JP2001088698A - 車両用のエネルギ吸収構造 - Google Patents
車両用のエネルギ吸収構造Info
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- JP2001088698A JP2001088698A JP26727299A JP26727299A JP2001088698A JP 2001088698 A JP2001088698 A JP 2001088698A JP 26727299 A JP26727299 A JP 26727299A JP 26727299 A JP26727299 A JP 26727299A JP 2001088698 A JP2001088698 A JP 2001088698A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 座屈が起きた瞬間の最初のピークが高いので
荷重分担部材が崩壊が一部に集中してしまい、衝突エネ
ルギの吸収機能が低下する。 【解決手段】 衝突構造部材の先頭部の荷重分担部材と
しての端梁14を配置し、この端梁14の平面形状を荷
重分担面積が増加するような略弓状又は放物線状とし、
この端梁の先端から離れた内部に開口19a、19bを
設けて断面を減じ、衝突荷重に対して順次荷重分担する
部材が増加するように骨部材16の連結部材16c〜1
6fを配置した車両用のエネルギ吸収構造である。
荷重分担部材が崩壊が一部に集中してしまい、衝突エネ
ルギの吸収機能が低下する。 【解決手段】 衝突構造部材の先頭部の荷重分担部材と
しての端梁14を配置し、この端梁14の平面形状を荷
重分担面積が増加するような略弓状又は放物線状とし、
この端梁の先端から離れた内部に開口19a、19bを
設けて断面を減じ、衝突荷重に対して順次荷重分担する
部材が増加するように骨部材16の連結部材16c〜1
6fを配置した車両用のエネルギ吸収構造である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、鉄道車両同士や
自動車同士などの衝突又は追突時等において生じる衝突
エネルギをより効果的に吸収緩和することができる車両
用のエネルギ吸収構造に関し、また、そのときの変形モ
ードを制御することができる車両用のエネルギ吸収構造
に関する。
自動車同士などの衝突又は追突時等において生じる衝突
エネルギをより効果的に吸収緩和することができる車両
用のエネルギ吸収構造に関し、また、そのときの変形モ
ードを制御することができる車両用のエネルギ吸収構造
に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】鉄道車両同
士の正面衝突、追突、あるいは他の物体との衝突に際し
て、図9(a)に示す衝突荷重Pを分担する部材(簡単の
ため例示として柱部材)01において、図9に示すよう
な座屈変形が生じると(図9(b)はそのときの崩壊モー
ドを示す)、変形の生じる箇所すなわち最初の塑性変形
箇所Yが限定されてしまい、そのエネルギの吸収能力が
低下する。図10がそれを示す。
士の正面衝突、追突、あるいは他の物体との衝突に際し
て、図9(a)に示す衝突荷重Pを分担する部材(簡単の
ため例示として柱部材)01において、図9に示すよう
な座屈変形が生じると(図9(b)はそのときの崩壊モー
ドを示す)、変形の生じる箇所すなわち最初の塑性変形
箇所Yが限定されてしまい、そのエネルギの吸収能力が
低下する。図10がそれを示す。
【0003】図10は、このときのエネルギ吸収特性を
示す曲線である。縦軸に反力(P/Ps(P:軸方向
力、Ps:座屈荷重)、横軸にΔ/H(Δ:面外変形
量、H:部材の断面寸法)をとって示してある。このエ
ネルギ吸収特性曲線で囲まれた面積がすなわちその部材
がもつエネルギ吸収能力である。座屈現象が起きる直前
がピークとなり、座屈後は急激に反力が小さくなる(双
曲線のような形となる)。すなわち、非常に限られた領
域で屈曲(変形座屈)が生じるとそのエネルギ特性は非
常に小さいものとなってしまうことが判る。
示す曲線である。縦軸に反力(P/Ps(P:軸方向
力、Ps:座屈荷重)、横軸にΔ/H(Δ:面外変形
量、H:部材の断面寸法)をとって示してある。このエ
ネルギ吸収特性曲線で囲まれた面積がすなわちその部材
がもつエネルギ吸収能力である。座屈現象が起きる直前
がピークとなり、座屈後は急激に反力が小さくなる(双
曲線のような形となる)。すなわち、非常に限られた領
域で屈曲(変形座屈)が生じるとそのエネルギ特性は非
常に小さいものとなってしまうことが判る。
【0004】そうしてみると、部材のエネルギ吸収能力
を高めるためのコンセプトには、次の2通りが考えられ
る。
を高めるためのコンセプトには、次の2通りが考えられ
る。
【0005】一つは、図11のように座屈が起きた瞬間
の最初のピークP1は高いままで、他にも幾つかピーク
P2 ,P3 …を生じるような部材構成にすることであ
る。
の最初のピークP1は高いままで、他にも幾つかピーク
P2 ,P3 …を生じるような部材構成にすることであ
る。
【0006】他は、座屈が起きた瞬間の最初のピークを
下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピー
クは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエネ
ルギ吸収特性曲線をもつような部材構成にすることであ
る。この考えでは図10において点線で示すエネルギ吸
収特性曲線に極力近いものが理想的である。この場合、
衝突エネルギを荷重分担部材で全て吸収して他の部材に
は影響を与えないのが理想である。
下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピー
クは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエネ
ルギ吸収特性曲線をもつような部材構成にすることであ
る。この考えでは図10において点線で示すエネルギ吸
収特性曲線に極力近いものが理想的である。この場合、
衝突エネルギを荷重分担部材で全て吸収して他の部材に
は影響を与えないのが理想である。
【0007】前者の考えを採用したのが、特開昭58−
116267号公報に記載の「自動車のフレーム構造」
に係る車両用のエネルギ吸収構造である。すなわち、軸
方向に切欠部を設けたチャンネル部材と切欠部のないチ
ャンネル部材とを組み合わせた構造によって、長手方向
の衝撃力により蛇腹変形を生じさせ、変形現象が異なる
切欠部に対応した部位で順次生じさせて、図11のよう
なエネルギ吸収特性曲線を得て衝突エネルギの吸収緩和
能力を高めんとするものである。
116267号公報に記載の「自動車のフレーム構造」
に係る車両用のエネルギ吸収構造である。すなわち、軸
方向に切欠部を設けたチャンネル部材と切欠部のないチ
ャンネル部材とを組み合わせた構造によって、長手方向
の衝撃力により蛇腹変形を生じさせ、変形現象が異なる
切欠部に対応した部位で順次生じさせて、図11のよう
