媒体上に着弾する様子を示している。また、図3に
は、この際の気泡40の体積と可動部材31の変位量の変化
を示している。
のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体2が
熱を発生する前の状態を示す。ここで重要なことは、可
動部材31が、発熱体2の発熱によって発生する気泡に対
し、この気泡の上流側半分に対面する位置(初期状態)
に設けられており、かつ、可動部材31の変位を規制する
ストッパ64が気泡発生領域の(発熱体2の)中央上方に
設けられていることである。つまり、液流路構造と可動
部材31の配置位置とは、気泡の上流側半分が可動部材31
に押え込まれるようになっている。図3に示すように、
時間T=0において発熱体2に電気パルスを印加すると、
気泡発生領域内を満たす液体の一部が発熱体2によって
加熱され、膜沸騰に伴う気泡40が発生し、時間とともに
気泡40が成長して体積が大きくなる。なお、この時、可
動部材31の反発力により、可動部材31の変位は気泡40の
体積変化より遅れて始まる(図3に示すA時点)。
共通液室13方向への液体の移動が生じ、この移動は低流
路抵抗領域65があることによって大きな流れとなるが、
可動部材31がストッパ64に接近または接触するまで変位
すると、それ以上の変位が規制される(図3に示すB時
点)ため、上流方向への液体の移動もそこで大きく抑制
される。すなわち、この可動部材31が変位した状態で
は、液流路10の上流側(少なくとも気泡発生領域の中心
よりも上流側)への流抵抗が増大し、液流路10とその上
流に位置する共通液室13との間の液体および気泡の流通
が大きく抑制される。これにより気泡40の上流側への成
長も可動部材31で抑制される。しかしながら、上流方向
への液体の移動力は大きいため、可動部材31は上流方向
へ引っ張られる応力を大きく受けて撓んだ状態で保持さ
れ、この間に前記の通り気泡40が最大体積に成長する
(図3のC時点)。
大に成長した状態を示す。このとき、気泡40の発生に基
づく圧力により液流路10内の液体が下流側及び上流側に
移動し、上流側においては気泡40の成長により可動部材
31が変位し、下流側においては吐出口18から第1の吐出
液66aが飛び出そうとしている。
0の吐出口側の部分と吐出口との間は液流に対しまっす
ぐな流路構造を保っている「直線的連通状態」となって
いる。これは、より好ましくは、気泡の発生時に生じる
圧力波の伝播方向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方
向とを直線的に一致させることで、吐出液滴66の吐出方
向や吐出速度等の吐出状態をきわめて高いレベルで安定
させるという理想状態を形成することが望ましい。
理想状態に近似した状態とするための一つの定義とし
て、吐出口18と発熱体2、特に気泡40の吐出口18側に影
響力を持つ発熱体2の吐出口側(下流側)とが直接直線
で結ばれる構成としており、これは、液流路10内に液体
がない状態であれば、吐出口18の外側から見て発熱体
2、特に発熱体2の下流側を観察することが可能な状態で
ある。
膜沸騰の後に気泡40内部の負圧による力が液流路10内の
下流側への液体の移動力に打ち勝って、気泡40の収縮が
開始される。この時点では、可動部材31を介することに
よって生じた上流側と下流側の圧力差により、気泡40の
成長による液体の上流方向への力が大きく残るため、気
泡40の収縮開始後一定の間は可動部材31は未だストッパ
64に接触した状態であり、気泡40の収縮の多くは吐出口
18から上流方向への液体の移動を生じさせる。つまり、
図1(b)に示した段階の直後は、変位した可動部材31と
ストッパ64との接触によって、液流路10の上流側の流抵
抗が増大され、気泡40の収縮エネルギーは吐出口18近傍
の液体を上流方向へ移動させる力として働く。したがっ
て、メニスカスMはこの時点で吐出口18から液流路10内
に引き込まれ、第1の吐出液滴66aと繋がっている液柱を
強い力ですばやく切り離すことになる。その結果、図1
(d)に示すように、吐出口18から第1の吐出液滴66aが
吐出し、この時に吐出口18の外側にとり残されるもう
1つの液滴すなわちサテライト(副滴)67が少なくな
る。その直後より、可動部材が下方へ変位し始めると図
1(d)のように上流側の液体は急速にリフィルされるた
め、メニスカスMの液流路10内への引き込みを最小限に
抑えることが可能となる。本実施例では、吐出口から吐
出された第1の吐出液滴66aの速度は10m/s、吐出量は6
plであった。
2に第2発目の電気パルス印加が開始される直前の状態
を示す。この状態は図3にのグラフに示す時間t=20μs時
点での状態であり、可動部材31は図中D点で未だ変位状
態にある。
の気泡が最大に成長した状態を示す。このとき、気泡40
の発生に基づく圧力により液流路10内の液体が下流側及
び上流側に移動し、上流側においては気泡40の成長によ
り可動部材31が変位し、下流側においては吐出口18から
第2の吐出液滴66bが飛び出そうとしている。第2発目は
発泡開始時には可動部材31が変位状態にあるため、気泡
成長過程での液流路10内の上流側への液体の流れは第1
