JP2001081088A - 新規生理活性物質nk30424類縁体とそれらの製造法および用途 - Google Patents

新規生理活性物質nk30424類縁体とそれらの製造法および用途

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JP2001081088A
JP2001081088A JP25715199A JP25715199A JP2001081088A JP 2001081088 A JP2001081088 A JP 2001081088A JP 25715199 A JP25715199 A JP 25715199A JP 25715199 A JP25715199 A JP 25715199A JP 2001081088 A JP2001081088 A JP 2001081088A
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Yoshiyuki Takayasu
義行 高安
Yoshikazu Sukenaga
義和 助永
Kuniko Masuda
久仁子 増田
Takayuki Aoyama
貴之 青山
Tadao Yamazaki
忠雄 山崎
Koichi Tsuchiya
耕一 土屋
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な抗腫瘍活性あるいはTNFα産生抑制作
用を有する化合物とそれらの製造法および用途を提供す
る。 【解決手段】抗腫瘍活性およびTNFα産生抑制作用を
示す新規生理活性物質NK30424類縁体を製造し、
該化合物あるいはそれらの薬学的に許容し得る塩を含む
ことを特徴とする抗腫瘍剤あるいはTNFα産生抑制剤
を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規生理活性物質
NK30424類縁体とそれらの製造法およびそれらの
用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗腫瘍剤としては、アドリアマイ
シン、マイトマイシンC等が知られている。しかし、こ
れらは副作用が重篤で、治療上満足すべきものではなく
癌の治療に適する化合物の発明が待たれている。
【0003】一方、腫瘍壊死因子(TNFα)は、マク
ロファージ、単球のみならず、多くの細胞から産生さ
れ、多様な生物活性を示す事が知られており、各種の疾
患、例えば慢性関節リウマチ〔Ann.Rheum.D
is.、第49巻、669頁(1990)〕、川崎病
〔Clin.Immunol.Immunopatho
l.、第56巻、29頁(1990)〕、クローン病
〔Arch.Dis.Child、第66巻、561頁
(1991)〕、ベーチェット病〔J.Rheumat
ol.、第17巻、1107頁(1990)〕、気管支
喘息〔J.Allergy Clin.Immuno
l.、第89巻、958頁(1992)〕、癌悪液質
〔Immunol.Lett.、第11巻、173頁
(1985)〕、敗血症〔Science、第229
巻、869頁(1986)〕等では、TNFαの異常な
産生が見られ、疾患の増悪因子として働いていると考え
られている。さらに腎炎、肝炎、血管炎、心不全、高脂
血症、多発性硬化症、神経障害、脊髄症、痴呆症、糖尿
病、ウイルス感染症等の疾患においてもTNFαの関与
が示唆されている。したがって、TNFαの産生を抑制
する物質がこれら疾患の治療薬あるいは予防薬として期
待され、有用な新規TNFα産生抑制剤の発明が待たれ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、癌細
胞に対する細胞増殖抑制作用、TNFα産生抑制活性を
もつ新規な生理活性物質を提供することにある。
【0005】また、癌または腫瘍の治療や、慢性関節リ
ウマチ、川崎病、クローン病、ベーチェット病、気管支
喘息、癌悪液質、敗血症、腎炎、肝炎、血管炎、心不
全、高脂血症、多発性硬化症、神経障害、脊髄症、痴呆
症、糖尿病、ウイルス感染症等の疾患の治療上あるいは
予防上有用な医薬を提供することにある。
【0006】さらに、本発明の目的は、上記生理活性物
質の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物の
代謝産物について、種々検索した結果、放線菌に属する
一菌株が、哺乳動物の癌細胞に対する細胞増殖抑制作用
およびTNFα産生抑制作用を有する生理活性物質NK
30424A、NK30424Bを産生する事を見出し
た(特開平11−127882号公報)。本発明者らは
これらの知見を基に鋭意検討の結果、新規生理活性物質
NK30424類縁体、またはそれらの薬理学上許容さ
れる塩を製造し、それらが癌細胞に対する細胞増殖抑制
作用およびTNFα産生抑制作用において、より優れた
活性を有することを見出し、本発明を完成した。即ち、
本発明は、
【0008】1)一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル
基、C1〜C4の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH
−CO−R1基、−(CH−NH−R2
基、または−(CH−CH(CO−R1)NH−
R2基を示す。R1は水酸基、C1〜C4の低級アルコ
キシル基、−O−(CH−COOH基、−O−
(CH −NH基、−O−(CH−CH
(NH)COOH基、C1〜C4の低級アルキルアミ
ノ基、−NH−(CH−COOH基、−NH−
(CH−NH基、または−NH−(CH
−CH(NH)COOH基を示し、R2は水素原子、
C1〜C4の低級アルキルカルボニル基、−CO−(C
−COOH基、−CO−(CH−NH
基、または−CO−(CH−CH(NH)CO
OH基を示す。nは1乃至3の整数、mは各々同一か異
なる整数で1または2を示す。〕で表される新規生理活
性物質NK30424類縁体、あるいはそれらの薬理学
上許容される塩。 2)一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル
