JP2001081698A - 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 - Google Patents

偽造防止用紙及び偽造防止印刷物

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JP2001081698A JP25261299A JP25261299A JP2001081698A JP 2001081698 A JP2001081698 A JP 2001081698A JP 25261299 A JP25261299 A JP 25261299A JP 25261299 A JP25261299 A JP 25261299A JP 2001081698 A JP2001081698 A JP 2001081698A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙に紫外線を照射することで文字や図柄等
が蛍光発色して視認でき、かつ極めて偽造し難い偽造防
止用紙を開発すること。 【解決手段】 紙層が薄くなる箇所を部分的に設けるこ
とですき入れ部(W)を有する紙層(1)と、その他の
紙層(2)を抄き合わせてなる偽造防止用紙において、
紙層(1)には紫外線の照射により発色する蛍光発色粒
子(P)が実質的に含まれておらず、その他の紙層
(2)の内部若しくは表面に紫外線の照射により発色す
る蛍光発色粒子(P)が含まれていることを特徴とする
偽造防止用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止用紙及び
偽造防止印刷物に関する。さらに詳しくは、すき入れ部
を有する偽造防止用紙において、すき入れ部を有する紙
層側から紫外線を照射すると、すき入れ部が周辺より強
く蛍光発色することで、すき入れ文字や図柄を視認でき
るという特異な効果を有した偽造防止用紙及び偽造防止
印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線の照射で特定波長の可視光を発す
る(蛍光発色する)性質を有した粒子を用紙中に含ませ
た偽造防止用紙は種々知られている。この偽造防止用紙
は、例えばブラックライトのような紫外線を用紙に照射
して、用紙に含ませた蛍光発色粒子が可視光領域の特定
波長の光を発することで、用紙が偽造されたものである
か否かを判定できる特徴を有している。
【0003】粒子状の蛍光発色物質を用紙に抄き込んだ
偽造防止用紙については、従来種々の提案がなされてい
る。例えば、各国の紙幣(例えばドイツの紙幣)には紫
外線の照射で蛍光発色する繊維を混抄している。
【0004】また、本出願人が先に出願した実開平6−
6500号(実願平4−51094号)では、紫外線の
照射で蛍光発色する物質を紙に塗工し、それを粉砕した
蛍光発色粒子を紙に抄き込んだ偽造防止用紙が提案され
ている。
【0005】また、本出願人は、特願平10−2390
4号で、イオン性と耐熱性を有した特殊な澱粉粒子にイ
オン性のある蛍光染料を定着させ、この澱粉粒子を紙に
抄き込んだ偽造防止用紙を提案した。
【0006】さらに、本出願人は、特願平10−924
77号で、紫外線の照射により蛍光発色する水不溶性の
顔料を高速気流中衝撃法により自着性粒子表面にコーテ
ィングさせ、この粒子を紙に抄き込んだ偽造防止用紙を
提案した。
【0007】さらに、本出願人は、特願平11−142
329号で、紫外線の照射により蛍光発色する水不溶性
蛍光染料及び/または顔料と、澱粉、セルロース、その
他の多糖類、糖類等からなる粉状物質とを混合して造粒
した蛍光発色する粒子や、粉状物質の造粒物表面に蛍光
染料及び/または顔料をコーティングした蛍光発色する
粒子を紙に含ませた偽造防止用紙を提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術はい
ずれも、粒子状の蛍光発色物質を用紙中に全面に均一に
分布させたり、用紙の流れ方向に筋状若しくは帯状に分
布させた偽造防止用紙である。
【0009】一方、蛍光発色インキを用い、文字や図柄
等を用紙表面に印刷した偽造防止印刷物は広く知られて
いる。このタイプの偽造防止技術は、偽造を試みる者は
容易に見破ることができ、印刷技術という広範囲で用い
られている技術を採用しているので、偽造しやすい技術
と言える。
【0010】本発明は、このような背景でなされたもの
であって、用紙に紫外線を照射することで文字や図柄等
が蛍光発色して視認でき、かつ極めて偽造し難い偽造防
止用紙を開発することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、紙層が薄くなる箇所を部分的に設けることですき
