JP2001072422A - 廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法 - Google Patents
廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 バナジウム及びニッケルに加えて、モリブデ
ン等の有用な金属を廃触媒から選択的に回収する方法を
提供する。 【解決手段】 本方法は、少なくともバナジウム及びモ
リブデンを含む廃触媒に塩素化処理を施して、廃触媒か
らバナジウム及びモリブデンを回収する方法である。本
方法は、廃触媒に焙焼処理を施すことなく、大気圧以上
の範囲の圧力、かつ100℃以上150℃以下の範囲の
温度で、廃触媒の触媒担体及び触媒担持金属以外の成分
を塩素化剤により塩素化し、四塩化バナジウム蒸気を生
成する低温低圧塩素化工程と、低温低圧塩素化工程を経
た廃触媒を、大気圧以上の圧力下で温度150℃から3
50℃に昇温しつつ塩素化剤により塩素化し、五塩化モ
リブデン蒸気を生成する高温高圧塩素化工程とを有し、
更に五塩化モリブデンを加圧蒸留法及び昇華法により精
製する。
ン等の有用な金属を廃触媒から選択的に回収する方法を
提供する。 【解決手段】 本方法は、少なくともバナジウム及びモ
リブデンを含む廃触媒に塩素化処理を施して、廃触媒か
らバナジウム及びモリブデンを回収する方法である。本
方法は、廃触媒に焙焼処理を施すことなく、大気圧以上
の範囲の圧力、かつ100℃以上150℃以下の範囲の
温度で、廃触媒の触媒担体及び触媒担持金属以外の成分
を塩素化剤により塩素化し、四塩化バナジウム蒸気を生
成する低温低圧塩素化工程と、低温低圧塩素化工程を経
た廃触媒を、大気圧以上の圧力下で温度150℃から3
50℃に昇温しつつ塩素化剤により塩素化し、五塩化モ
リブデン蒸気を生成する高温高圧塩素化工程とを有し、
更に五塩化モリブデンを加圧蒸留法及び昇華法により精
製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃触媒に含まれる
モリブデン等の回収方法に関し、更に詳細には、簡単な
プロセス工程により純度の高いモリブデン等の有用な金
属を廃触媒から高回収率で回収する方法に関するもので
ある。
モリブデン等の回収方法に関し、更に詳細には、簡単な
プロセス工程により純度の高いモリブデン等の有用な金
属を廃触媒から高回収率で回収する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】原油を蒸留して得た灯油、軽油及び重油
等の石油製品は、取扱いの容易な液体燃料であって、現
在、専ら主要エネルギー源として利用されている。ま
た、原油を燃料として使用することもある。環境保全の
観点から、燃焼排ガスによる亜硫酸ガス及び重金属の拡
散を防止するために、燃料の硫黄濃度及び重金属濃度
は、大気汚染を防止する法律等により規制されていて、
硫黄濃度及び重金属濃度の高い原油及び重油には、通
常、直接又は間接水素化脱硫処理、水素化脱メタル処理
等の処理が施され、硫黄濃度及び重金属濃度が規制値以
下に低減されている。
等の石油製品は、取扱いの容易な液体燃料であって、現
在、専ら主要エネルギー源として利用されている。ま
た、原油を燃料として使用することもある。環境保全の
観点から、燃焼排ガスによる亜硫酸ガス及び重金属の拡
散を防止するために、燃料の硫黄濃度及び重金属濃度
は、大気汚染を防止する法律等により規制されていて、
硫黄濃度及び重金属濃度の高い原油及び重油には、通
常、直接又は間接水素化脱硫処理、水素化脱メタル処理
等の処理が施され、硫黄濃度及び重金属濃度が規制値以
下に低減されている。
【0003】直接又は間接水素化脱硫処理、或いは水素
化脱メタル処理は、触媒の存在下で高温高圧の触媒反応
による処理である。程度の差は多少あるものの、殆どの
原油及び重油は、バナジウム、ニッケルを含有し、反応
圧力70〜140kg/cm2g、反応温度350〜4
30℃の範囲にある通常の水素化脱硫反応、或いは水素
化脱メタル反応の反応条件では、原油及び重油中のバナ
ジウム、ニッケルは、反応して触媒細孔内に浸入、堆積
し、触媒活性を低下させる。そこで、活性の低下した触
媒に、種々の再生法による再生処理を施して、活性を回
復させ、再び、触媒として使用しているが、再生処理を
重ねるにつれて、触媒活性の回復が難しくなり、最終的
に廃触媒として廃棄することになる。従って、廃触媒
は、バナジウム、ニッケル、及び触媒の金属種であるア
ルミニウム、モリブデン等を高濃度で含む資源であると
も言える。
化脱メタル処理は、触媒の存在下で高温高圧の触媒反応
による処理である。程度の差は多少あるものの、殆どの
原油及び重油は、バナジウム、ニッケルを含有し、反応
圧力70〜140kg/cm2g、反応温度350〜4
30℃の範囲にある通常の水素化脱硫反応、或いは水素
化脱メタル反応の反応条件では、原油及び重油中のバナ
ジウム、ニッケルは、反応して触媒細孔内に浸入、堆積
し、触媒活性を低下させる。そこで、活性の低下した触
媒に、種々の再生法による再生処理を施して、活性を回
復させ、再び、触媒として使用しているが、再生処理を
重ねるにつれて、触媒活性の回復が難しくなり、最終的
に廃触媒として廃棄することになる。従って、廃触媒