なエネルギ吸収特性曲線を得て衝突エネルギの吸収緩和
能力を高めんとするものである。
【0008】これに対して、本願は、後者の衝突エネル
ギ吸収のコンセプトを採用するものであるが、この考え
に基づき提案された車両用のエネルギ吸収構造は現時点
では存在しない。
ギ吸収のコンセプトを採用するものであるが、この考え
に基づき提案された車両用のエネルギ吸収構造は現時点
では存在しない。
【0009】ところで、衝突時の変形の方向が溶接等に
起因する形状初期不整などの影響で変化すると、そのエ
ネルギ吸収特性も変化してしまい、予測したエネルギ吸
収能力を保持できなくなる。
起因する形状初期不整などの影響で変化すると、そのエ
ネルギ吸収特性も変化してしまい、予測したエネルギ吸
収能力を保持できなくなる。
【0010】従来の端梁(鉄道車両などの先頭部に設け
られる荷重分担部材である)では、静的強度を重視した
設計を行っており、衝突時の崩壊荷重が高い反面、エネ
ルギ吸収量は小さい傾向がある。
られる荷重分担部材である)では、静的強度を重視した
設計を行っており、衝突時の崩壊荷重が高い反面、エネ
ルギ吸収量は小さい傾向がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明に係る車両用のエネルギ吸収構造のう
ち、 第一は、衝突荷重と平行に配置された荷重分担
部材を有する構造であって、この荷重分担部材の長さ方
向の一部分に開口を設け、この部分を他の部分より強度
を弱めたことを特徴とする。
めに、本願発明に係る車両用のエネルギ吸収構造のう
ち、 第一は、衝突荷重と平行に配置された荷重分担
部材を有する構造であって、この荷重分担部材の長さ方
向の一部分に開口を設け、この部分を他の部分より強度
を弱めたことを特徴とする。
【0012】また、開口を荷重分担部材の長さ方向の複
数箇所に設けて崩壊領域を大きくしたものである。
数箇所に設けて崩壊領域を大きくしたものである。
【0013】これによって、崩壊時の変形が一部分に集
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。 第二は、衝突荷重と平行に配置された荷重分担部材
を有する構造であって、開口を荷重分担部材の長さ方向
の複数箇所に設け、開口形状を変えることにより、又は
その断面内での開口位置を変えることにより変形モード
を制御するようにしたことを特徴とする。
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。 第二は、衝突荷重と平行に配置された荷重分担部材
を有する構造であって、開口を荷重分担部材の長さ方向
の複数箇所に設け、開口形状を変えることにより、又は
その断面内での開口位置を変えることにより変形モード
を制御するようにしたことを特徴とする。
【0014】この場合、開口を略楕円形又は長円形に形
成すると共に、該開口を、その軸が衝突方向に対して斜
めになるように設ける。或いは、開口の軸の傾斜方向あ
るいは開口の上下位置を千鳥形に交互にずらす。
成すると共に、該開口を、その軸が衝突方向に対して斜
めになるように設ける。或いは、開口の軸の傾斜方向あ
るいは開口の上下位置を千鳥形に交互にずらす。
【0015】開口形状およびその断面内での位置を変え
ることにより、変形(崩壊)モードをコントロールす
る。すなわち、開口である長円の軸を衝突方向に対して
斜めにすることにより、変形の方向を確定させることが
できる。また、開口の中心を上下にどちらかにずらすこ
とによっても変形の方向を確定できる。
ることにより、変形(崩壊)モードをコントロールす
る。すなわち、開口である長円の軸を衝突方向に対して
斜めにすることにより、変形の方向を確定させることが
できる。また、開口の中心を上下にどちらかにずらすこ
とによっても変形の方向を確定できる。
【0016】同一部材で、複数の開口を設ける場合、そ
の軸の傾斜方向あるいは開口の上下位置のずれを交互に
することにより、変形は交互に生じ、安定的に変形が生
じることになる。
の軸の傾斜方向あるいは開口の上下位置のずれを交互に
することにより、変形は交互に生じ、安定的に変形が生
じることになる。
【0017】これにより、崩壊時の変形を安定的に成長
させて、製品ごとのエネルギ吸収特性のバラツキを少な
くさせることができる。 第三は、平行する複数個の荷重分担部材を衝突荷重
方向に配置し、断面を減じる位置をそれぞれの部材でず
らすしたもので、これにより、変形が生じる直前に生じ
る反力の最大値を全体として減じることができ、崩壊時
の反力を平均化させ、極端なピーク荷重が生じるのを防
ぎ、エネルギ吸収部材の後方の部材で変形が生じたり、
過大な加速度を生じさせない。 第四は、衝突構造部材の先頭部の荷重分担部材とし
ての端梁を配置し、この端梁の平面形状を崩壊の進行に
伴って順次荷重分担面積が増加するような略弓状又は放
物線状とし、この端梁の先端から離れた内部に開口を設
けて断面を減じた車両用のエネルギ吸収構造である。
させて、製品ごとのエネルギ吸収特性のバラツキを少な
くさせることができる。 第三は、平行する複数個の荷重分担部材を衝突荷重
方向に配置し、断面を減じる位置をそれぞれの部材でず
らすしたもので、これにより、変形が生じる直前に生じ
る反力の最大値を全体として減じることができ、崩壊時
の反力を平均化させ、極端なピーク荷重が生じるのを防
ぎ、エネルギ吸収部材の後方の部材で変形が生じたり、
過大な加速度を生じさせない。 第四は、衝突構造部材の先頭部の荷重分担部材とし
ての端梁を配置し、この端梁の平面形状を崩壊の進行に
伴って順次荷重分担面積が増加するような略弓状又は放
物線状とし、この端梁の先端から離れた内部に開口を設
けて断面を減じた車両用のエネルギ吸収構造である。
【0018】これによって、崩壊時の変形が一部分に集
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。
【0019】また、衝突構造部材の先頭部に荷重分担部
材としての端梁を配置し、この端梁は骨構造を含み、衝
突荷重に対して順次荷重分担する部材が増加するように
骨構造の骨材を配置した車両用のエネルギ吸収構造であ
る。
材としての端梁を配置し、この端梁は骨構造を含み、衝
突荷重に対して順次荷重分担する部材が増加するように
骨構造の骨材を配置した車両用のエネルギ吸収構造であ
る。
【0020】これによって、崩壊時の変形が一部分に集
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。
中することなく、広い範囲で崩壊が進み、エネルギ吸収
特性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照しながら説明する。
を参照しながら説明する。
【0022】本願発明の車両用のエネルギ吸収構造のコ
ンセプトは、前述したように座屈が起きた瞬間のピーク
を下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピ
ークは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエ
