JP2001095472A - 鮭の保存加工法 - Google Patents

鮭の保存加工法

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JP2001095472A
JP2001095472A JP27280399A JP27280399A JP2001095472A JP 2001095472 A JP2001095472 A JP 2001095472A JP 27280399 A JP27280399 A JP 27280399A JP 27280399 A JP27280399 A JP 27280399A JP 2001095472 A JP2001095472 A JP 2001095472A
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salt
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一行 豊田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑菌繁殖、腐敗防止が可能な低塩量で加工
し、香辛料及びてんさい含蜜糖の相乗効果により塩味を
抑え、塩味のみによらずに鮭の旨味を引き出し、肉色、
風味にも優れ、肉身も弾力性があり長期保存が可能で需
要の向上を図ることができる。 【解決手段】 生鮭から内臓、血合等を取り除いて水切
りする。この半加工鮭の腹に適量の粉砕塩、てんさい含
蜜糖みじん切り若しくは擦り下ろし生ニンニクを混ぜて
詰める。表皮の全体に月桂樹の葉若しくはその粉末又は
フェンネルシード、粒黒胡椒若しくはその粗挽きを散布
した後、耐油性又は耐湿性紙で包み巻きし、紐或はテー
プで全体を等間隔で縛る。この状態で所望期間放置して
熟成させるが、望ましくは15〜22℃の温度範囲で熟
成させるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鮭の保存加工法に関
するもので、さらに詳しくは塩、てんさい含蜜糖、ニン
ニク及び香辛料のみを用いて加工し、化学調味料、保存
料、発色剤などの添加物は用いない鮭の保存加工法に関
する。
【0002】
【従来の技術】鮭の市場は近年沿岸定置網による豊漁及
び養殖鮭、輸入冷凍鮭の増加等で安値の低迷が続いてい
ることから、種々多様な鮭加工食品が製造されている。
従来、添加物を使用せずに塩のみを用いる鮭の加工食品
としては、直接固形食塩を鮭に散布加工するふり塩漬け
法による新巻鮭が主流である。また、鮭を3枚に卸して
2っ割とし、塩水中に短時間浸漬してから乾燥製品とす
る段階で4っ割りなどにするトバ、背割して内臓、頭、
骨を取り除き、施塩して数日間放置してから水洗いした
後乾燥製品とする開き干し、更には内臓、血合等を取り
除いて水洗いした後大量の施塩をして数10日間放置
し、水洗いして冷凍してから乾燥製品とする山漬け等も
最近多く製造されており、乾燥食品独特の風味で馴染ま
れている。また、塩処理のみの生食品としては、鮭の血
合をふり塩漬けして熟成させるメフンのみであるが生産
量は少なく、塩のみによる加工食品が最近のグルメ志
向、低塩化志向から敬遠されがちな傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鮭の食塩処理加工にお
いて、低塩化して保存料、化学調味料等を使用すれば長
期保存が可能であるし、種々多様な味付け食品の加工製
造も可能であるが、添加物の量や種類が多い食品は消費
者の自然食志向からも需要は望めないという問題があ
る。本発明は、雑菌繁殖、腐敗防止が可能な低塩量で加
工し、香辛料及びてんさい含密糖の相乗作用により塩味
を抑え、塩味のみに頼らずに鮭の旨味を引き出し、肉
色、風味にも優れ、肉身も弾力性があり長期保存が可能
で需要の向上を図ることができる鮭の保存加工法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために構成された請求項1に係る発明方法は、生鮭から
内臓、血合等を取り除いて水切りした半加工鮭の腹内部
に、塩、てんさい含蜜糖及びニンニクを混ぜて詰め、表
皮に香辛料を散布して耐油性又は耐湿性紙で包み熟成さ
せる手段からなる。
【0005】また、請求項2に係る発明方法は、生鮭か
