JP2001091520A - 分析装置 - Google Patents

分析装置

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JP2001091520A
JP2001091520A JP26999899A JP26999899A JP2001091520A JP 2001091520 A JP2001091520 A JP 2001091520A JP 26999899 A JP26999899 A JP 26999899A JP 26999899 A JP26999899 A JP 26999899A JP 2001091520 A JP2001091520 A JP 2001091520A
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photocatalyst
analyzer
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Isao Nishimura
勲 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 恒久的な滅菌・殺菌作用を発揮させることに
より操作者への感染を防止するようにした、安全性の高
い分析装置を提供する。 【解決手段】 血液、尿等の生体試料を分析する分析装
置を構成する部材の表面(例えばキュベット2の内面、
プローブ5、7A,7Bの側面、攪拌棒8Cの表面やカ
バー類の表面)を光触媒含有層で被覆し、前記部材の表
面において滅菌・殺菌作用を発揮させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置構成部材やカ
バーの表面を光触媒含有層で被覆することにより滅菌・
殺菌作用を発揮させるようにした、分析装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】分析装置では、感染性のウイルスや細菌
等を含んだ不特定多数の生体試料等を扱う。そのため、
試料等と接触する部材(攪拌棒等)の表面は定期的な自
動洗浄を行っているが、長期間の使用や、使用頻度の多
い場合では、試料等による汚染が残存、蓄積される場合
がある。よって、このような汚染された部材をメンテナ
ンスする場合、操作者は、当該部材に直接触れないよう
に注意しながら、当該部材の表面をアルコールや洗剤等
を含ませた布等によりクリーニングして、付着した汚れ
を取り除く作業を実施している。また、分析装置に設け
られた配管に純水を供給するタンクの中は、雑菌等の微
生物や水カビ等が発生しやすい環境であるため、分析装
置の信頼性を高める(維持する)ためには、半年に一度
程度の定期的な清掃が必要である。
【0003】また、分析装置のカバーの表面は、試料等
が誤操作等によりこぼされたり分析装置の誤動作等によ
り飛び散ったときに、試料等が接触し得る位置に配置さ
れたカバーであれば、試料等と接触して汚染される可能
性がある。また、カバーの表面には、空気中を浮遊して
いる細菌等が付着することがあり、付着した細菌の菌種
や付着場所によっては細菌の繁殖を引き起こすおそれが
ある。そのため、カバーの表面をアルコール等によって
消毒する作業を実施している。
【0004】このような分析装置の構成部材の表面の汚
染を考慮して、例えば特開平10−282109号公報
の分析装置では、外装系カバーに抗菌材料を使用すると
ともに、該外装系カバーの表面に防菌、防カビ塗料を塗
布している。この分析装置では、外装系カバーにおいて
防菌作用および防カビ作用が発揮されるようにしたた
め、上述したようなカバー表面の汚染が緩和されること
になる。
【0005】血液、血清、血漿等の生体試料を分注する
にあたっては多少なりともノズル等から微少な検体が空
気中に霧状に飛散してしまうことがある。キャリーオー
バーがそれほど測定結果に影響を与えない生化学分析等
では問題とならないとしても、免疫学的測定・遺伝子検
査など検査項目に対して高感度が求められれば求められ
るほど、その飛散の影響は無視しがたい可能性として存
在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分析装置において、試
料等と接触する部分の表面は感染性のウィルスや細菌等