基、C1〜C4の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH
−CO−R1基、−(CH−NH−R2
基、または−(CH−CH(CO−R1)NH−
R2基を示す。R1は水酸基、C1〜C4の低級アルコ
キシル基、−O−(CH−COOH基、−O−
(CH −NH基、−O−(CH−CH
(NH)COOH基、C1〜C4の低級アルキルアミ
ノ基、−NH−(CH−COOH基、−NH−
(CH−NH基、または−NH−(CH
−CH(NH)COOH基を示し、R2は水素原子、
C1〜C4の低級アルキルカルボニル基、−CO−(C
−COOH基、−CO−(CH−NH
基、または−CO−(CH−CH(NH)CO
OH基を示す。nは1乃至3の整数、mは各々同一か異
なる整数で1または2を示す。〕で表される新規生理活
性物質NK30424類縁体、あるいはそれらの薬理学
上許容される塩。 3)式(1)のXが2−アミノ−2−カルボキシエチル
基である上記1)記載の新規生理活性物質NK3042
4類縁体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。 4)式(2)のXが2−アミノ−2−カルボキシエチル
基である上記2)記載の新規生理活性物質NK3042
4類縁体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。 5)式(1)で表され、かつXが2−アミノ−2−カル
ボキシエチル基である化合物が、下記の理化学的性質を
もつ新規生理活性物質NK30424AS−1、NK3
0424AS−2、NK30424BS−1、またはN
K30424BS−2である上記1)記載のNK304
24類縁体あるいはそれらの薬理学上許容される塩。 6)上記1)乃至5)のいずれかに記載の生理活性物質
NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上許容さ
れる塩、および医薬用添加剤とからなる医薬。 7)慢性関節リウマチ、川崎病、クローン病、ベーチェ
ット病、気管支喘息、癌悪液質、敗血症、腎炎、肝炎、
血管炎、心不全、高脂血症、多発性硬化症、神経障害、
脊髄症、痴呆症、糖尿病、ウイルス感染症のいずれかの
治療あるいは予防の目的で用いられる上記6)記載の医
薬。 8)上記1)乃至5)のいずれかに記載の生理活性物質
NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上許容さ
れる塩、および医薬用添加剤とからなる抗腫瘍剤。 9)上記1)乃至5)のいずれかに記載の生理活性物質
NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上許容さ
れる塩、および医薬用添加剤とからなるTNFα産生抑
制剤。 10)一般式(3)
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル
基、C1〜C4の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH
−CO−R1基、−(CH−NH−R2
基、または−(CH−CH(CO−R1)NH−
R2基を示す。R1は水酸基、C1〜C4の低級アルコ
キシル基、−O−(CH−COOH基、−O−
(CH −NH基、−O−(CH−CH
(NH)COOH基、C1〜C4の低級アルキルアミ
ノ基、−NH−(CH−COOH基、−NH−
(CH−NH基、または−NH−(CH
−CH(NH)COOH基を示し、R2は水素原子、
C1〜C4の低級アルキルカルボニル基、−CO−(C
−COOH基、−CO−(CH−NH
基、または−CO−(CH−CH(NH)CO
OH基を示す。nは1乃至3の整数、mは各々同一か異
なる整数で1または2を示す。〕で表される化合物に酸
化剤を作用させることを特徴とする、上記1)乃至5)
のいずれかに記載の生理活性物質NK30424類縁体
の製造法。
【0015】11)式(3)のXが2−アミノ−2−カ
ルボキシエチル基である化合物に酸化剤を作用させるこ
とを特徴とする上記3)または4)に記載のNK304
24類縁体の製造法。
【0016】に関する。
【0017】以下に本発明について詳細に述べる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のNK30424類縁体に
おいて、XにおけるC1〜C4の低級アルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を示し、C1〜
C4の低級ヒドロキシアルキル基としては、例えばヒド
ロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピル基、または2,3−ジヒド
ロキシプロピル基等を示す。−(CH−CO−R
1基としては、カルボキシメチル基、2−カルボキシエ
チル基、3−カルボキシプロピル基、またはそれらから
派生するエステルもしくはアミドを示し、2−カルボキ
シエチル基あるいは、そこから派生するエステルもしく
はアミドが好ましい。−(CH−NH−R2基と
しては、例えばアミノメチル基、2−アミノエチル基、
3−アミノプロピル基またはそれらから派生するアミド
を示し、2−アミノエチル基あるいは、そこから派生す
るアミドが好ましい。−(CH −CH(CO−R
1)NH−R2基としては、例えば2−アミノ−2−カ
ルボキシエチル基、3−アミノ−3−カルボキシプロピ
ル基、またはそれらから派生するエステル、アミド等を
示し、2−アミノ−2−カルボキシエチル基あるいは、
そこから派生するエステル、アミドが好ましい。
【0019】本発明で、C1〜C4の低級アルコキシル
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、t−ブト
キシ基等が挙げられ、−O−(CH−COOH基
としては、カルボキシメトキシ基、または2−カルボキ
シエトキシ基を、−O−(CH−NH基は、ア
ミノメトキシ基、または2−アミノエトキシ基を示す。
また、−O−(CH−CH(NH)COOH基
