JP2001074113A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2001074113A
JP2001074113A JP24987099A JP24987099A JP2001074113A JP 2001074113 A JP2001074113 A JP 2001074113A JP 24987099 A JP24987099 A JP 24987099A JP 24987099 A JP24987099 A JP 24987099A JP 2001074113 A JP2001074113 A JP 2001074113A
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Japan
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continuously variable
variable transmission
shaft
rotation
belt
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JP24987099A
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Toshio Imanaka
敏夫 今中
Junichi Hitachi
純一 常陸
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式無段変速機構を備えた無段変速装置
において、中立状態から、前進最大速度及び後進最大速
度まで、広い変速範囲で無段変速が行なえ、かつ、変速
ショックが生じないようにすることである。 【解決手段】 第1、第2のベルト式無段変速機構2
1,22と、差動ギヤ機構10を備えている。各ベルト
式無段変速機構21,22の駆動側プーリ24,31を
直接あるいは間接に入力軸1に連結し、差動ギヤ機構1
0のサンギヤ12に第1のベルト式無段変速機構21の
従動側プーリ25を連結し、キャリヤ15に第2のベル
ト式無段変速機構22の従動側プーリ32を連結し、イ
ンターナルギヤ16に出力軸2を連結している。各ベル
ト式無段変速機構21,22で変速することにより、正
転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転
運転において中立から最大回転速度まで無段変速する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ベルト式無段変
速機構を備えた無段変速装置、特に、農業用あるいは建
設用の車輌等に適した無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種無段変速装置は、1組の差動
ギヤ機構(遊星ギヤ機構)と、前後進切換クラッチを備
え、上記1組の差動ギヤ機構で無段変速を行ない、前後
進切換クラッチにより、前進、後進及び中立の切換を行
い、中立運転時に前後進切換クラッチを切断する構造が
基本となっている。また、中立状態(速度0)から無段
変速で増速できるように、滑りクラッチを利用したり、
コストの高い流体継手を利用する場合が多い。なお先行
技術文献としては、特開昭63−135642号公報等
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1組の差動ギヤ機構に
より無段変速を行ない、前後進切換クラッチで前後及び
中立の切換を行なう構成では、変速範囲が狭く、中立か
ら前、後進の最大速度までの広い範囲で、変速ショック
のないスムーズな無段変速を行なうことはできない。ま
た、低速時において高出力トルクを得るためには、たと
えば流体継手等を設けなければならず、コストが高くな
る。
【0004】
【発明の目的】本願発明の目的は、中立状態から、前進
最大速度及び後進最大速度まで、広い変速範囲で無段変
速が行なえ、かつ、変速ショックが生じない無段変速装
置を提供することである。また、発進時あるいは低速時
において、流体継手を用いることなく、高出力トルクを
発生させることができるようにすることも目的の1つで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
は、第1、第2のベルト式無段変速機構21,22と、
差動ギヤ機構10を備え、各ベルト式無段変速機構2
1,22の駆動側プーリ24,31を直接あるいは間接
に入力軸1に連結し、差動ギヤ機構10のサンギヤ1
2、キャリヤ15又はインターナルギヤ16のうち、1
つに第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ2
5を連結し、別の1つに第2のベルト式無段変速機構2
2の従動側プーリ32を連結し、残りの1つに出力軸2
の出力ギヤ37を連結し、各ベルト式無段変速機構2
1,22により差動ギヤ機構10に入力する回転速度を
変更することにより、正転、逆転及び中立の切換を行な
うと共に、正転及び逆転運転において中立から最大回転
速度まで無段変速するようにしていることを特徴とする
無段変速装置である。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1の無段変
速装置において、第1のベルト式無段変速機構21の従
動側プーリ25をサンギヤ12に連結し、第2のベルト
式無段変速機構22の従動側プーリ32をキャリヤ15
に連結したことを特徴とする無段変速装置である。
【0007】請求項3記載の発明は、変速用の差動ギヤ
機構110と、正逆回転切換用の逆転機構109と、ベ
ルト式無段変速機構121とを備え、差動ギヤ機構11
0のサンギヤ112、キャリヤ115又はインターナル
ギヤ116のうち、1つに中間の回転軸104及び上記
逆転機構109を介して正逆回転切換自在に入力軸10
1を連結し、別の1つにベルト式無段変速機構121の
従動側プーリ125を連結し、残りの1つに出力軸10
2の出力ギヤ137を連結し、ベルト式無段変速機構1
21の駆動側プーリ124は上記中間の回転軸104に
連結し、ベルト式無段変速機構121から差動ギヤ機構
110に入力する回転速度を変更することにより、出力
軸102への回転速度を無段変速するようにしているこ
とを特徴とする無段変速装置である。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の無
