JP2001077580A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2001077580A
JP2001077580A JP24766499A JP24766499A JP2001077580A JP 2001077580 A JP2001077580 A JP 2001077580A JP 24766499 A JP24766499 A JP 24766499A JP 24766499 A JP24766499 A JP 24766499A JP 2001077580 A JP2001077580 A JP 2001077580A
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layer
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Manabu Teranishi
学 寺西
Makoto Ishikura
誠 石倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる方向から飛来するVHFテレビ電波と
UHFテレビ電波に対してともに良好な電波吸収特性を
有する電波吸収体を提供すること 【解決手段】 Mg−Zn系フェライト粒とセメントを
混合して形成される第1電波吸収層3と、その第1電波
吸収層の後側に配置されたMn−Zn系フェライト粒と
セメントを混合して形成される第2電波吸収層4とを備
え、第2電波吸収層の後側は金属板5で裏打ちされてい
る。第1電波吸収層の厚さ並びにセメント:フェライト
の重量比を、設置位置におけるUHF帯の電波の入射角
に応じて設定し、第2電波吸収層の厚さ並びにセメン
ト:フェライトの重量比を、設置位置におけるVHF帯
の電波の入射角に応じて設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層建造物等に使
用されるテレビゴースト対策用等の電波吸収体に関する
ものである。
【0002】
【発明の背景】従来のテレビゴースト対策としては、例
えば、特公昭55−13600号公報や、特公昭55−
49798号公報に示されるように、コンクリート等の
建築物(高層ビル)の外壁面に、VHF帯やUHF帯の
電波吸収特性の良好なフェライト焼結体からなるタイル
を多数貼着したものが一般的に行われている。
【0003】そして、上記した発明が基本的な特許で、
その後各種の改良がなされているが、フェライト焼結体
からなるタイルの貼着のレイアウトや、取り付け方など
についての改良で、タイル(フェライト板)を基準とし
ている。
【0004】しかしながら、上記した従来のフェライト
焼結体のタイル2を用いたものでは、フェライト焼結体
自体が重いため、係るフェライト焼結体からなるタイル
2を貼着する施工性並びに安全性に問題を生じる。ま
た、係るタイル2は、その平面形状が100mm四方程
度に過ぎず非常に小さいため、上記貼着作業が非常に煩
雑となる。
【0005】また、電波吸収特性は、タイル2を構成す
るフェライトの組成や、寸法などにより微妙に変わる。
そこで、タイル2の寸法出しは高精度にする必要がある
が、焼結の際に収縮することも相俟って、正確な寸法出
しをするのは困難である。また、製造後に割れや欠けが
生じるおそれもあり、係る事態が生じたタイルは不良品
となる。したがって、上記寸法出しの困難さと上記割れ
等により、所望の特性を有するタイルを製造する際の歩
留まりが悪く、さらなるコスト高を招く。さらに、実際
には所望の特性を有する寸法形状の決定も試行錯誤を繰
り返し行うとともに、収縮率が変動することなどから煩
雑な処理となる。
【0006】さらに、最近はVHF帯のみならずUHF
帯に対してもテレビゴースト対策をしたいという要求が
ある。そして、VHF帯とUFH帯の両方のテレビゴー
スト対策をするには、VHF帯からUHF帯にまたがる
ような広い範囲で良好な吸収特性を有する電波吸収体が
あると、全面で電波吸収でき、施工も容易となるので好
ましいが、フェライトタイルを用いたものでは係る広い
周波数帯で電波を吸収するものはできない。
【0007】そのため、各帯域にあった吸収特性を得る
ような寸法を設計し製造する必要があるが、異なる寸法
のものを製造すると、上記した問題が顕著に影響し、さ
らに歩留まりの低下を招く。さらに仮に製造できたとし
ても、電波の到来方向に対して重ねて配置することはで
きないので、平面的に配置することになるが、そうする
と、ある部分ではUHF帯用のフェライトタイルが有り
別の部分ではVHF帯用のフェライトが有ることにな
る。よって、例えばVHF帯に着目した場合、壁面全面
にVHF帯用のフェライトタイルが存在する訳ではない
ので、VHF帯のテレビゴースト対策としては、従来の
全面に敷きつめるものに比べて低下するのは避けられな