としては、2−アミノ−2−カルボキシエトキシ基、あ
るいは3−アミノ−3−カルボキシプロピルオキシ基を
示す。C1〜C4の低級アルキルアミノ基としては、例
えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、t−ブチルアミ
ノ基等が挙げられ、−NH−(CH −COOH基
は、カルボキシメチルアミノ基、または2−カルボキシ
エチルアミノ基を、−NH−(CH−NH
は、アミノメチルアミノ基、または2−アミノエチルア
ミノ基を示す。また、−NH−(CH−CH(N
)COOH基は、2−アミノ−2−カルボキシエチ
ルアミノ基、あるいは3−アミノ−3−カルボキシプロ
ピルアミノ基を示す。C1〜C4の低級アルキルカルボ
ニル基としては、例えばアセチル基、エチルカルボニル
基、t−ブチルカルボニル基等が挙げられ、−CO−
(CH−COOH基は、カルボキシメチルカルボ
ニル基、または2−カルボキシエチルカルボニル基を、
−CO−(CH−NH基は、アミノメチルカル
ボニル基、または2−アミノエチルカルボニル基を示
す。また、−CO−(CH−CH(NH)CO
OH基は、2−アミノ−2−カルボキシエチルカルボニ
ル基、あるいは3−アミノ−3−カルボキシプロピルカ
ルボニル基を示す。置換基Xは、ジペプチド、トリペプ
チドの様な構造をとることも可能である。
【0020】前記式(1)で表され、かつXが2−アミ
ノ−2−カルボキシエチル基であるNK30424類縁
体であるところのNK30424AS−1、NK304
24AS−2、NK30424BS−1、NK3042
4BS−2は、互いにジアステレオマーの関係にある。
【0021】以下にNK30424AS−1、NK30
424AS−2、NK30424BS−1、およびNK
30424BS−2の理化学的性質を示す。 a)NK30424AS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
トルを第1図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを第2図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第3図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
で測定したスペクトルを第4図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
(4:1:1)を用いた。
【0022】b)NK30424AS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
トルを第5図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを第6図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第7図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
で測定したスペクトルを第8図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
(4:1:1)を用いた。
【0023】c)NK30424BS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
トルを第9図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを第10図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第11図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
で測定したスペクトルを第12図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
(4:1:1)を用いた。
【0024】d)NK30424BS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
トルを第13図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを第14図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第15図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
で測定したスペクトルを第16図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
(4:1:1)を用いた。
【0025】本発明の一般式(1)または(2)で表さ
れる新規NK30424類縁体は、対応した上記一般式
(3)で表される化合物から化学的に合成することもで
きる。即ち、一般式(3)で表される化合物に酸化剤を
作用させ、スルフィド結合の硫黄原子を酸化し、対応す
る一般式(1)で表されるスルホキシド体或いは一般式
(2)で表されるスルホン体を合成できる。この際、用
いる酸化剤の種類、量、反応条件によって、スルホキシ
ド体とスルホン体の生成量を調節することができる。
【0026】本反応に用いる酸化剤は、通常用いられる
ものであれば特に制限はないが、例えば過酸化水素水、
オキソン等が適している。反応は、一般式(3)で表さ
れる化合物をメタノール、エタノール等の低級アルコー
ルや無水酢酸等の有機溶媒、水、緩衝液あるいはそれら
の混合溶媒等に溶解させ、1当量あるいはそれ以上の酸
化剤を直接あるいは適切な溶媒に溶解あるいは懸濁して
加える。通常目的とする化合物がスルホキシド体の場
合、酸化剤を1当量以上、スルホン体の場合は2当量以
上加えることが望ましい。反応液のpHは通常1〜14
でよいが、pH3〜7がより好ましい。反応は、使用す
る原料、目的とする化合物および酸化剤の種類等で異な
るが、通常氷冷下〜室温あるいは加熱によって進行す
る。また、反応の進行を促す目的で適当な触媒を添加す
ることも可能である。反応終了後、必要であれば適切な