段変速装置において、ベルト式無段変速機構121の従
動側プーリ125から差動ギヤ機構110への入力回転
部に、該回転部の回転を固定するロック用嵌脱クラッチ
141を設けていることを特徴とする無段変速装置であ
る。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項4記載の無
段変速装置において、中間の回転軸104とベルト式無
段変速機構121の駆動側プーリ124との間の動力伝
達経路に嵌脱クラッチ130を介在させていることを特
徴とする無段変速装置である。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項3〜5記載
の無段変速装置において、逆転機構109として遊星ギ
ヤ機構を備え、入力軸101を逆転機構109のサンギ
ヤ132に、中間の回転軸104を逆転機構109のキ
ャリヤ135に連結し、キャリヤ135及びインターナ
ルギヤ136にそれぞれブレーキ138,139を備え
ていることを特徴とする無段変速装置である。
【0011】請求項7記載の発明は、差動ギヤ機構21
0と、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221と、
後進(逆転)用無段変速機構222とを備え、差動ギヤ
機構210のサンギヤ212、キャリヤ215又はイン
ターナルギヤ216のうち、1つに入力軸201を連結
し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの1つに出
力軸202の出力ギヤ237を連結し、入力軸201に
は、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を介して前進軸
204を断続自在に連結すると共に、後進(逆転)用嵌
脱クラッチ231を介して後進軸205を断続自在に連
結し、前進軸204と変速軸206とを前進(正転)用
ベルト式無段変速機構221により変速自在に連結し、
後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)用ベル
ト式無段変速機構222により変速自在に連結している
ことを特徴とする無段変速装置である。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項7記載の無
段変速装置において、変速軸206をサンギヤ212に
連結し、該サンギヤ212の回転を固定可能な最高速用
嵌脱クラッチ219を設けていることを特徴とする無段
変速装置である。
【0013】
【発明の実施の形態1】図1〜図4は本願請求項1及び
2記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝達
経路のスケルトン図を示す図1において、変速ケース内
に入力軸1と出力軸2を互いに平行に備えると共に、両
軸1,2間の伝達経路内に、中間の第1,第2,第3,
第4の回転軸4,5,6,7を入、出力軸1,2と平行
に配置し、入力軸1はエンジン等動力源に連結し、出力
軸2は車輌用駆動輪等に連結している。
【0014】第1の回転軸4と第3の回転軸6とを同一
軸芯上に配置し、両軸4,6間に差動ギヤ機構(遊星ギ
ヤ機構)10を介装し、入力軸1と第1の回転軸4との
間に第1のベルト式無段変速機構21を介装し、第2の
回転軸5と第3の回転軸6の間に第2のベルト式無段変
速機構22を介装している。
【0015】第1のベルト式無段変速機構21は、入力
軸1に設けた駆動側プーリ24と、第1の回転軸4に設
けた従動側プーリ25と、両プーリ24,25間に巻き
掛けたV型の変速ベルト26により構成し、第2のベル
ト式無段変速機構22は、第2の回転軸5に設けた駆動
側プーリ31と、第3の回転軸6に設けた従動側プーリ
32と、両プーリ31,32間に巻き掛けたV型の変速
ベルト33により構成してある。
【0016】差動ギヤ機構10は、サンギヤ12と、2
段式の遊星ギヤ13,14を有するキャリヤ15と、イ
ンターナルギヤ16を備えており、サンギヤ12は第1
の回転軸4に連結し、キャリヤ15は第2のベルト式無
段変速機構22の従動側プーリ32に連結し、インター
ナルギヤ16には外周側に出力用リングギヤ17が一体
に形成してある。
【0017】入力軸1と第2の回転軸5とは1対の反転
用ギア28,29を介して連結しており、これにより、
第2の回転軸5及び第3の回転軸6は、入力軸1と反対
方向に回転するようになっている。
【0018】第4の回転軸7には前記リングギヤ17に
噛合う大径ギヤ35と、終減速用の小径ヤ36が固着さ
れ、該小径ギヤ36は出力軸2の終減速用大ギヤ37に
噛み合っている。
【0019】図2は図1のII-II断面に略相当する図で
あり、軸配列を明確に示している。第1,第3の回転軸
4,6の上方に入力軸1を配置すると共に下方に出力軸
2を配置し、入力軸1の側下方に第2の回転軸5を配置
し、第1,第3の回転軸4,6と出力軸2間の側方に第
4の回転軸7を配置している。差動ギヤ機構10の遊星
ギヤ13,14は、互いに噛み合うと共に、一方の遊星
ギア13はインターナルギヤ16に噛み合い、他方の遊
星ギヤ14はサンギヤ12に噛み合っている。
【0020】図3は図2のIII-III断面図であり、出力
軸2は左右1対備えており、両出力軸2はべベルギヤを
用いた差動機構47を介して減速大ギヤ37に連結し、
左右の出力軸2が差動可能となっている。
【0021】第1のベルト式無段変速機構21の駆動側
プーリ24は、入力軸1に一体に形成された固定シーブ
40と、同軸1に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ
41からなり、可動シーブ41を移動するための作動油
室42は入力軸1内の油路43及び変速ケース8の油入
口44等を介して油圧コントローラ45に接続し、油圧
コントローラ45は、切換弁等を有すると共に図示しな
い油圧経路を介して、入力軸1上の作動油ポンプ46及
び油溜等に接続している。従動側プーリ25は、第1の
回転軸4に一体に形成された固定シーブ48と、同軸4
に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ49からなり、
可動シーブ49は背面に作動油室51を備えると共にば
ね50により固定シーブ48側へと付勢してある。差動
油室51は第1の回転軸4内の油路52及び変速ケース