発目の時より抑制され、液体の下流方向(吐出方向)への
吐出エネルギーは増大される。本発明者の実験結果よ
り、第2の吐出液滴66bの吐出速度は12.5m/s、吐出量は
5plであった。
の消泡過程を繰り返す様子を示す。
発熱体2に第3発目の電気パルス印加が開始される直前
の状態を示す。この時点において、図1(d)と同様に可
動部材31が下方へ変位し始めると、上流側の液体は急速
にリフィルされるため、メニスカスMの流路10内への
引き込みを最小限に抑えることが可能である。この状態
は図3のグラフに示す時間t=35μs時点での状態であり、
可動部材31は図中のI点で未だ変位状態にある。この時
点の可動部材31の変位量は、図3のD点とI点を比べて見
て分るとおり、第2発目の発泡開始直前の可動部材31の
変位量よりも大きい。
の気泡が最大に成長した状態を示す。このとき、気泡40
の発生に基づく圧力により液流路10内の液体が下流側及
び上流側に移動し、上流側においては気泡40の成長によ
り可動部材31が変位し、下流側においては吐出口18から
第3の吐出液滴66cが飛び出そうとしている。第3発目の
発泡開始時の可動部材31の変位量は第2発目の発泡開始
時の可動部材31の変位量よりも大きいため、気泡成長過
程での液流路10内の上流側への液体の流れは第2発目の
時より更に抑制され、液体の下流方向(吐出方向)への吐
出エネルギーは増大される。本発明者の実験結果より、
第3の吐出液滴66cの吐出速度は14.5m/s、吐出量は5pl
であった。
同様の消泡過程を繰り返す様子を示す。
のと同様のリフィル過程を繰り返す様子を示しており、
このリフィルによりメニスカスMの流路10内への引き
込みを最小限に抑えることが可能である。
被記録媒体150に第1の吐出液滴66aが着弾する以前に、
12.5m/sで飛翔する第2の吐出液滴66bが、10m/sで飛翔
する第1発目の液滴に到達して合体し、第1と第2の合体
吐出液滴66dとなる様子を示す。第1と第2の合体吐出液
滴66dの量は11plとなる。
目の液滴が図2(k)で合体した合体吐出液滴66dに到達し
て合体し、第1と第2と第3の合体吐出液滴66eとなる様子
を示す。第1と第2と第3の合体吐出液滴66eの量は16pl
となる。
液滴66aは、吐出速度10.0m/s、吐出量6pl、第2の吐出
液滴66bは、吐出速度12.5m/s、吐出量5pl、第3の吐出
液滴66cは、吐出速度14.5m/s、吐出量5pl、となり、第
2の吐出液滴66bは第1の吐出液滴66aより20μs、第3
の吐出液滴66cは第1の吐出液滴66aより35μs遅れて
吐出される。したがって、ヘッドの吐出口18先端から被
記録媒体150までの距離が1.5mmであれば、第1の吐出液
滴66aが被記録媒体150上に着弾する前に第2の吐出液滴
66b 、第3の吐出液滴66cが第1の吐出液滴66aと合体す
ることが可能である。
第2の吐出液滴66bの量が少ないのは、第2発目の吐出
を開始する際には、メニスカスMが液流路10内に少し引
き込まれた状態となっており(図1(c)参照)、したがっ
て、第1発目の吐出を行う際に比べ、第2発目の吐出を
行う際には、発熱体2が作用する液体の量が少ないため
である。前記のように、第1の吐出液滴66aに比べ、第
2の吐出液滴66bに加わる吐出エネルギーが大きいこと
に加え、このように、第1の吐出液滴66aの量に比べ、
第2の吐出液滴66bの量が少ないため、吐出速度は第2
の吐出液滴のほうが速くなり、第1の吐出液滴66aに第
2の吐出液滴66bが追いつくようにすることができる。
出で、単発、2連続吐出、3連続吐出のそれぞれに対応
して、6pl、11pl、16plの4値の階調表現が可能
となる。
ついて説明する。
斜視図であり、ノズルを透視して破線で示す以外は基本
的に図1,2と同じヘッドの状態を示すものである。本実
施形態では、液流路10を構成する壁の両側壁面と可動部
材31の両側部には僅かながらにクリアランスが存在し、
可動部材31のスムーズな変位を可能にしている。さら
に、発熱体2による発泡の成長工程において、気泡40は
可動部材31を変位させるとともに、前記クリアランスを
介し可動部材31の上面側へ隆起して低流路抵抗領域65に
若干侵入する。この侵入した隆起気泡41は可動部材31の
背面(気泡発生領域と反対面)に回り込むことで可動部
材31のブレを抑え、吐出特性を安定化する。
泡41が低流路抵抗領域65から気泡発生領域への液流を促
進させ、前述した、吐出口18側からの高速なメニスカス
引き込みと相まって、消泡をすみやかに完了させる。特
に、隆起気泡41が引き起こす液流によって可動部材31や
液流路10のコーナーに気泡が蓄留することがほとんどな
い。
せて合体させ、4値の階調表現を行う場合について説明
したが、2個の液滴を吐出させて3値の階調表現を行う
ようにしても、また、さらに多数の液滴を吐出させて多
値の階調表現を行うようにしても良い。このようにして
一つの吐出口から連続して吐出した滴を合体させて記録
を行うことにより、吐出量のコントロールがしやすく、
吐出方向も滴の量によらず安定し、また、サテライトの影
響を低減できる。
液滴の大きさはすべてほぼ同一であったが、本発明はこ