を含んだ生体試料により汚染されることがあり、又、血
液、血清、尿等の生体試料を分注するに当っては多少な
りとも微少な検体が空気中に霧状に飛散してしまうこと
がある。このような汚染は分析装置を操作する者の安全
性確保の観点から、また、測定データの信頼性確保の観
点から、その影響を少なくするのが望ましい。本願にお
いてはそのような観点から血液、尿等の生体試料を分析
する分析装置において、そのような汚染源となるウィル
スや細菌について操作者の安全性を確保したり測定デー
タへの影響を極力少なくしようとするものである。
【0007】また、分析装置に供給する水の前処理装置
や純水供給装置の状態が良好でない場合に起こることで
あるが、分析装置に設けられた配管に供給される純水の
中に、炭水化物等の細菌やカビや藻等の生育に適した物
質が含まれていることがある。この場合、分析装置に設
けられた配管に純水を供給するタンク内に雑菌等の微生
物や水カビ等が発生することとなり、それに伴い配管系
の目詰まりによる分注不良等の不具合が生じ、分析デー
タの信頼性を低下させる要因となる。また、試料等と接
触する部材が試薬とも接触するような構造を有する分析
装置である場合には、当該部材を介して試薬中に細菌等
が混入され、その細菌等が繁殖することがある。このよ
うな細菌等の繁殖が発生した場合には、試薬が劣化した
り、反応にこの細菌等の繁殖した試薬が使用されること
から、不純物の混入による分析データの信頼性の低下を
招くこととなる。
【0008】また、分析装置のカバーの表面は、試料等
が誤操作等によりこぼされたり分析装置の動作により飛
び散ったときに試料等と接触して汚染される可能性があ
る上に、空気中を浮遊している細菌等が付着することが
ある。その際、カバーの表面に細菌等の繁殖に適した成
分が含まれている場合には、当該細菌等の繁殖によりカ
バー表面に汚れが生じて、分析装置を使用する操作者に
とって不衛生な環境となる可能性がある。近年、上記メ
ンテナンス作業時の感染も含めて、病院等における院内
感染が大きな問題となっており、その対策としてカバー
の表面をアルコール等によって消毒しているのが現状で
ある。また、試料の測定を行った後に生じる廃液は、多
くの場合には、病院等の全体の処理設備に流してまとめ
て処理したり、あるいはそのまま下水等に流して自治体
での下水処理を利用する等の方法により処理されてお
り、分析装置自体で、あるいは分析装置単体で、積極的
に廃液の感染性を軽減して廃出するような対策は講じら
れていない。
【0009】さらに、近年の分析装置には、上記特開平
10−282109号公報の分析装置のように、抗菌材
料を使用した外装系カバーの表面に防菌、防カビ塗料を
塗布して、細菌やカビの発生を防止するようにしたもの
もある。しかし、防菌、防カビ塗料を塗布しただけでは
滅菌・殺菌レベルに達するほどの効果は期待できない。
その上、上記分析装置では、防菌、防カビ塗料の劣化お
よび意匠性の向上を考慮して、抗菌材料を使用したカバ
ーの表面に防菌、防カビ塗料を塗布する場合もあるた
め、汚染防止対策が二重に施されることになり、コスト
アップの要因となる。
【0010】本発明は、上述した不具合に着目してなさ
れたものであり、恒久的な滅菌・殺菌作用を発揮させる
ことにより操作者への感染を防止するようにした、安全
性の高い分析装置、また信頼性の高いデータを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の第1発明は、血液、尿等の生体試
料を分析する分析装置において、該分析装置を構成する
部材の表面を光触媒含有層で被覆し、前記部材の表面に
おいて滅菌・殺菌作用を発揮させるようにしたことを特
徴とする。
【0012】請求項2に記載の第2発明は、前記光触媒
含有層は、TiO2 ,ZnO,SnO2 ,SrTiO
3 ,WO3 ,Bi23 ,Fe23 より成る光触媒群
から選択された光触媒を含有することを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の第3発明は、前記光触媒
含有層は、抗菌作用を有する金属であるCu、Ag、Z
nの中の少なくとも1つの金属を含有することを特徴と
する。
【0014】第1発明においては、分析装置を構成する
部材の表面を光触媒含有層で被覆し、前記部材の表面に
おいて滅菌・殺菌作用を発揮させるようにしている。分