入れ部(W)を有する紙層(1)と、その他の紙層
(2)を抄き合わせてなる偽造防止用紙において、紙層
(1)には紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子
(P)が実質的に含まれておらず、その他の紙層(2)
の内部若しくは表面に紫外線の照射により発色する蛍光
発色粒子(P)が含まれていることを特徴とする偽造防
止用紙である。
【0012】また本発明は、前記した偽造防止用紙の表
面に所定の印刷を施したことを特徴とする偽造防止印刷
物である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用紙を理解しや
すくするために、本発明の1例である2層抄合わせ紙か
らなる偽造防止用紙を用いた商品券の例を示す図1、部
分断面図である図4を参照して、本発明で得られる偽造
防止用紙の構成を説明しておく。すなわち図示した偽造
防止用紙は、紙層が薄くなる箇所を部分的に設けること
ですき入れ部Wを有する紙層1と、その他の紙層2の2
層から構成されており、紙層1には用紙の縦方向(抄紙
時の紙層の流れ方向)に間欠的にすき入れ部W(この例
ではA,Bという文字)が設けられている。
【0014】すき入れ部Wは従来公知の方法を用いて施
す。即ち、(a)円網抄紙機の円網シリンダーの上網
に、図柄や文字などの型を取り付けたり、(b)図柄形
に網の目を樹脂などで塗りつぶしたり、(c)網自体に
凹凸に図柄形を打ち出したり、した網をとりつけて抄紙
することで施す。上記(a)、(b)の方法では型の部
分の網目は塞がれており、紙料の通過が抑制される。そ
の結果その部分には紙層が形成されないか又は形成され
ても薄くなるために、すき入れが発現する。(c)の方
法は図柄を網の凹凸として打ち出し、網の目は塞がれて
いない。すき入れ図柄は網の凹凸の高さ、深さ、斜面の
角度などによる繊維の堆積の差により発現する。なお、
本発明の「紙層が薄くなる箇所を部分的に設ける」とい
う意味は、この部分に用紙を構成する紙料が全く存在し
ないか、或いは少量存在するかの何れかを意味するもの
とする。
【0015】2層以上の抄合わせ紙の製造には一般に多
槽式の円網抄紙機が使用されているが、本発明において
も同様に多槽式円網抄紙機が使用できる。図2は2層の
紙層の抄き合わせからなる本発明の偽造防止用紙を製造
するための2槽式円網抄紙機の例の模式図を示してお
り、図3は、3槽式の円網抄紙機の例の模式図を示して
いる。
【0016】本発明の偽造防止用紙を製造するための紙
料は、通常、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広
葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファ
イトパルプ(NBSP)等の木材パルプや、麻、綿、藁
を原料とした非木材パルプ等を適宜混合して叩解し、こ
れに填料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ
剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染
料、着色顔料、などを適宜添加し、通常フリーネス40
0〜250mlC.S.F.に調整する。
【0017】次に、本発明の偽造防止用紙の製造方法に
ついて説明する。前述したように図4に示す本発明の偽
造防止用紙の例では、図2に示した2槽式の円網抄紙機
を使用して製造する。第1槽目(枠先から遠い方の槽)
の円網シリンダーの上網には前記したような、すき入れ
を施すための上網が取り付けられており、第2槽目の円
網シリンダーの上網には何等細工を施さない上網が取り
付けられている。
【0018】第1槽目で使用する紙料には、前述したよ
うな方法で調製した紙料を使用するが、この紙料中には
紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子Pが実質的に
含まれていないことが必要である。ここで、実質的とは
本発明の目的を阻害しない範囲の少量であるならば蛍光
発色粒子が含まれていてもよいことを意味する。
【0019】第2槽目で使用する紙料には、前述したよ
うな方法で調製した紙料を使用するが、この紙料中には
紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子Pを添加す
る。あるいは、第1槽で使用する紙料と同一の紙料を使
用し、第2槽へ流送する途中で紙料中に蛍光発色粒子P
を連続添加してもよい。
【0020】かくして、常法に従い2層抄き合わせ紙を
製造すると、第1槽目の円網シリンダーで抄紙された紙
層1にはすき入れ部Wが形成され、第2槽目の円網シリ
