JP2001081376A - インク、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、画像記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、画像記録装置及びインクジェット記録方法

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JP2001081376A
JP2001081376A JP26446499A JP26446499A JP2001081376A JP 2001081376 A JP2001081376 A JP 2001081376A JP 26446499 A JP26446499 A JP 26446499A JP 26446499 A JP26446499 A JP 26446499A JP 2001081376 A JP2001081376 A JP 2001081376A
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Shinya Mishina
伸也 三品
Koichi Osumi
孝一 大角
Shinichi Sato
真一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油性染料及び/又は分散染料を用いているに
もかかわらず、発色性に優れ、カラー画像の形成の際の
ブリードの発生が有効に抑制され、記録媒体の影響が緩
和されて高品位画像が安定して得られるインク、インク
セット、画像記録装置類及びインクジェット記録方法の
提供。 【解決手段】 (M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph
−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)B
r、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3(但し、
1はアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウ
ムを表わし、Phはフェニル基を表わす)から選ばれる
少なくとも1種の塩と、分散染料及び/又は油性染料と
を含むインク、これを用いたインクセット、画像記録装
置類及びインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク、インクセッ
ト、インクカートリッジ、記録ユニット、画像記録装置
及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、優れた発色性や安定性を求め
られる水性記録液(インク)の着色剤として染料が利用
されてきている。しかし、染料は上記長所を有している
ものの、染料から形成された画像は、耐水性、耐光性等
の問題を有しており、改善が要求されている。近年、こ
れらの問題点を改良するために、染料の代わりに分散染
料及び/又は油性染料を着色剤として用いた水性インク
が数多く提案されている(特開平7−305007号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明者らは、着
色剤として分散染料及び/又は油性染料を含むインクを
インクジェット記録に用いた場合について種々検討を行
なったところ、かかるインクは、従来より用いられてい
る染料インクと比較して耐水性は向上するものの発色性
に劣ることを見出した。これに対し、インクを極力記録
媒体に浸透させないようにすることで、インクの発色性
を向上させる手法が考えられるが、この場合にはインク
の浸透性を低くしたことによる別の問題が発生すること
がわかった。即ち、この場合には、インクが記録媒体に
浸透せずに記録媒体上に留まるため、色間境界で異なる
色同士の滲み(以降、ブリードと表現する)が発生す
る。
【0004】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
課題を解決し、着色剤として分散染料及び/又は油性染
料を用いているにもかかわらず、発色性に優れ、カラー
画像の形成の際のブリードの発生が有効に抑制された高
品位画像が得られるインク、インクセット、画像記録装
置類及びインクジェット記録方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、(M1)2
4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)
NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2
3及び(M1)2CO3(但し、M1はアルカリ金属、アン
モニウム又は有機アンモニウムを表わし、Phはフェニ
ル基を表わす)から選ばれる少なくとも1種の塩と、分
散染料及び/又は油性染料とを含むことを特徴とするイ
ンクである。
【0006】又、本発明は、異なる色のインクを2以上
有するカラー記録用インクセットにおいて、ブラック
用、シアン用、マゼンタ用、イエロー用、レッド用、グ
リーン用及びブルー用の少なくとも1種のインクが、上
記のインクであることを特徴とするインクセットであ
る。
【0007】又、本発明は、上記のインクを収容してい
るインクタンクを備えていることを特徴とするインクカ
ートリッジ;上記のインクを収容したインク収容部及び
該インクを吐出させるためのヘッド部を備えたことを特
徴とする記録ユニット;上記のインクカートリッジ、該
インクカートリッジに収容されているインクを吐出させ
るための記録ヘッド及び該記録ヘッドに該インクカート
リッジからインクを供給する手段を備えていることを特
徴とする画像記録装置;及び上記の記録ユニットを備え
ていることを特徴とする画像記録装置である。
【0008】又、本発明は、上記のインクを収容したイ
ンク収容部及び各々のインク収容部に収容されているイ
ンクを各々吐出させるためのヘッド部を備えていること
を特徴とする画像記録装置;上記のインクを収容したイ
ンク収容部を備えたインクカートリッジ、各々のインク
収容部に収容されているインクを各々吐出させるための
ヘッド部及び各々のインクを各々のインクカートリッジ
から各々のヘッド部に供給するための手段を備えている