方法、例えば亜硫酸ナトリウム水溶液を加える等して反
応を停止し、通常の分離手段を適宜組み合わせて目的化
合物を精製し得る。
【0027】上記一般式(3)で表される化合物は、下
記の式(4)
【0028】
【化7】
【0029】で表されるNK30424Cから合成する
こともできる。
【0030】NK30424Cは、例えば、その生産菌
を培養し、該化合物を生成せしめ、この培養液から採取
することにより得られる。
【0031】NK30424Cの生産菌としては、例え
ば、土壌より分離したストレプトミセス・エスピー(S
treptomyces sp.)NA 30424株
が挙げられるが、該菌株は、工業技術院生命工学工業技
術研究所に、FERM P−16422として寄託され
ている。
【0032】NK30424Cを製造するには、まず前
記菌株を放線菌が利用し得る栄養物を含有する培地で好
気的に培養する。栄養源としては、従来から放線菌の培
養に利用されている公知のものが使用でき、例えば炭素
源としては、グルコース、グリセリン、ガラクトース、
水飴、デキストリン、シュクロース、でんぷん、糖蜜、
動・植物油等を使用できる。また、窒素源としては、大
豆粉、小麦、小麦胚芽、コーンスティープ・リカー、肉
エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝
酸ソーダ、尿素等を単独かまたは組み合わせて用いるこ
とができる。その他、必要に応じ、ナトリウム、コバル
ト、塩素、硫酸、燐酸、およびその他のイオンを生成す
ることのできる無機塩類を添加することは有効である。
また、菌の生育を助け、NK30424Cの生産を促進
するような有機および無機物を適当に添加することがで
きる。
【0033】培養法としては、液体培養法、特に深部攪
拌培養法が適している。培養に適当な温度は15〜37
℃であるが、多くの場合、26〜30℃付近で培養す
る。NK30424Cの生産は、培地や培養条件により
異なるが、振盪培養、タンク培養とも通常1〜10日の
間でその蓄積が最高に達する。培養物中のNK3042
4Cの蓄積量が最高になった時に、培養を停止し、培養
液から目的物質を単離する。
【0034】NK30424Cの培養液からの採取にあ
たっては、その性状を利用した通常の分離手段を適宜組
み合わせて精製することができる。即ち、培養液を遠心
分離あるいはろ過によりろ液と菌体部に分離し、ろ液か
らはそれをダイアイオンHP−20(商品名:三菱化成
製)等に吸着させ、低級アルコールやアセトン等により
溶出するか、あるいは酢酸エチル等の有機溶媒で抽出す
ることにより、また、菌体部からはそれを低級アルコー
ルやアセトン等で抽出することによりNK30424C
の画分を得ることができる。
【0035】上述の方法に加え、物質の採取に用いられ
る公知の方法、たとえば吸着クロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーより
のかき取り、高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み
合わせ、あるいは繰り返すことによってNK30424
Cを純粋に単離することができる。
【0036】上記のようにして得られた生理活性物質N
K30424Cの理化学的性質を下記に示す。 1)外観:白色粉末 2)融点:84〜89℃(分解点) 3)分子式:C2739NO(高分解能マススペク
トル法により測定) 4)分子量:505(FAB−MS法により測定した
(M+H)=506) 5)水素核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中、5
00MHzで測定したスペクトルを第17図に示す。 6)炭素核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中、1
25MHzで測定したスペクトルを第18図に示す。 7)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸
エチル、アセトン、クロロホルムに易溶。ノルマルヘキ
サン、水に不溶。 8)呈色反応:ライドン−スミス、過マンガン酸カリウ
ム、トリジン、硫酸に陽性。 9)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.55 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
層を用い、展開溶媒として、クロロホルム−メタノール
(10:1)を用いた。
【0037】前記一般式(3)で表される化合物は、N
K30424Cから合成することもできる。例えば、対
応するチオール化合物をNK30424Cのα、β不飽
和ラクトンのβ部位にマイケル付加反応させることによ
り可能である。
【0038】即ち、NK30424Cを極性溶媒に溶解
させ、塩基存在下、対応するチオール化合物を反応させ
る。反応溶媒は、低級アルコールや低級アルコールと水
の混合溶媒が好ましく、塩基としては、トリエチルアミ
ン、水酸化ナトリウム等を用いることができる。反応液
のpHは、7〜9が望ましい。対応するチオール化合物
は特に限定されないが、例えば、エタンチオール、1−
メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプトプロピ
オン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオグリコール
酸メチル、システイン、ホモシステイン、グルタチオン
等が挙げられる。これらの化合物は市販されているか、
あるいは市販されている化合物から公知の方法で合成す
ることができる。反応は、室温あるいは加熱によって進
行する。反応終了後、通常の分離手段を適宜組み合わせ
て目的物質を精製することができる。
【0039】NK30424AS−1、NK30424
AS−2、NK30424BS−1、NK30424B
S−2、および前記式(2)で表され、かつXが2−ア
ミノ−2−カルボキシエチル基であるNK30424類
縁体は、特開平11−127882号公報の記載に従い
