JP2001084953A - 質量分析計 - Google Patents
質量分析計Info
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Abstract
るメンテナンスが容易に行えるような質量分析計を提供
する。 【解決手段】 ばね61、71の上端をフック60、7
0に係合することにより生じる該ばね61、71の弾性
力により、ビーム収束部20の各構成ユニット22、2
3を本体内で固定する。前記構成ユニット22、23の
メンテナンスを行う際には、フック60、70とばね6
1、71の係合を解除し、各構成ユニット22、23を
本体2の上面に設けた開口41から取り出す。
Description
る。
てイオン流を生成するイオン化部、前記イオン流を複数
の電極板等から成るレンズ系により収束及び加速してイ
オンビームを生成するためのビーム収束部、及び、前記
イオンビームに含まれるイオンを質量数m/z(質量m
と電荷zとの比)に応じて分離し、分離されたイオンを
検出する分析検出部を備えている。
ン化法(例えば、大気圧イオン化法)を用いる質量分析
計に場合に好適な形態としていわゆる差動排気型が知ら
れている。差動排気型質量分析計では、イオン化部、ビ
ーム収束部及び分析検出部が、差動壁(イオンを通過さ
せるための微小径の通路又は孔を設けた壁で、平板状に
限られない)により仕切られており、ビーム収束部及び
分析検出部には排気用のポンプが取り付けられている。
そして、分析中は、イオン化部の内部を大気圧程度に維
持する一方、ビーム収束部及び分析検出部内の気圧は、
ポンプを適宜稼動させることにより、例えば、イオン化
部の内部を10−2Pa程度の中真空状態に、また分析
検出部の内部は10−4Pa程度の高真空状態に維持す
る。
の内部は上記のように複数の内部隔壁で仕切られた複雑
な構造を有するため、内部に配置された各部品のメンテ
ナンス作業に手間がかかるという問題があるが、この問
題は特にビーム収束部について顕著である。すなわち、
従来の場合、ビーム収束部はイオン化部及び分析検出部
により前後を塞がれている一方、質量分析計の内部の部
品にアクセスするためのメンテナンス用開口は装置の前
面(ビーム収束部の配置された側)に設けられていた。
このため、ビーム収束部に対するメンテナンス作業を行
う場合、ビーム収束部へのアクセス経路を確保するため
に、メンテナンス対象ではないイオン化部の構成部品を
先に質量分析計の本体から取り出した上、更にビーム収
束部の構成部品を取り出すという面倒な作業を行ってい
た。
加速のための電極板等多数の構成部品を含んでおり、こ
れらの部品を全てチェックするには多方向から部品へア
クセスできなければならないが、ビーム収束部が質量分
析計の本体内部にある状態では多方向から部品にアクセ
スすることは困難である。従って、実際には、ビーム収
束部の構成部品を質量分析計の本体から取り出す必要が
あるのであるが、従来の質量分析計では、ビーム収束部
の構成部品を容易に取り出すための特別な工夫は成され
ていなかったため、ネジやボルトをドライバー等で外す
等の面倒な作業が必要であった。そして、メンテナンス
作業が完了した後には、上記のように取り外した部品を
全て元通りに質量分析計の本体内に取り付けなければな
らなかった。なお、このような問題は、差動排気型質量
分析計に限らず、ビーム収束部の構成部品へ多方向から
アクセスできないような構造を有する他の形式の質量分
析計にも同様に生じうる。
に成されたものであり、その目的とするところは、レン
ズ系等、ビーム収束部の構成部品に対するメンテナンス
が容易に行えるような質量分析計を提供することにあ
る。
に成された本発明に係る質量分析計は、試料をイオン化
して得られるイオン流を収束及び加速してイオンビーム
を生成するためのレンズ系と、前記レンズ系を気密に収
納する本体とを備える質量分析計において、前記レンズ
系を構成する複数の構成部品から成るレンズユニット
と、該レンズユニットを前記本体内で位置決めするため
の位置決め手段と、前記本体内に配設されるばね部材
と、該ばね部材を変形状態で保持するために前記レンズ
ユニット及び前記本体に設けられたばね保持手段とを備
え、前記レンズユニットを前記位置決め手段により位置
決めし、前記ばね保持手段に前記ばね部材を保持させる
と、該ばね部材の弾性力により該レンズユニットが前記
本体内で固定されることを特徴としている。
析計の概略的構成について図4を参照しながら説明す
る。図4に示した質量分析計1は、箱状の本体2に設け
られたイオン化部10、ビーム収束部20及び分析検出
部30を備えている。イオン化部10は、液体クロマト
グラフ等から送られてくる液状試料を気化又は霧化して