ら内臓、血合等を取り除いて水切りした半加工鮭の腹内
部に、粉砕塩、てんさい含蜜糖及び擦り下ろし若しくは
微塵切り生ニンニクを混ぜて詰め、表皮に月桂樹の葉若
しくはその粉末又はフェンネルシード及び粒黒胡椒若し
くはその粗挽きを散布して耐油性又は耐湿性紙で包み熟
成させる手段からなる。
【0006】そして、上述した生鮭から内臓、血合等を
取り除いた後に、急速冷凍し自然解凍を行なうとよい。
こうすることにより、生鮭の体内に寄生している虞のあ
る寄生虫を死滅させることができる。
【0007】また、前記熟成は15〜22℃の温度範囲
で行なうことにより、カビの発生防止や防虫の点でより
効果がある。
【0008】半加工鮭の内部に詰める塩、てんさい含蜜
糖及び香辛料が身のどの部分にも一様に浸透して味がど
の部分も均等であり、また骨のエキス分を引き出すこと
により鮭の旨味を出すと共に、身の含有水分を脱水させ
て長期保存を可能にするために熟成を行なう。この熟成
は、耐油性又は耐湿性紙で包み巻きし、小包用平テープ
などを用いて等間隔に縛った状態にして行なう。木製又
は合成樹脂製の容器内や棚等に通気性を良くすると共
に、耐油性又は耐湿製紙から滲み出る脱水分の排出を良
くするための簀の子状又は多数の小穴をあけた置き台を
置く。その上に上述の包み巻きしたものを頭部、尾部を
交互に横にして一列に並べる。容器の場合、底に小穴を
開けてその下に脱水排出液を計量するための容器を置
く。置き台の下には小穴の方向に傾斜を持たせてビニー
ルシート等を張り、棚の場合も同様にビニールシート等
を張ることにより、排出液を収集し易いようにするとよ
い。
【0009】腹部に詰めた粉砕塩、てんさい含蜜糖の浸
透による脱水分は、耐油性又は耐湿性紙で包み巻きされ
ているために排出は抑制されて飽和水となって浸漬さ
れ、骨のエキス分を引き出し、ニンニクは魚臭の消去と
味付けをし、又月桂樹の葉又はその粉末、フェンネルシ
ード、粒黒胡椒又はその粗挽き等に脱水分が吸収されて
香辛料の風味と香りが付与されると共に魚臭を消す。余
剰脱水分は耐油性又は耐湿性紙を緩慢に伝わって排出さ
れ、前記排出液計量容器に保留される。2重、3重と包
み巻きしている耐油性又は耐湿性紙の全体に脱水分が浸
透すれば、同紙は密着してあたかも容器のようになるた
めに排出量は減少する。
【0010】排出液の色の変化、量の増加と減少及び停
止の時期を監視し、その後耐油性又は耐湿性紙の乾燥度
合いを見て熟成の判断をする。適量の塩を使用して雑菌
繁殖を抑えると共に、含有水分を脱水させることにより
長期保存が可能になり、又は加工過程において耐油性又
は耐湿性紙で包むことで、空気接触を遮断し、油焼けを
防止して品質、味の低下を防ぐことができる。加工用材
料も通常安価に入手可能であり、また加工用の特殊器
具、機械等の設備も不用なため、安価な製品の提供が可
能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
鮭の保存加工法の詳細を説明する。実施の形態で使用す
る鮭は、通常の鮭の他にトラウトサーモン、キングサー
モン、ベニサケ、メジカ等を含むものである。てんさい
含蜜糖を用いるのは、他の砂糖に比べて重量比でかさ
(体積)があるため、腹部に粉砕塩と混ぜて詰めた場合
に腹部を膨らませて身に強く接し、浸透と脱水の効果を
高めるからである。また、製品に甘みを付けるだけでな
く、身の発色効果を高める。鮭の加工熟成過程において
粉砕塩、てんさい含蜜糖の浸透による脱水分にてんさい
含蜜糖の色素が溶け、排出液を着色させることから熟成
の度合いを判断することができる。
【0012】香辛料に月桂樹の葉又はその粉末、フェン
ネルシード、粒黒胡椒又はその粗挽きを用いるのは、多
様の香辛料を用いて実験した結果、相乗作用によって独
特の風味が出ることが確認できたからである。また、粒
黒胡椒又はその粗挽きは、前記同様熟成中に排出される
脱水分に色素が溶け、脱水液を着色させるため、熟成の
度合いを判断できる利点もある。
【0013】加工する鮭を熟成させるのに包む紙は、種
々の用紙を用いて実験した結果、耐油性又は耐湿性のも
のを用いるとよい。例えば、耐水性が強いビニール系用
紙は好ましくない。その特性により脱水分が紙面を滑っ
て流れて部分的に留まり、用紙全体に均等に浸みわたら
ずに紙面同士が密着しない部分ができるため、浸出した
脱水分が粉砕塩を溶かし、浸漬加工において重要な飽和
