JP2001087890A - チタン製眼鏡枠用ろう材 - Google Patents
チタン製眼鏡枠用ろう材Info
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- JP2001087890A JP2001087890A JP26503199A JP26503199A JP2001087890A JP 2001087890 A JP2001087890 A JP 2001087890A JP 26503199 A JP26503199 A JP 26503199A JP 26503199 A JP26503199 A JP 26503199A JP 2001087890 A JP2001087890 A JP 2001087890A
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- Japan
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- brazing
- spectacle frame
- filler metal
- brazing filler
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 日常的な使用において大きな弾性変形を受け
るチタン製眼鏡枠の組立接合に、き裂を生じにくい柔軟
なろう材を使用することで、ろう付け部からの破損防止
を講じる。 【解決手段】 Ｔｉ−Ｚｒ−Ｃｕの３元組成で、凝固後
のビッカース硬さ３５０以下のろう材を、アモルファス
箔、ガスアトマイズ法粉末、あるいは圧延箔の形にして
高周波誘導加熱または抵抗加熱によりろう付けを行う。
るチタン製眼鏡枠の組立接合に、き裂を生じにくい柔軟
なろう材を使用することで、ろう付け部からの破損防止
を講じる。 【解決手段】 Ｔｉ−Ｚｒ−Ｃｕの３元組成で、凝固後
のビッカース硬さ３５０以下のろう材を、アモルファス
箔、ガスアトマイズ法粉末、あるいは圧延箔の形にして
高周波誘導加熱または抵抗加熱によりろう付けを行う。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、純チタンおよびチ
タン合金製眼鏡枠の組立接合に用いるろう材の組成及び
その形態に関する。
タン合金製眼鏡枠の組立接合に用いるろう材の組成及び
その形態に関する。
【０００２】
【従来の技術】純チタンおよびチタン合金製眼鏡枠の組
立接合用ろう材として、従来はＴｉ、Ｃｕ、Ｎｉから構
成されるチクニと呼称される積層ろう材が用いられてい
る。このろう材は、合金化していないために柔軟であ
り、圧延で製造されることから任意の厚さや幅のものが
提供できる利点がある。
立接合用ろう材として、従来はＴｉ、Ｃｕ、Ｎｉから構
成されるチクニと呼称される積層ろう材が用いられてい
る。このろう材は、合金化していないために柔軟であ
り、圧延で製造されることから任意の厚さや幅のものが
提供できる利点がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来のチクニろう材を
用いたろう付けにおいては、ろう付け後にろう材が合金
として一体化するために、その硬さはビッカース硬さで
４５０〜５５０にも達することがある。眼鏡枠の場合、
外観を良くするためにろう付け部には余分にろうを盛っ
たフィレットを形成することが一般的であり、このフィ
レットが冷却時の熱収縮によりき裂を生じる場合があ
る。そして、このき裂が応力集中源となって母材の眼鏡
枠に達し、破壊に至ることがあった。
用いたろう付けにおいては、ろう付け後にろう材が合金
として一体化するために、その硬さはビッカース硬さで
４５０〜５５０にも達することがある。眼鏡枠の場合、
外観を良くするためにろう付け部には余分にろうを盛っ
たフィレットを形成することが一般的であり、このフィ
レットが冷却時の熱収縮によりき裂を生じる場合があ
る。そして、このき裂が応力集中源となって母材の眼鏡
枠に達し、破壊に至ることがあった。
【０００４】眼鏡枠は、日常の使用においてかけはずし
などで大きな変形を受ける、特に最近のように形状記憶
合金、超弾性合金などの使用が増大してくると、かなり
な量の変形を受けるようになる。このため、硬いろう材
からは亀裂が発生しやすくなり、これが発端となって眼
鏡枠に伝搬し破壊した事例もあり、これを防止するに
は、ろう材の硬さを眼鏡枠に使用される母材の最高硬さ
である３５０以下にすることが望ましい。
などで大きな変形を受ける、特に最近のように形状記憶
合金、超弾性合金などの使用が増大してくると、かなり
な量の変形を受けるようになる。このため、硬いろう材
からは亀裂が発生しやすくなり、これが発端となって眼
鏡枠に伝搬し破壊した事例もあり、これを防止するに
は、ろう材の硬さを眼鏡枠に使用される母材の最高硬さ
である３５０以下にすることが望ましい。
【０００５】また、ろう付け温度に関しては、従来は純
チタンのα−β変態点である８８５℃を越えないことが
望ましいとされてきたが、これはβトランザス以上の加
熱によって結晶粒が粗大化するために、疲労強度が著し
く低下することを嫌ってのことであるが、α＋β合金、
β合金は純チタンに比べて結晶粒の粗大化の影響も少な
