JP2001089300A - 半絶縁性GaAs単結晶基板 - Google Patents
半絶縁性GaAs単結晶基板Info
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- JP2001089300A JP2001089300A JP27377399A JP27377399A JP2001089300A JP 2001089300 A JP2001089300 A JP 2001089300A JP 27377399 A JP27377399 A JP 27377399A JP 27377399 A JP27377399 A JP 27377399A JP 2001089300 A JP2001089300 A JP 2001089300A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高い比抵抗と高い活性化率とを兼ね備えた、半
絶縁性GaAs単結晶基板を提供する。 【解決手段】炭素濃度を2×1015cm-3以上、硼素濃
度を1×1016cm-3以下、EL2濃度を2×1016c
m-3以上とする。
絶縁性GaAs単結晶基板を提供する。 【解決手段】炭素濃度を2×1015cm-3以上、硼素濃
度を1×1016cm-3以下、EL2濃度を2×1016c
m-3以上とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FET、IC等の
電子デバイスの製造に供される半絶縁性GaAs単結晶
基板に関し、更に詳しくは、高い活性化率と高い絶縁性
を有する半絶縁性GaAs単結晶基板に関する。
電子デバイスの製造に供される半絶縁性GaAs単結晶
基板に関し、更に詳しくは、高い活性化率と高い絶縁性
を有する半絶縁性GaAs単結晶基板に関する。
【0002】
【従来の技術】FET、IC等の電子デバイスをイオン
注入法により製造する際に、その製造に供される半絶縁
性GaAs単結晶基板には、高い活性化率と高い絶縁性
が要求される。すなわち、電子デバイスにおけるリーク
電流を抑制するためには、GaAs基板の比抵抗はある
値以上(一般的には1×107Ωcm以上)必要である。
注入法により製造する際に、その製造に供される半絶縁
性GaAs単結晶基板には、高い活性化率と高い絶縁性
が要求される。すなわち、電子デバイスにおけるリーク
電流を抑制するためには、GaAs基板の比抵抗はある
値以上(一般的には1×107Ωcm以上)必要である。
【0003】また、高性能のデバイスを実現するために
は、能動層中のキャリアの移動度が高いことが必要であ
る。そのためには、注入したイオンを効率良く活性化さ
せる必要があり、活性化率の高いGaAs単結晶基板が
求められている。
は、能動層中のキャリアの移動度が高いことが必要であ
る。そのためには、注入したイオンを効率良く活性化さ
せる必要があり、活性化率の高いGaAs単結晶基板が
求められている。
【0004】GaAs結晶中で炭素は浅いアクセプター
準位を形成し、炭素濃度が高くなればGaAsの比抵抗
は高くなる。一方GaAs中にはEL2と呼ばれる、結
晶欠陥が形成する深いドナー準位が存在し、EL2濃度
が高くなればGaAsの比抵抗は低下する。GaAs結
晶の比抵抗は(1)〜(3)式で近似できる。つまりG
aAs結晶の比抵抗は、炭素濃度とEL2濃度の比で決
まっている。
準位を形成し、炭素濃度が高くなればGaAsの比抵抗
は高くなる。一方GaAs中にはEL2と呼ばれる、結
晶欠陥が形成する深いドナー準位が存在し、EL2濃度
が高くなればGaAsの比抵抗は低下する。GaAs結
晶の比抵抗は(1)〜(3)式で近似できる。つまりG
aAs結晶の比抵抗は、炭素濃度とEL2濃度の比で決
まっている。
【0005】 ρ=1/e(nμn+pμp) (1) n≒([EL2]/[C]−1)C1 (2) np=C2 (3) ρ:比抵抗 e:単位電荷 n:電子濃度 p:正孔濃度 μn:電子移動度 μp:正孔移動度 [EL2]:EL2濃度 [C]:炭素濃度 C1,C2:定数 そこで、特開昭64−54724には、活性化率を上げ
るために炭素濃度を下げ、それによって起こる比抵抗の
低下を防ぐためにEL2濃度を下げた半絶縁性GaAs
単結晶が記載されている。