食塩水となる前に排出される率が高く又紙面からの水分
蒸発も抑制されるからである。
【0014】耐油性又は耐湿性紙のどちらかを用いても
製品の品質には影響しないが、脂油分の多いトラウトサ
ーモン、銀鮭等には耐油性紙を用いる。鮭を包んだ用紙
に脱水分が浸みて容器の形状となり、包みを動かしても
破損しない強度を維持するには3〜4枚重ね巻きする必
要がある。重量1.5〜2.5kg級の鮭であればB1
版用紙1枚で3〜4巻が可能である。5巻き以上する
と、余剰脱水分が紙面間に滞留して排出量が減少するた
め、製品の水分含有率が高くなって品質低下の原因とな
るので好ましくない。
【0015】加工した鮭は熟成後、皮と骨を除いてスラ
イスして食べるのに適するように、胸びら部分(カマ部
分)は残して頭部を除去した鮭で、切り身用の身厚で太
身の魚体よりも薄身の魚身の方が加工し易い。2kg以
上の大型キングサーモン等では、腹の内部から背部に向
け包丁を入れ、その部分にも粉砕塩、てんさい含蜜糖、
みじん切り生ニンニクを混ぜて施す必要がある。生鮭の
内臓、血合い等を取り除いて水洗い水切りし、または半
加工鮭に腹内部に鮭の重量1kgに対して、8.5〜1
0重量%(85〜100g)の粉砕塩、4.5〜7.5
重量%(40〜75g)のてんさい含蜜糖、1〜2重量
%(10〜20g)のみじん切りしたニンニクを混ぜて
詰めるが、粉砕塩の量は出来上がりと味覚に敏感に影響
するため、実際には経験的なデータに基づいて調整する
必要がある。
【0016】B1版の耐油性又は耐湿性紙の端側に、鮭
の体型に合わせて鮭の重量1kg対して月桂樹の葉0.
6〜0.8重量%(6〜8g)、粒黒胡椒3.0〜4.
0重量%(30〜40g)の半量を散布し、その上に粉
砕塩等を詰めた半加工鮭を横にして置く。上部表皮に残
り半量の月桂樹の葉及び粒黒胡椒を散布し、耐油性又は
耐湿性紙の端をかぶせ、1〜2巻してから両端を内側に
折り曲げて包み巻きし、ポリエチレン又はポリプロピレ
ン製の平テープ等を用いて尾部から頭部を約3〜5cm
間隔で身に食い込まない程度の強さで縛る。テープ等は
細くて硬いものを用いると、その部分のみが圧迫されて
脱水効果が低下するから、柔らかくて巾の広い紐又はテ
ープ等を用いる必要がある。加工前の鮭の水切りが完全
にできない場合、又は半加工鮭で2kg以上の大型魚等
の場合は、水分吸収性の良いフェンネルシードを月桂樹
の葉に換え、鮭の重量1kg対して1.2〜1.5重量
%(1.2〜1.5g)を用いるとよい。
【0017】熟成期間中において一昼夜の時間帯での周
辺温度が12時間以上10〜12℃を予想される場合に
は、塩分の浸透による脱水が不活発となる。このため、
鮭の重量1kg対して月桂樹の葉の粉末0.5〜0.9
重量%(5〜9g)、粒黒胡椒の粗挽き1.2〜1.9
重量%(12〜19g)を用い、生ニンニクは擦り下ろ
したものを1〜2重量%(10〜20g)用いて脱水分
の吸収を早め、鮭の身に香辛料の香りと風味を付与させ
たが、味の嗜好により月桂樹の葉又はその粉末と、フェ
ンネルシードを半量ずつ計量して用いても独特の風味と
香りを付与することができる。
【0018】前記月桂樹の葉又はその粉末、粒黒胡椒又
はその粗挽き、ニンニクの配分量は鮭の種類、生鮭又は
半加工鮭、施塩量、魚重量、原料の鮭を加工する場所に
おける熟成期間中の周囲温度(以下鮭の種類、温度と言
う)により多少増減しても品質には影響しない。また、
月桂樹の葉とその粉末、粒黒胡椒とその粗挽きを混ぜて
用いることで風味と香りを調整して付与することもでき
る。耐油性又は耐湿性紙で包み巻きした鮭を置き台上に
頭部、尾部を交互にして横に並べ、下部にした面の耐油
性又は耐湿性紙から脱水分が浸み出て一様にしっとり濡
れたら反転して上面とし、この日時を周期として熟成す
るまで上下反転を繰り返す。半日〜2日で耐油性紙から
余剰脱水分が出始めて置き台下の容器に留まる。脱水液
の色は粒黒胡椒を用いた場合は飴色(てんさい含蜜糖の
色素)であるが、日数経過にしたがって焦げ茶色(粒黒
胡椒の色素)から黒みがかった濃色となり、粗挽き黒胡
椒を用いると、逆に黒みがかった焦げ茶色から飴色に変
化する。
【0019】排出液量が減少して停止するまで等時間間
隔で排出液を計量し、グラフ用紙に数値をプロットして
熟成の判断とするが、耐油性又は耐湿性紙が乾燥気味と
なる3〜10日後に食品化する方が水分の蒸発が減少し
