JP2001083062A - 密度むら測定方法およびその装置 - Google Patents

密度むら測定方法およびその装置

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JP2001083062A
JP2001083062A JP25919799A JP25919799A JP2001083062A JP 2001083062 A JP2001083062 A JP 2001083062A JP 25919799 A JP25919799 A JP 25919799A JP 25919799 A JP25919799 A JP 25919799A JP 2001083062 A JP2001083062 A JP 2001083062A
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Yoshio Yoshida
芳夫 吉田
Hideki Izumi
英樹 泉
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート状をなす試料の微小部分における密度
むらを高精度かつ迅速に算出することができない。 【解決手段】 シート状をなす試料Sを保持する保持手
段12,36〜39と、試料Sの測定領域を相互に交差
する第1および第2の方向に沿って仮想分割した所定面
積の微小単位毎に試料Sの厚さを測定するレーザー距離
計14,15と、試料Sの質量を微小単位毎に測定する
放射線質量計16と、保持手段12,36〜39とレー
ザー距離計14,15および放射線質量計16との第1
および第2の方向への相対移動を制御する駆動制御手段
13,40と、レーザー距離計14,15および放射線
質量計16による測定結果に基づいて試料Sの密度を微
小単位毎に算出して試料Sの測定領域における密度むら
を求める密度演算部34とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙や板紙あるいは
布などのシート状をなす測定対象物の密度むらの測定方
法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙の密度むらは、紙の製造時に発生する
質量むら、カレンダー条件などに左右される。密度むら
は、紙の原料がパルプなどの繊維材料である限り本質的
に紙に備わる性質の一つであり、印刷において特に重要
な品質項目である。この密度むらは、オフセット印刷に
おける2色目のインキ転移不良やインキ光沢むらなどを
助長させ、印刷面の品質を著しく低下させる。また、強
度低下の原因にもなり、密度むらは紙にとって好ましく
ない性質の一つである。密度むらの少ない紙を提供する
ことは製紙メーカーの使命でもある。
【0003】このように、紙の密度むらは、紙の品質上
重要な項目であるにも関わらず、従来は紙のようなシー
ト状をなす物体に対して適当な密度むらを測定するため
の装置がなく、透過光むらや光沢むらの測定などで間接
的に密度むらを評価しているのが現状である。
【0004】例えば、特開平6−50873号公報に開
示されたシート状物の密度むら検査方法は、走行する布
に対して直角に1次元CCDイメージセンサを走査さ
せ、その透過光量むらを測定することにより、布の密度
むらと透過光量むらとの間の相関関係を利用して密度む
らを推定するようにしたものである。
【0005】また、密度むらを直接測定する方法として
は、試料からポンチなどで一定面積の試験片を多数(例
えば100試験片)切り出し、それらの試験片について
質量を天秤で測定すると共にその厚さをマイクロメータ
で測定して個々の試験片の密度をそれぞれ算出し、これ
ら多数の試験片の密度データから密度むらを標準偏差を
利用して算出する方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】印刷用の紙などを取り
扱う分野においては、シート状をなす紙などの密度むら
が非常に重要な品質項目であるにもかかわらず、この密
度むらの適当な評価方法やこれを測定する装置が存在し
ないという課題があった。
【0007】特開平6−50873号公報に開示された
方法は、測定対象である布に対する透過光量むらと密度
むらとの間の相関関係を利用して密度むらを推測してい
るに過ぎず、実際に密度むらを測定しているわけではな
い。また、布のようなシート状をなす測定対象物の場合