い。
【0008】そして、従来の電波吸収体は、もっぱら垂
直入射に着目して吸収特性が設計されていたが、実際に
実験してみると電波の入射角によっても吸収特性が異な
ることがわかる。つまり、同一の電波吸収体であって
も、入射角度によってよく吸収できたり、あまり吸収で
きなかったりする。
【0009】したがって、テレビゴースト対策を考えた
場合、テレビ電波の発射するテレビ塔と対策を施す建造
物の位置から電波の入射角を求め、それに基づいて設計
しなければならないが、従来そのような考えはまったく
無かった。よって、仮に設計・寸法通りに製造できても
思い通りの電波吸収特性が得られず、十分なテレビゴー
スト対策ができないおそれもある。
【0010】さらには、VHF帯の電波を発するテレビ
塔とUHF帯用の電波を発するテレビ塔の設置位置は必
ずしも同一位置に有るとは限らない。その結果、建物の
外壁に照射されるVHF帯とUHF帯の電波の入射角が
異なることが多々ある。上記したように斜め入射に対す
る対策すら考えていないため、そのように、異なる入射
角の複数の電波に対応するものは当然なく、そのような
考え・技術思想すらなかった。
【0011】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、実際の設置場所を考慮し、電波の入射角に関係な
く、しかも、異なる入射角度の複数の電波が到来しても
確実に電波吸収することができ、しかも、その吸収特性
は壁面全面で均一にすることができ、かつ、肉厚も薄
く、軽量で、工場等での量産が可能でテレビゴースト用
の電波吸収特性が良好であるとともに、調整(所望の特
性を得ること)が容易に行える電波吸収体を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る電波吸収体では、Mg−Zn系フェ
ライト粒とセメントを混合して形成される第1電波吸収
層と、その第1電波吸収層の後側に配置されたMn−Z
n系フェライト粒とセメントを混合して形成される第2
電波吸収層とを備え、その第2電波吸収層の後側は金属
で裏打ちされて短絡された電波吸収体を前提とする。
【0013】そして、前記第1電波吸収層と第2電波吸
収層の厚さが異なり、前記第1電波吸収層におけるセメ
ント:フェライトの重量比と、前記第2電波吸収層にお
けるセメント:フェライトの重量比を異ならせるように
構成した(請求項1)。
【0014】また、別の解決手段としては、上記と同一
の前提において、前記第1電波吸収層の厚さ並びにセメ
ント:フェライトの重量比を、設置位置におけるUHF
帯の電波の入射角に応じて設定し、前記第2電波吸収層
の厚さ並びにセメント:フェライトの重量比を、設置位
置におけるVHF帯の電波の入射角に応じて設定するよ
うに構成した(請求項2)。
【0015】上記した各発明では、セメントの中に所定
のフェライト粉体を混入することで、所定の周波数の電
波を吸収することができるようになる。そして、Mg−
Zn系フェライトモルタル層は、主としてUHF帯にお
ける電波吸収に機能し、Mn−Zn系フェライトモルタ
ル層は、主としてVHF帯に置ける電波吸収に機能す
る。このように吸収する電波の周波数帯が異なる。よっ
て、対象となる周波数の電波の入射角に応じて各電波吸
収層が最適化されるため、UHF帯とVHF帯の電波の
発信源が異なる位置にあり、電波吸収体に対する入射角
が異なったとしても、各層で確実に吸収することができ
る。つまり、異入射角度に対して対応でき、VHF帯か
らUHF帯までの広範囲で良好な吸収特性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、TVゴースト対策用に用
いる電波吸収体1を示している。この電波吸収体1は、
ビル等の建造物の外壁面に貼りつけることで、その建築
物に到来した所定周波数帯の電波を吸収し、その外壁面
での反射を抑止するようになっている。これにより、T
V放送用の電波等が外壁面で反射されるのが防止され、
テレビゴーストの発生も防止できる。
【0017】そしてその構造は、図1に示すように、電
波の到来方向から順に、表面(1層目)に化粧タイル板
2,2層目にMg−Zn系フェライトモルタル層3,3
層目にMn―Zn系フェライトモルタル層4を積層し、
さらにそのMn系フェライトモルタル層4の裏面に金属
板5で裏打ちし、短絡させている。
【0018】化粧板2は、石板やタイルその他の外装材
を用いることができ、本形態では厚さが7mmの化粧タ
イルを用いた。また、金属板5に替えて鉄筋や金属メッ
シュとしてもよい。
【0019】そして、本発明では、2層目のMg−Zn
系フェライトモルタル層3と、3層目のMn−Zn系フ
ェライトモルタル層4は、いずれもセメントとフェライ
ト粒を混合し、ボード形状に成型する。このとき、セメ
ントとフェライト粒の混合比や、2つのフェライトモル
