JP2001083391A - 顕微鏡のフォーカス装置 - Google Patents

顕微鏡のフォーカス装置

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JP2001083391A
JP2001083391A JP25899699A JP25899699A JP2001083391A JP 2001083391 A JP2001083391 A JP 2001083391A JP 25899699 A JP25899699 A JP 25899699A JP 25899699 A JP25899699 A JP 25899699A JP 2001083391 A JP2001083391 A JP 2001083391A
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Tatsu Nakamura
竜 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顕微鏡で、被観察物と対物レンズとの間の相
対距離を一定に保つ。 【解決手段】 試料(被観察物)13は、底面の開口部
にカバーガラス14の貼り付けられたチェンバ11に収
容され、チェンバ11内にはチェンバ溶液12が入れら
れる。このチェンバ溶液12は、不図示の循環装置によ
り循環されている。チェンバ11内のチェンバ溶液の量
が変化すると重量が変化し、カバーガラス14や蛇の目
リング15等の弾性変形量が変化して試料13と対物レ
ンズ16との間の相対距離が変化する。この相対距離の
変化は接触子18および変位センサ19で検出される。
CPU22は、変位センサ19から出力される信号に基
づいてアクチュエータ113を駆動し、レボルバ17を
上下動させる。これにより、試料13の所望の観察面に
対物レンズ16のピントを合わせ続けることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡のフォーカ
ス装置に関し、さらに詳しくは、被観察物と対物レンズ
との間の相対距離の変化を検出し、検出された相対距離
の変化に基づいて上記相対距離を調節する顕微鏡のフォ
ーカス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、倒立型の顕微鏡を用いて生き
ているサンプル(細胞)を観察対象とする場合、観察対
象を底面のカバーガラスに保持した特殊なチェンバに溶
液類を還流させるのが一般的である。このときカバーガ
ラスは、チェンバ内の溶液類の重量によってたわみを生
じる。溶液類を循環させる際の流量が経時的に変化する
と、チェンバ内の溶液類の体積(重量)も変化するの
で、カバーガラスのたわみ量も変化する。すると、対物
レンズと観察対象との相対距離が変化してしまう。ま
た、上述のような観察状況でなくとも、たとえば液浸対
物レンズを用いて、対物レンズの光軸方向に所定間隔を
空けて観察面を順次変更しながら観察する、いわゆる連
続的セクショニング観察を行う場合も同様のことが起き
得る。すなわち、観察面を順次変更して観察する際に、
対物レンズとカバーガラスとの間の間隔が変化する。こ
のとき、対物レンズとカバーガラスとの間に介在するオ
イルの粘性によってカバーガラスが引っ張られ、変形を
生じる。この変形により、対物レンズと観察対象との間
の相対距離が変化することがある。
【0003】以上のような理由で観察途中の像が変化し
てしまった場合、実験者はモニタ等を観察しながら観察
面の位置を再調整する必要を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
観察面の位置を再調整することは以下のような問題があ
った。 (1) 共焦点顕微鏡、あるいはコンフォーカル顕微鏡
と呼ばれる顕微鏡を用いて観察対象を観察する際には蛍
光観察、つまり励起光を観察対象に照射し、観察対象か
ら発せられる蛍光を観察することが多い。このとき、観
察中にサンプル内の蛍光色素が光ダメージ等によって消
光してしまったり、あるいは何らかのサンプル自身のダ
メージによって蛍光色素が漏れ出てしまう場合があっ
た。 (2) 観察対象のサンプルの形状が一定の場合はよい
が、特に生きている細胞の場合は観察中にその形状を変
化させるケースが多々あった。つまり、たとえ対物レン
ズと観察対象との相対距離が変化しなかったとしても、
上述した(1)および(2)の要因によって、モニタに
映し出された画像が変化する可能性が大きい。このた
め、観察途中の像の変化が、サンプルの本来の正常な現
象による結果なのか、あるいは上述したカバーガラスの
変形具合の変化等の外部要因によるものなのかを判断す
ることは難しく、モニタによる観察だけでは観察結果の
信頼度が低いという問題点を有していた。以上の問題点
に加えて、下記(3)および(4)に示すような問題点
も有していた。 (3) 実験者は、チェンバ溶液の交換、画像の観察、
観察対象のサンプルの位置ずれの再調整等の作業を行わ
ねばならず、加えて上述した観察面の再調整を行うこと
は実験者の集中力を欠きかねない。 (4) 連続的セクショニング観察を行う場合、断層面
を変えることによっておのずとその画像が変化するた
め、観察面の位置がずれた場合にモニタ等を観察しなが
ら観察面を調節することは、現実的には非常に困難であ
る。理由は、観察面の位置がずれる前の画像を正確に記
憶していないと、元の観察面の位置に戻すことはできな
いからである。
【0005】本発明の目的は、外部要因により変化した
