JP2001087873A - 立向長尺溶接用ノズルおよびその製造方法 - Google Patents
立向長尺溶接用ノズルおよびその製造方法Info
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- JP2001087873A JP2001087873A JP27097799A JP27097799A JP2001087873A JP 2001087873 A JP2001087873 A JP 2001087873A JP 27097799 A JP27097799 A JP 27097799A JP 27097799 A JP27097799 A JP 27097799A JP 2001087873 A JP2001087873 A JP 2001087873A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非消耗ノズルが長尺でも製造が容易で、かつ
溶接時に外管と中心管ともに十分冷却できる構造とし、
長時間使用が可能な立向長尺溶接用ノズルを提供する。 【解決手段】 溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金
属の上昇に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルにお
いて、長尺溶接ノズルは中心部から中心管、外管及び絶
縁被覆層からなる3層構造管で、中心管は中心部に溶接
用ワイヤの挿通孔を有し、その外面は長手方向に左右対
称の突出条部及び該突出条部より小さい凸部を設け、か
つ先端部は通電チップを取り付けた構造で、外管に前記
中心管を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接し
て左右対称に半円環状断面の冷却水流路を構成し、該冷
却水流路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循
環を可能にし、更に外管を絶縁層で被覆する。
溶接時に外管と中心管ともに十分冷却できる構造とし、
長時間使用が可能な立向長尺溶接用ノズルを提供する。 【解決手段】 溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金
属の上昇に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルにお
いて、長尺溶接ノズルは中心部から中心管、外管及び絶
縁被覆層からなる3層構造管で、中心管は中心部に溶接
用ワイヤの挿通孔を有し、その外面は長手方向に左右対
称の突出条部及び該突出条部より小さい凸部を設け、か
つ先端部は通電チップを取り付けた構造で、外管に前記
中心管を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接し
て左右対称に半円環状断面の冷却水流路を構成し、該冷
却水流路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循
環を可能にし、更に外管を絶縁層で被覆する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨構造物等の立
向突き合わせ部をエレクトロスラグ溶接する非消耗ノズ
ル式の立向長尺溶接ノズルおよびその製造方法に関す
る。
向突き合わせ部をエレクトロスラグ溶接する非消耗ノズ
ル式の立向長尺溶接ノズルおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、立向簡易式のエレクトロスラグ溶
接方法として、消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接方法
が使用されている。この溶接方法は鋼管または被覆鋼管
からなる給電ノズルを溶接ワイヤと共に消耗しながら溶
接を行うものであるが、給電に鋼管が使用されるので、
通電性が劣ること、溶接継ぎ手数と同数の消耗ノズルが
必要であること、消耗ノズルにフラックス被覆管を使用
した場合、フラックスが吸湿し易く溶接部に水分に起因
する欠陥を作るおそれのあること、等の問題がある。
接方法として、消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接方法
が使用されている。この溶接方法は鋼管または被覆鋼管
からなる給電ノズルを溶接ワイヤと共に消耗しながら溶
接を行うものであるが、給電に鋼管が使用されるので、
通電性が劣ること、溶接継ぎ手数と同数の消耗ノズルが
必要であること、消耗ノズルにフラックス被覆管を使用
した場合、フラックスが吸湿し易く溶接部に水分に起因
する欠陥を作るおそれのあること、等の問題がある。
【0003】これらの問題を解決した非消耗ノズル式エ
レクトロスラグ溶接方法の技術が、特公昭60−541
46号公報に記載されて広く使用されている。図3にそ
の概要図を示す。図において、15は母材、1は非消耗
ノズル、16は駆動挟持ローラ、17は加圧挟持ロー