タル層3,4の加算した厚さ並びに各層の厚さの比を適
宜に設定することにより、設置場所の状況(VHF帯の
テレビ電波とUHF帯のテレビ電波の到来方向:入射
角)に応じた電波吸収特性が得られ、2つの帯域の電波
を吸収することができる。
【0020】なお、各板材相互の固定方法は、接着剤
(樹脂)を用いてもよく、或いはボルトその他の連係部
材により締結してもよく、種々の方法を用いることがで
きる。また、ここの板材を個別に製造したものを所定の
方法により結合するのではなく、例えば、型枠内に化粧
板1を挿入配置した状態で、電波吸収体を構成する各材
料を打設し、固化することにより一体化する等種々の方
式をとることができる。
【0021】図2に示すように、VHF帯の電波を発す
るテレビ塔T1と、UHF帯の電波を発するテレビ塔T
2が異なる位置に設置されているとする。すると、当然
のことながら、電波吸収体1に対する電波の入射角θ
1,θ2は異なる。そして、このように入射角θ1,θ
2が異なると、電波吸収体1内に進入してから金属板5
に到達するまでの距離が異なる。そこで、係る距離(各
入射角の角度)を考慮して、上記した混合比や厚さなど
の条件を設定することになる。
【0022】そして、Mg−Zn系フェライトモルタル
層3は、主としてUHF帯における電波吸収に機能し、
Mn−Zn系フェライトモルタル層4は、主としてVH
F帯における電波吸収に機能する。したがって、概略的
に言えば、VHF帯のテレビ塔T1からの入射角θ1に
合うようにMg−Zn系フェライトモルタル層3の条件
を求め、UHF帯のテレビ塔T2からの入射角θ2に合
うようにMn−Zn系フェライトモルタル層4の条件を
求める。
【0023】*実験結果1 使用するフェライトとしては、Mg−Zn系フェライト
或いはMn−Znフェライトを用い、粒径が5mm以下
(5mm〜0.6mm以下)のものを用いている。この
粉粒は、一旦所定のフェライトを焼成して焼結体を形成
し、得られた焼結体を粉砕することにより形成され、上
記範囲内の粒径が混在した状態となっている。
【0024】そして、Mg−Zn系フェライトモルタル
層3は、 セメント:フェライト粒=1:3(重量比) とし、その厚さを17mmに成型した。一方、Mn−Z
n系フェライトモルタル層4は、 セメント:フェライト粒=1:5(重量比) とし、その厚さを13mmに成型した。この例では、重
量比並びに厚さの比(総厚さは30mm)をともに変え
ている。また、化粧タイルは7mmのものを用い、裏打
ちは金属板とした。
【0025】そして、上記構成の電波吸収体1をVHF
帯の電波の入射角θ1=40度,UHF帯の電波の入射
角θ2=20度となるような位置に設置し、その時の各
周波数に対する反射損失(吸収特性)を求めた。その結
果、図3に示すように、VHF体とUHF体のそれぞれ
で所望の反射損失が得られ、テレビゴーストとして機能
することが確認できた。
【0026】*実験結果2(厚さの比変化) Mg−Zn系フェライトモルタル層3は、 セメント:フェライト粒=1:5(重量比) とし、Mn−Zn系フェライトモルタル層4は、 セメント:フェライト粒=1:7(重量比) とした。そして、総厚さを実験結果1と同様に30mm
とし、2つのフェライトモルタル層3,4の厚さの比を
変えて吸収特性を測定した。なお、その他の構成は実験
結果1と同じである。
【0027】そして、上記構成の電波吸収体1をVHF
帯の電波の入射角θ1=35度,UHF帯の電波の入射
角θ2=50度となるような位置に設置し、その時の各
周波数に対する反射損失(吸収特性)を求めた。その結
果を、図4に示す。
【0028】この実験結果から、以下のことがわかる。
VHF帯を考慮した場合は2つのフェライトモルタル層
3,4の厚さが等しい場合がもっとも良好となる。ま
た、UHF帯も400MHz〜450MHz位では2つ
のフェライトモルタル層3,4の厚さが等しいものが良
好である。しかし、実際に使用する680〜800MH
zの範囲では、厚さを変えた方のが良好でMn−Zn系
フェライトモルタル層3が薄いものほど高周波領域で良
好となる。よって、実際の設置場所における使用周波数
やVHFとUHFのどちらをより重点的に対処するかに
より厚さの比を変えることになる。
【0029】*実験結果3(充填量変化) Mg−Zn系フェライトモルタル層3は、 セメント:フェライト粒=1:3(重量比) セメント:フェライト粒=1:7(重量比) セメント:フェライト粒=1:2(重量比) の3種類とし、その厚さはいずれも12mmに成型し
た。一方、Mn−Zn系フェライトモルタル層4は、そ
れぞれ セメント:フェライト粒=1:7(重量比) セメント:フェライト粒=1:6.5(重量比) セメント:フェライト粒=1:6.5(重量比) とし、その厚さはいずれも18mmに成型した。なお、
その他の構成は実験結果1と同じである。