生産菌を培養しこの培養液より採取するか、上述のNK
30424Cにシステインをマイケル付加反応させるこ
とによって得ることができる前記式(3)で表され、か
つXが2−アミノ−2−カルボキシエチル基であるNK
30424AまたはNK30424Bに上述の酸化反応
を行うことにより、製造することもできる。
【0040】即ち、NK30424AS−1、NK30
424AS−2は、NK30424Aを用い、これを酸
化剤にて処理することによって得られ、NK30424
BS−1、NK30424BS−2は、NK30424
Bを用い、これを酸化することによって得られる。反応
液からの物質の精製は、通常の分離手段を組み合わせて
行うことができるが、例えばNK30424AS−1と
NK30424AS−2、NK30424BS−1とN
K30424BS−2の分離にはODSカラムを使った
逆相高速液体クロマトグラフィーが有効である。
【0041】本発明において薬理学上許容される塩と
は、通常とり得る塩であれば特に制限はないが、官能基
にカルボキシル基が有る場合、塩基との塩、即ち、ナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が好ましい。
また、官能基にアミノ基がある場合は酸、例えば塩酸、
硫酸、燐酸等との塩が好ましい。
【0042】医薬品として使用する場合の製剤化および
投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。即ち、
投与方法としては注射、経口、直腸投与等が可能であ
る。製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、
座剤、カプセル剤等の形態がとり得る。
【0043】製剤化の際にNK30424類縁体に悪影
響を与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助剤、
即ち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用され得る。製剤に
おけるNK30424類縁体の含量は製剤形態等により
広範囲に変えることが可能であり、一般には0.01〜
100%(重量)、好ましくは0.1〜70%(重量)
である。
【0044】NK30424類縁体またはそれらの薬理
学上許容される塩の投与量は症状、投与方法等により異
なるが、成人1人1日あたり0.01〜800mg程度
である。
【0045】以下に試験例を挙げて、NK30424A
S−1、NK30424AS−2、NK30424BS
−1、およびNK30424BS−2の哺乳動物の癌細
胞に対する細胞増殖抑制作用およびTNFα産生抑制作
用について延べる。
【0046】試験例1 細胞増殖抑制作用 5%牛胎児血清を添加したRPMI1640培地を用い
て、マウス白血病由来癌細胞J774.1を、37℃、
5%CO下で培養した。この細胞を、96穴プレート
へ播種し、1日間培養した後、NK30424AS−
1、NK30424AS−2、NK30424BS−
1、およびNK30424BS−2をそれぞれ添加し
た。薬剤処理は、3日間行い、増殖度は、MTT法によ
り評価した。結果は、用量−反応曲線からIC50値を
求め、その値を表2に示した。
【0047】 表2 NK30424AS−1、NK30424AS−2、NK30424BS−1、 およびNK30424BS−2の細胞増殖抑制作用 化合物 IC50(μM) NK30424AS−1 0.07 NK30424AS−2 0.07 NK30424BS−1 0.06 NK30424BS−2 0.06
【0048】試験例2 TNFα産生抑制作用 チオグリコレートにより誘導したマウス腹腔マクロファ
ージを用いて、NK30424AS−1、NK3042
4AS−2、NK30424BS−1、およびNK30
424BS−2のTNFα産生抑制活性を測定した。上
記細胞の培養液(細胞数50万個/ウェル)中に被験薬
を添加し、その後TNFαの誘導物質としてリポポリサ
ッカライドを最終濃度100ng/mlとなるよう加
え、さらに20時間培養した。この培養液中のTNFα
濃度をバイオアッセイにて定量した。バイオアッセイは
L−929(マウス結合組織由来細胞)に対する細胞障
害性試験(Kiener,P.A.らの方法、J.Im
munol.、第141巻、870頁(1988)を一
部改変)により行った。結果は、容量−反応曲線からI
50値を求め、その値を表3に示した。
【0049】 表3 NK30424AS−1、NK30424AS−2、NK30424BS−1、 およびNK30424BS−2のTNFα産生抑制活性 化合物 IC50(μM) NK30424AS−1 0.7 NK30424AS−2 0.7 NK30424BS−1 0.04 NK30424BS−2 0.03
【0050】試験例から明らかな様に、本発明のNK3
0424AS−1、NK30424AS−2、NK30
424BS−1、またはNK30424BS−2は、哺
乳動物の癌細胞に対する細胞増殖抑制作用およびTNF
α産生抑制作用を示す。
【0051】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これは単な
る一例であって何等、本発明を限定するものではなく、
種々の変法が可能である。
【0052】実施例1 NK30424AS−1、NK
30424AS−2の生産 NK30424A9mgを5ml容のナスコルベンに測
り取り、1.5mlの10mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH5)に溶解した。氷冷下、攪拌しながら30%過
酸化水素水を20マイクロリットル(12当量)加え、
その後室温にて19時間攪拌した。
【0053】次いで、この反応液から逆相高速液体クロ
マトグラフィーを用いて目的物質を精製した。即ち、逆
相カラムのPEGASIL ODS(10φX250m
m、センシュー科学製)に反応液0.5mlを注入し、
17%のアセトニトリルを混合した10mM燐酸アンモ
ニウム緩衝液(pH7)を用いて、流速2.5ml/分
で展開溶出した。NK30424AS−1は、注入後2