ンダーで抄紙された紙層2にはすき入れ部は有していな
いが、紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子Pが均
一に含まれる。なお、図中紙層1と紙層2は離れて図示
してあるが、これは説明を判りやすくするためのもので
あって、実際の用紙では、この2つの紙層は抄き合わさ
れ互いに強固に接着している。
【0021】なお、この例の偽造防止用紙は、第2槽目
の円網シリンダーの上網には前記したような、すき入れ
を施すための上網が取り付け、第1槽目の円網シリンダ
ーの上網には何等細工を施さない上網が取り付けた2槽
式の円網抄紙機でも製造できる。この場合は各槽で使用
する紙料は前記した例と反対とする。
【0022】このようにして得られた図4に示す偽造防
止用紙において、すき入れが部Wを有する紙層1側から
ブラックライトなどの紫外線を照射すると、すき入れ部
では直接紫外線が当たるので、紙層2中の蛍光発色粒子
の発光強度が、すき入れが施されていない箇所の発光強
度より強くなる。従って、すき入れ部が文字や図柄に蛍
光発色して見える。なお、反対の面から紫外線を照射し
ても蛍光発色する粒子が全体に分布して見えるだけであ
り、すき入れ部を視認することができない。なお、この
用紙を通常の照明下で光にかざして見ると、通常のすき
入れの効果は失われておらず、すき入れ部が周囲より明
るい文字や図柄などに見える。
【0023】本発明で使用する紫外線の照射により発色
する蛍光発色粒子Pは、水溶性若しくは有機溶剤可溶性
の蛍光染料粒子、有機若しくは無機の蛍光顔料粒子、蛍
光染料や蛍光顔料を練り込み法、コーティング法、染着
法等で各種繊維に含ませた繊維、前記した実開平6−6
500号で提案したような、紫外線の照射で蛍光発色す
る物質を紙に塗工し、それを粉砕した蛍光発色粒子、特
願平10−23904号で提案したような、イオン性と
耐熱性を有した特殊な澱粉粒子にイオン性のある蛍光染
料を定着させた粒子、特願平10−92477号で提案
したような、紫外線の照射により蛍光発色する水不溶性
の顔料を高速気流中衝撃法により自着性粒子表面にコー
ティングさせた粒子、特願平11−142329号で提
案したような、紫外線の照射により蛍光発色する水不溶
性蛍光染料及び/または顔料と、澱粉、セルロース、そ
の他の多糖類、糖類等からなる粉状物質とを混合して造
粒した蛍光発色する粒子や、粉状物質の造粒物表面に蛍
光染料及び/または顔料をコーティングした蛍光発色す
る粒子、等々の周知の粒子を使用できる。
【0024】本発明で得られる偽造防止用紙は、通常坪
量70〜150g/m2 で製造される。本発明の偽造防
止用紙を製造するに際して、抄紙途上で紙面に澱粉、ポ
リビニルアルコール、各種表面サイズ等をサイズプレス
装置等で塗工することも可能である。さらに必要に応
じ、マシンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を
施し、表面平滑性を向上させることも適宜行われる。
【0025】なお、本発明の偽造防止用紙は、上記した
実施の形態の他に、以下に説明する実施形態を採用する
ことができる。
【0026】図2で示した2槽式の円網抄紙機を使用し
て、図4に示す偽造防止用紙を製造する際に、1槽目と
2槽目の間でスレッドTを挿入することで図5に示す偽
造防止用紙を製造することもできる。スレッドの挿入
は、種々提案されている周知の方法で行えばよい。この
構造の偽造防止用紙は、用紙表面に間欠的に設けられた
すき入れ部W(窓開き部)にスレッドTが露出するとい
う高度な偽造防止効果と共に、該すき入れ部Wに紫外線
を照射すると、すき入れ部が周囲より強く蛍光発色する
ので、一段と偽造防止効果を高まる。
【0027】また、2槽式の円網抄紙機を使用して図6
に示す偽造防止用紙を製造できる。この例では、蛍光発
色粒子Pは紙層2の表面に用紙の流れ方向に筋状若しく
は帯状に分布している。この例では、紙層1と紙層2の
紙料配合は同一として2層抄き合わせ紙を製造する際
に、2層が抄き合わされる直前で蛍光発色粒子Pを空気
流に乗せて紙層1の裏面に吹き付けることで、紙層1と
紙層2の間に筋状若しくは帯状に分布させる。
【0028】本発明において、紫外線の照射により発色
する蛍光発色粒子Pを上述したように、筋状若しくは帯
状に分布させる場合には、この筋状若しくは帯状に分布
する紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子が、紫外
線を照射した時にすき入れ部(W)から視認できること
が好ましい。このような構成にすることで、すき入れ部
を有する紙層1側からブラックライトなどの紫外線を照
射すると、すき入れWを有する箇所を通して蛍光発色粒