被観察物と対物レンズとの間の相対距離を容易に補正す
ることの可能な顕微鏡のフォーカス装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
に対応付けて以下の発明を説明する。 (1) 請求項1に記載の発明に係る顕微鏡のフォーカ
ス装置は、被観察物13と対物レンズ16との間の相対
距離の変化を検出可能な変位センサ19と;変位センサ
19で検出された相対距離の変化に基づき、被観察物1
3と対物レンズ16との相対距離を調節する距離調節手
段22および113を有することにより上述した目的を
達成する。 (2) 請求項2に記載の発明に係る顕微鏡のフォーカ
ス装置は、距離調節手段22および113が、被観察物
13と対物レンズ16との相対距離を調節する際に駆動
される駆動対象物17の実際の移動量をフィードバック
して駆動対象物17の駆動量を制御するフィードバック
ループをさらに有するものである。 (3) 一実施の形態を示す図6に対応付けて説明する
と、請求項3に記載の発明に係る顕微鏡のフォーカス装
置は、対物レンズ16Bの周縁部に、対物レンズ16B
の光軸とほぼ平行な方向に移動可能な接触子62をさら
に有し;変位センサ19は、接触子62の変位量を検出
するものである。 (4) 一実施の形態を示す図1に対応付けて説明する
と、請求項4に記載の発明に係る顕微鏡のフォーカス装
置は、被観察物13を載置する載置基板14の、被観察
物13が載置される側と対向する側の面に接触する接触
子18をさらに有し;変位センサ19は、接触子18の
変位量を検出するものである。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】− 第1の実施の形態 − 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡のフォ
ーカス装置が倒立型のコンフォーカル顕微鏡に組み込ま
れている様子を概略的に示す。以下では、この顕微鏡を
用いて連続的セクショニングを行う場合を例にとって説
明する。蛇の目リング15は環状の板で、中央部には観
察孔が空けられている。この蛇の目リング15は不図示
のステージの上に固定されている。蛇の目リング15の
上には、底部開口にカバーガラス14を貼り付けたチェ
ンバ11が載置される。カバーガラス14の上には被観
察物である試料13が保持されており、チェンバ11内
にはチェンバ溶液12が入れられている。このチェンバ
溶液12は、不図示の循環装置によってチェンバ11の
内外を循環している。
【0009】試料13を下方より拡大して観察するため
の対物レンズ16は、レボルバ17に固定されている。
レボルバ17は、アクチュエータ113によって対物レ
ンズ16の光軸に沿う方向に駆動可能となっている。レ
ボルバ17には接触子111が接触しており、レボルバ
17、すなわち対物レンズ16の上下動に追従して動作
する。接触子111の動く距離は変位センサ112で検
出される。つまり、レボルバ17(対物レンズ16)の
移動量が変位センサ112によって検出可能となってい
る。なお、アクチュエータ113の動きをレボルバ17
の動きに変換する不図示の駆動機構は、センサ112と
ともに顕微鏡のベース部分に固定される。
【0010】カバーガラス14の下面、すなわち試料1
3が載置されている面と対向する側の面には接触子18
が接触しており、カバーガラス14の変位に追従してこ
の接触子18が動く。変位センサ19は、顕微鏡のベー
ス部分に固定されていて、接触子18の動きを検出す
る。以上のような構成により、対物レンズ16と被観察
物である試料13との間の相対距離に変化を生じた場合
に、変位センサ19はこの変化を検出することができ
る。
【0011】変位センサ19および112で検出された
変位量はCPU22に入力される。CPU22は、変位
センサ19から入力された変位量に基づき、アクチュエ
ータ113に駆動信号を発する。このときCPU22
は、変位センサ112から出力される信号をフィードバ
ックして、対物レンズ16の移動方向、移動量、移動速
度等を制御する
【0012】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る
顕微鏡でチェンバ溶液12の量が増してチェンバ11、
14および蛇の目リング15の変形量が増し、試料13
と対物レンズ16との間の相対距離が変化した様子を誇
張して示している。この図2を参照し、上述した相対距
離の変化により変動してしまった観察面が対物レンズ1
6で再び捕らえられるようになるまでの動作について説
明する。
【0013】チェンバ溶液12の重量の増加によってチ
ェンバ11、カバーガラス14、蛇の目リング15のた
わみ量が増す。すると、接触子18が下がって、変位セ
ンサ19により上述したたわみ量の増加分Δが検出され
る。すなわち、対物レンズ16と試料13との間の相対
距離の変化分が変位センサ19によって検出され、CP
U22に出力される。なお、連続的セクショニングに際
し、これから観察を開始しようとする観察面(試料13
の断面)が決まった時点でレボルバ17の初期位置は変
位センサ112によって検出され、レボルバ17の位置
に関する情報がCPU22に出力される。したがって、
上述したたわみ量の増加分Δを認識したCPU22は、
レボルバ17を図2の下方向へΔだけ移動させるように
アクチュエータ113に駆動信号を発する。そして、あ
る観察面での観察を終えると、CPU22はアクチュエ
ータ113に制御信号を発して対物レンズ16を移動さ