得られる試料ガスに含まれる成分を大気圧イオン化法で
イオン化するイオン化ユニット11を備えている。ビー
ム収束部20は、イオン流を収束させて後記抽出ユニッ
ト22へ導入する導入ユニット21、導入ユニット21
から導入されたイオン流の一部をビーム状に抽出するた
めの抽出ユニット22、前記のように抽出されたイオン
を加速してイオンビームを生成するための電極群を含む
レンズユニット23を備えている。これらのユニットは
本発明にいうレンズ系を構成する。分析検出部30はイ
オンビームに含まれるイオンを質量数毎に分離するため
の四重極31、及び、該四重極31をイオンビームの光
軸方向に通過したイオンを検出するイオン検出器32を
備えている。イオン化部10は本体2内に設けられた第
一の内部壁3を挟んでビーム収束部20と隣接してお
り、同様にビーム収束部20は第二の内部壁4を挟んで
分析検出部30と隣接している。第一の内部壁3には、
試料ガスから溶媒を除去するためのインターフェース1
3が取り付けられており、このインターフェース13を
通じてイオン化部10の内部空間がビーム収束部20の
内部空間と連通している。ビーム収束部20及び分析検
出部30には排気用のポンプ(ターボ分子ポンプ、TM
P)25、33がそれぞれ取り付けられている。また、
分析検出部30には真空計(イオンゲージ、IG)34
が取り付けられている。
3を参照しながら説明する。図1はビーム収束部20の
平面図、図2は図1のII−II線におけるビーム収束部2
0の垂直断面図、図3は図2のIII−III線におけるビー
ム収束部20の一部の水平断面図である。
用の開口41が設けられている。この開口41は、ヒン
ジ42により本体2に取り付けられた扉43により気密
に閉塞可能である。扉43を閉じるときは、扉43の先
端に設けられた固定部44を本体2に設けられた固定部
45にネジ、ボルト等で固定する。
部に設けられた内部壁5を貫通する形で該内部壁5に固
定された略円筒状の本体51を有しており、この中にイ
オン流を収束させるためのデフレクタレンズ52が配設
されている。抽出ユニット22は、中心にイオン通過用
の開口を設けた円形蓋状の基板53にスキマー54及び
引出し電極55を固定して成るものである。基板53は
導入ユニット21の本体51の端部に着脱自在である。
レンズユニット23は、中心にイオン通過用の開口を有
する複数の円形電極板56a及びその後段に配置された
オリフィス状電極56bを含む電極群を、中心にイオン
通過用の開口を有する円形蓋状の基板57に固定して成
るものである。基板57は内部壁4を貫通する形で該内
部壁4に固定された略円筒状の部材(以下、単に円筒状
部材とする)58の端部に着脱自在である。
は、内部壁5の壁面に固定されたフック60、及び、低
壁面7に設けられたばね固定部66に下端が固定された
略く字状のばね61を備えている。また、抽出ユニット
23の基板53の側面にはばね61を受ける突起62が
設けられている。これらフック60、ばね固定部66及
び突起62は本発明にいうばね保持手段を構成する。
ト21の本体51に装着した状態で、ばね61の上端を
フック60に係合させると、基板53の側部に設けた突
起62がばね61の弾性力により図2の矢印A2へ押さ
れる。この力により、基板53は導入ユニット21の本
体51の端部に押圧、固定される。図3に示したよう
に、導入ユニット21の本体51の端部にはOリング6
4が装着されているため、基板53は導入ユニット21
の本体51の端部に高い気密性をもって結合される。こ
の結果、内部壁5、導入ユニット21の本体51及び抽
出ユニット22の基板53から成る差動壁が完成する。
様である。すなわち、レンズユニット23の基板57に
は突起72が設けられている。そして、内部壁4の壁面
に固定されたフック70に、低壁面7に設けられたばね
固定部73に下端が固定された略く字状のばね71の上
端を係合させることにより、基板57が円筒状部材58
の端部に押圧、固定される。この結果、内部壁4、円筒
状部材58及びレンズユニット23の基板57から成る
差動壁が完成する。
のメンテナンス作業を行うには、扉43を開き、抽出ユ
ニット22やレンズユニット23の電極から配線65を
外し、更にばね61の先端を図2の破線B2で示したよ
うにフック60から外す。このようにすれば、抽出ユニ
ット22の基板53を導入ユニット21の本体51の端
部から容易に取り外すことができる。そして、ツマミ6
3を持って抽出ユニット22を引上げ、開口41から取
り出せば、抽出ユニット22の構成部品に任意の方向か
ら自在にアクセスすることができる。なお、レンズユニ
ット23も上記と同様の手順で円筒状部材58から取り
外し、開口41から外へ出すことができることは言うま
