JP2001074443A - 車体姿勢データ収集装置及びその処理装置 - Google Patents

車体姿勢データ収集装置及びその処理装置

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JP2001074443A
JP2001074443A JP25172899A JP25172899A JP2001074443A JP 2001074443 A JP2001074443 A JP 2001074443A JP 25172899 A JP25172899 A JP 25172899A JP 25172899 A JP25172899 A JP 25172899A JP 2001074443 A JP2001074443 A JP 2001074443A
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wheel
front wheel
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vehicle body
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Shunichi Mori
俊一 森
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行時における二輪車の車体姿勢及び各部の
傾斜の検出を課題とする。 【解決手段】 前輪支持体1005に装備され、各装備
位置から路面までの距離を検出する四基の前輪側距離セ
ンサ111,112,113,114と、後輪支持体1
006に装備され、各装備位置から路面までの距離を検
出する三基の後輪側距離センサと、フロントサスペンシ
ョン1008の伸縮による車体1003に対する前輪1
001の相対的な位置変化を検出する前輪位置変化検出
センサ131と、リアサスペンション1009の伸縮に
よる車体1003に対する後輪1002の相対的な位置
変化を検出する後輪位置変化検出センサ121,12
2,123,124と、前輪支持体1005の車体本体
1004に対する回転量を検出する回転量センサ133
と、各センサの出力データを記憶するメモリ140とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体姿勢データ収
集装置及びその処理装置に係り、特に、二輪車の走行時
におけるデータ収集に好適な車体姿勢データ収集装置及
びその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走行時の二輪車は、一般に、走行により
生じる各種の慣性力や搭乗の重力加重により、その車体
及び各部に変形を生じる。このような二輪車の車体に生
じる変形状態を調査するべく、従来は、まず、非走行時
における車体の各部に荷重を加え、それにより生じる各
部の変形量の測定を行う。そして、かかる測定で得られ
た静的なデータに基づいてコンピュータを駆使したシミ
ュレーションを行うという手法が採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手法にあっては、二輪車の車体に荷重を加える
必要があるため、当該車体を固定したり、車体に対して
荷重を付加する装置が必要となり、設備が大規模化する
という不都合があった。
【0004】また、上記従来の手法では、非走行時の車
体から測定された静的な測定データに基づいてシミュレ
ーションが行われるのみであった。しかし、より精度の
高いシミュレーションを行うには、走行時の動的な測定
データによる検証が不可欠であり、従来の手法では、精
度の向上は望めなかった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、走行時における二輪車の動的な測定データを
検出し得る車体姿勢データ収集装置及びこのような走行
時に測定された測定データを処理するのに好適な処理装
置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、搭乗者が搭乗する車体本体と、前輪をフロントサス
ペンションを介して支持する前輪支持体と、後輪をリア
サスペンションを介して支持する後輪支持体と、前輪支
持体を車体本体に対して回転して操作する操作ハンドル
と,を含む構成からなる車体を有する二輪車の姿勢を計
測する車体姿勢データ収集装置であって、前輪支持体に
装備され、各装備位置から路面までの距離を検出する三
基の前輪側距離センサと、後輪支持体に装備され、各装
備位置から路面までの距離を検出する三基の後輪側距離
センサと、フロントサスペンションの伸縮による車体に
対する前輪の相対的な位置変化を検出する前輪位置変化
検出センサと、リアサスペンションの伸縮による車体に
対する後輪の相対的な位置変化を検出する後輪位置変化
検出センサと、前輪支持体の車体本体に対する回転量を
検出する回転量センサと、各センサの出力データを記憶
するメモリとを備えるという構成を採っている。
【0007】上記構成では、各前輪側距離センサは個別
に前輪支持体の各位置に同一直線上に並ばないように装
備される。このとき、各前輪側距離センサは、前輪支持
体のいずれの位置に装備されたか、また、いずれの方向
を向いているかが測定される。また、各後輪側距離セン
サについても同様にされる。
【0008】前輪位置変化検出センサは、フロントサス
ペンションの両端部間の距離変化を検出するように装備
され、後輪位置変化検出センサも同様とする。
【0009】回転量センサは、車体本体に対するハンド
ルの回動角度を検出するため、当該ハンドルの回動支点
の近傍の装備される。
【0010】上記各センサは、メモリと接続されてい
る。このメモリでは、各センサごとに記憶領域を備えて
おり、走行時において、各センサの出力データが一定時
間間隔ごとに記憶される。
【0011】請求項2記載の発明は、四基以上の前輪側
距離センサと、四基以上の後輪側距離センサとを備える
点を除き、請求項1記載の発明と同様である。
【0012】請求項3記載の発明は、二輪車の前輪支持
体から路面までの距離を検出する少なくとも三基以上の
前輪側距離センサと、二輪車の後輪支持体から路面まで
の距離を検出する少なくとも三基以上の後輪側距離セン
サと、二輪車のフロントサスペンションの伸縮による当
該二輪車の車体に対する前輪の相対的な位置変化を検出
する前輪位置変化検出センサと、二輪車のリアサスペン
ションの伸縮による車体に対する後輪の相対的な位置変
化を検出する後輪位置変化検出センサと、二輪車のハン
ドル操作による前輪支持体の車体本体に対する回転量を
検出する回転量センサと、を有する車体姿勢データ収集
装置で得られた各センサの出力データに基づいて二輪車
の走行時に生じる車体の剛性の評価を行う処理装置であ
る。
【0013】そして、非走行時の二輪車の車体データを
記憶する車体データ記憶部と、各前輪距離センサの出力
データから前輪の接する路面に相当する前輪側の路面デ
ータを算出する前輪側路面算出部と、各後輪距離センサ
の出力データから後輪の接する路面に相当する後輪側の
路面データを算出する後輪側路面算出部と、車体データ
と、前輪位置変化検出センサ,後輪位置変化検出センサ
及び回転量センサの出力データと、前輪側及び後輪側の
各路面データとから走行時の二輪車の車体に生じるねじ
れ剛性による変形状態を判定する車体ねじれ判定部とを
備えるという構成を採っている。
【0014】上記構成では、前輪側路面算出部により、
前輪側距離センサの出力は、当該センサ位置から路面上
における一点までの距離を示し、前輪側距離センサの個
体数と同数の点が特定されることから、前輪側路面算出
部では、前輪に対する路面を特定することができる。同
様にして、後輪側路面算出部では、後輪に対する路面を
特定する。
【0015】さらに、車体ねじれ判定部では、二輪車の
車体の各部の寸法等の車体データと、前輪位置変化検出
センサ,後輪位置変化検出センサ及び回転量センサの出
力データから、幾何学的な数式を用いて前輪支持体と車
体本体と後輪支持体とからなる車体の姿勢を算出する。
【0016】そして、上記算出により、車体に変形を生
じてないことを想定した後輪と前輪との間での相対的な
左右方向についてのそれらの向きの差異を算出する。こ
の算出結果と、距離センサ出力に基づく前輪に対する路
面及び後輪に対する路面とを比較し、車体にねじれが生
じているかを判定し、ねじれの大きさを算出する。
【0017】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明と同様の構成を備えると共に、車体ねじれ判定部
は、前輪側路面算出部で算出された路面データから二輪
車の左右方向についての前輪の路面に対する傾き量を算
出する実測前輪側横方向傾き算出部と、車体データ記憶
部に記憶された車体データと,前輪位置変化検出セン
サ,後輪位置変化検出センサ及び回転量センサの出力デ
ータと,後輪側路面算出部で算出された路面データとか
ら二輪車の左右方向についての前輪の路面に対する傾き
量を算出する予測前輪側横方向傾き算出部と、実測前輪
側横方向傾き算出部及び予測前輪横方向傾き算出部の各
算出結果とから、走行時の二輪車の車体に生じるねじれ
剛性による変形状態を判定する横方向傾き比較部とを備
えている。
【0018】上記構成にあっては、請求項3記載の発明
と同様の動作が行われると共に、実測前輪側横方向傾き
算出部により、前輪側の路面データから、路面に対する
前輪の左右方向の傾きが求められる。路面データは、前
輪側距離センサの出力に基づくものであるため、これに
基づく傾きはより実測的なものといえる。
【0019】一方、予測前輪側横方向傾き算出部では、
後輪側の路面データから求まる後輪の傾きを求め、さら
に、車体寸法情報を含む車体データと、車体を構成する
前輪支持体,車体本体及び後輪支持体の相互間の相対的
な変位を示す前輪位置変化検出センサ,後輪位置変化検
出センサ及び回転量センサの出力データとに基づいて、
車体に変形を生じてない状態における後輪と前輪との間
での相対的なそれらの傾きの差異の関係を求める。そし
て、後輪の傾きと前後輪の傾きの関係に基づいて、車体
に変形が生じていない場合の前輪の傾きを理論的に算出
する。
【0020】そして、横方向傾き比較部において、実測
的な前輪の傾きと、車体変形を生じていない場合の理論
的に算出した傾きとを比較し、車体にねじれが生じてい
るかを判定し、ねじれの大きさを算出する。
【0021】請求項5記載の発明では、請求項3又は4
記載の発明と同様の構成を備えると共に、車体データ
と、前輪位置変化検出センサ,後輪位置変化検出センサ