せ、次の観察面にピントが合うようにする。
【0014】以上に説明したように、本発明の第1の実
施の形態に係る顕微鏡のフォーカス装置によれば、変位
センサ19で検出された対物レンズ16と試料13との
間の相対距離の変化に基づいてCPU22がアクチュエ
ータ113に駆動信号を発してレボルバ17(対物レン
ズ16)を駆動することにより、常に同じ観察面にピン
トの合った像を得ることが可能となる。
【0015】− 第2の実施の形態 − 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡のフォ
ーカス装置が倒立型のコンフォーカル顕微鏡に組み込ま
れている様子を概略的に示す。第2の実施の形態におい
ては、液浸対物レンズを用いて連続的セクショニングを
行う場合を例にとって説明する。なお、図3において、
本発明の第1の実施の形態を示す図1または図2と同様
の構成要素には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0016】第1の実施の形態との相違点は、被観察物
がチェンバ溶液に浸されていない点と、液浸対物レンズ
が用いられる点にある。図3において、蛇の目リング1
5の上にカバーガラス32が載置され、その上にサンプ
ル33が載置される。このサンプル33は、カバーガラ
ス32とスライドガラス31との間に挟まれている。液
浸対物レンズ16A(以下では単に「対物レンズ16
A」と称する)の先端部とカバーガラス32との間には
オイル、水、あるいはグリセリン等の液体34が介在し
ている。
【0017】以上のような構成の顕微鏡において、最初
の観察面にピントが合うように対物レンズ16Aの位置
が定められた後、レボルバ17の初期位置が変位センサ
112によって計測され、その計測結果がCPU22に
出力される。最初の観察面での観察が終わった後、対物
レンズ16Aをたとえば所定ストロークSだけ下げて次
の観察面にピントが合うようにすると、液体34の粘性
によってカバーガラス32が図3の下方に引っ張られ
る。すると、カバーガラス32および蛇の目リング15
が図3に誇張して描かれているようにたわむので、サン
プル33と対物レンズ16Aとの間の相対距離の変化は
上述した所定ストロークSに達しない。
【0018】このとき、蛇の目リング15およびカバー
ガラス32の変形にともなうサンプル33の移動量Δが
変位センサ19で測定され、その測定結果がCPU22
に出力される。このΔが予定していた所定ストロークS
に対する不足分である。CPU22は、アクチュエータ
113に指令信号を発してレボルバ17を図3の下方に
Δだけ移動させる。CPU22は、このときにも変位セ
ンサ19からの出力を監視しており、レボルバ17(対
物レンズ16A)をΔ下げたときに蛇の目リング15お
よびカバーガラス32がさらに変形した場合にはアクチ
ュエータ113に対して再度指令信号を発する。また、
対物レンズ16Aの移動を完了して新たな観察面を観察
している最中に、何らかの要因でサンプル33と対物レ
ンズ16Aとの間の相対距離が変化したことを検出した
場合にもCPU22はアクチュエータ113に対して指
令信号を発する。
【0019】アクチュエータ113がレボルバ17(対
物レンズ16A)を駆動している最中におけるレボルバ
17の実際の移動量はセンサ112によって検出され、
CPU22にフィードバックされるのは第1の実施の形
態と同様である。
【0020】上述のように、CPU22がアクチュエー
タ113に指令信号を発し、これに応答してアクチュエ
ータ113がレボルバ17を駆動している最中は、対物
レンズ16Aを介して得られる拡大像は観測または記録
するには当たらないものである。加えて、サンプル33
をなるべく良好な状態に保つためには、サンプル33に
対する照明光(励起光)の照射時間をできるだけ短くす
ることが望ましい。そこで、図4に示すようにレーザ光
等を発する光源42の光路上にシャッタ43を配設し、
CPU22がこのシャッタ43の開平を制御するように
してもよい。なお、図4は、図3に示される顕微鏡に上
記光源42、シャッタ43、そして2枚のダイクロイッ
クミラー45および47が設けられる様子を説明する図
である。
【0021】図4に示すような構成とすることで、アク
チュエータ113によって対物レンズ16Aとサンプル
33との間の相対距離を調節している間はCPU22が
シャッタ43を閉じておくことができ、サンプル33を
長時間にわたって良好な状態に保つことができる。
【0022】また、同一のサンプルを観察する際に、複
数種類の波長の励起光を用いることにより、たとえば細
胞内の核、リボソーム、ミトコンドリア、ゴルジ体など
のように、サンプル内の異なる組織を区別して観察する
手法が知られている。このような場合、図4における光
源42として、異なる波長を有する複数種類の励起光を
出射可能なものを用いる。ダイクロイックミラー45お
よび47は、光源42から出射される励起光を反射して
対物レンズ16Aに導く一方、サンプル33から出射さ
れ、対物レンズ16Aを透過して図4の下方に向かって
進む蛍光を透過する特性を有している。これらのダイク
ロイックミラー45および47は、不図示の切換機構に
よっていずれかが光源42から出射されるレーザ光の光
路中に位置するように位置決めされる。図4において
は、ダイクロイックミラー45が上記光路中に位置して
いる状態が示されている。なお、ダイクロイックミラー
45の下方には、ダイクロイックミラー45または47
を透過した蛍光を集光して検出するための共焦点光学系