8の油入口53等を介して油圧コントローラ45に接続
している。従動側の固定シーブ48と可動シーブ49
は、前記駆動側プーリ24とは、固定側と可動側が軸方
向の逆位置に配置してある。かかるベルト式無段変速機
構21では、駆動側及び従動側の各作動油室42,51
内の油圧をコントロールすることにより、各可動シーブ
41、49を軸方向に移動し、各プーリ24、25の有
効巻掛半径を変更し、それにより無段変速する。
【0022】第2のベルト式無段変速機構22の構成も
第1の無段変速機構21と同様である。すなわち、第3
の回転軸6上の従動側プーリ32は、同軸6に一体形成
された固定シーブ55、軸方向移動可能な可動シーブ5
6、作動油室57及びばね60を備え、作動油室57は
第3の回転軸6内の油路58及び変速ケース8の油入口
59等を介して油圧コントローラ45に接続している。
上記固定シーブ55は、差動ギヤ機構10のキャリヤ1
5と一体に形成されている。図4において、第2の回転
軸5上の駆動側プーリ31は、同軸5と一体成形された
固定シーブ63、軸方向移動可能な可動シーブ64及び
作動油室65を備え、作動油室65は第2の回転軸5内
の油路66及び変速ケース8の油入口67等を介して油
圧コントローラ45に接続している。固定シーブ63に
は前記反転用のギヤ28が一体に形成されている。
【0023】作動を説明する。 (1)図1において、エンジン等の動力源から入力軸1
に入力された動力は、第1のベルト式無段変速機構21
と、反転用ギヤ28,29を介して第2のベルト式無段
変速機構22とに分割される。
【0024】(2)第1のベルト式無段変速機構21に
より変速された動力は、差動ギヤ機構10のサンギヤ1
2に伝達され、一方第2のベルト式無段変速機構22に
より変速された動力は、キャリヤ15を介して遊星ギヤ
13,14に伝達される。
【0025】(3)差動ギヤ機構10では、上記両動力
が結合、変速されてインターナルギヤ16に伝達され、
リングギヤ17から、ギヤ35、終減速ギヤ36,27
及び差動機構47(図3)を介して左右の出力軸2へと
伝達され、出力される。
【0026】(4)前記差動ギヤ機構10において、キ
ャリヤ15の回転方向は、前記反転用ギヤ28,29に
よりサンギヤ12とは反対方向となっており、油圧コン
トローラ45により各ベルト式無段変速機構21,22
の変速比を調節することにより、サンギヤ12とキャリ
ヤ15の回転速度をそれぞれ調節する。これにより、出
力軸2の回転を、矢印Fで示す前進(正転)、中立及び
矢印Rで示す後進(逆転)に任意に切り換えると共に、
走行速度0(中立)から、前進全速及び後進全速の全体
速度範囲において、切換ショックが生じることなく、ス
ムーズに無段変速することができる。
【0027】
【発明の実施の形態2】図5〜図8は本願請求項3〜6
記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝達経
路のスケルトン図を示す図5において、入力軸101と
出力軸102を平行に配置し、両軸101,102の動
力伝達経路中に、中間の第1,第2,第3の回転軸10
4,105,106を入,出力軸101,102と平行
に配置し、入力軸101はエンジン等動力源に連結し、
出力軸102は車輌用駆動輪等に連結している。
【0028】入力軸101と、中間の第1の回転軸10
4と、第3の回転軸106とを同一軸芯上に並べて配置
し、入力軸101と第1の回転軸104の間に、正転、
逆転及び中立に切換自在な逆転機構109を介装し、第
1の回転軸104と第3の回転軸106との間には、差
動ギヤ機構(遊星ギヤ機構)110を介装し、第2の回
転軸105と第3の回転軸106の間にはベルト式無段
変速機構121が介装してある。
【0029】前記逆転機構109は、ブレーキ138,
139を備えた遊星ギヤ機構を用いており、入力軸10
1に一体に設けたサンギヤ132と、第1の回転軸10
4に一体に設けたキャリヤ135と、インターナルギヤ
136とを備えており、キャリヤ135は2段式の遊星
ギヤ133,134(図6)を備えている。一方の第1
のブレーキ138は、キャリヤ135とインターナルギ
ヤ136との間をロックし、第2のブレーキ139はイ
ンターナルギヤ136を変速ケース108等の静止壁に
ロックする機能を有している。
【0030】すなわち、第1のブレーキ138をオンに
し、第2のブレーキ139をオフにすることにより、第
1の回転軸104を入力軸101と同方向に回転(正
転)させ、第1のブレーキ138をオフにし、第2のブ
レーキ139をオンにすることにより、第1の回転軸1
04を入力軸101と反対方向に回転(逆転)させる。
また、両ブレーキ138,139を共にオフにすること
により、中立とするようになっている。
【0031】差動ギヤ機構110のサンギヤ112は第
3の回転軸106と一体に形成し、キャリヤ115は第
1の回転軸104と一体に形成してあり、インターナル
ギヤ116の外周側には出力用のリングギヤ117を一
体に形成してある。キャリヤ115は図7に示すように
2段式の遊星ギヤ113,114を有している。
【0032】図5に戻り、第1の回転軸104と第2の
回転軸105は、1対の反転用ギヤ128,129及び
嵌脱クラッチ130を介して、断続自在に連結してい
る。
【0033】ベルト式無段変速機構121は、第2の回
転軸105に設けた駆動側プーリ124と、第3の回転
軸106に設けた従動側プーリ125と、両プーリ12
4,125間に巻き掛けたV型のベルト126から構成
してある。
【0034】第3の回転軸106の端部には、サンギヤ
固定用の多板式嵌脱クラッチ141を設けている。出力
軸102には前記リングギヤ117に噛み合う終減速用
の大ギヤ137を固着している。
【0035】図8は図5のスケルトン図と同じ切断面に
よる縦断面図である。逆転機構109の第1,第2のブ
レーキ138,139は、インターナルギヤ136に形
成した共通のブレーキディスク144を有しており、該
ブレーキディスク144に対し、第1,第2の各ブレー
キ用ピストン145,146が軸方向移動可能に配置し
てある。第1のブレーキ用ピストン145の背面に形成
された作動油室148は、第1の回転軸104内の油路
149及び変速ケース108の油入口165等を介して
油圧コントローラ151に接続し、油圧コントローラ1
51は、切換弁等を有すると共に図示しない油圧経路を
介して、入力軸1上の作動油ポンプ153及び油溜等に