析装置が使用される環境は大部分が室内であり、外部か
らの自然光または室内の照明により、分析装置の光触媒
含有層で被覆された部材の表面が光照射される。また、
分析装置を生化学分析装置として構成する場合には、測
光するための光源としてハロゲンランプ等が使用される
ため、この光源からも光触媒含有層で被覆された部材の
表面が光照射される。また必要に応じて分析装置内に光
触媒機能を発揮させるために光照射する機構を設置して
もよい。
【0015】このようにして分析装置の光触媒含有層で
被覆された部材の表面に光が照射されると、光電効果に
より電子が励起され、電子および正孔が発生する。これ
ら電子および正孔に、空気中または水中の酸素および水
がそれぞれ反応することにより活性酸素が生成され、こ
の活性酸素が光触媒含有層で被覆された部材の表面に存
在するウイルスや細菌や微生物等の有機物を強力な酸化
作用によって分解し、滅菌・殺菌作用をなす。なお、光
触媒含有層に含有される酸化チタン等の光触媒は触媒と
して作用し、光が照射され続ける限り恒久的に活性酸素
を生成し続けるので、上述した光触媒の有機物分解作用
に基づく滅菌・殺菌作用は恒久的に発揮されることにな
る。したがって、試料等に含まれる有機物による操作者
の感染を恒久的に防止する安全性の高い分析装置を提供
することができる。
【0016】第2発明においては、前記光触媒含有層
は、TiO2 ,ZnO,SnO2 ,SrTiO3 ,WO
3 ,Bi23 ,Fe23 より成る光触媒群から選択
された光触媒を含有するから、所望の通りに光触媒の光
励起による有機物分解作用に基づく滅菌・殺菌作用を実
現することができる。
【0017】第3発明においては、前記光触媒含有層
は、上記光触媒を含有するとともに、抗菌作用を有する
金属であるCu、Ag、Znの中の少なくとも1つの金
属を含有するから、光が照射される場合(日中等)は、
光触媒の有機物分解作用に基づく滅菌・殺菌作用と、上
記金属による抗菌作用との相乗効果により強力な滅菌・
殺菌作用が発揮される。また、光が照射されない場合
(夜間等)であっても、上記金属による抗菌作用が確保
されることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
の分析装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は第1
実施形態の分析装置の洗浄用ウエルを示す詳細図であ
り、図3は第1実施形態の分析装置のシリンジを示す詳
細図である。本実施形態の分析装置は、生化学分析装置
として構成されている。このような生化学分析装置は、
例えば病院において血清や尿等の試料を自動的に連続分
析する臨床検査等に用いられており、試料と試薬とを反
応させて、吸光度や呈色等から分析結果を得るように構
成されている。
【0019】本実施形態の分析装置には、図1に示すよ
うな反応ディスク1が設けられており、この反応ディス
ク1には全周に亘ってキュベット2が配列されている。
反応ディスク1の図示右方にはフィーダ3が設けられて
おり、フィーダ3には検体を収容したカップを搭載した
ラック4が並べられている。反応ディスク1とラック4
との間には、サンプル用のプローブ5や、その流路を洗
浄するための洗浄用純水が供給される流水洗浄用ウェル
21(図2参照)が設けられている。プローブ5は、分
析動作時には、ラック4上の検体カップから検体を吸引
してキュベット2に注入する分注動作を行い、この分注
動作の終了後に流水洗浄用ウェル21から供給される洗
浄用純水によって流水洗浄される。なお、図3に示す3
1は、プローブ5内に検体を吸引させてキュベット2内
に注入させる動作および脱気水を押し出してプローブ5
内を洗浄する動作を行うためのシリンジである。
【0020】本実施形態の分析装置にはさらに、検体と
反応させる試薬をキュベット2に注入するために、試薬
庫6A、6Bと、プローブ7A、7Bと、シリンジ41
A、41B(図3参照)とが設けられている。プローブ
7A、7Bを用いて、分析動作時には、試薬庫6A、6
Bに配置された試薬ボトルから試薬をシリンジ41A、
41Bで吸引して、キュベット2に注入する。なお、2
2A、22B(図2参照)は、プローブ7A、7Bやそ
の流路を洗浄するための洗浄用純水が供給される流水洗
浄用ウェルである。