等が配設されるが、図4ではその図示を省略する。
【0023】上述のように、複数の波長の励起光を用い
て同一のサンプルを観察する場合、たとえば以下のよう
な手順で観察を行うことにより作業効率を高めることが
できる。
【0024】先ず、ダイクロイックミラー45が上記光
路中に位置するように位置決めされる。この状態で一回
目の連続的セクショニングが一通り行われる。このとき
CPU22は、各観察面に対物レンズ16Aのピントが
合うようにアクチュエータ113を駆動する都度、変位
センサ19で検出された変位量ΔをCPU22に接続さ
れるメモリ(不図示)に記憶しておく。つまり、上述し
たカバーガラス32や蛇の目リング15の変形等の影響
を排除して、連続的セクショニングで各観察面に対物レ
ンズ16Aのピントが正確に合うようにするために必要
な補正量を、CPU22は各観察面に対応して記憶して
おく。
【0025】ダイクロイックミラー45を用いての一通
りの連続的セクショニングが完了した後、ダイクロイッ
クミラー47が上記光路中に位置するように位置決めさ
れ、再度一連の連続的セクショニングが行われる。この
ときCPU22は、上述した補正量を加味してアクチュ
エータ113に制御信号を発することにより、各観察面
に対物レンズ16Aのピントを合わせる動作を速やかに
行うことができる。したがって、観察に要する時間を短
縮することが可能になるとともに、サンプルの損傷も最
小限に抑制することができるので信頼度の高い観察結果
を得ることができる。
【0026】以上では、1回目の連続的セクショニング
に際して得られた補正量に基づいて2回目、あるいはそ
れ以降の連続的セクショニングを行う例について説明し
たが、連続的セクショニングを行う前に予備測定のみを
行なって上述した補正量を求めてもよい。予備測定は、
たとえば以下のように行う。
【0027】先ず、連続的セクショニングの開始観察面
にピントが合うように対物レンズ16Aを位置決めした
後、CPU22はシャッタ43を閉じる。このとき、C
PU22は光源42の発光を停止してもよい。その後C
PU22は、対物レンズ16Aを所定のステップで駆動
する都度、そのときの変位センサ19からの出力を入力
し、蛇の目リング15およびカバーガラス32のたわみ
量の変化による影響を排除するための補正量を求める。
予備測定に際しては、後で行われる連続的セクショニン
グと同じ移動ピッチで対物レンズ16Aを駆動してもよ
いし、それよりも粗いピッチで予備測定し、後で補間に
よって各観察面に対応する補正量を求めてもよい。上述
した予備測定方法によれば、予備測定中に励起光を照射
する必要がなく、その後の連続的セクショニングも速や
かに行うことができるので、励起光の照射によるサンプ
ル33の損傷を最小限に抑制することが可能となる。
【0028】以上に説明したように、第2の実施の形態
に係る顕微鏡のフォーカス装置によっても被観察物の所
望の断面(観察面)に的確にピントを合わせることがで
きる。また、連続的セクショニングを行う際の観察面間
のピッチを正確に保つことができ、再現性にも優れる。
このため、複数の波長の励起光を用いて連続的セクショ
ニングを繰り返し行う場合に、毎回ほぼ同じ観察面を観
察できるので、観察結果の信頼度を維持することができ
る。加えて、観察に要する時間を短縮することができる
ので、被観察物への励起光の積算照射光量を低減するこ
とができ、被観察物の損傷を最小限に抑制することが可
能となる。
【0029】− 第3の実施の形態 − 図5(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡
のフォーカス装置が倒立型のコンフォーカル顕微鏡に組
み込まれている様子を概略的に示す。第3の実施の形態
においては、第1の実施の形態と同様にチェンバ11内
に納められた試料13について連続的セクショニングを
行う場合を例にとって説明する。なお、図5において、
本発明の第1の実施の形態を示す図1または図2と同様
の構成要素には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0030】図5において、第1の実施の形態との相違
点は、試料13と対物レンズ16との間の相対距離の変
化を検知するための変位検出装置として歪みゲージ51
と、歪みゲージ51の抵抗値の変化に基づいて上記相対
距離の変化を検出する変位センサ19Aとが図1に示す
接触子18および変位センサ19に置き換えられる点で
ある。
【0031】カバーガラス14を図5(a)の下方から
見た様子を表す図5(b)に示されるように、たとえば
4枚の歪みゲージ51が対物レンズ16の視野を取り囲
むように貼り付けられている。この歪みゲージ51に
は、変位センサ19Aが接続されており、チェンバ溶液
12の増減により生じるカバーガラス14の歪みの増減
が歪みゲージ51の抵抗値の変化として変位センサ19
Aにより検出される。
【0032】第3の実施の形態に係る顕微鏡のフォーカ
ス装置によれば、被測定物と対物レンズとの間の相対距
離の変化を非接触で測定することができるので、測定圧
力が測定結果に影響を及ぼすことがない。また、接触子
等の可動部材を有していないので、変位センサの信頼性
を向上させることができる。
【0033】なお、図5(a)に示す変位検出装置とし
ての歪みゲージ51および変位センサ19Aは、カバー
ガラス14の歪みの変化を検出するものであって、被測
定物(試料13)と対物レンズ16との間の相対距離の
変化を直接的に測定するものではない。しかし、上記相
