JP2001074614A - タイヤ検査装置 - Google Patents

タイヤ検査装置

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JP2001074614A
JP2001074614A JP24743999A JP24743999A JP2001074614A JP 2001074614 A JP2001074614 A JP 2001074614A JP 24743999 A JP24743999 A JP 24743999A JP 24743999 A JP24743999 A JP 24743999A JP 2001074614 A JP2001074614 A JP 2001074614A
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signal
carcass
circuit
magnetic flux
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JP24743999A
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Fumio Kamiya
文男 神谷
Daisuke Hayakawa
代祐 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でカーカスの張り合わせ異常を検
出することができるようにする。 【解決手段】 送信コイル10からの高周波磁束はバイ
アスタイヤを構成するカーカス5を通過して受信コイル
11に鎖交する。このとき、送信コイル10及び受信コ
イル11の配置方向に対してカーカス5内の鋼線が平行
な場合は、受信コイル11に鎖交する磁束量がバイアス
タイヤが検査領域に存在しない場合よりも増加するのに
対して、カーカス5内の鋼線が直交する場合は受信コイ
ル11に鎖交する磁束量が減少する。従って、カーカス
5が直交して張り合せられた正常な場合は、受信回路1
2からの受信信号のレベルはバイアスタイヤが検査領域
に存在しない際の受信回路12からの受信基準レベルと
略同一となるので、受信回路12からの受信信号に基づ
いてカーカスの異常を判断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強用の鋼線が内
蔵されたカーカスを1層目と2層目とが互いに略直交す
るように重ねて張り合わせ、2層目のカーカスの表面に
トレッドパターンをゴム成形してなるタイヤを検査する
ためのタイヤ検査装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、車両用タイ
ヤとして、補強用の鋼線が内蔵されたカーカスを1層目
と2層目とが互いに略直交するように重ねて張り合わ
せ、2層目のカーカスの表面にトレッドパターンをゴム
成形することにより十分な強度を得るようにしたバイア
スタイヤが供されている。
【0003】ところで、このようなカーカスの張り合せ
は全自動生産ラインで自動機械により自動的に行うよう
にしているので、自動機械に不良が発生したときは、1
層目と2層目のカーカスを同一方向に張り合わせてしま
ったり、何れかのカーカスを張り忘れてしまうという不
具合を生じることがあった。そこで、このような不具合
の発生の有無を検査装置により検査するようにしてい
る。
【0004】しかしながら、タイヤは全自動生産ライン
で生産されており、製造過程でカーカスの張り合せを検
査することは困難であることから、バイアスタイヤが完
成した状態で検査を行うようにしている。この場合、バ
イアスタイヤが製造された段階では、カーカスを目視す
ることができないことから、X線によりカーカスの鋼線
の方向ひいてはカーカスの張り合わせ方向を検査するよ
うにしている。このため、X線を使用するために特別に
区画された管理領域を設ける必要があると共に、検査コ
ストが極めて高いという欠点がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、簡単な構成でカーカスの張り合わせ異
常を検出することができるタイヤ検査装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、補強用の鋼線
が内蔵されたカーカスを1層目と2層目とが互いに略直
交するように重ねて張り合わせ、2層目のカーカスの表
面にトレッドパターンをゴム成形してなるタイヤを検査