ラ、18はガイド挟持ローラでモータ19と共に非消耗
ノズル昇降機構を構成している。非消耗ノズル1は母材
15と固定銅水冷板20および裏当銅板21で囲まれた
開先内に挿入され、通電と同時に溶接ワイヤ22先端と
母材15との間にアークを発生させ、フラックスを投入
して溶融スラグプール23をつくり、スラグ溶接が開始
される。
レクトロスラグ溶接方法の技術が、特公昭60−541
46号公報に記載されて広く使用されている。図3にそ
の概要図を示す。図において、15は母材、1は非消耗
ノズル、16は駆動挟持ローラ、17は加圧挟持ロー
ラ、18はガイド挟持ローラでモータ19と共に非消耗
ノズル昇降機構を構成している。非消耗ノズル1は母材
15と固定銅水冷板20および裏当銅板21で囲まれた
開先内に挿入され、通電と同時に溶接ワイヤ22先端と
母材15との間にアークを発生させ、フラックスを投入
して溶融スラグプール23をつくり、スラグ溶接が開始
される。
【0004】溶接が開始進行すると、溶接ワイヤ22の
ドライエクステンション(ワイヤの突き出し長さ)24
を設定値(通常30〜50mm)に保つように溶接電流を
検知して、溶融金属25および溶接金属26の上昇に伴
って駆動挟持ローラ17によって非消耗ノズル1を引き
上げ、上進溶接を行う。
ドライエクステンション(ワイヤの突き出し長さ)24
を設定値(通常30〜50mm)に保つように溶接電流を
検知して、溶融金属25および溶接金属26の上昇に伴
って駆動挟持ローラ17によって非消耗ノズル1を引き
上げ、上進溶接を行う。
【0005】非消耗ノズル1の構造は、特公昭60−2
0116号公報に記載されているように、冷却水の給排
水路を設けた非消耗ノズルが用いられる。図4に該非消
耗ノズルの縦断面図を示す。断面円形の外管3と、該外
管3内に挿入される中心管2と、該中心管2の先端に取
り付けられる通電チップ8と、前記外管3の後端寄りに
対向して連接される給水管13および排水管14とから
構成される。
0116号公報に記載されているように、冷却水の給排
水路を設けた非消耗ノズルが用いられる。図4に該非消
耗ノズルの縦断面図を示す。断面円形の外管3と、該外
管3内に挿入される中心管2と、該中心管2の先端に取
り付けられる通電チップ8と、前記外管3の後端寄りに
対向して連接される給水管13および排水管14とから
構成される。
【0006】中心管2の前部27は、通電チップ8の後
端と嵌合して螺合するチップ取り付け部となっており、
他方の後部28は図示しないコンジットを通して送られ
てくる溶接ワイヤの導入部となっている。また、中心管
2には溶接ワイヤ挿通孔5が設けられている。
端と嵌合して螺合するチップ取り付け部となっており、
他方の後部28は図示しないコンジットを通して送られ
てくる溶接ワイヤの導入部となっている。また、中心管
2には溶接ワイヤ挿通孔5が設けられている。
【0007】さらに、前記中心管2の前後部27,28
間における中心管2および外管3間には冷却水の冷却水
路9が軸方向に延びて形成されており、これらの冷却水
路9はそれぞれ給水管13と排水管14に連通してい
る。
間における中心管2および外管3間には冷却水の冷却水
路9が軸方向に延びて形成されており、これらの冷却水
路9はそれぞれ給水管13と排水管14に連通してい
る。
【0008】図5(イ)に図4のA−A′断面図を示
す。図示のように、中心管2は外管3の内径にほぼ一致
する径の筒状体であって、この筒状体の対向する両側を
軸方向に切り欠いて形成し、これを外管3内に挿入する
ことによって外管内に半円形状に開口する冷却水路9を
形成する。また、図5(ロ)は図4のB−B′断面図を
示し、中心管2の先端部で冷却水の冷却水路9を連通し
て供給された冷却水が冷却機能を果たして排出されるよ
うになっている。
す。図示のように、中心管2は外管3の内径にほぼ一致
する径の筒状体であって、この筒状体の対向する両側を
軸方向に切り欠いて形成し、これを外管3内に挿入する
ことによって外管内に半円形状に開口する冷却水路9を
形成する。また、図5(ロ)は図4のB−B′断面図を
示し、中心管2の先端部で冷却水の冷却水路9を連通し
て供給された冷却水が冷却機能を果たして排出されるよ
うになっている。
【0009】しかし、前記特公昭60−20116号公
報に記載の非消耗ノズルは、製造時に外管内に外管の内
径よりもわずかに小径の中心管を挿入して製造している
ので、特に長尺の非消耗ノズルを製造する場合、中心管
を外管の先端部まで挿入できない場合があり、製品歩留
が悪い。また、冷却水路は中心管の対向する両側を軸方
向に切り欠いて半円形状の開口部としているので、溶接
の通電抵抗加熱および溶接部の輻射熱で加熱された中心
管と外管の、特に外管内面と中心管外面の接する箇所は
冷却水路から離れていて十分に冷却されず、非消耗ノズ
ル先端部が冷却されなくなって通電チップおよびノズル
の消耗および損傷が早くなる。
報に記載の非消耗ノズルは、製造時に外管内に外管の内
径よりもわずかに小径の中心管を挿入して製造している