には、透過光量むらと密度むらとの間に相関関係が認め
られる場合もあるが、測定対象物によってはこのような
関係が認められない場合も多い。
【0008】また、測定対象物から試験片を多数切り出
してこれらの質量および厚さを測定し、この測定結果に
基づいて測定対象物の密度むらを算出する方法は、測定
精度が低く、しかも作業量が膨大となり、微小部分の密
度むらを求めることが困難である。具体的な例として、
坪量が100g/m2程度の一般的な印刷用紙の試料につい
て、その密度むらを1g/m2程度の精度で求める場合を考
える。ここで、試験片の大きさを1mm×1mmに設定した
場合、1g/m2は1g/1×106mm2であるから、1mm×1
mmの試験片の大きさに対応する質量むらは1×10-6
となり、一般的な精密天秤の測定精度が1×10-4gで
あることから、このような質量を従来の精密天秤で測定
することは不可能である。従って、試験片の大きさを1
0mm×10mm以上に大きくするか、密度むらの測定精度
を下げるしか方法がない。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、シート状をなす測定対
象物の微小部分毎の厚さと質量とを効率良く測定し、従
来では測定が困難であった微小部分における密度むらを
高精度かつ迅速に算出し得る方法およびこの方法を実現
し得る装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
シート状をなす測定対象物の測定領域を所定面積の微小
単位に仮想分割するステップと、仮想分割された前記微
小単位における厚さを測定するステップと、仮想分割さ
れた前記微小単位における質量を測定するステップと、
測定された前記微小単位における厚さと質量とに基づい
てその密度を算出するステップと、算出された前記微小
単位の密度に基づいて前記測定領域の密度むらを求める
ステップとを具えたことを特徴とする密度むら測定方法
にある。
【0011】本発明によると、シート状をなす測定対象
物の測定領域を微小単位に仮想分割し、これら微小単位
の厚さと質量とを測定してそれらの密度を算出すること
により、シート状測定対象物の測定領域全体の密度むら
が求められる。
【0012】本発明の第1の形態による密度むら測定方
法において、前記微小単位における質量は、放射線質量
計によって測定することが好ましい。また、前記微小単
位における厚さは、前記測定対象物を挟んで対向する一
対の距離測定センサによって、これら距離測定センサか
ら前記微小単位の表面および裏面までの距離を非接触で
測定することによって算出することが好ましい。さら
に、前記微小単位は、印刷面の品質評価などを考慮する
と10mm2以下、特に2mm2以下であることが好ましい。
しかしながら、この微小単位の面積が小さいほど密度む
らの測定精度が高くなるものの、これに伴って測定時間
が長くなる上、測定器具もより高精度なものを使用する
必要が生ずるため、0.1mm2以上であることが有効であ
る。
【0013】なお、微小単位毎の厚さおよび質量の測定
データの取り扱いに関し、これら微小部分毎に個々の測
定データを得てもよいし、微小単位の中で複数の測定デ
ータを得て平均値を算出するようにしてもよい。また、
分割された微小単位毎のデータを同時に得る方法を用い
てもよい。
【0014】本発明の第2の形態は、シート状をなす測
定対象物を保持する保持手段と、この保持手段によって
保持された前記測定対象物の測定領域の厚さをその表面
に平行な第1の方向およびこの第1の方向と交差する第
2の方向に沿って仮想分割した所定面積の微小単位毎に
測定する厚さ測定器と、前記保持手段によって保持され
た前記測定対象物の質量を前記微小単位毎に測定する質
量測定器と、前記測定対象物と前記厚さ測定器および前
記質量測定器との前記第1および第2の方向に沿った相
対移動を制御する駆動制御手段と、前記厚さ測定器およ
び質量測定器による測定結果に基づいて前記測定対象物
の密度を前記微小単位毎に算出して前記測定対象物の前
記測定領域における密度むらを求める演算手段とを具え
たことを特徴とする密度むら測定装置にある。
【0015】本発明によると、測定対象物を保持する保
持手段と厚さ測定器および質量測定器とを駆動制御手段
によって第1および第2の方向に相対移動させ、測定対
象物の測定領域を第1および第2の方向に沿って仮想分