【0021】本実施形態の分析装置にはさらに、キュベ
ット2に注入された検体と試薬とを攪拌するために、攪
拌機構8A、8Bが反応ディスク1の近傍に設けられる
とともに、キュベット2中の反応を光学的に検出するた
めに、分光器および検出器9が反応ディスク1の近傍に
設けられている。さらに、キュベット2中の反応を光学
的に検出するための光源となるランプ10が反応ディス
ク1の近傍に設けられている。なお、図2に示す23
は、攪拌機構8Aの攪拌棒8Cを洗浄するための洗浄用
洗浄液が供給される洗浄液洗浄用ウェルである。また、
図2に示す24は、攪拌棒8Cの洗浄液洗浄後のすすぎ
を行うための洗浄用純水が供給される流水洗浄用ウェル
である。
【0022】本実施形態の分析装置にはさらに、キュベ
ット2の洗浄を行うために、洗浄機構11が反応ディス
ク1の近傍に設けられている。洗浄機構11にはノズル
11Aが設けられており、ノズル11Aは、キュベット
2に洗浄用洗浄液や洗浄用純水を注入し、回収する。洗
浄機構11は、まずキュベット2内の反応液を吸引し、
その後その反応液を図示しない廃液タンクに回収した
後、随時排出する。
【0023】本実施形態の分析装置にはさらに、前面カ
バーを開いた状態の装置内部正面図である図4に示すよ
うに純水供給用タンク51が設けられており、この純水
供給用タンク51は、プローブ5,7A,7Bの内部を
充填する水を供給したり、プローブ5,7A,7B、攪
拌棒8Cおよびキュベット2を洗浄する水を供給したり
する。
【0024】本実施形態の分析装置にはさらに、ブロー
ブ5を洗浄するために、界面活性剤、次亜塩素酸、塩酸
等の洗浄液を収容したカップがプローブ5の軌道上に設
けられたSTATテーブル12上に設置されている。プ
ローブ5は、それ自体を洗浄液を収容したカップに挿入
するとともに、カップ内から洗浄液を吸引することによ
り洗浄液洗浄される。また、試薬用プローブ7A、7B
を洗浄液洗浄するために、洗浄液を収容したボトルが試
薬庫6A、6Bに設置されている。プローブ7A、7B
は、それ自体を洗浄液を収容したボトルに挿入するとと
もに、ボトル内から洗浄液を吸引することにより洗浄液
洗浄される。さらに、プローブ7A、7Bにより吸引し
た洗浄液をキュベット2に供給することにより、キュベ
ット2も洗浄液洗浄される。
【0025】ところで、本実施形態の分析装置において
は、後述する構成例のように、分析装置を構成する部材
の表面を光触媒含有層で被覆し、前記部材の表面におい
て滅菌・殺菌作用を発揮させるようにしているが、表面
に光触媒含有層を被覆するカバー部材に関しては2段階
の優先順位を設けている。優先順位1のカバー部材は、
後述する構成例として選択された場合には必ず光触媒含
有層を被覆するものとし、優先順位2のカバー部材は、
光触媒含有層を被覆するのが好ましいが、コストを優先
する場合には光触媒含有層を被覆しないものとする。な
お、優先順位1は、試料等が誤作動等によりこぼされた
り、分析装置の動作により飛び散って試料等と接触し汚
染される可能性が高い部位で、かつ、操作者が触れる頻
度が高い部位に対応し、優先順位2は、試料等が誤作動
等によりこぼされたり、分析装置の動作により飛び散っ
て試料等と接触し汚染される可能性がある部位で、か
つ、操作者が触れる頻度が低い部位に対応している。
【0026】図5は第1実施形態の分析装置の優先順位
1のカバー部材を例示する斜視図である。図示されてい
るカバー部材としては、装置上部カバー61、試薬保冷
庫部カバー62、光源ランプ部カバー63、キュベット
ホイール部カバー64、STATテーブル部カバー6
6、ラックフィーダ部カバー67がある。特にこれらの
内、64、66、67は試料(サンプル)用プローブ5
の軌道範囲近くにあり、試料が飛び散る可能性が特に高
い部分であるため、さらに優先度は高い。一方、図6は
第1実施形態の分析装置の優先順位2のカバー部材等を
例示する斜視図である。図示されているカバー部材とし
ては、装置上面および上部側面カバー71、試薬分注部
カバー72、攪拌部カバー73、サンプル分注部カバー
74、装置下部正面及び側面カバー75がある。なお、
カバー部材ではないが、ラック収納部76、STAT検
査スイッチ77、STAT ROTATION/DIA
Gスイッチ78、ベリスタポンプ部79、RESETス
イッチ80、EM−STOPスイッチ81、ONスイッ