れに限られるものではない。最初の滴とそれに連続する
滴との量を異ならせて、階調表現を行う場合には、図1
5に示すように最初の滴の量はほぼ同一で、それに連続
する滴の大きさを変えることが望ましい。なお、図15
(a)は、最初の滴に連続する滴を可動部材31が下方(発
熱体に接近する方向)変位中に発熱体2を駆動させて吐出
することにより、最初の滴よりも吐出量を多くしたもの
であり、図15(b)は、最初の滴に連続する滴を可動部
材31が上方(発熱体から離間する方向)変位中に発熱体2
を駆動させて吐出することにより、最初の滴よりも吐出
量を少なくしたものであり、さらに、図15(c)は、最
初の滴に連続する滴を可動部材31が定常位置に戻った時
に発熱体2を駆動させて吐出することにより、最初の滴
とほぼ同量の吐出量としたものである。このように連続
する滴の吐出量は最初の滴に続く滴を吐出するための駆
動タイミングを変えることにより行うことが出来る。そ
して、このように吐出量を変調することにより、各滴を吐
出する際の発泡状態を安定化させることが出来るため、
滴の吐出量の誤差を少なくすることが出来る。
出量を吐出する階調記録に限らず、例えばインクの種類
によって吐出量を異ならせるようにする場合であっても
適用可能である。この場合、同一の発熱体や可動部材を
用いて吐出量を変えることが出来るため、発熱体基板の
レイアウトを変えることなく対応することも出来、吐出
量差も自由に設定可能である。
ドに適用可能な他の実施形態を説明する。
形態について図面を参照して説明する。
液体吐出原理を、発熱体2と吐出口18が平行平面上で対
向するサイドシユータタイプのヘッドに適用したものを
説明する。図12はこのサイドシユータタイプの液体吐出
ヘッドを説明するための図である。図12に示すようのこ
の液体吐出ヘッドには、素子基板1上の発熱体2と天板50
に形成された吐出口18とが相対するように配設されてい
る。吐出口18は発熱体2上を通る液流路10と連通してい
る。発熱体2と液体との接する面の近傍領域には気泡発
生領域が存在する。そして素子基板1上に2つの可動部材
31が支持されており、各々の可動部材31は発熱体2の中
心を通る面に対して面対称となるように形成され、各々
の可動部材31の自由端は発熱体2上で向き合うように位
置している。また、各々の可動部材31は発熱体2への投
影面積が等しくなっており、各々の可動部材31の自由端
どうしは所望の寸法で隔てられている。ここで、各可動
部材31は、ヘッドを発熱体2の中心を通る分割壁で分割
したと仮定した際、それぞれの分割された発熱体2の中
心付近に可動部材31の自由端が位置するように設けられ
ている。
で規制するストッパ64が設けられている。共通液室13か
ら吐出口18への流れにおいて、ストッパ64を境に上流側
に、液流路10と比較して相対的に流路抵抗の低い低流路
抵抗領域65が設けられている。この領域65における流路
構造は液流路10よりも流路断面積が大きいことで、液体
の移動に対する流路から受ける抵抗を小さくしている。
効果を説明する。
液体の一部が発熱体2によって加熱され、膜沸騰に伴っ
て発生する気泡40が最大に成長した状態を示す。このと
き、気泡40の発生に基づく圧力により液流路10内の液体
が吐出口18方向に移動し、気泡40の成長により各可動部
材31が変位し、吐出口18から吐出液滴66が飛び出そうと
している。ここで、共通液室13方向への液体の移動は各
低流路抵抗領域65があることによって大きな流れとなる
が、2つの可動部材31は各々のストッパ64に接近または
接触するまで変位すると、それ以上の変位が規制される
ため、共通液室13方向への液体の移動もそこで大きく制
限される。同時に気泡40の上流側への成長も可動部材31
で制限される。しかしながら、上流方向への液体の移動
力は大きいため、各可動部材31で成長を制限された気泡
40の一部は、液流路10を形成する側壁と可動部材31の側
部との間隙を通り、可動部材31の上面側に隆起してい
る。すなわち、隆起気泡41が形成されている。
れた場合、この時点では、可動部材31を介することによ
って生じた上流側と下流側の圧力差により、液体の上流
方向への力が大さく残るため、各可動部材31は未だスト
ッパ64に接触された状態であり、気泡40の収縮の多くは
吐出口18から上流方向への液移動を生じさせる。
領域65では液体の上流方向の移動力に対し可動部材31の
反発力(復元力)が勝り、可動部材31の下方変位とそれ
に伴う低流路抵抗領域65での下流方向への流れとが開始
される。これと同時に、低流路抵抗領域65での下流方向
への流れは流路抵抗が小さい為、急速に大きな流れとな
ってストッパ64部分を介し液流路10へ流れ込む。図12
(b)はこの気泡40の消泡工程における液流を矢印A,Bで
示したものである。液流Aは共通液室13からの液体が可
動部材31の上面(発熱体2と反対側の面)側を通って吐
出口18方向に流れる成分を示し、液流Bは可動部材31の
両側と発熱体2上を通つて流れる成分を示している。
路抵抗領域65を通して供給することで、リフィルをより
高速にしている。また、低流路抵抗領域65に隣接する共
通液室13の流路抵抗をさらに小さくしているので、さら