て味が良い。排出液重量は鮭の重量1.5kg前後であ
れば1匹当たり最大180g前後である。用紙の下部面
が濡れて反転できるまでの日数は半日〜2日であり、又
脱水分の排出が停止するか、急減する日数は8〜16日
で排水液量も鮭の種類、温度等により異なり、反転する
周期も前記同様鮭の種類、温度等で異なる。
【0020】品質の良い製品を得るためには、熟成期間
中の温度は一定に保つ方が望ましい。蓋付容器に自記温
度記録計を入れ半加工鮭が熟成するまで屋外に置き実験
を試みた結果、1〜28℃の温度変化があっても製品の
品質低下は認められなかった。同様に同容器を用いた実
験で8〜33℃の温度変化があり熟成期間19日間中に
33℃を1時間、32℃を2時間記録したが、品質の低
下は認められなかった。温度が高いほど塩分の浸透が速
やかになることは勿論であるが、カビの発生、防虫など
を考慮すると15〜22℃の範囲での温度管理が望まし
い。
【0021】
【実施例1】原料として内臓、血合、頭部等を除去し、
水洗い水切りした重量1.4kgの生トキ鮭を用意し
た。腹部に粉砕塩8.5重量%(119g)、てんさい
含蜜糖5重量%(70g)、みじん切り生ニンニク1.
8重量%(25g)(以下の数値は少数点以下四捨五
入)を混ぜて詰め、全体に粒黒胡椒3.2重量%(45
g)、月桂樹の葉0.78重量%(11g)を散布し、
B1版硫酸紙(耐湿性用紙)1枚で包み巻きしてポリエ
チレン製小包用紐を用いて全体を約3cm間隔で縛り、
合成樹脂製蓋付容器に簀の子状置き台を入れ、その上に
横にした状態で乗せて屋外に置いた。
【0022】24時間後に耐湿性紙である硫酸紙の下面
が脱水液でしっとり濡れたため反転して上面とし、以後
22日間24時間間隔で反転を繰り返して熟成させた。
容器の底に開けた小穴より排出された脱水液の色は飴色
から焦げ茶色に変化した後、濃い焦げ茶色に変化した。
排出液量は24時間間隔で計量した。実施後216時間
で169g、以後排出量は急激に減少して96時間経過
しても6gであり、実施後300時間で排出量は180
gとなり脱水は停止した。硫酸紙の乾燥状態を目視し、
実施26日後に骨と皮を除いて身をスライスして試食し
たが、身は弾力性があり身崩れが起こらず、味はどの部
分もほぼ均一な薄塩味で肉色はピンク色を帯びた赤色で
あり、魚臭は皆無であった。熟成期間中容器内部に設置
した自記温度記録計は、最低8℃最高32℃の温度を記
録した。
【0023】
【実施例2】原料として頭部を除去した重量2.5kg
の半加工鮭トラウトサーモンを用意した。腹部に粉砕塩
9重量%(225g)、てんさい含蜜糖6重量%(15
0g)、すり下ろし生ニンニク1.2重量%(30g)
を混ぜて詰め、表皮全体にフェンネルシード1.2重量
%(30g)、黒胡椒の粗挽き1.2重量%(30g)
を散布し、B1版のパーチメントペーパー(耐油性紙)
1枚で包み巻きして、ポリエチレン製平テープを用いて
全体を約5cm間隔で縛り、実施例1と同様の容器に入
れ屋外に置いた。12時間後パーチメンペーパーの下面
が脱水液でびっしょり濡れて黒色排出液8gを計量した
ため反転して上面とし、以後3日間12時間間隔で反転
を繰り返し、その後16日間は24時間間隔で反転を繰
り返して熟成させた。
【0024】容器から排出された脱水液の色は、黒色か
ら黒色を帯びた焦げ茶色に変わりその後飴色に変色し
た。排出液量は12時間間隔で計量し、実施後180時
間で143g、以後排出量は急激に減少し、実施後37
2時間で180g、実施後468時間で184gの排出
液を計量した。脱水が停止したので、骨と皮を除いて身
をスライスして試食したが、身は弾力性を有して切り口
には艶があり、味はどの部分もほぼ均一でフェンネルシ
ードの甘みがあり、魚臭は皆無であった。肉色はフェン
ネルシード色素でネズミ色を帯びた肉色であった。熟成
期間中容器内部に設置した自記温度記録計は、最低8℃
最高32℃の温度を記録した。
【0025】
【実施例3】原料として頭部を除去した重量1.3kg
の半加工鮭トラウトサーモンを用意した。腹部に粉砕塩
9.5重量%(124g)、てんさい含蜜糖6.5重量
%(85g)、擦り下ろし生ニンニク1.6重量%(2
1g)を混ぜて詰め、表皮全体に黒胡椒の粗挽き1.8
重量%(23g)、月桂樹の葉の粉末0.7重量%(9
g)を散布し、B1版のパーチメントペーパー1枚で包