ので、特に長尺の非消耗ノズルを製造する場合、中心管
を外管の先端部まで挿入できない場合があり、製品歩留
が悪い。また、冷却水路は中心管の対向する両側を軸方
向に切り欠いて半円形状の開口部としているので、溶接
の通電抵抗加熱および溶接部の輻射熱で加熱された中心
管と外管の、特に外管内面と中心管外面の接する箇所は
冷却水路から離れていて十分に冷却されず、非消耗ノズ
ル先端部が冷却されなくなって通電チップおよびノズル
の消耗および損傷が早くなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非消耗ノズ
ルが長尺であっても製造が容易で、かつ溶接時に外管お
よび中心管ともに十分な冷却ができる構造として、長時
間の使用が可能な立向長尺溶接ノズルおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
ルが長尺であっても製造が容易で、かつ溶接時に外管お
よび中心管ともに十分な冷却ができる構造として、長時
間の使用が可能な立向長尺溶接ノズルおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下の構成を要旨とする。 (1)溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金属の上昇
に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルにおいて、長
尺溶接ノズルは中心部から中心管、外管及び絶縁被覆層
からなる3層構造管とし、中心管は中心部に溶接用ワイ
ヤの挿通孔を有し、その外面に長手方向に左右対称の突
出条部と該突出条部より小さい凸部を設け、かつ先端部
に通電チップを取り付けた構造とし、外管に前記中心管
を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接して左右
対称に半円環状断面の冷却水流路を形成し、該冷却水流
路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可
能にし、さらに、外管は絶縁層で被覆されていることを
特徴とする。 (2)溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金属の上昇
に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルの製造方法に
おいて、中心管の外面長手方向に左右対称の突出条部と
該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設け、かつ
中心管の中心部に溶接用ワイヤの挿通孔を穿孔し、その
先端部は前記凸部とほぼ同径に全周加工して連通する冷
却水路を形成し、さらに通電チップを取り付ける構造と
し、外管に前記中心管を挿入し、中心管に設けた突出条
部が外管の内面に密接するようにローラーで圧着加工し
た後、外管に絶縁層を被覆することを特徴とする。 (3)上記の中心管は外面長手方向に左右対称の突出条
部と該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を形成す
るように引き抜き加工して製造することを特徴とする。
に本発明は、以下の構成を要旨とする。 (1)溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金属の上昇
に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルにおいて、長
尺溶接ノズルは中心部から中心管、外管及び絶縁被覆層
からなる3層構造管とし、中心管は中心部に溶接用ワイ
ヤの挿通孔を有し、その外面に長手方向に左右対称の突
出条部と該突出条部より小さい凸部を設け、かつ先端部
に通電チップを取り付けた構造とし、外管に前記中心管
を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接して左右
対称に半円環状断面の冷却水流路を形成し、該冷却水流
路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可
能にし、さらに、外管は絶縁層で被覆されていることを
特徴とする。 (2)溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金属の上昇
に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルの製造方法に
おいて、中心管の外面長手方向に左右対称の突出条部と
該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設け、かつ
中心管の中心部に溶接用ワイヤの挿通孔を穿孔し、その
先端部は前記凸部とほぼ同径に全周加工して連通する冷
却水路を形成し、さらに通電チップを取り付ける構造と
し、外管に前記中心管を挿入し、中心管に設けた突出条
部が外管の内面に密接するようにローラーで圧着加工し