でもない。また、上記各ユニットは、上記とは逆の手順
で容易に本体2内に取り付けることができることも明ら
かである。
は、イオン化部10や分析検出部30の構成部品を取り
外さなくても、ばね61、71の上端をフック60、7
0から外すだけで、ビーム収束部20の構成ユニットを
本体2から容易に取り出すことができる。また、ビーム
収束部20の構成ユニットを本体内に固定するには、各
ユニットを所定箇所(例えば、抽出ユニット22であれ
ば、導入ユニット21の本体51の端部)に配置し、ば
ね61、71の上端をフック60、70に係合させるだ
けで、そのユニットが固定される。
は上記のものに限られない。例えば、上記実施形態では
ビーム収束部のメンテナンス用の扉を本体の上面に設け
るようにしたが、この扉を側面に設けるようにしてもよ
い。また、ヒンジにより取り付けられた回動自在な扉の
代わりに、ボルト等で固定される蓋により開口を閉じる
ようにしてもよい。また、上記実施形態ではビーム収束
部を固定するためのばね部材として略く字状のばね部材
を用いたが、例えば、コイルばねや板バネのような他の
形状のばね部材を用いても、上記のようにフックを用い
た固定機構を構成することができる。
析装置に本発明を応用したが、他の型式の質量分析計で
あっても、レンズ系を構成するユニットを位置決め固定
するための隔壁等を本体内部に有するものであれば、本
発明を応用することができる。
は、フック等のばね保持部にばね部材を変形状態で保持
させたときに生じる該ばね部材の弾性力を利用してレン
ズ系を本体内に固定するようにしたため、レンズ系の本
体への取り付け及び本体からの取り外し作業を容易に行
うことができる。
ム収束部の平面図。
垂直断面図。
の一部の水平断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 試料をイオン化して得られるイオン流を
収束及び加速してイオンビームを生成するためのレンズ
系と、前記レンズ系を気密に収納する本体とを備える質
量分析計において、 前記レンズ系を構成する複数の構成部品から成るレンズ
ユニットと、該レンズユニットを前記本体内で位置決め
するための位置決め手段と、前記本体内に配設されるば
ね部材と、該ばね部材を変形状態で保持するために前記
レンズユニット及び前記本体に設けられたばね保持手段
とを備え、 前記レンズユニットを前記位置決め手段により位置決め
し、前記ばね保持手段に前記ばね部材を保持させると、
該ばね部材の弾性力により該レンズユニットが前記本体
内で固定されることを特徴とする質量分析計。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
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Family
ID=17389009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26340299A Expired - Lifetime JP3501036B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 質量分析計 |
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JP (1) | JP3501036B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010182670A (ja) * | 2009-02-03 | 2010-08-19 | Agilent Technol Inc | 別個の真空チャンバを形成するためのパーティション |
WO2021106277A1 (ja) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 株式会社島津製作所 | 質量分析装置 |
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---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-09-17 JP JP26340299A patent/JP3501036B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-06-08 US US09/590,728 patent/US6444978B1/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
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