するためのタイヤ検査装置において、前記タイヤの表面
に対向し高周波磁束を前記タイヤに向けて放射する送信
コイルを設け、前記1層目若しくは2層目の何れかのカ
ーカスの張り合わせ方向に平行となる位置で前記タイヤ
の表面に対向し前記送信コイルからの高周波磁束を受け
る受信コイルを設け、この受信コイルが受信した磁束量
に応じた受信信号を出力する受信回路を設け、この受信
回路からの受信信号に基づいて前記タイヤの不良を判断
する判断手段を設けたものである(請求項1)。
【0007】このような構成によれば、タイヤが検査領
域に存在しない状態で送信コイルから高周波磁束が放射
されると、その高周波磁束は空気中を通過して受信コイ
ルに鎖交するようになるので、受信回路は、受信コイル
が受信した磁束量に応じた受信信号を出力する。
【0008】さて、タイヤが検査領域に存在する状態で
送信コイルから高周波磁束が放射されると、その高周波
磁束はタイヤを構成するカーカスを通過してから受信コ
イルに鎖交するようになる。
【0009】ここで、カーカスには鋼線が内蔵されてい
るので、高周波磁束の一部は透磁率の大きな鋼線内を通
過するようになり、鋼線がない状態における受信コイル
の受信磁束量から変動するようなる。この場合、受信コ
イルの受信磁束量は鋼線の方向によって大きな影響を受
ける。つまり、送信コイル及び受信コイルの配置方向に
対して鋼線が平行に位置している場合は、送信コイルか
らの高周波磁束が集中するようになるので、受信コイル
の受信磁束量は増加する。これに対して、送信コイル及
び受信コイルの配置方向に対して鋼線が直交して位置し
ている場合は、送信コイルからの高周波磁束が散乱する
ようになるので、受信コイルの受信磁束量は減少する。
【0010】従って、カーカスが正常に張り合わせられ
ている場合は、送信コイル及び受信コイルの配置方向に
対して一方の層のカーカスの鋼線は平行となり、他方の
層のカーカスは直交するので、総合的には両者の鋼線の
方向による影響が相殺され、受信コイルの受信磁束量が
タイヤが検査領域に存在しない場合から大きく変動する
ことはない。
【0011】これに対して、1層目と2層目のカーカス
の張り合わせ方向が同一であった場合は、送信コイル及
び受信コイルの配置方向に対してカーカスの鋼線が平行
となるか直交するかの何れかであり、鋼線が平行となる
場合は、受信コイルの受信磁束量は大きく増加する。ま
た、送信コイル及び受信コイルに対して鋼線が直交する
場合は、受信コイルの受信磁束量は大きく減少する。こ
のような作用は、一方の層のカーカスを張り忘れた場合
でも同様である。従って、判断手段は、受信回路からの
受信信号に基づいてタイヤの不良を判断することができ
る。
【0012】上記構成において、前記判断手段は、前記
受信回路からの受信信号が前記タイヤが検査領域に存在
しない場合における前記受信回路からの受信信号レベル
を含む所定のレベル範囲内であるときに良品信号を出力
する比較回路と、この比較回路からの良品信号の非出力
状態で不良品信号を出力する出力回路とから構成されて
いるのが望ましい(請求項2)。
【0013】このような構成によれば、カーカスの張り
合わせが正常の場合は、受信回路からの受信信号はタイ
ヤが検査領域に存在する場合における受信回路からの受
信信号レベルを含む所定のレベル範囲内となるので、比
較回路は、良品信号を出力する。これにより、出力回路
は、比較回路からの良品信号の非出力状態で不良品信号
を出力する。従って、出力回路から出力される不良品信
号に基づいてカーカスの張り合わせ異常の発生を判断す
ることができる。
【0014】本発明は、補強用の鋼線が内蔵されたカー
カスを1層目と2層目とが互いに略直交するように重ね
て張り合わせ、2層目のカーカスの表面にトレッドパタ
ーンをゴム成形してなるタイヤを検査するためのタイヤ
検査装置において、前記タイヤの表面に対向し高周波磁
束を前記タイヤに向けて放射する送信コイルを設け、前
記1層目若しくは2層目の何れかのカーカスの張り合わ
せ方向に平行となる位置に前記タイヤの表面に対向し前
記送信コイルからの高周波磁束を受ける受信コイルを設
け、この受信コイルが受信した磁束量に応じた受信信号
を出力する受信回路を設け、前記タイヤが検査領域に存
在していることを検出するタイヤ検出手段を設け、この
タイヤ検出手段が前記タイヤの存在を検出した状態で前
記受信回路からの受信信号に基づいて前記タイヤの不良
を判断する判断手段を設けたものである(請求項3)。