及び回転量センサの出力データと、前輪側及び後輪側の
各路面データとから走行時の二輪車の車体の前後方向に
生じる変形状態を判定する車体伸縮判定部とを備えると
いう構成を採っている。
【0022】上記構成では、請求項3又は4記載の発明
と同様の動作が行われると共に、車体伸縮判定部では、
二輪車の車体の各部の寸法等の車体データと、前輪位置
変化検出センサ,後輪位置変化検出センサ及び回転量セ
ンサの出力データから、幾何学的な数式を用いて前輪支
持体と車体本体と後輪支持体とからなる車体の姿勢を算
出する。
【0023】そして、上記算出により、車体に変形を生
じてないことを想定した後輪と前輪との間での相対的な
それらの前後方向における傾きの差異を算出する。この
算出結果と、前輪側距離センサに対する路面の前後方向
の傾き(二輪車の前後方向に沿って路面の法線が揺動す
る場合におけるその傾き)と、後輪側距離センサに対す
る路面の前後方向の傾きとを比較し、車体に伸縮変形が
生じているかを判定し、伸縮変形量の大きさを算出す
る。
【0024】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明と同様の構成を備えると共に、車体伸縮判定部は、前
輪側路面算出部で算出された路面データに基づく二輪車
の前後方向についての前輪支持体の路面に対する傾き量
を算出する実測前輪側前後方向傾き算出部と、車体デー
タ記憶部に記憶された車体データと、前輪位置変化検出
センサ,後輪位置変化検出センサ及び回転量センサの出
力データと、後輪側路面算出部で算出された路面データ
とから二輪車の前後方向についての前輪支持体の路面に
対する傾き量を算出する予測前輪側前後方向傾き算出部
と、実測前輪側前後方向傾き算出部及び予測前輪前後方
向傾き算出部の各算出結果とから、走行時の二輪車の車
体に生じる前後方向の変形状態を判定する前後方向傾き
比較部とを備える。
【0025】上記構成では、請求項5記載の発明と同様
の動作が行われると共に、実測前輪側前後方向傾き算出
部により、前輪側の路面データから、路面に対する前輪
支持体の前後方向の傾きが求められる。路面データは、
前輪側距離センサの出力に基づくものであるため、これ
に基づく傾きはより実測的なものといえる。
【0026】一方、予測前輪側前後方向傾き算出部で
は、後輪側の路面データから求まる後輪支持体の前後方
向における傾きを求め、さらに、車体寸法情報を含む車
体データと、車体を構成する前輪支持体,車体本体及び
後輪支持体の相互間の相対的な変位を示す前輪位置変化
検出センサ,後輪位置変化検出センサ及び回転量センサ
の出力データとに基づいて、車体に変形を生じてない状
態における後輪支持体と前輪支持体との間での相対的な
それらの前後方向における傾きの差異の関係を求める。
そして、後輪支持体の傾きと前後輪支持体の傾きの関係
に基づいて、車体に変形は生じていない場合の前輪支持
体の傾きを理論的に算出する。
【0027】そして、前後方向傾き比較部において、実
測的な前輪支持体の前後方向における傾きと、車体変形
を生じていない場合の理論的に算出した傾きとを比較
し、車体の前後方向について変形が生じているかを判定
し、その変形量の大きさを算出する。
【0028】請求項7記載の発明では、請求項3,4,
5又は6記載の発明と同様の構成を備えると共に、前輪
側路面算出部で算出された路面データから前輪支持体の
所定の一点から路面までの距離を算出する実測前輪側路
面距離算出部と、車体データ記憶部の車体データに基づ
いて前輪支持体の所定の一点から路面までの距離を算出
する予測前輪側路面距離算出部と、実測前輪側路面距離
算出部及び予測前輪側路面距離算出部の各算出結果か
ら、走行時の前輪のタイヤの撓み量を算出する前輪撓み
算出部とを備えるという構成を採っている。
【0029】上記構成にあっては、請求項3,4,5又
は6記載の発明と同様の動作が行われると共に、実測前
輪側路面距離算出部により、前輪側の路面データから前
輪支持体の所定の一点から路面までの距離が求められ
る。路面データは、前輪側距離センサの出力に基づくも
のであるため、これに基づく路面距離はより実測的なも
のといえる。
【0030】一方、予測前輪側路面距離算出部では、車
体データに含まれる前輪の半径及びその外周面の断面半
径等から、前輪が二輪車の非走行時における前輪支持体
の所定の一点から路面までの距離を理論的に算出する。
【0031】そして、前輪側撓み算出部において、予測
前輪側路面距離算出部で算出された非走行状態における
路面距離と実測的な路面距離の差により走行による前輪
に生じる撓み量を算出する。
【0032】請求項8記載の発明では、請求項3,4,
5,6又は7記載の発明と同様の構成を備えると共に、
後輪側路面算出部で算出された路面データから後輪支持
体の所定の一点から路面までの距離を算出する実測後輪
側路面距離算出部と、車体データ記憶部の車体データに
基づいて後輪支持体の所定の一点から路面までの距離を
算出する予測後輪側路面距離算出部と、実測後輪側路面
距離算出部及び予測後輪側路面距離算出部の各算出結果
から、走行時の後輪のタイヤの撓み量を算出する後輪撓
み算出部とを備えるという構成を採っている。
【0033】上記構成にあっては、請求項3,4,5,
6又は7記載の発明と同様の動作が行われると共に、実
測後輪側路面距離算出部により、後輪側の路面データか
ら後輪支持体の所定の一点から路面までの距離が求めら
れる。路面データは、後輪側距離センサの出力に基づく
ものであるため、これに基づく路面距離はより実測的な
ものといえる。
【0034】一方、予測後輪側路面距離算出部では、車
体データに含まれる後輪の半径及びその外周面の断面半
径等から、後輪が二輪車の非走行時における後輪支持体
の所定の一点から路面までの距離を理論的に算出する。
【0035】そして、後輪側撓み算出部において、予測
後輪側路面距離算出部で算出された非走行状態における
路面距離と実測的な路面距離の差により走行による後輪
に生じる撓み量を算出する。
【0036】請求項9記載の発明では、請求項3,4,
5,6,7又は8記載の発明と同様の構成を備えると共
に、前輪側路面算出部は、四基以上の前輪距離センサか
らの出力データに対して,当該各前輪側距離センサの中
から三基を組み合わせる複数の組み合わせパターンを記
憶するパターン記憶手段が併設されると共に、このパタ
ーン記憶部の組み合わせパターンに従って当該組み合わ
せごとに路面データを算出する複数算出機能と、複数の
路面データに基づいて一つの路面データを算出する特定
機能とを有するという構成を採っている。
【0037】前輪側距離センサが三基あれば少なくとも
一の路面データの算出が可能となるが、四基以上となれ
ば、そのうち三基を組み合わせることにより複数の路面
データの算出が可能となる。例えば、前輪側距離センサ
の基体数を整数n(>3)とすると、その組み合わせの
数は、n!/{(n−3)!・3!}となる。即ちこの数
と同数の路面データを算出することが可能である。
【0038】パターン記憶手段は、前輪側距離センサの
基体数に応じて上述の組み合わせ数と同数或いはこれよ
りも少ない数の組み合わせパターンを記憶しており、前
輪側距離センサの出力データが4以上ある場合に、複数
算出機能によりパターン記憶手段の組み合わせパターン
に従って複数の前輪側の路面データを算出する。
【0039】さらに、複数の路面データは、特定機能に
より、複数の路面データを統計的に処理し、ばらつきや
平均を求める或いは多数決を採る等の手法により一つの
平面を決定し、当該平面の式を前輪側の路面データとし
て出力する。
【0040】請求項10記載の発明では、請求項3,
4,5,6,7,8又は9記載の発明と同様の構成を備
えると共に、後輪側路面算出部は、四基以上の後輪距離
センサからの出力データに対して,当該各後輪側距離セ
ンサの中から三基を組み合わせる複数の組み合わせパタ
ーンを記憶するパターン記憶手段が併設されると共に、
このパターン記憶部の組み合わせパターンに従って当該
組み合わせごとに路面データを算出する複数算出機能
と、複数の路面データに基づいて一つの路面データを算
出する特定機能とを有するという構成を採っている。
【0041】前輪側距離センサが四基以上ある場合と同
様に、後輪側距離センサが四基以上となれば、複数の後
輪側の路面データを算出することが可能である。
【0042】パターン記憶手段は、後輪側距離センサの
基体数に応じて上述の組み合わせ数と同数或いはこれよ
りも少ない数の組み合わせパターンを記憶しており、後
輪側距離センサの出力データが4以上ある場合に、複数
算出機能によりパターン記憶手段の組み合わせパターン
に従って複数の路面データを算出する。
【0043】さらに、複数の路面データは、特定機能に
より、複数の路面データを統計的に処理し、ばらつきや
平均を求める或いは多数決を採る等の手法により一つの
平面を決定し、当該平面の式を前輪側の路面データとし
て出力する。
【0044】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を図1乃
至図13に基づいて説明する。この第1の実施形態は、
二輪車1000に搭載してその姿勢変化を検出する車体
姿勢データ収集装置100と、に基づいて二輪車の走行
時に生じる車体の剛性の評価を行う処理装置10を示し
ている。
【0046】図1は、車体姿勢データ収集装置100が
装備された二輪車1000を模式的に表した説明図であ
り、図1(A)は正面図、図1(B)は側面図を示す。
また、図2は、同二輪車を模式的に示した斜視図を示し
ている。また、図3は、後述する4基の前輪側距離セン
サ又は4基の後輪側距離センサ(カッコで示す)の構成
及び配置を示す説明図であり、図4は、車体姿勢データ
収集装置10のブロック図を示す。
【0047】二輪車1000は、図1の如く、前輪10
01と、後輪1002と、これらを支持する車体100
3とを備え、車体1003は、搭乗者が搭乗する車体本
体1004と、前輪1001をフロントサスペンション
1008を介して支持する前輪支持体としてのフロント
ホーク1005と、後輪1002をリアサスペンション
(図示略)を介して支持する後輪支持体1006と、フ
ロントホーク1005を車体本体1004に対して回転
して操作する操作ハンドル1007(図1(B)では図
示略)とを含む構成からなる。後輪支持体1006は、
後輪1002を支持しつつ車体本体1004に対して自
在に回動するスイングアーム1006aと、このスイン
グアーム1006aの回動に対して緩衝性を与えるリア
サスペンション1009を支持する支持アーム1006
bとからなる。
【0048】車体姿勢データ収集装置100は、図1及
び図2の如く、フロントホーク1005に装備され、各
