JP2001083248A - 監視装置 - Google Patents

監視装置

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JP2001083248A
JP2001083248A JP26004199A JP26004199A JP2001083248A JP 2001083248 A JP2001083248 A JP 2001083248A JP 26004199 A JP26004199 A JP 26004199A JP 26004199 A JP26004199 A JP 26004199A JP 2001083248 A JP2001083248 A JP 2001083248A
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JP
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laser light
recognized
light
shutter
pulse laser
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JP26004199A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Baba
智義 馬場
Michio Onozuka
三千雄 小野塚
Shohei Noda
松平 野田
Junichiro Hori
順一郎 堀
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陸上における認識対象物体をレーザレーダを
用いて良好に認識することができる監視装置を提供す
る。 【解決手段】 パルスレーザ発生装置1が発生するレー
ザ光を空中に照射し、陸上に存在する認識対象物体及び
この認識対象物体迄の距離を測定するレーザレーダにお
いて、上記パルスレーザ発生装置1から照射するパルス
レーザ光の波長を620nm乃至900nmとしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は監視装置に関し、特
に夜間部の警邏、障害物監視等、各種の暗視に適用して
有用なものである。
【0002】
【従来の技術】夜間部(暗闇)における密航船の監視、
警邏、障害物監視等の用途には、従来赤外線カメラを利
用した暗視システム等が用いられていた。
【0003】ところが、かかる暗視システムでは、濃
霧、ガス中では所望の暗視が困難である、認識対象物
体までの距離を知ることができない等の問題があった。
【0004】一方、水中に存在する認識対象体を認識す
るための装置ではあるが、レーザレーダを利用した装置
が提案されている(例えば、特公平7−92502号公
報及び特開平10−162119号公報参照)。かかる
装置は、レーザパルス光を認識対象物体に向けて照射
し、認識対象物体からの反射光を受光して撮影を行い、
この結果得られる画像に基づいて認識対象物体を認識す
るとともに、認識対象物体迄の距離を検出するものであ
る。この種の水中物体認識装置におけるレーザパルス光
の波長は、水中におけるレーザ光の透過率を考慮した場
合、490nm近傍が最適であり、下限は480nm近
傍、上限は520nm近傍である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如きレーダレー
ザを利用した場合、陸上においても良好な暗視装置を構
成することができる可能性はあるが、水中と空気中では
条件が全く異なるため、かかる環境に基づく条件の相違
を考慮しなければならない。すなわち、陸上において
は、霧の発生がレーザレーダを用いて所望の暗視を行お
うとする場合の最大の障害要因になると考えられる。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
陸上における認識対象物体をレーザレーダを用いて良好
に認識することができる監視装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する装置
を得るべく本発明者等は、レーザ光を空気中に照射した
場合の霧の影響(吸収・散乱)を定量的に把握すべく、
その影響の理論計算を行った。この理論計算は次式
(1)に基づくもので、自然界に存在すると言われてい
る1μmの粒径の霧を対象としている。ちなみに、空気
中にレーザ光を照射した場合、このレーザ光を吸収・散
乱させ、これを利用した監視装置の精度に悪影響を与え
る要因としては、霧の発生が最も大きく関与する。した
がって、霧の影響を定量的に評価できれば当該レーザレ
ーダの波長をどの程度にすれば良いかを知ることができ
るものと考えられる。
【数1】
【0008】式(1)のαfog は次式(2)に示すMi
eの散乱理論により導出した。
【数2】
【0009】上述の如き理論計算の結果の結果、図1に
示すような特性が得られた。同図において横軸はレーザ
光の波長(nm)、縦軸は消散効率(相対値)である。
この消散効率とは、霧が発生している空気中に照射した
レーザ光が霧によって吸収・散乱される程度を表したも
ので、その値が小さい程、その影響が小さいことを表し
ており、当該特性図によれば、600nm以上の領域で
は、実用上十分小さな消散効率が得られると評価するこ
とができる。
【0010】次に、この種のレーザレーダのレーザ光波