接続している。第2のブレーキ用ピストン146の背面
に形成された作動油室155は、変速ケース108の油
入口156等を介して、油圧コントローラ151に接続
している。すなわち、各作動油室148,155に作動
油を圧入することにより、それぞれ対向壁との間でブレ
ーキディスク144を挟持するようになっている。
【0036】第1,第2の回転軸104,105の間に
配置する嵌脱クラッチ130は、多数の回転摩擦板を有
する摩擦クラッチであり、変速ケース108に回転自在
に支持されたクラッチケース159内に軸方向移動可能
に押圧ピストン160を備え、押圧ピストン160の背
面に形成された作動油室162は、クラッチケース15
9内の油路164及び変速ケース108の油入口165
を介して油圧コントローラ151に連通している。すな
わち、作動油室162に作動油を圧入することにより、
クラッチケース159側にスプライン嵌合する摩擦板と
第2の回転軸105にスプライン嵌合する摩擦板とを、
ピストン160とクラッチケース159の端壁との間で
挟圧し、クラッチを接続するようになっている。
【0037】ベルト式無段変速機構121は、前記図1
及び図3で説明したベルト式無段変速機構21と同様の
構造であり、図8に示す駆動側プーリ124は、第2の
回転軸105に一体に形成された固定シーブ166と、
同軸105に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ16
7からなり、可動シーブ167の背面に形成された作動
油室168は第2の回転軸105内の油路169及び変
速ケース108の油入口170等を介して油圧コントロ
ーラ151に接続している。従動側プーリ125は、第
3の回転軸106に一体に形成された固定シーブ172
と、同軸106に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ
173からなり、可動シーブ173の背面に形成された
作動油室174は、第3の回転軸106の軸芯孔内に軸
方向摺動自在に嵌合したスリーブ178の油路179に
連通し、該油路179は変速ケース108内の油入口1
80を介して油圧コントローラ151に接続している。
【0038】作動油室174とスリーブ178の油路1
79とは、スリーブ178を軸方向に移動することによ
り、可動口金177を介して開閉するように構成してあ
る。すなわち、可動口金177はパイプ181を介して
スリーブ178に固定され、第3の回転軸106に形成
された軸方向の摺動用溝内に軸方向移動可能に嵌合する
と共に可動シーブ173のボス部の内周面に摺接してお
り、油路179を閉じた状態(図8の状態)からスリー
ブ178矢印E方向に移動することにより、油路179
と作動油室174とを連通するように構成してある。ス
リーブ178の端部は変速ケース108内に軸方向移動
可能に嵌合するラック184に連結しており、該ラック
184の歯部185にはギア軸186が噛み合い、該ギ
ヤ軸186は変速ケース108に回転自在に支持される
と共に変速ケース108外に延び出し、変速レバー18
7を固定してある。すなわち、変速レバー187を実線
で示す中立位置から仮想線で示す作動位置へ回動するこ
とにより、スリーブ178を矢印E方向に移動し、作動
油室174を開くように構成してある。
【0039】サンギヤ固定用の嵌脱クラッチ141は、
複数の回転摩擦板等を有する摩擦クラッチであり、変速
ケース108に軸方向移動自在にスプライン嵌合した制
止摩擦板と、第3の回転軸106に一体的に固定された
ハブ190に軸方向移動自在にスプライン嵌合した回転
摩擦板と、変速ケース108に形成された環状凹部に軸
方向移動可能に嵌合する押圧ピストン191を備えてお
り、該ピストン191の背面に形成された作動油室19
2は、変速ケース108内の油路193等を介して油圧
コントローラ151に連通している。
【0040】作動を説明する。図5において、エンジン
等の動力源から入力軸101に入る動力は、第1、第2
のブレーキ138,139をオン、オフ操作することに
より、正転、逆転を切り換えて第1の回転軸104に伝
達され、あるいは中立により動力が遮断される。
【0041】[通常の正転運転] (1)第1ブレーキ138をオンとし、第2ブレーキ1
39をオフとし、嵌脱クラッチ130を接続状態、サン
ギヤ固定用嵌脱クラッチ141を切断状態(非固定状
態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と同じ
方向に回転(正転)し、その動力は、遊星ギヤ機構11
0のキャリヤ115に伝達されると共に、反転用ギヤ1
28、129及び嵌脱クラッチ130を介して第2の回
転軸105に伝達され、さらにベルト式無段変速機構1
21により変速され、第3の回転軸106を介して遊星
ギヤ機構110のサンギヤ112にも伝達される。
【0042】(2)遊星ギヤ機構110内においては、
キャリヤ115とサンギヤ112からそれぞれ入力され
た動力が結合し、インターナルギヤ116から外周のリ
ングギヤ117を介して出力ギヤ137に伝達される。
キャリヤ115は正転でかつ固定回転数の回転であり、
一方サンギヤ112は、反転用ギヤ128,129によ
りキャリヤ115とは反対方向に回転すると共に、ベル
ト式無段変速機構121により任意の回転数に無段変速
されており、これにより、出力軸102は、矢印Fで示
す前進方向(正転方向)に回転し、かつ、速度0から前
進最大回転速度まで、無段変速される。
【0043】[最高速の正転運転] (1)第1ブレーキ138をオンとし、第2ブレーキ1
39をオフとし、嵌脱クラッチ130を非接続状態、サ
ンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を接続状態(固定状
態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と同一
方向に回転(正転)し、その動力は、遊星ギヤ機構11
0のキャリヤ115に伝達される。一方、嵌脱クラッチ
130が非接続状態であり、かつ、サンギヤ固定用嵌脱
クラッチ141が固定状態であることにより、サンギヤ
112は固定され、回転していない。また、ベルト式無
段変速機構121は遊んだ状態となっている。したがっ
て、差動ギヤ機構110内においては、回転ロック状態
のサンギヤ112に対し、キャリヤ115が正転方向に
回転し、その回転は遊星ギヤ113,114により、増
速してインターナルギヤ116に伝達される。すなわ