は、バナジウム、ニッケル、及び触媒の金属種であるア
ルミニウム、モリブデン等を高濃度で含む資源であると
も言える。
【0004】例えば、大気汚染等の公害防止の一環とし
て行われている重質油の水素化脱硫/脱メタル処理に使
用された廃触媒中のバナジウム濃度は、新触媒基準で
0.20%〜50%にも及んでおり、天然鉱石には存在
しない、高品位鉱石であると言うことができる。また、
同じ廃触媒中に、ニッケルは5%から15%の濃度で含
まれており、モリブデンは1%から7%の濃度で含まれ
ている。
て行われている重質油の水素化脱硫/脱メタル処理に使
用された廃触媒中のバナジウム濃度は、新触媒基準で
0.20%〜50%にも及んでおり、天然鉱石には存在
しない、高品位鉱石であると言うことができる。また、
同じ廃触媒中に、ニッケルは5%から15%の濃度で含
まれており、モリブデンは1%から7%の濃度で含まれ
ている。
【0005】ところで、石油或いは石炭等の有機系燃料
を大量に燃焼してエネルギーを得ているが、これは、多
量の二酸化炭素ガスを発生させて地球温暖化の原因とな
り、また二酸化硫黄ガス等の有害ガスを発生させて環境
破壊の原因となっている。そこで、近年、二酸化炭素ガ
スや有害ガスを発生させないクリーンエネルギーである
電力を活用するために、夜間電力の有効利用や電気自動
車の普及が進められており、それに伴い、電力を貯める
ことができる装置として、高効率大容量の蓄電池の開発
が急務となっている。
を大量に燃焼してエネルギーを得ているが、これは、多
量の二酸化炭素ガスを発生させて地球温暖化の原因とな
り、また二酸化硫黄ガス等の有害ガスを発生させて環境
破壊の原因となっている。そこで、近年、二酸化炭素ガ
スや有害ガスを発生させないクリーンエネルギーである
電力を活用するために、夜間電力の有効利用や電気自動
車の普及が進められており、それに伴い、電力を貯める
ことができる装置として、高効率大容量の蓄電池の開発
が急務となっている。
【0006】現在、その一環として、バッテリーの電極
及び電解液として、Fe/Cr系、Br2 /Zn系、V
−V(バナジウム−バナジウム)系等の組み合わせを使
用するRedox (還元/酸化)システムが開発されてい
る。このなかでは、V−V系を使用したバナジウム還元
/酸化蓄電池(Vanadium Redox Battery)が、最も効率
が高い組み合わせとして注目されている。バナジウム
は、地殻中に広く分布するものの、他の金属と共に産出
される、比較的生産量が限られた高価な金属であって、
バナジウム還元/酸化蓄電池を実用化するために、バナ
ジウムを安価に提供することが要望されている。
及び電解液として、Fe/Cr系、Br2 /Zn系、V
−V(バナジウム−バナジウム)系等の組み合わせを使
用するRedox (還元/酸化)システムが開発されてい
る。このなかでは、V−V系を使用したバナジウム還元
/酸化蓄電池(Vanadium Redox Battery)が、最も効率
が高い組み合わせとして注目されている。バナジウム
は、地殻中に広く分布するものの、他の金属と共に産出
される、比較的生産量が限られた高価な金属であって、
バナジウム還元/酸化蓄電池を実用化するために、バナ
ジウムを安価に提供することが要望されている。
【0007】また、ニッケルは、特殊鋼、ステンレス鋼
等の原材料として極めて有用な金属であり、モリブデン
は、特殊鋼、触媒、電気抵抗体の原材料の一部として使
用される金属であって、バナジウム同様に高価な金属で
ある。
等の原材料として極めて有用な金属であり、モリブデン
は、特殊鋼、触媒、電気抵抗体の原材料の一部として使
用される金属であって、バナジウム同様に高価な金属で
ある。
【0008】廃触媒に含まれるバナジウム及びニッケ
ル、そしてアルミニウム、モリブデンは、高温高水素圧
下及び5〜10容量%H2Sの雰囲気下の触媒反応によ
り、VX SY 、NiX SY 、MoX SY 等の硫化物とし
て、触媒上に堆積している。そこで、本発明者は、安価
な、バナジウム源、ニッケル源及びアルミニウム源、モ
リブデン源としてバナジウム、モリブデン、ニッケル、
及びアルミニウムを多量に含む廃触媒に着目し、廃触媒
からバナジウム、モリブデン、ニッケル、及びアルミニ
ウムを回収することを試みた。
ル、そしてアルミニウム、モリブデンは、高温高水素圧
下及び5〜10容量%H2Sの雰囲気下の触媒反応によ
り、VX SY 、NiX SY 、MoX SY 等の硫化物とし
て、触媒上に堆積している。そこで、本発明者は、安価
な、バナジウム源、ニッケル源及びアルミニウム源、モ
リブデン源としてバナジウム、モリブデン、ニッケル、
及びアルミニウムを多量に含む廃触媒に着目し、廃触媒
からバナジウム、モリブデン、ニッケル、及びアルミニ
ウムを回収することを試みた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、石油系原料
油の水素化脱硫反応或いは水素化脱メタル反応に使用し
た廃触媒からバナジウム及びニッケルを回収する試み
は、例えば特公平59−3936号に本発明者等により
開示されているように、従来から種々提案されている。
前掲公報の技術を始めとする従来技術では、バナジウム
は、反応器内で廃触媒中のバナジウム硫化物を塩素化し