く、１０００℃程度のろう付け温度でも、母材に与える
影響を考えなくともよくなってきている。
チタンのα−β変態点である８８５℃を越えないことが
望ましいとされてきたが、これはβトランザス以上の加
熱によって結晶粒が粗大化するために、疲労強度が著し
く低下することを嫌ってのことであるが、α＋β合金、
β合金は純チタンに比べて結晶粒の粗大化の影響も少な
く、１０００℃程度のろう付け温度でも、母材に与える
影響を考えなくともよくなってきている。
【０００６】一般に眼鏡枠のろう付けでは抵抗ろう付け
や高周波ろう付けなど数秒〜十数秒単位の短時間加熱が
用いられており、機械部品や航空機部品などのように十
数分単位の加熱時間が必要な炉中ろう付けは用いられて
いない。短時間の加熱であることから、むしろ多少高温
のほうがろうの母材への拡散に有利である。このこと
は、特開平６−１５５０７１においても指摘されてお
り、確実な接合強度を得るために短時間のろう付けでは
ある程度の高温が必要である。
や高周波ろう付けなど数秒〜十数秒単位の短時間加熱が
用いられており、機械部品や航空機部品などのように十
数分単位の加熱時間が必要な炉中ろう付けは用いられて
いない。短時間の加熱であることから、むしろ多少高温
のほうがろうの母材への拡散に有利である。このこと
は、特開平６−１５５０７１においても指摘されてお
り、確実な接合強度を得るために短時間のろう付けでは
ある程度の高温が必要である。
【０００７】機械部品、航空機部品などと比べて、眼鏡
枠のろう付けには上述したような問題があり、専用のろ
う材の開発が求められていた。本発明は、チタンおよび
チタン合金製眼鏡枠のろう付け部に関する日々の依頼試
験業務を担当している中から解決点を見いだしたもの
で、ろう付け部からの破損の生じにくいろう材を提供す
ることを目的としている。
枠のろう付けには上述したような問題があり、専用のろ
う材の開発が求められていた。本発明は、チタンおよび
チタン合金製眼鏡枠のろう付け部に関する日々の依頼試
験業務を担当している中から解決点を見いだしたもの
で、ろう付け部からの破損の生じにくいろう材を提供す
ることを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、ろう材の硬さの上昇に大きく寄
与する金属間化合物の発生をできる限り少なくする組成
の決定を第一に、そしてその中でろう付け温度が低い組
成を決定していった。以下に、本発明について詳細に説
明する。
に、本発明においては、ろう材の硬さの上昇に大きく寄
与する金属間化合物の発生をできる限り少なくする組成
の決定を第一に、そしてその中でろう付け温度が低い組
成を決定していった。以下に、本発明について詳細に説
明する。
【０００９】表１に示すように、ＴｉおよびＴｉと金属
間化合物を生成しないＺｒを主成分にして、さらに溶融
点を下げる目的のＣｕを添加した３元系合金の共晶点付
近の組成を中心に、アルゴンガス雰囲気中のアーク溶解
で種々の組成の合金ボタンを作製し、ＤＳＣによる溶融
点の測定、ビッカース硬さ試験機（荷重１Ｋｇ）による
硬さの測定を実施し、最適組成を探っていった。
間化合物を生成しないＺｒを主成分にして、さらに溶融
点を下げる目的のＣｕを添加した３元系合金の共晶点付
近の組成を中心に、アルゴンガス雰囲気中のアーク溶解
で種々の組成の合金ボタンを作製し、ＤＳＣによる溶融
点の測定、ビッカース硬さ試験機（荷重１Ｋｇ）による
硬さの測定を実施し、最適組成を探っていった。
【００１０】
【表１】表１ ろう材の組成とビッカース硬さおよび融
点（重量％）
点（重量％）
【００１１】
【実施例】以下に、実施例にもとづいて本発明を説明す
る。表１に示された結果から、Ｔｉ５５％Ｚｒ５％Ｃｕ
４０％（重量）の組成のろう材が、ビッカース硬さ２８
５、融点８９８℃と硬さ、融点ともに優れていたので、
この組成のろう材（以下ＴＣＺと称する）１０ｇを石英
るつぼ内に投入し、高周波誘導加熱にて溶解した後、銅
製ロール上に噴射し急冷することで、幅５０ｍｍ、厚さ
５０μｍの箔を作製した。ロール径は２００ｍｍ、ロー
ル回転数は２０００ｒ．ｐ．ｍ．、噴射圧は５０ＫＰ
ａ、雰囲気および噴射ガスはアルゴンを用いた。
る。表１に示された結果から、Ｔｉ５５％Ｚｒ５％Ｃｕ
４０％（重量）の組成のろう材が、ビッカース硬さ２８
５、融点８９８℃と硬さ、融点ともに優れていたので、
この組成のろう材（以下ＴＣＺと称する）１０ｇを石英
るつぼ内に投入し、高周波誘導加熱にて溶解した後、銅
製ロール上に噴射し急冷することで、幅５０ｍｍ、厚さ
５０μｍの箔を作製した。ロール径は２００ｍｍ、ロー
ル回転数は２０００ｒ．ｐ．ｍ．、噴射圧は５０ＫＰ
ａ、雰囲気および噴射ガスはアルゴンを用いた。
【００１２】次にこれらのろう材のろう付け性能を調べ
るため、眼鏡枠に用いるＪＩＳ２種３mm径の純チタン線
にろう材をはさみ、５００ＭＰａの加圧状態のもと、ア
ルゴンガスを満たした容器中で高周波誘導加熱によるろ
う付けを実施した。ろう付け温度は１０００℃および１
１００℃、ろう付けの保持時間５秒で行った。また、比
較のため従来から用いられているチクニろう材を用いて
同様の試験を実施した。
るため、眼鏡枠に用いるＪＩＳ２種３mm径の純チタン線
