JP2001081592A - 電解金属箔の製造方法及び電解金属箔製造装置 - Google Patents
電解金属箔の製造方法及び電解金属箔製造装置Info
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Abstract
るだけで、金属箔を生産性よく製造することができる電
解金属箔の製造方法とこの電解金属箔の製造に好適に使
用できる電解金属箔製造装置を提供する。 【解決手段】 回転する陰極ドラムと、これに対向する
断面円弧状の陽極とからなる電解金属箔製造装置の陰極
ドラム及び陽極に囲まれた間隙に電解液を供給し、陰極
ドラムと陽極の間に直流電流を通電して陰極ドラム表面
に金属箔を析出させる電解金属箔の製造方法において、
断面円弧状の陽極として円弧の大きさが円周の1/2よ
り大きいものを用いる。回転する陰極ドラムと、これに
対向する断面円弧状の陽極とからなる電解金属箔製造装
置において、断面円弧状の陽極が断面半円弧状の下部陽
極と、半円弧の両端に沿ってパッキング部材を介して下
部陽極に密接された2つの断面劣弧状の上部陽極とから
なり、前記陰極ドラムが上方に着脱できるように断面劣
弧状の上部陽極が開閉可能となっている電解金属箔製造
装置。
Description
方法及びこれに用いられる電解金属箔製造装置に関し、
より詳しくは、生産性に優れ、高品質の金属箔を連続的
に製造することができる電解金属箔の製造方法及びこれ
に用いられる電解金属箔製造装置に関する。
鉄など又はこれらを含む合金箔を製造するにあたって
は、一般に圧延法、電解法が知られている。圧延法は、
複数の加圧ロールを用いて金属塊を順次延伸し、所定の
厚さの金属箔を得るものである。
装置が使用され、薄い金属箔を連続的にしかも、比較的
安価に製造することができる。特にプリント配線板用電
解銅箔を製造するために広く使用されている。
断面説明図である。この装置は、定速回転する陰極ドラ
ム1と、断面半円弧状の下部陽極2とからなっている。
この陰極ドラム1及び下部陽極2に囲まれた間隙6に、
目的とする金属箔4を得るための金属イオンを含む電解
液を電解液供給管3から所定量送液しながら両極間に直
流を通電すると、陰極ドラム1の表面に金属が電着す
る。この電着した金属箔4を剥がし、金属箔巻取ロール
5に連続的に巻き取ることにより電解金属箔が得られ
る。この装置を用いた電解金属箔の製造においては、目
的とする金属箔の種類に応じて電解液組成、必要に応じ
て加えられる添加剤、液温、陰極材、陽極材、ドラム周
速などを適宜選択し、所要の厚さの金属箔を製造する。
いて金属箔の生産性を高めるには、通電電流を増大させ
ることが考えられる。これにより同一厚さの金属箔を得
る場合、通電電流の増大に見合った分、金属析出量も増
え、陰極ドラムの周速を上げることができ、単位時間あ
たりの生産量を容易に増大させることができる。
題点がある。すなわち、陰陽極の面積を変えないで電流
を増大させるのであるから、当然、通電電流増大分が陰
陽極電流密度の増大となり、金属箔の品質にも変動を与
え、品質の悪化をもたらすことがある。例えば、電解銅
箔の場合、適正な電流密度の範囲を超えると、銅箔面に
縞模様の筋が発生する。これは一般に過度な電流による
「ヤケ」と呼ばれる現象である。また、表面あらさの不
均一、厚さの不適合などの不良が発生する。
成、電解液濃度、電解液温度、電解液流速(送液量)な
どの基本的な製造条件を変更し、良品を得るための適正
な条件を確立することが必要となる。これらの製造条件
変更による適正条件の確立には、多大な時間が消費され
る。加えて、陰陽極電流密度の増大は、陰陽極材料の消
耗度合いを高めるなどの支障となり、陰極ドラム、陽極
などの保守点検、その交換頻度が多くなり、作業工数が
増え生産性が悪化することにもなる。
設置のためのスペースが必要となるほか、新規装置及び
これに付帯する設備への負担が増大する支障も生じるこ
とになる。
から使用されている装置を小幅に改良するだけで、金属
箔を生産性よく製造することができる電解金属箔の製造
方法を提供することにある。
製造に好適に使用できる電解金属箔製造装置を提供する
ことにある。
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、新規な構造
の陽極を採用することにより、陽極を小幅に改良するだ
けで他の製造条件を大幅に変更しなくても、生産性よく
電解金属箔を製造できることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
ムと、これに対向する断面円弧状の陽極とからなる電解
金属箔製造装置の陰極ドラム及び陽極に囲まれた間隙に
電解液を供給し、陰極ドラムと陽極の間に直流電流を通
電して陰極ドラム表面に金属箔を析出させる電解金属箔
の製造方法において、断面円弧状の陽極として円弧の大
きさが円周の1/2より大きいものを用いることを特徴
とする電解金属箔の製造方法を提供するものである。
れに対向する断面円弧状の陽極とからなる電解金属箔製
造装置において、断面円弧状の陽極が断面半円弧状の下
部陽極と、半円弧の両端に沿ってパッキング部材を介し
て下部陽極に密接された2つの断面劣弧状の上部陽極と
からなり、前記陰極ドラムが上方に着脱できるように断
面劣弧状の上部陽極が開閉可能となっていることを特徴
とする電解金属箔製造装置を提供するものである。
例を図1に基づいて説明する。陰極ドラム1はドラム形
状の陰極であり、回転軸7を軸に回転し、ドラムの外周
