JP2001073034A - 超微細組織鋼の製造方法 - Google Patents

超微細組織鋼の製造方法

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JP2001073034A
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rolling
less
thickness
steel
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Hiroshi Nakajima
宏 中嶋
Toshihiro Hanamura
年裕 花村
Shiro Toritsuka
史郎 鳥塚
Hisashi Nagai
寿 長井
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Japan Science and Technology Agency
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
National Research Institute for Metals
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
National Research Institute for Metals
Nippon Steel Corp
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均粒径2μm以下の超微細組織を有する厚
み10mm以上の高強度板材の製造を可能にする。 【解決手段】 鋼をAc3以上に加熱してオーステナイ
ト化した後に、オーステナイト域または準安定オーステ
ナイト域の温度において、多数回の鍛造を行った後、A
c3以下550℃以上の温度域において、断面減面率7
0%以上の圧延を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、超微細組
織鋼の製造方法に関し、より詳しくは板の厚さ10mm
以上の鋼板をも提供することのできる、高強度、高靱性
でかつ溶接性に優れ、結晶粒2μm以下のフェライト組
織を主体とした超微細組織鋼の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、フェライト結晶粒
の微細化は鋼の靱性を向上させる有力な高強度化手法で
あることはよく知られており、組織微細化に関する検討
が様々な観点より行われてきている。例えば、大圧下で
の急冷法(CAMP-ISIJ-Vol.11(1998), P.1017)や、逆変態
を利用する方法(特開昭58−582224)、繰り返
し重ね接合圧延による方法(CAMP-ISIJ-Vol.11(1998),
P.1031)、温間圧延・再結晶による方法(CAMP-ISIJ-Vol.
11(1998), P.1031)が提案されている。これらの方法に
よる場合には、厚さ5mm以下の微細組織鋼薄肉材が作
製可能であると報告されている。さらに、多パス溝ロー
ル圧延法による場合には、直径5mm以上の微細組織棒
材が作製可能とされている(特願平11−052008
号)。
【0003】しかしながら、従来の検討ないし提案に係
わるいずれの方法の場合にも、微細組織を有するととも
に、そのサイズにおいて厚さ5mm以上で幅が厚さの1
0倍以上の微細組織板材は実現されていなかった。
【0004】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来技術の限界を克服して、厚さ5mm以上で幅が厚
さの10倍以上の微細組織板材をも製造可能とする。超
微細フェライト粒組織を有する鋼の新しい製造方法を提
供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、鋼をAc3以
上に加熱してオーステナイト化した後に、オーステナイ
ト域または準安定オーステナイト域の温度において、多
数回の鍛造を行い、その後、Ac3以下550℃以上の
温度域において、断面減面率70%以上の圧延を行い平
均粒径2μm以下の超微細組織を形成することを特徴と
する超微細組織鋼の製造方法を提供する。
【0006】さらに、この出願の発明は、第2には、鍛
造は、1回目の鍛造では厚さの減少率30%以上で、2
回目以降の鍛造では圧下方向を直前の鍛造における圧下
方向に対して45°以上90°以下の範囲で変化させる
ことを特徴とする超微細組織鋼の製造方法を提供する。
【0007】この出願の発明によれば、製造と圧延を連
続してそれぞれの加工条件を特定することにより、厚さ
5mm以上で幅が厚さの10倍以上の板材をはじめとす
る最終組織が微細化された超微細組織鋼板材が製造され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。
【0009】この出願の発明の方法においては、前記の
ように、まず鋼をAc3以上に加熱してオーステナイト
化する。次いで、たとえばAc3点以上のオーステナイ
ト域あるいはAc3点以下の準安定オーステナイト域の
温度において、鍛造を行う。鍛造は1回あるいは多数回
行うこととする。この場合の鍛造における厚さの減少率
は、鍛造後に行う70%以上の断面減少率の圧延を行っ
た際の累積断面減少率が90%以上であることが好まし
いことから、多数回の鍛造の場合は、1回毎の減少率を
30%以上とするのが望ましく、鍛造方向を45°〜9
0°の範囲で変化させるのが望ましい。
【0010】多数回の鍛造においては、その方向を45
°〜90°の範囲で変更することによって、変形時にお
いて組織が回転し、少ない圧下量でせん断歪みを蓄積す
ることが可能となる。
【0011】鍛造の後には圧延を行うことになるが、圧
延はAc3以下550℃以上の温度において行う。圧延
終了温度は550℃以下では、組織は伸張するのみで再
結晶による組織の微細化は生じない。
【0012】圧延開始温度がAc3以下である理由は、
圧延時の組織がオーステナイト単相ではなく、フェライ
トを含んだ状態であることが必要であり、このフェライ
ト組織を含んだ状態を得る必要からである。
【0013】この発明において対象として使用すること
のできる鋼の組成は特に限定されることはないが、好適
な組成成分(wt%)としては、以下のとおりのものが
例示される。すなわち、C:0.8%以下、Si:0.