た後、外管に絶縁層を被覆することを特徴とする。 (3)上記の中心管は外面長手方向に左右対称の突出条
部と該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を形成す
るように引き抜き加工して製造することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る立向長尺溶接用ノズルは、長さが500〜
1800mmの長尺で、外径は10〜12mm程度である。
基本構造は、中心管、外管および絶縁被覆層からなる3
層構造で、中心管は中心部に3〜4mm径の溶接用ワイヤ
の挿通孔を有し、その外面は長手方向に左右対称の突出
条部および該突出条部より小さい凸部を設け、かつ先端
部は通電チップを取り付けた構造で、外管に前記中心管
を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接して左右
対称に半円環状断面の冷却水流路を構成し、該冷却水流
路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可
能にし、さらに、外管は絶縁層で被覆されている。
本発明に係る立向長尺溶接用ノズルは、長さが500〜
1800mmの長尺で、外径は10〜12mm程度である。
基本構造は、中心管、外管および絶縁被覆層からなる3
層構造で、中心管は中心部に3〜4mm径の溶接用ワイヤ
の挿通孔を有し、その外面は長手方向に左右対称の突出
条部および該突出条部より小さい凸部を設け、かつ先端
部は通電チップを取り付けた構造で、外管に前記中心管
を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接して左右
対称に半円環状断面の冷却水流路を構成し、該冷却水流
路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可
能にし、さらに、外管は絶縁層で被覆されている。
【0013】このような構造にすることによって、溶接
時に中心管および外管ともに十分な冷却が可能となり、
長尺溶接ノズル先端部まで冷却水が循環しているので、
通電チップも十分冷却されて長時間使用しても消耗が少
なく損傷することがない。また、外管は絶縁体で被覆さ
れているので、開先壁に溶接ノズルが接触しても短絡せ
ず、溶接を中断することがない。
時に中心管および外管ともに十分な冷却が可能となり、
長尺溶接ノズル先端部まで冷却水が循環しているので、
通電チップも十分冷却されて長時間使用しても消耗が少
なく損傷することがない。また、外管は絶縁体で被覆さ
れているので、開先壁に溶接ノズルが接触しても短絡せ
ず、溶接を中断することがない。
【0014】次に、本発明の立向長尺溶接用ノズルの製
造は、中心管の外面長手方向に左右対称の突出条部およ
び該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設け、か
つ中心管の中心部に溶接用ワイヤの挿通孔を穿孔し、そ
の先端部は前記凸部とほぼ同径(5〜8mm)に全周加工
して冷却水路を連通して、さらに通電チップを取り付け
る構造とし、外径10〜12mm、厚さ0.4〜0.8mm
の外管に前記中心管を中心管の突出条部外径を外管内径
より0.05〜0.2mm小径として挿入し、中心管の突
出条部が外管の内面に密接するようにローラーで圧着加
工した後、外管に絶縁層を被覆して製造する。したがっ
て、中心管が外管の先端部まで挿入でき生産性が向上す
る。
造は、中心管の外面長手方向に左右対称の突出条部およ
び該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設け、か
つ中心管の中心部に溶接用ワイヤの挿通孔を穿孔し、そ
の先端部は前記凸部とほぼ同径(5〜8mm)に全周加工
して冷却水路を連通して、さらに通電チップを取り付け
る構造とし、外径10〜12mm、厚さ0.4〜0.8mm
の外管に前記中心管を中心管の突出条部外径を外管内径
より0.05〜0.2mm小径として挿入し、中心管の突
出条部が外管の内面に密接するようにローラーで圧着加
工した後、外管に絶縁層を被覆して製造する。したがっ
て、中心管が外管の先端部まで挿入でき生産性が向上す
る。
【0015】中心管は外面長手方向に左右対称の突出条
部および該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設
けるように引き抜き加工で製造する。したがって、切削
加工に比べ高能率に生産できる。
部および該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設
けるように引き抜き加工で製造する。したがって、切削
加工に比べ高能率に生産できる。
【0016】なお、本発明の中心管および外管の材質
は、電気伝導性から銅又は銅合金を用いることが好まし
い。また、外管はノズルが長尺であるので剛性の高い鉄
やステンレス鋼を用いることが好ましい。また、外管に