チ82も優先順位2として扱うものとする。
【0027】本実施形態において使用する光触媒含有層
としては、公知かつ市販されている光触媒担持基板、光
触媒コーティング基板、光触媒コーテング材、光触媒コ
ートフィルム等を用いることにより、簡単に部材表面に
被覆することができる。この光触媒含有層としては、T
iO2 ,ZnO,SnO2 ,SrTiO3 ,WO3 ,B
23 ,Fe23 より成る光触媒群から選択された
少なくとも1種類の光触媒を含有するものを用いるもの
とする。このような光触媒に関する技術は実用段階まで
に確立されており、例えば特開平6−209985号公
報、特開平11−28784号公報、特開平11−99
585号公報、工業材料1998年5月号、工業材料1
999年6月号、日経メカニカル1998年4月号、日
経メカニカル1999年2月号等、多数が開示されてい
る。
【0028】本実施形態の分析装置の構成において、光
触媒自体の分析装置への組み込みは簡便に行うことがで
きる。以下の構成例では、光触媒のみを使う場合と、抗
菌作用を有する金属と光触媒とを併用する場合とを適宜
使い分けている。なお、本実施形態では以下の構成例の
少なくとも1つを採用するものとするが、全てを採用す
るのが滅菌・殺菌性能を向上させる上で好ましい。ま
た、図5において装置上部カバー61の一部を透明もし
くは半透明にすることで、カバーを閉めた場合において
もカバー内部で光触媒による滅菌・殺菌作用を得ること
ができる。
【0029】[構成例1]図1においてキュベット2の
内面を光触媒含有層で被覆する。この場合、キュベット
表面に施された光触媒は、キュベット2内の反応を光学
的に検出するための光源として用いられるランプ10か
らの光によって光励起される。本構成例では、白色光を
キュベットに照射して透過した光を分光する、いわゆる
後分光方式を用いている。
【0030】[構成例2]図2においてステンレスのよ
うな不透明な材質より成るプローブ5、7A、7Bの側
面を光触媒含有層で被覆する。この場合、プローブ側面
に施された光触媒は、自然光または室内の照明等により
光励起される。必要によっては、光触媒機能を発揮させ
るため光照射する機構を設けることにより光励起され
る。なお、本実施形態ではステンレスのような不透明な
材質より成るプローブを用いているが、代わりに、外側
から内面に光が入ることができるPTFE等より成るプ
ローブを用いてその内面に光触媒を施してもよい。その
場合、内面の光触媒も外面の光触媒と同様に自然光また
は室内の照明等により光励起されることになる。また、
本実施形態のステンレスのような不透明な材質より成る
プローブ5、7A、7Bの内面に、抗菌作用を有する金
属であるCu、Ag、Znの中の少なくとも1つの金属
を含有するものを被覆してもよい。その場合、昼間等の
光が照射されるときには光触媒および金属の相乗効果に
より強力な滅菌・殺菌作用が発揮され、夜間等の光が照
射されないときにも抗菌作用が発揮されることになる。
【0031】[構成例3]攪拌棒8Cの表面を光触媒含
有層で被覆する。この場合、攪拌棒表面に施された光触
媒は、自然光または室内の照明等により光励起される。
必要によっては、光触媒機能を発揮させるため光照射す
る機構を設けることにより光励起される。
【0032】[構成例4]キュベットの洗浄機構11の
ノズル11Aの表面を光触媒含有層で被覆する。この場
合、ノズル表面に施された光触媒は、自然光または室内
の照明等により光励起される。必要によっては、光触媒
機能を発揮させるため光照射する機構を設けることによ
り光励起される。なお、本実施形態ではステンレスのよ
うな不透明な材質より成るノズル11Aを用いている
が、代わりに、外側から内面に光が入ることができるP
TFE等より成るノズルを用いてその内面に光触媒を施
してもよい。その場合、内面の光触媒も外面の光触媒と
同様に自然光または室内の照明等により光励起されるこ
とになる。また、本実施形態のステンレスのような不透
明な材質より成るノズル11Aの内面に、抗菌作用を有
する金属であるCu、Ag、Znの中の少なくとも1つ
の金属を含有するものを被覆してもよい。その場合、昼
間等の光が照射されるときには光触媒および金属の相乗
効果により強力な滅菌・殺菌作用が発揮され、夜間等の
光が照射されないときにも抗菌作用が発揮されることに