4.4分に、NK30424AS−2は、注入後27.
8分に溶出された。同様の操作を3回繰り返し、それぞ
れの溶出部を集め、アセトニトリルを減圧留去後、ダイ
アイオンHP−20SSを充填したカラムに吸着させ、
水、20%メタノール水でカラムを洗浄した後、80%
メタノール水で溶出させた。この溶出部を凍結乾燥し、
純粋なNK30424AS−1を4.2mg、NK30
424AS−2を2.4mg得た。
【0054】実施例2 NK30424BS−1、NK
30424BS−2の生産 NK30424B40mgを10ml容のナスコルベン
に測り取り、3.2mlの10mM酢酸ナトリウム緩衝
液(pH5)に溶解した。氷冷下、攪拌しながら30%
過酸化水素水を100マイクロリットル(14当量)加
え、その後室温にて17時間攪拌した。
【0055】次いで、この反応液から逆相高速液体クロ
マトグラフィーを用いて目的物質を精製した。即ち、逆
相カラムのカプセルパックC18 UG120(20φ
X250mm、資生堂製)に濃縮した反応液を注入し、
16%のアセトニトリルを混合した10mM燐酸アンモ
ニウム緩衝液(pH7)を用いて、流速8ml/分で展
開溶出した。NK30424BS−1は、注入後43分
に、NK30424BS−2は、注入後52分に溶出さ
れた。それぞれの溶出部を集め、アセトニトリルを減圧
留去後、ダイアイオンHP−20SSを充填したカラム
に吸着させ、水、20%メタノール水でカラムを洗浄し
た後、80%メタノール水で溶出させた。この溶出部を
凍結乾燥し、純粋なNK30424BS−1を15m
g、NK30424BS−2を13mg得た。
【0056】
【発明の効果】本発明では、癌細胞増殖抑制作用および
TNFα産生抑制作用示す生理活性物質NK30424
類縁体が提供された。これらは、悪性腫瘍に対する化学
療法剤等として、あるいは、慢性関節リウマチ、川崎
病、クローン病、ベーチェット病、気管支喘息、癌悪液
質、敗血症、腎炎、肝炎、血管炎、心不全、高脂血症、
多発性硬化症、神経障害、脊髄症、痴呆症、糖尿病、ウ
イルス感染症等の疾患における、その治療薬あるいは予
防薬として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NK30424AS−1水溶液の紫外線吸収
スペクトルを示す。
【図2】 NK30424AS−1の臭化カリウム錠内
での赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】 NK30424AS−1の重水中で測定した
400MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4】 NK30424AS−1の重水中で測定した
100MHz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5】 NK30424AS−2水溶液の紫外線吸収
スペクトルを示す。
【図6】 NK30424AS−2の臭化カリウム錠内
での赤外線吸収スペクトルを示す。
【図7】 NK30424AS−2の重水中で測定した
400MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図8】 NK30424AS−2の重水中で測定した
100MHz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図9】 NK30424BS−1水溶液の紫外線吸収
スペクトルを示す。
【図10】 NK30424BS−1の臭化カリウム錠
内での赤外線吸収スペクトルを示す。
【図11】 NK30424BS−1の重水中で測定し
た400MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図12】 NK30424BS−1の重水中で測定し
た100MHz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図13】 NK30424BS−2水溶液の紫外線吸
収スペクトルを示す。
【図14】 NK30424BS−2の臭化カリウム錠
内での赤外線吸収スペクトルを示す。
【図15】 NK30424BS−2の重水中で測定し
た400MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図16】 NK30424BS−2の重水中で測定し
た100MHz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図17】NK30424Cの重クロロホルム中で測定
した500MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図18】NK30424Cの重クロロホルム中で測定
した125MHz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 9/00 11/06 11/06 13/12 13/12 25/00 25/00 25/28 25/28 29/00 29/00 31/00 31/00 31/12 31/12 35/00 35/00 43/00 43/00 111 111 C12P 17/16 C12P 17/16 //(C12P 17/16 C12R 1:465) (72)発明者 山崎 忠雄 埼玉県浦和市上大久保843−7 (72)発明者 土屋 耕一 埼玉県与野市上落合6−7−17 Fターム(参考) 4B064 AE54 BA07 BE01 BE09 BE19 BG01 BG09 BH02 BH04 BH05 BH06 BH08 BH10 CA04 DA01 DA03 DA05 4C063 AA01 CC80 DD11 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC22 GA17 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA02 ZA15 ZA36 ZA59 ZA66 ZA75 ZA81 ZA89 ZB11 ZB15 ZB26 ZB33 ZB35 ZC33 ZC35 ZC51 ZC54