装備位置から路面Fまでの距離を検出する四基の前輪側
距離センサ111,112,113,114と、リアア
ーム1006に装備され、各装備位置から路面Fまでの
距離を検出する四基の後輪側距離センサ121,12
2,123,124と、フロントサスペンション100
8の伸縮による車体1003に対する前輪1001の相
対的な位置変化を検出する前輪位置変化検出センサとし
てのポテンショメータ131と、リアサスペンション1
009の伸縮による車体1003に対する後輪1002
の相対的な位置変化を検出する後輪位置変化検出センサ
としてのポテンショメータ132と、フロントホーク1
005の車体本体1004に対する回転量を検出する回
転量センサとしてのエンコーダ133と、各センサ11
1,112,113,114,121,122,12
3,124,131,132,133の出力データを記
憶するメモリ140とを備えている。
【0049】上記各前輪側距離センサ111,112,
113,114は、二輪車1000の基本姿勢(非走行
時であって搭乗者が搭乗し、操作ハンドル1007が直
進方向に向けられ、前輪1001及び後輪1002の車
軸が水平な路面Fに対していずれも平行な状態をいうも
のとする、以下同じ)において、いずれも前輪1001
の車軸の近傍における路面と平行な同一平面上となるよ
うに配置されている。
【0050】さらに、前輪側距離センサ111,112
は、搭乗者から見て前輪1001の左側に、前後方向に
並んで装備されると共に前輪の回転軸からいずれも等距
離に設定され、前輪側距離センサ113,114は、搭
乗者から見て前輪1001の右側に、前後方向に並んで
装備されると共に前輪の回転軸からいずれも等距離に設
定されている。また、車体1003から前輪側距離セン
サ111までの距離(正確には後輪1002を支持する
回転軸に対して垂直な平面であってほぼ左右対称形状を
成す二輪車1000の対称面となる平面(以下「対称
面」と称する)からのセンサ111までの距離)と前輪
側距離センサ113までの距離は等しく設定され、前輪
側距離センサ112と前輪側距離センサ114も同様と
する。
【0051】上記各後輪側距離センサ121,122,
123,124は、二輪車1000の基本姿勢におい
て、いずれも後輪1002の車軸の近傍における路面と
平行な同一平面上となるように配置されている。
【0052】さらに後輪側距離センサ121,122
は、搭乗者から見て後輪1002の左側に、前後方向に
並んで装備されると共に後輪の回転軸からいずれも等距
離に設定され、後輪側距離センサ123,124は、搭
乗者から見て後輪1002の右側に、前後方向に並んで
装備されると共に後輪の回転軸からいずれも等距離に設
定されている。また、車体1003(正確には対称面)
から後輪側距離センサ121までの距離と後輪側距離セ
ンサ123までの距離は等しく設定され、後輪側距離セ
ンサ122と後輪側距離センサ124も同様とする。
【0053】上記前輪側距離センサ(後輪側距離セン
サ)は、図3に示すように、いずれも同一の方向に向か
って距離検出を行うように二輪車1000に装備され、
4基のセンサは、いずれも、二輪車1000に姿勢変化
が生じた場合に、いずれもその距離検出方向が平行状態
を維持するように装備されている。また、図1に示すよ
うに、二輪車1000が基本姿勢である時に、距離検出
方向が水平な路面Fに対して垂直となる方向に向けられ
ている。
【0054】なお、前輪及後輪側距離センサは、いずれ
も、各々が一定方向にレーザ光を出射するレーザ光源
と、路面に反射したレーザ光を検出するフォトトランジ
スタやフォトダイオードのような光検出センサとを有す
る構成から成り、これらを用いた一般的な手法から距離
検出行われる。前述した距離検出方向とは、レーザ光の
出射する方向をいう。また、各センサは、超音波発振子
と超音波受信子とを有する構成としても良い。
【0055】ポテンショメータ131は、前輪1001
の左側に位置するフロントサスペンション1008に併
設されており、当該フロントサスペンション1008の
伸縮量を検出する。即ち、フロントサスペンション10
08の一端部に本体が固定され、他端部に摺動子が固定
される。
【0056】フロントホーク1005の寸法及びフロン
トホーク1005における前輪1001の支持位置は既
知であるため、ポテンショメータ131によりフロント
サスペンション1008の伸縮量が検出されることによ
り、車体1003に対する前輪1001の相対的な位置
変化を検出することは容易に可能である。
【0057】ポテンショメータ132は、リアサスペン
ション1009に併設されており、当該リアサスペンシ
ョン1009の伸縮量を検出する。即ち、リアサスペン
ション1009の一端部に抵抗体を有する本体部が固定
され、他端部に摺動子が固定される。
【0058】スイングアーム1006a及び支持アーム
1006bの寸法並びにスイングアーム1006aにお
ける後輪1002の支持位置は既値であるため、ポテン
ショメータ132によりリアサスペンション1009の
伸縮量が検出されることにより、車体1003に対する
後輪1002の相対的な位置変化を検出することは容易
に可能である(後述)。
【0059】エンコーダ133は、車体本体1004に
おけるフロントホーク1005の回動支軸近くに装備さ
れる。即ち、フロントホーク1005の支軸にエンコー
ダ133の回転検出部が接続され、フロントホーク10
05の回動角度に応じた検出信号がエンコーダ133か
ら出力される。なお、回転量センサは、同様に機能する
他のセンサ(回転式ポテンショメータ等)を用いても良
い。
【0060】メモリ140は、図4の如く、メモリカー
ド141とカードスロット142とを有する構成から成
り、二輪車1000の余剰スペース(タンク上,或いは
シート下等)に装備される。メモリカード141は、カ
ードスロット142から着脱自在であり、上述した全て
のセンサ等の出力データは、カードスロット142を介
してメモリカード141に出力される。
【0061】メモリカード141は、ICメモリ,CP
U及びA/Dコンバータを有し、ICメモリにも設けら
れた各センサごとの記憶領域に、測定開始からの経過時
間ごとの各センサ出力データが記憶される。
【0062】次に、処理装置10を図5乃至図13に基
づいて説明する。図5は、処理装置10のハード的な構
成を示す説明図であり、図6は、ブロック構成を示すブ
ロック図である。
【0063】この処理装置10は、上述の車体姿勢デー
タ収集装置100で得られた各センサの出力データに基
づいて二輪車1000の走行時に生じる車体1003の
剛性の評価を行う。評価を行うためには、前述した車体
姿勢データ収集装置100による測定が行われた後に、
各種センサ出力データが記憶されたメモリカード141
がこの処理装置10に接続され、当該メモリカード14
1に記憶された情報に基づいて処理が行われる。
【0064】即ち、図5に示すように、処理装置10
は、前述したメモリカード141を着脱自在のカードス
ロット13と、情報の演算と各構成の制御を行うCPU
14と、後述する各ブロック構成の処理を実現するプロ
グラムが書き込まれているROM15と、各種のデータ
が一時的に記憶されるRAM16とを有する構成から成
り、この処理装置10のRAM16は、外部情報を入力
する入力手段17と、処理の途中経過,処理結果等を表
示する出力手段としてのディスプレイ18と接続されて
いる。
【0065】かかる構成では、ROM15に書き込まれ
たプログラムがCPU14により予め決められた順番で
実行され、剛性評価が行われる。まず、カードスロット
13が制御され、メモリカード141に記憶された各セ
ンサ出力データが、RAM16の所定の記憶領域に、個
別且つ測定の経過時間順に出力される。
【0066】また、入力手段17は、剛性評価演算処理
の進行の支持命令や必要な情報や入力を行う。この入力
手段17としては、キーボード、不揮発情報記録媒体
(FDやCD等)の読み取り装置が挙げられ、或いはそ
の双方を具備していても良い。かかる入力手段17から
入力された情報はRAM16に記憶される。
【0067】さらに、CPU14は、各センサ出力デー
タや入力情報を使用してプログラムに基づいた演算処理
を行い、その演算結果をディスプレイ18に出力表示す
る。
【0068】具体的には、処理装置10は上述のハード
構成に基づいて図6のブロック構成が実現されている。
【0069】かかるブロック構成を説明すると、処理装
置10は、非走行時の二輪車1000の車体データDsを
記憶する車体データ記憶部11と、車体姿勢データ収集
装置100で各センサから検出された検出データが記憶
された実測データ記憶部12と、各前輪距離センサ11
1,112,113,114の出力データDfから前輪1
001の接する路面Fに相当する前輪側の路面データFf
を算出する前輪側路面算出部3と、各後輪距離センサ1
21,122,123,124の出力データDrから後輪
1002の接する路面Fに相当する後輪側の路面データF
rを算出する後輪側路面算出部4と、走行時の二輪車1
000の車体1003に生じるねじれ剛性による変形状
態を判定する車体ねじれ判定部5とを備え、この車体ね
じれ判定部5は、前輪側の路面データFfから二輪車10
00の左右方向についての前輪1001の路面Fに対す
る傾き量Rr(「実測的な左右方向の傾き量」とする)を
算出する実測前輪側横方向傾き算出部51と、車体デー
タ記憶部2に記憶された車体データDsとポテンショメー
タ131,132及びエンコーダ133の出力データDx
(「他のセンサ出力データ」とする)と後輪側の路面デ
ータFrとから二輪車1000の左右方向についての前輪
1001の路面Fに対する傾き量Rc(「理論的な左右方
向の傾き量」とする)を算出する予測前輪側横方向傾き
算出部52と、実測的な左右方向の傾き量Rrと理論的な
左右方向の傾き量Rcとから、走行時の二輪車1000の
車体1003に生じるねじれ剛性による変形量を算出し
出力する横方向傾き比較部53とから構成されている。
【0070】さらに、処理装置10は、走行時の二輪車
1000の車体1003に生じる車体1003の前後方
向の変形状態を判定する車体伸縮判定部6を備え、この
車体伸縮判定部6は、前輪側の路面データFfから二輪車
1000の前後方向についてのフロントホーク1005
の路面に対する傾き量Hr(「実測的な前後方向の傾き
量」とする)を算出する実測前輪側前後方向傾き算出部
61と、車体データDsと他のセンサ出力データDxと後輪
側の路面データFrとから二輪車1000の前後方向につ
いてのフロントホーク1005の路面に対する傾き量Hc