5%以下、Mn:3.0%以下、P:0.02%以下、
S:0.02%以下、Ti,Mg,又はAlの1種又は
2種以上が単独又は混合体として0.3%以下含有され
ている鋼である。
【0014】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
この発明の方法について説明する。
【0015】
【実施例】(実施例1)化学組成がC:0.15,S
i:0.50,Mn:1.40,P:0.01,S:
0.01,Al:0.03(mass%)の大きさ25
×60×100mmの板を900℃に10分間保持後空
冷し、中心温度が800℃になった時点で60mmより
30mmに鍛造後、90°回転し50mm厚さとなった
部分を鍛造して35mm厚さとした。そして、連続して
以下に示す条件の圧延をAc3以下である730℃より
行い600℃で圧延を終了した。
【0016】 圧延速度:10m/min、ロール径:300mm つまり、加工処理は2方向からの鍛造プラス圧延により
行った。 パススケジュール:35−28−22−16−12m
m、圧延後処理:水冷 上記の条件にて鍛造圧延を行った厚さ12mmの材料の
組織を図2に示した。それぞれ表面より1mm位置、
3.0mm位置(1/4厚さ部)、6.0mm位置(1
/2厚さ部)の組織を示している。図1より、1mm、
3.0mm、6.0mm位置の組織は1.4−1.6μ
mの、断面全体が均一かつ微細なフェライト粒とパーラ
イトおよび炭化物組織であることが確認された。これに
より2方向からの鍛造プラス圧延により組織が2μm以
下の微細で均一な、厚み10mm以上の板材の製造が可
能であることがわかる。
【0017】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明によって、鍛造と圧延を組み合わせることによっ
て、小型の圧延機によっても組織微細化鋼を得ることが
可能で、厚み10mm以上の板材を製造することができ
る。
【0018】また、この発明によれば、超微細組織高強
度板材を、既設の圧延機の近傍に鍛造機設置することで
組織微細化鋼の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2方向から鍛造と圧延を行った試料材料の組織
を示した図面に代わる電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。
フロントページの続き (71)出願人 396020800 科学技術振興事業団 埼玉県川口市本町4丁目1番8号 (72)発明者 中嶋 宏 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 花村 年裕 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 鳥塚 史郎 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 長井 寿 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 Fターム(参考) 4K032 AA00 AA01 AA05 AA06 AA16 AA17 AA27 AA29 AA31 AA35 BA01 CA01 CB02 CC01 CC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼をAc3以上に加熱してオーステナイ
    ト化した後に、オーステナイト域または準安定オーステ
    ナイト域の温度において、多数回の鍛造を行い、その
    後、Ac3以下550℃以上の温度域において、断面減
    面率70%以上の圧延を行い平均粒径2μm以下の超微
    細組織を形成することを特徴とする超微細組織鋼の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 多数回の鍛造において、1回目の鍛造で
    は厚さの減少率30%以上で、2回目以降の鍛造では圧
    下方向を直前の鍛造における圧下方向に対して45°以
    上90°以下の範囲で変化させることを特徴とする請求
    項1の超微細組織鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 化学組成(質量%)として、C,Si,
    Mn,P,及びSが、それぞれC:0.8%以下、S
    i:0.5%以下、Mn:3.0%以下、P:0.02
    %以下、S:0.02%以下であり、Ti,Mg,又は
    Alの1種又は2種以上が単独又は混合体として0.3
    %以下含有する請求項1の微細組織鋼。
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