JP2001079673A - ボックス柱のダイアフラム溶接方法 - Google Patents

ボックス柱のダイアフラム溶接方法

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JP2001079673A JP26291499A JP26291499A JP2001079673A JP 2001079673 A JP2001079673 A JP 2001079673A JP 26291499 A JP26291499 A JP 26291499A JP 26291499 A JP26291499 A JP 26291499A JP 2001079673 A JP2001079673 A JP 2001079673A
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dilution ratio
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Yasuhiko Nishi
泰彦 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボックス柱にダイアフラムを高能率でエレク
トロスラグ溶接する。 【解決手段】 板厚16〜65mmのダイアフラム3の
端部両面に設けた裏当て金2をボックス1内面に当接さ
せることにより、ダイアフラム3の端面、両裏当て金2
およびボックス1内面とで形成される密閉空間4を溶接
開先として、直径1.6mmのソリッドワイヤを用い
て、使用溶接電流範囲を380A±10Aとする1電極
の非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接法にて溶接する
ボックス柱のダイアフラム溶接方法において、ダイアフ
ラム3端面とボックス2内面との間隙であるル−ト間隙
Tを16〜19mmの間に設定するとともに、溶接電圧
Vを(1)式に設定して溶接するボックス柱のダイアフ
ラム溶接方法。 0.13t+43<V<0.13t+46…………
(1) ただし、t:ダイアフラムの板厚(mm)、V:溶接電
圧(V)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非消耗ノズル式
エレクトロスラグ溶接法によるボックス柱のダイアフラ
ム溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば超高層ビル等に使用されるボック
ス柱は、4枚の鋼材(スキンプレ−ト)をボックス状に
溶接して製作される。そして、ボックス柱の梁材が接合
される部分の内面には、ボックス柱の強度を補強するた
めの板厚16mm〜65mm程度の鋼材からなるダイア
フラムが取り付けられている。
【0003】ボックス柱のスキンプレ−トにダイアフラ
ムを溶接する溶接方法としては、一般に非消耗式エレク
トロスラグ溶接法が採用されている。この非消耗式エレ
クトロスラグ溶接法は、図8に示すように、ボックス柱
のスキンプレ−ト21の内面に一端22aが当接する1
対の裏当て金22でダイアフラム23の一辺を挟み込
み、これら1対の裏当て金22とスキンプレ−ト21お
よびダイアフラム23の端面23aで形成される密閉空
間24を溶接開先として、この中に溶接ノズル25を挿
入し、まずア−ク熱によりフラックスを溶かしてスラグ
を生成させ、ついで溶融スラグ中を流れる抵抗熱を利用
してワイヤ、および母材を溶融して接合する自動溶接法
である。
【0004】そして、この溶接法の長所としては、 開先加工が不要である。一般的にはI開先であるの
で、ダイアフラムはガス切断ままでよい。 溶接時間を短縮できる。 溶接による角変形がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た非消耗式エレクトロスラグ溶接法により、ダイアフラ
ムをボックス柱に溶接する場合には、次のような問題点
がある。
【0006】非消耗式エレクトロスラグ溶接法における
ル−ト間隙は、従来20〜25mm程度に設定するよう
にしているので、能率を向上させるために溶接速度を速
くしようとすると、ワイヤ送給速度を上げざるを得ず、
その結果入熱量が小さくなる。そのため、母材の溶け込
み量が少なくなり、溶接部に溶け込み不足を生じやすく
なる。
【0007】また、ワイヤ送給速度を上げるとともに溶
接電流も増加させると、溶け込み量は大きくなるが、割