にろう材をはさみ、５００ＭＰａの加圧状態のもと、ア
ルゴンガスを満たした容器中で高周波誘導加熱によるろ
う付けを実施した。ろう付け温度は１０００℃および１
１００℃、ろう付けの保持時間５秒で行った。また、比
較のため従来から用いられているチクニろう材を用いて
同様の試験を実施した。
【００１３】接合した試験片に対して引張試験を行った
結果、破断位置はろう付け部であったが、引張強さのワ
イブル分布の中心は１０００℃５秒の場合、ＴＣＺで４
９０ＭＰａ、チクニで４５０ＭＰａであった。また、１
１００℃５秒の場合、ＴＣＺで４９０ＭＰａ、チクニで
４８０ＭＰａKg/ｍｍ2であり、いずれの場合もＴＣＺの
方が優れていた。
結果、破断位置はろう付け部であったが、引張強さのワ
イブル分布の中心は１０００℃５秒の場合、ＴＣＺで４
９０ＭＰａ、チクニで４５０ＭＰａであった。また、１
１００℃５秒の場合、ＴＣＺで４９０ＭＰａ、チクニで
４８０ＭＰａKg/ｍｍ2であり、いずれの場合もＴＣＺの
方が優れていた。
【００１４】さらに、破断面観察の結果では、ＴＣＺに
比べてチクニの方がボイドの形成率が高く、母材との濡
れ性が悪いことが分かった。
比べてチクニの方がボイドの形成率が高く、母材との濡
れ性が悪いことが分かった。
【００１５】
【発明の効果】本発明のＴＣＺろう材は、従来のろう材
に比べて凝固時のビッカース硬さが低く、チタン製眼鏡
枠のろう付けに使用した場合に、ろう付け部のフィレッ
トに亀裂が発生する危険を少なくし、眼鏡枠の破壊を防
止できる。
に比べて凝固時のビッカース硬さが低く、チタン製眼鏡
枠のろう付けに使用した場合に、ろう付け部のフィレッ
トに亀裂が発生する危険を少なくし、眼鏡枠の破壊を防
止できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０２Ｃ 5/00 Ｇ０２Ｃ 5/00 13/00 13/00 // Ｃ２２Ｆ 1/00 ６１４ Ｃ２２Ｆ 1/00 ６１４ ６２１ ６２１ ６２２ ６２２ (72)発明者 定池 幹夫 福井県福井市川合鷲塚町61字北稲田10 福 井県工業技術センター内 Ｆターム(参考） 2H006 AA02 DA01
Claims (3)
- 【請求項１】 １１００℃以下の温度でろう付けされ、
Ｔｉ３５〜６０重量％、Ｚｒ５〜１０重量％、Ｃｕ３０
〜５５重量％の組成からなるＴｉ−Ｚｒ−Ｃｕ３元系合
金であることを特徴とするチタン製眼鏡枠用ろう材。 - 【請求項２】 凝固時のビッカース硬さ３５０以下で、
眼鏡枠使用時の弾性変形に耐えうることを特徴とするチ
タン製眼鏡枠用ろう材。 - 【請求項３】 単ロール急冷凝固法によるアモルファス
タイプの箔のほか、ガスアトマイズ法による粉末、およ
び圧延法による箔の形で提供されることを特徴とするチ
タン製眼鏡枠用ろう材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26503199A JP2001087890A (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | チタン製眼鏡枠用ろう材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26503199A JP2001087890A (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | チタン製眼鏡枠用ろう材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001087890A true JP2001087890A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17411636
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26503199A Pending JP2001087890A (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | チタン製眼鏡枠用ろう材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001087890A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106736037A (zh) * | 2016-12-02 | 2017-05-31 | 北京航空航天大学 | 一种无Ni且低Cu的Ti‑Zr‑Cu‑Co‑Fe合金钎料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-09-20 JP JP26503199A patent/JP2001087890A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106736037A (zh) * | 2016-12-02 | 2017-05-31 | 北京航空航天大学 | 一种无Ni且低Cu的Ti‑Zr‑Cu‑Co‑Fe合金钎料及其制备方法 |
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