て四塩化バナジウム蒸気として取り出し、ニッケルは、
廃触媒中のニッケル硫化物を塩素化して、廃触媒上で固
相塩化ニッケルに転化し、塩素化工程終了した後、廃触
媒を加温水中に浸漬し、塩化ニッケルを水溶液として回
収している。しかし、従来技術は、廃触媒中のバナジウ
ム及びニッケルの回収法であって、モリブデン及びその
他の有用な金属を廃触媒から回収することについては言
及がなく、モリブデン及びその他の有用な金属を廃触媒
から回収する技術は、確立されていなかった。
油の水素化脱硫反応或いは水素化脱メタル反応に使用し
た廃触媒からバナジウム及びニッケルを回収する試み
は、例えば特公平59−3936号に本発明者等により
開示されているように、従来から種々提案されている。
前掲公報の技術を始めとする従来技術では、バナジウム
は、反応器内で廃触媒中のバナジウム硫化物を塩素化し
て四塩化バナジウム蒸気として取り出し、ニッケルは、
廃触媒中のニッケル硫化物を塩素化して、廃触媒上で固
相塩化ニッケルに転化し、塩素化工程終了した後、廃触
媒を加温水中に浸漬し、塩化ニッケルを水溶液として回
収している。しかし、従来技術は、廃触媒中のバナジウ
ム及びニッケルの回収法であって、モリブデン及びその
他の有用な金属を廃触媒から回収することについては言
及がなく、モリブデン及びその他の有用な金属を廃触媒
から回収する技術は、確立されていなかった。
【0010】そこで、本発明の目的は、バナジウム及び
ニッケルに加えて、モリブデン、アルミニウム等の有用
な金属を廃触媒から選択的に回収する方法を提供するこ
とである。
ニッケルに加えて、モリブデン、アルミニウム等の有用
な金属を廃触媒から選択的に回収する方法を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、塩素化温
度、塩素化剤の流量、反応時間等の塩素化反応条件を種
々変えて、水素化脱メタル廃触媒及び水素化脱硫廃触媒
に塩素化処理を施す実験を行い、以下のことを見い出し
た。 (1)150℃以下の塩素化温度では、触媒自体の構成
物であるコバルト、モリブデン、アルミニウム、シリカ
等の金属は殆ど塩素化されないこと、一方、触媒に触媒
毒として被着したバナジウムを高回収率で選択的に回収
できること、(2)大気圧以上の圧力で、塩素化温度1
00℃以上150℃以下の低温低圧塩素化反応により、
特に140℃以上150℃以下の温度範囲の塩素化反応
によりバナジウムを四塩化バナジウム(VCl4 )とし
て選択的に回収できること、(3)大気圧以上の圧力、
特に、2〜10kg/cm2 で、塩素化温度150℃以
上350℃以下の温度範囲の高温高圧塩素化反応によ
り、低温塩素化反応工程で未反応のモリブデンを5塩化
モリブデン(MoCl5 )として、アルミニウムを塩化
アルミニウムとして選択的に回収できること。
度、塩素化剤の流量、反応時間等の塩素化反応条件を種
々変えて、水素化脱メタル廃触媒及び水素化脱硫廃触媒
に塩素化処理を施す実験を行い、以下のことを見い出し
た。 (1)150℃以下の塩素化温度では、触媒自体の構成
物であるコバルト、モリブデン、アルミニウム、シリカ
等の金属は殆ど塩素化されないこと、一方、触媒に触媒
毒として被着したバナジウムを高回収率で選択的に回収
できること、(2)大気圧以上の圧力で、塩素化温度1
00℃以上150℃以下の低温低圧塩素化反応により、
特に140℃以上150℃以下の温度範囲の塩素化反応
によりバナジウムを四塩化バナジウム(VCl4 )とし
て選択的に回収できること、(3)大気圧以上の圧力、
特に、2〜10kg/cm2 で、塩素化温度150℃以
上350℃以下の温度範囲の高温高圧塩素化反応によ
り、低温塩素化反応工程で未反応のモリブデンを5塩化
モリブデン(MoCl5 )として、アルミニウムを塩化
アルミニウムとして選択的に回収できること。
【0012】上記目的を達成するために、上記知見に基
づいて、本発明に係る廃触媒に含まれるモリブデン等の
回収方法は、少なくともバナジウム、ニッケル、モリブ
デン及びアルミニウムを含む廃触媒に塩素化処理を施し
て、廃触媒からバナジウム、ニッケル、モリブデン、及
びアルミニウムを回収する方法であって、廃触媒に焙焼
処理を施すことなく、大気圧以上の圧力、かつ室温から
350℃に昇温しつつ塩素化剤により金属成分を塩素化
し、五塩化モリブデン等の金属塩素化物蒸気を生成する
塩素化工程を有することを特徴としている。
づいて、本発明に係る廃触媒に含まれるモリブデン等の
回収方法は、少なくともバナジウム、ニッケル、モリブ
デン及びアルミニウムを含む廃触媒に塩素化処理を施し
て、廃触媒からバナジウム、ニッケル、モリブデン、及
びアルミニウムを回収する方法であって、廃触媒に焙焼
処理を施すことなく、大気圧以上の圧力、かつ室温から
350℃に昇温しつつ塩素化剤により金属成分を塩素化
し、五塩化モリブデン等の金属塩素化物蒸気を生成する
塩素化工程を有することを特徴としている。
【0013】上記目的を達成するために、本発明に係る
別の回収方法は、少なくともバナジウム、ニッケル、モ
リブデン及びアルミニウムを含む廃触媒に塩素化処理を
施して、廃触媒からバナジウム、モリブデン及びアルミ
ニウムを回収する方法であって、廃触媒に焙焼処理を施
すことなく、大気圧以上の圧力、かつ100℃以上15