子が含まれる紙層2中の蛍光発色粒子の発光強度が、す
き入れ部を有しない箇所の発光強度より強くなるので、
すき入れ部が文字や図柄に蛍光発色して見える。反対面
に紫外線を照射すると筋状若しくは帯状に蛍光発色粒子
が発光して見えるのみである。このような特徴を有して
いるので一段と偽造防止効果を高めることができる。。
【0029】また、図7で示した偽造防止用紙の例は、
3層抄合わせ構造で、中間層に紫外線の照射により発色
する蛍光発色粒子Pを混抄している。この例では、3槽
式の円網抄紙機を使用し、第1槽目の円網シリンダーの
上網には前記したような、すき入れを施すための上網が
取り付け、第2槽目と第3槽目の円網シリンダーの上網
には何等細工を施さない上網が取り付ける。第1槽目と
第3槽目で使用する紙料には蛍光発色粒子は実質的に使
用せず、第2槽目で使用する紙料には添加する。
【0030】また、図8で示した偽造防止用紙の例は、
3層抄き合わせ構造で、すき入れ部を有する紙層1が中
間層に位置し、それ以外の層2aと2bが外層に位置す
る。この例では紙層2bに蛍光発色粒子Pが含まれてい
る。
【0031】また、図9で示した偽造防止用紙の例は、
3層抄き合わせ構造で、すき入れ部を有する紙層1が外
層に位置し、それ以外の層2aと2bが抄き合わされて
いる。この例では、紙層2bの表面の全面に蛍光発色粒
子Pが分布している。
【0032】また、図10で示した偽造防止用紙の例
は、3層抄き合わせ構造で、すき入れ部Wを有する紙層
1aと1bが、その他の紙層2を中間層として抄き合わ
されている。この構造の偽造防止用紙は、1aと1bの
すき入れ部Wのデザインを変えておくと、紫外線を照射
したときに、用紙の表裏でそれぞれ異なったデザインの
文字や図柄が蛍光発色して視認できるという特異な効果
を得ることができる。
【0033】以上、本発明の偽造防止用紙の構造につい
て種々の例を挙げて説明したが、これ以外の構造、例え
ば4層抄き合わせ紙でも本発明の目的を達成できれば本
発明の範疇に入ることは言うまでもない。
【0034】本発明では、紙層1の紫外線吸収能力は、
その他の紙層2より大きいことが好ましい。例えば紙層
1の表面にジカルボン酸とポリアミン縮合物をスプレー
したり、紙層1を構成する紙料中に二酸化チタン等の紫
外線吸収能力に優れた物質を含ませると、すき入れ部に
紫外線を照射した場合に、紙層1が紫外線を吸収し、す
き入れ部は紫外線を吸収しないので、すき入れ部が周囲
より一段と強く蛍光発色するようになり、偽造防止効果
がより高まる。
【0035】紫外線吸収能力に優れた物質としては、二
酸化チタンが取り扱いの容易さで好ましく使用される。
二酸化チタンは通常紙の不透明度を向上する目的で使用
される。本発明では、通常紙料に対して(乾燥換算)2
〜10重量%添加する。
【0036】
【実施例】以下実施例を述べるが、重量%や重量部はい
ずれも乾燥換算の値を意味する。蛍光発色粒子の製造例1 (普通光のもとでは無色であり、紫外線の照射で青白色
に発色する蛍光発色粒子の製造例)LBKP100重量
部を離解したスラリーに、スチルベン系の蛍光染料
(C.I.FB−86)を対パルプ0、5%重量部添加
し、液体硫酸アルミニュウムを適量添加した。得られた
蛍光発色粒子は、長さ1.0mm前後の短繊維状で、普
通光のもとでは無色であるが、紫外線の照射(ブラック
ライトの照射)で青白色に発色した。
【0037】蛍光発色粒子の製造例2 (普通光のもとでは無色であり、紫外線の照射で緑色に
発色する蛍光発色粒子の製造例)コーンスターチ100
重量部と二酸化チタン[白色顔料]15重量部に、水3
0重量部にアルギン酸ソーダ[アニオン性バインダー]
1重量部およびヒドロキシプロピルセルロース[一般的
バインダー]1重量部を溶かした糊液、およびポリオキ
シエチレンステアリルエーテル[潤滑剤]1重量部を添
加し、10分間混合撹拌した。この混合物を押出造粒機
(「ドームグラン」)にて直径500μmの円柱状の造
粒物を押出し造粒した。この造粒物を整粒機(「マルメ
ライザー」)にてL/D=3以下の球形乃至繭形に整粒
し、その後乾燥を行った。この造粒物を上記の整粒機に
投入して転動させながら、5重量%の塩化カルシウム溶
液[カチオン性物質]25重量部に蛍光顔料(Mn活性
化Zn2GeO2粒子、平均粒径3.0μm)15重量
部を分散したコーティング液をスプレーコーティング
し、その後乾燥を行なった。得られた蛍光発色粒子は、
直径500μm長さ500〜1500μmの球形乃至繭
形で不透明性に優れており、普通光のもとでは無色であ
るが、紫外線の照射(ブラックライトの照射)で緑色に
発色した。
【0038】紙料の調製 NBKP20重量部,LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。