被覆する絶縁層は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂、
例えばポロスルフォン、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトンやフッ素系樹脂(ポリ四フッ化エチレ
ン、ポリフッ化エチレンプロピレン、PFA、ポリフッ
化ビニリデン)のチューブまたはテープであることが好
ましい。
は、電気伝導性から銅又は銅合金を用いることが好まし
い。また、外管はノズルが長尺であるので剛性の高い鉄
やステンレス鋼を用いることが好ましい。また、外管に
被覆する絶縁層は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂、
例えばポロスルフォン、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトンやフッ素系樹脂(ポリ四フッ化エチレ
ン、ポリフッ化エチレンプロピレン、PFA、ポリフッ
化ビニリデン)のチューブまたはテープであることが好
ましい。
【0017】
【実施例】以下図面により本発明をさらに詳細に説明す
る。図1は立向長尺溶接用ノズルの具体例を示す縦断面
図で、図2(イ)、(ロ)、(ハ)は、図1のA−
A′、B−B′、C−C′部の横断面図を示す。立向長
尺溶接ノズル1は中心部から中心管2、外管3及び絶縁
被覆層4からなる3層構造管で、中心管2は中心部に溶
接用ワイヤの挿通孔5を有し、その外面は長手方向に左
右対称の突出条部6および該突出条部6より小さい凸部
7を設け、かつ先端部は通電チップ8を取り付けた構造
である。外管3には前記中心管2を挿入し、中心管2の
突出条部6が外管3の内面に接して左右対称に半円環状
断面の冷却水流路9を構成し、該冷却水流路9は3層構
造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可能にし、さ
らに、外管3は絶縁層4で被覆されている。
る。図1は立向長尺溶接用ノズルの具体例を示す縦断面
図で、図2(イ)、(ロ)、(ハ)は、図1のA−
A′、B−B′、C−C′部の横断面図を示す。立向長
尺溶接ノズル1は中心部から中心管2、外管3及び絶縁
被覆層4からなる3層構造管で、中心管2は中心部に溶
接用ワイヤの挿通孔5を有し、その外面は長手方向に左
右対称の突出条部6および該突出条部6より小さい凸部
7を設け、かつ先端部は通電チップ8を取り付けた構造
である。外管3には前記中心管2を挿入し、中心管2の
突出条部6が外管3の内面に接して左右対称に半円環状
断面の冷却水流路9を構成し、該冷却水流路9は3層構
造管の先端部で連通させて冷却水の循環を可能にし、さ
らに、外管3は絶縁層4で被覆されている。
【0018】前記立向長尺溶接ノズル1の製造方法は、
中心管2を長手方向に左右対称の突出条部6および突出
条部6より小さい冷却水路9となる凸部7を設けるよう
に引き抜き加工し、この中心管2の中心部に溶接用ワイ
ヤの挿通孔5を穿孔し、その先端部は前記凸部7とほぼ
同径に全周切削加工して冷却水路9を連通する。さらに
中心管2の先端部11に通電チップ8の後端を螺合する
チップ取り付け部、他方の後部は図示しないコンジット
を通して送給されてくる溶接用ワイヤの導入部10を設
ける。次いで、中心管2の突出条部6を外管3の内径よ
り0.05〜0.2mm程度小とした中心管2を外管3に
挿入し、突出条部6が外管3の内面に密着するようにロ
ーラーで圧着加工する。
中心管2を長手方向に左右対称の突出条部6および突出
条部6より小さい冷却水路9となる凸部7を設けるよう
に引き抜き加工し、この中心管2の中心部に溶接用ワイ
ヤの挿通孔5を穿孔し、その先端部は前記凸部7とほぼ
同径に全周切削加工して冷却水路9を連通する。さらに
中心管2の先端部11に通電チップ8の後端を螺合する
チップ取り付け部、他方の後部は図示しないコンジット
を通して送給されてくる溶接用ワイヤの導入部10を設
ける。次いで、中心管2の突出条部6を外管3の内径よ
り0.05〜0.2mm程度小とした中心管2を外管3に
挿入し、突出条部6が外管3の内面に密着するようにロ
ーラーで圧着加工する。
【0019】中心管2と外管3の通電チップ8側の先端
部11は、その全周をろう付によって固着する。他方の
端部は、図2(ハ)に示すように水中継金具12に給水
管13と配水管14を連結し、外管3内壁と中心管2の
突出条部6により分離して半円環状断面に形成される冷
却水流路9の配管口を構成し、外周をろう付によって固
着する。なお、溶接時の給電は前記給水管13および配
水管14にて行う。
部11は、その全周をろう付によって固着する。他方の
端部は、図2(ハ)に示すように水中継金具12に給水
管13と配水管14を連結し、外管3内壁と中心管2の
突出条部6により分離して半円環状断面に形成される冷
却水流路9の配管口を構成し、外周をろう付によって固
着する。なお、溶接時の給電は前記給水管13および配
水管14にて行う。
【0020】長さ1200mmで外管で表1に示す外径お
よび内径寸法を有し、図2に示す引き抜き加工で製造し
