JP2001086895A - 魚類への薬剤接種法 - Google Patents
魚類への薬剤接種法Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 魚類への薬剤接種法の提供。
【解決手段】 魚体の表面に傷口を形成し、該傷口から
薬剤を魚体内に浸透させることを特徴とする、魚類への
薬剤の接種方法。
薬剤を魚体内に浸透させることを特徴とする、魚類への
薬剤の接種方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚体の表面に傷口
を形成し、該傷口から薬剤を魚体内に浸透させることを
特徴とする、魚類への薬剤の接種方法に関する。
を形成し、該傷口から薬剤を魚体内に浸透させることを
特徴とする、魚類への薬剤の接種方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水産増養殖業の高度化に伴い魚病が多発
し、深刻な被害をもたらしている。これら魚病の防除対
策として、その大きな部分を抗菌性医薬品の投与による
被害軽減に頼っているのが現状である。しかし、これら
抗菌性医薬品等の使用は多剤耐性菌の増加や薬剤の魚体
への残留による食品衛生上の問題及び環境中への拡散に
よる公衆衛生上の問題を孕んでいる。しかも、最近、水
産養殖並びに栽培漁業のための種苗生産の場において、
抗菌性医薬品では対処できないウイルス性疾病が蔓延
し、深刻な事態が生じている。こうした中で、耐性菌、
残留等の問題がなくウイルス性疾病に対しても有効な、
ワクチンをはじめとする魚類の生体防御機能を利用した
根本的且つ安全性の高い病害防除技術の確立が関係方面
から強く期待されている。
し、深刻な被害をもたらしている。これら魚病の防除対
策として、その大きな部分を抗菌性医薬品の投与による
被害軽減に頼っているのが現状である。しかし、これら
抗菌性医薬品等の使用は多剤耐性菌の増加や薬剤の魚体
への残留による食品衛生上の問題及び環境中への拡散に
よる公衆衛生上の問題を孕んでいる。しかも、最近、水
産養殖並びに栽培漁業のための種苗生産の場において、
抗菌性医薬品では対処できないウイルス性疾病が蔓延
し、深刻な事態が生じている。こうした中で、耐性菌、
残留等の問題がなくウイルス性疾病に対しても有効な、
ワクチンをはじめとする魚類の生体防御機能を利用した
根本的且つ安全性の高い病害防除技術の確立が関係方面
から強く期待されている。
【0003】魚類ワクチンの接種法として、これまで経
口法、浸漬法及び注射法などが知られている。経口法
は、ワクチンを餌に混ぜて投与するという簡便な方法に
よるため手間がかからず理想的な接種法であるが、胃の
消化酵素等によりワクチンの免疫原性が低下してしまう
ことなどから高い有効性・持続性を得ることは困難であ
る。また、浸漬法は、経口法に比べ有効性が高く大量の
魚を同時に処理することができることから広く普及して
いるが、魚体に取り込まれるワクチンが少量であるた
め、高い有効性が認められるのはビブリオ病など一部の
疾病に対するワクチンに限られている。一方、注射法
は、直接、魚体にワクチンを注入するため、経口法及び
浸漬法よりも高い免疫状態を確立することができる。近
年、ヨーロッパを中心としてサケ科魚類のせっそう病や
冷水性ビブリオ病に対するアジュバント添加の注射ワク
チンが高い有効性を示すことが証明されたことなどか
ら、注射法は世界中で広く採用されるに至っている。我
が国においても、マダイのイリドウイルス病、ブリの類
結節症、ニジマスの連鎖球菌症等に対するワクチンの接
種は、注射法によって行われる趨勢にある。しかし、注
射法には、稚魚への適用が困難であること、多大な労力
が必要であること、魚に与えるストレスが大きいこと、
作業者への誤注射の危険性があることなどの克服すべき