なる。
【0033】[構成例5]流水洗浄用ウェル21、22
A、22B、24および洗浄液洗浄用ウェル23の表面
を光触媒含有層で被覆する。この場合、ウエル表面に施
された光触媒は、自然光または室内の照明等により光励
起される。
【0034】[構成例6]分析装置の図5に示した優先
順位1のカバー部材の表面を光触媒含有層で被覆する。
あるいは、優先順位1のカバー部材に加えて、図6に示
した優先順位2のカバー部材および他の優先順位2の部
材の表面を光触媒含有層で被覆する。この場合、カバー
表面に施された光触媒は、自然光または室内の照明等に
より光励起される。
【0035】[構成例7]廃液タンク(図示せず)の内
面を光触媒含有層で被覆する。あるいは、光触媒を担持
したフィルタを廃液タンクの内部に設ける。この場合、
廃液タンクに施された光触媒は、光触媒機能を発揮させ
るために光照射する機構を設けることにより光励起され
る。
【0036】[構成例8]純水供給用タンク51の内面
を光触媒含有層で被覆する。あるいは、光触媒を担持し
たフィルタを純水供給用タンク51の内部に設ける。こ
の場合、純水供給用タンク51に施された光触媒は、光
触媒機能を発揮させるために光照射する機構を設けるこ
とにより光励起される。
【0037】[構成例9]ラック4の表面を光触媒含有
層で被覆する。この場合、ラック4の表面に施された光
触媒は、自然光または室内の照明等により光励起され
る。
【0038】[構成例10]分析装置を構成する部材の
内、上述した各構成例に対応する部材の他、生体試料や
試薬等と接触する部材の表面(例えば生化学分析装置に
限定されるものではないが、生体試料を薄めるためのウ
ェル等)を光触媒含有層で被覆する。この場合、表面に
施された光触媒は、自然光または室内の照明等により光
励起される。あるいは、光触媒機能を発揮させるために
光照射する機構を設けることにより光励起される。
【0039】本実施形態の分析装置によれば、上記構成
例1〜10において分析装置の光触媒含有層によって被
覆された部材の表面に光が照射されると(例えば光触媒
含有層に酸化チタン(TiO2 )を用いた場合に400
nm以下の紫外線が照射されると)、光電効果により電
子が励起され、電子および正孔が発生する。これら電子
および正孔に、空気中または水中の酸素および水がそれ
ぞれ反応することにより活性酸素が生成され、この活性
酸素が光触媒含有層で被覆された部材の表面に存在する
ウイルスや細菌や微生物等の有機物を強力な酸化作用に
よって分解して死滅に至らせ、滅菌・殺菌作用をなす。
その際、光触媒含有層に含有される酸化チタン等の光触
媒は触媒として作用するため、光が照射され続ける限り
恒久的に活性酸素を生成し続けるので、上述した光触媒
の有機物分解作用に基づく滅菌・殺菌作用は恒久的に発
揮されることになる。したがって、試料等に含まれる有
機物による操作者の感染を恒久的に防止する安全性の高
い分析装置を提供することができる。
【0040】滅菌・殺菌という用語について説明する
と、工業材料1997年8月号によれば、「滅菌;微生
物の完全殺滅または完全除菌」、「殺菌;微生物の一部
を殺す」と説明されている。本実施形態においては、光
触媒の強力な酸化作用による有機結合の切断及び酸化分
解作用に注目し、従来の単に微生物の除去もしくは増殖
防止という防菌・防かび・除菌等の作用・効果より強力
な作用・効果に注目したものである。この作用・効果に
よって細菌やかびなどが共通して持っている細胞膜やD
NAなどの有機結合が直接切断されることから有機物を
効率的に酸化分解することができる。これに対して、従
来の防菌・防かび・除菌に用いられている有機系抗菌剤
およびCu、Ag、Znの無機系抗菌剤などは、代謝阻
害などを起こして生育を阻害するという二次的な効果に
より微生物の増殖防止という効果に止まっている。従っ
て本実施形態においては、より強力な微生物の酸化分解
作用によって分析装置に滅菌・殺菌効果をもたらし、操
作者の安全確保、分析データの信頼性の確保を図ろうと
するものである。
【0041】また、本実施形態の分析装置によれば、試
薬中や純水供給タンク等に細菌、カビ、藻等が発生する
のが防止されるので、信頼性のある分析データを提供す
ることができる。また、部材の表面に存在するウイルス
や細菌や微生物等の有機物を酸化作用により分解するの