【0015】請求項1の発明では、タイヤが検査領域に
存在しない場合は、受信回路からの受信信号はタイヤが
検査領域に存在しない場合における受信回路からの受信
信号レベルと同一であるので、タイヤが検査領域に存在
しない場合であっても、判断手段は、タイヤは正常であ
ると判断してしまうことになる。
【0016】上記構成によれば、タイヤ検出手段がタイ
ヤが存在することを検出するので、判断手段は、その状
態でタイヤの不良を判断する。従って、判断手段は、タ
イヤが存在しない状態でタイヤの不良を判断することは
なく、判断精度を高めることができる。
【0017】上記構成において、前記タイヤ検出手段
は、前記受信回路からの受信信号が前記タイヤが検査領
域に存在しない場合における前記受信回路からの受信信
号レベルと異なるときにタイヤ検知信号を出力し、前記
判断手段は、前記受信回路からの受信信号が前記タイヤ
が検査領域に存在しない場合における前記受信回路から
の受信信号レベルを含む所定のレベル範囲内であるとき
に良品信号を出力する比較回路と、前記比較回路から良
品信号が出力され且つ前記タイヤ検出手段からタイヤ検
知信号が出力されたときにタイヤ有り良品信号を出力す
る第1の出力回路と、この第1の出力回路からタイヤ有
り良品信号の非出力状態で前記タイヤ検出手段からタイ
ヤ検知信号が出力されているときに不良品信号を出力す
る第2の出力回路とから構成されていてもよい(請求項
4)。
【0018】このような構成によれば、タイヤが検査領
域に存在するときは、カーカスの鋼線の影響を受けて受
信コイルの受信磁束量がタイヤが検査領域に存在する場
合から変動するので、タイヤ検出手段は、そのことに基
づいてタイヤが検査領域に存在すると判断してタイヤ検
知信号を出力する。従って、第1の出力回路は、比較回
路から良品信号が出力され且つタイヤ検出手段からタイ
ヤ検知信号が出力されたときは、タイヤが検査領域に存
在する状態でタイヤは良品であると判定してタイヤ有り
良品信号を出力する。
【0019】この場合、第1の出力回路からタイヤ有り
良品信号が出力されていない条件としては、タイヤが検
査領域に存在してカーカスの張り合わせに異常がある場
合とタイヤが存在しない場合の何れかである。そこで、
第2の出力回路は、第1の出力回路からタイヤ有り良品
信号の非出力状態でタイヤ検出手段からタイヤ検知信号
が出力されているときは、タイヤが検査領域に存在する
状態でタイヤは不良品であると判定することにより不良
品信号を出力する。従って、第2の出力回路から不良品
信号が出力されたときは、タイヤが検査領域に存在する
場合での不良品であると確実に判断することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態を図1乃至図13を参照して説明
する。図2はタイヤ検査装置を示している。この図2に
おいて、タイヤ検査装置1は、完成されたバイアスタイ
ヤ2の表面に対向するように位置決めされている。この
タイヤ検査装置1は送信器3と受信器4とからなり、そ
れらの送信器3及び受信器4がバイアスタイヤ2の表面
に近接して位置決めされている。
【0021】ここで、バイアスタイヤ2の構造について
簡単に説明する。図3はバイアスタイヤ2の構造を示し
ている。この図3において、バイアスタイヤ2は、ゴム
引き帯状スチールコードからなるカーカス5を1層目
(下側)と2層目(上側)とが互いに略直交するように
重ねて張り合わせ、2層目のカーカス5の表面にトレッ
ドパターン6をゴム成形して形成されている。このゴム
引き帯状スチールコードからなるカーカス5は、図4に
示すようにゴム部材7内に複数の鋼線8を内蔵して形成
されている。上記構造のバイアスタイヤ2は自動生産ラ
インにおいて自動機械を用いて製造されており、カーカ
ス5の張り合わせも自動的に行うようになっている。
【0022】図1は上記検査装置1の電気的構成を概略
的に示している。この図1において、送信器3は、発振
回路9及び送信コイル10から構成されており、発振回
路9により送信コイル10が励振されることにより送信
コイル10から高周波磁束が放射される。
【0023】また、受信器4は、受信コイル11、受信
回路12、ウインドコンパレート回路(判断手段、比較
回路に相当)13及び出力回路(判断手段に相当)14
から構成されている。受信コイル11は、送信コイル1
0から放射されて鎖交する高周波磁束を受信するのに応
じて交流信号を出力する。受信回路12は、受信コイル