課題も多い。特に、注射法は稚魚への適用が困難である
ため、アユやニジマスの冷水病やサケ科魚類の伝染性造
血器壊死症(IHN)及び伝染性膵臓壊死症(IPN)、ハタ類や
カレイ類の中枢神経壊死症(VNN)等の稚魚期に甚大な被
害をもたらす疾病に用いることができず、稚魚へ効果的
にワクチンを接種する方法の開発が関係方面より強く要
請されている。
口法、浸漬法及び注射法などが知られている。経口法
は、ワクチンを餌に混ぜて投与するという簡便な方法に
よるため手間がかからず理想的な接種法であるが、胃の
消化酵素等によりワクチンの免疫原性が低下してしまう
ことなどから高い有効性・持続性を得ることは困難であ
る。また、浸漬法は、経口法に比べ有効性が高く大量の
魚を同時に処理することができることから広く普及して
いるが、魚体に取り込まれるワクチンが少量であるた
め、高い有効性が認められるのはビブリオ病など一部の
疾病に対するワクチンに限られている。一方、注射法
は、直接、魚体にワクチンを注入するため、経口法及び
浸漬法よりも高い免疫状態を確立することができる。近
年、ヨーロッパを中心としてサケ科魚類のせっそう病や
冷水性ビブリオ病に対するアジュバント添加の注射ワク
チンが高い有効性を示すことが証明されたことなどか
ら、注射法は世界中で広く採用されるに至っている。我
が国においても、マダイのイリドウイルス病、ブリの類
結節症、ニジマスの連鎖球菌症等に対するワクチンの接
種は、注射法によって行われる趨勢にある。しかし、注
射法には、稚魚への適用が困難であること、多大な労力
が必要であること、魚に与えるストレスが大きいこと、
作業者への誤注射の危険性があることなどの克服すべき
課題も多い。特に、注射法は稚魚への適用が困難である
ため、アユやニジマスの冷水病やサケ科魚類の伝染性造
血器壊死症(IHN)及び伝染性膵臓壊死症(IPN)、ハタ類や
カレイ類の中枢神経壊死症(VNN)等の稚魚期に甚大な被
害をもたらす疾病に用いることができず、稚魚へ効果的
にワクチンを接種する方法の開発が関係方面より強く要
請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、魚体の表面
に傷口を形成し、該傷口から薬剤を魚体内に浸透させる
ことを特徴とする、稚魚への適用も可能な魚類への薬剤
の接種方法を提供することを目的とする。
に傷口を形成し、該傷口から薬剤を魚体内に浸透させる
ことを特徴とする、稚魚への適用も可能な魚類への薬剤
の接種方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を行った結果、ワクチン溶液
に浸漬した魚体の表面に傷口を形成させることによっ
て、魚体内にワクチンを効果的に取り込ませ、該魚に疾
患に対する耐性を確立することに成功し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、魚体の表面に傷口
を形成し、該傷口から魚体内に薬剤を浸透させることを
特徴とする、魚類への薬剤の接種方法である。ここで、
傷口は針(例えば、多短針)を突き刺すことにより形成さ
れ得る。また、薬剤の浸透は、魚体を薬剤溶液に浸漬さ
せること、魚体に薬剤溶液を噴霧すること又は塗布する
ことにより行われ得る。薬剤としては、ワクチン(例え
ば、魚類の細菌性疾病、ウイルス性疾病及び寄生虫病の
少なくとも1つに対するもの)が挙げられる。
を解決するため、鋭意研究を行った結果、ワクチン溶液
に浸漬した魚体の表面に傷口を形成させることによっ
て、魚体内にワクチンを効果的に取り込ませ、該魚に疾
患に対する耐性を確立することに成功し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、魚体の表面に傷口
を形成し、該傷口から魚体内に薬剤を浸透させることを