割した所定面積の微小単位毎に、その厚さおよび質量を
測定する。これらの測定データは演算手段に出力され、
演算手段にて微小単位毎の密度がそれぞれ算出され、そ
してシート状測定対象物の測定領域全体の密度むらが求
められる。
【0016】本発明の第2の形態による密度むら測定装
置において、前記演算手段が、前記厚さ測定器によって
前記測定対象物の厚さを微小単位毎に算出する厚さ演算
部と、前記質量測定器によって前記測定対象物の質量を
前記微小単位毎に算出する質量演算部と、この質量演算
部および前記厚さ演算部による演算結果に基づいて前記
測定対象物の密度を前記微小単位毎に算出する密度演算
部とを有するものであってもよい。また、前記厚さ測定
器として、前記保持手段によって保持された前記測定対
象物を挟んで対向し、この測定対象物の表面および裏面
までの距離を非接触で測定する一対の距離測定センサを
用いることが好ましい。さらに、レーザー光を利用する
レーザー距離計のように微小面積毎のデータが得られる
距離計を採用することが好ましい。また、前記質量測定
センサとして、放射線質量計を採用することが好まし
い。
【0017】なお、保持手段は、厚さ測定器用のものと
質量測定器用のものとを別々に設けるようにしてもよ
く、兼用させることも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明を新聞用紙の密度むらの測
定に応用した一実施形態について、図1〜図10を参照
しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形
態に限らず、この明細書の特許請求の範囲に記載された
本発明の概念に包含されるべき他の技術にも応用するこ
とができる。
【0019】本実施形態における密度むら測定装置の概
念を図1に示すが、本実施形態ではシート状をなす測定
対象物である新聞用紙(以下、これを試料と記述する)S
を保持するための本発明の保持手段として、厚さ測定器
1用のものと質量測定器2用のものとを別々に有してい
る。
【0020】最初に厚さ測定器1について説明する。す
なわち、テーブル11上には試料Sが載置される枠状の
ステージ12が設けられている。厚さ測定器用の保持手
段の一部を構成するステージ12は、テーブル11に対
して図1中、左右方向(以下、これを第1の方向と呼称
する)およびこれと直交する紙面、すなわち図1が描か
れた紙面に対して垂直な方向(以下、これを第2の方向
と呼称する)とに往復動可能に搭載されており、ステー
ジ駆動制御手段13によってその移動が制御される。こ
のステージ駆動制御手段13は、試料Sの厚さむらの測
定時において、ステージ12を第1および第2の方向に
それぞれ所定速度で駆動する一方、所定のサンプリング
周期で後述するレーザー距離計14,15による測定を
行うことにより、ステージ12に保持される試料Sの測
定領域(本実施形態では1辺が50mmの矩形領域に設定
している)は、所定面積、例えば1mm2の微小単位に仮
想分割された状態となり、これら微小単位毎の試料Sの
厚さを測定できようにしている。
【0021】試料Sは、ステージ12に対して所定の張
力を以てステージ12の移動方向と平行となるように保
持される。本実施形態では、ステージ12を炭素鋼など
の磁性体で形成し、このステージ12の表面と、当該ス
テージ12に対して磁力吸着し得る永久磁石17との間
で試料Sを挟持するようにしているが、磁力以外の方法
で試料Sをステージ12に張り渡すようにしてもよい。
【0022】本実施形態における厚さ測定器の保持手段
は、上述したステージ12および永久磁石17などで構
成される。
【0023】ステージ12に保持された試料Sの測定領
域を挟んで一対のレーザー距離計14,15が配置され
ている。試料Sの表面および裏面までの距離を微小単位
毎にそれぞれ測定するレーザー距離計14,15には、
試料Sの厚さを微小単位毎に算出する厚さ演算部18が
接続しており、これらレーザー距離計14,15からの
出力データが厚さ演算部18に出力される。
【0024】次に、質量測定器2としての放射線質量計
16について説明する。試料Sは、質量測定器2用の保
持手段を構成する二組のローラ、すなわち試料駆動ロー
ラ36およびピンチローラ37と、一対のテンションロ
ーラ38,39との間に挟持される。試料駆動ローラ3
6は、図示しない駆動源に接続しており、ピンチローラ
37は所定の押圧力で試料駆動ローラ36に当接し、試