に高速なリフィルを可能にしている。
気泡41が各低流路抵抗領域65から気泡発生領域への液流
を促進させ、前述した、吐出口18側からの高速なメニス
カス引き込みと相まって、消泡をすみやかに完了させ
る。特に、隆起気泡41が引き起こす液流によって可動部
材31や液流路10のコーナーに気泡が蓄留することがほと
んどない。
ても、図1〜4に示した実施形態と同様に、同一吐出口18
から連続約に液体吐出を行なう場合に、先の液体吐出後
に、変位状態から初期状態に復帰する可動部材31の振動
が減衰してしまう前に、可動部材31が変位方向に向けて
(ストッパ64側に)変位している最中に、発熱体2に駆
動パルスを印加し気泡40の発生を開始する。それによっ
て、前吐出より吐出方向(下流側)により効率良く次吐出
の液滴を飛翔させ、前吐出の液滴が被記録媒体150上に
着弾する以前に次吐出の液滴と合体させる事が可能とな
る。
を示すものである。同図(a)は長方形の形状であり、
(b)は支点側が細くなっている形状で可動部材の動作
が容易な形状であり、同図(c)は支点側が広くなって
おり、可動部材の剛性が向上する形状である。
さ5μmのSiNで構成したが、これに限られることなく可
動部材31を構成する材質は、吐出液に対して耐溶剤性が
あり、可動部材31として良好に動作するための弾性を有
しているものであればよい。
い、銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、
白金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、およ
びその合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、
ステレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等の
アミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキ
シル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基
を持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹
脂、そのほか液晶ポリマ一等の樹脂およびその化合物、
耐インク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッ
ケル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金およ
び耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングし
たもの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹
脂、ポリアセターノレ等のアルデヒド基を持つ樹脂、
ポリエーテルエーテルケトン等のケトン基を有する樹
脂、ポリイミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール
樹脂等の水酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル
基を有する樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ
樹脂、エポキシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミ
ン樹脂等のアミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチ
ロール基を持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪
素、チッ化珪素等のセラミックおよびその化合物が望ま
しい。本発明における可動部材31としてはμmオーダー
の厚さのものを対象にしている。
ついて説明する。発熱体2と可動部材31の最適な配置に
よって、発熱体2による発泡時の液体の流れを適正に制
御して有効に利用することが可能となる。
で、インクに急峻な体積変化を伴う状態変化(気泡40の
発生)を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によっ
て吐出口18からインクを吐出し、これを被記録媒体150
上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方
法、いわゆるバブルジェット記録方法の従来技術におい
ては、図8に示すように、発熱体面積とインク吐出量は
比例関係にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効
領域Sが存在していることがわかる。また、発熱体2上の
コゲの様子から、この非発泡有効領域Sが発熱体2の周囲
に存在していることがわかっている。これらの結果か
ら、発熱体周囲の約4μm幅は、発泡に寄与していないと
されている。
は、発熱体の周囲から約4μm以上内側の発熱有効領域の
直上が可動部材31に対し有効に作用を与える領域である