るために炭素濃度を下げ、それによって起こる比抵抗の
低下を防ぐためにEL2濃度を下げた半絶縁性GaAs
単結晶が記載されている。
【0006】すなわち特開昭64−54724には、炭
素濃度を2×1015cmー 3以下とすると共に深いドナー
準位EL2の濃度を1×1016cm-3以下とすることに
より、高い活性化率と高い絶縁性を兼ね備えたGaAs
単結晶が記載されている。
素濃度を2×1015cmー 3以下とすると共に深いドナー
準位EL2の濃度を1×1016cm-3以下とすることに
より、高い活性化率と高い絶縁性を兼ね備えたGaAs
単結晶が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の発明の様
にEL2濃度を低くすると、特性が安定しなくなるとい
う問題を生じる。つまり、イオン注入法により基板にS
iイオンを注入した後には、Siを電気的に活性化させ
るために高温で熱処理をする必要がある。この熱処理の
間に基板表面近傍のEL2は外部に拡散し、濃度が低下
することが一般的に知られている。そのためEL2濃度
と炭素濃度の比率が変化し、基板の比抵抗が変化する。
そしてEL2濃度の低下が激しく、[EL2]≦[C]
になるとGaAsはp型伝導を示し、もはや半絶縁性で
はなくなってしまう。もともとのEL2濃度が低い場合
は、EL2の外部拡散によるEL2濃度低下の影響は大
きくなり、その結果製作されたデバイスの特性が安定し
ないという問題を生ずるのである。
にEL2濃度を低くすると、特性が安定しなくなるとい
う問題を生じる。つまり、イオン注入法により基板にS
iイオンを注入した後には、Siを電気的に活性化させ
るために高温で熱処理をする必要がある。この熱処理の
間に基板表面近傍のEL2は外部に拡散し、濃度が低下
することが一般的に知られている。そのためEL2濃度
と炭素濃度の比率が変化し、基板の比抵抗が変化する。
そしてEL2濃度の低下が激しく、[EL2]≦[C]
になるとGaAsはp型伝導を示し、もはや半絶縁性で
はなくなってしまう。もともとのEL2濃度が低い場合
は、EL2の外部拡散によるEL2濃度低下の影響は大
きくなり、その結果製作されたデバイスの特性が安定し
ないという問題を生ずるのである。
【0008】一方、従来の電子デバイスに使われる半絶
縁性GaAs基板の比抵抗は1〜3×107Ωcmが一
般的であった。ところが、近年デバイスの高性能化のた
めに、比抵抗が5×107 Ωcm以上である高い比抵抗
を有するGaAs基板に対する需要が高まっている。す
なわち、マイクロ波通信の高周波数化で要求される、浅
くて急峻な注入プロファイルを得るために、炭素濃度の
高い基板即ち比抵抗の高い基板に、低いエネルギーでイ
オン注入するようになって来ている。
縁性GaAs基板の比抵抗は1〜3×107Ωcmが一
般的であった。ところが、近年デバイスの高性能化のた
めに、比抵抗が5×107 Ωcm以上である高い比抵抗
を有するGaAs基板に対する需要が高まっている。す
なわち、マイクロ波通信の高周波数化で要求される、浅
くて急峻な注入プロファイルを得るために、炭素濃度の
高い基板即ち比抵抗の高い基板に、低いエネルギーでイ
オン注入するようになって来ている。
【0009】注入されたSiはドナー準位を形成する
が、注入プロファイルの裾野を急峻化させるためにはア
クセプター準位を形成する炭素で補償する必要がある。
つまり、高炭素濃度がGaAs基板に必要な条件になっ
て来たのである。しかし炭素濃度を高くした場合、注入
されたSiの活性化率が低下し、デバイスが設計通りの
性能を発揮できないという問題を生じる。さらに熱処理
中に[EL2]≦[C]になってしまう可能性が高ま
り、基板の電気伝導がp型に変化しデバイスの特性が安
定しないという問題が起きる。
が、注入プロファイルの裾野を急峻化させるためにはア
クセプター準位を形成する炭素で補償する必要がある。
つまり、高炭素濃度がGaAs基板に必要な条件になっ
て来たのである。しかし炭素濃度を高くした場合、注入
されたSiの活性化率が低下し、デバイスが設計通りの
性能を発揮できないという問題を生じる。さらに熱処理
中に[EL2]≦[C]になってしまう可能性が高ま
り、基板の電気伝導がp型に変化しデバイスの特性が安
定しないという問題が起きる。