11からの交流信号を平滑化することにより受信信号と
して出力する。ウインドコンパレート回路13は、受信
回路12からの受信信号と上限基準レベルTH及び下限
基準レベルTL とを比較し、受信信号の信号レベルが下
限基準レベルTL 以上で且つ上限基準レベルTH 以下の
ときは良品信号を出力する。出力回路14は、ウインド
コンパレート回路13から良品信号が入力していない状
態で不良品信号を出力する。
【0024】次に上記構成の作用について説明する。バ
イアスタイヤ2が検査領域に存在しない状態で検査装置
1を動作させると、送信コイル10から高周波磁束が放
射されて受信コイル11に鎖交するようになるので、受
信コイル11からは受信した高周波磁束に応じた交流信
号が出力される。これにより、受信回路12からは受信
コイル11からの交流信号を平滑化した受信信号が出力
され、このときの受信信号レベルを受信基準レベルTM
(図6参照)とする。
【0025】ここで、送信コイル10及び受信コイル1
1の配置方向に対するカーカス5の鋼線8の方向と受信
コイル11が受信する送信コイル10からの高周波磁束
との関係を考察する。
【0026】送信コイル10及び受信コイル11の配置
方向に対してカーカス5の鋼線8が平行となる位置関係
の場合は、送信コイル10からの高周波磁束の一部は空
気よりも透磁率が大きな鋼線8内を通過することにより
集中するので、受信コイル11が受信する高周波磁束量
は、バイアスタイヤ2が存在しない状態で受信する高周
波磁束量よりも増大している。
【0027】これに対して、送信コイル10及び受信コ
イル11の配置方向に対してカーカス5の鋼線8が直交
する位置関係の場合は、送信コイル10からの高周波磁
束の一部は空気よりも透磁率が大きな鋼線8内を通過す
ることにより散乱するので、受信コイル11を通過する
高周波磁束量は、バイアスタイヤ2が存在しない状態で
受信する高周波磁束量よりも減少している。
【0028】しかるに、本発明は、上述した送信コイル
10及び受信コイル11の配置方向に対するカーカス5
の鋼線8の方向と受信磁束量の変化との関係に着目して
なされたもので、受信磁束量によって送信コイル10及
び受信コイル11の配置方向に対する鋼線8の方向を判
別し、それによってバイアスタイヤ2の不良判別を行う
ことを特徴とする。
【0029】即ち、バイアスタイヤ2の検査工程におい
て、図2に示すようにバイアスタイヤ2の表面に対して
検査装置1を位置決めする。つまり、検査装置1の送信
器3及び受信器4の配置方向が、図5に示すようにバイ
アスタイヤ2を構成する1層目若しくは2層目の何れか
のカーカス5の張り合わせ方向と平行となるように位置
決めする。この場合、カーカス5はトレッドパターン6
の下側に位置しており目視できないものの、バイアスタ
イヤ2におけるカーカス5の張り合わせ方向は決まって
いるので、カーカス5に平行となる方向に送信器3及び
受信器4を配置することは可能である。また、送信器3
と受信器4との間の距離は、カーカス5に内蔵された鋼
線8の間隔に対して十分に大きく設定されている。尚、
図5においては、トレッドパターン6の図示を省略して
いる。
【0030】以上のような検査装置1の位置決めの結
果、送信コイル10及び受信コイル11の配置方向に対
して、例えば1層目のカーカス5の鋼線8は平行に位置
するのに対して、2層目のカーカス5の鋼線8は直交す
る位置関係となる。
【0031】さて、このような位置関係で検査装置1を
動作させると、送信コイル10からの高周波磁束が送信
され、その高周波磁束がカーカス5を通過して受信コイ
ル11に鎖交するようになるので、受信コイル11から
は受信磁束量に応じた交流信号が出力される。
【0032】ここで、送信コイル10からの高周波磁束
のうち1層目のカーカス5を通過する高周波磁束の一部
は、送信コイル10及び受信コイル11の配置方向に対
して平行して位置する透磁率の大きな鋼線8内を通過す
るので、受信コイル11に鎖交する磁束が集中するよう
になる。これにより、図6(a)に示すように1層目の
カーカス5を通過する高周波磁束に対応した受信コイル
11の磁束量は増加する。
【0033】これに対して、送信コイル10からの高周
波磁束のうち2層目のカーカス5を通過する高周波磁束
の一部は、送信コイル10及び受信コイル11に対して
直交して位置する透磁率の大きな鋼線8内を通過するの
で、受信コイルに鎖交する磁束が散乱するようになる。
これにより、図6(b)に示すように2層目のカーカス