(「理論的な前後方向の傾き量」とする)を算出する予
測前輪側前後方向傾き算出部62と、実測前輪側前後方
向傾き算出部61と予測前輪前後方向傾き算出部62の
各算出結果とから、走行時の二輪車1000の車体10
03に生じる前後方向の変形量を算出し出力する前後方
向傾き比較部63とから構成されている。
【0071】上述に加えて、処理装置10は、前輪側の
路面データFfに基づいて前輪1001の所定の一点から
路面Fまでの距離Sr(「実測的な前輪側の路面距離」と
する)を算出する実測前輪側路面距離算出部71と、車
体データ記憶部11の車体データDsに基づいてフロント
ホーク1005の所定の一点から路面Fまでの距離Sc
(「予測的な前輪側の路面距離」とする)を算出する予
測前輪側路面距離算出部72と、実測前輪側路面距離算
出部71及び予測前輪側路面距離算出部72の各算出結
果から、走行時の前輪1001のタイヤの撓み量を算出
する前輪撓み算出部73とを備えている。
【0072】また同時に、後輪側路面算出部4で算出さ
れた路面データFrから後輪支持体1006の所定の一点
から路面Fまでの距離Tr(「実測的な後輪側の路面距
離」とする)を算出する実測後輪側路面距離算出部81
と、車体データ記憶部11の車体データDsに基づいて後
輪支持体1006の所定の一点から路面までの距離Tr
(「実測的な後輪側の路面距離」とする)を算出する予
測後輪側路面距離算出部82と、実測後輪側路面距離算
出部81及び予測後輪側路面距離算出部82の各算出結
果から、走行時の後輪1002のタイヤの撓み量を算出
する後輪撓み算出部83とを備えている。
【0073】以下各ブロックを詳説する。
【0074】まず、車体データ記憶部11は、前述した
RAM16の所定の記憶領域内に形成される。車体デー
タDsは、具体的には車体1003の各部の寸法データ、
前輪1001の半径及び断面半径,後輪1002の半径
及び断面半径(前輪をその回転軸を含む平面に沿った断
面とした場合に、当該前輪の路面と接する外周面におけ
る断面形状の曲率半径)等であり、これら各データは、
予め入力手段17から入力される。
【0075】実測データ記憶部12もまた、RAM16
の他の所定の記憶領域内に形成される。即ち、メモリカ
ード141に収録された車体姿勢データ収集装置100
の各センサごとの出力データが、カードスロット13を
介してRAM16に入力される。RAM16の記憶領域
では、メモリカード141と同様に、その出力データ
は、各センサごと分類され、また測定開始からの時間経
過ごとに記憶される。
【0076】次に、前輪側路面算出部3について説明す
る。この前輪側路面算出部3には、は、四基の前輪距離
センサ111,112,113,114からの出力デー
タに対して,四基中から三基を組み合わせる複数の組み
合わせパターンを記憶するパターン記憶手段31が併設
されており、このパターン記憶部31の組み合わせパタ
ーンに従って当該組み合わせごとに路面データFf1〜4を
算出する複数算出機能32と、各路面データFf1〜4に基
づいて一つの路面データFfを算出する特定機能33とを
有している。
【0077】上記パターン記憶手段31は、4以上の自
然数nに対してそれぞれnの個体中から3つを組み合わせ
る組み合わせパターンがROM15に記憶されており、
入力手段17から前輪側距離センサの個体数が入力され
ると、当該個体数に該当する組み合わせパターンがRA
M16の所定の記憶領域に出力され、これにより実現す
る。なお、本実施形態では、前輪側距離センサが四基で
あるため、組み合わせパターンは四つとなる。
【0078】前輪側路面算出部3は、ROM15に記憶
されたプログラムに従い、CPUが実行することにより
実現する。
【0079】即ち、複数算出機能32は、組み合わせパ
ターンに従い、各組み合わせごとに図7に基づく手法
で、前輪側の路面データFf1〜4を算出する。図7は、x
yz軸から成る直交座標系を示し、x軸は二輪車の基本
姿勢における前進方向、y軸は二輪車の基本姿勢におけ
る左右方向、z軸は二輪車の基本姿勢における上下方向
に設定され、z軸の正方向は各前輪側距離センサの距離
検出方向と一致する。
【0080】各前輪側距離センサ111,112,11
3,114の装備位置は、座標系における点B(x
0,0),A(0,0,0),C(x,y,0),
D(0,y,0)で示され、点Aは座標系の原点に設
定されている。なお、各前輪側距離センサ111,11
2,113,114は、基本姿勢にある二輪車1000
において水平な路面と平行な平面上に展開されたそれぞ
れx,yの長さから成る各辺で構成される長方形の
各頂点に配置されているものとする。
【0081】この場合、各前輪側距離センサ111,1
12,113,114で検出される距離がそれぞれ
,l,l,lである場合、前輪が接する路面
F上において四つの点B’(x,0,l),A’
(0,0,l),C’(x,y ,l),D’
(0,y,l)が特定される。
【0082】例えば、上述の四点の内の三点A’,
B’,D’から一つの路面を特定するには、まず、点
A’を通過することから次式(1)が求められ、当該式
(1)に点B’,点D’の座標を代入することにより、
式(1)の係数a,bがそれぞれ次式(2),(3)に
表される。これら式(2),(3)を式(1)に代入し
てc(≠0)で除することにより当該係数cを消去する
と、三点A’,B’,D’から特定される一の路面を表
す式(4)が求められる。
【0083】
【数1】
【0084】複数算出機能32により、点A’,B’,
C’と点A’,C’,D’と点B’,C’,D’との各
組み合わせについても同様にして路面を表す式が算出さ
れる。さらに、特定機能33により、四通りの算出結果
を統計的に処理し、ばらつきや平均を求める或いは多数
決を採る等の手法により一つの平面を決定し、当該平面
の式を前輪側の路面データFfとして出力する。
【0085】次に、後輪側路面算出部4について説明す
る。この後輪側路面算出部4も前輪側路面算出部3と同
様にして、四基の後輪距離センサ121,122,12
3,124からの出力データに対して,四基中から三基
を組み合わせる複数の組み合わせパターンを記憶するパ
ターン記憶手段41が併設されており、パターン記憶手
段41の各組み合わせごとに路面データFr1〜4を算出す
る複数算出機能42と、それらに基づいて一つの路面デ
ータFrを算出する特定機能43とを有している。パター
ン記憶手段41路面データFrを算出する手法は、前輪側
路面算出部3の場合と同様である。
【0086】次に、実測前輪側横方向傾き算出部51と
実測前輪側前後方向傾き算出部61について説明する。
これらは、ROM15に記憶されたプログラムに従い、
CPUが実行することにより実現する。
【0087】実測前輪側横方向傾き算出部51及び実測
前輪側前後方向傾き算出部61はいずれも、前輪側の路
面データFfにおける路面を表す式から当該路面の法線ベ
クトルを算出する。そして、実測前輪側横方向傾き算出
部51では、この法線ベクトルと図7の座標系における
y軸との成す角度(≦π/2)を、π/2から減じた角
度を実測的な左右方向の傾き量Rrとして出力する。この
傾き量Rrは、いわゆる前輪のキャンバ角(前輪の回転軸
に垂直な平面と路面に垂直な平面とのなす角度)の変化
角度に等しい。
【0088】一方、実測前輪側前後方向傾き算出部61
では、法線ベクトルと図7の座標系におけるx軸との成
す角度(≦π/2)を、π/2から減じた角度を実測的
な前後方向の傾き量Hrとして出力する。この傾き量Hr
は、いわゆる前輪のキャスタ角(前輪の接地点と後輪の
接地点とを結ぶ線分とフロントホークとの成す角度)の
変化角度に等しい。
【0089】次に、予測前輪側横方向傾き算出部52と
予測前輪側前後方向傾き算出部62について説明する。
これらは、ROM15に記憶されたプログラムに従い、
CPU14が実行することにより実現する。
【0090】予測前輪側横方向傾き算出部52による理
論的な左右方向の傾き量Rc及び予測前輪側前後方向傾き
算出部62による理論的な前後方向の傾き量Hcの算出手
法を図8及び図9に基づいて説明ずる。
【0091】図8は、二輪車1000について、フロン
トサスペンション1008及びリアサスペンション10
09に伸縮を生じた場合における前輪側キャスタ角β
(フロントホーク1005と路面に垂直な直線との成す
角度)の変化の算出手法を示す。
【0092】図8において、点O(0,0)は車体本体
1004に対するスイングアーム1006aの回動支
点、点E(x,y)は車体本体1004に対する支
持アーム1006bの回動支点、点J(x,y)は
車体本体1004に対するフロントホーク1005の回
動支点、点G(x,y)はスイングアーム1006
aに対する支持アーム1006bの回動支点、点H(x
,y)はフロントホーク1005に対する前輪10
01の回転中心、点I(x,y)はスイングアーム
1006aに対する後輪1002の回転中心を示してい
る。
【0093】また、符号Lfはフロントホーク1005
の長さ、符号Lrは支持アーム1006bの長さ、符号
dはスイングアーム1006a上における車体本体10
03側の回動支点Oと支持アーム1006bの回動支点
Gとの間の距離、符号eはスイングアーム1006a全
体の長さ、符号Wfは前輪1001の半径、符号Wrは
後輪1002の半径、符号βoは車体本体1004に対
するフロントホーク1005の取り付け角度、符号βは
走行時における二輪車のフロントホーク1005と路面
に垂直な方向との成す角度、符号γは路面とスイングア
ーム1006aとの成す角度を示している。
【0094】上記点O,E,Jは、車体データDsに含ま
れる車体1003の各部の寸法データにより、対称面上
に展開される二次元座標上に表すことができる。また、
同様にして長さd,長さe,角度βo、半径Wf、半径
Wrも車体データDsに含まれる寸法データにより既知で
ある。
【0095】さらに、長さLrはポテンショメータ13
2の出力により特定されるため、当該長さLrと長さd
により点G(x,y)の座標も特定される。点I
は、点Gの延長線上にあるため、長さdと長さeとの比
によりその座標I(x,y)が算出される。
【0096】一方、点Hは、長さLfがポテンショメー
タ131の出力により特定され、点J(x,y)及
び角度βoが既知であるため、その座標H(x
)が算出される。
【0097】これらの座標を結んだ線分HIは、ホィー
ルベースMを示し、ポテンショメータ131,132の
出力データに基づいて特定される。
【0098】前輪1001は、点Hを中心とする半径W
fの円で表され、後輪1002は、点Iを中心とする半
径Wrの円で表されるため、路面を表す直線Kは双方の