【0010】そこで本発明の目的は、上記問題点を解消
し比抵抗が5×107 Ωcm以上の高い比抵抗と高い活
性化率とを兼ね備えた、半絶縁性GaAs単結晶基板を
提供することにある。
し比抵抗が5×107 Ωcm以上の高い比抵抗と高い活
性化率とを兼ね備えた、半絶縁性GaAs単結晶基板を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意努力検討した結果、GaAs単結晶
基板中の硼素濃度やEL2濃度が活性化率と密接に関わ
り合いがあることを見出し本発明に到達した。即ち本発
明は、[1]炭素濃度が2×1015cm-3以上であり、
硼素濃度が1×1016cm-3以下であり、EL2濃度が
2×1016cm-3以上であり、炭素濃度がEL2濃度以
下であることを特徴とする半絶縁性GaAs単結晶基
板、[2]比抵抗が5×107Ωcm以上であることを
特徴とする請求項1記載の半絶縁性GaAs単結晶基
板、に関する。
題を解決すべく鋭意努力検討した結果、GaAs単結晶
基板中の硼素濃度やEL2濃度が活性化率と密接に関わ
り合いがあることを見出し本発明に到達した。即ち本発
明は、[1]炭素濃度が2×1015cm-3以上であり、
硼素濃度が1×1016cm-3以下であり、EL2濃度が
2×1016cm-3以上であり、炭素濃度がEL2濃度以
下であることを特徴とする半絶縁性GaAs単結晶基
板、[2]比抵抗が5×107Ωcm以上であることを
特徴とする請求項1記載の半絶縁性GaAs単結晶基
板、に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】半絶縁性、好ましくは比抵抗が5
×107Ωcm以上、のGaAs単結晶基板を得るため
には、GaAs単結晶中の炭素濃度を2×1015cm-3
以上とする必要がある。
×107Ωcm以上、のGaAs単結晶基板を得るため
には、GaAs単結晶中の炭素濃度を2×1015cm-3
以上とする必要がある。
【0013】本発明者らは、炭素濃度が2×1015cm
-3以上のGaAs単結晶において、その高炭素濃度化に
伴う活性化率低下の改善を試みた。
-3以上のGaAs単結晶において、その高炭素濃度化に
伴う活性化率低下の改善を試みた。
【0014】GaAs結晶中の硼素は電気的に中性であ
り、比抵抗には影響しない。同様に活性化率にも影響し
ないと従来は考えられていた。
り、比抵抗には影響しない。同様に活性化率にも影響し
ないと従来は考えられていた。
【0015】しかし本発明者らは、同一の比抵抗のGa
As結晶において硼素濃度と活性化率の関係を鋭意調査
した結果、GaAs中の硼素濃度を一定値以下にするこ
とにより、活性化率を改善することができることを見い
だした。
As結晶において硼素濃度と活性化率の関係を鋭意調査
した結果、GaAs中の硼素濃度を一定値以下にするこ
とにより、活性化率を改善することができることを見い
だした。
【0016】活性化率の評価は、表面をミラー状に研磨
したGaAs基板にSiイオンを注入し、熱処理を行っ
た後、渦電流による非接触・非破壊法でシート抵抗を測
定した。このシート抵抗が低い方が活性化率が高いこと
になる。
したGaAs基板にSiイオンを注入し、熱処理を行っ
た後、渦電流による非接触・非破壊法でシート抵抗を測
定した。このシート抵抗が低い方が活性化率が高いこと
になる。
【0017】イオン注入条件はSi29を50keVの加
速電圧で6×1012cm-2のドーズ量を注入した。また
熱処理は、アルシン雰囲気中で800℃、30分行っ
た。
速電圧で6×1012cm-2のドーズ量を注入した。また
熱処理は、アルシン雰囲気中で800℃、30分行っ
た。
【0018】図1は硼素濃度とシート抵抗の関係を示し
た図である。図1より、GaAs中の硼素濃度を1×1
016cm-3を上限として、この値以下とすることによ
り、シート抵抗を低くする(活性化率高める)ことがで
きることがわかる。
た図である。図1より、GaAs中の硼素濃度を1×1
016cm-3を上限として、この値以下とすることによ
り、シート抵抗を低くする(活性化率高める)ことがで
きることがわかる。
【0019】さらに本発明者らは、炭素濃度が2×10
15cm-3以上で硼素濃度が1×10 16cm-3以下のGa