れ感受性が高まり、溶接部に高温割れが発生するととも
に、靭性も劣化する。
【0008】したがって、ル−ト間隙が20〜25mm
程度である従来のエレクトロスラグ溶接法においては、
溶接部の品質を劣化させることなく、溶接能率を向上さ
せることは困難である。
【0009】また、ル−ト間隙を小さくして溶接能率を
向上させようとした場合、従来の溶接条件(溶接電流、
溶接電圧、ワイヤ送給速度)をそのまま適用すると、溶
接入熱量が小さくなり、溶け込み不足が生じやすくな
る。
【0010】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、溶接部に溶け
込み不足や高温割れが発生したり、溶接部の靭性が劣化
したりすることなしに、溶接能率を向上させることので
きるボックス柱のダイアフラム溶接方法を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るボックス
柱のダイアフラム溶接方法は、板厚16mmから65m
mまでの範囲のダイアフラムの端部両面に設けた裏当て
金をボックス内面に当接させることにより、ダイアフラ
ムの端面、両裏当て金およびボックス内面とで形成され
る密閉空間を溶接開先として、直径1.6mmのソリッ
ドワイヤを用いて、使用溶接電流範囲を380A±10
Aとする1電極の非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接
法にて溶接するボックス柱のダイアフラム溶接方法にお
いて、ダイアフラム端面とボックス内面との間隙である
ル−ト間隙を16mmから19mmの間に設定するとと
もに、溶接電圧Vを下記(1)式に示す範囲に設定して
溶接するものである。 0.13t+43<V<0.13t+46…………(1) ただし、t:ダイアフラムの板厚(mm) V:溶接電圧(V)
【0012】本発明に係るボックス柱のダイアフラム溶
接方法においては、非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶
接法を用い、ル−ト間隙を16mmから19mmの間に
設定する。これは溶接能率を高めるために、ル−ト間隙
を従来の20〜25mmよりも小さくしても、後述する
ように溶接電圧を適正な範囲に設定することにより、希
釈率を適正な範囲にすることができ、良好な溶接品質を
確保することができるからである。 そして、ル−ト間
隙の上限を19mmとしたのは、従来の20mmより小
さくして、溶接能率を向上させるためであり、ル−ト間
隙の下限を16mmとしたのは、非消耗式ノズルの外径
が12mmであり、かつ部材間とのギャップが最低2m
mづつ必要であるので、最小16mm必要となるからで
ある。
【0013】溶接電圧V(ボルト)はダイアフラムの板
厚t(mm)との関係で、上記(1)式の範囲に入るよ
うに設定する。これは、溶接電圧Vが下限値未満となる
と、溶け込み不良が発生するからであり、溶接電圧Vが
上限値を超えると、高温割れが発生したり、靱性が劣化
するからである。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図面を
参照して説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態におけるル−ト
間隙を示す説明図である。本発明のボックス柱のダイア
フラム溶接方法においては、図1に示すように、ダイア
フラム3の端部両面に設けた裏当て金2の端面2aをボ
ックス柱のスキンプレ−ト1の内面に当接させることに
より、ダイアフラム3の端面3a、両当て金2およびス
キンプレ−ト1とで形成される密閉空間4を溶接開先と
して、この中でまずア−ク熱によりフラックスを溶かし
てスラグを生成させ、ついで溶融スラグ中を流れる抵抗
熱を利用してワイヤおよび母材を溶融して接合するエレ
クトロスラグ溶接法により、ボックス柱にダイアフラム
3を溶接する。
【0016】この溶接方法においては、ル−ト間隙の大
きさTを、16mm〜19mmに設定するとともに、溶
接電圧V(ボルト)をダイアフラム3の板厚t(mm)
との関係で、下記(1)式の範囲となるように設定して
溶接を行なう。 0.13t+43<V<0.13t+46…………(1) ただし、t:ダイアフラムの板厚(mm) V:溶接電圧(ボルト)
【0017】上述した溶接方法において、ル−ト間隙T
を16mm〜19mmに設定するのは、溶接能率を高め