対距離の変化量とカバーガラス14の歪みの変化量との
関係を予め測定しておくことにより、第1または第2の
実施の形態のものと同様に被測定物(試料13)と対物
レンズ16との間の相対距離の変化を測定することが可
能である。
【0034】以上のような構成の顕微鏡において連続的
セクショニング動作を行う場合、最初の観察面にピント
が合うように対物レンズ16Aの位置が定められた後、
レボルバ17の初期位置が変位センサ112によって計
測され、その計測結果がCPU22に出力される。その
後、各観察面での観察を終える都度、対物レンズ16の
ピントが次の観察面位置に合うように駆動される。この
ときに、チェンバ11内のチェンバ溶液12の増減があ
ると、これによって生じた試料13と対物レンズ16と
の相対距離の変化が変位センサ19Aで検出される。C
PU22は、アクチュエータ113を駆動することによ
り、変位センサ19Aで検出された上記相対距離の変化
を補正する。
【0035】図5(a)および図5(b)に示す例で
は、歪みゲージ51はカバーガラス14のみに貼り付け
られているが、蛇の目リング15、チェンバ11等に貼
り付けてもよい。このとき、歪みゲージ51の貼り付け
枚数および貼り付け位置は図5(a)および図5(b)
に示されるものに限定されない。また、歪みゲージ51
として、いわゆるディスクリートの部品を貼り付ける以
外に、蒸着やスパッタリングのプロセスを経てガラス基
板等に直接形成するものであってもよい。このように、
歪みゲージ51を直接形成することにより、接着剤が剥
がれる等の不具合を抑制して変位検出装置の信頼性を向
上させることができる。
【0036】− 第4の実施の形態 − 図6は、本発明の第4の実施の形態に係る顕微鏡のフォ
ーカス装置の要部、すなわち被観察物と対物レンズとの
間の相対距離を検出する変位検出装置のみを示す。図6
に示される以外の部分については本発明の第1の実施の
形態を示す図1または図2と同様であるのでその図示お
よび説明を省略する。
【0037】第1の実施の形態においては、図1に示さ
れるように接触子18がカバーガラス14の変位に追従
して作動し、この接触子18の動き量を変位センサ19
が検出するものであった。これに対して、第4の実施の
形態に係る顕微鏡のフォーカス装置においては、上記接
触子18に代わるものとして筒状の接触子62が対物レ
ンズ16Bの周縁部に設けられている。この接触子62
は、対物レンズ16Bの光軸とほぼ平行な方向に移動可
能に対物レンズ16Bの鏡筒の外周にはめこまれてい
る。
【0038】接触子62の上部には、対物レンズ16B
の視野を妨げることのない程度の開口62aが設けられ
ている。接触子62の周囲には、飾り環61がさらに取
り付けられており、この飾り環61の内周にはガイド部
材63および64が固定されている。これらのガイド部
材63および64によって接触子62の動きがガイドさ
れ、かつ接触子62の上下ストロークが規制される。飾
り環61の内部には、接触子62を図6の上方向に付勢
するコイルばね65が組み込まれている。接触子62の
上下方向の位置(変位)は変位センサ19で検出され
る。このように、対物レンズ16Bの光軸とほぼ平行な
方向に移動可能な接触子62を対物レンズ16Bの周縁
部に設けることにより、接触子62の配設部の占有面積
を減じることができる。
【0039】図6に示される例においては、接触子62
の上端部分が図1などに示されるカバーガラス14と常
時接触する。このため、厳密には対物レンズ16Bの上
下にともなって、コイルばね65の反力が変化、すなわ
ち接触子62がカバーガラス14に作用する力が変化す
る。このため、キャリブレーションを予め行い、被測定
物と対物レンズ16Bとの相対距離の変化量と、変位セ
ンサ19で検出される接触子62の変位量との関連を知
っておくことが望ましい。
【0040】− 第5の実施の形態 − 図7は、共焦点顕微鏡システムに本発明が適用される例
を示すものである。第5の実施の形態は、第1の実施の
形態と同様にチェンバ11内に納められた試料13につ
いて連続的セクショニングを行うものである。なお、図
7において、本発明の第1の実施の形態を示す図1また
は図2と同様の構成要素には同じ番号を付してその説明
を省略する。
【0041】図7において、励起光を発するレーザ発振
器71の射出口近傍にはシャッタ43が配設され、この
シャッタ43の開閉はCPU22によって制御される。
シャッタ43が開いている状態において、レーザ発振器
71から出射された励起光はミラー72で反射され、ビ
ームエキスパンダ73で光束の径が広げられてダイクロ
イックミラー45に導かれる。
【0042】ダイクロイックミラー45は、励起光を反
射する分光反射特性を有しているので、ダイクロイック
ミラー45に入射した励起光は反射されて走査ミラー7
4および76に導かれる。走査ミラー74および76
は、試料13の被観察面上で励起光を2次元方向に走査
させるためのものであり、アクチュエータ75および7
7によって駆動される。アクチュエータ75および77
はCPU22に接続されており、走査ミラー74および
76の走査方向、走査速度、そして走査量はCPU22
によって制御される。
【0043】走査ミラー74および76で反射された励
起光はレンズ79で集光され、ミラー711で反射さ
れ、対物レンズ16を経て試料13の観察面に達する。
試料13内の観察対象となる組織は、予め蛍光物質と結
合されているので、上記励起光を受けると蛍光を発す
る。
【0044】試料13内の蛍光物質から発せられた蛍光