長を決定する場合には、認識対象物体から反射して戻っ
てくるレーザ光を撮影するカメラの撮像素子の特性を考
慮しなければならない。図2は、現状の2種類のカメラ
についてそれぞれの撮像素子の感度を調べたものてあ
る。同図において横軸はレーザ光の波長(nm)、縦軸
は1Wの入力に対して何mAの電流が発生するかを示し
た放射感度(mA/W)である。当該特性図において、
一点鎖線で示す特性が、現在一般に用いられている高速
ゲート付きICCDカメラのものである。このカメラ
(以下、第1のカメラという。)の特性と、図1の特性
を比較した場合、図1の特性で良好な特性が得られる6
00nm以上の領域における当該第1のカメラの撮像素
子の感度は漸減しており800nmを越えた時点で急激
に垂下している。これに対し、図2に実線で示す特性を
示すカメラ(以下、第2のカメラという。)が現状で入
手可能なものとして存在する。これは撮像素子をブルー
エンハンスメントGaAsで形成したものである。当該
撮像素子を有する第2のカメラによれば600nm以上
の領域で第1のカメラよりもより優れた感度を有してい
る。そこで、第2のカメラを用いるとして、当該第2の
カメラの特性に着目した場合の好適な波長領域は500
nm乃至900nmとなる。なお、900nm以上の波
長領域で実用的な感度を有する撮像素子を作ることは、
現状の理論では、困難であると考えられている。
【0011】さらに、この種のレーザレーダのレーザ光
波長を決定する場合に、可視光でないことが条件となる
場合がある。密航船の監視等、認識対象物体にレーザ光
が照射されていることを視認できない(気づかれない)
ような状況で監視する必要がある場合がその一例であ
る。かかる場合に考慮しなければならないのが、図3に
示す人間の目の比視感度曲線である。同図において横軸
は光の波長(nm)、縦軸はCIE(国際照明委員会)
が定める標準的な観測者の比視感度である。当該特性図
において、周囲が暗い環境である暗所視の場合を一点鎖
線で、周囲が明るい環境である明所視の場合を実線でそ
れぞれ示している。図3の特性図は、暗所視(一定鎖線
の特性)の場合には、620nm近傍を限界としてそれ
以上は視認できない波長領域となり、明所視(実線の特
性)の場合には690nm近傍を限界としてそれ以上は
視認できない波長領域となることが分かる。
【0012】本発明は、上述の如き知見を基礎として空
中に照射するレーザレーダの波長の最適化を達成したも
ので、その具体的な構成は次の通りである。
【0013】1) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって
得られた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段
とを有して認識対象物体の監視を行うように構成した監
視装置において、上記レーザ光照射手段から照射するパ
ルスレーザ光の波長を620nm以上としたこと。本発
明によれば、空気中に霧が発生している状態であっても
空中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題のな
い程度にまで低く抑えることができる。また、レーザ光
の波長は、これを照射する環境の明るさ等の条件によっ
ては、その下限が可視光として認識し得ない程度の光と
なる。さらに、暗闇であっても良好に認識対象物体を認
識し得る。
【0014】2) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって
得られた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段
とを有して認識対象物体の監視を行うように構成した監
視装置において、上記レーザ光照射手段から照射するパ
ルスレーザ光の波長を700nm以上としたこと。本発
明によれば、空気中に霧が発生している状態であっても
空中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題のな
い程度にまで低く抑えることができる。また、レーザ光
の波長は、その下限が可視光として認識し得ない程度の
光となる。さらに、暗闇であっても良好に認識対象物体
を認識し得る。
【0015】3) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって
得られた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段
とを有して認識対象物体の監視を行うように構成した監
視装置において、上記レーザ光照射手段から照射するパ
ルスレーザ光の波長を620nm乃至900nmとした
こと。本発明によれば、空気中に霧が発生している状態
であっても空中に照射したレーザ光の消散効率を、実用
上問題のない程度にまで低く抑えることができると同時
に、認識物体に反射して戻るレーザ光に基づき撮像手段
で確実に映像化できる。また、レーザ光の波長は、その
下限が可視光として認識し得ない程度の光となる。さら
に、暗闇であっても良好に認識対象物体を認識し得る。
【0016】4) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段
によるパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の
受光領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記