【0030】そして、上記構成の電波吸収体1をVHF
帯の電波の入射角θ1=50度,UHF帯の電波の入射
角θ2=20度となるような位置に設置し、その時の各
周波数に対する反射損失(吸収特性)を求めた。その結
果を、図5に示す。
【0031】この実験結果から、以下のことがわかる。
すなわち、まずセメント:Mgが1:2というようにM
gの充填量が少ないと十分な吸収特性が得られないこと
がわかる。また、セメント:Mgが1:3〜1:7の範
囲であれば、十分な吸収特性が得られているといえる。
なお、係る比が1:8となるような電波吸収体は、フェ
ライトの量が多くなりすぎ、パネルを成型することがで
きない。
【0032】また、この条件(厚さ,入射角)では、
(セメント:Mg=1:3)が吸収特性がよいというこ
とになるが、もちろん角度等の条件が異なれば充填量の
条件の最適値は異なる。しかし、図示省略するが、いず
れの場合も、セメント:Mgが1:2というようにMg
の充填量が少ないと十分な吸収特性が得られないという
点では共通することが確認できた。
【0033】*実験結果4(総厚さ変化) Mg−Zn系フェライトモルタル層3は、 セメント:フェライト粒=1:3(重量比) とし、Mn−Zn系フェライトモルタル層4は、 セメント:フェライト粒=1:7(重量比) とした。そして、Mg−Zn系フェライトモルタル層の
厚さ:Mn−Zn系フェライトモルタル層の厚さは、
1:2で共通にした。この場合において、2枚のフェラ
イトモルタル層の総厚さを変化させ、その時の吸収特性
の変化を求めた。なお、その他の構成は実験結果1と同
じである。
【0034】そして、上記構成の電波吸収体1をVHF
帯の電波の入射角θ1=45度,UHF帯の電波の入射
角θ2=30度となるような位置に設置し、その時の各
周波数に対する反射損失(吸収特性)を求めた。その結
果を、図6に示す。
【0035】この実験結果から、以下のことがわかる。
すなわち、総厚さが薄い(26mm)の場合には、十分
な吸収特性が得られない。つまり、厚さが薄いと必然的
にフェライトの充填総量も少なくなるので、十分に電波
を吸収することができないのである。
【0036】一方、例えば総厚さが36mmの場合を見
ると、反射損失のピーク値はVHF帯,UHF帯のいず
れも他の厚さ(26mmを除く)よりも低くなってい
る。しかし、例えばVHF帯の100MHz付近に着目
すれば、この36mmのものが最も吸収特性がよいとい
える。また、UHF帯の中でも550〜700MHzに
限ってみると、他の厚さ(26mmを除く)のものとあ
まり変わらない特性を有する。そして、TVゴースト対
策を考えた場合、ある周波数での反射損失が高いという
ことよりも、反射損失が一定のレベル以上になっている
周波数領域が広いほうが好ましい。さらに、最も重要な
のは吸収したい周波数にあっていることである。つま
り、仮に非常に高い反射損失があったとしても、それが
テレビ電波に使用しない周波数のものでは意味がない。
したがって、設置位置の環境(入射角・ゴースト対策を
施すべき周波数等)に応じてこの36mmのものを使用
することもありえる。
【0037】*実験結果5(異なる3点からの電波) Mg−Zn系フェライトモルタル層3は、 セメント:フェライト粒=1:7(重量比) とし、その厚さを10mmに成型した。一方、Mn−Z
n系フェライトモルタル層4は、 セメント:フェライト粒=1:7(重量比) とし、その厚さを20mmに成型した。つまり、重量比
は各層で等しいが厚さの比を変えている(総厚さは30
mmで実験結果1と同じ)。なお、その他の構成は実験
結果1と同じである。
【0038】そして、上記構成の電波吸収体1をVHF
帯の電波の入射角θ1=30度,UHF帯の電波の入射
角θ2=20度,0度(UHF帯のテレビ塔は2個あ
る)となるような位置に設置し、その時の各周波数に対
する反射損失(吸収特性)を求めた。その結果、図7に
示すように、VHF帯とUHF帯のそれぞれで所望の反
射損失が得られ、テレビゴーストとして機能することが
確認できた。このように3点以上の場所からくる電波で
あっても、条件を適宜に設定することにより所望の吸収
特性を得ることができる。
【0039】また具体的な実験デ−タの図示は省略する
が、上記した第1〜第5の実験と同一の条件で製造した
電波吸収体を用い、実験と異なる角度で入射する電波に
対して反射損失を測定したところ、いずれもTVゴ−ス
トとして充分な吸収力を得られないことが確認できた。
もちろん、VHFとUHFが0度その他の同一角度で入
射する場合にも充分な吸収力は得られない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る電波吸収体
では、VHF帯とUHF帯の両方で所望の反射損失を得
ることができる。その結果、VHFテレビとUHFテレ
ビの両方の電波に対して効果的にテレビゴースト対策が
