JP4026119B2 - 電動雲台装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラや照明具などの被駆動ユニットが設けられて屋内監視等に使用される電動雲台装置に係り、より詳しくは、被駆動ユニットの垂直方向及び水平方向の駆動に支障を生じない状態で小型化した電動雲台装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の電動雲台装置の一例の断面図、図6は図5の水平駆動ユニット部分の平面図である。
両図において、1は円板状のユニットベースで、その下面には、例えばカメラや照明具の如き被駆動ユニット3を垂直方向に駆動する垂直駆動用モータ4を有する垂直駆動ユニット2と、被駆動ユニット3を水平方向に駆動する水平駆動用モータ5が設けられており、また、上面中心部には、出力軸6が一体的に立設されている。7はユニットベース1の下面に取付けられた制御基板、10はユニットベース1の上部に設けられた固定部である。
【0003】
21は固定部10内に配設されたケーブル巻取ドラムで、その中心部に設けた筒状の巻取柱22が軸受23を介して出力軸6に回動可能に装着されており、その下端面には出力プーリ24が一体に設けられている。そして、これらケーブル巻取ドラム21及び出力プーリ24は、固定部10に一体的に固定されている。
【0004】
26はケーブル巻取ドラム21の巻取柱22の外周に配設され、一端が固定部10から外部に取出されて外部電源及び制御装置(図示せず)に接続され、他端が制御基板7に接続されたケーブルである。そして、外部電源及び制御装置と、垂直方向駆動ユニット2、被駆動ユニット3及び後述の水平方向駆動ユニット20との間で、制御、映像などの信号及び電源のやりとりを行う。
【0005】
27はユニットベース1の上面側において水平駆動用モータ5の出力軸に取付けた出力プーリ、29はユニットベース1の上面に立設した中間軸28に取付けた大プーリ、30は同じく小プーリで、出力プーリ27と大プーリ29との間にはベルト31が掛けられ、小プーリ30とケーブル巻取ドラム21に設けた出力プーリ24との間にはベルト32が掛けられて、プーリとベルトによる動力伝達機構34が構成されている。33a,33bはベルト31,32に張力を与えるアイドラである。そして、水平駆動用モータ5、ケーブル巻取ドラム21、ケーブル26、動力伝達機構34等により水平方向駆動ユニット20を構成する。
【0006】
上記のような電動雲台装置において、被駆動ユニット3を水平方向に駆動するには、外部電源からケーブル26を介して水平駆動用モータ5に給電し、駆動する。これにより、水平駆動用モータ5の回転は、出力プーリ27、ベルト31、大プーリ29、小プーリ30、ベルト32を介して出力プーリ24に伝達される。
【0007】
しかしながら、出力プーリ24は固定部10に固定されて回転できないため、その反力によりユニットベース1が回転し、これに取付けた被駆動ユニット3を水平方向に回動させる。このとき、ケーブル26はケーブル巻取ドラム21内において、その余長が吸収される。この場合、被駆動ユニット3の回動範囲は、ケーブル26の余長によって規制される。なお、垂直駆動用モータ4を駆動することにより、被駆動ユニット3を垂直方向に駆動することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動雲台装置は、ケーブル巻取ドラム21の下端面に出力プーリ24が位置しており、出力プーリ24上にケーブル巻取ドラム21を積み上げて構成しているので、製品高さが全体として垂直方向に大きくならざるを得なかった。
【0009】
また、水平方向駆動ユニット20をベルト駆動にしたので、水平方向にプーリーを配置することができて製品高さは低くなるが、各プーリー間の距離を確保するために、製品が水平方向に大きくならざるを得なかった。さらに、このベルト駆動では、ベルト31,32に張力を与えて発生するガタを抑えるためにアイドラ33a,33bを設けなければならないが、このため水平方向にさらに大きくならざるを得ず、小型化しにくいという問題があった。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被駆動ユニットの垂直方向及び水平方向の駆動に支障を生じさせることなく小型化することができる電動雲台装置を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力プーリを該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたものである。
【0012】
(2)また、本発明は、カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力歯車を該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたものである。
【0013】
(3)本発明は、上記(2)のケーブル巻取ドラム内にコイルばねを配設し、該コイルばねのバネ力により前記ケーブル巻取ドラムを一定方向に付勢した。
(4)また、上記(2)のケーブルの巻取り長さをケーブル固定部により調整し、該ケーブルに一定方向の張力を付与した。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る電動雲台を示す縦断面図である。なお、従来例(図5、図6)の構成と同一又は相当部分には同じ符号を付し、説明を省略する。また、水平駆動ユニット部分の平面図は、図6とほぼ同様なので、これを参照して説明する。
本実施の形態においては、動力伝達機構34を構成する出力プーリ24を、ケーブル巻取ドラム21の外周に一体に設けたものである。
【0015】
上記のように構成した本実施の形態において、水平駆動用モータ5が回転すると、その回転は動力伝達機構34を介して出力プーリ24に伝達されるが、出力プーリ24は固定部10に固定されているため、前述のようにユニットベース1が回動し、これに取付けられた被駆動ユニット3が水平方向に駆動される。このとき、ケーブル巻取ドラム21内では被駆動ユニット3の回動に対応してケーブル26の余長が吸収される。
【0016】
上記のように構成した本実施の形態においては、出力プーリ24がケーブル巻取ドラム21の外周部に設けられているので、従来のように出力プーリ24とケーブル巻取ドラム21とを積み上げて構成する場合に比べて、水平駆動ユニット20の高さを低くすることができる。
【0017】
