JP2001078386A - リニア駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単数若しくは複数の駆動モータをスピンドル
に対するあらゆる位置、又は可能性のあるほぼあらゆる
位置に配置することができ、しかもコンパクトな構造と
ノイズの少ない運転とを可能にする。 【解決手段】 駆動装置に少なくとも１つの駆動部材
（１８）が装備されており、該駆動部材の入力部材が出
力部材に対して選択的に調整可能であるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも１本の
スピンドルを有するリニア駆動装置であって、前記スピ
ンドルが、その都度駆動装置によって回転駆動可能であ
り、該駆動装置が、駆動モータ及び該駆動モータによっ
て駆動技術的に結合された減速歯車伝動装置を有してい
る形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】問題となっているリニア駆動装置は、有
利には家具構成部材を移動調節するために使用される。
従って、出力は比較的小さい。駆動モータは、一般に安
全電圧の供給される直流モータである。減速歯車装置に
より、スピンドルの回転数はモータ軸に比べて著しく減
少される。更に、リニア駆動装置にはケーシングが装備
されている。スピンドルの回転時に、このスピンドルに
被せ嵌められた、相対回動の防止されたスピンドルナッ
トがリニアに動作して、レバー又は類似の構成部材を介
して、接続された家具構成部材を操作する。問題となっ
ているリニア駆動装置は、１つの駆動モータ、１つの減
速歯車装置及び１本のスピンドルを備えた単式駆動装置
であるか、又は２つの駆動モータ、２つの減速歯車装置
及び２本のスピンドルを備えた複式駆動装置である。こ
の場合、各駆動モータは個別に切換え可能である。従っ
て、問題の駆動装置の場合、駆動装置はそれぞれ駆動モ
ータ、減速歯車装置及びスピンドルから成っている。減
速歯車装置は、有利にはウォーム歯車装置である。ウォ
ームは、駆動モータの駆動ジャーナルに直接に被せ嵌め
られている。これにより、モータ軸はスピンドルに対し
て直角に位置していることになる。問題となっているリ
ニア駆動装置は、特に制限された組込みスペースに組み
込まれるので、このような配置形式は全ての使用ケース
に使用することはできない。

【０００３】同様に、モータ軸が２つのかさ歯車を介し
てスピンドルを駆動するリニア駆動装置も公知である。
しかし、このような駆動装置は家具駆動装置には不適切
である。なぜならば、スピンドルに対するモータ軸の回
転比が比較的小さいからである。これにより、スピンド
ルナットの過度に高い速度が生じる恐れがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、単数
若しくは複数の駆動モータをスピンドルに対するあらゆ
る位置、又は可能性のあるほぼあらゆる位置に配置する
ことができ、しかもコンパクトな構造とノイズの少ない
運転とを可能にするように、冒頭で詳しく述べた形式の
リニア駆動装置を簡単に構成することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明では、駆動装置に少なくとも１つの駆動部材が
装備されており、該駆動部材の入力部材が出力部材に対
して選択的に調整可能であるようにした。

【０００６】

【発明の効果】本発明によるリニア駆動装置では、駆動
装置の配置が単数若しくは複数の調整可能な駆動部材を
中心として拡張される。出力部材に対する入力部材の位
置は、組込み状態に則っている。モータ軸がスピンドル
に対して垂直に位置していることは基本的に可能である
が、スピンドルに対する駆動モータの間隔を著しく変化
させ、有利には拡大することができる。しかし有利に
は、駆動モータはスピンドルに対して直角には配置され
ない。基本的に、駆動モータを残りの構成部材から分離
することも可能であり、これによって、特に狭い組込み
スペースにおいて駆動モータをフリースペースに組み込
むことができる。出力部材の入力部材に対する調整手
段、若しくは逆に入力部材の出力部材に対する調整手段
をも備えた駆動部材は、通常、伝達可能なトルクは比較
的小さいが、例えば床張り板又は安楽椅子の構成部材等
の、家具の構成部材を移動調節するためには十分である
ように設計されている。リニア駆動装置は、家具におい
て構成部材が目立たないように組み込まれるので、付加
的な駆動部材による事故の危険は生じない。特別な保護
部材を省略することができるので、本発明によるリニア
駆動装置は特にノイズが少ない。調整可能な駆動部材に
より、今や駆動モータをあらゆる適切な位置に配置する
事が可能である。