円に接する接線から求められる。かかる接線と線分HJ
との成す角(≦π/2)をπ/2から減じた角度がキャ
スタ角βとなる。ちなみに、スイングアーム角度γは、
上述の接線と線分OIの成す角度から求めることができ
る。
【0099】従って、ポテンショメータ131,132
の出力に基づいて変化する前輪キャスタ角βを算出する
ことができる。
【0100】さらに、エンコーダ133によりフロント
ホーク1005の回動角度変化(ステアリング角度)が
検出されている場合の前輪キャスタ角の変化量Δβ及び
前輪キャンバ角度θRFの算出手法を図9に基づいて説
明する。
【0101】以下、符号を以下のように設定する。L:
前輪1001の中心からフロントホーク1005までの
ずれ量(いわゆるフォークオフセットをいう、図示は省
略している)、Wf:前輪1001の半径、Wr:後輪
1002の半径、r:前輪のタイヤの断面半径、
:後輪のタイヤの断面半径、θ:ステアリング切
れ角(エンコーダ133の検出角度)、θ:後輪キャ
ンバ角、θRf:前輪キャンバ角、φ:実舵角、β:前
輪キャスタ角、M:ホィールベース、Δβ:接地点の移
動によるキャスタ角変化量、Δh:車体の頭上げ量。
【0102】ここで、後輪キャンバ角θは、後輪側路
面算出部4で算出された後輪側の路面データFrに基づい
て、実測前輪側横方向傾き算出部51と同じ手法に基づ
いて算出される。即ち、後輪側の路面データFrに基づい
てその法線ベクトルを算出し、その法線の傾きから後輪
キャンバ角θを算出する。
【0103】上記実舵角φは、図9(b)に示すよう
に、後輪1002の進行方向と前輪1001の進行方向
との成す角を示す。また、キャスタ角βは、図8に示す
手法で各ポテンショメータ131,132の出力データ
に基づいて算出される。また、ホィールベースMも、図
8に示す手法で各ポテンショメータ131,132に基
づいて算出される。
【0104】上述の符号を用いて、実舵角φを表すと、
次式(5)となる。また、前輪キャンバ角度θRFは、
次式(6)により算出される。さらに、車体の頭上げ量
Δhは次式(7)で表され、これに基づいてキャスタ角
の変化量Δβは次式(8)により近似的に算出される。
【0105】
【数2】
【0106】予測前輪側横方向傾き算出部52では、算
出された前輪キャンバ角θRFをπ/2から減じた角度
を理論的な左右方向の傾き量として出力する。
【0107】一方、予測前輪側前後方向傾き算出部62
では、車体データ記憶部11に車体データDsの一部とし
て記憶されている二輪車1000の基本姿勢におけるキ
ャンバ角が、前述したキャンバ角βと変化量Δβとの和
から減じられ、かかる値が理論的な前後方向の傾き量Hc
として算出される。
【0108】次に、横方向傾き比較部53と前後方向傾
き比較部63について説明する。これらは、ROM15
に記憶されたプログラムに従い、CPU14が実行する
ことにより実現する。
【0109】横方向傾き比較部53では、実測前輪側横
方向傾き算出部51で算出された実測的な左右方向の傾
き量Rrと予測前輪側横方向傾き算出部52で算出された
理論的な左右方向の傾き量Rcとが比較され、かかる値が
一致すれば、ねじれ変形が生じていない旨をディスプレ
イ18で表示し、一致しなければ、一方から他方を減算
し、二輪車1000の車体1003の前輪1001から
後輪1002までの間に、その進行方向を中心とするね
じれ変形が生じている旨と、減算値に基づくねじれ量が
ディスプレイ18に表示される。
【0110】前後方向傾き比較部63では、実測前輪側
前後方向傾き算出部61で算出された実測的な前後方向
の傾き量Hrと予測前輪側前後方向傾き算出部62で算出
された理論的な前後方向の傾き量Hcとが比較され、かか
る値が一致すれば、伸縮変形が生じていない旨をディス
プレイ18で表示し、一致しなければ、一方から他方を
減算し、二輪車1000の車体1003の前輪1001
から後輪1002までの間に、その進行方向に沿って伸
縮する変形が生じている旨と、減算値に基づく伸縮量が
ディスプレイ18に表示される。
【0111】次に、実測前輪側路面距離算出部71と実
測後輪側路面距離算出部81について説明する。これら
は、ROM15に記憶されたプログラムに従い、CPU
14が実行することにより実現する。
【0112】実測前輪側路面距離算出部71は、図10
(A)に示すように、前輪側路面算出部3で算出された
前輪側の路面データFfに基づく路面から前輪1001の
中心点Qまでの距離を算出する。この前輪の中心点Qと
は、当該前輪1001の回転軸の長手方向における中間
の位置をいうものとする。
【0113】前輪側距離センサ111,112,11
3,114は、長方形の各頂点に位置しており、当該長
方形の各対角線の交点Vは、二輪車1000が基本姿勢
にあるときに前輪の中心点Qの垂直下方に位置してい
る。前輪の中心点Qから交点Vまでの距離Nは、各前輪
側距離センサの取り付け位置によって定まるため既知で
ある。
【0114】実測前輪側路面距離算出部71では、各前
輪側距離センサからなる長方形の各対角線の交点Vから
路面までの距離Uを算出し、前述した距離N分の補正を
行う。
【0115】一般に、定点(x,y,z)から一
般式 ax+by+cz+d=0で表される平面までの
距離Uは、次式(9)で表される。
【0116】
【数3】
【0117】ここで、長方形の交点Vは、図1に示した
座標系では、点P=(x/2,y /2,0)で表さ
れる。一方、前輪側路面算出部3で算出された平面デー
タが仮に前述した式(4)である場合、路面から交点V
までの距離Uは上式(10)で表される。
【0118】前輪1001の横方向の傾きは、前述した
ように平面データから容易に算出でき、仮にその傾き角
度をεとする。この場合、中心点Qから路面までの距離
は、Q=U+N・sinεと算出することができる。こうし
て算出された距離Qが、実測的な前輪側の路面距離Srと
して出力される。
【0119】実測後輪側路面距離算出部81も、実測前
輪側路面距離算出部71と同様にして、後輪側路面算出
部4で算出された後輪側の路面データFrに基づく路面か
ら後輪1001の中心点までの距離を算出する。その算
出手法は、実測前輪側路面距離算出部71と同じであ
り、こうして算出された距離が、実測的な後輪側の路面
距離Trとして出力される。
【0120】次に、予測前輪側路面距離算出部72と予
測後輪側路面距離算出部82について説明する。これら
は、ROM15に記憶されたプログラムに従い、CPU
14が実行することにより実現する。
【0121】予測前輪側路面距離算出部72は、前述し
た中心点Qから路面までの距離αを車体データDsに含ま
れる前輪1001の半径Wf及び前輪のタイヤの断面半
径r と実測前輪側横方向傾き算出部51の実測的な左
右方向の傾き算出量Rrに基づく前輪の左右方向の傾き角
度εとから算出する。即ち、距離αは、次式(11)に
より算出される。
【0122】 α=(Wf−r)・sinε+r …(11)
【0123】こうして算出された距離αが、予測的な前
輪側の路面距離Scとして出力される。
【0124】予測後輪側路面距離算出部82は、図10
(B)のカッコ内の符号で説明する。即ち、予測後輪側
路面距離算出部82では、後輪側の路面データFrから路
面の傾き角度ηを算出する。そして、当該後輪側の路面
の傾き角度ηと、中心点Qbから路面までの距離κを車
体データDsに含まれる後輪1002の半径Wr及び後輪
のタイヤの断面半径rとから、中心点Qbから路面ま
での距離κを算出する。即ち、距離κは、次式(12)
により算出される。
【0125】 κ=(Wr−r)・sinη+r …(12)
【0126】こうして算出された距離κが、予測的な後
輪側の路面距離Tcとして出力される。
【0127】次に、前輪側撓み算出部73と後輪側撓み
算出部83について説明する。これらは、ROM15に
記憶されたプログラムに従い、CPU14が実行するこ
とにより実現する。
【0128】前輪側撓み算出部73では、予測前輪側路
面距離算出部72で算出された理論的な前輪側の路面距
離Scから実測前輪側路面距離算出部71で算出された実
測的な前輪側の路面距離Srが減算され、その減算値に基
づいて前輪タイヤの撓み量が算出されると共にディスプ
レイ18に表示される。
【0129】後輪側撓み算出部83では、予測後輪側路
面距離算出部82で算出された理論的な後輪側の路面距
離Tcから実測後輪側路面距離算出部81で算出された実
測的な後輪側の路面距離Trが減算され、その減算値に基
づいて後輪タイヤの撓み量が算出されると共にディスプ
レイ18に表示される。
【0130】上記構成から成る処理装置10の動作説明
を図11乃至図13に基づいて行う。
【0131】まず、入力手段17から車体データ記憶部
11に車体データが入力され、メモリカード141から
実測データ記憶部12に測定された各センサの出力デー
タが入力される(ステップS1)。
【0132】実測データ記憶部12から各前輪側距離セ
ンサの出力データDfが前輪側路面算出部3に出力され、
同時に、各後輪側距離センサの出力データDrが後輪側路
面算出部4に出力される。
【0133】また、他のセンサの出力データDxが、予測
前輪側横方向傾き算出部52と予測前輪側前後方向傾き
算出部62とに出力される(ステップS2)。
【0134】車体データ記憶部11から車体データDsが
予測前輪側横方向傾き算出部52と予測前輪側前後方向
傾き算出部62と予測前輪側路面距離算出部72と予測
後輪側路面距離算出部82とに出力される(ステップS
3)。
【0135】前輪側路面算出部3では、四つの前輪側距
離センサの出力データを三つずつで組合わせる四種のパ
ターンをパターン記憶手段31で参照し、各パターンご
とに路面データを算出すると共に、これらの路面データ
から一の前輪側の路面データFfを作成する。
【0136】同様に、後輪側路面算出部4では、四つの
後輪側距離センサの組み合わせパターンをパターン記憶
手段41で参照し、各パターンごとに路面データを算出
すると共に、これらの路面データから一の後輪側の路面
データFrを作成する(ステップS4)。
【0137】前輪側路面算出部3から前輪側の路面デー
タFfが実測前輪側横方向傾き算出部51と実測前輪側前
後方向傾き算出部61と実測前輪側路面距離算出部71
とに出力される(ステップS5)。
【0138】また、後輪側路面算出部4から後輪側の路
面データFrが予測前輪側横方向傾き算出部52と予測前
輪側前後方向傾き算出部62と実測後輪側路面距離算出
部81と予測後輪側路面距離算出部82とに出力される
(ステップS6)。
【0139】実測前輪側横方向傾き算出部51では実測
的な左右方向の傾き量Rrを算出し、予測前輪側路面距離