0℃以下の範囲の温度で、廃触媒の触媒担体及び触媒担
持金属以外の成分を塩素化剤により塩素化し、四塩化バ
ナジウム蒸気を生成する低温低圧塩素化工程と、低温低
圧塩素化工程を経た廃触媒を、大気圧以上の圧力下で温
度150℃から350℃に昇温しつつ塩素化剤により塩
素化し、五塩化モリブデン蒸気を生成する高温高圧塩素
化工程とを有することを特徴としている。
別の回収方法は、少なくともバナジウム、ニッケル、モ
リブデン及びアルミニウムを含む廃触媒に塩素化処理を
施して、廃触媒からバナジウム、モリブデン及びアルミ
ニウムを回収する方法であって、廃触媒に焙焼処理を施
すことなく、大気圧以上の圧力、かつ100℃以上15
0℃以下の範囲の温度で、廃触媒の触媒担体及び触媒担
持金属以外の成分を塩素化剤により塩素化し、四塩化バ
ナジウム蒸気を生成する低温低圧塩素化工程と、低温低
圧塩素化工程を経た廃触媒を、大気圧以上の圧力下で温
度150℃から350℃に昇温しつつ塩素化剤により塩
素化し、五塩化モリブデン蒸気を生成する高温高圧塩素
化工程とを有することを特徴としている。
【0014】本発明方法は、少なくともバナジウム、ニ
ッケル、モリブデン、及びアルミニウムを含む廃触媒で
ある限り、廃触媒の由来に制約無く適用できるものの、
好適な四塩化バナジウム及びモリブデン源としての廃触
媒は、炭化水素油の水素化脱メタル反応用触媒又は水素
化脱硫反応用触媒の廃触媒である。塩素化工程で使用す
る塩素化剤は、バナジウム、ニッケル、モリブデン、及
びアルミニウムを塩素化できる限り、制約はなく、例え
ば、塩素化剤として、塩素、四塩化炭素、及び二塩化硫
黄のいずれか、又は2種以上を混合したものを使用する
ことができる。また、塩素化工程の前に、廃触媒を4塩
化炭素、ベンゼン、軽油等の有機系溶剤で予め洗浄する
ことにより、不純物の少ない四塩化バナジウム及び五塩
化モリブデンを回収することができる。
ッケル、モリブデン、及びアルミニウムを含む廃触媒で
ある限り、廃触媒の由来に制約無く適用できるものの、
好適な四塩化バナジウム及びモリブデン源としての廃触
媒は、炭化水素油の水素化脱メタル反応用触媒又は水素
化脱硫反応用触媒の廃触媒である。塩素化工程で使用す
る塩素化剤は、バナジウム、ニッケル、モリブデン、及
びアルミニウムを塩素化できる限り、制約はなく、例え
ば、塩素化剤として、塩素、四塩化炭素、及び二塩化硫
黄のいずれか、又は2種以上を混合したものを使用する
ことができる。また、塩素化工程の前に、廃触媒を4塩
化炭素、ベンゼン、軽油等の有機系溶剤で予め洗浄する
ことにより、不純物の少ない四塩化バナジウム及び五塩
化モリブデンを回収することができる。
【0015】通常、水素化脱メタル反応用触媒又は水素
化脱硫反応用触媒の廃触媒の高温高圧(2kg/cm2
以上10kg/cm2 以下、150℃以上350℃以
下)塩素化工程では、五塩化モリブデン蒸気に加えて、
五塩化モリブデンより沸点の低い金属化合物蒸気、例え
ば二塩化硫黄、四塩化バナジウム、及び塩化アルミニウ
ムの蒸気が生成する。そこで、五塩化モリブデンの回収
工程では、高温高圧塩素化工程で得た、二塩化硫黄、四
塩化バナジウム、塩化アルミニウム及び五塩化モリブデ
ンの混合蒸気を冷却して、塩化アルミニウム及び五塩化
モリブデンを選択的に液化する液化工程と、塔頂圧力が
5kg/cm2 g以上15kg/cm2 g以下の塩素ガ
スによる加圧蒸留法により、液化工程で得た塩化アルミ
ニウムと五塩化モリブデンとの混合液を蒸留して、塩化
アルミニウム液と、五塩化モリブデン液とに分離する分
離工程と、分離工程で得た五塩化モリブデンを塩素ガス
加圧昇華法により五塩化モリブデン蒸気として昇華さ
せ、次いで不純物として含まれる鉄化合物をアルカリ金
属との反応により除去する精製工程とを有する。
化脱硫反応用触媒の廃触媒の高温高圧(2kg/cm2
以上10kg/cm2 以下、150℃以上350℃以
下)塩素化工程では、五塩化モリブデン蒸気に加えて、
五塩化モリブデンより沸点の低い金属化合物蒸気、例え
ば二塩化硫黄、四塩化バナジウム、及び塩化アルミニウ
ムの蒸気が生成する。そこで、五塩化モリブデンの回収
工程では、高温高圧塩素化工程で得た、二塩化硫黄、四
塩化バナジウム、塩化アルミニウム及び五塩化モリブデ
ンの混合蒸気を冷却して、塩化アルミニウム及び五塩化
モリブデンを選択的に液化する液化工程と、塔頂圧力が
5kg/cm2 g以上15kg/cm2 g以下の塩素ガ
スによる加圧蒸留法により、液化工程で得た塩化アルミ
ニウムと五塩化モリブデンとの混合液を蒸留して、塩化
アルミニウム液と、五塩化モリブデン液とに分離する分
離工程と、分離工程で得た五塩化モリブデンを塩素ガス
加圧昇華法により五塩化モリブデン蒸気として昇華さ
せ、次いで不純物として含まれる鉄化合物をアルカリ金
属との反応により除去する精製工程とを有する。
【0016】本発明者は、塩化アルミニウム液及び五塩
化モリブデンを蒸留して五塩化モリブデン液を蒸留、分
離するに当たって、常圧蒸留法は、経済的には最もコス
トが低いが、五塩化モリブデン中に含まれている不純物
として含まれる四塩化バナジウム及び二塩化二硫黄が熱
分解して、蒸留塔の棚段に堆積し、その結果、蒸留塔の
圧力損失が増大し、従って塔頂圧力が上昇して蒸留操作
を継続することが難しくなることを見い出した。即ち、