できる。しかも、VHFテレビゴーストに効果的に効く
Mn−Zn系フェライトモルタル層と、UHFテレビゴ
ーストに効果的に効くMg−Zn系フェライトモルタル
層が、電波の到来方向に沿って積層されているため、各
層がともに全面に存在することになるので、効果的に電
波吸収することができる。
【0041】さらに、UHF帯の電波とVHF帯の電波
がそれぞれ異なる方向から到来するような場合でも、各
フェライトモルタル層の条件を適宜に設定することにし
たため、それら異なる入射角の電波でも確実に吸収する
ことができる。
【0042】もちろん、フェライトタイルに比べると全
体の厚さを薄くすることができるとともに軽量化でき
る。その結果、同一の外寸の建物に対して内寸が大きく
とれ、また、軽量となることから基礎工事等も簡易に行
え、また組み立て施工も容易に行える。そして、電波吸
収体は同一形状を簡単に製造することができるととも
に、寸法も精度よく形成できるので所望の特性を得るこ
とが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波吸収体の好適な一実施の形態
を示す図である。
【図2】VHF,UHFの電波と電波吸収体の関係を示
す図である。
【図3】本発明の効果を立証するグラフである。
【図4】本発明の効果を立証するグラフである。
【図5】本発明の効果を立証するグラフである。
【図6】本発明の効果を立証するグラフである。
【図7】本発明の効果を立証するグラフである。
【符号の説明】
1 電波吸収体 2 化粧板 3 Mg−Zn系フェライトモルタル層(第1電波吸収
層) 4 Mn−Zn系フェライトモルタル層(第2電波吸収
層) 5 金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/00 H01F 1/00 C Fターム(参考) 2E001 DH01 FA04 GA03 GA32 GA77 HA01 HA10 HA14 HA20 HB01 HB02 LA01 LA04 4F100 AB01C AB02A AB02B AB02H AB09A AB09H AB14B AB14H AB18A AB18B AB18H AB31A AB31B AB31H AE01A AE01B BA03 BA10A BA10C BA13 BA27 CA23A CA23B DE01A DE01B DE01H GB07 JD08 YY00A YY00B YY00H 5E040 AA20 AB03 CA13 5E321 AA44 BB22 BB25 BB31 BB53 CC16 GG05 GG07 GG11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg−Zn系フェライト粒とセメントを
    混合して形成される第1電波吸収層と、 その第1電波吸収層の後側に配置されたMn−Zn系フ
    ェライト粒とセメントを混合して形成される第2電波吸
    収層とを備え、 その第2電波吸収層の後側は金属で裏打ちされて短絡さ
    れた電波吸収体であって、 前記第1電波吸収層と第2電波吸収層の厚さと、 前記第1電波吸収層におけるセメント:フェライトの重
    量比と、前記第2電波吸収層におけるセメント:フェラ
    イトの重量比の少なくとも一方を異ならせるようにした
    ことを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 Mg−Zn系フェライト粒とセメントを
    混合して形成される第1電波吸収層と、 その第1電波吸収層の後側に配置されたMn−Zn系フ
    ェライト粒とセメントを混合して形成される第2電波吸
    収層とを備え、 その第2電波吸収層の後側は金属で裏打ちされて短絡さ
    れた電波吸収体であって、 前記第1電波吸収層の厚さ並びにセメント:フェライト
    の重量比を、設置位置におけるUHF帯の電波の入射角
    に応じて設定し、 前記第2電波吸収層の厚さ並びにセメント:フェライト
    の重量比を、設置位置におけるVHF帯の電波の入射角
    に応じて設定したことを特徴とする電波吸収体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105523741A (zh) * 2015-12-28 2016-04-27 中国建筑材料科学研究总院 防电磁辐射建筑用水泥基板材及其制备方法

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CN105523741A (zh) * 2015-12-28 2016-04-27 中国建筑材料科学研究总院 防电磁辐射建筑用水泥基板材及其制备方法

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