算出部72と横方向傾き比較部53とに出力する(ステ
ップS7)。
【0140】予測前輪側横方向傾き算出部52では理論
的な左右方向の傾き量Rcを算出し、横方向傾き比較部5
3に出力する(ステップS8)。
【0141】横方向傾き比較部53では、実測的な左右
方向の傾き量Rrと理論的な左右方向の傾き量Rcとが比較
され、かかる値が一致すれば、ねじれ変形が生じていな
い旨をディスプレイ18で表示し、一致しなければ、一
方から他方を減算し、二輪車1000の車体1003の
前輪1001から後輪1002までの間に、その進行方
向を中心とするねじれ変形が生じている旨と、減算値に
基づくねじれ量がディスプレイ18に表示される(ステ
ップS9)。
【0142】一方、実測前輪側前後方向傾き算出部61
では実測的な前後方向の傾き量Hrを算出し、前後方向傾
き比較部63に出力する(ステップS10)。
【0143】予測前輪側前後方向傾き算出部62では理
論的な前後方向の傾き量Hcを算出し、前後方向傾き比較
部63に出力する(ステップS11)。
【0144】前後方向傾き比較部63では、実測的な前
後方向の傾き量Hrと理論的な前後方向の傾き量Hcとが比
較され、かかる値が一致すれば、伸縮変形が生じていな
い旨をディスプレイ18で表示し、一致しなければ、一
方から他方を減算し、二輪車1000の車体1003の
前輪1001から後輪1002までの間に、その進行方
向に沿って伸縮する変形が生じている旨と、減算値に基
づく伸縮量がディスプレイ18に表示される(ステップ
S12)。
【0145】実測前輪側路面距離算出部71では実測的
な前輪側の路面距離Srを算出し、前輪側撓み量算出部7
3に出力する(ステップS13)。一方、予測前輪側路
面距離算出部72では理論的な前輪側の路面距離Scを算
出し、前輪側撓み量算出部73に出力する(ステップS
14)。
【0146】前輪側撓み算出部73では、理論的な前輪
側の路面距離Scから実測的な前輪側の路面距離Srが減算
され、その減算値に基づいて前輪タイヤの撓み量が算出
されると共にディスプレイ18に表示される(ステップ
S15)。
【0147】実測後輪側路面距離算出部81では実測的
な後輪側の路面距離Trを算出し、後輪側撓み量算出部8
3に出力する(ステップS16)。一方、予測後輪側路
面距離算出部82では理論的な後輪側の路面距離Tcを算
出し、後輪側撓み量算出部83に出力する(ステップS
17)。
【0148】後輪側撓み算出部83では、理論的な後輪
側の路面距離Tcから実測的な後輪側の路面距離Trが減算
され、その減算値に基づいて後輪タイヤの撓み量が算出
されると共にディスプレイ18に表示される(ステップ
S18)。
【0149】本実施形態で示した車体姿勢データ収集装
置100は、フロントホーク1005側の四基の前輪側
距離センサの出力により、二輪車1000の走行時非走
行時を問わずフロントホーク1005に対する路面の傾
きを得ることができ、後輪支持体1006側の四基の後
輪側距離センサの出力により、二輪車の走行時非走行時
を問わず後輪支持体に対する路面の傾きを得ることがで
き、それ以外の各センサの出力により、二輪車の走行時
非走行時を問わず前輪支持体から後輪支持体にかけて車
体の姿勢変化を得ることができ、これらの相互間の関連
から、二輪車の走行時非走行時を問わず前輪から後輪に
かけての変形を検出するための情報を入手することが可
能である。
【0150】また、車体姿勢データ収集装置100は、
従来の如く、二輪車を固定し又は荷重を付加する設備は
一切不要であるため、より小型化された簡易な構成によ
り上記情報を得ることが可能となる。
【0151】本実施形態で示した処理装置10は、車体
ねじれ判定部5により、車体ねじれ判定部5は、実測的
な前輪1001の左右方向の傾きと、実測的な後輪10
02の左右方向の傾き及び変形の生じていない車体10
03の姿勢変化から求めた前輪1001の左右方向の傾
き変化を比較する構成を採っているため、従来の静的な
車体データのみに基づくシミュレーション結果と異な
り、二輪車1000の走行状態における車体のねじれ変
形の発生をより有効に検出し、且つ、実測値に基づくよ
り精度の高い変形量を算出することが可能である。
【0152】さらに、処理装置100は、車体伸縮判定
部6を備え、走行時における実測値に基づくフロントホ
ーク1005及び後輪支持体1006に対する各路面の
前後方向の傾きと、車体1005に変形が生じていない
と想定した状態での前輪1001から後輪1002にか
けての車体1005の姿勢変化とに基づいて、前後輪の
相対的な前後方向の傾きの差異を比較する構成のため、
従来の静的な車体の試験データに基づくシミュレーショ
ンと異なり、より実際的な動的なデータに基づくより精
度の高い比較試験結果を得ることが可能である。
【0153】また、実測前輪側路面距離算出部7を有
し、走行時における実測値に基づくフロントホーク10
05からの路面距離と、車体データDsにより非走行時に
おけるフロントホーク1005からの路面距離の差を算
出する構成のため、従来の静的な車体の試験データに基
づくシミュレーションと異なり、より実際的な動的なデ
ータに基づくより精度の高い前輪撓み量を検出すること
が可能である。
【0154】同様に、実測後輪側路面距離算出部8によ
り、走行時における実測値に基づく後輪支持体からの路
面距離と、車体データにより非走行時における後輪支持
体からの路面距離の差を算出する構成のため、従来の静
的な車体の試験データに基づくシミュレーションと異な
り、より実際的な動的なデータに基づくより精度の高い
後輪撓み量を検出することが可能である。
【0155】さらに、複数の前輪側及び後輪側の路面デ
ータを算出すると共に、これに基づいて前輪側と後輪側
とでそれぞれ一の路面データを算出する構成のため、前
輪側及び後輪側の路面データの算出が、三基の前輪側距
離センサの出力に基づいて行う場合と比較して、例え
ば、外乱やノイズ、路面の凹凸等による影響を低減し、
より正確に前輪側及び後輪側の路面データの算出を行う
ことが可能となる。従って、フロントホーク1005及
び後輪支持体1006の路面に対する左右方向或いは前
後方向の傾きの算出をより高い精度で行うことが可能と
なり、これに伴い、より高い精度で、上述した車体のね
じれ、伸縮変形の判定及びねじれ量、伸縮変形量の算
出、さらには前輪及び後輪の撓み量の算出が可能とな
る。
【0156】なお、上記実施形態では、車体姿勢データ
収集装置100の各距離センサを四基としたが、三基で
あっても、また五基以上であっても良い。ここで、図1
4に示すように、前述の横方向傾き比較部53には、車
体が横方向から受ける荷重を算出する横方向荷重算出部
54を併設しても良い。この場合、前述した車体データ
記憶部には、非走行時において行われた試験に基づく、
車体1003に対して横方向から荷重を加えた場合に生
じる後輪の回転軸に対する前輪の回転軸の相対的な角度
変化の試験データが、車体データとして外部から入力さ
れ記憶されている。そして、横方向記憶算出部54は、
この試験データを参照し、横方向傾き算出部53から出
力されるねじれ量データに基づいて当該ねじれ量に対応
する加重の数値を特定し、ディスプレイ出力を行う。
【0157】同様に、前述の前後方向傾き比較部63に
は、車体が前後方向から受ける荷重を算出する前後方向
荷重算出部64を併設しても良い。この場合、前述した
車体データ記憶部には、非走行時において行われた試験
に基づく、車体1003に対して前後方向から荷重を加
えた場合に生じる車体1003の伸縮量の試験データ
が、車体データとして外部から入力され記憶されてい
る。そして、前後方向記憶算出部64は、この試験デー
タを参照し、前後方向傾き算出部63から出力される伸
縮量データに基づいて当該伸縮量に対応する荷重の数値
を特定し、ディスプレイ出力を行う。
【0158】また、上記実施形態では、車体姿勢データ
収集装置100で収集した測定データを着脱自在のメモ
リカセットに記憶させる構成を採っているが、例えば、
データの書き込みが自在に行える不揮発性の記憶媒体を
使用しても良い。このばあいかかる記憶媒体のドライブ
も構成の一つとなる。また、同時に、処理装置10で
は、かかるドライブを入力手段として使用することとな
る。
【0159】さらに、メモリカセットに替えて、測定デ
ータを無線電波により発信する発信装置を使用しても良
い。この場合、処理装置10は、入力手段として、かか
る発信電波の受信装置と接続することとなる。
【0160】また、本実施形態では、車体姿勢データ収
集装置100と処理装置10を分離した構成としている
が、これらを一体的な車体姿勢データ収集処理装置10
Aとして二輪車1000に装備しても良い。この構成を
図14に示す。かかる構成の内、前述した車体姿勢デー
タ収集装置10又は処理装置100と同一の構成につい
ては同一の符号を付して、異なる構成についてのみ説明
する。
【0161】かかる車体姿勢データ収集処理装置10A
では、各センサ111から114,121〜124,ポ
テンショメータ131,132,エンコーダ133(各
センサと称する)以外の構成は、二輪車1000上の車
体姿勢データ収集装置100のメモリ140と同一箇所
に一体的に装備される。
【0162】上記構成では、各センサの出力は、直接R
AM16Aに行われる。そして、このRAM16Aに、
各センサ出力に基づいて、車体データ記憶部11,実測
データ記憶部12が構成され、処理装置10と同様の行
われる。
【0163】そして、算出結果は全て、RAM16Aに
併設された記憶手段13Aに記憶される。この記憶手段
13Aは、車体姿勢データ収集装置100のメモリ14
0と同一のものや、不揮発性の記憶媒体と当該記憶媒体
のドライブからなる構成、算出データを無線電波により
発信する発信装置を使用しても良い。このような、車体
姿勢データ収集処理装置10Aにあっても、前述した車
体姿勢データ収集装置100及び処理装置10と同様に
機能する。
【0164】また、車体姿勢データ収集装置にあって
は、図16に示すように、フロントホーク1005と後
輪支持体1006のみではなく、少なくとも三基以上
(望ましくは四基)の距離センサの組み合わせて、車体
1003の他の位置にも、距離センサを増設装備しても
良い。
【0165】図16では、二輪車1000の車体本体1
004におけるフロントホーク1005近傍と後輪支持
体1006の近傍とにそれぞれ四基の距離センサ11
5,116,125,126(他は図示略)を設けた例
を示している。各距離センサは、いずれも、二輪車10
0が基本姿勢にあるときに、水平な路面に対して垂直な
方向に距離検出を行うように装備されている。