常圧蒸留法による五塩化モリブデンの分離方法では、高
回収率で高純度の五塩化モリブデンを得ることが技術的
に難しい。そこで、本発明者は、塩化アルミニウム及び
五塩化モリブデンの気液平衡、熱分解反応、不均化反
応、昇温特性等の熱的挙動について、実験を行い、塩化
アルミニウム及び五塩化モリブデンの熱的特性を勘案
し、5kg/cm2 g以上15kg/cm2 g以下の範
囲の塩素ガス加圧下で蒸留分離することより、五塩化モ
リブデンの継続的な高純度分離が可能であることを知見
した。即ち、五塩化モリブデンの安定した継続的蒸留分
離を行うためには、塩素ガスで蒸留塔を5kg/cm2
g以上15kg/cm2 g以下の範囲の圧力に加圧した
状態で、塩化アルミニウムと五塩化モリブデンの混合物
を蒸留することが必要であることを見い出し、本発明を
完成するに到った。
化モリブデンを蒸留して五塩化モリブデン液を蒸留、分
離するに当たって、常圧蒸留法は、経済的には最もコス
トが低いが、五塩化モリブデン中に含まれている不純物
として含まれる四塩化バナジウム及び二塩化二硫黄が熱
分解して、蒸留塔の棚段に堆積し、その結果、蒸留塔の
圧力損失が増大し、従って塔頂圧力が上昇して蒸留操作
を継続することが難しくなることを見い出した。即ち、
常圧蒸留法による五塩化モリブデンの分離方法では、高
回収率で高純度の五塩化モリブデンを得ることが技術的
に難しい。そこで、本発明者は、塩化アルミニウム及び
五塩化モリブデンの気液平衡、熱分解反応、不均化反
応、昇温特性等の熱的挙動について、実験を行い、塩化
アルミニウム及び五塩化モリブデンの熱的特性を勘案
し、5kg/cm2 g以上15kg/cm2 g以下の範
囲の塩素ガス加圧下で蒸留分離することより、五塩化モ
リブデンの継続的な高純度分離が可能であることを知見
した。即ち、五塩化モリブデンの安定した継続的蒸留分
離を行うためには、塩素ガスで蒸留塔を5kg/cm2
g以上15kg/cm2 g以下の範囲の圧力に加圧した
状態で、塩化アルミニウムと五塩化モリブデンの混合物
を蒸留することが必要であることを見い出し、本発明を
完成するに到った。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る廃触媒に含まれるバナジ
ウム、ニッケル、モリブデン及びアルミニウム等の回収
方法の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の
廃触媒に含まれる上記金属類等の回収方法を実施する装
置のフローシートである。実施装置 先ず、図1を参照して、本実施形態例の方法に従って廃
触媒からモリブデン等を回収する際に使用する装置の構
成を説明する。図1は廃触媒からモリブデン等を回収す
る装置の構成を示すフローシートである。
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る廃触媒に含まれるバナジ
ウム、ニッケル、モリブデン及びアルミニウム等の回収
方法の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の
廃触媒に含まれる上記金属類等の回収方法を実施する装
置のフローシートである。実施装置 先ず、図1を参照して、本実施形態例の方法に従って廃
触媒からモリブデン等を回収する際に使用する装置の構
成を説明する。図1は廃触媒からモリブデン等を回収す
る装置の構成を示すフローシートである。
【0018】五塩化モリブデン回収装置100(以下、
簡単に回収装置100と言う)は、本実施形態例の方法
に従って廃触媒からバナジウムを四塩化バナジウムの形
態で、モリブデンを五塩化モリブデンの形態で回収する
際に使用する実施装置である。本実施装置では、以下の
如く二工程に分け、段階的に塩素化処理することに加え
て、一段での塩素化処理も可能である。回収装置100
は、図1に示すように、廃触媒の低温低圧塩素化工程で
は、四塩化バナジウム(以下、VCl4 と表記する)と
二塩化二硫黄(以下、S2 Cl 2 と表記する)との混合
蒸気を流出し、高温高圧塩素化工程では、塩化アルミニ
ウム(以下、AlCl3 と表記する)、五塩化モリブデ
ン(以下、MoCl5 と表記する)等の混合蒸気を流出
する塩素化反応器10と、混合蒸気を凝縮する凝縮装置
11と、AlCl3 液とMoCl5 液との混合液を加圧
蒸留してAlCl 3 液とMoCl5 液とに分離する蒸留
装置12と、MoCl5 液を昇華させて精製する昇華精
製装置13とから構成されている。
簡単に回収装置100と言う)は、本実施形態例の方法
に従って廃触媒からバナジウムを四塩化バナジウムの形
態で、モリブデンを五塩化モリブデンの形態で回収する
際に使用する実施装置である。本実施装置では、以下の
如く二工程に分け、段階的に塩素化処理することに加え
て、一段での塩素化処理も可能である。回収装置100
は、図1に示すように、廃触媒の低温低圧塩素化工程で
は、四塩化バナジウム(以下、VCl4 と表記する)と
二塩化二硫黄(以下、S2 Cl 2 と表記する)との混合
蒸気を流出し、高温高圧塩素化工程では、塩化アルミニ
ウム(以下、AlCl3 と表記する)、五塩化モリブデ
ン(以下、MoCl5 と表記する)等の混合蒸気を流出
する塩素化反応器10と、混合蒸気を凝縮する凝縮装置