は、上述した光路を逆行してダイクロイックミラー45
に入射する。蛍光の波長は、励起光の波長に比して長
く、また、ダイクロイックミラー45はこの蛍光を透過
する分光特性を有しているので、蛍光はダイクロイック
ミラー45を透過して直進する。そしてこの蛍光中に含
まれる不要な波長成分の光はバリアフィルタ712で減
じられた後、レンズ713で集光され、ピンホール板7
14を経て検出器715で検出される。画像信号処理部
717は、検出器715から出力される信号を入力する
とともに、CPU22から出力される同期信号を入力す
る。画像信号処理部717は、検出器715から出力さ
れる信号と、CPU22から出力される同期信号とに基
づいて2次元の画像データを生成し、これを不図示の記
録装置に記録するとともに、モニタ720に試料13の
拡大像を表示する。
【0045】以上に説明した動作の最中に、チェンバ1
1内のチェンバ溶液12の量が変化し、これにともなっ
て試料13と対物レンズ16との間の相対距離が変化し
た場合、この変化は変位センサ19で検出される。CP
U22は、変位センサ19から出力された信号に基づい
てアクチュエータ113を制御し、レボルバ17を対物
レンズ16の光軸に沿う方向に駆動して試料13と対物
レンズ16との間の相対距離を調節する。
【0046】上述のように試料13と対物レンズ16と
の間の相対距離が調節されている間等において、試料1
3に励起光を照射したくない場合にはシャッタ43を閉
じることも可能である。この場合、上記相対距離の調節
後にシャッタ43が再度開かれる。なお、上述のように
試料13と対物レンズ16との間の相対距離等が調節さ
れている間、CPU22から画像信号処理部717に制
御信号を発し、画像データの記録やモニタ720への画
像の表示等を一時的に中断させてもよい。
【0047】− 第6の実施の形態 − 図8は、共焦点顕微鏡システムに本発明が適用される例
を示すものである。第6の実施の形態においては、第2
の実施の形態と同様に、液浸対物レンズ16Aが用いら
れ、カバーガラス32とスライドガラス31との間に挟
まれたサンプル33について連続的セクショニングが行
われる。なお、図8において、本発明の第2の実施の形
態を示す図3および本発明の第5の実施の形態を示す図
7と同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省
略する。
【0048】図7に示される第5の実施の形態の共焦点
顕微鏡システムは、チェンバ11内の試料13に、レー
ザ発振器71から発せられる単色の励起光を照射して試
料13を拡大観察するものであった。これに対し、図8
に示す第6の実施の形態の共焦点顕微鏡システムでは、
液浸対物レンズ16Aが用いられ、かつレーザ発振器7
1Aがマルチラインレーザなどと称される多波長の励起
光を出射可能なものが用いられている。そして、レーザ
発振器71Aから射出される励起光の波長と、サンプル
33から発せられる蛍光の波長とに対応した特性を有す
るダイクロイックミラー45A、45B、そしてバリア
フィルタ712A、712Bが切換可能に組み込まれて
いる。これらのダイクロイックミラー45A、45Bお
よびバリアフィルタ712A、712Bは、不図示の切
換機構によって切換可能となっており、その切換動作は
CPU22によって制御される。つまり、ダイクロイッ
クミラー45Aとバリアフィルタ712Aとの組み合わ
せ、およびダイクロイックミラー45Bとバリアフィル
タ712Bとの組み合わせのうち、いずれかがレンズ7
13と走査ミラー74との間のレーザ光の光路中に位置
するように切り換えられる。
【0049】以上のように構成される共焦点顕微鏡シス
テムを用いて連続的セクショニングを行う方法について
説明する。なお、以下の説明において、初期状態におい
ては図8に示されるようにダイクロイックミラー45A
およびバリアフィルタ712Aがレンズ713と走査ミ
ラー74との間に位置しているものとする。また、レー
ザ発振器71Aは二つの波長λSa、λSbの励起光を
発し、この励起光の照射にともなってサンプル33中の
蛍光物質からは二つの波長λEa、λEbの蛍光が発せ
られるものとする。
【0050】ダイクロイックミラー45Aは波長λSa
の励起光を反射するとともに波長λEaの蛍光を透過す
る特性を有し、バリアフィルタ712Aは波長λEaよ
りも短い波長の光をシャープにカットする特性を有す
る。また、ダイクロイックミラー45Bは波長λSbの
励起光を反射するとともに波長λEbの蛍光を透過する
特性を有し、バリアフィルタ712Bは波長λEbより
も短い波長の光をシャープにカットする特性を有する。
【0051】一連の連続的セクショニングを開始するに
あたり、先ずサンプル33の最初の観察面に対物レンズ
16Aのピントが合うようにレボルバ17がアクチュエ
ータ113を介して駆動される。以下では、これを「対
物レンズ16Aを初期位置に移動させる」と称する。こ
のときの対物レンズ16Aの光軸方向に沿うレボルバ1
7の位置は、変位センサ112により検出されてCPU
22に出力される。以降は、所定のセクショニング間隔
dで一連の連続的セクショニングが行われる。このと
き、CPU22は各観察面に対物レンズ16Aのピント
が合うようにレボルバ17を駆動しつつ、変位センサ1
9から出力される信号を監視する。そしてカバーガラス
32、蛇の目リング15等の変形量の変化にともなう変
位が変位センサ19で検出された場合、その変位に対応
するレボルバ17の位置補正量Δを求め、この補正量Δ