るために、ル−ト間隙を従来の20〜25mmよりも小
さくしても、後述するように溶接電圧を適正な範囲に設
定することにより、希釈率を適正な範囲にすることがで
き、良好な溶接品質を確保することができるからであ
る。
【0018】ル−ト間隙を従来より小さく設定するだけ
では、溶接品質を劣化させずに溶接能率を向上させるこ
とはできず、溶接品質を高度に維持するためには、溶接
電圧を適正範囲に制御しなければならない。
【0019】すなわち、溶接電圧を過剰に上げすぎる
と、母材の溶け込み量が大きくなることに起因して、溶
接部の炭素濃度が高まり、溶接部において高温割れが発
生したり、溶接部の靭性が劣化する恐れがある。
【0020】また、溶接電圧が低すぎると、母材の溶け
込み量が不足して、溶接部の継手強度が劣化する恐れが
ある。
【0021】そこで、このようなことを考慮して、溶接
電圧は前記(1)式の範囲としたのである。
【0022】溶接電圧の範囲を、(1)式の範囲に設定
するようにした根拠を詳述すると、次の通りである。
【0023】エレクトロスラグ溶接部の品質は、母材希
釈率という概念で判定することができる。この希釈率C
は、図2の模式図に示すように、1対の裏当て金2とス
キンプレ−ト1およびダイアフラム3とで囲まれた領域
の断面積(開先断面積)Aと、1対の裏当て金2、スキ
ンプレ−ト1およびダイアフラム3の母材溶け込み部分
の合計の断面積Bとを使用して、(2)式で表わされ
る。 C={B/(A+B)}×100(%)…………(2)
【0024】そして、希釈率Cが小さいということは、
溶け込み量が少ないということであり、ある一定値以下
であると、溶け込み不足と判断される。
【0025】また、希釈率Cが大きいということは、溶
け込み量が多いということであり、その結果母材溶融部
の炭素が溶接金属に希釈され、溶接金属中の炭素濃度が
上昇し、溶接部に高温割れが発生したり、溶接部の靭性
が低下しやすくなる。
【0026】したがって、希釈率Cは一定の範囲内に入
らなければならない。希釈率Cの下限値は、上述したよ
うに、溶け込み量が不足しないという条件で決定される
が、溶け込み量が不足しているか否かの判定は、一般に
超音波探傷に頼っている。そして、その場合の判定方法
としては、図3に示す溶け込み幅Wがダイアフラム3の
板厚tよりも片側で3mm大きい、すなわち溶け込み幅
Wは(3)式のような関係となることが望ましい。 W≧t+6mm…………(3)
【0027】これは片側で3mm以上の溶け込みがない
と、超音波探傷によって溶け込みを確認することができ
ず、不合格とせざるを得ない場合があるという品質保証
上の問題からである。
【0028】溶け込み幅がダイアフラム3の板厚t+6
mmとなるための希釈率Cとダイアフラム3の板厚tと
の関係を、ル−ト間隙をパラメ−タとして計算により求
め、図4に示す。ダイアフラム3の板厚tが大きくなる
にしたがって、前記(A+B)の面積の形状は楕円にな
るが、楕円の長径と短径の比は実験結果から(t/T)
1/2 とした。
【0029】ル−ト間隙Tの最小値16mm、ダイアフ
ラム3の板厚tの最小値16mmの場合、前記(2)式
におけるAの面積(mm2 )は16×16、(A+B)
で示される円の面積(mm2 )は、円の半径が幾何学的
に{82 +(8+3)2 1/ 2 =13.6mmであるの
で、(π・13.62 )となり、所定の溶け込み量が確
保できる希釈率Cの下限値は56%となる。
【0030】図4から明らかなように、ダイアフラムの
板厚が16mm〜65mmの範囲では、ル−ト間隙Tが
16mmよりも大きくなっても、またダイアフラム3の
板厚tが16mmよりも大きくなっても、溶け込み不足
の発生しない適正な希釈率は56%よりも小さいので、
希釈率の下限値を56%とするように溶接条件を設定す
れば、ル−ト間隙Tおよびダイアフラム3の板厚tが変
化しても、溶け込み不足は発生しない。
【0031】次に、前述した高温割れや靭性劣化を発生
させない希釈率Cの上限値は、次のようにして求まる。
【0032】図5は炭素量0.16%を含有する板厚2
2mmの鋼材でダイアフラム、スキンプレ−トおよび裏
当て金を形成し、炭素量0.082%の溶接ワイヤ(直
径1.6mmのソリッドワイヤ)を用いてエレクトロス
ラグ溶接を行なったときの、希釈率と溶接金属中の炭素
量の関係および割れ発生の有無を示す図である。
【0033】溶接条件は、溶接電流を380A±10A