料駆動ローラ36の回転に伴って連れ回りするようにな
っている。一対のテンションローラ38,39も相互に
所定の押圧力にて相互に当接し合い、試料駆動ローラ3
6による試料Sの移動に伴って摩擦力により連れ回り
し、試料Sを第1の方向(図1中、左右方向)に間欠移
動させる。また、第1の方向と直交する第2の方向に図
示しない駆動手段によって往復移動可能な一対のキャリ
ッジ35には、β線源31を収容した線源カプセル32
と、β線を検出するシンチレーション検出器33とが相
隔てて搭載されており、試料Sは、これらの間を貫通し
た状態で第1の方向に間欠移動する。
【0025】これら試料駆動ローラ36の間欠駆動およ
びキャリッジ35の測定領域を横断する移動が交互にな
されるように、試料駆動ローラ36およびキャリッジ3
5の駆動制御が駆動制御手段40によって行われる。す
なわち、駆動制御手段40は、試料Sの質量を測定する
際に試料Sを第1の方向に間欠移動し、キャリッジ35
を第2の方向に測定領域を横断するように移動させると
共に所定のサンプリング周期で線源カプセル32とシン
チレーション検出器33とにより試料Sの測定を行うこ
とにより、試料Sの測定領域(本実施形態では一辺が5
0mmの矩形領域)は、例えば1mm2の微小単位に仮想分
割された状態となり、これら微小単位毎の質量を測定す
ることができる。
【0026】また、試料Sの質量を微小単位毎に測定す
る放射線質量計16には、質量演算部19が接続してお
り、放射線質量計16からの出力データが質量演算部1
9に出力されるようになっている。
【0027】本実施形態では、レーザー距離計14,1
5として株式会社キーエンス製のレーザーフォーカス変
位計LT−8010(作動距離5mm、測定範囲±0.3m
m)およびLT−8110(作動距離28mm、測定範囲
±1.0mm)を用いている。なお、「動作距離5mm、測
定範囲±0.3mm」は、レーザー距離計14,15から試
料Sまでの距離が4.7〜5.3mmの範囲において測定が
可能であることを意味する。
【0028】本実施形態では、放射線質量計16として
フィンランド国AMBERTEC社製のβ線地合計(BETA FORMA
TION TESTER)を用いている。
【0029】本実施形態におけるレーザー距離計14,
15の原理を図2に示す。すなわち、このレーザー距離
計14,15は、試料Sに向けてレーザー光20を出射
する半導体レーザー21と、このレーザー光20を平行
光束にするコリメート光学系22と、このコリメート光
学系22によって平行光束に修正されたレーザー光20
を集光してビームスポット23を形成するための集光光
学系24と、この集光光学系24をその光軸に沿って周
期的に変位させることにより、集光光学系24の光軸に
沿ったビームスポット23の位置を連続的に変位させる
電磁石などによって駆動される音叉を用いた合焦駆動装
置25と、レーザー光20が試料Sの表面(または裏
面)上にビームスポット23を形成した時の集光光学系
24の位置(変位)を検出して厚さ演算部18にその変
位信号を出力する変位検出センサ26と、試料Sの表面
(または裏面)に照射されたビームスポット23からの
反射光を受光するための受光素子27と、半導体レーザ
ー21とコリメート光学系22との間の光路の途中に設
けられて試料Sの表面(または裏面)からの反射光を集
光光学系24およびコリメート光学系22を介して受光
素子27に導くハーフミラー28と、受光素子27の直
前に配置されるピンホールシャッタ29とを具え、半導
体レーザー21からコリメート光学系22までの光路長
と、コリメート光学系22から受光素子27までの光路
長とは等しく設定されている。
【0030】上述したように、合焦駆動装置25は、音
叉によって常に集光光学系24をその光軸に沿って図
中、上下方向に周期的に変位させており、変位検出セン
サ26はこの集光光学系24の変位位置を常に検出して
いる。
【0031】集光光学系24から試料Sの表面(または
裏面)までの距離が集光光学系24の焦点位置にある場
合、強い照度の反射光がピンホールシャッタ29のピン
ホール30を介して受光素子27に入射する。しかしな
がら、集光光学系24から試料Sの表面(または裏面)
までの距離が集光光学系24の焦点位置から外れると、
反射光の大部分がピンホールシャッタ29によって遮ら
れるため、受光素子27に入射する反射光の光量が極端