特徴とする、魚類への薬剤の接種方法である。ここで、
傷口は針(例えば、多短針)を突き刺すことにより形成さ
れ得る。また、薬剤の浸透は、魚体を薬剤溶液に浸漬さ
せること、魚体に薬剤溶液を噴霧すること又は塗布する
ことにより行われ得る。薬剤としては、ワクチン(例え
ば、魚類の細菌性疾病、ウイルス性疾病及び寄生虫病の
少なくとも1つに対するもの)が挙げられる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の魚体への薬剤の接種法
は、従来の接種法とは異なり、魚体の表面に傷口を形成
し、該傷口から薬剤を浸透させる方法(経皮接種法とも
いう)である。より具体的には、本発明の薬剤接種法は
以下のようなものである。
は、従来の接種法とは異なり、魚体の表面に傷口を形成
し、該傷口から薬剤を浸透させる方法(経皮接種法とも
いう)である。より具体的には、本発明の薬剤接種法は
以下のようなものである。
【0007】1.本発明の薬剤接種法による魚類への薬
剤接種 魚類への薬剤の接種は、以下のようにして行うことがで
きる。すなわち、まず、魚体の表面(例えば、胸部、腹
部、体側部、尾部、鰭部など)に、薬剤が体内に浸透し
得且つ魚体に致死的なダメージを与えない程度の傷を物
理的に形成する。ここで、傷の形成に用いることができ
る器具としては、針、ナイフなどが挙げられる。傷の形
成は、それらの機具の仕様に応じて、針の場合には突き
刺すか又は引っ掻くことにより、ナイフの場合には切れ
込みを入れることによって行う。また、針を用いる場合
には、体内への薬剤の浸透率を上昇させるために、複数
の針が備えてある多短針を用いることが好ましい。本明
細書中において多短針とは、複数の針を備えた管針をい
う。管針の一例を図1に示した。ここで、多短針に備え
られている各針の太さは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜
0.3mmである。また、針の長さは、0.1〜5mm、好ましく
は0.5〜2mmである。多短針を構成する針の数は、2〜
1,000本、好ましくは10〜100本、最も好ましくは10〜20
本である。しかし、上記多短針の針の太さ、長さ、数は
これらに限定されるものではなく、対象の魚に応じて適
当に変えることが可能である。多短針は、市販されてい
るもの(例えば有隣特殊工業株式会社製)のものを用い
ることもできる。
剤接種 魚類への薬剤の接種は、以下のようにして行うことがで
きる。すなわち、まず、魚体の表面(例えば、胸部、腹
部、体側部、尾部、鰭部など)に、薬剤が体内に浸透し
得且つ魚体に致死的なダメージを与えない程度の傷を物
理的に形成する。ここで、傷の形成に用いることができ
る器具としては、針、ナイフなどが挙げられる。傷の形
成は、それらの機具の仕様に応じて、針の場合には突き
刺すか又は引っ掻くことにより、ナイフの場合には切れ
込みを入れることによって行う。また、針を用いる場合
には、体内への薬剤の浸透率を上昇させるために、複数
の針が備えてある多短針を用いることが好ましい。本明
細書中において多短針とは、複数の針を備えた管針をい
う。管針の一例を図1に示した。ここで、多短針に備え
られている各針の太さは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜
0.3mmである。また、針の長さは、0.1〜5mm、好ましく
は0.5〜2mmである。多短針を構成する針の数は、2〜
1,000本、好ましくは10〜100本、最も好ましくは10〜20
本である。しかし、上記多短針の針の太さ、長さ、数は
これらに限定されるものではなく、対象の魚に応じて適
当に変えることが可能である。多短針は、市販されてい
るもの(例えば有隣特殊工業株式会社製)のものを用い