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4
    の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH−CO−
    R1基、−(CH−NH−R2基、または−(C
    −CH(CO−R1)NH−R2基を示す。R
    1は水酸基、C1〜C4の低級アルコキシル基、−O−
    (CH−COOH基、−O−(CH −NH
    基、−O−(CH−CH(NH)COOH
    基、C1〜C4の低級アルキルアミノ基、−NH−(C
    −COOH基、−NH−(CH−NH
    基、または−NH−(CH−CH(NH)CO
    OH基を示し、R2は水素原子、C1〜C4の低級アル
    キルカルボニル基、−CO−(CH−COOH
    基、−CO−(CH−NH基、または−CO−
    (CH−CH(NH)COOH基を示す。nは
    1乃至3の整数、mは各々同一か異なる整数で1または
    2を示す。〕で表される新規生理活性物質NK3042
    4類縁体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4
    の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH−CO−
    R1基、−(CH−NH−R2基、または−(C
    −CH(CO−R1)NH−R2基を示す。R
    1は水酸基、C1〜C4の低級アルコキシル基、−O−
    (CH−COOH基、−O−(CH −NH
    基、−O−(CH−CH(NH)COOH
    基、C1〜C4の低級アルキルアミノ基、−NH−(C
    −COOH基、−NH−(CH−NH
    基、または−NH−(CH−CH(NH)CO
    OH基を示し、R2は水素原子、C1〜C4の低級アル
    キルカルボニル基、−CO−(CH−COOH
    基、−CO−(CH−NH基、または−CO−
    (CH−CH(NH)COOH基を示す。nは
    1乃至3の整数、mは各々同一か異なる整数で1または
    2を示す。〕で表される新規生理活性物質NK3042
    4類縁体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。
  3. 【請求項3】式(1)のXが2−アミノ−2−カルボキ
    シエチル基である請求項1記載のNK30424類縁
    体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。
  4. 【請求項4】式(2)のXが2−アミノ−2−カルボキ
    シエチル基である請求項2記載のNK30424類縁
    体、あるいはそれらの薬理学上許容される塩。
  5. 【請求項5】式(1)で表され、かつXが2−アミノ−
    2−カルボキシエチル基である化合物が、下記の理化学
    的性質をもつ新規生理活性物質NK30424AS−
    1、NK30424AS−2、NK30424BS−
    1、またはNK30424BS−2である請求項1記載
    のNK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上許容
    される塩。 a)NK30424AS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
    スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
    (M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
    トルを第1図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを第2図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
    で測定したスペクトルを第3図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
    で測定したスペクトルを第4図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
    可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
    ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
    層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
    (4:1:1)を用いた。 b)NK30424AS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
    スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
    (M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
    トルを第5図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを第6図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
    で測定したスペクトルを第7図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
    で測定したスペクトルを第8図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
    可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
    ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