が、本発明の場合、気泡発生領域のほば中央領域(実際
には中央から液の流れ方向に±約10μmの範囲)の上流
側と下流側の気泡40の液流路10内の液流に対する作用
を、独立的に作用せしめる段階と総合的に作用せしめる
段階とに区分し得るところに着目し、該中央領域より上
流側部分のみが可動部材31の可動領域で対面するよう
に、可動部材31を配置することが極めて重要であると言
える。本実施例においては、発泡有効領域を発熱体2周
囲から約4μm以上内側としたが、発熱体2の種類や形成
方法によっては、これに限定されるものではない。
接して、可動部材31に素子基板1側に突出する凸部3
1a(以下、単に「下側凸部」と称する。)を設けても良
い。この下側凸部31aは、気泡発生領域で発生する気泡
が後方(上流側)に成長することを抑制するものであり、
この凸部31aを設けることにより、比べ気泡の後方成長
を少なくすることができる。そして、この下側凸部31a
は後方への気泡40の成長を抑制することで、吐出エネル
ギーが有効にインクの吐出に寄与するようにするもので
ある。
可動部材31が基板側に変位する際にこの下側凸部31が
基板1に当接することがあるため、少なくとも発熱体2
周囲の段差部分から離れた位置に設けられることが望ま
しい。具体的には有効発泡領域から5μm以上離れてい
ることが望ましい。また、あまりに気泡発生領域から離
れすぎると、気泡後方成長抑制の効果を発揮できなくな
るため、発熱体2の有効発泡領域から略発熱体長の半分
までの距離内に設けられていることが望ましい。すなわ
ち、本実施例においては約45μmであり、好ましくは30
μm以内、さらに好ましくは20μm以下となる。
と素子基板1間の距離とほぼ等しいかそれ以下であり、
本実施形態においては、下側凸部31aの先端と素子基板
1との間にはわずかにクリアランスを設けている。
で発生した気泡40は、可動部材31と素子基板1との間
を上流方向へ伸延することが抑制され、上流方向への液
体の移動が少なくなり、結果的にさらに良好にリフィル
が行われるようにすることができる。
を発泡させる場合、気泡40の成長が急速である発泡開始
時点では、下側凸部31aによって、気泡発生領域が上流
側で実質的に密閉された状態となる。このため、発泡に
よって発生する圧力波は上流側へは進行せず、圧力波を
効率的に下流側へ向かわせ、インク吐出に寄与させるこ
とができる。
ッドにおいても、同一吐出口18から連続約に液体吐出を
行い、複数の吐出液滴を合体させて、多値階調の記録を
実現できる。
いて説明する。図9は本発明の液体吐出ヘッドの縦断面
図を示したもので、図9(a)は後述する保護膜があるヘ
ッド、同図(b)は保護膜がないものである。液流路1
0、液流路10と連通する吐出口18、低流路抵抗領域65お
よび共通液室13を構成する溝を設けた天板50が素子基板
1上に配されている。
縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチッ化
シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体2を構成するハ
フニュウムボライド(HfB2)、チッ化タンタル(Ta
N)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵抗層105(0.0
1〜0.2μm厚)とアルミニウム等の配線電極104(0.2
〜1.0μm厚)を図9(a)のようにパターニングしてい
る。この配線電極104から抵抗層105に電圧を印加し、抵
抗層に電流を流し発熱させる。配線電極104間の抵抗層
上には、酸化シリコンやチッ化シリコン等の保護層103
を0.1〜2.0μm厚で形成し、さらにそのうえにタンタ
ル等の耐キャビテーション層102(0.1〜0.6μm厚)が
成膜されており、インク等の各種の液体から抵抗層105
を保護している。
圧力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久
性を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
み合わせにより、上述の抵抗層105に保護層103を必要と
しない構成としても良く、その例を図9(b)に示す。こ
のような保護層103を必要としない抵抗層105の材料とし
てはイリジュウム-タンタル-アルミ合金等が挙げられ
る。
は、前述の配線電極104間のみに電気抵抗層105(発熱
部)を配したものでもよく、また電気抵抗層105を保護
する保護層103を含むものでもよい。
応じて発熱する電気抵抗層105で構成された発熱部を有
するものを用いたが、これに限られることなく、吐出液
を吐出させるのに十分な気泡40を発泡液に生じさせるも
のであればよい。例えば、発熱部としては、レーザ等の
光を受けることで発熱するような光熱変換体や高周波を
受けることで発熱するような発熱部を有する発熱体でも
よい。
部を構成する電気抵抗層105とこの電気抵抗層105に電気
信号を供給するための配線電極104で構成される電気熱
変換体の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動する
ためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフトレジ
スタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程によって作
り込まれていてもよい。
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出する
ためには、前述の抵抗層105に配線電極104を介して図10
で示されるような矩形パルスを印加し、配線電極104間
の電気抵抗層105を急峻に発熱させる。前述の各実施形
態のヘッドにおいては、それぞれ電圧24V、パルス幅約4
μsec、電流約100mA、駆動周波数を6kH z以上で加える
ことで発熱体2を駆動し、前述のような動作によって、
吐出口から記録液体であるインクを吐出させた。しかし
ながら、駆動信号の条件はこれに限られることなく、発
泡液を適正に発泡させることができる駆動信号であれば
よい。
行う上で用いる液体(記録液体)としては従来のバブル
ジェット装置で用いられていた組成のインクを用いるこ
とができる。
い液体、熱によって変質、劣化しやすい液体や高精度液
体等であっても利用できる。
吐出や発泡また可動部材31の動作等を妨げるような液体
でないことが望まれる。
等をも利用することがでさる。
ことがでさる記録液体として以下のような組成のインク
を用いて記録を行ったが、吐出力の向上によってインク
の吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度が向上し
非常に良好な記録画像を得ることができる。
液体吐出ヘッドの全体構成を示した分解斜視図である。
は、アルミ等の支持体70上に発熱体2が複数設けられた
素子基板1が配されている。この上に各発熱体2の共通液
室13側の半分と対面するように可動部材31を支持した支
持部材34が設けられている。さらに、この上に液流路10
を構成する複数の溝と共通液室13の凹溝とが設けられた
天板50が設けられている。
説明した構造の液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置
の概略構成を示している。本実施形態では、特に吐出液
体としてインクを用いたインク吐出記録装置を用いて説
明する。液体吐出装置のキャリッジHCは、インクを収容
するインクタンク90部分と、液体吐出ヘッド200部分と
が着脱可能なヘッドカートリッジを搭載しており、被記
録媒体搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体150
の幅方向に往復移動する。
HC上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信
号に応じて液体吐出ヘッド200から被記録媒体150に対し
て記録液体が吐出される。
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動するため
の駆動源としてのモーター111、駆動源からの動力をキ
ャリッジに伝えるためのギア112、113、キャリッジ軸11
5等を有している。この記録装置およびこの記録装置で
行う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体150に対
して液体を吐出することで良好な画像の記録物を得るこ
とができた。
な液体吐出ヘッドにインク吐出記録を動作させるための
装置全体のブロック図を示す。
印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装置
内部の入出力インタフェイス301に一時保存されると同
時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘッ
ド駆動信号供拾手段を兼ねるCPU(制御手段)302に入力
される。CPU302はROM303に保存されている制御プログラ
ムに基づき、前記のCPU302に入力されたデータをRAM304
等の周辺ユニットを用いて処理し、印字するデータ(画
像データ)に変換する。
画像を被記録媒体150上の適当な位置に記録するため
に、画像データに同期して被記録媒体150および液体吐
出ヘッド200をを移動する駆動用モータ306を駆動するた
めの駆動データを作る。画像データおよびモータ駆動デ
ータは、各々ヘッドドライバ307と、モータドライバ305
を介し、液体吐出ヘッド200および駆動用モータ306に伝
達され、これらが制御されたタイミングで駆動され画像
を形成する。
等の液体の付与が行われる被記録楳体150としては、各
種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に
用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
OHPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、また布帛に記録を行う捺染装置等
をも含むものである。
液としては、それぞれの被記録媒体150や記録条件に合