【0039】抄紙網の製造例1 短辺10mm、長辺25mm、厚み0.3mmの樹脂板
を多数用意し、円網抄紙機の円網シリンダー上網(幅1
300mm)に接着剤を使用して紙層の流れ方向に対し
て5mm間隔で連続的に貼りつけた。この列を上網の幅
方向に等間隔に6列取り付けた。
【0040】抄紙網の製造例2 「SAFETY」の文字より成り、各文字が、縦方向1
5mm、横方向15mm、幅3mm、文字と文字の間隔
5mmよりなっている厚み0.3mmの文字板を多数用
意し、円網抄紙機の円網シリンダー上網(幅1300m
m)に接着剤を使用して紙層の流れ方向に対して10c
m間隔で連続的に貼りつけた。この列を上網の幅方向に
等間隔に6列取り付けた。
【0041】実施例1 図2に示したような2槽式円網抄紙機の1槽目の円網シ
リンダーには何等細工を施さない上網を装着し、2槽目
の円網シリンダーには上記抄紙網の製造例1で述べた型
を取り付けた上網を装着した。1槽目で形成した紙層の
上に2槽目で形成した紙層が重なるようにして、1槽目
の紙料には前記紙料を用い、2槽目の紙料には製造例1
の蛍光発色粒子を5重量%添加して、抄紙速度50m/
分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1層目(乾
燥重量に換算して50g/m2 )と第2層目(同50g
/m2 )の間に厚み15μm、幅1.0mmの金銀糸用
のスレッドを特公平5−40080号で提案した方法を
用いて型の中央に相当する位置に挿入した。次いで常法
に従い湿紙を脱水後、シリンダードライヤーで乾燥し、
2層抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を製造した。
【0042】得られた偽造防止用紙は、用紙の縦方向に
おける窓開き部の長さが10mm、非窓開き部の長さが
5mmであり、窓開き部1内部ではスレッドが露出し、
非窓開き部ではスレッドが紙層の間に埋設された状態と
なっていた。また、すき入れ部を有する側から紫外線を
照射(市販のブラックライトを使用)すると、四角の窓
部(すき入れ部)に青白色に発色する蛍光発色粒子が強
く発光して見えた。また、反対側から紫外線を照射する
と、全体に青白色に発色する蛍光発色粒子が見えるだけ
であった。
【0043】実施例2 図3に示したような3槽式円網抄紙機の1槽目の円網シ
リンダーには上記抄紙網の製造例2で述べた型を取り付
けた上網を装着した。2槽目と3槽目の円網シリンダー
には何等細工を施さない上網を装着した。1槽目で形成
した紙層の上に2槽目で形成した紙層が、2槽目で形成
した紙層の上に3槽目で形成した紙層が重なるようにし
て3層抄き合わせ紙を製造した。1〜3槽目の紙料には
前記した紙料を用い、2槽目と3槽目の間で製造例2の
蛍光発色粒子を吹きつけ装置を使用してすき入れ文字と
同調する位置で幅130mmの帯状に吹き付けた。次い
で常法に従い湿紙を脱水後、シリンダードライヤーで乾
燥し、3層抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を製造し
た。
【0044】得られた偽造防止用紙は、光にかざすと用
紙の横方向に「SAFETY」の文字が白くみえ、ま
た、すき入れ部を有する側から紫外線を照射(市販のブ
ラックライトを使用)すると、緑色に発色する蛍光発色
粒子からなる「SAFETY」の文字が緑色に発光して
見えた。また、反対側から紫外線を照射すると、帯状に
緑色に発色する蛍光発色粒子が見えるだけであった。
【0045】以上述べた本発明の偽造防止用紙の表面
に、図1で例示したような印刷を常法に従って施して偽
造防止印刷物を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】上述したごとき本発明によれば、次のよ
うな効果が奏せられる。 1)本発明の偽造防止用紙は、蛍光灯等の通常の照明下
で光にかざすことで従来と同様なすき入れ部を視認でき
るので、それだけで高度な偽造防止効果を有する。
【0047】2)蛍光インキを使用して文字や図柄を印
刷した偽造防止印刷物は、印刷物の反対面から紫外線を
照射すると、当然のことであるが蛍光インキで印刷した
箇所は逆像として文字や図柄が発光して見える。
【0048】3)すき入れ部を用紙の片面に設けた構造
の本発明の偽造防止用紙は、すき入れ部側から紫外線を
照射すると、周辺より強く蛍光発色した正像のすき入れ
文字やすき入れ図柄を視認することができる。これに対
して、反対側から紫外線を照射しても蛍光発色粒子が発
光して見えるだけであり、上記したように、蛍光インキ
を使用した偽造防止印刷物のように逆像となったすき入