に基づいてレボルバ17を駆動する。CPU22は、各
観察面の位置に対応して上記補正量Δを記憶する。
【0052】CPU22が以上の動作制御を行う間、画
像信号処理部717ではサンプル33の各観察面ごとの
拡大画像データが生成され、記録される。このとき記録
される画像データは、サンプル33に波長λSaの励起
光が照射されてサンプル33中の蛍光物質より発せられ
る波長λEaの蛍光による拡大像の画像データである。
【0053】CPU22は、上述の動作を完了すると対
物レンズ16Aを初期位置に移動させ、ダイクロイック
ミラー45A、バリアフィルタ712Aをダイクロイッ
クミラー45B、バリアフィルタ712Bに切り換え
る。そして、上述したのと同様の動作を繰り返して連続
的セクショニングを再び行う。このとき、CPU22は
1回目の連続的セクショニングで得られた各観察面ごと
の補正量Δを加味してレボルバ17の移動量を制御す
る。このため、2回目の連続的セクショニングを行う際
に、変位センサ19からの出力信号を検出してはレボル
バ17の位置を調節する必要が無くなり、効率よく2回
目の連続的セクショニングを完了させることができる。
したがって、サンプル33への励起光の照射時間を短く
することができ、サンプル33の損傷を最小限にとどめ
ることができる。このとき、画像信号処理部717では
サンプル33の各観察面ごとの拡大画像データが生成さ
れ、記録される。このとき記録される画像データは、サ
ンプル33に波長λSbの励起光が照射されてサンプル
33中の蛍光物質より発せられる波長λEbの蛍光によ
る拡大像の画像データである。
【0054】以上のようにして得られた波長λEa、λ
Ebの蛍光による拡大像の画像データは、後処理によっ
て3次元の画像データとして再構築される。この3次元
の画像データを元に、操作者は実際に連続的セクショニ
ングを行った断面とは異なる断面での被観察物の断面の
画像を得ることができる。このため、被観察物の3次元
的な構造を後で詳しく知ることができる。このとき、本
発明による顕微鏡のフォーカス装置を用いることによ
り、セクショニング間隔dを精密にコンロールすること
ができる。つまり、「断層撮影」を行う際の撮影間隔を
正確にコントロールすることができ、再構築された3次
元の画像データに基づく画像の歪みを抑制することがで
きる。したがって、より精密な観察を行うことができ
る。この点、従来のもののようにセクショニング間隔d
がばらついてしまうと、連続的セクショニングを行って
得られた複数の2次元の画像そのものは問題ないもの
の、3次元の画像データを再構築する際にゆがみを生じ
てしまって精密な観察を行うことができなくなる。
【0055】第6の実施の形態では、レーザ発振器71
Aが2波長の発光波長を有するものである場合を例にと
って説明したが、本発明はこれに限られるものではな
く、3つ以上の波長の光を発するものであってもよい。
あるいは、単波長のレーザ発振器を複数備えて、ミラー
等によっていずれかのレーザ発振器から出射される光を
励起光としてサンプル33に導いてもよい。
【0056】以上、第1〜第6の発明の実施の形態で説
明したように、連続的セクショニングの最中に被観察物
と対物レンズとの間の相対距離が変化しても、その変化
に対応して相対距離が調節されるので、所望の観察面に
ピントを合わせ続けることができる。また、連続的セク
ショニングを繰り返し行う場合の位置決めの再現性が向
上するので、複数種類の波長の励起光を用いて得られる
拡大像に基づき、被観察物の正確な3次元情報を得るこ
とができる。
【0057】以上に説明した第1〜第6の実施の形態で
は、被観察物と対物レンズとの間の相対距離の変化を検
出するためのものとして接触子およびこの接触子の変位
を検出する変位センサを用いるもの、そして歪みゲージ
を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限ら
れるものではない。たとえば、赤外光などを投・受光し
て変位を計測するセンサや静電容量の変化を検出するセ
ンサ、さらには差動トランスや干渉計等、非接触式のセ
ンサを用いることもできる。特に、赤外光などを投・受
光して変位を計測するセンサを用いれば、被観察物の表
面の位置を計測することもできる。このため、載置基
板、すなわちカバーガラスから被観察物が浮いてしまう
ようなことがあっても、被観察物と対物レンズとの間の
相対距離の変化を検出することが可能となる。
【0058】また、以上の実施の形態ではレボルバを移
動させることにより被観察物と対物レンズとの間の相対
距離を調節するものについて説明したが、ステージ等、
他の部材を移動させることも可能である。
【0059】さらに、顕微鏡の形式としては倒立型のみ
ならず、対物レンズが被観察物の上方に位置する通常の
形式のもの、そして生物顕微鏡、工業用顕微鏡の如何を
問わず本発明を適用可能である。また、以上ではカバー
ガラスや蛇の目リング等の変形量の変化を検出する例に
ついて説明したが、環境温度の変化等によってたとえば
顕微鏡のステージや鏡筒、あるいは顕微鏡本体が熱膨張
したような場合にも本発明を適用することにより、所望
の観察面に対物レンズのピントを合わせ続けることがで
きる。
【0060】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、CPU22およびアクチュエータ113が距
離調節手段を、カバーガラス14、32が載置基板を、
それぞれ構成する。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