わせた液体を用いればよい。
の弁機構によれば、バック波すなわち上流方向の圧力波
に伴う液体の上流方向への移動を抑制することによっ
て、消泡時の液体の液流路へのリフィルを早めると同時
に、多連続吐出において可動部材が変位状態で2発目以
降の液体発泡を開始することによって、前液滴よりも効
率良く液滴を飛翔させることが出来、複数の液滴を合体
させて被記録媒体上に着弾させることが可能となる。
量の異なる液滴を吐出させることが可能となり、階調記
録を実現し、高速かつ高品位な記録が可能な液体吐出装
置を提供することができる。
液流路方向で切断した断面図で示し、3連続の液体吐出
動作の工程(a)〜(f)を示した図である。
る。
ラフである。
明する流路の断面図である。
図である。
状の例を示す図である。
グラフである。
(a)は発熱体に保護膜があるもの、(b)は保護膜がな
いものである。
スの波形図である。
分解斜視図である。
ータタイプの液体吐出ヘッドを説明するための図であ
る。
ドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示す図である。
ヘッドにインク吐出記録を動作させるための装置全体の
ブロック図である。
Claims (27)
- 【請求項1】 液体中に気泡を生成させるための熱エネ
ルギーを発生する発熱体と、前記液体を吐出する部分で
ある吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記液体に
気泡を生成させる気泡発生領域を有する液流路と、前記
気泡発生領域に設けられ前記気泡の成長に伴い変位する
可動部材と、前記可動部材の変位を所望の範囲に規制す
る規制部とを備え、前記気泡発生時のエネルギーにより
前記吐出口から前記液体を吐出させて液滴を形成し、該
液滴を被記録媒体上に着弾させて記録を行なう液体吐出
ヘッドであって、 同一の前記吐出口から連続的に複数の液滴を吐出し、該
複数の液滴は前記被記録媒体上に着弾する以前に合体し
て一つの液滴を形成することを特徴とする液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項2】 前記同一の吐出口から連続的に複数の液
滴を吐出する場合、2回目以降の発泡開始時点の前記可
動部材は変位状態にあり、その発泡開始時点の前記可動
部材の変位量は、前回の発泡開始時点の前記可動部材の
変位量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の
液体吐出ヘッド。 - 【請求項3】 前記同一の吐出口から連続的に複数の液
滴を吐出する場合、2回目以降の前記液滴の吐出速度
は、前回の前記液滴の吐出速度よりも大きいことを特徴
とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項4】 前記同一の吐出口から連続的に2個の液
滴を吐出する場合、1個目の液滴が前記被記録媒体上に
着弾する以前に2個目の液滴が前記1個目の液滴と合体
し、1個目の液滴の略2倍の量を持つ液滴を形成するこ
とを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項5】 前記同一の吐出口から連続的に3個の液
滴を吐出する場合、1個目の液滴が前記被記録媒体上に
着弾する以前に2個目と3個目の液滴が前記1個目の液
滴と合体し、1個目の液滴の略3倍の量を持つ液滴を形
成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項6】 前記可動部材が、変位することによって
前記液流路の上流側を実質的に塞ぎ、上流方向への前記
液体の移動および前記気泡の成長を抑制する請求項1に
記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項7】 前記発熱体が電気熱変換体であり、該電
気熱変換体に駆動パルスを供給することにより前記液体
の加熱を行なう請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項8】 前記気泡の発泡開始時より一定の間、前
記可動部材と前記規制部との接触状態が保たれる請求項
1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項9】 前記可動部材の非変位時において、前記
規制部を境界として上流側の前記液流路の流路抵抗が下
流側の液流路の流抵抗より低い請求項1に記載の液体吐
出ヘッド。 - 【請求項10】 前記発熱体と前記吐出口とは直線的連
通状態となっていることを特徴とする請求項1に記載の
液体吐出ヘッド。 - 【請求項11】 前記可動部材は、前記吐出口に向かう
液体の流れに関して上流方向に成長する気泡のみを抑制
するために設けられていることを特徴とする請求項1に
記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項12】 前記可動部材は自由端を有しており、
該自由端は前記気泡発生領域の実質中央部に位置してい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項13】 前記規制部は前記液流路の前記可動部