で、操作者に衛生的かつ清潔な環境を提供し、操作者に
不快感を与えないようにすることができる。また、感染
性を有する廃水の感染性を軽減し得るので、人や環境に
優しい廃水とすることができる。さらに、部材表面に光
触媒含有層を被覆する際に、光触媒を施した透明シート
や光触媒コーティング材(透明のものや、スプレー的に
噴射するタイプのもの等)を使用した場合には、意匠性
に優れたものとなり、かつ、簡素な構成および手段によ
り滅菌・殺菌性が発揮されることになる。このようにし
て、分析装置や操作者や環境に対し無害でありながら、
分析装置における分析精度を向上させることができる。
【0042】なお、本実施形態の分析装置における光触
媒含有層の耐久性は、部材表面にどのような方法で光触
媒含有層を固定するかに依存するが、使用する用途に応
じて適宜選定することができる。一般的に市販されてい
る光触媒を施したタイル、自動車向けコーティング、テ
ント等の例において屋外の使用環境にて十分に性能を維
持できていることから明らかなように、光触媒含有層は
分析装置の使用環境やライフに耐え得るものである。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
析装置の光触媒含有層によって被覆された表面に光が照
射されるだけで、光触媒の光励起による分解機能(酸化
作用)により滅菌・殺菌作用が発揮される。また、それ
自体が抗菌作用を有しているCu、Ag、Znの中の少
なくとも1つの金属を光触媒含有層に含有させることに
より、光触媒の有機物分解作用に基づく滅菌・殺菌作用
と上記金属による抗菌作用との相乗効果により強力な滅
菌・殺菌作用が発揮される。したがって、試料等に含ま
れる有機物による操作者の感染を恒久的に防止する安全
性の高い分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の分析装置の全体構成
を示す斜視図である。
【図2】 第1実施形態の分析装置の洗浄用ウエルを示
す詳細図である。
【図3】 第1実施形態の分析装置のシリンジを示す詳
細図である。
【図4】 第1実施形態の分析装置の前面カバーを開い
た状態の装置内部正面図である。
【図5】 第1実施形態の分析装置の優先順位1のカバ
ー部材を例示する斜視図である。
【図6】 第1実施形態の分析装置の優先順位2のカバ
ー部材等を例示する斜視図である。
【符号の説明】
1 反応ディスク 2 キュベット 3 フィーダ 4 ラック 5 プローブ 6A、6B 試薬庫 7A、7B プローブ 8A、8B 攪拌機構 8C 攪拌棒 9 分光器および検出器 10 ランプ 11 洗浄機構 11A ノズル 12 STATテーブル 21、22A、22B、24 流水洗浄用ウェル 23 洗浄液洗浄用ウェル 31、41A、41B シリンジ 51 純水供給用タンク 61 装置上部カバー 62 試薬保冷庫部カバー 63 光源ランプ部カバー 66 STATテーブル部カバー 67 ラックフィーダ部カバー 71 装置上面および上部側面カバー 72 試薬分注部カバー 73 攪拌部カバー 74 サンプル分注部カバー 75 装置下部正面および側面カバー 76 ラック収納部 77 STAT検査スイッチ 78 STAT ROTATION/DIAGスイッチ 79 ベリスタポンプ部 80 RESETスイッチ 81 EM−STOPスイッチ 82 ONスイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液、尿等の生体試料を分析する分析装
    置において、 該分析装置を構成する部材の表面を光触媒含有層で被覆
    し、前記部材の表面において滅菌・殺菌作用を発揮させ
    るようにしたことを特徴とする分析装置。
  2. 【請求項2】 前記光触媒含有層は、TiO2 ,Zn
    O,SnO2 ,SrTiO 3 ,WO3 ,Bi23 ,F
    23 より成る光触媒群から選択された光触媒を含有
    することを特徴とする請求項1記載の分析装置。
  3. 【請求項3】 前記光触媒含有層は、抗菌作用を有する
    金属であるCu、Ag、Znの中の少なくとも1つの金
    属を含有することを特徴とする請求項2記載の分析装
    置。
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