ネルギ吸収特性曲線をもつような荷重分担部材の構成を
得ることである。かかるコンセプトを実現した具体的構
成は以下の通りである。
ンセプトは、前述したように座屈が起きた瞬間のピーク
を下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピ
ークは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエ
ネルギ吸収特性曲線をもつような荷重分担部材の構成を
得ることである。かかるコンセプトを実現した具体的構
成は以下の通りである。
【0023】図1(a)〜(d);衝突荷重の方向に対し平行
に配置された荷重分担部材において、長さ方向の一部分
に、他の部分よりその断面を局部的に減じる技術的思想
である。
に配置された荷重分担部材において、長さ方向の一部分
に、他の部分よりその断面を局部的に減じる技術的思想
である。
【0024】断面を減少させる方法として、例えば、図
1(a)のような荷重分担部材1を構成する、コの字形
(H型でもよい)断面の柱部材であれば、そのウエブ1
aに円形、楕円形あるいは矩形などの開口2を設ける。
フェイス1b側に開口を設けてもよい。3は中立線を示
す。
1(a)のような荷重分担部材1を構成する、コの字形
(H型でもよい)断面の柱部材であれば、そのウエブ1
aに円形、楕円形あるいは矩形などの開口2を設ける。
フェイス1b側に開口を設けてもよい。3は中立線を示
す。
【0025】また、図1(b)の箱形断面の荷重分担部材
4においても、2つの平行する面に同様な開口2を設け
ればよい。
4においても、2つの平行する面に同様な開口2を設け
ればよい。
【0026】このように、開口2を設けることで、断面
を局部的に減じた部分の強度は、他の部分より低いた
め、低い荷重で崩壊させることができる。
を局部的に減じた部分の強度は、他の部分より低いた
め、低い荷重で崩壊させることができる。
【0027】上記のような開口2を、図1(c)に示すよ
うに荷重分担部材5の長さ方向の複数箇所に設けること
により、崩壊する領域を大きくすることができ、エネル
ギ吸収特性を向上させることができる。
うに荷重分担部材5の長さ方向の複数箇所に設けること
により、崩壊する領域を大きくすることができ、エネル
ギ吸収特性を向上させることができる。
【0028】また、図1(d)のように、荷重分担部材6
の長さ方向に設けた開口7の大きさを順次変える(大円
から小円へ変える)ことにより、破壊の発生順序をコン
トロールできる。
の長さ方向に設けた開口7の大きさを順次変える(大円
から小円へ変える)ことにより、破壊の発生順序をコン
トロールできる。
【0029】図2,図3;開口形状およびその断面での
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールせんとする思想である。すなわち、図2(a)のよ
うに、荷重分担部材8のウエブ8aに設けた開口9であ
る長円の軸9aを衝突方向に対して斜めにすることによ
り、変形の方向を図2(b)のように確定させる(荷重分
担部材8の中立線10が一定の波形状となる)ことがで
きる。
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールせんとする思想である。すなわち、図2(a)のよ
うに、荷重分担部材8のウエブ8aに設けた開口9であ
る長円の軸9aを衝突方向に対して斜めにすることによ
り、変形の方向を図2(b)のように確定させる(荷重分
担部材8の中立線10が一定の波形状となる)ことがで
きる。
【0030】また、開口の中心を上下どちらかにずらせ
ることによっても、変形の方向を確定できる。すなわ
ち、図3(a)のように同一荷重分担部材11で、複数の
開口12を設ける場合、その開口の上下位置のずらし、
千鳥形に交互に配置することにより、変形は図3(b)の
ように波形になり、安定的に一定の変形が生じるようそ
の変形モードを制御できる。
ることによっても、変形の方向を確定できる。すなわ
ち、図3(a)のように同一荷重分担部材11で、複数の
開口12を設ける場合、その開口の上下位置のずらし、
千鳥形に交互に配置することにより、変形は図3(b)の
ように波形になり、安定的に一定の変形が生じるようそ
の変形モードを制御できる。
【0031】通常の構造では、製作時に生じる溶接変形
や部材を構成する板厚のわずかの違いや材料特性のわず
かの違いなどによって、その変形の方向が変化し、変形
モードを予想する方向に生じさせることは困難である。
このため同じ製作図で作成したものであっても、製品ご
とにそのエネルギ吸収特性にバラツキが生じる可能性が
ある。この点、本構成では、変形モードが一定になり、
エネルギ吸収特性も安定する。
や部材を構成する板厚のわずかの違いや材料特性のわず
かの違いなどによって、その変形の方向が変化し、変形
モードを予想する方向に生じさせることは困難である。
このため同じ製作図で作成したものであっても、製品ご
とにそのエネルギ吸収特性にバラツキが生じる可能性が
ある。この点、本構成では、変形モードが一定になり、
エネルギ吸収特性も安定する。
【0032】図4;図4(a)は、平行して2個以上、複
数個の荷重分担部材13A、13B、13Cを配置し、
それぞれの部材に設けた開口13a〜13cをずらし、
即ち、断面を減じる位置をそれぞれの部材でずらせるこ
とにより、変形が生じる直前に生じる反力の最大値を全
体として減じるように構成したものである。
数個の荷重分担部材13A、13B、13Cを配置し、
それぞれの部材に設けた開口13a〜13cをずらし、
即ち、断面を減じる位置をそれぞれの部材でずらせるこ
とにより、変形が生じる直前に生じる反力の最大値を全
体として減じるように構成したものである。
【0033】これにより、図4(b)のように3つの部材
が同じエネルギ吸収特性を持ち、反力の最大値が小さい
構造を実現できる。(c)は、(b)の合成図である。図(b)
(c)は縦軸に軸方向圧縮力P、横軸に軸方向変位Xをと
って示している。
が同じエネルギ吸収特性を持ち、反力の最大値が小さい
構造を実現できる。(c)は、(b)の合成図である。図(b)
(c)は縦軸に軸方向圧縮力P、横軸に軸方向変位Xをと
って示している。
【0034】図5;車両の先頭部における荷重分担部材
を「端梁」というが、この端梁14の先端ほど断面が小
さい構造にし(例えば、その平面形状を放物線状、弓状
とする)、さらに、衝突時にこの部位に必ず崩壊する領
域Yを設ける。
を「端梁」というが、この端梁14の先端ほど断面が小
さい構造にし(例えば、その平面形状を放物線状、弓状
とする)、さらに、衝突時にこの部位に必ず崩壊する領
域Yを設ける。
【0035】なお、通常の場合、端梁14の端面にはこ
れに連なる連結部材15が設けられる。
れに連なる連結部材15が設けられる。
【0036】かかる構成では、衝突による部材の崩壊
は、先頭部の断面の少ない部分から、順次生じることに
なり、衝突の最初に生じる大きな衝撃力(最初のピー
ク)を減じることができる。図6の実線は、そのときの