た中心管の突出条部外径を各種変えて前記外管に挿入
し、密着するまでローラで圧着加工して立向長尺溶接用
ノズルを各20本製造した結果の例、および図3の溶接
装置に前記製造した立向長尺溶接用ノズルをセットして
各試験 No.で製造した立向長尺溶接ノズルの1本を用い
て5時間溶接した後の、通電チップの磨耗状態を調べた
結果を表1に示す。比較のために図4に示す立向長尺溶
接用ノズルを製造および溶接した結果も示す。なお、溶
接は板厚32mm、ボックス柱のダイヤフラム部の溶接を
ワイヤ径1.6mmで溶接条件を電流380A、電圧46
V、ドライエクステンション約20mmで行った。
よび内径寸法を有し、図2に示す引き抜き加工で製造し
た中心管の突出条部外径を各種変えて前記外管に挿入
し、密着するまでローラで圧着加工して立向長尺溶接用
ノズルを各20本製造した結果の例、および図3の溶接
装置に前記製造した立向長尺溶接用ノズルをセットして
各試験 No.で製造した立向長尺溶接ノズルの1本を用い
て5時間溶接した後の、通電チップの磨耗状態を調べた
結果を表1に示す。比較のために図4に示す立向長尺溶
接用ノズルを製造および溶接した結果も示す。なお、溶
接は板厚32mm、ボックス柱のダイヤフラム部の溶接を
ワイヤ径1.6mmで溶接条件を電流380A、電圧46
V、ドライエクステンション約20mmで行った。
【0021】
【表1】
【0022】表1中、試験 No.1〜3が本発明例、試験
No.4および5が比較例である。本発明例である試験 N
o.1〜3は、外管に引き抜き加工した中心管を挿入した
後に、ローラーで圧着加工するので、外管の内径と中心
管の突出条部外径の差0.05〜0.15mmにすること
ができたので、外管に中心管を挿入するのが容易であ
り、また突出条部が外管の内面に接して左右対称に半円
環状断面の冷却水路を構成している。したがって、立向
長尺溶接ノズル先端まで冷却水が循環して通電チップも
十分冷却されたので、5時間溶接後の通電チップに磨耗
は見られなかった。
No.4および5が比較例である。本発明例である試験 N
o.1〜3は、外管に引き抜き加工した中心管を挿入した
後に、ローラーで圧着加工するので、外管の内径と中心
管の突出条部外径の差0.05〜0.15mmにすること
ができたので、外管に中心管を挿入するのが容易であ
り、また突出条部が外管の内面に接して左右対称に半円
環状断面の冷却水路を構成している。したがって、立向
長尺溶接ノズル先端まで冷却水が循環して通電チップも
十分冷却されたので、5時間溶接後の通電チップに磨耗
は見られなかった。
【0023】比較例である試験 No.4および5は、外管
に中心管を挿入して製造するので、外管の内径と中心管
の外径差が0.02〜0.03mmと小さく、挿入時に試
験 No.4は3本、試験 No.5は1本挿入途中で挿入不可
となった。また、冷却水路が半円形状であるので通電チ
ップ先端部まで十分冷却されず、5時間溶接後の通電チ
ップに少しの磨耗が見られた。
に中心管を挿入して製造するので、外管の内径と中心管
の外径差が0.02〜0.03mmと小さく、挿入時に試
験 No.4は3本、試験 No.5は1本挿入途中で挿入不可
となった。また、冷却水路が半円形状であるので通電チ
ップ先端部まで十分冷却されず、5時間溶接後の通電チ
ップに少しの磨耗が見られた。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の立向長尺
溶接用ノズルおよびその製造方法によれば、製造が容易
で歩留まりが良く、溶接時に通電チップまで十分冷却で
き、長時間溶接が可能である。
溶接用ノズルおよびその製造方法によれば、製造が容易
で歩留まりが良く、溶接時に通電チップまで十分冷却で
き、長時間溶接が可能である。
【図1】本発明の立向長尺溶接用ノズル例を示す断面図
である。
である。
【図2】(イ)は図1のA−A′断面、(ロ)は図1の
B−B′断面、(ハ)は図1のC−C′断面を示す。
B−B′断面、(ハ)は図1のC−C′断面を示す。
【図3】立向長尺溶接用ノズルを適用した溶接装置の一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図4】従来の非消耗ノズルを示す断面図である。
【図5】(イ)は図4のA−A′断面、(ロ)は図4の
B−B′断面を示す。
B−B′断面を示す。
1:立向長尺溶接用ノズル(非消耗ノズル) 2:中心管 3:外管 4:絶縁被覆層(絶縁層) 5:溶接用ワイヤの挿
通孔 6:突出条部 7:凸部 8:通電チップ 9:冷却水流路 10:溶接用ワイヤの導入部 11:中心管と外管の
先端部 12:水中継金具 13:給水管 14:排水管 15:母材 16:駆動挟持ローラ 17:加圧挟持ローラ 18:ガイド挟持ローラ 19:モータ 20:固定銅水冷板 21:裏当銅板 22:溶接ワイヤ 23:溶融プール 24:ドライエクステンション 25:溶融金属 26:溶接金属 27:中心管の前部 28:中心管の後部
通孔 6:突出条部 7:凸部 8:通電チップ 9:冷却水流路 10:溶接用ワイヤの導入部 11:中心管と外管の