As結晶において、EL2濃度を制御することにより、
GaAs単結晶の活性化率をさらに改善できることを見
出した。
15cm-3以上で硼素濃度が1×10 16cm-3以下のGa
As結晶において、EL2濃度を制御することにより、
GaAs単結晶の活性化率をさらに改善できることを見
出した。
【0020】図2にEL2濃度とシート抵抗との関係を
示す。この図より、EL2濃度を2×1016cm-3以
上、好ましくは2.1×1016cm-3以上にすることに
よりシート抵抗を低くする(活性化率を高める)ことが
できることがわかる。またこれ以上の濃度ではシート抵
抗はほぼ一定であることから、熱処理中のEL2濃度変
化に対して活性化率は安定していることを示している。
なお、EL2濃度の上限は3.0×1016cm-3であ
り、これより高くすると、かえってシート抵抗値にばら
つきを生ずることが明らかになった。
示す。この図より、EL2濃度を2×1016cm-3以
上、好ましくは2.1×1016cm-3以上にすることに
よりシート抵抗を低くする(活性化率を高める)ことが
できることがわかる。またこれ以上の濃度ではシート抵
抗はほぼ一定であることから、熱処理中のEL2濃度変
化に対して活性化率は安定していることを示している。
なお、EL2濃度の上限は3.0×1016cm-3であ
り、これより高くすると、かえってシート抵抗値にばら
つきを生ずることが明らかになった。
【0021】以上のように、GaAs単結晶基板におい
て、結晶中の炭素濃度を2×1015cm-3以上とし、か
つ硼素濃度を1×1016cm-3以下とし、かつEL2濃
度を2×1016cm-3以上にすることにより、比抵抗が
5×107Ωcm以上で、かつ活性化率の高いGaAs
基板を得ることができた。
て、結晶中の炭素濃度を2×1015cm-3以上とし、か
つ硼素濃度を1×1016cm-3以下とし、かつEL2濃
度を2×1016cm-3以上にすることにより、比抵抗が
5×107Ωcm以上で、かつ活性化率の高いGaAs
基板を得ることができた。
【0022】なお、炭素濃度の上限はEL2濃度と同濃
度で、炭素濃度がEL2濃度より高くなると単結晶にp
型反転が生じ、半絶縁性結晶でなくなってしまう。ま
た、GaAs単結晶の比抵抗の上限は、理論的には8×
108Ωcmであるが、デバイスプロセスでの安定性を
考慮すると,好ましくは6×108Ωcm以下である。
度で、炭素濃度がEL2濃度より高くなると単結晶にp
型反転が生じ、半絶縁性結晶でなくなってしまう。ま
た、GaAs単結晶の比抵抗の上限は、理論的には8×
108Ωcmであるが、デバイスプロセスでの安定性を
考慮すると,好ましくは6×108Ωcm以下である。
【0023】GaAs単結晶中の硼素濃度は、封止剤と
して含有水分1000ppm以上のB2O3を使用すれば
1×1016cm-3以下に制御することができる。GaA
s結晶中の炭素濃度は引き上げ炉内の一酸化炭素濃度を
6000ppm以上にして単結晶育成を行えば2×10
15cm-3以上に制御することができる。また、GaAs
結晶中のEL2濃度は引き上げた結晶を700℃以下の
温度で20時間熱処理(アニール)すれば2×1016cm
-3以上に制御することができる。
して含有水分1000ppm以上のB2O3を使用すれば
1×1016cm-3以下に制御することができる。GaA
s結晶中の炭素濃度は引き上げ炉内の一酸化炭素濃度を
6000ppm以上にして単結晶育成を行えば2×10
15cm-3以上に制御することができる。また、GaAs
結晶中のEL2濃度は引き上げた結晶を700℃以下の
温度で20時間熱処理(アニール)すれば2×1016cm
-3以上に制御することができる。
【0024】
【実施例】(実施例)原料であるGaを約5.8kgと
Asを約6.5kgおよび封止剤として水分濃度が15
00ppmのB2O3750gをPBNのるつぼに入れ
て、引き上げ炉内に設置した。これを、アルゴンガス5
0kg/cm2の雰囲気下で黒鉛ヒ−ターを用いて融解
した。引き上げ炉内一酸化炭素濃度を約6000ppm
に制御し、10本の4インチGaAs単結晶を育成し
た。得られた単結晶の長さは全て200mm前後であっ
た。
Asを約6.5kgおよび封止剤として水分濃度が15