エネルギ吸収特性曲線(縦軸:軸方向圧縮力P、横軸:
軸方向変位X)を示す。端梁14部分で衝突エネルギを
ほぼ吸収できるようにしておけばこれに続く連結部材1
5が崩壊することはない。
は、先頭部の断面の少ない部分から、順次生じることに
なり、衝突の最初に生じる大きな衝撃力(最初のピー
ク)を減じることができる。図6の実線は、そのときの
エネルギ吸収特性曲線(縦軸:軸方向圧縮力P、横軸:
軸方向変位X)を示す。端梁14部分で衝突エネルギを
ほぼ吸収できるようにしておけばこれに続く連結部材1
5が崩壊することはない。
【0037】図6の点線は一様断面(弓状でないもの)
構造の場合のエネルギ吸収特性で、両者を比較すれば明
らかなように、本願では最初のピークが下がり、他の部
位でのエネルギ吸収量が多少増加して全体として平均化
される傾向になる。
構造の場合のエネルギ吸収特性で、両者を比較すれば明
らかなように、本願では最初のピークが下がり、他の部
位でのエネルギ吸収量が多少増加して全体として平均化
される傾向になる。
【0038】図7は、図5における技術的思想を具現化
した実際に近い端梁の構造モデルである。端梁14は、
略弓状をなし、図7(a)の骨構造16と図7(b)の面板1
7からなる。つまり、骨構造16の上下に面板17が溶
接で接合されて端梁14が形成されるものである。
した実際に近い端梁の構造モデルである。端梁14は、
略弓状をなし、図7(a)の骨構造16と図7(b)の面板1
7からなる。つまり、骨構造16の上下に面板17が溶
接で接合されて端梁14が形成されるものである。
【0039】骨構造16は、前端部材16aと後端部材
16b、および両者の間に左右対称に架設された連結部
材(骨材)16c〜16fとからなる。連結部材(骨
材)16c〜16eには断面を減じるための開口18が
設けてある。面板17にも弓状の先端中央部から中に入
り込んだ位置に断面積を減じるための長円状の開口19
aとこの後方に2つの円形の開口19bが設けてある。
長円の開口19aは断面積が大きくなる直前の位置付近
に設けられ、円形の開口19bは断面積が最大となる位
置に複数設けられている。
16b、および両者の間に左右対称に架設された連結部
材(骨材)16c〜16fとからなる。連結部材(骨
材)16c〜16eには断面を減じるための開口18が
設けてある。面板17にも弓状の先端中央部から中に入
り込んだ位置に断面積を減じるための長円状の開口19
aとこの後方に2つの円形の開口19bが設けてある。
長円の開口19aは断面積が大きくなる直前の位置付近
に設けられ、円形の開口19bは断面積が最大となる位
置に複数設けられている。
【0040】上記のような端梁14について、衝突荷重
をかけてそのときの端梁14のもつエネルギ吸収特性を
調べた。図8はその実験結果を示し、図7の端梁14に
衝突荷重(但し、実験では静的荷重)をかけることによ
って得られたエネルギ吸収特性曲線(縦軸:衝突荷重、
横軸:走行方向の変形量)である。
をかけてそのときの端梁14のもつエネルギ吸収特性を
調べた。図8はその実験結果を示し、図7の端梁14に
衝突荷重(但し、実験では静的荷重)をかけることによ
って得られたエネルギ吸収特性曲線(縦軸:衝突荷重、
横軸:走行方向の変形量)である。
【0041】最初のピークP1は顕著に下がり、その後
ピークが所々に現れているが、これは連結部材によって
エネルギ吸収量が上昇したことを示し、曲線の谷部分
は、崩壊が次の連結部材まで広がる遷移域である。この
端梁のエネルギ吸収特性は、全体的には点線の平均衝突
荷重に近い方向に平均化されていることが判る。
ピークが所々に現れているが、これは連結部材によって
エネルギ吸収量が上昇したことを示し、曲線の谷部分
は、崩壊が次の連結部材まで広がる遷移域である。この
端梁のエネルギ吸収特性は、全体的には点線の平均衝突
荷重に近い方向に平均化されていることが判る。
【0042】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、次のような効果を奏する。 衝突時の変形が局所的になることを防ぎ、変形する
領域が広範囲となるようにすることにより、衝突時に構
造部材がその変形によって吸収するエネルギを高めるこ
とができる。 変形の方向、モードを確定させる手段を講じること
により、バラツキをなくし、安定したエネルギ吸収特性
を有することができる。 複数部材において、変形の生じるタイミングをずら
せることにより、平滑化された反力と変形特性を有する
エネルギ吸収部材を実現できる。
実施され、次のような効果を奏する。 衝突時の変形が局所的になることを防ぎ、変形する
領域が広範囲となるようにすることにより、衝突時に構
造部材がその変形によって吸収するエネルギを高めるこ
とができる。 変形の方向、モードを確定させる手段を講じること
により、バラツキをなくし、安定したエネルギ吸収特性
を有することができる。 複数部材において、変形の生じるタイミングをずら
せることにより、平滑化された反力と変形特性を有する
エネルギ吸収部材を実現できる。
【図1】(a)はコ字形断面の荷重分担部材に楕円状ない
し長円状の開口を設けたときの斜視図、(b)は箱型断面
の荷重分担部材に開口を設けたときの斜視図、(c)は荷
重分担部材の長さ(軸)方向に複数の開口を規則的に設
けたときの斜視図、(d)は荷重分担部材に設けた複数の
開口の大きさを長さ方向で変化させたときの斜視図であ
る。
し長円状の開口を設けたときの斜視図、(b)は箱型断面
の荷重分担部材に開口を設けたときの斜視図、(c)は荷
重分担部材の長さ(軸)方向に複数の開口を規則的に設
けたときの斜視図、(d)は荷重分担部材に設けた複数の
開口の大きさを長さ方向で変化させたときの斜視図であ
る。
【図2】(a)は荷重分担部材に設けた開口の軸を衝突方
向と斜めになるように配置したときの斜視図、(b)は同
変形モードである。
向と斜めになるように配置したときの斜視図、(b)は同
変形モードである。
【図3】(a)は荷重分担部材に設けた開口を上下に千鳥
形に配置したときの正面図、(b)は同変形モードであ
る。
形に配置したときの正面図、(b)は同変形モードであ
る。
【図4】(a)は複数の部材を平行に配置し、それぞれに
設けた開口を互いに長さ方向にずらしたときの斜視図、
(b)は各部材のエネルギ吸収特性曲線であり、(c)はその
合成図である。
設けた開口を互いに長さ方向にずらしたときの斜視図、
(b)は各部材のエネルギ吸収特性曲線であり、(c)はその
合成図である。
【図5】本願発明思想を取り入れた端梁の平面図であ
る。
る。
【図6】同端梁のエネルギ吸収特性曲線図(実線)であ
る。
る。
【図7】同端梁の実際に近い構造図で、(a)は面板、(b)
は骨構造を示す図である。
は骨構造を示す図である。
【図8】同端梁の変形モードである。
【図9】(a)は一般の柱部材の座屈形態図、(b)はそのス
ケルトン図である。
ケルトン図である。
【図10】同エネルギ吸収特性曲線図である。
【図11】従来技術のエネルギ吸収特性曲線図である。