撮像手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を
施す画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行う
ように構成した監視装置において、上記レーザ光照射手
段から照射するパルスレーザ光の波長を620nm以上
としたこと。本発明によれば、1)の作用に加え、対象
物体の照明領域及び受光領域を変化させて撮影を行うこ
とができる。
【0017】5) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段
によるパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の
受光領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記
撮像手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を
施す画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行う
ように構成した監視装置において、上記レーザ光照射手
段から照射するパルスレーザ光の波長を700nm以上
としたこと。本発明によれば、2)の作用に加え、対象
物体の照明領域及び受光領域を変化させて撮影を行うこ
とができる。
【0018】6) 陸上又は水上に存在する認識対象物
体にパルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上
記パルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔
信号によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、この
シャッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を
受光して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段
によるパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の
受光領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記
撮像手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を
施す画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行う
ように構成した監視装置において、上記レーザ光照射手
段から照射するパルスレーザ光の波長を620nm乃至
900nmとしたこと。本発明によれば、3)の作用に
加え、対象物体の照明領域及び受光領域を変化させて撮
影を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0020】図4は、本形態に係る認識装置の構成を示
すブロック図である。当該認識装置は、パルスレーザ装
置1を、パルスレーザ制御装置2を介してパルスレーザ
用電源装置3から供給される駆動電力により駆動してパ
ルスレーザ光4を発生させ、このパルスレーザ光4を照
明用光学レンズ系5を介して陸上又は水上の認識対象物
体に照明光として照射し、認識対象物体からの反射光を
受光用光学レンズ系7およびシャッタ装置10を介して
撮像装置12に結像して認識対象物体の撮像を行い、撮
像装置12から得られた画像信号を画像処理装置14に
より処理して表示装置15で画像表示するものである。
ここで、撮像装置12としては、図2に実線で示す特性
を有するブルーエンハンスメンハトGaAsで形成した
撮像素子を有するものを用いており、当該撮像装置12
の特性及び図1に示すレーザ光の消散効率並びに図2に
示す比視感度等を考慮して空中に照射するパルス光の波
長を好適なものに特定したものである。すなわち、本形
態における波長は、620nm乃至900nmの何れで
も良いが、パルスレーザ装置1のレーザ発振素子の特性
及びコスト等を総合的に考慮した場合、750nm乃至
760nmが好適である。また、密航船の暗視等、監視
している事実を知られたくないような状況で秘密裡に暗
視を行う必要がある場合には、十分に非可視域の波長を
選定する必要がある。この意味でも、前記750nm乃
至760nmの波長域は好適である。また、パルスレー
ザ装置1及び照明用光学レンズ系5と、受光用光学レン
ズ系7、シャッタ装置及び撮像装置12は、同一又は同
期して回動する2個の雲台(図示せず。)に載置してあ
り、この雲台とともに360°回動し得るように構成し
てある。
【0021】照明用光学レンズ系5、受光用光学レンズ
系7、シャッタ装置10および撮像装置12は、それぞ
れ照明領域制御装置6、受光領域制御装置9、シャッタ
動作制御装置11および撮像制御装置13により制御さ
れる。
【0022】制御信号発生装置16は、当該監視装置全
体を制御しており、ユーザインタフェース17から入力
されるユーザ(観測者)の指定に応じて、パルスレーザ
制御装置2、照明領域制御装置6、受光領域制御装置
9、シャッタ動作制御装置11及び撮像制御装置12の
それぞれに所定の制御信号を出力する。この制御信号発