11と、AlCl3 液とMoCl5 液との混合液を加圧
蒸留してAlCl 3 液とMoCl5 液とに分離する蒸留
装置12と、MoCl5 液を昇華させて精製する昇華精
製装置13とから構成されている。
【0019】塩素化反応器10(以下、簡単に反応器1
0と言う)は、バッチ式反応器であって、廃触媒を収容
し、下部の塩素ガス供給管14から塩素ガスを送入し
て、廃触媒を塩素化し、低温低圧塩素化工程では、廃触
媒中のバナジウム及び硫黄をVCl4 蒸気及びS2 Cl
2 蒸気の混合蒸気として塩素化反応器10の上部の流出
管15から流出させる。また、反応器10は、高温高圧
塩素化工程では、低温低圧塩素化工程で廃触媒中に残っ
たバナジウム及び硫黄をVCl4 蒸気及びS2 Cl2 蒸
気の混合蒸気として、更に廃触媒中のアルミニウム、モ
リブデン、及び鉄をAlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、
及び塩化鉄(以下、FeCl3 と表記する)蒸気等の混
合蒸気として塩素化反応器10の上部の流出管15から
流出させる。また、反応器10からは、未反応の塩素ガ
スが、混合蒸気と共に流出する。更に、反応器10に
は、塩素ガス供給管14を介して加熱窒素ガスを供給す
るために、窒素ガス供給管16が、窒素ガス加熱器17
を経由して塩素ガス供給管14に接続されている。
0と言う)は、バッチ式反応器であって、廃触媒を収容
し、下部の塩素ガス供給管14から塩素ガスを送入し
て、廃触媒を塩素化し、低温低圧塩素化工程では、廃触
媒中のバナジウム及び硫黄をVCl4 蒸気及びS2 Cl
2 蒸気の混合蒸気として塩素化反応器10の上部の流出
管15から流出させる。また、反応器10は、高温高圧
塩素化工程では、低温低圧塩素化工程で廃触媒中に残っ
たバナジウム及び硫黄をVCl4 蒸気及びS2 Cl2 蒸
気の混合蒸気として、更に廃触媒中のアルミニウム、モ
リブデン、及び鉄をAlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、
及び塩化鉄(以下、FeCl3 と表記する)蒸気等の混
合蒸気として塩素化反応器10の上部の流出管15から
流出させる。また、反応器10からは、未反応の塩素ガ
スが、混合蒸気と共に流出する。更に、反応器10に
は、塩素ガス供給管14を介して加熱窒素ガスを供給す
るために、窒素ガス供給管16が、窒素ガス加熱器17
を経由して塩素ガス供給管14に接続されている。
【0020】凝縮装置11は、2系統の凝縮装置から構
成され、一方の系統はCl2 、S2Cl2 、VCl4 、
AlCl3 、MoCl5 、そしてFeCl3 混合蒸気中
よりAlCl3 、MoCl5 、そしてFeCl3 を凝縮
させる第1の系統の凝縮装置であり、他方の系統は第1
の系統の凝縮装置で凝縮しなかったCl2 、S2 C
l 2 、VCl4 の混合蒸気よりS2 Cl2 、VCl4 を
凝縮させる第2の系統の凝縮装置である。
成され、一方の系統はCl2 、S2Cl2 、VCl4 、
AlCl3 、MoCl5 、そしてFeCl3 混合蒸気中
よりAlCl3 、MoCl5 、そしてFeCl3 を凝縮
させる第1の系統の凝縮装置であり、他方の系統は第1
の系統の凝縮装置で凝縮しなかったCl2 、S2 C
l 2 、VCl4 の混合蒸気よりS2 Cl2 、VCl4 を
凝縮させる第2の系統の凝縮装置である。
【0021】第1の系統は、高温高圧塩素化工程で流出
したCl2 、S2 Cl2 、VCl4、AlCl3 、Mo
Cl5 及びFeCl3 混合蒸気を冷却して、AlCl3
蒸気及びMoCl5 蒸気を選択的に凝縮させる冷却器2
4と、塩素ガス、S2 Cl2蒸気、VCl4 蒸気等のガ
ス成分と混合液とを分離する分離槽25と、送液管26
により蒸留装置12にAlCl3 液とMoCl5 液との
混合液を送液する送液ポンプ27とを備えている。ま
た、分離槽25からガス成分を流出させるガス流出管2
8には、分離槽25内の圧力、従って反応器10内の圧
力を制御する圧力制御装置29が設けられている。
したCl2 、S2 Cl2 、VCl4、AlCl3 、Mo
Cl5 及びFeCl3 混合蒸気を冷却して、AlCl3
蒸気及びMoCl5 蒸気を選択的に凝縮させる冷却器2
4と、塩素ガス、S2 Cl2蒸気、VCl4 蒸気等のガ
ス成分と混合液とを分離する分離槽25と、送液管26
により蒸留装置12にAlCl3 液とMoCl5 液との
混合液を送液する送液ポンプ27とを備えている。ま
た、分離槽25からガス成分を流出させるガス流出管2
8には、分離槽25内の圧力、従って反応器10内の圧
力を制御する圧力制御装置29が設けられている。
【0022】第2の系統は、第1の系統の凝縮装置のガ
ス流出管28から流出したCl2 、S2 Cl2 、VCl
4 混合蒸気を冷却して凝縮させ、S2 Cl2 液とVCl
4 液の混合液にする冷却器18と、塩素ガス等のガス成
分と混合液とを分離する分離槽19と、送液管20によ
りバナジウムの分離装置(図示せず)に混合液を送液す
る送液ポンプ21とを備えている。また、分離槽19か
らガス成分を流出させるガス流出管22には、分離槽1
9内の圧力、従って反応器10内の圧力を制御する圧力
制御装置23が設けられている。圧力制御装置23の下