とし、溶接電圧を40Vから51vの間で変化させ、溶
接部の希釈率を変化させた。
【0034】図5から明らかなように、溶接金属の炭素
量Zは鋼材の炭素量Z1 と溶接ワイヤの炭素量Z2 およ
び希釈率Cから(2)式により計算される値(図5中実
線で示す)にほぼ等しく、溶接金属中の炭素含有量が
0.13%以上で割れの発生がみられる。 Z=Z1 ・C+Z2 (1−C)…………(2)
【0035】もちろん、溶接電流は割れの発生に大きく
影響するので、溶接電流が異なれば割れの発生する溶接
金属中の炭素含有量も異なることが予想されるが、今回
の実験に使用した溶接電流範囲である380A±10A
の間では、割れの発生する溶接金属中の炭素含有量に差
はなかった。
【0036】すなわち、直径1.6mmのソリッドワイ
ヤを使用し、溶接電流を380A±10Aの範囲とした
非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接では、鋼材の炭素
量Z 1 と溶接ワイヤの炭素量Z2 が与えられた時、溶接
金属の炭素量Zが0.13%となるような希釈率CMAX
が希釈率Cの上限値となる。
【0037】鋼材の炭素量Z1 と溶接ワイヤの炭素量Z
2 は低いほど希釈率Cの上限値は上がるが、一般的にボ
ックス柱に使用される鋼材の炭素量は0.10%から
0.16%の範囲であり、溶接ワイヤの炭素量は0.0
4%から0.085%の範囲であるので、それぞれの炭
素量の上限値を用いて(2)式により希釈率の上限値を
求めると、希釈率の上限値CMAX は60%となる。
【0038】以上の結果から、希釈率が56%から60
%の間になるような条件で溶接すれば、ル−ト間隙が1
6mmから19mmの範囲においても、健全な溶接品質
を確保できることが分かる。
【0039】そこで、希釈率と溶接電圧の関係を調査し
た結果、図6に示すように、ダイアフラムの板厚毎に希
釈率と溶接電圧は比例関係にあることを見いだした。
【0040】すなわち、エレクトロスラグ溶接部の希釈
率は、ダイアフラムの板厚と溶接電圧によって決まり、
ル−ト間隙が変化してもこの関係は変化しなかった。
【0041】したがって、ダイアフラムの板厚を変数と
して溶接電圧を適切に選定すれば、希釈率が56%から
60%の間になるように溶接することが可能である。
【0042】図6を基に、ダイアフラムの板厚と希釈率
を56〜60%の範囲とする適正な溶接電圧との関係を
整理し、図7に示す。この図において、直線Aはダイア
フラムの板厚と溶接電圧の下限値との関係を示し、直線
Bはダイアフラムの板厚と溶接電圧の上限値との関係を
示す。そして、前記(1)式は、図7から導き出された
ものである。
【0043】
【実施例】非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接法によ
り、板厚22mm、40mmおよび60mmのダイアフ
ラムを、ル−ト間隙および溶接電圧を本発明の溶接方法
の条件に設定して、ボックス柱に溶接する試験を行なっ
た。比較例として、ル−ト間隙および溶接電圧を本発明
の溶接方法の条件を外れた条件に設定して、試験を行な
った。なお、板厚22mmのダイアフラムを溶接する場
合には、溶接ノズルを揺動させずに行なったが、板厚4
0mmおよび60mmのダイアフラムを溶接する場合に
は、溶接ノズルを揺動させて溶接を行なった。
【0044】また、溶接ワイヤには炭素量0.085%
含有の1.6mm径のソリッドワイヤを、ダイアフラ
ム、スキンプレ−トおよび裏当て金には炭素量0.16
%含有の鋼材を使用し、溶接電流は380A±10Aと
した。
【0045】そして、溶接後の溶け込み幅、希釈率を計
測し、割れの有無を調べた。溶接条件と溶接結果とを表
1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1〜実施例6に示す板厚22mmの
ダイアフラムを溶接した場合においては、希釈率が56
〜60%の範囲に入るような溶接電圧で、溶接を行なっ
ているので、溶け込み幅が十分であるとともに、溶接部
に割れも発生せず、良好な溶接品質を得ることができ
た。
【0048】これに反して、比較例1〜比較例5に示す
板厚22mmのダイアフラムを溶接した場合において
は、希釈率が56〜60%の範囲を外れる溶接電圧で溶
接しているので、溶け込み幅が少ない(溶け込み不良)
ものや、溶接金属に割れが発生するものがあり、溶接結
果は不良であった。