材からの距離を部分的に小さくすることにより形成され
ていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項14】 前記吐出口は前記発熱体の上方に設け
られることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッ
ド。 - 【請求項15】 前記可動部材は一つの発熱体に対して
複数形成されており、該複数の可動部材は前記発熱体の
発泡中心に対して対称となるように形成されていること
を特徴とする請求項14に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項16】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する場合、2回目以降の前記液滴の吐出量
は、前回の前記液滴の吐出量よりも大きいことを特徴と
する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項17】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する場合、2回目以降の前記液滴の吐出量
は、前回の前記液滴の吐出量よりも小さいことを特徴と
する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項18】 請求項1から17のいずれか1項に記載
の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された
液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段
とを備えた液体吐出装置。 - 【請求項19】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
し、被記録媒体にインクを付着させることで記録を行う
請求項18に記載の液体吐出装置。 - 【請求項20】 液体中に気泡を生成させるための熱エ
ネルギーを発生する発熱体と、前記液体を吐出する部分
である吐出口と、該吐出口に連通するとともに前記液体
に気泡を生成させる気泡発生領域を有する液流路と、前
記気泡発生領域に設けられ前記気泡の成長に伴い変位す
る可動部材と、前記可動部材の変位を所望の範囲に規制
する規制部とを備え、前記気泡発生時のエネルギーによ
り前記吐出口から前記液体を吐出させて液滴を形成し、
該液滴を被記録媒体上に着弾させて記録を行なう液体吐
出ヘッドの液体吐出方法であって、 同一の前記吐出口から連続的に複数の液滴を吐出し、該
複数の液滴を前記被記録媒体上に着弾する以前に合体さ
せて一つの液滴を形成する工程を有する液体吐出方法。 - 【請求項21】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する工程において、2回目以降の発泡開始時
点では前記可動部材が変位状態にあり、その発泡開始時
点の前記可動部材の変位量は、前回の発泡開始時点の前
記可動部材の変位量よりも大きいことを特徴とする請求
項20に記載の液体吐出方法。 - 【請求項22】 前記合体された液滴の量を変えること
により階調記録を行う請求項20に記載の液体吐出方
法。 - 【請求項23】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する時、第2発目以降の液滴の吐出は、前記
可動部材が下方変位中に発泡開始するものであることを
特徴とする請求項20に記載の液体吐出方法。 - 【請求項24】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する時、第2発目以降の液滴の吐出は、前記
可動部材が上方変位中に発泡開始するものであることを
特徴とする請求項20に記載の液体吐出方法。 - 【請求項25】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する時、第2発目以降の発泡開始時点の前記
可動部材は初期状態にあり、前回の発泡開始時から前記
可動部材は変位し変位状態から初期状態に戻った時点で
次回の発泡を開始することを特徴とする請求項20に記
載の液体吐出方法。 - 【請求項26】前記連続する液滴の体積がほぼ等しいこ
とを特徴とする請求項20に記載の液体吐出方法。 - 【請求項27】 前記同一の吐出口から連続的に複数の
液滴を吐出する時、第2発目以降の液滴の量を変えるこ
とにより階調記録を行う請求項22に記載の液体吐出方
法。
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JP11-212904 | 1999-07-27 | ||
JP2000227081A JP4194230B2 (ja) | 1999-07-27 | 2000-07-27 | 液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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