1、4,5,6,8,11…荷重分担部材 2,7,9,12…開口 13A,13B,13C…荷重分担部材 13a、13b、13c…開口 14…端梁 16…骨構造 16c〜16f…連結部材(骨材) 17…面板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月18日(2000.8.1
8)
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車両用のエネルギ吸収構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、鉄道車両同士や
自動車同士などの衝突又は追突時等において生じる衝突
エネルギをより効果的に吸収緩和することができる車両
用のエネルギ吸収構造に関し、また、そのときの変形モ
ードを制御することができる車両用のエネルギ吸収構造
に関する。
自動車同士などの衝突又は追突時等において生じる衝突
エネルギをより効果的に吸収緩和することができる車両
用のエネルギ吸収構造に関し、また、そのときの変形モ
ードを制御することができる車両用のエネルギ吸収構造
に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】鉄道車両同
士の正面衝突、追突、あるいは他の物体との衝突に際し
て、図9(a)に示す衝突荷重Pを分担する部材(簡単の
ため例示として柱部材)01において、図9に示すよう
な座屈変形が生じると(図9(b)はそのときの崩壊モー
ドを示す)、変形の生じる箇所すなわち最初の塑性変形
箇所Yが限定されてしまい、そのエネルギの吸収能力が
低下する。図10がそれを示す。
士の正面衝突、追突、あるいは他の物体との衝突に際し
て、図9(a)に示す衝突荷重Pを分担する部材(簡単の
ため例示として柱部材)01において、図9に示すよう
な座屈変形が生じると(図9(b)はそのときの崩壊モー
ドを示す)、変形の生じる箇所すなわち最初の塑性変形
箇所Yが限定されてしまい、そのエネルギの吸収能力が
低下する。図10がそれを示す。
【0003】図10は、このときのエネルギ吸収特性を
示す曲線である。縦軸に反力(P/Ps(P:軸方向
力、Ps:座屈荷重)、横軸にΔ/H(Δ:面外変形
量、H:部材の断面寸法)をとって示してある。このエ
ネルギ吸収特性曲線で囲まれた面積がすなわちその部材
がもつエネルギ吸収能力である。座屈現象が起きる直前
がピークとなり、座屈後は急激に反力が小さくなる(双
曲線のような形となる)。すなわち、非常に限られた領
域で屈曲(変形座屈)が生じるとそのエネルギ特性は非
常に小さいものとなってしまうことが判る。
示す曲線である。縦軸に反力(P/Ps(P:軸方向
力、Ps:座屈荷重)、横軸にΔ/H(Δ:面外変形
量、H:部材の断面寸法)をとって示してある。このエ
ネルギ吸収特性曲線で囲まれた面積がすなわちその部材
がもつエネルギ吸収能力である。座屈現象が起きる直前
がピークとなり、座屈後は急激に反力が小さくなる(双
曲線のような形となる)。すなわち、非常に限られた領
域で屈曲(変形座屈)が生じるとそのエネルギ特性は非
常に小さいものとなってしまうことが判る。
【0004】そうしてみると、部材のエネルギ吸収能力
を高めるためのコンセプトには、次の2通りが考えられ
る。
を高めるためのコンセプトには、次の2通りが考えられ
る。
【0005】一つは、図11のように座屈が起きた瞬間
の最初のピークP1は高いままで、他にも幾つかピーク
P2 ,P3 …を生じるような部材構成にすることであ
る。
の最初のピークP1は高いままで、他にも幾つかピーク
P2 ,P3 …を生じるような部材構成にすることであ
る。
【0006】他は、座屈が起きた瞬間の最初のピークを
下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピー
クは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエネ
ルギ吸収特性曲線をもつような部材構成にすることであ
る。この考えでは図10において点線で示すエネルギ吸
収特性曲線に極力近いものが理想的である。この場合、
衝突エネルギを荷重分担部材で全て吸収して他の部材に
は影響を与えないのが理想である。
下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピー
クは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエネ
ルギ吸収特性曲線をもつような部材構成にすることであ
る。この考えでは図10において点線で示すエネルギ吸
収特性曲線に極力近いものが理想的である。この場合、
衝突エネルギを荷重分担部材で全て吸収して他の部材に
は影響を与えないのが理想である。
【0007】前者の考えを採用したのが、特開昭58−
116267号公報に記載の「自動車のフレーム構造」
に係る車両用のエネルギ吸収構造である。すなわち、軸
方向に切欠部を設けたチャンネル部材と切欠部のないチ
ャンネル部材とを組み合わせた構造によって、長手方向
の衝撃力により蛇腹変形を生じさせ、変形現象が異なる
切欠部に対応した部位で順次生じさせて、図11のよう
なエネルギ吸収特性曲線を得て衝突エネルギの吸収緩和
能力を高めんとするものである。
116267号公報に記載の「自動車のフレーム構造」
に係る車両用のエネルギ吸収構造である。すなわち、軸
方向に切欠部を設けたチャンネル部材と切欠部のないチ
ャンネル部材とを組み合わせた構造によって、長手方向
の衝撃力により蛇腹変形を生じさせ、変形現象が異なる
切欠部に対応した部位で順次生じさせて、図11のよう
なエネルギ吸収特性曲線を得て衝突エネルギの吸収緩和
能力を高めんとするものである。
【0008】これに対して、本願は、後者の衝突エネル
ギ吸収のコンセプトを採用するものであるが、この考え
に基づき提案された車両用のエネルギ吸収構造は現時点
では存在しない。
ギ吸収のコンセプトを採用するものであるが、この考え
に基づき提案された車両用のエネルギ吸収構造は現時点
では存在しない。
【0009】ところで、衝突時の変形の方向が溶接等に
起因する形状初期不整などの影響で変化すると、そのエ
ネルギ吸収特性も変化してしまい、予測したエネルギ吸
収能力を保持できなくなる。
起因する形状初期不整などの影響で変化すると、そのエ
ネルギ吸収特性も変化してしまい、予測したエネルギ吸
収能力を保持できなくなる。
【0010】従来の端梁(鉄道車両などの先頭部に設け
られる荷重分担部材である)では、静的強度を重視した
設計を行っており、衝突時の崩壊荷重が高い反面、エネ
ルギ吸収量は小さい傾向がある。
られる荷重分担部材である)では、静的強度を重視した
設計を行っており、衝突時の崩壊荷重が高い反面、エネ
ルギ吸収量は小さい傾向がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明に係る車両用のエネルギ吸収構造は、衝
突荷重と平行に配置された荷重分担部材を有する構造で
あって、変形モード制御用開口を荷重分担部材の長さ方
向に複数箇所設け、該開口の軸が衝突方向に対して斜め
になるように設けて変形モードを制御するようにしたこ