ち、出力軸102の回転は前記通常の前進運転時の最大
回転よりも高速の最高速回転となる。この時、ベルト式
無段変速機構121は空転し、ベルト126にはテンシ
ョンがかかっていない状態となっている。また、嵌脱ク
ラッチ130は、第2の回転軸105側にスプライン嵌
合する回転摩擦板とギヤ129側のクラッチハウジング
にスプライン嵌合する摩擦板(スチールプレート)とが
同方向に回転するため、引き摺り損失が発生しない。
【0044】[通常の逆転運転] (1)第1ブレーキ138をオフとし、第2ブレーキ1
39をオンとし、嵌脱クラッチ130を接続状態、サン
ギヤ固定用嵌脱クラッチ141を非接続状態(非固定状
態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と逆方
向に回転(逆転)し、その動力は、遊星ギヤ機構110
のキャリヤ115に伝達されると共に、反転用ギヤ12
8、129及び嵌脱クラッチ130を介して第2の回転
軸105に伝達され、さらにベルト式無段変速機構12
1により変速され、第3の回転軸106を介して遊星ギ
ヤ機構110のサンギヤ112にも伝達される。
【0045】(2)遊星ギヤ機構110内においては、
キャリヤ115とサンギヤ112からそれぞれ入力され
た動力が結合し、インターナルギヤ116から外周のリ
ングギヤ117を介して出力ギヤ137に伝達される。
キャリヤ115は逆転でかつ固定回転であり、一方サン
ギヤ112は、反転用ギヤ128,129によりキャリ
ヤ115とは反対方向に回転すると共に、ベルト式無段
変速機構121により任意の回転数に無段変速されてお
り、これにより、出力軸102は、矢印Rで示す後進方
向(逆転方向)に回転し、速度0から後進最大回転速度
まで、無段変速される。
【0046】[最高速の逆転運転] (1)第1ブレーキ138をオフとし、第2ブレーキ1
39をオンとし、嵌脱クラッチ130を非接続状態、サ
ンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を接続状態(固定状
態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と反対
方向に回転(逆転)し、その動力は、遊星ギヤ機構11
0のキャリヤ115に伝達される。一方、嵌脱クラッチ
130が非接続状態であり、かつ、サンギヤ固定用嵌脱
クラッチ141が固定状態であることにより、サンギヤ
112は固定され、回転していない。また、ベルト式無
段変速機構126は遊んだ状態となっている。したがっ
て、差動ギヤ機構110内においては、回転ロック状態
のサンギヤ112に対し、キャリヤ115が逆転方向に
回転し、その回転は遊星ギヤ113,114により、増
速してインターナルギヤ116に伝達される。すなわ
ち、出力軸102の回転は前記通常の後進運転時の最大
回転よりも高速の最高速回転となる。
【0047】
【発明の実施の形態3】図9〜図13は本願請求項7及
び8記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝
達経路のスケルトン図を示す図9において、入力軸20
1と、出力軸202と、前進軸204と、後進軸205
と、変速軸206を互いに平行に配置し、入力軸201
は原動機に連結している。
【0048】入力軸201と変速軸206とを同一軸芯
上に配置すると共に両軸201,206間に差動ギヤ機
構(遊星ギヤ機構)210を介装している。差動ギヤ機
構210のサンギヤ212は変速軸206に結合し、遊
星ギヤ213,214を有するキャリヤ215は入力軸
201に結合し、インターナルギヤ216には外周側に
出力用のリングギヤ217を一体に設けている。
【0049】前進軸204は前進(正転)用嵌脱クラッ
チ230及び前進用ギヤ229を介して、入力軸201
の入力ギヤ228に断続自在に連結し、前進(正転)用
嵌脱クラッチ230を接続することにより前進軸204
は入力軸201と反対方向に回転するようになってい
る。
【0050】後進軸205は、後進(逆転)用嵌脱クラ
ッチ231、後進用ギヤ232、中間アイドル軸235
上の1対の増速用アイドルギヤ233,234及び前記
前進用ギヤ229を介して入力ギヤ228に断続自在に
連結し、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を接続する
ことにより、後進軸205は前進用ギヤ229よりも増
速された状態で、入力軸201と反対方向に回転するよ
うになっている。
【0051】前進軸204と変速軸206の間には前進
(正転)用ベルト式無段変速機構221を介装してお
り、該前進(正転)用ベルト式無段変速機構221は、
前進軸204に設けた駆動側プーリ224と、変速軸2
06に設けた従動側プーリ225と、両プーリ224,
225間に巻き掛けたV型のベルト226から構成して
ある。
【0052】後進軸205と変速軸206との間には後
進(逆転)用ベルト式無段変速機構222を介装してお
り、該後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222は、
後進軸205に設けた駆動側プーリ241と、変速軸軸
206に設けた従動側プーリ242と、両プーリ24
1,242間に巻き掛けたV型のベルト243から構成
してある。
【0053】変速軸206の端部には、サンギヤ212
をロックすることができる最高速用嵌脱クラッチ219
を設けている。
【0054】出力軸202には前記差動ギヤ機構210
のリングギヤ217に噛合う終減速用の減速大ギヤ23
7を固着している。
【0055】図10は図9を矢印X方向に見た略図であ
り、軸配列を明確に示している。入力軸201の上方に
中間アイドル軸235を配置し、該中間アイドル軸23
5の左右側下方に前,後進軸204,205を配置し、
入力軸201の下方に出力軸202を配置している。
【0056】図13は、図10のXIII-XIII断面拡大図
であり、中間アイドル軸235には、作動油ポンプ26
0が設けられている。
【0057】図11は、図10のXI-XI断面拡大図であ
り、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221の駆動
側プーリ224は、前進軸204に一体に形成された固
定シーブ250と、同軸204に軸方向移動可能に嵌合
する可動シーブ251からなり、可動シーブ251の作