ことを特徴とする画像記録装置:及び上記のインクを記
録媒体表面に向けて飛翔させて、記録媒体表面に付着さ
せることにより画像を記録することを特徴とするインク
ジェット記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明のインクは、着色
剤として、分散染料及び/又は油性染料を含み、更に、
これに加えて、特定の塩を含んでいることを特徴とす
る。本発明のインクは、通常、これらの成分が水性媒体
に分散乃至溶解されることで構成されている。
【0010】先ず、本発明で使用する塩について詳述す
る。本発明で使用する塩は、(M1)2SO4、CH3CO
O(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)C
l、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2
CO3から選ばれる少なくとも1種である。ここでM
1は、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウ
ムを表わし、Phはフェニル基を表わす。上記のアルカ
リ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs
等が挙げらる。又、有機アンモニウムとしては、例え
ば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリ
メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルア
ンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリヒドロキシ
メチルアミン、ジヒドロキシメチルアミン、モノヒドロ
キシメチルアミン、モノエタノールアンモニウム、ジエ
タノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、
N−メチルモノエタノールアンモニウム、N−メチルジ
エタノールアンモニウム、モノプロパノールアンモニウ
ム、ジプロパノールアンモニウム、トリプロパノールア
ンモニウム等が挙げられる。これらのアンモニウムは夫
々に相当する有機アミンから誘導される。
【0011】上記したような塩を、着色剤として分散染
料及び/又は油性染料を含むインク中に併存させること
によって、インク中の分散染料及び/又は油性染料の発
色を低下させることなく、カラー画像の形成においてブ
リードの発生が有効に抑制され、しかも、記録媒体の種
類によって画像品質が大きく変化することがなく、普通
紙においても安定的に高品位画像を形成することが可能
になる。かかる効果が得られる詳細な理由やメカニズム
は明らかでないが、本発明者らは、以下のように考えて
いる。
【0012】例えば、上記インクをインクジェット記録
方法によって紙面等の記録媒体上に飛翔させ、付着させ
た場合に、インクが紙面に付着した後、記録媒体上でイ
ンクの固液分離が速やかに起るためであると考えてい
る。即ち、インクの固液分離が速いと、固形分(着色
剤)が紙内部へと浸透しづらくなり、着色剤が紙等の記
録媒体中深くまで浸透することが起こらないため、発色
性に優れ、画像品位のシャープネスさ等が損なわれるこ
とのない画像が得られる。更に、インクの固液分離が速
いと、記録媒体上にインクが付着すると直ちにインク中
の溶剤が着色剤と速やかに分かれて紙中深くまで浸透
し、着色剤の固化が速やかに起こる。この結果、カラー
画像を形成する際に、異なる色彩のインクが重ね打ちさ
れた場合においても、インク中の着色剤が隣接する他の
色のインク側に滲み出すことが生じにくくなり、色間境
界で生じる異なる色同士の滲みの発生が有効に抑制され
る。加えて、本発明のインクにおいては、着色剤とし
て、分散染料及び/又は油性染料を用いているので、耐
水性が改良されれた画像を得ることができる。
【0013】かかる効果は、上記塩の含有量を、インク
全重量に対して、好ましくは0.05〜10重量%、よ
り好ましくは0.1〜5重量%、更には、下記に述べる
分散染料及び/又は油性染料がインク全体に対して、
0.1〜15重量%、特には、1〜10重量%の範囲に
とした場合に最も良好に得られる。又、上記に挙げた塩
の中でも、(M1)2SO4(例えば、硫酸カリウム等)、
或いは、Ph−COO(M1)(例えば、安息香酸アン
モニウム等)は、分散染料及び/又は油性染料との相性
がよく、インクに特に優れた固液分離効果をもたらすの
で有効である。
【0014】次に、上記した塩と共に本発明のインクを
構成する着色剤について説明する。本発明のインクは、
着色剤として分散染料及び/又は油性染料とを含む。先
ず、本発明のインクに用いることのできる油性染料につ
いて説明する。 (油性染料)油性染料の黄色系のものとしては、オイル
イエロー105、オイルイエロー107、オイルイエロ
ー129(C.I.ソルベントイエロー29)、オイル
イエロー3G(C.I.ソルベントイエロー16)、オ
イルイエローGGS(C.I.ソルベントイエロー5
6)、バリファストイエロー1101、バリファストイ
エロー1105、バリファストイエロー4120(C.
I.ソルベントイエロー82)(以上、オリエント化学
工業株式会社製)、オレオゾルブリリアントイエロー5
G(C.I.ソルベントイエロー150)、オレオゾル
ファストイエロー2G(C.I.ソルベントイエロー2
1)、オレオゾルファストイエローGCN(C.I.ソ
ルベントイエロー151)(以上、田岡化学工業株式会
社製)、アイゼンゾットイエロー1(C.I.ソルベン
トイエロー56)、アイゼンゾットイエロー3(C.
I.ソルベントイエロー16)、アイゼンゾットイエロ
ー6(C.I.ソルベントイエロー33)、アイゼンス
ピロンイエローGRLH、アイゼンスピロンイエロー3
RH(以上、保土ケ谷化学工業株式会社製)、オラゾー
ルイエロー2GLN(C.I.ソルベントイエロー8
8)、オラゾールイエロー2RLN(C.I.ソルベン
トイエロー89)、オラゾールイエロー3R(C.I.
ソルベントイエロー25)、オラセットイエローGHS
(C.I.ソルベントイエロー163)、フィラミッド
イエローR(C.I.ソルベントイエロー21)(以上
チバガイギー社製)、オイルイエロー185(C.I.