【０００７】入力部材が出力部材に対して可能な移動調
節範囲内で無段式に調整可能であるように駆動部材が設
計されていると、特に有利である。これにより、駆動モ
ータをスピンドルに対するあらゆる任意の位置に設ける
ことができる。駆動部材は、有利にはロープ状の撓みや
すい駆動部材であるか、又は例えばボールジョイント或
いはユニバーサルジョイント等の少なくとも１つのジョ
イントが装備されている。ロープ状の駆動部材が、例え
ば一般に公知の撓みやすい軸であるのに対して、ジョイ
ントを使用する場合はカルダン軸が問題となる。駆動部
材が相互に間隔をおいて位置する複数のジョイントを有
している限り、全変向角度は比較的大きくてよい。しか
し、例えば単数又は複数のロープ状の撓みやすい駆動部
材と、単数又は複数のボールジョイント或いはユニバー
サルジョイントとを有している、少なくとも２つの異な
る駆動部材から形成された駆動装置を配置することも可
能なので、組込み状態に応じて適当な組合せを選択する
ことができる。有利には、駆動モータと減速歯車装置と
は、調整可能な駆動部材によって互いに駆動技術的に結
合されている。この配置形式は、最小トルクが伝達され
る一方、基本的には可能な減速歯車装置のスピンドルと
の結合においても、駆動部材によって適当に高いトルク
が伝達されるという利点をもたらす。

【０００８】駆動モータは、任意に配置されてよい。従
って、例えば駆動モータのロータの回転軸線がスピンド
ルの回転軸線に対して平行に間隔をおいて位置すること
が可能である。リニア駆動装置のスピンドルは、ケーシ
ングに固定的に配置されたいわゆるフランジ付き管内に
位置している。この配置形式では、駆動モータが外側で
フランジ付き管に直接に固定されていることが可能であ
る。リニア駆動装置の、例えば家具のフリースペースへ
の組込み方の可能性に応じて、駆動モータのロータの回
転軸線が、スピンドルの回転軸線に対して傾斜して位置
することも可能である。この場合、スピンドルとモータ
軸とによって成される角度は鋭角であるのが望ましい。
このような構成では、駆動モータはリニア駆動装置のケ
ーシング又はフランジ付き管に取り付けられたホルダに
組み込まれていてよい。有利には、問題のリニア駆動装
置でも、減速歯車装置はウォーム歯車装置であって、こ
の場合、ウォームは調整可能な駆動部材に結合されてい
る。これにより、自体公知の形式で、スピンドルに対す
る駆動モータの比較的高い回転数比が得られる。

【０００９】家具駆動装置としてリニア駆動装置を使用
する場合、接続された家具構成部材は、上昇運動時も下
降運動時もリニア駆動装置によって駆動される。但し、
下降運動は自重に基づき増大された速度で実施されるこ
とが必要とされている。この場合、リニア駆動装置は遮
断されねばならない。従って、調整可能な駆動部材が、
遮断可能な結合部材によって駆動モータと結合されてい
る。調整可能な駆動部材が比較的激しく変形されるため
には、この駆動部材は、線材を巻くことによって形成さ
れた多数の巻条から成っている。更に、このような駆動
部材は簡単に製作され得る。伝達しようとするトルクを
増大させるためには、ロープ状の撓みやすい駆動部材
が、異なる直径の巻条の互いに内外に嵌め込まれた複数
の層から形成されている。これにより、ロープ状の駆動
部材の肉厚が増大される。

【００１０】入力部材が出力部材に対して調整可能な駆
動部材を使用することは、別の手段を可能にする。つま
り、従来公知の構成の複数のリニア駆動装置を１つの駆
動ユニットにまとめ、各リニア駆動装置の歯車伝動装置
を、１つの配電器歯車を介して駆動部材によって駆動す
ることができるということが考えられる。この場合、１
つのモータによって複数のリニア駆動装置が駆動される
という可能性が生じる。この場合、モータとリニア駆動
装置との間には１つの配電器歯車が中間接続されてい
る。別の構成では、２つ又はそれ以上の配電器歯車が１
つのモータによって駆動されてもよい。この場合、駆動
部材はそれぞれ複数の出力時間に接続されている。この
ような構成では、手動スイッチによって制御ユニットを
介して駆動可能であることが特に有利である。配電器歯
車は切換可能であってもよいので、選択されたリニア駆
動装置だけが駆動モータの接続時に作動される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面につき詳しく説明する。