ることもできる。
【0008】次いで、魚体表面の傷口から薬剤を浸透さ
せる。ここで、薬剤の浸透は、魚体を薬剤溶液に浸漬さ
せること、魚体に薬剤溶液を噴霧すること又は塗布する
ことなどにより行うことができる。魚体の薬剤溶液への
浸漬、魚体への薬剤溶液の噴霧又は塗布は、魚体表面の
傷形成の前後を問わずあらゆる時点において行うことが
できる。従って、例えば、魚体表面に傷口を形成した後
に、薬剤溶液に魚体を浸漬して薬剤を魚体内に浸透させ
てもよく、魚体を薬剤溶液に浸漬した後に、魚体表面に
傷口を形成し薬剤を魚体内に浸透させてもよい。薬剤と
しては、ワクチン(例えば、魚類の細菌性疾病、ウイル
ス性疾病及び寄生虫病用のワクチン)、成長ホルモン、
免疫増強剤、抗生物質などが挙げられるが、特に限定さ
れない。薬剤を接種する場合の薬剤の濃度は、通常、そ
の薬剤を注射法によって接種する場合に採用する濃度の
1分の1〜100分の1、好ましくは2分の1〜10分の1
程度であり得る。
せる。ここで、薬剤の浸透は、魚体を薬剤溶液に浸漬さ
せること、魚体に薬剤溶液を噴霧すること又は塗布する
ことなどにより行うことができる。魚体の薬剤溶液への
浸漬、魚体への薬剤溶液の噴霧又は塗布は、魚体表面の
傷形成の前後を問わずあらゆる時点において行うことが
できる。従って、例えば、魚体表面に傷口を形成した後
に、薬剤溶液に魚体を浸漬して薬剤を魚体内に浸透させ
てもよく、魚体を薬剤溶液に浸漬した後に、魚体表面に
傷口を形成し薬剤を魚体内に浸透させてもよい。薬剤と
しては、ワクチン(例えば、魚類の細菌性疾病、ウイル
ス性疾病及び寄生虫病用のワクチン)、成長ホルモン、
免疫増強剤、抗生物質などが挙げられるが、特に限定さ
れない。薬剤を接種する場合の薬剤の濃度は、通常、そ
の薬剤を注射法によって接種する場合に採用する濃度の
1分の1〜100分の1、好ましくは2分の1〜10分の1
程度であり得る。
【0009】上記薬剤接種法の適用対象となる魚として
は、ブリ、カンパチ、マダイ、ヒラメ、カレイ、フグ、
ウナギ、ニジマス、ギンザケ、テラピア、アユ、などの
食用養殖魚、色ゴイ、金魚、各種熱帯魚などの観賞用養
殖魚が挙げられるが、これらに限定されない。また、前
記適用対象となる魚は、稚魚・成魚を問わずあらゆる成
長過程のものであり得る。また、必要に応じて、魚体を
麻酔してから、傷口の形成及び薬剤の浸透を行うことも
できる。麻酔に用いることができる薬剤としては、FA10
0(田辺製薬)などが挙げられる。
は、ブリ、カンパチ、マダイ、ヒラメ、カレイ、フグ、
ウナギ、ニジマス、ギンザケ、テラピア、アユ、などの
食用養殖魚、色ゴイ、金魚、各種熱帯魚などの観賞用養
殖魚が挙げられるが、これらに限定されない。また、前
記適用対象となる魚は、稚魚・成魚を問わずあらゆる成
長過程のものであり得る。また、必要に応じて、魚体を
麻酔してから、傷口の形成及び薬剤の浸透を行うことも
できる。麻酔に用いることができる薬剤としては、FA10
0(田辺製薬)などが挙げられる。
【0010】例えば、本願発明の薬剤接種法による、ニ
ジマスへのサケ科魚類β溶血性連鎖球菌症不活化注射ワ
クチンの接種は以下のようにして行うことができる。す
なわち、まずニジマスを麻酔する。次いで、該ニジマス
を108〜109cell/mlに調製した上記ワクチン満たした容
器に浸漬する。最後に、該ニジマスに、多短針を針が0.
1〜1mmニジマス表皮に刺さる程度に圧刺し、0.1〜1秒
間圧刺した状態を維持することによって薬剤を魚体内に
浸透させる。
ジマスへのサケ科魚類β溶血性連鎖球菌症不活化注射ワ
クチンの接種は以下のようにして行うことができる。す
なわち、まずニジマスを麻酔する。次いで、該ニジマス
を108〜109cell/mlに調製した上記ワクチン満たした容
器に浸漬する。最後に、該ニジマスに、多短針を針が0.