ソルベントレッド18類似品)、アルコールイエローY
−10(以上、中央合成化学株式会社製)、ダイアレジ
ンイエローL3G(C.I.ソルベントイエロー93)
(以上、三菱化成株式会社製)等が挙げられる。
【0015】油性染料の赤色系のものとしては、オイル
レッド5B(C.I.ソルベントレッド27)、オイル
レッドRR(C.I.ソルベントレッド24)、バリフ
ァストレッド1306(C.I.ソルベントレッド10
9)、バリファストレッド1355(バリファストレッ
ド2303、バリファストレッド3304(C.I.ソ
ルベントレッド8)、バリファストレッド3306、バ
リファストレッド3320(C.I.ソルベントレッド
132)、オイルピンク312、バリファストピンク2
310N(C.I.ソルベントレッド218)(以上、
オリエント化学工業株式会社製)、オレオゾルファスト
レッドBL(C.I.ソルベントレッド132)、オレ
オゾルファストレッドRL(C.I.ソルベントレッド
122)、オレオゾルファストレッドGL(C.I.ソ
ルベントレッド132)、オレオゾルレッド2G、オレ
オゾルファストピンクFB(C.I.ソルベントレッド
218)(以上、田岡化学工業株式会社製)、アイゼン
ゾットレッド1(C.I.ソルベントレッド24)、ア
イゼンゾットレッド2(C.I.ソルベントレッド2
7)、アイゼンゾットレッド3(C.I.ソルベントレ
ッド18)、アイゼンスピロンレソドBEH、アイゼン
スピロンレッドGEH、アイゼンスピロンレッドC−G
H、アイゼンゾットピンク1(C.I.ソルベントレッ
ド49)(以上、保土ケ谷化学工業株式会社製)、オラ
ゾールレッド3GL(C.I.ソルベントレッド13
0)、オラゾールレッド2BL(C.I.ソルベントレ
ッド132)、オラゾールレッドG(C.I.ソルベン
トレソド125)、オラゾールレッドB(C.I.ソル
ベントレッド7)、フィラミッドレッドGR(C.I.
ソルベントレッド225)、フィレスターレッドGA
(C.I.ソルベントレッド135)、フィレスターレ
ッドRBA(C.I.ソルベントレッド230)、オラ
ゾールピンク5BLG(C.I.ソルベントレッド12
7)(以上、チバガイギー社製)、オイルピンク330
(C.I.ソルベントレッド49)、アルコールピンク
P−30(以上、中央合成化学株式会社製)、ダイアレ
ジンレッドK(C.I.ソルベントレッド155)、ダ
イアレジンレッドH5B(C.I.ソルベントレッド5
2)(以上、三菱化成株式会社製)等が挙げられる。
【0016】油性染料の青色系のものとしては、オイル
ブルー613、オイルブルー2N(C.I.ソルベント
ブルー35)、オイルブルーBOS、バリファストブル
ー1603、バリファストブルー1605(C.I.ソ
ルベントブルー38)、バリファストブルー1607、
バリファストブルー2606(C.I.ソルベントブル
ー70)、バリファストブルー2610(以上、オリエ
ント化学工業株式会社製)、オレオゾルファストブルー
ELN(C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾル
ファストブルーGL(C.I.ソルベントブルー7
0)、オレオゾルブルーG(以上、田岡化学工業株式会
社製)、アイゼンゾットブルー1(C.I.ソルベント
ブルー25)、アイゼンゾットブルー2(C.I.ソル
ベントブルー14)、アイゼンスピロンブルーGNH、
アイゼンスピロンブルー2BNH、アイゼンスピロンブ
ルーBPNH(以上、保土ケ谷化学工業株式会社製)、
オラゾールブルーGN(C.I.ソルベントブルー6
7)、オラゾールブルー2GLN(C.I.ソルベント
ブルー48)、オラセットブルー2R(C.I.ソルベ
ントブルー68)フィラミッドブルーR(C.I.ソル
ベントブルー132)、フィレスターブルーGN(C.
I.ソルベントブルー67)(以上、チバガイギー社
製)、オイルブルーBO(C.I.ソルベントブルー2
5)(以上、中央合成化学株式会社製)、カヤセットブ
ルーK−FL(日本化薬株式会社製)、アルコールブル
ーB−10(中央合成化学株式会社製)、ダイアレジン
ブルーH3G(三菱化成株式会社製)等が挙げられる。
【0017】油性染料の黒色系のものとしては、オイル
ブラックHBB(C.I.ソルベントブラック3)、オ
イルブラック860(C.I.ソルベントブラック
3)、オイルブラックBS(C.I.ソルベントブラッ
ク7)、オイルブラックBY、バリファストブラック1
802、バリファストブラック1807、バリファスト
ブラック3804(C.I.ソルベントブラック3
4)、バリファストブラック3810(C.I.ソルベ
ントブラック29)、バリファストブラック3820
(C.I.ソルベントブラック27)、バリファストブ
ラック3830、スピリットブラックSB(C.I.ソ
ルベントブラック5)、スピリットブラックSSBB
(C.I.ソルベントブラック5)、スピリットブラッ
クAB(C.I.ソルベントブラック5)ニグロシンベ
ース(C.I.ソルベントブラック7)(以上、オリエ
ント化学工業株式会社製)、オレオゾルファストブラッ
クRL(C.I.ソルベントブラック27)、オレオゾ
ルブラックAR(以上、田岡化学工業株式会社製)、ア
イゼンゾソトブラック6(C.I.ソルベントブラック
3)、アイゼンゾットブラック8(C.I.ソルベント
ブラック7)、アイゼンスピロンブラックMH、アイゼ
ンスピロンブラックGMHスペシャル、アイゼンスピロ
ンブラックRLHスペシャル(以上、保土ケ谷化学工業
株式会社製)、オラゾールブラックCN(C.I.ソル
ベントブラック28)、オラゾールブラックRLI
(C.I.ソルベントブラック29)(以上、チバガイ
ギー社製)、オイルブラックFSスペシャルA(C.