動油室252は前進軸204内の油路253及び変速ケ
ース208の油入口254等を介して油圧コントローラ
255に接続し、油圧コントローラ255は、切換弁等
を有すると共に図示しない油圧経路を介して前記作動油
ポンプ260(図13)及び油溜等に接続している。従
動側プーリ225は、変速軸206に一体に形成された
固定シーブ261と、同軸206に軸方向移動可能に嵌
合する可動シーブ262からなり、可動シーブ262の
作動油室263は変速軸206内の油路264及び変速
ケース8の油入口265等を介して油圧コントローラ2
55に接続している。従動側の固定シーブ261と可動
シーブ262は、前記駆動側プーリ224とは、固定側
と可動側が軸方向の逆に配置してある。かかるベルト式
無段変速機構221では、駆動側及び従動側の各作動油
室252,263内の油圧をコントロールすることによ
り、各可動シーブ251、262を軸方向に移動し、各
プーリ224、225の有効巻掛半径を変更し、それに
より無段変速する。
【0058】前進(正転)用嵌脱クラッチ230は多板
式の摩擦クラッチであり、押圧ピストン257を軸方向
に作動させる作動油室258は、前進軸204内の油路
259及び変速ケース208の油入口260等を介して
油圧コントローラ255に接続している。
【0059】最高速用嵌脱クラッチ219も多板式の摩
擦クラッチであり、押圧ピストン244は変速ケース2
08内に配置され、作動油室245は変速ケース208
内の油路246等を介して油圧コントローラ255に接
続している。
【0060】図12は、図10のXII-XII断面拡大図で
あり、後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222の構
成も前進(正転)用無段変速機構221と同様であり、
駆動側プーリ241は、固定シーブ273、可動シーブ
274及び作動油室275を備え、作動油室275は後
進軸205内の油路276及び変速ケース208の油入
口277等を介して油圧コントローラ255に接続して
いる。従動側プーリ242は、固定シーブ280、可動
シーブ281及び図11に示す作動油室282を備え、
作動油室282は変速軸206内の環状油路283及び
変速ケース208の油入口284等を介して油圧コント
ローラ255に接続している。
【0061】後進(逆転)用嵌脱クラッチ231も多板
式の摩擦クラッチであり、押圧ピストン266を軸方向
に作動させる作動油室267は、後進軸205内の油路
268及び変速ケース208の油入口269等を介して
油圧コントローラ255に接続している。
【0062】作動を説明する。 [前進(正転)時]図9において、前進(正転)用嵌脱
クラッチ230を接続し、後進(逆転)用嵌脱クラッチ
231を切断し、最高速用クラッチ219を切断してお
く。動力源から入力軸201に入力された動力の一部
は、入力ギヤ228から前進用ギヤ229、前進(正
転)用嵌脱クラッチ230及び前進軸204を介して前
進(正転)用ベルト式無段変速機構221に伝達され、
同機構221により変速されて変速軸206から差動ギ
ヤ機構210のサンギヤ212に伝達される。一方、入
力軸201の他の動力は差動ギヤ機構210のキャリヤ
215に伝達され、遊星ギヤ214を介して前記サンギ
ヤ212の動力と合流し、遊星ギヤ213、インターナ
ルギヤ216及びリングギヤ217を介して出力軸20
2へと伝達され、出力軸202を前進回転(正転)F方
向へと回転する。
【0063】前進(正転)用ベルト式無段変速機構22
1でサンギヤ212の回転速度を調節することにより、
出力軸202の回転速度を、0(中立)から前進(正
転)最大速度まで無段変速する。
【0064】[後進(逆転)時]図9において、前進
(正転)用嵌脱クラッチ230を切断し、後進(逆転)
用嵌脱クラッチ231を接続し、最高速用クラッチ21
9を切断しておく。動力源から入力軸201に入力され
た動力の一部は、入力ギヤ228から前進用ギヤ22
9、中間アイドルギヤ234、中間アイドル軸235、
中間アイドルギヤ234,後進用ギヤ232、後進(逆
転)用嵌脱クラッチ231及び後進軸205を介して後
進(逆転)用ベルト式無段変速機構222に伝達され、
同機構222により変速(増速)されて変速軸206か
ら差動ギヤ機構210のサンギヤ212に伝達される。
一方、入力軸201の他の動力は差動ギヤ機構210の
キャリヤ215に伝達され、遊星ギヤ214を介して前
記サンギヤ212の動力と合流し、遊星ギヤ213、イ
ンターナルギヤ216及びリングギヤ237を介して出
力軸202へと伝達され、出力軸202を後進回転(逆
転)R方向へと回転する。
【0065】後進(逆転)用ベルト式無段変速機構22
2でサンギヤ212の回転速度を変速することにより、
出力軸202の回転速度を、0(中立)から後進(逆
転)最大速度まで無段変速する。
【0066】[最高速前進]図9において、前進(正
転)用嵌脱クラッチ230及び後進(逆転)用嵌脱クラ
ッチ231を共に切断し、最高速用嵌脱クラッチ219
を接続し、両ベルト式無段変速機構221,222は遊
ばせた状態、すなわちベルト226,243にテンショ
ンがかからない状態としておく。動力源から入力軸20
1に入力された動力は、差動ギヤ機構210のキャリヤ
215に伝達される。差動ギヤ機構210では、サンギ
ヤ212が最高速用嵌脱クラッチ219によりロックさ
れているため、前記キャリヤ215に伝達された動力は
遊星ギヤ214,213、インターナルギヤ216及び
リングギヤ217を介して出力軸202へと伝達され、
出力軸202を前進回転F方向へと回転する。この場
合、前記通常の前進最大速度よりも高い最高回転速度
(固定速度)となる。
【0067】
【その他の実施の形態】(1)前述の各実施の形態にお
いて、差動ギヤ機構として、サンギヤとインターナルギ
ヤとの間に、1段の遊星ギヤを配置した形式のものを採
用することも可能である。
【0068】(2)前述の各差動ギヤ機構は、いずれも
キャリヤとサンギヤに入力する形式であるが、サンギ
ヤ、キャリヤ及びインターナルギヤの3つの構成要素の
うち、任意の2つを選択して入力することも可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】(1)本願請求項1記載の発明は、2組
のベルト式無段変速機構21,22と、差動ギヤ機構1
0を備え、各ベルト式無段変速機構21,22により差