1〜1mmニジマス表皮に刺さる程度に圧刺し、0.1〜1秒
間圧刺した状態を維持することによって薬剤を魚体内に
浸透させる。
【0011】2.本発明の薬剤接種方法による魚体への
接種効率の評価 上記1において、本発明の薬剤接種方法による魚体への
接種効率は、以下のようにして評価することができる。
すなわち、薬剤を接種していない魚類、本発明の接
種方法によって薬剤を接種した魚類及び従来の薬剤接
種法(例えば、浸漬法、注射法など)によって薬剤を接
種された魚類について、病原菌接種後の死亡率、成長
度、遊泳状態などを調べ、調査結果を比較する。例え
ば、本発明の接種方法による、サケ科魚類β溶血性連鎖
球菌症不活化注射ワクチンの接種効率について評価する
場合には、上記〜の群に、サケ科魚類β溶血性連鎖
球菌を人為的に接種した後の死亡率を調べ、の群の死
亡率がの群の死亡率よりも低ければ、本発明の接種方
法によって病原性細菌に対する耐性が確立されたと評価
し、の群の死亡率がの群の死亡率よりも低ければ、
本発明の接種方法は従来法よりも接種効率が高いと評価
することができる。
接種効率の評価 上記1において、本発明の薬剤接種方法による魚体への
接種効率は、以下のようにして評価することができる。
すなわち、薬剤を接種していない魚類、本発明の接
種方法によって薬剤を接種した魚類及び従来の薬剤接
種法(例えば、浸漬法、注射法など)によって薬剤を接
種された魚類について、病原菌接種後の死亡率、成長
度、遊泳状態などを調べ、調査結果を比較する。例え
ば、本発明の接種方法による、サケ科魚類β溶血性連鎖
球菌症不活化注射ワクチンの接種効率について評価する
場合には、上記〜の群に、サケ科魚類β溶血性連鎖
球菌を人為的に接種した後の死亡率を調べ、の群の死
亡率がの群の死亡率よりも低ければ、本発明の接種方
法によって病原性細菌に対する耐性が確立されたと評価
し、の群の死亡率がの群の死亡率よりも低ければ、
本発明の接種方法は従来法よりも接種効率が高いと評価
することができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明は、これら実施例にその技術的
範囲を限定するものではない。 〔実施例1〕多短針を用いた経皮接種法による魚類への
ワクチン接種 ワクチンとして、サケ科魚類β溶血性連鎖球菌症不活化
注射ワクチン(共立商事製、原液濃度:109cell/ml)を
用いた。経皮接種群は、200ppmのFA100(田辺製薬)に浸
漬することによって麻酔した体重5〜10gのニジマス
を、2倍に希釈したワクチン液を満たしたバットに入
れ、図2のようにBCGの経皮接種に用いられている管針
で左右の体側の2カ所を圧刺することにより接種した。
陽性対照としては、ワクチン原液を0.1mlずつ腹腔内に
注射接種した群を設定した。また、比較対照としては、
無処理の群及び10倍に希釈したワクチン液にニジマスを
2分間浸漬した群を設定した。さらに、陰性対照とし
て、ワクチン処理を行わない無処理群を設定した。
説明する。但し、本発明は、これら実施例にその技術的
範囲を限定するものではない。 〔実施例1〕多短針を用いた経皮接種法による魚類への
ワクチン接種 ワクチンとして、サケ科魚類β溶血性連鎖球菌症不活化
注射ワクチン(共立商事製、原液濃度:109cell/ml)を
用いた。経皮接種群は、200ppmのFA100(田辺製薬)に浸
漬することによって麻酔した体重5〜10gのニジマス
を、2倍に希釈したワクチン液を満たしたバットに入
れ、図2のようにBCGの経皮接種に用いられている管針
で左右の体側の2カ所を圧刺することにより接種した。
陽性対照としては、ワクチン原液を0.1mlずつ腹腔内に
注射接種した群を設定した。また、比較対照としては、
無処理の群及び10倍に希釈したワクチン液にニジマスを
2分間浸漬した群を設定した。さらに、陰性対照とし
て、ワクチン処理を行わない無処理群を設定した。
【0013】ワクチン接種2週間後、病魚から分離され
たβ溶血性連鎖球菌をトリプトソーヤブイヨン(1リッ
トル中:カゼインペプトン17.0g、ダイズペプトン3.0g、
塩化ナトリウム5.0g、ブドウ糖2.5g、燐酸1水素カリウ
ム2.5g)で、25℃で、24時間培養後、1万倍に希釈し、
1尾あたり0.1mlずつ腹腔内に注射し攻撃した。菌攻撃
後2週間毎日死亡魚を計数すると共に、連鎖球菌症によ
る死亡であることを攻撃菌に対する特異血清を用いた凝