I.ソルベントブラック7)(中央合成化学株式会社
製)等の油性染料が挙げられる。
【0018】次に、本発明のインクに用いることのでき
る分散染料について説明する。 (分散染料)分散染料としては、例えば、オラセットイ
エロー8GF(C.I.ディスパースイエロー82)
(チバガイギー社製)、アイゼンゾットイエロー5
(C.I.ディスパースイエロー3)(保土ケ谷化学工
業株式会社製)、スミプラスイエローHLR(C.I.
ディスパースイエロー54)(住友化学工業株式会社
製)、カヤセットイエローA−G(C.I.ディスパー
スイエロー54)(日本化薬株式会社製)、ダイアレジ
ンイエローH2G(C.I.ディスパースイエロー16
0)(三菱化成株式会社製)、オイルイエロー54
(C.I.ディスパースイエロー54)(中央合成化学
株式会社製)、スミプラスレッドB−2(C.I.ディ
スパースレッド191)(住友化学工業株式会社製)、
カヤセットレッドB(C.I.ディスパースレッド6
0)(日本化薬株式会社製)、フィレスターバイオレッ
トBA(C.I.ディスパースバイオレット57)(チ
バガイギー社製)、ブラストレッド8335(C.I.
ディスパースバイオレット17)ブラストレッド837
5(C.I.ディスパースレッド60)、ブラストブル
ー8516(C.I.ディスパースブルー14)(以
上、有本化学工業株式会社製)等の分散染料が挙げられ
る。
【0019】本発明のインクの着色剤としては、上記し
た油性染料同士、分散染料同士、或いは、油性染料及び
分散染料を2種類以上併用してもかまわない。これらの
着色剤の添加量は、インク全体に対して、0.1〜15
wt%の範囲にあれば好ましい。0.1wt.%以上で
あればインクジェット記録方法により印刷して充分な光
学濃度が得られる。着色剤量が15wt%を超える場合
はインク粘度が高く、インクジェット記録方式に用いた
場合には吐出が困難になる。着色剤の粒子径は、分散安
定の観点からは1μm程度以下であればよいが、インク
ジェット記録に使用するためには、吐出安定性或いは印
字品質の点から30nm以上500nm以下が好まし
い。500nmより大きいとノズルの目詰まりが起こり
易くなり、30nmより小さいと印字した場合に滲み易
くなり印字品質が劣る。
【0020】又、着色剤の分散安定性を高める目的で、
必要に応じて分散剤を添加してもよい。その際に用いる
分散剤としては、スルホン酸系分散剤及びカルボン酸系
分散剤が挙げられる。分散剤としては、例えば、ポリス
ルホン酸系分散剤の、スチレンスルホン酸及びその塩、
スチレン−スチレンスルホン酸共重合体及びその塩、ポ
リビニルスルホン酸及びその塩、ビニル−ビニルスルホ
ン酸共重合体及びその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
及びその塩、ケリルベンゼンスルホン酸及びその塩、イ
ソプロピルナフタレンスルホン酸及びその塩、モノブチ
ルフェニルフェノールモノスルホン酸及びその塩、モノ
ブチルビフェニルスルホン酸及びその塩、モノブチルビ
フェニルスルホン酸及びその塩、ジブチルフェニルフェ
ノールジスルホン酸及びその塩、並びにナフタレンスル
ホン酸のホルマリン縮合物及びその塩等の界面活性剤が
挙げられる。
【0021】又、カルボン酸系分散剤としては、例え
ば、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体及び
その塩が挙げられる。親水性モノマーとしては、例え
ば、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸、α、β−エ
チレン性不飽和カルボン酸誘導体、アクリル酸、アクリ
ル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレ
イン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘
導体、フマル酸、及びフマル酸誘導体等が挙げられる。
又、疎水性モノマーには、スチレン、スチレン誘導体、
ビニルトルエン、ビニルトルエン誘導体、ビニルナフタ
レン、ビニルナフタレン誘導体、ブタジエン、ブタジエ
ン誘導体、イソプレン、イソプレン誘導体、エチレン、
エチレン誘導体、プロピレン、プロピレン誘導体、アク
リル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエ
ステル等が挙げられる。
【0022】これらの親水性モノマーと疎水性モノマー
との共重合体の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、
アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、ホスホニウム
塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、スチボニウム
塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、上記重合体及びその塩に、ポリオキシエチレン基、
水酸基を導入してもよいし、アクリルアミド、アクリル
アミド誘導体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタク
リレート、エトキシトリエチレンメタクリレート、メト
キシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピ
ロリドン、ビニルピリジン、ビニルアルコール及びアル
キルエーテル等を適宜共重合させても良い。
【0023】上記スルホン酸系分散剤及びカルボン酸系
分散剤として使用されるものは、重合体ではない界面活
性剤系分散剤でもよいが、重合体系分散剤であることが
好ましい。これらの重合体が共重合体である場合には、
ランダム、ブロック及びグラフト共重合体等いずれの構
造でもよい。又、何れの分散剤も低分子量でもよいが、
上記した着色剤の分散安定性の点からは、重量平均分子
量が1,000から10,000の範囲のものが好まし
く、より好ましくは、2,000から8,000、更に
好ましくは、2,500〜7,000である。
【0024】次に、本発明のインクの媒体について説明
する。本発明のインクは、上述した塩及び着色剤とを含
有してなるが、これらは、通常、水性媒体に溶解乃至分
散されて水性インクを構成する。水性媒体としては、例
えば、水、或いは水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙
げられるが、本発明においては、水と水溶性有機溶媒と
の混合溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒
としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好
ましい。
【0025】水溶性有機溶媒としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコー
ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むポリオール類;ポリエチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテ
ート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又
はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又
はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピ
ロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられる。上記のような水溶性有