に低下する結果、受光素子27から受光信号が出力され
ず、集光光学系24から試料Sの表面(または裏面)ま
での距離が集光光学系24の焦点位置から外れているこ
とを判定することができる。変位検出センサ26は、受
光素子27から受光信号、すなわち受光量最大の信号が
出力されると、その出力により集光光学系24が試料S
の表面(または裏面)上にビームスポット23が合焦し
たと判断し、この時の集光光学系24の位置を検出して
これを厚さ演算部18に出力する。この集光光学系24
の変位により試料Sの表面(または裏面)から集光光学
系24までの距離を算出することができる。
【0032】レーザー距離計14,15は、試料Sの表
裏両面の凹凸状態を0.5mm間隔で測定するが、実際に
は試料Sが第1の方向または第2の方向に0.5mm移動
する間に128回の測定を行い、その平均値を0.5mm
間隔における測定値としている。
【0033】実際の測定に際し、本実施形態のようにレ
ーザー距離計14,15の試料Sをセットする側の測定
範囲が狭いような場合、あらかじめ厚さが正確にわかっ
ているシート状部材、例えば100μm の厚さのブロッ
クゲージなどをステージ12に取り付け、このブロック
ゲージを用いて一対のレーザー距離計14,15の集光
光学系24の基準位置を規定する零点調整を行い、この
基準位置に対する集光光学系24の位置の変位に基づい
て厚さ演算部18が試料Sの表裏両面までの距離を算出
する。すなわち、測定すべき試料Sに対する一方のレー
ザー距離計14の変位検出センサ26からの出力がその
基準位置に対して例えば+a(μm )、他方のレーザー
距離計15の変位検出センサ26からの出力がその基準
位置に対して例えば+b(μm )の場合、測定すべき試
料Sの厚さは、100+(+a)+(+b)となる。
【0034】一対のレーザー距離計14,15は、試料
Sの表裏両面までの距離を同時に測定するが、これらの
集光光学系24の光軸を一致させて試料Sの同一箇所を
表裏両面から同時に測定すると、光の透過がある紙のよ
うな薄い測定対象物の場合、一方の側のレーザー距離計
が他方の側のレーザー距離計によるビームスポット23
の影響を受けて測定誤差を生ずるおそれがあるため、本
実施形態ではこれら集光光学系24の光軸を例えば2mm
程度オフセットし、これらのビームスポット23が試料
Sの表裏両面の異なる位置に形成されるように配慮して
いる。このため、本実施形態では試料Sの表裏両面に位
置合わせ用のマーキングを施し、このマーキングを基準
として試料Sの表裏両面の測定データに関する位置合わ
せを行っている。
【0035】ステージ12、つまり試料Sの位置とレー
ザー距離計14,15による測定データとの同期をとる
ため、本実施形態では図示しないトリガー信号発生器を
用い、ステージ駆動制御手段13はステージ12が所定
量(例えば0.5mm)移動する毎にトリガー信号発生器
に信号を送り、この信号を受けたトリガー信号発生器が
トリガー信号をA/D変換器に送ってこれをデジタルデ
ータに変換した後、厚さ演算部18へ送信している。
【0036】本実施形態における放射線質量計16の原
理を図3に示す。すなわち、本実施形態における放射線
質量計16は、ベータ線を放射するベータ線源31と、
このベータ線源31を収容する線源カプセル32と、試
料Sの測定領域を挟んでこの線源カプセル32と対向
し、測定領域を透過したベータ線を計測するためのシン
チレーション検出器33とを具えており、本実施形態で
は微小単位の面積に合わせてベータ線の透過領域を設定
している。シンチレーション検出器33からの信号は、
質量演算部19に出力され、このシンチレーションをカ
ウントすることによってベータ線が透過した領域の試料
Sの質量が測定される。この場合、紙などのシート状を
なす測定対象物は、通常、いろいろな元素の化合物およ
び混合物で構成されているが、ベータ線はこれらの元素
の有無による影響をほとんど受けず、測定対象物の質量
にのみ対応した割合でこれを透過するため、試料Sの質
量を極めて高精度に測定することができる。
【0037】前記厚さ演算部18および質量演算部19
には、試料Sの密度を微小単位毎に算出する密度演算部
34が接続しており、厚さ演算部18にて算出された微
小単位毎の試料Sの厚さデータと、質量演算部19にて
算出された微小単位毎の試料Sの質量データとが密度演
算部34に出力されるようになっている。密度演算部3