【0166】このように車体姿勢データ収集装置を構成
した場合、処理装置は、前述した構成に加えて、四基の
距離センサのユニットごとに対応する前輪側路面算出部
3と同一の構成から成る路面算出部を設け、各センサの
ユニットごとに路面データを算出する。また、各路面算
出部に、実測前輪側横方向傾き算出部51及び実測前輪
側前後方向傾き算出部61と同一の機能を有する実測横
方向傾き算出部及び実測前後方向傾き算出部を併設し、
各ユニットの路面データごとに、当該路面データに基づ
く路面に対する横方向と前後方向の傾きを算出する。
【0167】さらに、上記算出された各ユニットごとの
横方向と前後方向の傾きを、後輪側の路面データに基づ
く横方向及び前後方向の傾きと比較する比較部を各ユニ
ットごとに対応して設ける。
【0168】このように処理装置を構成することによ
り、車体本体1004の各センサユニットの配設位置ご
とに、路面に対する傾きが算出され、後輪側の傾きとの
差異から、各ユニットの配設位置ごとの後輪支持体10
06に対する相対的なねじれ変形又は前後方向への伸縮
変形の判定及び変形量を算出することができる。
【0169】また、車体本体1004のいずれの位置に
おいて、各変形が生じているかをより狭い範囲に特定す
ることが可能である。なお、各センサのユニットは、よ
り増設しても良い。
【0170】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、前輪支持体側
の三基の前輪側距離センサの出力により、二輪車の走行
時非走行時を問わず前輪支持体に対する路面の傾きを得
ることができ、後輪支持体側の三基の後輪側距離センサ
の出力により、二輪車の走行時非走行時を問わず後輪支
持体に対する路面の傾きを得ることができ、それ以外の
各センサの出力により、二輪車の走行時非走行時を問わ
ず前輪支持体から後輪支持体にかけて車体の姿勢変化を
得ることができ、これらの相互間の関連から、二輪車の
走行時非走行時を問わず前輪から後輪にかけての変形を
検出するための情報を入手することが可能である。
【0171】また、本願発明は、従来の如く、二輪車を
固定し又は荷重を付加する設備は一切不要であるため、
より小型化された簡易な構成により上記情報を得ること
が可能となる。
【0172】請求項2記載の発明は、前輪側距離センサ
及び後輪側距離センサを四基以上有するため、上記構成
の効果に加えて、前輪支持体及び後輪支持体に対する路
面データを複数得ることができる。
【0173】請求項3記載の発明は、車体ねじれ判定部
により、走行時における実測値に基づく前輪支持体及び
後輪支持体に対する各路面の左右方向の傾きと、車体に
変形が生じていないと想定した状態での前輪から後輪に
かけての車体の姿勢変化とに基づいて、前後輪の相対的
な左右方向の傾きの差異を比較する構成のため、従来の
静的な車体の試験データに基づくシミュレーションと異
なり、より実際的な動的なデータに基づくより精度の高
い比較試験結果を得ることが可能である。
【0174】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明と同様の効果を有し、車体ねじれ判定部は、実測的
な前輪の左右方向の傾きと、実測的な後輪の左右方向の
傾き及び変形の生じていない車体の姿勢変化から求めた
前輪の左右方向の傾き変化を比較する構成を採っている
ため、従来の静的な車体データのみに基づくシミュレー
ション結果と異なり、二輪車の走行状態における車体の
ねじれ変形の発生をより有効に検出し、且つ、実測値に
基づくより精度の高い変形量を算出することが可能であ
る。
【0175】請求項5記載の発明では、請求項3又は4
記載の発明と同様の効果を有すると共に、車体伸縮判定
部により、走行時における実測値に基づく前輪支持体及
び後輪支持体に対する各路面の前後方向の傾きと、車体
に変形が生じていないと想定した状態での前輪から後輪
にかけての車体の姿勢変化とに基づいて、前後輪の相対
的な前後方向の傾きの差異を比較する構成のため、従来
の静的な車体の試験データに基づくシミュレーションと
異なり、より実際的な動的なデータに基づくより精度の
高い比較試験結果を得ることが可能である。
【0176】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
発明と同様の効果を有し、車体伸縮判定部は、実測的な
前輪の前後方向の傾きと、実測的な後輪の前後方向の傾
き及び変形の生じていない車体の姿勢変化から求めた前
輪の前後方向の傾き変化を比較する構成を採っているた
め、従来の静的な車体データのみに基づくシミュレーシ
ョン結果と異なり、二輪車の走行状態における車体の前
後方向の変形の発生をより有効に検出し、且つ、実測値
に基づくより精度の高い変形量を算出することが可能で
ある。
【0177】請求項7記載の発明では、請求項3,4,
5又は6記載の発明と同様の効果を有し、実測前輪側路
面距離算出部により、走行時における実測値に基づく前
輪支持体からの路面距離と、車体データにより非走行時
における前輪支持体からの路面距離の差を算出する構成
のため、従来の静的な車体の試験データに基づくシミュ
レーションと異なり、より実際的な動的なデータに基づ
くより精度の高い前輪撓み量を検出することが可能であ
る。
【0178】請求項8記載の発明では、請求項3,4,
5,6又は7記載の発明と同様の効果を有し、実測後輪
側路面距離算出部により、走行時における実測値に基づ
く後輪支持体からの路面距離と、車体データにより非走
行時における後輪支持体からの路面距離の差を算出する
構成のため、従来の静的な車体の試験データに基づくシ
ミュレーションと異なり、より実際的な動的なデータに
基づくより精度の高い後輪撓み量を検出することが可能
である。
【0179】請求項9記載の発明では、請求項3,4,
5,6,7又は8記載の発明と同様の効果を有し、さら
に、複数の前輪側の路面データを算出すると共に、これ
に基づいて一の路面データを算出する構成のため、前輪
側の路面データの算出が、三基の前輪側距離センサの出
力に基づいて行う場合と比較して、例えば、外乱やノイ
ズ、路面の凹凸等による影響を低減し、より正確に前輪
側の路面データの算出を行うことが可能となる。従っ
て、前輪支持体及び後輪支持体の路面に対する左右方向
或いは前後方向の傾きの算出をより高い精度で行うこと
が可能となり、これに伴い、より高い精度で、上述した
車体のねじれ、伸縮変形の判定及びねじれ量、伸縮変形
量の算出、さらには前輪の撓み量の算出が可能となる。
【0180】請求項10記載の発明では、請求項3,
4,5,6,7,8又は9記載の発明と同様の効果を有
し、さらに、複数の後輪側の路面データを算出すると共
に、これに基づいて一の路面データを算出する構成のた
め、請求項9記載の発明と同様にして、より正確に後輪
側の路面データの算出を行うことが可能となる。従っ
て、前輪支持体及び後輪支持体の路面に対する左右方向
或いは前後方向の傾きの算出をより高い精度で行うこと
が可能となり、これに伴い、より高い精度で上述した車
体のねじれ、伸縮変形の判定及びねじれ量、伸縮変形量
の算出、さらには後輪の撓み量の算出が可能となる。
【0181】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた車体姿勢データ収
集装置及び処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、車体姿勢データ収集装置が装備された
二輪車を模式的に表した説明図であり、図1(A)は正
面図、図1(B)は側面図を示す。
【図2】図2は、同二輪車を模式的に示した斜視図を示
している。
【図3】図3は、後述する4基の前輪側距離センサ又は
4基の後輪側距離センサ(カッコで示す)の構成及び配
置を示す説明図である。
【図4】図4は、車体姿勢データ収集装置のブロック図
を示す。
【図5】図5は、処理装置のシステム構成を示す説明図
である。
【図6】図6は、処理装置のブロック構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】図7は、距離センサによる路面算出の手法を説
明する直交座標系を示した説明図である。
【図8】図8は、車体データと他のセンサ出力により前
後輪の回転軸位置を算出するための手法を説明する二輪
車を模式的に表した説明図である。
【図9】図9は、前輪キャンバ角を算出するための手法
を説明する説明図であり、図9(A)は傾斜していない
状態の二輪車を上方からみた模式図であり、図9(B)
は傾斜した状態の二輪車を上方からみた模式図である。
【図10】図10(A)は、実測的な路面距離を算出す
るための手法を説明する説明図であり、図10(B)
は、理論的な路面距離を算出するための手法を説明する
説明図である。
【図11】本発明の実施形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図12】図11の続きの動作を示すフローチャートで
ある。
【図13】図12の続きの動作を示すフローチャートで
ある。
【図14】図14は、処理装置に横方向荷重算出部及び
前後方向荷重算出部を加えたブロック構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】図15は、車体姿勢データ収集処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図16】図16は、距離センサのユニットを増設した
車体姿勢データ収集装置が装備された二輪車を模式的に
表した説明図である。
【符号の説明】
3 前輪側路面算出部 31 パターン記憶手段 32 複数算出機能 33 特定機能 4 後輪側路面算出部 41 パターン記憶手段 42 複数算出機能 43 特定機能 5 車体ねじれ判定部 51 実測前輪側横方向傾き算出部 52 予測前輪側横方向傾き算出部 53 横方向傾き比較部 6 車体伸縮判定部 61 実測前輪側前後方向傾き算出部 62 予測前輪側前後方向傾き算出部 63 前後方向傾き比較部 71 実測前輪側路面距離算出部 72 予測前輪側路面距離算出部 73 前輪撓み量算出部 81 実測後輪側路面距離算出部 82 予測後輪側路面距離算出部 83 後輪撓み量算出部 10 処理装置 11 車体データ記憶部 100 車体姿勢データ収集装置 111,112,113,114 前輪側距離センサ 121,122,123,124 後輪側距離センサ 131 ポテンショメータ(前輪位置検出センサ) 132 ポテンショメータ(後輪位置検出センサ) 133 エンコーダ(回転量センサ) 140 メモリ 1000 二輪車 1001 前輪 1002 後輪 1003 車体 1004 車体本体 1005 フロントホーク(前輪支持体) 1006 後輪支持体 1007 操作ハンドル 1008 フロントサスペンション 1009 リアサスペンション