【００１２】図１〜３に示したリニア駆動装置１０は、
家具駆動装置として設計されている。ケーシング１１に
は、駆動されるウォーム１２と、このウォームと噛み合
っているウォーム歯車１３とから形成されたウォーム駆
動装置が支承されている。ケーシング１１には公知の形
式でフランジ付き管１４が取り付けられており、このフ
ランジ付き管１４にはスピンドル１５が支承されてい
る。このスピンドル１５に被せ嵌められたスピンドルナ
ットは、図面を簡単にするために図示されていない。ウ
ォーム１２は駆動モータ１６によって駆動され、この駆
動モータ１６の駆動ジャーナル１７は、結合部材（詳し
くは説明しない）を介して撓みやすいロープ状の駆動部
材１８と結合されている。この駆動部材１８の他方の端
部は、ウォーム１２と結合されている。図１に示した実
施例では、フランジ付き管１４にホルダ１９が被せられ
ており、このホルダ１９に駆動モータ１６が固定されて
いる。前記ホルダ１９は、駆動モータ１６の回転軸線が
スピンドル１５の回転軸線に対して傾斜して位置するよ
うに構成されている。図示の実施例では、成された角度
は約４５°である。但し、別の角度も可能である。

【００１３】図２及び図３に示した実施例は、図１に示
した実施例とは異なり、駆動モータ１６の回転軸線が、
スピンドル１５の回転軸線に対して平行に間隔をおいて
位置している。駆動モータ１６は、２本のベルト２０，
２１によってフランジ付き管１４に固定されている。駆
動部材１８の撓みが極端に大きくならないようにするた
めには、ケーシング１１と駆動モータ１６の間の間隔が
拡大されている。

【００１４】図示の実施例では、１つの駆動モータ１６
と１本のスピンドル１５を備えた、いわゆる単式駆動装
置が描かれている。しかし図面に反して、リニア駆動装
置を２つの駆動モータと、２つの減速歯車装置と、２本
のスピンドル１５とを備えた複式駆動装置として構成す
ることも可能である。図示の実施例では、駆動モータ１
６はフランジ付き管１４に配置されている。図面に反し
て、駆動モータを本来のリニア駆動装置から分離して、
家具の適当な位置に固定することもできる。

【００１５】撓みやすいロープ状の駆動部材に対して、
単数又は複数のジョイントを装備した駆動部材を使用し
てもよい。ジョイントとしては、有利にはボールジョイ
ント又はユニバーサルジョイントが顧慮される。このよ
うな部材は、カルダン軸と呼ばれる。

【００１６】図４には、複数のリニア駆動装置１０から
１つの駆動ユニットが形成される実施例が示されてい
る。各リニア駆動装置は、調整可能な駆動部材１８を介
して駆動される。図４には、模範的な配置形式が示され
ている。なぜならば、リニア駆動装置１０を事実上、あ
らゆる位置に相対して配置することができるからであ
る。既に述べた駆動部材１８は、それぞれモータ２３に
よって駆動される配電器歯車２２の出力部材に接続され
ている。別の実施例では、駆動部材１８は複数の配電器
歯車２２に結合されてもよく、この場合、各配電器歯車
２２はそれぞれ専用の駆動モータ２３によって駆動され
ていてよいので、全てのリニア駆動装置１０が駆動され
る。しかし、例えば単数又は複数の配電器歯車２２が切
換可能である場合は、特定のリニア駆動装置１０だけが
駆動されるということも考えられる。複数の配電器歯車
２２の場合は、各配電器歯車に１つのモータが対応配置
されてよいので、この場合も特定のリニア駆動装置１０
を作動させることができる。単数又は複数の駆動モータ
２３の制御は、手動スイッチ２４と、対応して設計され
た制御ユニット２５とを介して行われる。このような実
施例は、例えば１つの家具において複数の構成部材が移
動調節可能である場合に使用することができる。

【００１７】本発明は、図示の実施例に限定されるもの
ではない。重要なのは、調整可能な駆動部材１８を介し
た駆動モータ１６によるスピンドルの駆動である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるリニア駆動装置の第１実施例を示
した図である。

【図２】本発明によるリニア駆動装置の第２実施例を示
した図である。

【図３】図２に示したリニア駆動装置のフランジ付き管
を横から見た図である。

【図４】各リニア駆動装置が調整可能な駆動部材を介し
て駆動可能である、複数のリニア駆動装置から形成され
た駆動ユニットを示した図である。

【符号の説明】

１０ リニア駆動装置、 １１ ケーシング、 １２
ウォーム、 １３ ウォーム歯車、 １４ フランジ付
き管、 １５ スピンドル、 １６ 駆動モータ、 １
７ 駆動ジャーナル、 １８ 駆動部材、 １９ ホル
ダ、 ２０，２１ ベルト、 ２２ 配電器歯車、 ２
３ 駆動モータ、 ２４ 手動スイッチ、 ２５ 制御
ユニット