機溶媒は、単独でも或いは混合物としても使用すること
ができる。又、水としては脱イオン水を用いることが望
ましい。
【0026】本発明のインク中に含有される水溶性有機
溶媒の量は特に限定されないが、インク全重量に対して
3〜50重量%の範囲が好適である。又、インクに含有
される水の量は、インク全重量に対して50〜95重量
%の範囲が好適である。
【0027】本発明のインクの作製方法としては、例え
ば、スルホン酸系分散剤及びカルボン酸系分散剤が所定
量入った水溶液に所定量の着色剤を添加し、充分に攪拌
後、分散機を用いて分散を行い、遠心分離等の方法で粗
大粒子を除いた後、前述した特定の塩、所望の溶媒や添
加剤等を加えて、攪拌混合及び濾過を行い、インクとす
る。分散機は、市販のものを任意に使用することができ
る。分散機としては、例えば、コロイドミル、フロージ
ェットミル、スラッシャーミル、ハイスピードディスパ
ーザー、ボールミル、アトライター、サンドミル、サン
ドグラインダー、ウルトラファインミル、アイガーモー
ターミル、ダイノーミル、パールミル、アジテータミ
ル、コボルミル、3本ロール、2本ロール、エクストリ
ューダー、ニーダー、アルティマイザー、マイクロフル
イダイザー、ラボラトリーホモジナイザー、超音波ホモ
ジナイザー等があり、これらを単独で用いても、組み合
せて用いても良い。あるいは、所定の溶媒を混合後、ス
ルホン酸系分散剤及びカルボン酸系分散剤を所定量添加
した後、色材を添加して分散機を用いて分散させてもよ
い。
【0028】本発明のインクは、筆記具用インクやイン
クジェット記録用インクに用いることができる。本発明
のインクは、特に、インクジェット記録用インクとして
用いることが好ましい。インクジェット記録方法として
は、インクに力学的エネルギーを作用させ、インク液滴
を吐出する記録方法及びインクに熱エネルギーを加えて
インクの発泡によりインク液滴を吐出する記録方法があ
るが、本発明のインクは、これらの何れの記録方法にも
好適である。
【0029】ところで、本発明のインクをインクジェッ
ト記録用に用いる場合には、インクジェット記録ヘッド
から吐出可能である特性を有するように調製することが
好ましい。インクジェット記録ヘッドからの吐出性とい
う観点からは、インクの特性としては、例えば、その粘
度が1〜15cPs、表面張力が25dyn/cm以上
とすることが好ましく、特には、粘度が1〜5cPs、
表面張力が25〜50dyn/cmとすることがより好
ましい。そして、本発明のインクに上記したような特性
を担持させることのできる水性媒体の好ましい組成とし
ては、水及び水溶性有機溶媒からなる混合溶媒を用い、
更に、水溶性有機溶媒として、前述のものの中でも、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、チオジグリコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソ
プロピルアルコール、アセチレンアルコールを使用する
ことが挙げられる。
【0030】更に上記の成分の他に、必要に応じて所望
の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡
剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加
することができ、更に、調色等を目的として、市販の水
溶性染料等を添加してもよい。
【0031】次に、本発明の異なる色のインクを2以上
有するインクセットについて説明する。上記で説明した
本発明のインクは、特定の塩と分散染料及び/又は油性
染料とを含有するが、本発明のインクセットは、適宜に
着色剤を選択して、例えば、ブラック用、シアン用、マ
ゼンタ用、イエロー用、レッド用、グリーン用及びブル
ー用の本発明のインクを夫々調製し、これらを組み合わ
せることによって、或いは、少なくとも1色の本発明の
インクと、他のインクとを組合わせることによって、カ
ラー画像の形成に好適なインクセットとして提供するこ
とができる。この際、本発明のインクと組み合わせてイ
ンクセットを構成する他のインクを調製する場合に用い
る着色剤としては、公知の染料や無機顔料をいずれも用
いることができる。
【0032】その際、他のインク中に含有させる着色剤
の含有量は、例えば、インクジェット記録に用いる場合
には、該インクが優れたインクジェット吐出特性を備
え、又、所望の色調や濃度を有するように適宜選択すれ
ばよいが、目安としては、インク全重量に対して3〜5
0重量%の範囲が好ましい。又、インクに含有される水
の量は、インク全重量に対して50〜95重量%の範囲
が好ましい。
【0033】更に、上記の他のインクを調製する際に用
いる溶媒又は分散媒としては、例えば、水、或いは水と
水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機
溶媒としては、前記した本発明のインクに使用するもの
と同様のものが使用できる。又、上記のインクをインク
ジェット記録方法(例えば、バブルジェット法等)で記
録媒体に付着させる場合には、本発明のインクの場合と
同様に、優れたインクジェット吐出特性を有するよう
に、インクが、前述した所望の粘度、表面張力を有する
ように調製することが好ましい。
【0034】以上のようにして構成した本発明のインク
セットを用いて、2色以上のインクが隣接するような記
録を行なった場合に、ブリーディングの発生を極めて有
効に抑えることができる。前述したように、このような
構成のインクセットを用いてカラー画像を形成した場合
に、ブリーディングを有効に抑制できる理由は、本発明
のインク中に特定の塩を併存させた効果として、該イン
クが記録媒体に付着した後の固液分離と、それに引き続
く色材の固化が速やかに起こる結果、カラー画像の異な
る色の境界部において、インクが隣接する他の色のイン
ク側に滲み出しにくくなるためと考えられる。
【0035】次に、本発明のインク又はインクセットを
好適に用いることができるインクジェット記録技術につ
いて説明する。インクジェット記録装置として、インク
の吐出に熱エネルギーを利用する装置の主要部であるヘ
ッド構成例を、図1及び図2に示した。
【0036】図1は、インク流路に沿ったヘッド13の
断面図であり、図2は、図1のA−B線での切断面図で
ある。ヘッド13は、インクを通す流路(ノズル)14
を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチッ
ク板等と、発熱素子基板15とを接着して得られる。発
熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化
シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、
金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1
及び17−2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点
材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコ
ン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリ
コン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよ
い材料で形成される基板20より成り立っている。
【0037】上記ヘッド13の電極17−1及び17−
2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板
15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接
しているインクに気泡が発生し、その発生する圧力でメ