れ部が見えることはない。
【0049】4)すき入れ部を用紙の両面に設けた構造
の本発明の偽造防止用紙は、表または裏面から紫外線を
照射すると、周辺より強く蛍光発色した正像のすき入れ
文字やすき入れ図柄をいずれも視認することができる。
これに対して、反対側から紫外線を照射しても蛍光発色
粒子が発光して見えるだけであり、上記したように、蛍
光インキを使用した偽造防止印刷物のように逆像となっ
たすき入れ部が見えることはない。
【0050】5)本発明の偽造防止用紙に所定の印刷を
施すことにより偽造防止印刷物を得ることができ、例え
ば、商品券、株券、紙幣、身分証明書、各種チケット
類、パスポート等、偽造防止を要求される分野に有効に
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例である2層抄合わせ紙からなる
偽造防止用紙を用いた商品券の例を示す図である。
【図2】 2層の紙層の抄き合わせからなる本発明の偽
造防止用紙を製造するための2槽式円網抄紙機の例の模
式図である。
【図3】 3層の紙層の抄き合わせからなる本発明の偽
造防止用紙を製造するための3槽式円網抄紙機の例の模
式図である。
【図4】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図5】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図6】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図7】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図8】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図9】 本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【図10】本発明の偽造防止用紙の一例の部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 紙層が薄くなる箇所を部分的に設けることですき入
れ部(W)を有する紙層である。 2 その他の紙層である。 W すき入れ部である。 P 紫外線の照射により発色する蛍光発色粒子である。 T スレッドである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙層が薄くなる箇所を部分的に設けるこ
    とですき入れ部(W)を有する紙層(1)と、その他の
    紙層(2)を抄き合わせてなる偽造防止用紙において、
    紙層(1)には紫外線の照射により発色する蛍光発色粒
    子(P)が実質的に含まれておらず、その他の紙層
    (2)の内部若しくは表面に紫外線の照射により発色す
    る蛍光発色粒子(P)が含まれていることを特徴とする
    偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 紙層(1)が最外紙層であり、最外紙層
    と接するその他の紙層(2)との間にスレッドが挿入さ
    れており、すき入れ部(W)にスレッド(T)が露出し
    ていることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】 紫外線の照射により発色する蛍光発色粒
    子(P)が用紙の流れ方向に筋状若しくは帯状に分布し
    ており、この筋状若しくは帯状に分布する紫外線の照射
    により発色する蛍光発色粒子が、紫外線を照射した時に
    すき入れ部(W)から視認できることを特徴とする請求
    項1または2のいずれか1項に記載の偽造防止用紙。
  4. 【請求項4】 紙層(1)の紫外線吸収能力がその他の
    紙層(2)より大きいことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の偽造防止用紙。
  5. 【請求項5】 紙層(1)が二酸化チタンが添加されて
    いる紙層であることを特徴とする請求項4記載の偽造防
    止用紙。
  6. 【請求項6】 3層以上の抄き合わせ紙で、紙層(1)
    が表裏層であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか1項記載の偽造防止用紙。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の偽造防止用紙の表面に
    所定の印刷を施したことを特徴とする偽造防止印刷物。
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