00ppmのB2O3750gをPBNのるつぼに入れ
て、引き上げ炉内に設置した。これを、アルゴンガス5
0kg/cm2の雰囲気下で黒鉛ヒ−ターを用いて融解
した。引き上げ炉内一酸化炭素濃度を約6000ppm
に制御し、10本の4インチGaAs単結晶を育成し
た。得られた単結晶の長さは全て200mm前後であっ
た。
【0025】その後、インゴット状でAs粉末と一緒に
石英アンプル内に封入して熱処理を行った。10回の育
成で得られた単結晶のうち5本のインゴットについては
この熱処理条件の保持温度を650℃として、残りの5
本のインゴットについては700℃とした。また、保持
時間は全て20時間とした。
石英アンプル内に封入して熱処理を行った。10回の育
成で得られた単結晶のうち5本のインゴットについては
この熱処理条件の保持温度を650℃として、残りの5
本のインゴットについては700℃とした。また、保持
時間は全て20時間とした。
【0026】(比較例)比較例では上記実施例と同一条
件で10本の4インチGaAs単結晶を引き上げ、その
後同様の手順で熱処理を行った。ただし、5本のインゴ
ットについては熱処理条件の保持温度を750℃とし
て、残りの5本のインゴットについては800℃とし
た。また、保持時間は全て20時間とした。
件で10本の4インチGaAs単結晶を引き上げ、その
後同様の手順で熱処理を行った。ただし、5本のインゴ
ットについては熱処理条件の保持温度を750℃とし
て、残りの5本のインゴットについては800℃とし
た。また、保持時間は全て20時間とした。
【0027】上記実施例および比較例の合計20本の単
結晶のシードとテールの部分から、厚さ5mmのブロッ
クを切り出し両面をミラー状に研磨し、炭素濃度とEL
2濃度を測定した。結晶の中間部分はウェーハ状にスラ
イスし、厚さ625μmの両面ミラーウェーハに仕上
げ、比抵抗測定、硼素濃度測定、およびシート抵抗(活
性化率)の評価を行った。
結晶のシードとテールの部分から、厚さ5mmのブロッ
クを切り出し両面をミラー状に研磨し、炭素濃度とEL
2濃度を測定した。結晶の中間部分はウェーハ状にスラ
イスし、厚さ625μmの両面ミラーウェーハに仕上
げ、比抵抗測定、硼素濃度測定、およびシート抵抗(活
性化率)の評価を行った。
【0028】表1に評価結果を示す。比抵抗はシードと
テールに最も近いウェーハのホール効果測定により求め
たが、何れのサンプルも比抵抗は5×107Ωcm以上
であった。
テールに最も近いウェーハのホール効果測定により求め
たが、何れのサンプルも比抵抗は5×107Ωcm以上
であった。
【0029】炭素濃度はFTIR(フーリエ変換赤外分
光分析)により測定した。何れのサンプルも炭素濃度は
2×1015cm-3以上であった。
光分析)により測定した。何れのサンプルも炭素濃度は
2×1015cm-3以上であった。
【0030】硼素濃度は、GDMS(グロー放電質量分
析)により分析した。結果は何れのサンプルも1×10
16cm-3以下であった。
析)により分析した。結果は何れのサンプルも1×10
16cm-3以下であった。
【0031】EL2濃度は近赤外吸収により測定した。
アニールでの保持温度が高くなるにつれ、EL2濃度は
低下した。アニール温度とEL2濃度の関係を図3に示
す。
アニールでの保持温度が高くなるにつれ、EL2濃度は
低下した。アニール温度とEL2濃度の関係を図3に示
す。
【0032】活性化率の評価はシート抵抗の測定によっ
て行った。具体的には、シードとテールに近いウェーハ
を用い、Si29を50keV、ドーズ量6×1012cm
-2でイオン注入した後、アルシンを含むアルゴン雰囲気
中において、800℃の温度で30分間のアニールを実
施し、シート抵抗を測定した。
て行った。具体的には、シードとテールに近いウェーハ
を用い、Si29を50keV、ドーズ量6×1012cm
-2でイオン注入した後、アルシンを含むアルゴン雰囲気
中において、800℃の温度で30分間のアニールを実
施し、シート抵抗を測定した。
【0033】この結果、表1に示すようにEL2濃度が
2×1016cm-3以上のウェーハでは、シート抵抗が低
く、高い活性化率が得られることが明らかになった。
2×1016cm-3以上のウェーハでは、シート抵抗が低
く、高い活性化率が得られることが明らかになった。