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2に係る電動雲台装置の縦断面図、図3は図2の水平駆動ユニット部の平面図である。なお、実施の形態1の構成と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態においては、動力伝達機構を平歯車で構成したもので、水平駆動用モータ5の出力軸にはユニットベース1の上面側において、平歯車からなるモータ歯車36が取付けられており、また、ユニットベース1に立設した中間軸28には、平歯車からなりモータ歯車36と噛合う大径の中間歯車37及びケーブル巻取ドラム21の外周に設けた出力歯車25と噛合う小径の中間歯車38が取付けられており、これらにより歯車による動力伝達機構35が構成されている。
【0018】
39はケーブル巻取ドラム21の巻取柱22の外周に巻装されたコイルばねで、その一端はケーブル巻取ドラム21に固定され、他端はユニットベース1に固定されており、ケーブル巻取ドラム21、したがって出力歯車25を一定方向に付勢するようになっている。
【0019】
本実施の形態に係る被駆動ユニット3の水平方向の回動作用は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、動力駆動機構35を平歯車列で構成したので、各歯車の軸間距離を最小に抑えることができ、これにより水平方向の小型化を容易に達成することができる。
また、ケーブル巻取ドラム21内にコイルばね39を設けて出力歯車25を一定方向に付勢するようにしたので、歯車列に生じるバックラッシュを抑えることができる。
【0020】
[実施の形態3]
図4は本発明の実施の形態3に係る電動雲台を示す縦断面図である。なお、実施の形態2(図2)の構成と同じ部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、ケーブル巻取ドラム21の巻取柱22の外周に配設したケーブル26の一端側を固定部材40によりケーブル巻取ドラム21に固定すると共に、他端側をユニットベース1に固定し、その長さを、被駆動ユニット3のすべての水平駆動範囲内において弾性変形し、ケーブル巻取ドラム21、したがって出力歯車25に一定方向の張力がかかるように設定したものである。
【0021】
本実施の形態に係る被駆動ユニット3の水平方向の回動作用及び効果は、実施の形態2とほぼ同様であるが、ケーブル巻取ドラム21の巻取柱22の外周に巻装したコイルばねに代えて、ケーブル26の弾性変形を利用して出力歯車25に張力を付与するようにしたので、より簡単な構造で歯車列に生じるバックラッシュを抑えることができる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明は、カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力プーリを該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたので、ケーブル巻取ドラムの高さを低くして、装置の高さ方向への小型化を容易に達成することができる。
【0023】
請求項2の発明は、カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力歯車を該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたので、水平方向駆動ユニットを水平方向に小型化することができるとともに、ケーブル巻取ドラムの高さを低くして高さ方向への小型化を容易に達成することができる。
【0024】
請求項3の発明は、請求項2の発明のケーブル巻取ドラム内にコイルばねを配設し、該コイルばねのバネ力により前記ケーブル巻取ドラムを一定方向に付勢したので、動力伝達機構を構成する歯車列のバックラッシュを抑えることができる。
【0025】
請求項4の発明は、請求項2の発明のケーブルの巻取り長さをケーブル固定部により調整し、該ケーブルに一定方向の張力を付与したので、動力伝達機構を構成する歯車列のバックラッシュを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る電動雲台装置の縦断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係る電動雲台装置の縦断面図である。
【図3】 図2の水平駆動ユニット部の平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係る電動雲台装置の縦断面図である。
【図5】 従来の電動雲台装置の一例を示す縦断面図である。
【図6】 図5の水平駆動ユニット部の平面図である。
【符号の説明】
1 ユニットベース、2 垂直方向駆動ユニット、3 被駆動ユニット、5 水平駆動用モータ、6 出力軸、10 固定部、20 水平方向駆動ユニット、21 ケーブル巻取ドラム、24 出力プーリ、25 出力歯車、34 ベルトによる動力伝達機構、35 歯車による動力伝達機構、39 コイルばね、40固定部材。

Claims (4)

  1. カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、
    前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、
    該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力プーリを該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたことを特徴とする電動雲台装置。
  2. カメラや照明器具などの被駆動ユニットを水平方向及び垂直方向に駆動させる伝導雲台装置において、
    前記被駆動ユニットを水平方向に駆動させる駆動部と、該駆動部を支持するユニットベースと、外部電源及び制御装置と前記駆動部とを接続して信号、電源の授受を行うケーブルと、該ケーブルの巻取手段とを備え、
    該ケーブル巻取手段は、ほぼ円筒状をなして下部に開口し、外周部より内部に前記ケーブルを出し入れして該ケーブルの巻き取りを行うケーブル巻取ドラムによって構成され、かつ、前記ケーブル巻取ドラムの下部開口部の外周に前記駆動部の出力歯車を該ケーブル巻取ドラムと一体に設けたことを特徴とする電動雲台装置。
  3. 前記ケーブル巻取ドラム内にコイルばねを配設し、該コイルばねのバネ力により前記ケーブル巻取ドラムを一定方向に付勢したことを特徴とする請求項2記載の電動雲台装置。
  4. 前記ケーブルの巻取り長さをケーブル固定部により調整し、該ケーブルに一定方向の張力を付与したことを特徴とする請求項2記載の電動雲台装置。
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