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも１本のスピンドルを有するリ
   ニア駆動装置であって、前記スピンドルが、その都度駆
   動装置によって回転駆動可能であり、該駆動装置が、駆
   動モータ及び該駆動モータによって駆動技術的に結合さ
   れた減速歯車伝動装置を有している形式のものにおい
   て、 駆動装置に少なくとも１つの駆動部材（１８）が装備さ
   れており、該駆動部材の入力部材が出力部材に対して選
   択的に調整可能であることを特徴とするリニア駆動装
   置。
2. 【請求項２】 調整可能な駆動部材（１８）が、その調
   整範囲内で無段式に調整可能である、請求項１記載のリ
   ニア駆動装置。
3. 【請求項３】 駆動部材（１８）が、ロープ状の撓みや
   すい駆動部材であるか、又は少なくとも１つのボールジ
   ョイント又はユニバーサルジョイント等のジョイントを
   有している、請求項１又は２記載のリニア駆動装置。
4. 【請求項４】 駆動装置が、単数又は複数のロープ状の
   撓みやすい駆動部材及び単数又は複数のボールジョイン
   ト若しくはユニバーサルジョイント等の少なくとも２つ
   の異なる駆動部材（１８）を有している、請求項１から
   ３までのいずれか１項記載のリニア駆動装置。
5. 【請求項５】 駆動モータ（１６）と減速歯車伝動装置
   （１２，１３）とが、少なくとも１つの調整可能な駆動
   部材（１８）によって互いに結合されている、請求項１
   から４までのいずれか１項記載のリニア駆動装置。
6. 【請求項６】 各駆動モータ（１６）のロータの回転軸
   線が、スピンドル（１５）の回転軸線に対して平行に間
   隔をおいて位置している、請求項１から５までのいずれ
   か１項記載のリニア駆動装置。
7. 【請求項７】 各駆動モータ（１６）が、固定部材（２
   ０，２１）によってリニア駆動装置（１０）のフランジ
   付き管（１４）に固定されている、請求項６記載のリニ
   ア駆動装置。
8. 【請求項８】 駆動モータ（１６）のロータの回転軸線
   が、スピンドル（１５）の回転軸線に対して傾斜して位
   置している、請求項１から７までのいずれか１項記載の
   リニア駆動装置。
9. 【請求項９】 各駆動モータ（１６）が、ホルダ（１
   ９）によってリニア駆動装置（１０）のフランジ付き管
   （１４）に固定されている、請求項８記載のリニア駆動
   装置。
10. 【請求項１０】 減速歯車伝動装置がウォーム歯車伝動
    装置であり、ウォーム（１２）がロープ状の駆動部材
    （１８）と結合されている、請求項１から９までのいず
    れか１項記載のリニア駆動装置。
11. 【請求項１１】 ロープ状の駆動部材（１８）が、遮断
    可能な結合部材によって駆動モータ（１６）に結合され
    ている、請求項１から１０までのいずれか１項記載のリ
    ニア駆動装置。
12. 【請求項１２】 ロープ状の駆動部材（１８）が、線材
    を巻くことによって形成された多数の巻条から成ってい
    る、請求項１から１１までのいずれか１項記載のリニア
    駆動装置。
13. 【請求項１３】 ロープ状の駆動部材（１８）が、互い
    に内外に嵌め込まれた異なる直径の巻条から成る複数の
    層から形成されている、請求項１２記載のリニア駆動装
    置。
14. 【請求項１４】 複数のリニア駆動装置（１０）から１
    つの駆動ユニットが形成されており、全てのリニア駆動
    装置の駆動部材（１８）が、単数又は複数の配電器歯車
    （２２）の出力部材に結合されている、請求項１から１
    ３までのいずれか１項記載のリニア駆動装置。
15. 【請求項１５】 各配電器歯車（２２）が１つの駆動モ
    ータ（２３）によって駆動可能であるか、又は全ての配
    電器歯車（２２）が１つの駆動モータ（２３）によって
    駆動可能である、請求項１４記載のリニア駆動装置。
16. 【請求項１６】 各駆動モータ（２３）又は全ての駆動
    モータ（２３）が、１つの手動スイッチ（２４）によっ
    て制御ユニット（２５）を介して制御可能である、請求
    項１４又は１５記載のリニア駆動装置。