以下の効果を奏する。 (1) 請求項1に記載の発明によれば、変位センサに
より検出された被観察物と対物レンズとの間の相対距離
の変化に基づいてこの相対距離を調節することにより、
観察対象面に対物レンズのピントを合わせ続けることが
容易となる。また、所望の観察対象面に対物レンズのピ
ントを繰り返し合わせる際の再現性が向上するので、よ
り正確な顕微鏡の観察像を得ることができる。 (2) 請求項2に記載の発明によれば、被観察物と対
物レンズとの相対距離を調節する際に駆動される駆動対
象物の実際の移動量をフィードバックして駆動対象物の
駆動量を制御するフィードバックループをさらに有する
ことにより、正確かつ迅速に相対距離の調節を行うこと
ができる。 (3) 請求項3に記載の発明によれば、対物レンズの
周縁部に、対物レンズの光軸とほぼ平行な方向に移動可
能な接触子をさらに有し、変位センサは、接触子の変位
量を検出することにより、接触子配設のためのスペース
を小さくすることが可能となる。 (4) 請求項4に記載の発明によれば、被観察物を載
置する載置基板の、被観察物が載置される側と対向する
側の面に接触子が接し、この接触子の変位量を変位セン
サが検出することにより、被観察物に接触子を触れるこ
となく被観察物と対物レンズとの間の相対距離の変化を
検出することができる。このため、被観察物が軟弱なも
のであっても、被観察物と対物レンズとの間の相対距離
の変化を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置が組み込まれる倒立型顕微鏡の一
部を概略的に説明する図である。
【図2】 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置で被観察物と対物レンズとの間の
相対距離の変化が検出される様子を説明する図である。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置が組み込まれる、液浸対物レンズ
を用いた倒立型顕微鏡の一部を概略的に説明する図であ
る。
【図4】 図4は、本発明の第2の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置で二つの波長の励起光を用いて被
観察物が観察される様子を説明する図である。
【図5】 図5は、本発明の第3の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置が組み込まれる倒立型顕微鏡の一
部を概略的に説明する図である。
【図6】 図6は、本発明の第4の実施の形態に係る顕
微鏡のフォーカス装置における接触子の構造を概略的に
説明する図である。
【図7】 図7は、本発明の第5の実施の形態を説明す
る図であり、共焦点顕微鏡システムに本発明が適用され
る例を示す図である。
【図8】 図8は、本発明の第6の実施の形態を説明す
る図であり、液浸対物レンズを用いる共焦点顕微鏡シス
テムに本発明が適用される例を示す図である。
【符号の説明】
11 … チェンバ 12 … チェン
バ溶液 13、33 … 試料(被観察物) 14、32 …
カバーガラス 15 … 蛇の目リング 16 … 対物
レンズ 16A … 液浸対物レンズ 17 … レ
ボルバ 18、111、62 … 接触子 19、19A、
112 … 変位センサ 22 … CPU 42 … 光源 43 … シャッタ 45、45A、47 … ダイクロイックミラー 51 … 歪みゲージ 71 … レー
ザ発振器 73 … ビームエキスパンダ 74、76 …
走査ミラー 79、713 … レンズ 714 …
ピンホール板 715 … 検出器 717 … 画
像信号処理部 720 … モニタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被観察物と対物レンズとの間の相対距離の
    変化を検出可能な変位センサと、 前記変位センサで検出された前記相対距離の変化に基づ
    き、前記相対距離を調節する距離調節手段とを有するこ
    とを特徴とする顕微鏡のフォーカス装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の顕微鏡のフォーカス装置
    において、 前記距離調節手段は、前記相対距離を調節する際に駆動
    される駆動対象物の実際の移動量をフィードバックして
    前記駆動対象物の駆動量を制御するフィードバックルー
    プをさらに有することを特徴とする顕微鏡のフォーカス
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の顕微鏡のフォー
    カス装置において、 前記対物レンズの周縁部に、前記対物レンズの光軸とほ
    ぼ平行な方向に移動可能な接触子をさらに有し、 前記変位センサは、前記接触子の変位量を検出すること
    を特徴とする顕微鏡のフォーカス装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の顕微鏡のフォー
    カス装置において、 前記被観察物を載置する載置基板の、前記被観察物が載
    置される側と対向する側の面に接触する接触子をさらに
    有し、 前記変位センサは、前記接触子の変位量を検出すること
    を特徴とする顕微鏡のフォーカス装置。
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