流には、リサイクル・コンプレッサ64が設けてあっ
て、塩素ガスをリサイクル管65を経由して、塩素ガス
供給管14にリサイクルするようになっている。
ス流出管28から流出したCl2 、S2 Cl2 、VCl
4 混合蒸気を冷却して凝縮させ、S2 Cl2 液とVCl
4 液の混合液にする冷却器18と、塩素ガス等のガス成
分と混合液とを分離する分離槽19と、送液管20によ
りバナジウムの分離装置(図示せず)に混合液を送液す
る送液ポンプ21とを備えている。また、分離槽19か
らガス成分を流出させるガス流出管22には、分離槽1
9内の圧力、従って反応器10内の圧力を制御する圧力
制御装置23が設けられている。圧力制御装置23の下
流には、リサイクル・コンプレッサ64が設けてあっ
て、塩素ガスをリサイクル管65を経由して、塩素ガス
供給管14にリサイクルするようになっている。
【0023】蒸留装置12は、送液管26に設けられ、
混合液を所定の供給温度に加熱する加熱器30と、混合
液を蒸留して、塔頂から流出するAlCl3 蒸気と、塔
底から抜き出すMoCl5 /FeCl3 混合液とに分離
する蒸留塔32と、蒸留塔32の塔底部に設けられた再
沸器34とを備えている。また、蒸留塔32の下部に
は、塩素ガス送入管36が接続され、蒸留塔32に塩素
ガスを送入して所定圧力に加圧するようになっている。
混合液を所定の供給温度に加熱する加熱器30と、混合
液を蒸留して、塔頂から流出するAlCl3 蒸気と、塔
底から抜き出すMoCl5 /FeCl3 混合液とに分離
する蒸留塔32と、蒸留塔32の塔底部に設けられた再
沸器34とを備えている。また、蒸留塔32の下部に
は、塩素ガス送入管36が接続され、蒸留塔32に塩素
ガスを送入して所定圧力に加圧するようになっている。
【0024】塔頂からは、塩素ガスがAlCl3 蒸気と
共に塔頂流出管38を通って流出する。蒸留装置12
は、塔頂から流出したAlCl3 蒸気及び塩素ガスの混
合蒸気を冷却して、AlCl3 蒸気をAlCl3 液に凝
縮させる空気式のAlCl3 冷却器40と、AlCl3
液と塩素ガスとに分離する気液分離槽42と、AlCl
3 液を送出するAlCl3 ポンプ44と、AlCl3 液
の一部を還流として蒸留塔32に戻す還流管46と、外
部に送出される残りのAlCl3 液を冷却するAlCl
3 冷却器48とを備えている。また、気液分離槽42か
らガス成分を流出させるガス流出管43には、蒸留塔3
2の塔頂圧力を制御する圧力制御装置50が設けてあ
る。更に、蒸留装置12は、蒸留塔32の塔底から流出
するMoCl5 /FeCl 3 混合液を外部に送液するM
oCl5 ポンプ52と、MoCl5 液を冷却するMoC
l5 冷却器54とを備えている。
共に塔頂流出管38を通って流出する。蒸留装置12
は、塔頂から流出したAlCl3 蒸気及び塩素ガスの混
合蒸気を冷却して、AlCl3 蒸気をAlCl3 液に凝
縮させる空気式のAlCl3 冷却器40と、AlCl3
液と塩素ガスとに分離する気液分離槽42と、AlCl
3 液を送出するAlCl3 ポンプ44と、AlCl3 液
の一部を還流として蒸留塔32に戻す還流管46と、外
部に送出される残りのAlCl3 液を冷却するAlCl
3 冷却器48とを備えている。また、気液分離槽42か
らガス成分を流出させるガス流出管43には、蒸留塔3
2の塔頂圧力を制御する圧力制御装置50が設けてあ
る。更に、蒸留装置12は、蒸留塔32の塔底から流出
するMoCl5 /FeCl 3 混合液を外部に送液するM
oCl5 ポンプ52と、MoCl5 液を冷却するMoC
l5 冷却器54とを備えている。
【0025】昇華精製装置13は、MoCl5 液を冷却
して固化させる冷却器(図示せず)と、塩素ガス供給管
56から導入された加圧塩素ガス雰囲気中で固相のMo
Cl 5 をMoCl5 ガスに昇華させると共にMoCl5
より沸点の高い不純物を固相のままに残して気固分離す
る昇華分離器58と、昇華したMoCl5 ガス中に含ま
れている鉄化合物を塩化ナトリウムと反応させて除去す
る塩化ナトリウム(NaCl)充填塔60と、MoCl
5 ガスを凝縮させる冷却器62とを備えている。昇華分
離器58は、MoCl5 が分解しないように塩素ガス供
給管56から導入された塩素ガスにより加圧される。
して固化させる冷却器(図示せず)と、塩素ガス供給管
56から導入された加圧塩素ガス雰囲気中で固相のMo
Cl 5 をMoCl5 ガスに昇華させると共にMoCl5
より沸点の高い不純物を固相のままに残して気固分離す
る昇華分離器58と、昇華したMoCl5 ガス中に含ま
れている鉄化合物を塩化ナトリウムと反応させて除去す
る塩化ナトリウム(NaCl)充填塔60と、MoCl
5 ガスを凝縮させる冷却器62とを備えている。昇華分
離器58は、MoCl5 が分解しないように塩素ガス供
給管56から導入された塩素ガスにより加圧される。
【0026】実施方法 次に、上述の回収装置100を使って廃触媒からモリブ
デン等を回収する本実施形態例の方法を説明する。 1)廃触媒の滞油排出及び乾燥ステップ 反応器10に廃触媒を投入し、廃触媒の塩素化処理の前
処理として、有機系溶剤によって投入廃触媒を洗浄す
る。次いで、窒素ガス供給管16から窒素ガスを導入
し、流出管15、冷却器18、分離槽19、ガス流出管