4では、厚さ演算部18にて算出された微小単位毎の試
料Sの厚さデータと、質量演算部19にて算出された微
小単位毎の試料Sの質量データとから微小単位毎の試料
Sの密度を算出し、これを図示しないメモリに記憶して
試料Sの測定領域全体における密度むらを把握できるよ
うにしており、本実施形態ではこれら厚さ演算部18と
質量演算部19と密度演算部34とで本発明の演算手段
を構成している。
【0038】本実施形態のように、厚さ測定器1および
質量測定器2の保持手段を別々に設け、試料Sを再度セ
ットし直してその厚さおよび質量を別々に測定する場合
には、試料Sの測定領域の近傍にビニールテープなどの
目印を設け、対応する厚さ測定値と質量測定値との位置
合わせを行うことが好ましい。
【0039】このような本実施形態による密度むらの算
出手順を図4に示す。すなわち、S1のステップにて一
方のレーザー距離計14を用いて試料Sの表面側の凹凸
データを第1の方向および第2の方向共に0.5mm間隔
で採取し、同時にS2のステップにて他方のレーザー距
離計15により試料Sの裏面側の凹凸データを0.5mm
間隔で採取する。
【0040】そして、S3のステップにて試料Sの表裏
両面の凹凸データの位置合わせを行った後、S4のステ
ップにて試料Sの厚さむらのデータを0.5mm間隔で算
出し、さらにS5のステップにてこの厚さむらを1mm間
隔で平均化する。これによって得られた結果を図5のヒ
ストグラムおよび図6の3次元鳥瞰図に示す。
【0041】次に、S6のステップにて放射線質量計1
6により試料Sの質量を第1の方向および第2の方向共
に1mm間隔で測定するが、得られた結果の一例を坪量
(g/m2)に置き換えて図7のヒストグラムおよび図8の
3次元鳥瞰図に示す。そして、S7のステップにて厚さ
むらのデータと質量むらのデータとの位置合わせを行っ
た後、S7のステップにて質量むらのデータを厚さむら
のデータで除算して1mm間隔の試料Sの密度むらを算出
する。これによって得られた結果を図9のヒストグラム
および図10の3次元鳥瞰図に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明によると、シート状をなす測定対
象物の測定領域を所定面積の微小単位に仮想分割し、仮
想分割された微小単位における厚さおよび質量を厚さ測
定器および質量測定器で測定してその密度を算出し、算
出された微小単位の密度に基づいて測定領域の密度むら
を求めるようにしたので、シート状をなす測定対象物の
測定領域の密度むらを例えば10mm2以下の微小単位で
迅速かつ効率よく把握することができる。
【0043】また、質量測定器として放射線質量計を用
いると共に厚さ測定器としてレーザー距離計などの距離
センサを用い、微小単位の面積を例えば10mm2以下、
特に2mm2以下に設定した場合には、従来測定が不可能
であった高精度な密度むらの測定が可能である。すなわ
ち、従来の精密天秤とマイクロメーターとを用いた測定
では、測定単位を100mm2程度にしかできないが、本
発明では実施例に示すように測定単位を1mm2程度に設
定することが可能であり、100倍もの精度向上を実現
することができる。
【0044】さらに、このような高精度の密度むらの測
定が可能となることによって、印刷におけるインキ転移
不良やインキ光沢むらなど、従来では事前の評価が困難
であった評価項目も測定することができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密度むら測定装置の一実施形態の
概略構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示した実施形態における厚さ測定器の概
略構造を表す概念図である。
【図3】図1に示した実施形態における質量測定器の概
略構造を表す概念図である。
【図4】図1に示した実施形態における測定手順を表す
フローチャートである。
【図5】測定対象物が新聞用紙の場合における厚さの測
定結果を表すヒストグラムである。
【図6】図5に示した厚さ分布を三次元的に表す鳥瞰図
である。
【図7】測定対象物が新聞用紙の場合における質量(坪
量)の測定結果を表すヒストグラムである。
【図8】図7に示した質量分布を三次元的に表す鳥瞰図
である。
【図9】測定対象物が新聞用紙の場合における密度の測
定結果を表すヒストグラムである。
【図10】図9に示した密度分布を三次元的に表す鳥瞰