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搭乗者が搭乗する車体本体と、前輪をフ
    ロントサスペンションを介して支持する前輪支持体と、
    後輪をリアサスペンションを介して支持する後輪支持体
    と、前記前輪支持体を前記車体本体に対して回転して操
    作する操作ハンドルと,を含む構成からなる車体を有す
    る二輪車の姿勢を計測する車体姿勢データ収集装置であ
    って、 前記前輪支持体に装備され、各装備位置から路面までの
    距離を検出する三基の前輪側距離センサと、 前記後輪支持体に装備され、各装備位置から路面までの
    距離を検出する三基の後輪側距離センサと、 前記フロントサスペンションの伸縮による前記車体に対
    する前記前輪の相対的な位置変化を検出する前輪位置変
    化検出センサと、 前記リアサスペンションの伸縮による前記車体に対する
    前記後輪の相対的な位置変化を検出する後輪位置変化検
    出センサと、 前記前輪支持体の前記車体本体に対する回転量を検出す
    る回転量センサと、 前記各センサの出力データを記憶するメモリとを備える
    ことを特徴とする車体姿勢データ収集装置。
  2. 【請求項2】 搭乗者が搭乗する車体本体と、前輪をフ
    ロントサスペンションを介して支持する前輪支持体と、
    後輪をリアサスペンションを介して支持する後輪支持体
    と、前記前輪支持体を前記車体本体に対して回転して操
    作する操作ハンドルと,を含む構成からなる車体を有す
    る二輪車の姿勢を計測する車体姿勢データ収集装置であ
    って、 前記前輪支持体に装備され、各装備位置から路面までの
    距離を検出する少なくとも四基以上の前輪側距離センサ
    と、 前記後輪支持体に装備され、各装備位置から路面までの
    距離を検出する少なくとも四基以上の後輪側距離センサ
    と、 前記フロントサスペンションの伸縮による前記車体に対
    する前記前輪の相対的な位置変化を検出する前輪位置変
    化検出センサと、 前記リアサスペンションの伸縮による前記車体に対する
    前記後輪の相対的な位置変化を検出する後輪位置変化検
    出センサと、 前記前輪支持体の前記車体本体に対する回転量を検出す
    る回転量センサと、 前記各センサの出力データを記憶するメモリとを備える
    ことを特徴とする車体姿勢データ収集装置。
  3. 【請求項3】 二輪車の前輪支持体から路面までの距離
    を検出する少なくとも三基以上の前輪側距離センサと、
    前記二輪車の後輪支持体から路面までの距離を検出する
    少なくとも三基以上の後輪側距離センサと、前記二輪車
    のフロントサスペンションの伸縮による当該二輪車の車
    体に対する前輪の相対的な位置変化を検出する前輪位置
    変化検出センサと、前記二輪車のリアサスペンションの
    伸縮による前記車体に対する後輪の相対的な位置変化を
    検出する後輪位置変化検出センサと、前記二輪車のハン
    ドル操作による前記前輪支持体の前記車体本体に対する
    回転量を検出する回転量センサと、を有する車体姿勢デ
    ータ収集装置で得られた前記各センサの出力データに基
    づいて前記二輪車の走行時に生じる前記車体の剛性の評
    価を行う処理装置であって、 非走行時の前記二輪車の車体データを記憶する車体デー
    タ記憶部と、 前記各前輪距離センサの出力データから前記前輪の接す
    る路面に相当する前輪側の路面データを算出する前輪側
    路面算出部と、 前記各後輪距離センサの出力データから前記後輪の接す
    る路面に相当する後輪側の路面データを算出する後輪側
    路面算出部と、 前記車体データと、前記前輪位置変化検出センサ,後輪
    位置変化検出センサ及び回転量センサの出力データと、
    前記前輪側及び後輪側の各路面データとから走行時の前
    記二輪車の車体に生じるねじれ剛性による変形状態を判
    定する車体ねじれ判定部とを備えることを特徴とする処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記車体ねじれ判定部は、 前記前輪側路面算出部で算出された路面データから前記
    二輪車の左右方向についての前記前輪の路面に対する傾
    き量を算出する実測前輪側横方向傾き算出部と、 前記車体データ記憶部に記憶された車体データと、前記
    前輪位置変化検出センサ,後輪位置変化検出センサ及び
    回転量センサの出力データと、前記後輪側路面算出部で
    算出された路面データとから前記二輪車の左右方向につ
    いての前記前輪の路面に対する傾き量を算出する予測前
    輪側横方向傾き算出部と、 前記実測前輪側横方向傾き算出部及び予測前輪横方向傾
    き算出部の各算出結果とから、走行時の前記二輪車の車
    体に生じるねじれ剛性による変形状態を判定する横方向
    傾き比較部とを備えることを特徴とする請求項3記載の
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記車体データと、前記前輪位置変化検
    出センサ,後輪位置変化検出センサ及び回転量センサの
    出力データと、前記前輪側及び後輪側の各路面データと
    から走行時の前記二輪車の車体に生じる前後方向の変形
    状態を判定する車体伸縮判定部とを備えることを特徴と
    する請求項3又は4記載の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記車体伸縮判定部は、 前記前輪側路面算出部で算出された路面データに基づく
    前記二輪車の前後方向についての前記前輪支持体の路面
    に対する傾き量を算出する実測前輪側前後方向傾き算出
    部と、 前記車体データ記憶部に記憶された車体データと、前記
    前輪位置変化検出センサ,後輪位置変化検出センサ及び
    回転量センサの出力データと、前記後輪側路面算出部で
    算出された路面データとから前記二輪車の前後方向につ
    いての前記前輪支持体の路面に対する傾き量を算出する
    予測前輪側前後方向傾き算出部と、 前記実測前輪側前後方向傾き算出部及び予測前輪前後方
    向傾き算出部の各算出結果とから、走行時の前記二輪車
    の車体に生じる前後方向の変形状態を判定する前後方向
    傾き比較部とを備えることを特徴とする請求項5記載の
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記前輪側路面算出部で算出された路面
    データから前記前輪支持体の所定の一点から路面までの
    距離を算出する実測前輪側路面距離算出部と、 前記車体データ記憶部の車体データに基づいて前記前輪
    支持体の所定の一点から路面までの距離を算出する予測
    前輪側路面距離算出部と、 前記実測前輪側路面距離算出部及び予測前輪側路面距離
    算出部の各算出結果から、走行時の前記前輪のタイヤの
    撓み量を算出する前輪撓み算出部とを備えることを特徴
    とする請求項3,4,5又は6記載の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記後輪側路面算出部で算出された路面
    データから前記後輪支持体の所定の一点から路面までの
    距離を算出する実測後輪側路面距離算出部と、 前記車体データ記憶部の車体データに基づいて前記後輪
    支持体の所定の一点から路面までの距離を算出する予測
    後輪側路面距離算出部と、 前記実測後輪側路面距離算出部及び予測後輪側路面距離
    算出部の各算出結果から、走行時の前記後輪のタイヤの
    撓み量を算出する後輪撓み算出部とを備えることを特徴
    とする請求項3,4,5,6又は7記載の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記前輪側路面算出部は、四基以上の前
    記前輪距離センサからの出力データに対して,当該各前
    輪側距離センサの中から三基を組み合わせる複数の組み
    合わせパターンを記憶するパターン記憶手段が併設され
    ると共に、 このパターン記憶部の組み合わせパターンに従って当該
    組み合わせごとに前記路面データを算出する複数算出機
    能と、 複数の前記路面データに基づいて一つの路面データを算
    出する特定機能とを有することを特徴とする請求項3,
    4,5,6,7又は8記載の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記後輪側路面算出部は、四基以上の
    前記後輪距離センサからの出力データに対して,当該各
    後輪側距離センサの中から三基を組み合わせる複数の組
    み合わせパターンを記憶するパターン記憶手段が併設さ
    れると共に、 このパターン記憶部の組み合わせパターンに従って当該
    組み合わせごとに前記路面データを算出する複数算出機
    能と、 複数の前記路面データに基づいて一つの路面データを算
    出する特定機能とを有することを特徴とする請求項3,
    4,5,6,7,8又は9記載の処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089383A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Honda Motor Co Ltd 車両用複合センサ
CN102658820A (zh) * 2010-12-10 2012-09-12 罗伯特·博世有限公司 用于对车辆的运行数据进行可信度分析的方法
CN114964073A (zh) * 2022-07-18 2022-08-30 北京阿帕科蓝科技有限公司 基于两轮车的车轮同面度测试方法、系统及存储介质

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CN114964073B (zh) * 2022-07-18 2022-11-11 北京阿帕科蓝科技有限公司 基于两轮车的车轮同面度测试方法、系统及存储介质

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