ニスカス23が突出し、インクがヘッド13のノズル1
4を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴
24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。
【0038】図3に、図1に示したヘッドを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示した。このマルチヘッドは、
マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られ
ている。
【0039】図4に、このヘッド13を組み込んだイン
クジェット記録装置の一例を示す。図4において、61
はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は
ブレード保持部材によって保持固定されており、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65に
よる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場
合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。
【0040】62は、記録ヘッド65の突出口面のキャ
ップであり、ブレード61に隣接するホームポジション
に配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に
移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行
う構成を備える。更に、63は、ブレード61に隣接し
て設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸
収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード
61及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵
埃等の除去が行われる。
【0041】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド6
5を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリ
ッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。51は、記録媒体を
挿入するための給紙部、52は、不図示のモーターによ
り駆動される紙送りローラーである。
【0042】これらの構成により、記録ヘッド65の吐
出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進
行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。以上の構成において、記録ヘッド65が記録終了し
てホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャッ
プ62は記録ヘッド65の移動経路から退避している
が、ブレード61は移動経路中に突出している。その結
果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0043】尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出
面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は
記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記
録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移
動する場合、キャップ62及びブレード61は上記した
ワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、
この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピ
ングされる。
【0044】上述の記録ヘッド65のホームポジション
への移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記
録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の
間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、
この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0045】図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで4
0は、供給用インクを収納したインク収容部、例えば、
インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けら
れている。この栓42に針(不図示)を挿入することに
より、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にす
る。44は、廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィ
ン、特にポリエチレンで形成されているものが好まし
い。
【0046】本発明のインク又はインクセットを好適に
用いることができるインクジェット記録装置としては、
上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体とな
ったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。図6において、70は
記録ユニットであり、この中にはインクを収容したイン
ク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、か
かるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有する
ヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっ
ている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用
いることが好ましい。
【0047】又、インク吸収体を用いず、インク収容部
が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造で
もよい。72は、カートリッジ内部を大気に連通させる
ための大気連通口である。この記録ユニット70は、図
4に示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0048】次に、力学的エネルギーを利用したインク
ジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有する
ノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材
料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素
子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発
生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出さ
せるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げる。