動ギヤ機構10に入力する回転速度を変更することによ
り、正転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及
び逆転運転において中立から最大回転速度まで無段変速
するようにしているので、従来のベルト式無段変速機構
を1組備えている無段変速装置に比べ、停止(中立)か
ら正転及び逆転の最大速度まで、切換ショックのないス
ムーズな無段変速が行なえると共に、変速範囲を広くと
ることができる。また発進時あるいは低速時に、流体継
手を用いることなく高出力トルクを発生させることがで
き、安価に無段変速装置を提供することができる。
【0070】(2)請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、第1のベルト式無段変速機構21の
従動側プーリ25をサンギヤ12に連結し、第2のベル
ト式無段変速機構22の従動側プーリ32をキャリヤ1
5に連結しているので、差動ギヤ機構10を径方向にコ
ンパクトにまとめることができる。
【0071】(3)請求項3記載の発明は、変速用の差
動ギヤ機構110と、正逆回転切換用の逆転機構109
と、ベルト式無段変速機構121とを備え、逆転機構1
09により正転又は逆転に切り換えた回転動力を、中間
の回転軸104を介して差動ギヤ機構110に入力する
と共に、ベルト式無段変速機構121を介して回転速度
変更可能に差動ギヤ機構110に入力し、ベルト式無段
変速機構121により回転速度を変更することにより、
出力軸102への回転速度を無段変速するようにしてい
るので、従来のベルト式無段変速機構を1組備えている
無段変速装置に比べ、停止(中立)から正転及び逆転の
最大速度まで広い変速範囲で無段変速できると共に、発
進時あるいは低速時に、流体継手を用いることなく高出
力トルクを発生させることができ、安価に無段変速装置
を提供することができる。
【0072】(4)請求項4は、請求項3記載の無段変
速装置において、ベルト式無段変速機構121の従動側
プーリ125から差動ギヤ機構110への入力回転部、
たとえばサンギヤ112に、これの回転を固定するロッ
ク用嵌脱クラッチ141を設けているので、より高速域
まで変速範囲を広げることができる。
【0073】(5)請求項5記載は、請求項4記載の無
段変速装置において、中間の回転軸104とベルト式無
段変速機構121の駆動側プーリ124との間の動力伝
達経路に嵌脱クラッチ130を介在させているので、上
記ロック用嵌脱クラッチ141によりサンギヤ112を
ロックして最高速で運転している場合に、嵌脱クラッチ
141を切断して、ベルト126を滑らせることによ
り、ベルト126の寿命(耐久性)を延ばすことができ
る。
【0074】(6)請求項6記載の発明は、請求項3〜
5記載の無段変速装置において、逆転機構109として
遊星ギヤ機構を備えていると、切換ショックが生じるこ
となく、正転、逆転及び中立に切り換えることができ
る。
【0075】(7)請求項7記載の発明は、差動ギヤ機
構210と、前進(正転)用ベルト式無段変速機構22
1と、後進(逆転)用無段変速機構222とを備え、差
動ギヤ機構210のサンギヤ22、キャリヤ215又は
インターナルギヤ216のうち、1つに入力軸201を
連結し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの1つ
に出力軸202の出力ギヤ237を連結し、入力軸20
1には、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を介して前
進軸204を断続自在に連結すると共に、後進(逆転)
用嵌脱クラッチ231を介して後進軸205を断続自在
に連結し、前進軸204と変速軸206とを前進(正
転)用ベルト式無段変速機構221により変速自在に連
結し、後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)
用ベルト式無段変速機構222により変速自在に連結し
ているので、従来のベルト式無段変速機構を1組備えて
いる無段変速装置に比べ、停止(中立)から正転及び逆
転の最大速度まで広い変速範囲で無段変速できると共
に、発進時あるいは低速時に、流体継手を用いることな
く高出力トルクを発生させることができ、安価に無段変
速装置を提供することができる。
【0076】(8)請求項8記載の発明は、請求項7記
載の無段変速装置において、変速軸206をサンギヤ2
12に連結し、該サンギヤ212の回転を固定可能な最
高速用嵌脱クラッチ219を設けているので、より高速
域まで変速範囲を広げることができると共に、最高速で
運転している場合に、嵌脱クラッチ230,231切断
して、ベルト126を滑らせることにより、ベルト22
6,243の寿命(耐久性)を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願請求項1及び2記載の発明を適用した無
段変速装置の動力伝達経路のスケルトン図である。
【図2】 図1のII-II断面相当図である。
【図3】 図2のIII-III断面拡大図である。
【図4】 図2のIV-IV断面拡大図である。
【図5】 本願請求項3〜6記載の発明を適用した無段
変速装置の動力伝達経路のスケルトン図である。
【図6】 図5の逆転機構のVI矢視図である。
【図7】 図5の差動ギヤ機構のVII矢視図である。
【図8】 図5と同じ切断面による縦断面図である。
【図9】 本願請求項7及び8記載の発明を適用した無
段変速装置の動力伝達経路のスケルトン図である。
【図10】 図9のX矢視図である。
【図11】 図10のXI-XI断面拡大図である。
【図12】 図10のXII-XII断面拡大図である。