集試験により確認した。各群30尾ずつ使用し、同様の試
験群を3群設定し、結果はその平均値で表した(図
3)。飼育水温は試験期間中15℃に設定した。
たβ溶血性連鎖球菌をトリプトソーヤブイヨン(1リッ
トル中:カゼインペプトン17.0g、ダイズペプトン3.0g、
塩化ナトリウム5.0g、ブドウ糖2.5g、燐酸1水素カリウ
ム2.5g)で、25℃で、24時間培養後、1万倍に希釈し、
1尾あたり0.1mlずつ腹腔内に注射し攻撃した。菌攻撃
後2週間毎日死亡魚を計数すると共に、連鎖球菌症によ
る死亡であることを攻撃菌に対する特異血清を用いた凝
集試験により確認した。各群30尾ずつ使用し、同様の試
験群を3群設定し、結果はその平均値で表した(図
3)。飼育水温は試験期間中15℃に設定した。
【0014】図3に示すように、2倍に希釈したワクチ
ン液を多短針を用いて経皮接種した群(図3中、▲)は
注射接種群(図3中、●)に匹敵する有効性を示した。
一方、浸漬投与群(図3中、△)では、無処理群(図3
中、○)と同様に殆ど有効性が認められなかった。以上
のことより、本発明の薬剤接種法は、注射法と同等の高
い接種効率を実現し得ることがわかった。
ン液を多短針を用いて経皮接種した群(図3中、▲)は
注射接種群(図3中、●)に匹敵する有効性を示した。
一方、浸漬投与群(図3中、△)では、無処理群(図3
中、○)と同様に殆ど有効性が認められなかった。以上
のことより、本発明の薬剤接種法は、注射法と同等の高
い接種効率を実現し得ることがわかった。
【0015】〔実施例2〕多短針を用いた経皮接種法に
よる高希釈率ワクチンの接種 より希釈率の高いワクチンを用いた場合の、本発明の経
皮接種法によるワクチン接種の有効性を調べた。以下に
述べる条件以外については、実施例1に述べた方法によ
り実施した。多短針を用いた経皮接種群は、ワクチンを
原液及び10倍に希釈した2群を設定した。注射接種群に
ついては、腹腔内注射群に加えて皮内注射群を設定し、
いずれもワクチン原液0.1mlずつを腹腔内及び背ビレ下
方の筋肉内に注射した。2週間後のβ溶血性連鎖球菌接
種後の累積致死率の結果を図4に示した。
よる高希釈率ワクチンの接種 より希釈率の高いワクチンを用いた場合の、本発明の経
皮接種法によるワクチン接種の有効性を調べた。以下に
述べる条件以外については、実施例1に述べた方法によ
り実施した。多短針を用いた経皮接種群は、ワクチンを
原液及び10倍に希釈した2群を設定した。注射接種群に
ついては、腹腔内注射群に加えて皮内注射群を設定し、
いずれもワクチン原液0.1mlずつを腹腔内及び背ビレ下
方の筋肉内に注射した。2週間後のβ溶血性連鎖球菌接
種後の累積致死率の結果を図4に示した。
【0016】原液(図4中、△)及び10倍に希釈したワ
クチン液(図4中、▲)を多短針を用いて経皮接種した
群は、腹腔内(図4中、●)及び皮内注射接種群(図4
中、□)に匹敵する有効性を示した。一方、無処理対照
群(図4中、○)では全く有効性が認められなかった。
以上の結果から、本発明の接種法を用いれば、10倍に希
釈したワクチンを用いた場合においても、原液ワクチン
を注射した場合と同等の高い接種効率を実現し得ること
がわかった。
クチン液(図4中、▲)を多短針を用いて経皮接種した
群は、腹腔内(図4中、●)及び皮内注射接種群(図4
中、□)に匹敵する有効性を示した。一方、無処理対照
群(図4中、○)では全く有効性が認められなかった。
以上の結果から、本発明の接種法を用いれば、10倍に希
釈したワクチンを用いた場合においても、原液ワクチン
を注射した場合と同等の高い接種効率を実現し得ること
がわかった。
【0017】
【発明の効果】本発明によって、従来の注射法に比べ簡
便であり、且つ注射接種が難しい稚魚へ適用が可能な薬
剤接種法が提供される。
便であり、且つ注射接種が難しい稚魚へ適用が可能な薬
剤接種法が提供される。
【図1】本発明の薬剤接種法において用いた多短針を示
す写真である。
す写真である。
【図2】多短針を用いて魚体ワクチン接種をしている状
態を示す写真である。
態を示す写真である。
【図3】各種接種法によるサケ科魚類β溶血性連鎖球菌
症不活化ワクチンの有効性の比較を示すグラフである。
症不活化ワクチンの有効性の比較を示すグラフである。
【図4】各種接種法による希釈したサケ科魚類β溶血性
連鎖球菌症不活化ワクチンの有効性の比較を示すグラフ
である。