その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成例を図7
に示す。
【0049】ヘッドは、インク室(不図示)に連通した
インク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するた
めのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作
用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電
気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレ
ート81と、振動板等を指示固定するための基板84と
から構成されている。
【0050】図7において、インク流路80は、感光性
樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステン
レス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あ
け等により吐出口85が形成され、振動板82は、ステ
ンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性
樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸
バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0051】以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素
子83にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生さ
せ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板
を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧し
インク滴(不図示)をオリフィスプレートの吐出口85
より吐出して記録を行うように動作する。このような記
録ヘッドは、図4に示したものと同様な記録装置に組み
込んで使用される。記録装置の細部の動作は先述と同様
に行うもので差し支えない。
【0052】本発明のインクセットを用いてカラー画像
を記録する場合には、例えば、前記図3に示した記録ヘ
ッドを4つキャリッジ上に並べた記録装置を好適に用い
ることができる。図8はその一例であり、91、92、
93及び94は、各々イエロー、マゼンタ、シアン及び
ブラックのインクを吐出するための記録ユニットであ
る。該記録ユニットは、前記した記録装置のキャリッジ
上に配置され、記録信号に応じて各色のインクを吐出す
る。
【0053】又、図9では記録ユニットを4つ使用した
例を示したが、これに限定されず、例えば、図8に示し
たように、1つの記録ヘッドで上記の4色のインクを各
々含むインクカートリッジ86〜89から供給される各
色のインクを、各々個別に吐出させることができるよう
にインク流路を分けて構成した記録ヘッド90に取付け
て記録を行なうこともできる。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により限
定されるものではない。尚、以下の記載で、「部」及び
「%」とあるものは特に断らない限り重量基準である。 <実施例1>先ず、ソルベントブラック3(油性染料)
20gにエチレングリコールモノメチルエーテル80g
を加え、加熱しながら溶解させた。次に、この溶液を、
攪拌しているイオン交換水200gに除々に加えて分散
液Aを作製した。次に、得られた分散液Aを含む成分を
混合攪拌後、再び遠心分離機にて粗粒分を除去して本実
施例のブラックインクとした。
【0055】<比較例1>実施例1のブラックインクの
組成中の硫酸カリウムを添加しない以外、実施例1と同
様にしてブラックインクを作製してこれを比較例1のブ
ラックインクとした。
【0056】上記で得られた実施例1及び比較例1のブ
ラックインクについて、以下のテストを実施し、インク
の発色性を評価した。 <評価>上記で得られた実施例1及び比較例1のブラッ
クインクを用い、記録信号に応じた熱エネルギーをイン
クに付与することによりインクを吐出させるオンデマン
ド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置
(商品名:BJC4000;キヤノン(株)社製)で、
下記の5種類のコピー用普通紙A〜Eに記録を行なっ
た。そして、この記録結果について、下記で説明したよ
うにして評価を行い、その結果を表1に示した。
【0057】評価に用いた記録媒体としてのコピー用普
通紙A〜Eには、下記のものを使用した。以下における
コピー用普通紙A、B、C、D、Eは全てこのコピー用
普通紙A、B、C、D、Eに対応するものとする
【0058】(発色性)上記の実施例1及び比較例1の
ブラックインクを用い、上記したインクジェット記録装
置で、上記の5種類のコピー用普通紙に文字印字を行
い、その時の文字の発色性を下記の基準で評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0059】
【0060】<実施例2>実施例1のブラックインク
と、以下のようにして調製した各カラーインクとを組み
合わせて本実施例のインクセットを得た。 (イエロー分散液)先ず、下記成分を混合して30分問
攪拌後、コボルミル(メディアは、ジルコニア1mm
径、メディア充填率60%)で分散し、遠心分離機にて
粗粒分を分離して除去し、イエロー分散液とした。
【0061】(イエローインク)上記イエロー分散液を
含む以下の成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサ
イズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)
にて加圧濾過し、イエローインクを調製した。
【0062】(マゼンタ分散液)先ず、下記成分を混合
して30分問攪拌後、コボルミル(メディアは、ジルコ
ニア1mm径、メディア充填率60%)で分散し、遠心
分離機にて粗粒分を分離して除去し、マゼンタ分散液と
した。
【0063】(マゼンタインク)上記マゼンタ分散液を
含む以下の成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサ
イズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)
にて加圧濾過し、マゼンタインクを調製した。
【0064】(シアン分散液)先ず、下記成分を混合し
て30分問攪拌後、コボルミル(メディアは、ジルコニ
ア1mm径、メディア充填率60%)で分散し、遠心分
離機にて粗粒分を分離して除去し、シアン分散液とし
た。
【0065】(シアンインク)上記シアン分散液を含む
以下の成分を混合し、充分攪拌して溶解後、ポアサイズ
0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて
加圧濾過し、シアンインクを調製した。
【0066】<比較例2>実施例2と同様に、比較例1
のブラックインク1と、実施例2の各カラーインクの組
成中に硫酸カリウムを添加しない以外は、実施例2のカ
ラーインクと同様にして各カラーインクを用いて4色の
インクセットを作製した。
【0067】<評価>上記で得られた実施例2及び比較
例2のインクセットを用い、記録信号に応じた熱エネル
ギーをインクに付与することによりインクを吐出させる
オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェッ
ト記録装置(商品名:BJC4000;キヤノン(株)
社製)で、上記の5種類のコピー用普通紙A〜Eに記録
を行なった。そして、この記録結果について、下記で説