【図13】 図10のXIII-XIII断面拡大図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 10 差動ギヤ機構 12 サンギヤ 13,14 遊星ギヤ 15 キャリヤ 16 インターナルギヤ 21,22 第1,第2のベルト式無段変速機構 24,31 駆動側プーリ 25,32 従動側プーリ 101 入力軸 102 出力軸 104 中間の回転軸 109 逆転機構 110 差動ギヤ機構 112 サンギヤ 113,114 遊星ギヤ 115 キャリヤ 116 インターナルギヤ 121 ベルト式無段変速機構 124,131 駆動側プーリ 125,132 従動側プーリ 130 嵌脱クラッチ 141 ロック用嵌脱クラッチ 201 入力軸 202 出力軸 204 前進軸 205 後進軸 206 変速軸 210 差動ギヤ機構 212 サンギヤ 215 キャリヤ 216 インターナルギヤ 221 前進(正転)用ベルト式無段変速機構 222 後進(逆転)用ベルト式無段変速機構 219 最高速用嵌脱クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J028 EA21 EA25 EA28 EB10 EB16 EB33 EB35 EB37 EB44 FB04 FB05 FB12 FC16 FC23 FC32 FC65 FC66 GA13 GA15 3J050 AA02 AB03 AB07 BA03 BB13 CE10 DA05 DA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2のベルト式無段変速機構2
    1,22と、差動ギヤ機構10を備え、 各ベルト式無段変速機構21,22の駆動側プーリ2
    4,31を直接あるいは間接に入力軸1に連結し、 差動ギヤ機構10のサンギヤ12、キャリヤ15又はイ
    ンターナルギヤ16のうち、1つに第1のベルト式無段
    変速機構21の従動側プーリ25を連結し、別の1つに
    第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32を
    連結し、残りの1つに出力軸2の出力ギヤ37を連結
    し、 各ベルト式無段変速機構21,22により差動ギヤ機構
    10に入力する回転速度を変更することにより、正転、
    逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転運転
    において中立から最大回転速度まで無段変速するように
    していることを特徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の無段変速装置において、第1
    のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25をサン
    ギヤ12に連結し、第2のベルト式無段変速機構22の
    従動側プーリ32をキャリヤ15に連結したことを特徴
    とする無段変速装置。
  3. 【請求項3】 変速用の差動ギヤ機構110と、正逆回
    転切換用の逆転機構109と、ベルト式無段変速機構1
    21とを備え、 差動ギヤ機構110のサンギヤ112、キャリヤ115
    又はインターナルギヤ116のうち、1つに中間の回転
    軸104及び上記逆転機構109を介して正逆回転切換
    自在に入力軸101を連結し、別の1つにベルト式無段
    変速機構121の従動側プーリ125を連結し、残りの
    1つに出力軸102の出力ギヤ137を連結し、 ベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124は上
    記中間の回転軸104に連結し、 ベルト式無段変速機構121から差動ギヤ機構110に
    入力する回転速度を変更することにより、出力軸102
    への回転速度を無段変速するようにしていることを特徴
    とする無段変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の無段変速装置において、
    ベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125から
    差動ギヤ機構110への入力回転部に、該回転部の回転
    を固定するロック用嵌脱クラッチ141を設けているこ
    とを特徴とする無段変速装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の無段変速装置において、
    中間の回転軸104とベルト式無段変速機構121の駆
    動側プーリ124との間の動力伝達経路に嵌脱クラッチ
    130を介在させていることを特徴とする無段変速装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5記載の無段変速装置におい
    て、逆転機構109として遊星ギヤ機構を備え、入力軸
    101を逆転機構109のサンギヤ132に、中間の回
    転軸104を逆転機構109のキャリヤ135に連結
    し、キャリヤ135及びインターナルギヤ136にそれ
    ぞれブレーキ138,139を備えていることを特徴と
    する無段変速装置。
  7. 【請求項7】 差動ギヤ機構210と、前進(正転)用
    ベルト式無段変速機構221と、後進(逆転)用無段変
    速機構222とを備え、 差動ギヤ機構210のサンギヤ212、キャリヤ215
    又はインターナルギヤ216のうち、1つに入力軸20
    1を連結し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの
    1つに出力軸202の出力ギヤ237を連結し、 入力軸201には、後進(逆転)用嵌脱クラッチ230
    を介して前進軸204を断続自在に連結すると共に、後
    進(逆転)用嵌脱クラッチ231を介して後進軸205
    を断続自在に連結し、 前進軸204と変速軸206とを前進(正転)用ベルト
    式無段変速機構221により変速自在に連結し、 後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)用ベル
    ト式無段変速機構222により変速自在に連結している
    ことを特徴とする無段変速装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の無段変速装置において、 変速軸206をサンギヤ212に連結し、該サンギヤ2
    12の回転を固定可能な最高速用嵌脱クラッチ219を
    設けていることを特徴とする無段変速装置。
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CN112747090A (zh) * 2021-01-25 2021-05-04 重庆胜特佳机械有限公司 双动力多模无级变速耦合输出机构

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