5を通過する高周波磁束に対応する受信コイル11の磁
束量は減少する。
【0034】従って、受信コイル11の受信磁束量に基
づいてカーカス5の張り合わせ方向を推定することがで
きる。つまり、送信コイル10及び受信コイル11の配
置方向に対して1層目のカーカス5の張り合わせ方向が
平行で且つ2層目のカーカス5の張り合わせ方向が直交
する場合は、図7に示すように受信回路12からの受信
信号は受信基準レベルTMに比較して僅かに低下する。
これは、検査装置1に対して1層目のカーカス5の鋼線
8は2層目のカーカス5の鋼線8よりも離間して位置し
ているので、1層目のカーカス5を通過する高周波磁束
による受信信号の信号レベルは小さくなるからである。
つまり、1層目のカーカス5の鋼線8よりも近くに位置
する2層目のカーカス5の鋼線8の影響を強く受けるの
で、受信コイル11の受信磁束量は全体としては若干で
はあるもののバイアスタイヤ2が検査領域に存在しない
場合に比較して低下する。
【0035】また、送信コイル10及び受信コイル11
の配置方向に対して1層目のカーカス5の張り合わせ方
向が直交し且つ2層目のカーカス5の張り合わせ方向が
平行な場合は、図8に示すように受信回路12からの受
信信号は受信基準レベルTMに比較して僅かに上昇す
る。
【0036】また、送信コイル10及び受信コイル11
の配置方向に対して1層目及び2層目のカーカス5の張
り合わせ方向が平行となる場合は、図9に示すように受
信回路12からの受信信号は受信基準レベルTMに比較
して大きく上昇する。
【0037】また、送信コイル10及び受信コイル11
の配置方向に対して1層目及び2層目のカーカス5の張
り合わせ方向が直交する場合は、図10に示すように受
信回路12からの受信信号は受信基準レベルTMに比較
して大きく低下する。
【0038】また、送信コイル10及び受信コイル11
の配置方向に対して1層目のカーカス5が平行で且つ2
層目のカーカス5がない場合は、図11に示すように受
信回路12からの受信信号は受信基準レベルTMに比較
して上昇する。このような状態は、1層目のカーカス5
がなく且つ2層目のカーカス5が平行な場合にも同様で
ある。
【0039】そして、送信コイル10及び受信コイル1
1の配置方向に対して1層目のカーカス5が直交し且つ
2層目のカーカス5がない場合は、図12に示すように
受信回路12からの受信信号は受信基準レベルTMに比
較して低下する。このような状態は、1層目のカーカス
5がなく且つ2層目のカーカス5が直交する場合にも同
様である。
【0040】従って、ウインドコンパレート回路13に
おいて上限基準レベルTH 及び下限基準レベルTL を最
適に設定することにより、バイアスタイヤ2の不良品を
適切に検出することができる。つまり、バイアスタイヤ
2が良品の場合における受信信号と不良品の場合におけ
る受信信号の信号レベルを予めデータ取りし、このデー
タ取りに基づいて受信磁束量の増加方向と減少方向にそ
れぞれ最適な上限基準レベルTH 及び下限基準レベルT
L を設定する。
【0041】図13は各検出状態と上限基準レベルTH
及び下限基準レベルTL との関係を示している。このよ
うな上限基準レベルTH 及び下限基準レベルTL の最適
な設定により、1層目と2層目のカーカス5の鋼線8が
同一方向である場合は勿論のこと、何れかの層のカーカ
ス5を張り忘れた場合であっても、ウインドコンパレー
ト回路13から良品信号が出力されないことに応じて出
力回路14から不良品信号が出力されるので、カーカス
5の張り合わせ異常を確実に検出することができる。
【0042】このような実施の形態によれば、バイアス
タイヤ2を検査する際に、検査装置1の送信器3及び受
信器4の配置方向をバイアスタイヤ2を構成する1層目
若しくは2層目の何れかのカーカス5の鋼線8の方向に
平行となるように設定し、受信器4の受信コイル11の
受信磁束量に基づいてカーカス5の張り合わせの異常を
判定するようにしたので、X線検査装置を用いてバイア
スタイヤの異常を検出する従来例に比較して、簡単な構
成でバイアスタイヤ2のカーカス5の張り合わせ異常を
判定することができる。
【0043】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図14を参照して説明するに、第1の実
施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。この第2の実施の形態は、検査装置に、バイアスタ