【0049】また、実施例1〜実施例6における溶接速
度は、4.4〜5.6cm/minと、従来の溶接法に
おけるル−ト間隙25mmの場合の溶接速度3.6〜
3.7cm/minに比べて速くなっており、溶接能率
を向上させることができる。
【0050】また、実施例7〜実施例11に示す板厚4
0mmのダイアフラムを溶接した場合においても、希釈
率が56〜60%の範囲に入るような溶接電圧で、溶接
を行なっているので、溶け込み幅が十分であるととも
に、溶接部に割れも発生せず、良好な溶接品質を得るこ
とができた。
【0051】これに反して、比較例6〜比較例8に示す
板厚40mmのダイアフラムを溶接した場合において
も、希釈率が56〜60%の範囲を外れるような溶接電
圧で溶接しているので、溶け込み幅が少ない(溶け込み
不良)ものや、溶接金属に割れが発生するものがあり、
溶接結果は不良であった。
【0052】また、実施例7〜実施例11における溶接
速度は、2.5〜2.9cm/minと、従来の溶接法
におけるル−ト間隙25mmの場合の溶接速度1.9c
m/minに比べて速くなっており、溶接能率を向上さ
せることができる。
【0053】また、実施例12〜実施例14に示す板厚
60mmのダイアフラムを溶接した場合においても、希
釈率が56〜60%の範囲に入るような溶接電圧で、溶
接を行なっているので、溶け込み幅が十分であるととも
に、溶接部に割れも発生せず、良好な溶接品質を得るこ
とができた。
【0054】これに反して、比較例9〜比較例11に示
す板厚60mmのダイアフラムを溶接した場合において
も、希釈率が56〜60%の範囲を外れるような溶接電
圧で溶接しているので、溶け込み幅が少ない(溶け込み
不良)ものや、溶接金属に割れが発生するものがあり、
溶接結果は不良であった。
【0055】また、実施例12〜実施例14における溶
接速度は、1.7〜2.0cm/minと、従来の溶接
法におけるル−ト間隙25mmの場合の溶接速度1.5
cm/minに比べて速くなっており、溶接能率を向上
させることができる。
【0056】
【発明の効果】この発明により、ボックス柱にダイアフ
ラムをエレクトロスラグ溶接するに際して、溶接品質を
低下させることなく、溶接能率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるル−ト間隙を示す
説明図である。
【図2】希釈率を説明するための模式図である。
【図3】この発明の実施の形態において必要とされる溶
け込み幅の説明図である。
【図4】ル−ト間隙をパラメ−タとしたダイアフラムの
板厚と溶け込み不足を発生させない希釈率との関係を示
す図である。
【図5】希釈率と溶接金属中の炭素量の関係および割れ
発生の有無を示す図である。
【図6】ダイアフラムの板厚をパラメ−タとした希釈率
と溶接電圧の関係を示す図である。
【図7】ダイアフラムの板厚と溶接電圧の下限値および
上限値の関係を示す図である。
【図8】ボックス柱にダイアフラムをエレクトロスラグ
溶接法で溶接する方法の説明図である。
【符号の説明】
1 スキンプレ−ト 2 裏当て金 3 ダイアフラム 4 密閉空間 T ル−ト間隙の大きさ t ダイアフラムの板厚

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚16mmから65mmまでの範囲の
    ダイアフラムの端部両面に設けた裏当て金をボックス内
    面に当接させることにより、ダイアフラムの端面、両裏
    当て金およびボックス内面とで形成される密閉空間を溶
    接開先として、直径1.6mmのソリッドワイヤを用い
    て、使用溶接電流範囲を380A±10Aとする1電極
    の非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接法にて溶接する
    ボックス柱のダイアフラム溶接方法において、ダイアフ
    ラム端面とボックス内面との間隙であるル−ト間隙を1
    6mmから19mmの間に設定するとともに、溶接電圧
    Vを下記(1)式に示す範囲に設定して溶接することを
    特徴とするボックス柱のダイアフラム溶接方法。 0.13t+43<V<0.13t+46…………(1) ただし、t:ダイアフラムの板厚(mm) V:溶接電圧(V)
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