生装置16と上記パルスレーザ制御装置2、照明領域制
御装置6、受光領域制御装置9、シャッタ動作制御装置
11及び撮像制御装置12は、それぞれ光ケーブル等に
よる伝送路で接続されており、ユーザインタフェース1
7及び表示装置15を用いた遠隔操作が可能な構成とな
っている。
【0023】当該監視装置によって陸上又は水上に存在
する認識対象物体の認識を行う場合、ユーザはパーソナ
ルコンピュータ等で構成されたユーザインタフェース1
7を用いて、パルスレーザ装置1において発生させるパ
ルスレーザ光4の出力、パルス幅、繰返し周期等の特性
を指定すると共に、このパルスレーザ光4の照射による
照明領域8aの広さについて指定する。
【0024】照明領域8aは、認識対象物体までの距離
および認識対象物体の大きさに対応させて変化させるも
のであり、ユーザは照明領域8aを調節しながら観測を
行って、表示装置15に認識対象物体を示す画像が最適
な割合で表示されるようにする。具体的には、認識対象
物体までの距離が短いとき、または認識対象物体が大き
いときには、画像中に認識対象物体が全て含まれるよう
に照明領域8aを広く指定し、認識対象物体までの距離
が長いとき、または認識対象物体が小さいときは、画像
中を占める認識対象物体の割合が大きくなるように照明
領域8aを狭く指定する。
【0025】このようにして指定されたパルスレーザ光
4の特性および照明領域8aの広さを示す各データは制
御信号発生装置16に出力され、制御信号発生装置16
からは各データに応じた制御信号がパルスレーザ制御装
置2および照明領域制御装置6にそれぞれ出力される。
【0026】パルスレーザ制御装置2は、制御信号発生
装置16から出力された制御信号に応じてパルスレーザ
装置1を駆動させ、パルスレーザ装置1はパルスレーザ
制御装置2の制御に応じた特性、すなわちユーザによっ
て指定された特性のパルスレーザ光4を発生させる。こ
のとき発振するレーザ光の波長に関しては、上述した通
りである。
【0027】パルスレーザ装置1で発生したパルスレー
ザ光4は、照明用光学レンズ系5に導かれる。照明用光
学レンズ系5は、照明領域制御装置6の制御に応じてそ
の位置を変化させるレンズ群を備えており、このレンズ
群によりパルスレーザ装置1から導かれたパルスレーザ
光4を空間的に拡大もしくは縮小し、照明装置8aに向
けて照射する。この際、照明領域制御装置6はユーザに
よって指定された照明領域8aにパルスレーザ光4が照
射されるように照明用光学レンズ系5を制御している。
また、照明制御装置6は後述する受光領域8bがユーザ
に指定されたときは、この受光領域8bと照明領域8a
とが可能な限り同一となるように照明用光学レンズ系5
を自動的に制御する。
【0028】このようにして、照明領域8aにパルスレ
ーザ光4が照射されると、照明領域8a内に存在する認
識対象物体によってパルスレーザ光4が反射することに
より反射光(散乱光)が発生する。以下、この反射光を
受光して認識対象物体を撮像する処理について説明す
る。
【0029】まず、反射光を受光する受光領域8bが照
明領域8aと可能な限り同一となるように調節される。
具体的には、制御信号発生装置16から所定の制御信号
が受光領域制御装置9に出力され、受光領域制御装置9
はこの制御信号に応じて受光用光学レンズ系7を構成す
るレンズ群の位置を変化させて、照明領域8aとできる
だけ同じ領域からの反射光を受光するように受光領域8
bを自動的に調節する。なお、必要に応じてユーザが受
光領域8bを指定してもよい。このとき、受光領域制御
装置9は受光用光学レンズ系7における焦点制御も同時
に行っており、ユーザによって指定された領域(距離)
に対して焦点が結ばれるように受光用光学レンズ系7を
制御する。なお、この焦点は後述する動作開始時間に対
応させて、撮影しようとする認識対象物体までの距離に
応じて調節するものとする。
【0030】受光用光学レンズ系7によって集光された
認識対象物体からの反射光は、シャッタ装置10を介し
て撮像装置12へ導入される。ここで、シャッタ装置1
0はシャッタ動作制御装置11によって開(オープン)
状態および閉(クローズ)状態を制御されるものであ
り、所定のタイミングでシャッタの開閉を行うことによ
り、認識対象物体からの反射光のみを撮像装置12に導
き、それ以外の空中の浮遊粒子等からの反射光を遮光す
る。
【0031】このようにシャッタ装置10を動作させる
ためには、予め動作開始時間および動作間隔時間を適切
に指定しておく必要がある。動作開始時間とはパルスレ
ーザ装置1によるパルスレーザ光4の照明開始からシャ
ッタをオープン状態にして露光を開始するまでの時間を
表し、パルスレーザ光4と同期して認識対象物体までの
距離に応じて設定される。また、動作間隔時間とはシャ
ッタ装置10のオープン状態を保つ時間を表しており、
撮像装置12の感度等に応じて設定される。これら動作
開始時間及び動作間隔時間を調節することによって、任
意の領域(距離)に存在する認識対象物体からの反射光
のみを取り込むことが可能となる。なお、これら動作開
始時間および動作間隔時間はユーザインタフェース17
により指定され、各々の値に応じた制御信号が制御信号
発生回路16からシャッタ動作制御装置11に出力され
る。シャッタ動作制御装置11は、制御信号発生装置1
6から出力される制御信号に基づき、パルスレーザ装置
1によるパルスレーザ光4の照射開始と同時にシャッタ
装置10をクローズ状態にする。そして、パルスレーザ