【0034】
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、高炭素濃度(2×10
15cm-3以上)及び高い比抵抗(5×107 Ωcm以
上)を有しながらも、EL2濃度が2×1016cm-3以
上で、活性化率の高い、半絶縁性GaAs単結晶基板が
提供できる。
15cm-3以上)及び高い比抵抗(5×107 Ωcm以
上)を有しながらも、EL2濃度が2×1016cm-3以
上で、活性化率の高い、半絶縁性GaAs単結晶基板が
提供できる。
【図1】硼素濃度とシート抵抗との関係を示す。
【図2】EL2濃度とシート抵抗との関係を示す。
【図3】熱処理の保持温度とEL2濃度との関係を示
す。
す。
Claims (2)
- 【請求項1】炭素濃度が2×1015cm-3以上であり、
硼素濃度が1×1016cm-3以下であり、EL2濃度が
2×1016cm-3以上であり、炭素濃度がEL2濃度以
下であることを特徴とする半絶縁性GaAs単結晶基
板。 - 【請求項2】比抵抗が5×107Ωcm以上であること
を特徴とする請求項1記載の半絶縁性GaAs単結晶基
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27377399A JP2001089300A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 半絶縁性GaAs単結晶基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27377399A JP2001089300A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 半絶縁性GaAs単結晶基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089300A true JP2001089300A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17532384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27377399A Pending JP2001089300A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 半絶縁性GaAs単結晶基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089300A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107195772A (zh) * | 2014-06-17 | 2017-09-22 | 旭化成微电子株式会社 | 霍尔传感器 |
WO2019053856A1 (ja) * | 2017-09-14 | 2019-03-21 | 住友電気工業株式会社 | ヒ化ガリウム系化合物半導体結晶およびウエハ群 |
-
1999
- 1999-09-28 JP JP27377399A patent/JP2001089300A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107195772A (zh) * | 2014-06-17 | 2017-09-22 | 旭化成微电子株式会社 | 霍尔传感器 |
CN107195772B (zh) * | 2014-06-17 | 2019-06-25 | 旭化成微电子株式会社 | 霍尔传感器 |
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EP3572562A4 (en) * | 2017-09-14 | 2020-08-19 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | SEMICONDUCTOR CRYSTAL COMPOSED OF GALLIUM ARSENIDE AND GROUP OF SLICES |
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