先端部 12:水中継金具 13:給水管 14:排水管 15:母材 16:駆動挟持ローラ 17:加圧挟持ローラ 18:ガイド挟持ローラ 19:モータ 20:固定銅水冷板 21:裏当銅板 22:溶接ワイヤ 23:溶融プール 24:ドライエクステンション 25:溶融金属 26:溶接金属 27:中心管の前部 28:中心管の後部
Claims (3)
- 【請求項1】 溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金
属の上昇に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルにお
いて、長尺溶接ノズルは中心部から中心管、外管及び絶
縁被覆層からなる3層構造管とし、中心管は中心部に溶
接用ワイヤの挿通孔を有し、その外面に長手方向に左右
対称の突出条部と該突出条部より小さい凸部を設け、か
つ先端部に通電チップを取り付けた構造とし、外管に前
記中心管を挿入し、中心管の突出条部が外管の内面に接
して左右対称に半円環状断面の冷却水流路を形成し、該
冷却水流路は3層構造管の先端部で連通させて冷却水の
循環を可能にし、さらに、外管は絶縁層で被覆されてい
ることを特徴とする立向長尺溶接用ノズル。 - 【請求項2】 溶接母材の立向開先に挿入され、溶融金
属の上昇に同調して引き上げる立向長尺溶接ノズルの製
造方法において、中心管の外面長手方向に左右対称の突
出条部と該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を設
け、かつ中心管の中心部に溶接用ワイヤの挿通孔を穿孔
し、その先端部は前記凸部とほぼ同径に全周加工して連
通する冷却水路を形成し、さらに通電チップを取り付け
る構造とし、外管に前記中心管を挿入し、中心管に設け
た突出条部が外管の内面に密接するようにローラーで圧
着加工した後、外管に絶縁層を被覆することを特徴とす
る立向長尺溶接用ノズルの製造方法。 - 【請求項3】 中心管は外面長手方向に左右対称の突出
条部と該突出条部より小さい冷却水路となる凸部を形成
するように引き抜き加工して製造することを特徴とする
請求項2記載の立向長尺溶接用ノズルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27097799A JP2001087873A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 立向長尺溶接用ノズルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27097799A JP2001087873A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 立向長尺溶接用ノズルおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001087873A true JP2001087873A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17493682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27097799A Pending JP2001087873A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 立向長尺溶接用ノズルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001087873A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003039172A (ja) * | 2001-07-25 | 2003-02-12 | Kobe Steel Ltd | 水冷式ガスシールドアーク2電極一体型溶接トーチ |
CN102248281A (zh) * | 2010-05-20 | 2011-11-23 | 上海重型机器厂有限公司 | 厚板对接接头的焊接方法 |
-
1999
- 1999-09-24 JP JP27097799A patent/JP2001087873A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003039172A (ja) * | 2001-07-25 | 2003-02-12 | Kobe Steel Ltd | 水冷式ガスシールドアーク2電極一体型溶接トーチ |
CN102248281A (zh) * | 2010-05-20 | 2011-11-23 | 上海重型机器厂有限公司 | 厚板对接接头的焊接方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051227 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060425 |