表面に金属を電着させる。陰極の材質としては、例え
ば、チタン、ステンレスなどが用いられる。陰極ドラム
1の下半分の外周面に対向させて、断面半円弧状の下部
陽極2が設けられている。下部陽極2には、その断面半
円弧状の両端に沿って、劣弧状の2つの上部陽極10が
パッキング部材9を介して密接されており、陰極ドラム
1の外周面と下部陽極2と2つの上部陽極10とからな
る断面円弧状の陽極との間には、一定の幅の間隙6が設
けられている。この間隙の幅は通常1〜10mmであ
る。陽極の材質としては、例えば、鉛、鉛合金、白金族
系酸化物などが用いられる。下部陽極2と上部陽極10
は図1においては蝶番11により両端部が接続され、上
部陽極10は開閉可能となっており、後記する陽極開閉
手段8の作動に伴って、外側に開いたり、閉じたりする
ことができ、陰極ドラム1を上方に着脱できるようにな
っている。
るパッキング部材9としては、絶縁性、耐食性を有する
部材、例えば、厚さ2〜10mmのBR(ブタジエンゴ
ム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ア
クリロニトリルブタジエンゴム)などの弾性部材が好ま
しく用いられる。このパッキング部材9は、電解液供給
口3から電解液が送液され、間隙6を満たし通過して上
方へ溢流する際、下部陽極2と上部陽極10間に密着性
を与え、電解液の漏洩が防止される。
極10を開閉するための陽極開閉手段8の一端が取り付
けられている。他の一端は本装置に近接して独立する支
柱(図示せず)に固着されている。この陽極開閉手段8
は、主に陰極ドラム1を必要時、例えばドラムを交換す
る際などに上部陽極10を開閉させて陰極ドラム1を着
脱できるようにするためのものであり、更には、下部陽
極2にはさみ込まれるように配設された電解液供給管3
を構成する配管部材などを交換する場合、又はこれらの
保守点検時に上部陽極10を開閉させるためのものであ
る。この陽極開閉手段8は伸縮自在な機構を有するエア
シリンダ、油圧シリンダなどによって可動させるもので
あり、少なくともその一端を上部陽極10の両端部に取
付けることが好ましい。
弧状の陽極として円弧の大きさが円周の1/2以上、好
ましくは円周の70〜90%のものを用いているので、
金属箔の性能面、外観面などの品質を同等に維持しなが
ら通電電流を増大させることが可能となり、電流増に見
合った生産量を得ることができる。
るように陰極ドラム1に対向して下部陽極2と、陽極開
閉手段8を取付けた上部陽極10を設けてあるので、図
2に示される従来の下方略半分の位置に陰極ドラム1と
対向した下方略半分に設けた半円弧状の下部陽極2から
なる電解金属箔製造装置に比べて、陰極ドラムの1の外
周面の面積に対して好ましくは40〜80%、陽極の面
積を増大させることができる。これにより金属箔の性能
面、外観面などの品質を同等に維持しながら通電電流を
増大させることが可能となり、電流増に見合った生産量
を得ることができる。例えば、図2に示される従来のも
のに比べて本発明の装置を使用することにより2倍弱の
生産量を確保することができる。
及び上部陽極を更に分割又は形状変更するなどを行い、
各陽極ごとに電流密度を変えて、通電することも可能で
あり、各種用途に適合する金属箔を容易に得ることもで
きる。
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
する直径1mのチタン製陰極ドラム1と対向させて、酸
化イリジウム被覆チタン基材からなる断面半円弧状の下
部陽極2及び2つの断面劣弧状の上部陽極10からなる
断面円弧状の陽極を設けた。下部陽極2と上部陽極3の
端部間には、厚さ2mmのNBRゴム材からなる絶縁性
のパッキング部材9を敷設介在させた。前記する下部陽
極2と上部陽極10の接合部には、それぞれ蝶番9を取
付けるとともに、前記上部陽極10の外側の面の両端部
に上部陽極開閉手段8として、伸縮自在なエアシリンダ
の一端を取付け、他の一端は本装置外に立設した支柱
(図示せず)に固着した。
上部陽極10からなる断面円弧状の陽極の円弧の大きさ
を円周の75%になるようにし、陽極面積が下部陽極2
及び上部陽極10を合わせて、陰極ドラム1の外周面面
積に対して75%となるようにした。また、陰極ドラム
1と下部陽極2及び上部陽極10との間隙6は5mmと
した。
に示すように上部陽極10が陽極開閉手段8によって必
要時に開閉させることが可能であり、例えば陰極ドラム
1の保守点検時、本装置上方に設けたクレーン(図示せ
ず)によって上部陽極10を開口状態にさせて着脱させ
ることができる。このとき、エアシリンダによって上部
陽極10が外側に開口角度30°になるように設定し
た。
から電解液を間隙6に満たして両極(2,10及び1)
に通電し、金属箔を得るにあたり、硫酸酸性硫酸銅溶液
を電解液として、下記に示す条件を適用して厚さ18μ
mの電解銅箔を製造した。 電解液組成 硫酸銅五水和物・・300g/リットル 硫酸・・100g/リットル にかわ・・3mg/リットル 電解条件 電流密度(上部・下部陽極)・・80A/dm2 電解液温度・・50℃ 電解液送液量・・120リットル/分 通電電流・・26,400A 得られた銅箔の特性等を表1に示した。
陽極2の面積が陰極ドラム1外周面の面積に対して50
%であったこと、電流密度が実施例1と同様になるよう
に通電電流が17,600Aであったこと以外は実施例
1と同様の条件を適用して電解銅箔を連続製造した。得