光4に同期した動作開始信号および動作間隔信号を出力
することによりシャッタ装置10を最適なタイミングで
開閉させて、認識対象物体からの反射光のみを撮像装置
12に導く。
【0032】なお、認識対象物体までの距離が不明の場
合には、動作開始時間を少しづつずらすことによって、
認識対象物体の位置を探査することが可能となる。この
場合、パルスレーザ光4の照射から反射光の受光までの
伝搬時間に基づいて、認識対象物体までの距離を計測
し、この距離によって動作開始時間を設定しても良い。
【0033】撮像装置12は、上述の如く導かれた反射
光を受光し、撮像制御装置13から出力されるゲイン、
アイリス、撮像周期等の受光特性に関する制御信号に基
づいて撮像を行い、得られた画像信号を画像処理装置1
4に出力する。ここで、上述した受光特性はユーザイン
タフェース17を用いて予め指定されているものとす
る。
【0034】画像処理装置14は、撮像装置12から出
力される画像信号をA/D変換し、さらにエッジ強調処
理等の処理を施して表示装置15に出力する。ここで、
画像処理装置14では認識対象物体(もしくは、水中物
体認識装置本体)が僅かに移動(微小振動等を含む)し
ている場合でも正確に物体の認識を行うことができるよ
うに、例えば積分法のように比較的長時間にわたる画像
情報を必要とする画像処理は行わず、上述したエッジ強
調処理のように比較的短時間にわたる単一の画像情報の
みに基いた画像処理を行うことが望ましい。
【0035】表示装置15は、画像処理装置14から出
力される画像信号で示される画像を表示し、ユーザは表
示された画像に基づいて物体の認識を行う。この際、照
射領域8aおよび受光領域8bの広さおよび認識対象物
体までの距離を示すデータ、さらにユーザによって指定
された種々のデータを同時に表示してもよく、このよう
にすることでユーザは実際の認識対象物体の大きさを容
易に把握することができる。
【0036】本実施の形態によれば、例えば認識対象物
体までの距離が短いとき、または認識対象物体が大きい
ときには照明領域および受光領域を広く設定し、認識対
象物体までの距離が長いとき、または認識対象物体が小
さいときは照明領域および受光領域を狭く設定すること
ができる。この結果、最終的に得られる画像では画像領
域全体に対して常に最適な割合で認識対象物体が表示さ
れるので、認識対象物体までの距離および認識対象物体
の大きさに関係なく常に高分解能が保たれる。また、動
作開始信号および動作間隔信号を適当に変化させること
で、必要な反射光のみを受光して撮像を行うことができ
るので、任意の距離の認識対象物体を選択的に観測する
ことができるという固有の効果を奏する。
【0037】したがって、上述の如き固有の効果を得る
必要がない場合には、照明領域制御装置6及び受光領域
制御装置9は不要になる。要は、空中にレーザ光を照射
して認識対象物の認識を行う際の、レーザ光の波長が
〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する範囲のもので
あれば、本願発明の範囲に含まれる。
【0038】
【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
ように、〔請求項1〕に記載する発明は、陸上又は水上
に存在する認識対象物体にパルスレーザ光を照射するレ
ーザ光照射手段と、上記パルスレーザ光に同期した動作
開始信号及び動作間隔信号によってシャッタ動作を行う
シャッタ手段と、このシャッタ手段を介して前記認識対
象物体からの反射光を受光して撮像を行う撮像手段と、
この撮像手段によって得られた画像信号に所定の画像処
理を施す画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を
行うように構成した監視装置において、上記レーザ光照
射手段から照射するパルスレーザ光の波長を620nm
以上としたので、空気中に霧が発生している状態であっ
ても空中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題
のない程度にまで低く抑えることができる。また、レー
ザ光の波長は、これを照射する環境の明るさ等の条件に
よっては、その下限が可視光として認識し得ない程度の
光となる。さらに、暗闇であっても良好に認識対象物体
を認識し得る。この結果、陸上又は水上における対象物
体を認識するレーザレーダとして有効に機能させること
ができる。また、このとき空中に照射しているレーザ光
は人間の目では、感知し得ないか、感知し得たとしても
殆ど気にならない程度であるので、特にレーザ光を照射
して監視している事実を知られても良いような状況、例
えば障害物の暗視等に用いて有用なものとなる。
【0039】〔請求項2〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する発明と同様の監視装置において、上記レ
ーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波長を7
00nm以上としたので、空気中に霧が発生している状
態であっても空中に照射したレーザ光の消散効率を、実
用上問題のない程度にまで低く抑えることができる。ま
た、レーザ光の波長は、その下限が可視光として認識し
得ない程度の光となる。さらに、暗闇であっても良好に
認識対象物体を認識し得る。この結果、陸上又は水上に