とを特徴とする。
めに、本願発明に係る車両用のエネルギ吸収構造は、衝
突荷重と平行に配置された荷重分担部材を有する構造で
あって、変形モード制御用開口を荷重分担部材の長さ方
向に複数箇所設け、該開口の軸が衝突方向に対して斜め
になるように設けて変形モードを制御するようにしたこ
とを特徴とする。
【0012】この場合、開口を略楕円形又は長円形に形
成する。或いはまた、衝突荷重と平行に配置された荷重
分担部材を有する構造であって、変形モード制御用開口
を荷重分担部材の長さ方向に複数箇所設け、開口の軸の
傾斜方向あるいは開口の上下位置を千鳥形に交互にずら
したことを特徴とする。
成する。或いはまた、衝突荷重と平行に配置された荷重
分担部材を有する構造であって、変形モード制御用開口
を荷重分担部材の長さ方向に複数箇所設け、開口の軸の
傾斜方向あるいは開口の上下位置を千鳥形に交互にずら
したことを特徴とする。
【0013】このように開口形状およびその断面内での
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールする。すなわち、開口である長円の軸を衝突方向
に対して斜めにすることにより、変形の方向を確定させ
ることができる。また、開口の中心を上下にどちらかに
ずらすことによっても変形の方向を確定できる。
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールする。すなわち、開口である長円の軸を衝突方向
に対して斜めにすることにより、変形の方向を確定させ
ることができる。また、開口の中心を上下にどちらかに
ずらすことによっても変形の方向を確定できる。
【0014】同一部材で、複数の開口を設ける場合、そ
の軸の傾斜方向あるいは開口の上下位置のずれを交互に
することにより、変形は交互に生じ、安定的に変形が生
じることになる。
の軸の傾斜方向あるいは開口の上下位置のずれを交互に
することにより、変形は交互に生じ、安定的に変形が生
じることになる。
【0015】これにより、崩壊時の変形を安定的に成長
させて、製品ごとのエネルギ吸収特性のバラツキを少な
くさせることができる。
させて、製品ごとのエネルギ吸収特性のバラツキを少な
くさせることができる。
【0016】また、衝突荷重と平行に配置された荷重分
担部材を有する構造であって、平行する複数個の荷重分
担部材を衝突荷重方向に配置し、断面を減じるための変
形モード制御用開口をそれぞれの部材でずらして配置し
て複数の部材に同じエネルギ吸収特性を持たせて全体と
して崩壊時の反力を平均化させるようにしたことを特徴
とする。これにより、変形が生じる直前に生じる反力の
最大値を全体として減じることができ、崩壊時の反力を
平均化させ、極端なピーク荷重が生じるのを防ぎ、エネ
ルギ吸収部材の後方の部材で変形が生じたり、過大な加
速度を生じさせない。
担部材を有する構造であって、平行する複数個の荷重分
担部材を衝突荷重方向に配置し、断面を減じるための変
形モード制御用開口をそれぞれの部材でずらして配置し
て複数の部材に同じエネルギ吸収特性を持たせて全体と
して崩壊時の反力を平均化させるようにしたことを特徴
とする。これにより、変形が生じる直前に生じる反力の
最大値を全体として減じることができ、崩壊時の反力を
平均化させ、極端なピーク荷重が生じるのを防ぎ、エネ
ルギ吸収部材の後方の部材で変形が生じたり、過大な加
速度を生じさせない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照しながら説明する。
を参照しながら説明する。
【0018】図1(a)〜(d)は従来一般的に知られている
もので、本願発明の実施形態とはいえないが、後述の本
願発明の説明の便宜上先に説明しておく。
もので、本願発明の実施形態とはいえないが、後述の本
願発明の説明の便宜上先に説明しておく。
【0019】衝突荷重の方向に対し平行に配置された荷
重分担部材において、長さ方向の一部分に、他の部分よ
りその断面を局部的に減じる技術的思想である。
重分担部材において、長さ方向の一部分に、他の部分よ
りその断面を局部的に減じる技術的思想である。
【0020】断面を減少させる方法として、例えば、図
1(a)のような荷重分担部材1を構成する、コの字形
(H型でもよい)断面の柱部材であれば、そのウエブ1
aに円形、楕円形あるいは矩形などの開口2を設ける。
フェイス1b側に開口を設けてもよい。3は中立線を示
す。
1(a)のような荷重分担部材1を構成する、コの字形
(H型でもよい)断面の柱部材であれば、そのウエブ1
aに円形、楕円形あるいは矩形などの開口2を設ける。
フェイス1b側に開口を設けてもよい。3は中立線を示
す。
【0021】また、図1(b)の箱形断面の荷重分担部材
4においても、2つの平行する面に同様な開口2を設け
ればよい。
4においても、2つの平行する面に同様な開口2を設け
ればよい。
【0022】このように、開口2を設けることで、断面
を局部的に減じた部分の強度は、他の部分より低いた
め、低い荷重で崩壊させることができる。
を局部的に減じた部分の強度は、他の部分より低いた
め、低い荷重で崩壊させることができる。
【0023】上記のような開口2を、図1(c)に示すよ
うに荷重分担部材5の長さ方向の複数箇所に設けること
により、崩壊する領域を大きくすることができ、エネル
ギ吸収特性を向上させることができる。
うに荷重分担部材5の長さ方向の複数箇所に設けること
により、崩壊する領域を大きくすることができ、エネル
ギ吸収特性を向上させることができる。
【0024】また、図1(d)のように、荷重分担部材6
の長さ方向に設けた開口7の大きさを順次変える(大円
から小円へ変える)ことにより、破壊の発生順序をコン
トロールできる。
の長さ方向に設けた開口7の大きさを順次変える(大円
から小円へ変える)ことにより、破壊の発生順序をコン
トロールできる。
【0025】本願発明の車両用のエネルギ吸収構造のコ
ンセプトは、前述したように座屈が起きた瞬間のピーク
を下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピ
ークは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエ
ネルギ吸収特性曲線をもつような荷重分担部材の構成を
得ることである。かかるコンセプトを実現した具体的構
成は以下の通りである。
ンセプトは、前述したように座屈が起きた瞬間のピーク
を下げることを前提としつつ、全体的になだらかな(ピ
ークは幾つか存在することもあるが)概ね平均化したエ
ネルギ吸収特性曲線をもつような荷重分担部材の構成を
得ることである。かかるコンセプトを実現した具体的構
成は以下の通りである。
【0026】図2,図3;開口形状およびその断面での
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールせんとする思想である。すなわち、図2(a)のよ
うに、荷重分担部材8のウエブ8aに設けた開口9であ
る長円の軸9aを衝突方向に対して斜めにすることによ
り、変形の方向を図2(b)のように確定させる(荷重分