み巻きしてポリエチレン製平テープを用いて全体を約4
cm間隔で縛り、実施例1と同様に容器に入れて屋外に
置いた。
【0026】36時間後パーチメントペーパーの下面が
脱水液でびっしょり濡れたため、試食するまでの492
時間に36時間間隔で反転を繰り返して熟成させた。容
器から排出された脱水液の色は、濃い焦げ茶色から黒色
を帯びた焦げ茶色になって序序に薄色となり、焦げ茶色
に変わり飴色に変色した。排出液量は36時間間隔で計
量し、実施後204時間で78g計量した後減少し、実
施後324時間で96g計量し脱水は停止した。パーチ
メントペーパーの乾燥状態を目視し、実施から492時
間後に骨と皮を除いて身をスライスして試食したが、身
は弾力性を有し切口には艶があり、味は薄塩味で薫製品
に似た独特の風味がどの部分にもほぼ均一であり、肉色
は濃い赤色で魚臭は皆無であった。熟成期間中容器内部
に設置した自記温度記録計は、最低7℃最高31℃の温
度を記録した。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上詳述した如く構成したか
ら、下記の諸効果を奏する。 (1)本発明方法によれば、香辛料のみにより独特な風
味が付与されているし、魚臭も除去されており、肉身は
弾力性を有するので薄くスライスしても身崩れすること
もなく直接美味に食することができる。 (2)本発明方法によれば、加工した製品の肉身をラッ
プに包んで家庭用冷蔵庫の冷凍庫に30日間収納した後
に食しても、肉色、風味、弾力性はほぼ変化していない
ことから、調理等が容易であるし長期間の保存性にも優
れている。 (3)熟成後骨を除去してから身を4っ割、8っ割など
にして乾燥製品のトバに加工することも可能であり、独
特な風味のある乾燥食品にできる。 (4)本発明方法によれば、加工する魚体は薄身で細身
な価格の安い魚体が適しているし、鮮度を配慮せずに原
料を選択できるから、安価に加工製品を提供することが
できるし、付加価値を向上できる。 (5)本発明方法によれば、加工用材料は安価に入手可
能なものであるし、加工用の特殊器具や機械等の設備も
不用であるから、鮭加工品を安価に製造することができ
る。 (6)生鮭から内臓、血合等を取り除いた後に、急速冷
凍し自然解凍を行なうことにより、生鮭の体内に寄生し
ている虞のある寄生虫を死滅させることができるので、
安心して食することができる。 (7)熟成は望ましくは15〜22℃の温度範囲で行な
うことにより、カビの発生防止や防虫の点でより効果が
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生鮭から内臓、血合等を取り除いて水切
    りした半加工鮭の腹内部に、塩、てんさい含蜜糖及びニ
    ンニクを混ぜて詰め、表皮に香辛料を散布して耐油性又
    は耐湿性紙で包み熟成させてなる鮭の保存加工法。
  2. 【請求項2】 生鮭から内臓、血合等を取り除いて水切
    りした半加工鮭の腹内部に、粉砕塩、てんさい含蜜糖及
    び擦り下ろし若しくは微塵切り生ニンニクを混ぜて詰
    め、表皮に月桂樹の葉若しくはその粉末又はフェンネル
    シード及び粒黒胡椒若しくはその粗挽きを散布して耐油
    性又は耐湿性紙で包み熟成させてなる鮭の保存加工法。
  3. 【請求項3】 生鮭から内臓、血合等を取り除いた後、
    急速冷凍し自然解凍を行うことを特徴とする請求項1又
    は2記載の鮭の保存加工法。
  4. 【請求項4】 前記熟成は15〜22℃の温度範囲で行
    なうことを特徴とする請求項1又は2記載の鮭の保存加
    工法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513706A (ja) * 2003-02-19 2006-04-27 ベージ ホールディング エイエス 食肉処理方法
CN102704322A (zh) * 2012-06-11 2012-10-03 上海海洋大学 一种具有天然抗菌保鲜作用的包装纸及其制作方法
KR101677595B1 (ko) * 2015-11-24 2016-11-18 박선화 비트를 이용한 연어 그라브락스의 제조방법 및 그 연어 그라브락스

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