連鎖球菌症不活化ワクチンの有効性の比較を示すグラフ
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 魚体の表面に傷口を形成し、該傷口から
薬剤を魚体内に浸透させることを特徴とする、魚類への
薬剤の接種方法。 - 【請求項2】 傷口が針を突き刺すことにより形成され
るものである請求項1記載の接種方法。 - 【請求項3】 針が多短針である請求項2記載の接種方
法。 - 【請求項4】 薬剤の浸透が、魚体を薬剤溶液に浸漬さ
せること、魚体に薬剤溶液を噴霧すること又は塗布する
ことにより行われるものである請求項1記載の接種方
法。 - 【請求項5】 薬剤がワクチンである請求項1記載の接
種方法。 - 【請求項6】 ワクチンが、魚類の細菌性疾病、ウイル
ス性疾病及び寄生虫病の少なくとも1つに対するもので
ある請求項1記載の接種方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26999299A JP2001086895A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 魚類への薬剤接種法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26999299A JP2001086895A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 魚類への薬剤接種法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001086895A true JP2001086895A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17480065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26999299A Pending JP2001086895A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 魚類への薬剤接種法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001086895A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007215475A (ja) * | 2006-02-16 | 2007-08-30 | Hokoku Kogyo Co Ltd | 超音波処理による養殖魚の病気を予防し、感染を防止する方法 |
KR101016513B1 (ko) | 2009-05-08 | 2011-02-24 | 오지원 | 어패류 접종용 벨트 컨베이어 장치 |
WO2012008842A1 (en) * | 2010-06-24 | 2012-01-19 | Maskon As | Device for injection |
KR101896842B1 (ko) * | 2017-06-08 | 2018-09-07 | 그린테코 주식회사 | 면역유도를 위한 애벌레 대량 생산 자동 주사 장치 |
KR102074597B1 (ko) * | 2018-12-20 | 2020-02-06 | 그린테코 주식회사 | 면역유도 애벌레 대량생산을 위한 면역원 주사 자동화 장치 및 방법 |
-
1999
- 1999-09-24 JP JP26999299A patent/JP2001086895A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007215475A (ja) * | 2006-02-16 | 2007-08-30 | Hokoku Kogyo Co Ltd | 超音波処理による養殖魚の病気を予防し、感染を防止する方法 |
KR101016513B1 (ko) | 2009-05-08 | 2011-02-24 | 오지원 | 어패류 접종용 벨트 컨베이어 장치 |
WO2012008842A1 (en) * | 2010-06-24 | 2012-01-19 | Maskon As | Device for injection |
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