担部材8の中立線10が一定の波形状となる)ことがで
きる。
位置を変えることにより、変形(崩壊)モードをコント
ロールせんとする思想である。すなわち、図2(a)のよ
うに、荷重分担部材8のウエブ8aに設けた開口9であ
る長円の軸9aを衝突方向に対して斜めにすることによ
り、変形の方向を図2(b)のように確定させる(荷重分
担部材8の中立線10が一定の波形状となる)ことがで
きる。
【0027】また、開口の中心を上下どちらかにずらせ
ることによっても、変形の方向を確定できる。すなわ
ち、図3(a)のように同一荷重分担部材11で、複数の
開口12を設ける場合、その開口の上下位置のずらし、
千鳥形に交互に配置することにより、変形は図3(b)の
ように波形になり、安定的に一定の変形が生じるようそ
の変形モードを制御できる。
ることによっても、変形の方向を確定できる。すなわ
ち、図3(a)のように同一荷重分担部材11で、複数の
開口12を設ける場合、その開口の上下位置のずらし、
千鳥形に交互に配置することにより、変形は図3(b)の
ように波形になり、安定的に一定の変形が生じるようそ
の変形モードを制御できる。
【0028】通常の構造では、製作時に生じる溶接変形
や部材を構成する板厚のわずかの違いや材料特性のわず
かの違いなどによって、その変形の方向が変化し、変形
モードを予想する方向に生じさせることは困難である。
このため同じ製作図で作成したものであっても、製品ご
とにそのエネルギ吸収特性にバラツキが生じる可能性が
ある。この点、本構成では、変形モードが一定になり、
エネルギ吸収特性も安定する。
や部材を構成する板厚のわずかの違いや材料特性のわず
かの違いなどによって、その変形の方向が変化し、変形
モードを予想する方向に生じさせることは困難である。
このため同じ製作図で作成したものであっても、製品ご
とにそのエネルギ吸収特性にバラツキが生じる可能性が
ある。この点、本構成では、変形モードが一定になり、
エネルギ吸収特性も安定する。
【0029】図4;図4(a)は、平行して2個以上、複
数個の荷重分担部材13A、13B、13Cを配置し、
それぞれの部材に設けた開口13a〜13cをずらし、
即ち、断面を減じる位置をそれぞれの部材でずらせるこ
とにより、変形が生じる直前に生じる反力の最大値を全
体として減じるように構成したものである。
数個の荷重分担部材13A、13B、13Cを配置し、
それぞれの部材に設けた開口13a〜13cをずらし、
即ち、断面を減じる位置をそれぞれの部材でずらせるこ
とにより、変形が生じる直前に生じる反力の最大値を全
体として減じるように構成したものである。
【0030】これにより、図4(b)のように3つの部材
が同じエネルギ吸収特性を持ち、反力の最大値が小さい
構造を実現できる。(c)は、(b)の合成図である。図(b)
(c)は縦軸に軸方向圧縮力P、横軸に軸方向変位Xをと
って示している。
が同じエネルギ吸収特性を持ち、反力の最大値が小さい
構造を実現できる。(c)は、(b)の合成図である。図(b)
(c)は縦軸に軸方向圧縮力P、横軸に軸方向変位Xをと
って示している。
【0031】図5;車両の先頭部における荷重分担部材
を「端梁」というが、この端梁14の先端ほど断面が小
さい構造にし(例えば、その平面形状を放物線状、弓状
とする)、さらに、衝突時にこの部位に必ず崩壊する領
域Yを設ける。
を「端梁」というが、この端梁14の先端ほど断面が小
さい構造にし(例えば、その平面形状を放物線状、弓状
とする)、さらに、衝突時にこの部位に必ず崩壊する領
域Yを設ける。
【0032】なお、通常の場合、端梁14の端面にはこ
れに連なる連結部材15が設けられる。
れに連なる連結部材15が設けられる。
【0033】かかる構成では、衝突による部材の崩壊
は、先頭部の断面の少ない部分から、順次生じることに
なり、衝突の最初に生じる大きな衝撃力(最初のピー
ク)を減じることができる。図6の実線は、そのときの
エネルギ吸収特性曲線(縦軸:軸方向圧縮力P、横軸:
軸方向変位X)を示す。端梁14部分で衝突エネルギを
ほぼ吸収できるようにしておけばこれに続く連結部材1
5が崩壊することはない。
は、先頭部の断面の少ない部分から、順次生じることに
なり、衝突の最初に生じる大きな衝撃力(最初のピー
ク)を減じることができる。図6の実線は、そのときの
エネルギ吸収特性曲線(縦軸:軸方向圧縮力P、横軸:
軸方向変位X)を示す。端梁14部分で衝突エネルギを
ほぼ吸収できるようにしておけばこれに続く連結部材1
5が崩壊することはない。
【0034】図6の点線は一様断面(弓状でないもの)
構造の場合のエネルギ吸収特性で、両者を比較すれば明
らかなように、本願では最初のピークが下がり、他の部
位でのエネルギ吸収量が多少増加して全体として平均化
される傾向になる。
構造の場合のエネルギ吸収特性で、両者を比較すれば明
らかなように、本願では最初のピークが下がり、他の部
位でのエネルギ吸収量が多少増加して全体として平均化
される傾向になる。
【0035】図7は、図5における技術的思想を具現化
した実際に近い端梁の構造モデルである。端梁14は、
略弓状をなし、図7(a)の骨構造16と図7(b)の面板1
7からなる。つまり、骨構造16の上下に面板17が溶
接で接合されて端梁14が形成されるものである。
した実際に近い端梁の構造モデルである。端梁14は、
略弓状をなし、図7(a)の骨構造16と図7(b)の面板1
7からなる。つまり、骨構造16の上下に面板17が溶
接で接合されて端梁14が形成されるものである。
【0036】骨構造16は、前端部材16aと後端部材
16b、および両者の間に左右対称に架設された連結部
材(骨材)16c〜16fとからなる。連結部材(骨
材)16c〜16eには断面を減じるための開口18が
設けてある。面板17にも弓状の先端中央部から中に入
り込んだ位置に断面積を減じるための長円状の開口19
aとこの後方に2つの円形の開口19bが設けてある。
長円の開口19aは断面積が大きくなる直前の位置付近
に設けられ、円形の開口19bは断面積が最大となる位
置に複数設けられている。
16b、および両者の間に左右対称に架設された連結部
材(骨材)16c〜16fとからなる。連結部材(骨
材)16c〜16eには断面を減じるための開口18が
設けてある。面板17にも弓状の先端中央部から中に入
り込んだ位置に断面積を減じるための長円状の開口19
aとこの後方に2つの円形の開口19bが設けてある。
長円の開口19aは断面積が大きくなる直前の位置付近
に設けられ、円形の開口19bは断面積が最大となる位
置に複数設けられている。
【0037】上記のような端梁14について、衝突荷重
をかけてそのときの端梁14のもつエネルギ吸収特性を
調べた。図8はその実験結果を示し、図7の端梁14に
衝突荷重(但し、実験では静的荷重)をかけることによ
って得られたエネルギ吸収特性曲線(縦軸:衝突荷重、
横軸:走行方向の変形量)である。
をかけてそのときの端梁14のもつエネルギ吸収特性を
調べた。図8はその実験結果を示し、図7の端梁14に
衝突荷重(但し、実験では静的荷重)をかけることによ