おける対象物体を認識するレーザレーダとして有効に機
能させることができる。また、このとき空中に照射して
いるレーザ光は人間の目では、感知し得ないので、特に
監視している事実を知られたくないような状況、例えば
密航船の監視等、秘密裡に監視を行う必要がある場合の
認識対象物体の暗視等に用いて有用なものとなる。
【0040】〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する発明と同様の監視装置において、上記レ
ーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波長を6
20nm乃至900nmとしたので、空気中に霧が発生
している状態であっても空中に照射したレーザ光の消散
効率を、実用上問題のない程度にまで低く抑えることが
できると同時に、認識物体に反射して戻るレーザ光に基
づき撮像手段で確実に映像化できる。また、レーザ光の
波長は、その下限が可視光として認識し得ない程度の光
となる。さらに、暗闇であっても良好に認識対象物体を
認識し得る。この結果、陸上又は水上における対象物体
を認識するとともに、その映像を得るレーザレーダとし
て有効に機能させることができる。また、このとき空中
に照射しているレーザ光は人間の目では、感知し得ない
か、感知し得たとしても殆ど気にならない程度から、全
く感知し得ない領域の波長を任意に選択できるようにし
たので、レーザ光を照射して監視している事実を知られ
ても良いような状況、例えば障害物の暗視等から、監視
している事実を知られたくないような状況、例えば密航
船の監視等、秘密裡に暗視を行う必要がある場合の認識
対象物体の暗視等まで、陸上又は水上における広い用途
で好適な監視装置として機能し得る。
【0041】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する発明に、照射・受光領域制御手段を追加
したので、空気中に霧が発生している状態であっても空
中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題のない
程度にまで低く抑えることができ、またレーザ光の波長
は、これを照射する環境の明るさ等の条件によっては、
その下限が可視光として認識し得ない程度の光となるば
かりでなく、対象物体の照明領域及び受光領域を変化さ
せて撮影を行うことができる。さらに、暗闇であっても
良好に認識対象物体を認識し得る。この結果、〔請求項
1〕に記載する発明の効果に加え、認識対象物体までの
距離及び認識対象物体の大きさの影響を受けることな
く、常に高い分解能で所望の監視を行うことができると
いう効果も奏する。
【0042】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する発明に、照射・受光領域制御手段を追加
したので、空気中に霧が発生している状態であっても空
中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題のない
程度にまで低く抑えることができ、またレーザ光の波長
は、その下限が可視光として認識し得ない程度の光とな
るばかりでなく、対象物体の照明領域及び受光領域を変
化させて撮影を行うことができる。さらに、暗闇であっ
ても良好に認識対象物体を認識し得る。この結果、〔請
求項2〕に記載する発明の効果に加え、認識対象物体ま
での距離及び認識対象物体の大きさの影響を受けること
なく、常に高い分解能で所望の監視を行うことができる
という効果も奏する。
【0043】〔請求項6〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する発明に、照射・受光領域制御手段を追加
したので、空気中に霧が発生している状態であっても空
中に照射したレーザ光の消散効率を、実用上問題のない
程度にまで低く抑えることができると同時に、認識物体
に反射して戻るレーザ光に基づき撮像手段で確実に映像
化でき、またレーザ光の波長は、その下限が可視光とし
て認識し得ない程度の光となるばかりでなく、対象物体
の照明領域及び受光領域を変化させて撮影を行うことが
できる。さらに、暗闇であっても良好に認識対象物体を
認識し得る。この結果、〔請求項6〕に記載する発明の
効果に加え、認識対象物体までの距離及び認識対象物体
の大きさの影響を受けることなく、常に高い分解能で所
望の監視を行うことができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】霧が発生している空気中にレーザ光を照射した
場合における、レーザ光の波長と、これに対応するレー
ザ光の消散効率の理論値との関係を示す特性図である。
【図2】レーザ光を受光するカメラの撮像素子の感度
を、レーザ光の波長に対して示す特性図である。
【図3】光の波長に対する人間の目の比視感度を示す特
性図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すブロック線図であ
る。
【符号の説明】