図である。
【符号の説明】
S 新聞用紙(試料) 1 厚さ測定器 2 質量測定器 11 テーブル 12 ステージ(保持手段) 13 ステージ駆動制御手段 14,15 レーザー距離計 16 放射線質量計 17 永久磁石(保持手段) 18 厚さ演算部 19 質量演算部 20 レーザー光 21 半導体レーザー 22 コリメート光学系 23 ビームスポット 24 集光光学系 25 合焦駆動装置 26 変位検出センサ 27 受光素子 28 ハーフミラー 29 ピンホールシャッタ 30 ピンホール 31 ベータ線源 32 線源カプセル 33 シンチレーション検出器 34 密度演算部 35 キャリッジ 36 試料駆動ローラ 37 ピンチローラ 38,39 テンションローラ 40 駆動制御手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状をなす測定対象物の測定領域を
    所定面積の微小単位に仮想分割するステップと、 仮想分割された前記微小単位における厚さを測定するス
    テップと、 仮想分割された前記微小単位における質量を測定するス
    テップと、 測定された前記微小単位における厚さと質量とに基づい
    てその密度を算出するステップと、 算出された前記微小単位の密度に基づいて前記測定領域
    の密度むらを求めるステップとを具えたことを特徴とす
    る密度むら測定方法。
  2. 【請求項2】 前記微小単位における質量が放射線質量
    計によって測定されることを特徴とする請求項1に記載
    の密度むら測定方法。
  3. 【請求項3】 前記微小単位における厚さは、前記測定
    対象物を挟んで対向する一対の距離測定センサから前記
    微小単位の表面および裏面までの距離を測定することに
    より算出されることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の密度むら測定方法。
  4. 【請求項4】 前記微小単位が10mm2以下であること
    を特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の密
    度むら測定方法。
  5. 【請求項5】 シート状をなす測定対象物を保持する保
    持手段と、 この保持手段によって保持された前記測定対象物の測定
    領域の厚さをその表面に平行な第1の方向およびこの第
    1の方向と交差する第2の方向に沿って仮想分割した所
    定面積の微小単位毎に測定する厚さ測定器と、 前記保持手段によって保持された前記測定対象物の質量
    を前記微小単位毎に測定する質量測定器と、 前記測定対象物と前記厚さ測定器および前記質量測定器
    との前記第1および第2の方向に沿った相対移動を制御
    する駆動制御手段と、 前記前記厚さ測定器および質量測定器による測定結果に
    基づいて前記測定対象物の密度を前記微小単位毎に算出
    して前記測定対象物の前記測定領域における密度むらを
    求める演算手段とを具えたことを特徴とする密度むら測
    定装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段は、前記厚さ測定器によっ
    て前記測定対象物の厚さを前記微小単位毎に算出する厚
    さ演算部と、前記質量測定器によって前記測定対象物の
    質量を前記微小単位毎に算出する質量演算部と、この質
    量演算部および前記厚さ演算部による演算結果に基づい
    て前記測定対象物の密度を前記微小単位毎に算出する密
    度演算部とを有することを特徴とする請求項5に記載の
    密度むら測定装置。
  7. 【請求項7】 前記厚さ測定器は、前記保持手段によっ
    て保持された前記測定対象物を挟んで対向し、この測定
    対象物の表面および裏面までの距離を測定する一対の距
    離測定センサを有することを特徴とする請求項5または
    請求項6に記載の密度むら測定装置。
  8. 【請求項8】 前記質量測定センサが放射線質量計であ
    ることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記
    載の密度むら測定装置。
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