イヤが検査領域に存在することを判定する機能を付加し
たことを特徴とする。
【0044】即ち、第1の実施の形態では、バイアスタ
イヤ2が検査装置1の検査領域に存在しない場合は、受
信回路12からの受信信号は上述した受信基準レベルT
M となる。この場合、受信基準レベルTM は下限基準レ
ベルTL 以上で且つ上限基準レベルTH 以下の所定レベ
ル範囲内であるので、バイアスタイヤ2が検査領域に存
在しない場合であっても、不良品信号が出力されず、良
品であると判断されてしまうことになる。
【0045】従って、出力回路14から不良品信号が出
力されないことによりバイアスタイヤ2を良品と判断し
てしまう条件としては、バイアスタイヤ2が検査領域に
存在する場合での良品状態か、バイアスタイヤ2が検査
領域に存在しない状態かの何れかとなる。
【0046】しかしながら、良品として判断する条件と
しては、バイアスタイヤ2が検査領域に存在する場合で
の良品状態のみに限定するのが望ましい。そこで、検査
装置1の電気的構成を概略的に示す図14において、第
2の比較回路(タイヤ検出手段に相当)21を設けると
共に、出力回路14に代えて、第1の出力回路(判断手
段に相当)22及び第2の出力回路(判断手段に相当)
23を設けるようにした。
【0047】即ち、第2の比較回路21は、受信回路1
2からの受信信号の信号レベルが受信基準レベルTM か
ら変動しているかを判断することによりバイアスタイヤ
2の有無を判断する。つまり、バイアスタイヤ2が検査
領域に存在しない場合は、受信回路12からの受信信号
の信号レベルは受信基準レベルTM と一致するので、第
2の比較回路21は、受信回路12からの受信信号の信
号レベルが受信基準レベルTMから変動したときにバイ
アスタイヤ2が検査領域に存在すると判断してタイヤ検
知信号を出力する。
【0048】第1の出力回路22は、ウインドコンパレ
ート回路13から良品信号が出力され且つ第2の比較回
路21からタイヤ検知信号が出力されたときにタイヤ有
り良品信号を出力する。つまり、第1の出力回路22
は、バイアスタイヤ2が検査領域に存在する場合におい
てのみ良品を判断するようになっている。
【0049】第2の出力回路23は、第1の出力回路2
2からタイヤ有り良品信号が出力されず且つ第2の比較
回路21からタイヤ検知信号が出力された状態で不良品
信号を出力する。つまり、第1の出力回路22からタイ
ヤ有り良品信号が出力されていない状態は、バイアスタ
イヤ2が検査領域に存在する場合での不良品状態若しく
はバイアスタイヤ2が存在しない状態の何れかであるか
ら、第2の出力回路23は、バイアタイヤ2が存在しな
い状態を排除することによりバイアスタイヤ2が存在す
る場合においてのみ不良品を検出して不良品信号を出力
するようになっている。
【0050】このような第2の実施の形態によれば、第
1の実施の形態において、第2の比較回路21を設ける
と共に、出力回路14に代えて第1,第2の出力回路2
2,23を設け、バイアスタイヤ2が検査領域に存在す
る場合にのみバイアスタイヤ2の良否判定を行うことに
より不良品信号或いは良品信号を出力するようにしたの
で、バイアスタイヤ2が存在する場合においてのみ不良
品或いは良品を確実に検出することができる。従って、
不良品信号が出力されない状態(バイアスタイヤ2が良
品であると判断される状態)としてバイアスタイヤ2が
検査領域に存在しない場合も含んでしまう第1の実施の
形態に比較して、良品の判別精度を高めることができ
る。
【0051】本発明は、上記各実施の形態に限定される
ものではなく、送信器3と受信器4との間の距離を調整
可能に設けるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のタイヤ検査装置によれば、タイヤの1層目若しくは2
層目の何れかのカーカスの張り合わせ方向に平行となる
ように送信コイル及び受信コイルを配置し、受信回路か
らの受信信号に基づいて不良を判断するようにしたの
で、簡単な構成でカーカスの張り合わせ異常を検出する
ことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電気的構成
を示す概略図
【図2】検査装置の斜視図
【図3】バイアスタイヤの破断面図
【図4】カーカスの斜視図
【図5】カーカスに対する検査装置の配置を示す模式図
【図6】受信回路からの受信信号を示す図
【図7】正常なバイアスタイヤの検査状態での受信信号