    層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
    (4:1:1)を用いた。 c)NK30424BS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
    スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
    (M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
    トルを第9図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを第10図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
    で測定したスペクトルを第11図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
    で測定したスペクトルを第12図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
    可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
    ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
    層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
    (4:1:1)を用いた。 d)NK30424BS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
    スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
    (M+H)=643) 4)紫外線吸収スペクトル :水溶液で測定したスペク
    トルを第13図に示す。 5)赤外線吸収スペクトル:臭化カリウム錠剤で測定し
    たスペクトルを第14図に示す。 6)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
    で測定したスペクトルを第15図に示す。 7)炭素核磁気共鳴スペクトル:重水中、100MHz
    で測定したスペクトルを第16図に示す。 8)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
    可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
    ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 10)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43 シリカゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄
    層を用い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水
    (4:1:1)を用いた。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の生理活
    性物質NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上
    許容される塩、および医薬用添加剤とからなる医薬。
  7. 【請求項7】慢性関節リウマチ、川崎病、クローン病、
    ベーチェット病、気管支喘息、癌悪液質、敗血症、腎
    炎、肝炎、血管炎、心不全、高脂血症、多発性硬化症、
    神経障害、脊髄症、痴呆症、糖尿病、ウイルス感染症の
    いずれかの治療あるいは予防の目的で用いられる請求項
    6記載の医薬。
  8. 【請求項8】請求項1乃至5のいずれかに記載の生理活
    性物質NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上
    許容される塩、および医薬用添加剤とからなる抗腫瘍
    剤。
  9. 【請求項9】請求項1乃至5のいずれかに記載の生理活
    性物質NK30424類縁体あるいはそれらの薬理学上
    許容される塩、および医薬用添加剤とからなる腫瘍壊死
    因子(TNFα)産生抑制剤。
  10. 【請求項10】一般式(3) 【化3】 〔式中、XはC1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4
    の低級ヒドロキシアルキル基、−(CH−CO−
    R1基、−(CH−NH−R2基、または−(C
    −CH(CO−R1)NH−R2基を示す。R
    1は水酸基、C1〜C4の低級アルコキシル基、−O−
    (CH−COOH基、−O−(CH −NH
    基、−O−(CH−CH(NH)COOH
    基、C1〜C4の低級アルキルアミノ基、−NH−(C
    −COOH基、−NH−(CH−NH
    基、または−NH−(CH−CH(NH)CO
    OH基を示し、R2は水素原子、C1〜C4の低級アル
    キルカルボニル基、−CO−(CH−COOH
    基、−CO−(CH−NH基、または−CO−
    (CH−CH(NH)COOH基を示す。nは
    1乃至3の整数、mは各々同一か異なる整数で1または
    2を示す。〕で表される化合物に酸化剤を作用させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の生理
    活性物質NK30424類縁体の製造法。
  11. 【請求項11】式(3)のXが2−アミノ−2−カルボ
    キシエチル基である化合物に酸化剤を作用させることを
    特徴とする請求項3または4に記載のNK30424類
    縁体の製造法。
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