って得られたエネルギ吸収特性曲線(縦軸:衝突荷重、
横軸:走行方向の変形量)である。
【0038】最初のピークP1は顕著に下がり、その後
ピークが所々に現れているが、これは連結部材によって
エネルギ吸収量が上昇したことを示し、曲線の谷部分
は、崩壊が次の連結部材まで広がる遷移域である。この
端梁のエネルギ吸収特性は、全体的には点線の平均衝突
荷重に近い方向に平均化されていることが判る。
ピークが所々に現れているが、これは連結部材によって
エネルギ吸収量が上昇したことを示し、曲線の谷部分
は、崩壊が次の連結部材まで広がる遷移域である。この
端梁のエネルギ吸収特性は、全体的には点線の平均衝突
荷重に近い方向に平均化されていることが判る。
【0039】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、次のような効果を奏する。
実施され、次のような効果を奏する。
【0040】衝突時の変形が局所的になることを防ぎ、
変形する領域が広範囲となるようにすることにより、衝
突時に構造部材がその変形によって吸収するエネルギを
高めるつつ、 1) 変形の方向、モードを確定させる手段を講じること
により、バラツキをなくし、安定したエネルギ吸収特性
を有することができる。2) 複数部材において、変形の生じるタイミングをずら
せることにより、平滑化された反力と変形特性を有する
エネルギ吸収部材を実現できる。
変形する領域が広範囲となるようにすることにより、衝
突時に構造部材がその変形によって吸収するエネルギを
高めるつつ、 1) 変形の方向、モードを確定させる手段を講じること
により、バラツキをなくし、安定したエネルギ吸収特性
を有することができる。2) 複数部材において、変形の生じるタイミングをずら
せることにより、平滑化された反力と変形特性を有する
エネルギ吸収部材を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はコ字形断面の荷重分担部材に楕円状ない
し長円状の開口を設けたときの斜視図、(b)は箱型断面
の荷重分担部材に開口を設けたときの斜視図、(c)は荷
重分担部材の長さ(軸)方向に複数の開口を規則的に設
けたときの斜視図、(d)は荷重分担部材に設けた複数の
開口の大きさを長さ方向で変化させたときの斜視図であ
る。
し長円状の開口を設けたときの斜視図、(b)は箱型断面
の荷重分担部材に開口を設けたときの斜視図、(c)は荷
重分担部材の長さ(軸)方向に複数の開口を規則的に設
けたときの斜視図、(d)は荷重分担部材に設けた複数の
開口の大きさを長さ方向で変化させたときの斜視図であ
る。
【図2】本願発明の実施形態であって、 (a)は荷重分担
部材に設けた開口の軸を衝突方向と斜めになるように配
置したときの斜視図、(b)は同変形モードである。
部材に設けた開口の軸を衝突方向と斜めになるように配
置したときの斜視図、(b)は同変形モードである。
【図3】同実施形態であって、(a)は荷重分担部材に設
けた開口を上下に千鳥形に配置したときの正面図、(b)
は同変形モードである。
けた開口を上下に千鳥形に配置したときの正面図、(b)
は同変形モードである。
【図4】同実施形態であって、(a)は複数の部材を平行
に配置し、それぞれに設けた開口を互いに長さ方向にず
らしたときの斜視図、(b)は各部材のエネルギ吸収特性
曲線であり、(c)はその合成図である。
に配置し、それぞれに設けた開口を互いに長さ方向にず
らしたときの斜視図、(b)は各部材のエネルギ吸収特性
曲線であり、(c)はその合成図である。
【図5】本願発明思想を取り入れた端梁の平面図であ
る。
る。
【図6】同端梁のエネルギ吸収特性曲線図(実線)であ
る。
る。
【図7】同端梁の実際に近い構造図で、(a)は面板、(b)
は骨構造を示す図である。
は骨構造を示す図である。
【図8】同端梁の変形モードである。
【図9】(a)は一般の柱部材の座屈形態図、(b)はそのス
ケルトン図である。
ケルトン図である。
【図10】同エネルギ吸収特性曲線図である。
【図11】従来技術のエネルギ吸収特性曲線図である。
【符号の説明】 1、4,5,6,8,11…荷重分担部材 2,7,9,12…開口 13A,13B,13C…荷重分担部材 13a、13b、13c…開口 14…端梁 16…骨構造 16c〜16f…連結部材(骨材) 17…面板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸田 和人 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 丸中 俊則 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 田口 真 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 大南 亮一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 Fターム(参考) 3J066 AA23 BA04 BB01 BC01 BG05
Claims (8)
- 【請求項1】 衝突荷重と平行に配置された荷重分担部
材を有する構造であって、この荷重分担部材の長さ方向
の一部分に開口を設け、この部分を他の部分より強度を
弱めたことを特徴とする車両用のエネルギ吸収構造。 - 【請求項2】 衝突荷重と平行に配置された荷重分担部
材を有する構造であって、開口を荷重分担部材の長さ方
向の複数箇所に設けて崩壊領域を大きくしたことを特徴
とする車両用のエネルギ吸収構造。 - 【請求項3】 衝突荷重と平行に配置された荷重分担部
材を有する構造であって、開口を荷重分担部材の長さ方
向の複数箇所に設け、開口形状を変えることにより、又
はその断面内での開口位置を変えることにより変形モー
ドを制御するようにしたことを特徴とする車両用のエネ
ルギ吸収構造。 - 【請求項4】 開口を略楕円形又は長円形に形成すると
共に、該開口を、その軸が衝突方向に対して斜めになる
ように設けた請求項1〜3いずれか1項に記載の車両用
のエネルギ吸収構造。 - 【請求項5】 開口の軸の傾斜方向あるいは開口の上下
位置を千鳥形に交互にずらした請求項1〜3いずれか1
項に記載の車両用のエネルギ吸収構造。 - 【請求項6】 平行する複数個の荷重分担部材を衝突荷
重方向に配置し、断面を減じる位置をそれぞれの部材で
ずらしたことを特徴とする車両用のエネルギ吸収構造。 - 【請求項7】 衝突構造部材の先頭部に荷重分担部材と
しての端梁を配置し、この端梁は骨構造を含み、衝突荷
重に対して順次荷重分担する部材が増加するように骨構
造の骨材を配置したことを特徴とする車両用のエネルギ
吸収構造。 - 【請求項8】 衝突構造部材の先頭部の荷重分担部材と
しての端梁を配置し、この端梁の平面形状を崩壊の進行
に伴って順次荷重分担面積が増加するような略弓状又は
放物線状とし、この端梁の先端から離れた内部に開口を
設けて断面を減じたことを特徴とする車両用のエネルギ
吸収構造。
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