明したようにしてブリーディングの評価を行い、その結
果を表2に示した。
【0068】(ブリーディング)ブリーディングを評価
するための印字画像は、上記した各普通紙の10cm四
方の正方形内に5×5のマス目で仕切り、各カラーイン
クを交互にベタ印字したものを用いた。そして、ブラッ
クインクの印字部とカラーインクの印字部の境界のブリ
ーディングを、下記の基準で評価した。
【0069】 上記表2の結果から明らかなように、比較例2のインク
セットを使用した場合は、ブリーディングの点で満足の
いくものではなかった。これに対し、実施例2のインク
セットを用いた場合は、いずれの記録媒体においても、
ブリーディングが抑制された良好なカラーインクジェッ
ト記録画像が安定して得られた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば下記の効果を得られる。 (1)印字物の発色性が改良されるインクが得られる。 (2)ブリーディングを有効に抑えることのできるイン
クセットを得ることができる。 (3)画像品位な画像が安定して形成できるインク、画
像形成装置、画像形成方法及びそれらに用いられるイン
クカートリッジ、及び記録ユニットを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一実施態様
を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−B線断面図である。
【図3】マルチヘッドの概略説明図である。
【図4】インクジェット記録装置の一実施態様を示す概
略斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一実施態様を示す縦断面
図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】インクジェット記録ヘッドの別の構成例を示す
概略斜視図である。
【図8】4つのインクカートリッジが取り付けられた記
録ヘッドの概略説明図である。
【図9】4つの記録ヘッドがキャリッジ上に並べられて
いる構成を示す概略説明図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:流路(ノズル) 15:発熱素子基板 16:保護層 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:記録媒体 26:マルチノズル 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク収容部 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 80:インク流路 81:オリフィスプレート 82:振動板 83:圧電素子 84:基板 85:吐出口 86、87、88、89:インクカートリッジ 90:記録ヘッド 91、92、93、94:記録ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA04 BA56 BA59 BA62 4J039 BA10 BA16 BA17 BA18 BA29 BC19 BC33 BC35 BE07 BE08 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA42 EA47 GA24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (M1)2SO4、CH3COO(M1)、P
    h−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)B
    r、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3(但し、
    1はアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウ
    ムを表わし、Phはフェニル基を表わす。)から選ばれ
    る少なくとも1種の塩と、分散染料及び/又は油性染料
    とを含むことを特徴とするインク。
  2. 【請求項2】 塩を、インク全重量に対して0.05〜
    10重量%含む請求項1に記載のインク。
  3. 【請求項3】 塩を、インク全重量に対して0.1〜5
    重量%含む請求項2に記載のインク。
  4. 【請求項4】 異なる色のインクを2以上有するカラー
    記録用インクセットにおいて、ブラック用、シアン用、
    マゼンタ用、イエロー用、レッド用、グリーン用及びブ
    ルー用のインクの少なくとも1種のインクが、請求項1
    〜3の何れか1項に記載のインクであることを特徴とす
    るインクセット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クを収容しているインクタンクを備えていることを特徴
    とするインクカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クを収容したインク収容部及び該インクを吐出させるた
    めのヘッド部を備えていることことを特徴とする記録ユ
    ニット。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のインクカートリッジ、
    該インクカートリッジに収容されているインクを吐出さ
    せるための記録ヘッド及び該記録ヘッドに該インクカー
    トリッジからインクを供給する手段を備えていることを
    特徴とする画像記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の記録ユニットを備えて
    いることを特徴とする画像記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クを収容したインク収容部及び各々のインク収容部に収
    容されているインクを各々吐出させるためのヘッド部を
    備えていることを特徴とする画像記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3の何れか1項に記載のイ
    ンクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッ
    ジ、各々のインク収容部に収容されているインクを各々
    吐出させるためのヘッド部及び各々のインクを各々のイ
    ンクカートリッジから各々のヘッド部に供給するための
    手段を備えていることを特徴とする画像記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3の何れか1項に記載のイ
    ンクを記録媒体表面に向けて飛翔させて、該記録媒体表
    面に付着させることにより画像を記録することを特徴と
    するインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 インクを飛翔させるためのエネルギー
    が、熱エネルギーである請求項11に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  13. 【請求項13】 インクを飛翔させるためのエネルギー
    が、力学的エネルギーである請求項11に記載のインク
    ジェット記録方法。
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JP2005263835A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット捺染インクセット及びインクジェット捺染方法

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