1 パルスレーザ装置 5 照明用光学レンズ系 6 照明領域制御装置 7 受光用光学レンズ系 8a 照明領域 8b 受光領域 9 受光領域制御装置 10 シャッタ装置 12 撮像装置 14 画像処理装置 15 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 松平 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 堀 順一郎 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 2F065 AA04 AA06 DD04 DD13 FF01 FF12 FF26 GG04 GG12 JJ03 JJ09 JJ26 KK02 PP22 QQ03 QQ32 QQ47 SS13 UU01 5B057 AA19 BA02 BA15 5J084 AA01 AA05 AB02 AB20 AD01 AD05 BA03 BA19 BA34 BA60 BB35 CA03 CA20 CA65 CA67 CA69 DA10 EA01 EA07 EA29 FA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって得ら
    れた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段とを
    有して認識対象物体の監視を行うように構成した監視装
    置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を620nm以上としたことを特徴とする監視装置。
  2. 【請求項2】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって得ら
    れた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段とを
    有して認識対象物体の監視を行うように構成した監視装
    置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を700nm以上としたことを特徴とする監視装置。
  3. 【請求項3】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、この撮像手段によって得ら
    れた画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段とを
    有して認識対象物体の監視を行うように構成した監視装
    置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を620nm乃至900nmとしたことを特徴とする
    監視装置。
  4. 【請求項4】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段によ
    るパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の受光
    領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記撮像
    手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す
    画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行うよう
    に構成した監視装置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を620nm以上としたことを特徴とする監視装置。
  5. 【請求項5】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段によ
    るパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の受光
    領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記撮像
    手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す
    画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行うよう
    に構成した監視装置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を700nm以上としたことを特徴とする監視装置。
  6. 【請求項6】 陸上又は水上に存在する認識対象物体に
    パルスレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記パ
    ルスレーザ光に同期した動作開始信号及び動作間隔信号
    によってシャッタ動作を行うシャッタ手段と、このシャ
    ッタ手段を介して前記認識対象物体からの反射光を受光
    して撮像を行う撮像手段と、上記レーザ光照射手段によ
    るパルスレーザ光の照射領域および前記撮像手段の受光
    領域を変化させる照射・受光領域制御手段と、上記撮像
    手段によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す
    画像処理手段とを有して認識対象物体の監視を行うよう
    に構成した監視装置において、 上記レーザ光照射手段から照射するパルスレーザ光の波
    長を620nm乃至900nmとしたことを特徴とする
    監視装置。
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