を示す図
【図8】正常なバイアスタイヤの検査状態での受信信号
を示す図
【図9】異常なバイアスタイヤの検査状態での受信信号
を示す図
【図10】異常なバイアスタイヤの検査状態での受信信
号を示す図
【図11】異常なバイアスタイヤの検査状態での受信信
号を示す図
【図12】異常なバイアスタイヤの検査状態での受信信
号を示す図
【図13】良否判定用レベルに対する受信信号を示す図
【図14】本発明の第2の実施の形態における図1相当
【符号の説明】
1はタイヤ検査装置、2はバイアスタイヤ、3は送信
器、4は受信器、5はカーカス、6はトレッドパター
ン、8は鋼線、10は送信コイル、11は受信コイル、
12は受信回路、13はウインドコンパレート回路(判
断手段、比較回路)、14は出力回路(判断手段)、2
1は第2の比較回路(タイヤ検出手段)、22は第1の
出力回路(判断手段)、23は第2の出力回路(判断手
段)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強用の鋼線が内蔵されたカーカスを1
    層目と2層目とが互いに略直交するように重ねて張り合
    わせ、2層目のカーカスの表面にトレッドパターンをゴ
    ム成形してなるタイヤを検査するためのタイヤ検査装置
    において、 前記タイヤの表面に対向して設けられ高周波磁束を前記
    タイヤに向けて放射する送信コイルと、 前記1層目若しくは2層目の何れかのカーカスの張り合
    わせ方向に平行となる位置に前記タイヤの表面に対向し
    て設けられ前記送信コイルからの高周波磁束を受ける受
    信コイルと、 この受信コイルが受信した磁束量に応じた受信信号を出
    力する受信回路と、 この受信回路からの受信信号に基づいて前記タイヤの不
    良を判断する判断手段とを備えたことを特徴とするタイ
    ヤ検査装置。
  2. 【請求項2】 前記判断手段は、 前記受信回路からの受信信号が前記タイヤが検査領域に
    存在しない場合における前記受信回路からの受信信号レ
    ベルを含む所定のレベル範囲内であるときに良品信号を
    出力する比較回路と、 この比較回路からの良品信号の非出力状態で不良品信号
    を出力する出力回路とから構成されていることを特徴と
    する請求項1記載のタイヤ検査装置。
  3. 【請求項3】 補強用の鋼線が内蔵されたカーカスを1
    層目と2層目とが互いに略直交するように重ねて張り合
    わせ、2層目のカーカスの表面にトレッドパターンをゴ
    ム成形してなるタイヤを検査するためのタイヤ検査装置
    において、 前記タイヤの表面に対向して設けられ高周波磁束を前記
    タイヤに向けて放射する送信コイルと、 前記1層目若しくは2層目の何れかのカーカスの張り合
    わせ方向に平行となる位置に前記タイヤの表面に対向し
    て設けられ前記送信コイルからの高周波磁束を受ける受
    信コイルと、 この受信コイルが受信した磁束量に応じた受信信号を出
    力する受信回路と、 前記タイヤが検査領域に存在していることを検出するタ
    イヤ検出手段と、 このタイヤ検出手段が前記タイヤの存在を検出した状態
    で前記受信回路からの受信信号に基づいて前記タイヤの
    不良を判断する判断手段とを備えたことを特徴とするタ
    イヤ検査装置。
  4. 【請求項4】 前記タイヤ検出手段は、前記受信回路か
    らの受信信号が前記タイヤが検査領域に存在しない場合
    における前記受信回路からの受信信号レベルと異なると
    きにタイヤ検知信号を出力し、 前記判断手段は、 前記受信回路からの受信信号が前記タイヤが検査領域に
    存在しない場合における前記受信回路からの受信信号レ
    ベルを含む所定のレベル範囲内であるときに良品信号を
    出力する比較回路と、 前記比較回路から良品信号が出力され且つ前記タイヤ検
    出手段からタイヤ検知信号が出力されたときにタイヤ有
    り良品信号を出力する第1の出力回路と、 この第1の出力回路からタイヤ有り良品信号の非出力状
    態で前記タイヤ検出手段からタイヤ検知信号が出力され
    ているときに不良品信号を出力する第2の出力回路とか
    ら構成されていることを特徴とする請求項3記載のタイ
    ヤ検査装置。
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