られた電解銅箔の特性を表1に示した。
電流を実施例1と同様にし、電流密度が120A/dm
2であったこと以外は実施例1と同様の条件を適用して
電解銅箔を連続製造した。得られた電解銅箔の特性を表
1に示した。
JIS C 6515に準拠して測定した。外観は目視
により判定した。
あり、比較例1に基づいて適正電流密度の範囲の中で通
電電流を増大させると、比較例1(従来例)の生産量比
率を100%にした場合、150%に向上した。また、
銅箔特性の品質も実用上プリント配線板用として良好で
あった。
と同様に向上するものの電流密度の増大により、銅箔面
に筋状の縞模様(ヤケ)が発生し、外観不良が多発し、
銅箔特性の悪化も著しく、品質の低下が認められた。
箔を生産性よく製造することができる。また、本発明の
装置は省スペースで本発明の製造方法に好適に用いられ
る。
図。
概略断面説明図。
Claims (4)
- 【請求項1】 回転する陰極ドラムと、これに対向する
断面円弧状の陽極とからなる電解金属箔製造装置の陰極
ドラム及び陽極に囲まれた間隙に電解液を供給し、陰極
ドラムと陽極の間に直流電流を通電して陰極ドラム表面
に金属箔を析出させる電解金属箔の製造方法において、
断面円弧状の陽極として円弧の大きさが円周の1/2よ
り大きいものを用いることを特徴とする電解金属箔の製
造方法。 - 【請求項2】 断面円弧状の陽極として円弧の大きさ
が円周の70〜90%のものを用いる請求項1記載の電
解金属箔の製造方法。 - 【請求項3】 電解金属箔製造装置が電解銅箔製造装置
であり、電解金属箔が電解銅箔である請求項1記載の電
解金属箔の製造方法。 - 【請求項4】 回転する陰極ドラムと、これに対向する
断面円弧状の陽極とからなる電解金属箔製造装置におい
て、断面円弧状の陽極が断面半円弧状の下部陽極と、半
円弧の両端に沿ってパッキング部材を介して下部陽極に
密接された2つの断面劣弧状の上部陽極とからなり、前
記陰極ドラムが上方に着脱できるように断面劣弧状の上
部陽極が開閉可能となっていることを特徴とする電解金
属箔製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26026599A JP4246327B2 (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | 電解金属箔の製造方法及び電解金属箔製造装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP4246327B2 JP4246327B2 (ja) | 2009-04-02 |
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ID=17345660
Family Applications (1)
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JP26026599A Expired - Fee Related JP4246327B2 (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | 電解金属箔の製造方法及び電解金属箔製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4246327B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012107266A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 電解銅箔の製造方法及び製造装置 |
US9133561B2 (en) | 2010-09-30 | 2015-09-15 | Think Laboratory Co., Ltd. | Cylinder plating method and device |
KR101724690B1 (ko) * | 2016-09-20 | 2017-04-10 | 서울대학교 산학협력단 | 양극산화를 통한 철-니켈 기반 물분해 촉매전극 제조방법 및 이에 따라 제조된 물 분해 촉매전극 |
-
1999
- 1999-09-14 JP JP26026599A patent/JP4246327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9133561B2 (en) | 2010-09-30 | 2015-09-15 | Think Laboratory Co., Ltd. | Cylinder plating method and device |
JP6000123B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2016-09-28 | 株式会社シンク・ラボラトリー | シリンダ用メッキ方法及び装置 |
JP2012107266A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 電解銅箔の製造方法及び製造装置 |
KR101724690B1 (ko) * | 2016-09-20 | 2017-04-10 | 서울대학교 산학협력단 | 양극산화를 통한 철-니켈 기반 물분해 촉매전극 제조방법 및 이에 따라 제조된 물 분해 촉매전극 |
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