22及び圧力制御装置23を介して、反応器10に窒素
ガスを循環させて、廃触媒の滞油切り及び乾燥を行う。
次いで、加熱窒素ガスを導入して、反応器10内の廃触
媒層を150℃まで昇温し、約1時間この状態を保持す
る。その後、25℃/hrの昇温速度で450℃まで昇
温し、約3時間、廃触媒層を450℃の温度に保持す
る。この間、排出管15、及び2系統の凝縮装置11の
冷却器18、24、分離槽19、25等に滞留する液体
を排出し、反応器10回りに揮発物、水分等の液体が残
存していないことを確認する。
デン等を回収する本実施形態例の方法を説明する。 1)廃触媒の滞油排出及び乾燥ステップ 反応器10に廃触媒を投入し、廃触媒の塩素化処理の前
処理として、有機系溶剤によって投入廃触媒を洗浄す
る。次いで、窒素ガス供給管16から窒素ガスを導入
し、流出管15、冷却器18、分離槽19、ガス流出管
22及び圧力制御装置23を介して、反応器10に窒素
ガスを循環させて、廃触媒の滞油切り及び乾燥を行う。
次いで、加熱窒素ガスを導入して、反応器10内の廃触
媒層を150℃まで昇温し、約1時間この状態を保持す
る。その後、25℃/hrの昇温速度で450℃まで昇
温し、約3時間、廃触媒層を450℃の温度に保持す
る。この間、排出管15、及び2系統の凝縮装置11の
冷却器18、24、分離槽19、25等に滞留する液体
を排出し、反応器10回りに揮発物、水分等の液体が残
存していないことを確認する。
【0027】2)廃触媒の降温ステップ 次いで、加熱しない窒素ガスを反応器10に導入して、
反応器10内の廃触媒層を強制的に100℃まで冷却
し、この状態を暫時保持する。
反応器10内の廃触媒層を強制的に100℃まで冷却
し、この状態を暫時保持する。
【0028】塩素化工程としては、一段階で行うことも
できるものの、以下の如く段階的に進めるのが望まし
い。 3)廃触媒の低温低圧塩素化工程 次いで、反応器10に塩素ガスを塩素供給管14から導
入し始め、続いて塩素を徐々に増加させて行く。塩素ガ
スの導入と同時にその発熱反応により、反応器10内の
廃触媒の温度が上昇するので、塩素ガスの導入に際し
て、廃触媒層の温度を注視する。そして、塩素ガスの導
入流量を調整し、廃触媒層の温度が130℃以上になら
ないようにする。
できるものの、以下の如く段階的に進めるのが望まし
い。 3)廃触媒の低温低圧塩素化工程 次いで、反応器10に塩素ガスを塩素供給管14から導
入し始め、続いて塩素を徐々に増加させて行く。塩素ガ
スの導入と同時にその発熱反応により、反応器10内の
廃触媒の温度が上昇するので、塩素ガスの導入に際し
て、廃触媒層の温度を注視する。そして、塩素ガスの導
入流量を調整し、廃触媒層の温度が130℃以上になら
ないようにする。
【0029】廃触媒の塩素化により、廃触媒に堆積した
硫黄はS2Cl2として、またバナジウムはVCl4 とし
て、それぞれ揮発性化合物となって廃触媒から蒸発し、
気固分離される。S2Cl2蒸気およびVCl4 蒸気の混
合蒸気は、反応器10から流出管15を介して流出し、
凝縮装置11の第2系統の冷却器18で冷却されて凝縮
し、分離槽19で同伴した窒素ガス及び塩素ガスから気
液分離される。なお、廃触媒中のたニッケル、モリブデ
ン等の金属は、廃触媒中に塩化物として残存し、混合蒸
気に混入するようなことは殆どない。廃触媒層の温度上
昇が緩慢になった時点で、廃触媒層の温度を注視しなが
ら、Cl2流量を所定値、例えば1.0リットル−廃触
媒/分まで増加する。その後、徐々に廃触媒層の温度を
150℃まで昇温し、その状態を約90分間保持する。
次いで、反応器下流に設けた分析計(図示せず)によ
り、バナジウムの塩素化反応が完結し、四塩化バナジウ
ムが流出しないことを確認する。
硫黄はS2Cl2として、またバナジウムはVCl4 とし
て、それぞれ揮発性化合物となって廃触媒から蒸発し、
気固分離される。S2Cl2蒸気およびVCl4 蒸気の混
合蒸気は、反応器10から流出管15を介して流出し、
凝縮装置11の第2系統の冷却器18で冷却されて凝縮
し、分離槽19で同伴した窒素ガス及び塩素ガスから気
液分離される。なお、廃触媒中のたニッケル、モリブデ
ン等の金属は、廃触媒中に塩化物として残存し、混合蒸
気に混入するようなことは殆どない。廃触媒層の温度上
昇が緩慢になった時点で、廃触媒層の温度を注視しなが
ら、Cl2流量を所定値、例えば1.0リットル−廃触
媒/分まで増加する。その後、徐々に廃触媒層の温度を
150℃まで昇温し、その状態を約90分間保持する。
次いで、反応器下流に設けた分析計(図示せず)によ
り、バナジウムの塩素化反応が完結し、四塩化バナジウ
ムが流出しないことを確認する。
【0030】4)廃触媒の高温高圧塩素化工程 次いで、圧力3kg/cm2 g下で、Cl2流量を1リ
ットル/廃触媒gr−分に維持しつつ、反応器10中の
廃触媒を徐々に昇温し、350℃にする。この過程で、
未反応の硫黄、バナジウム化合物、ニッケル化合物が塩
素化されると共に、低温低圧塩素化工程では殆ど塩素化
されなかったアルミニウム、モリブデン、鉄化合物等が
塩素化され、AlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、FeC
l3 蒸気として反応器10から流出する。ニッケルは固
相のNiCl2 に転化し、廃触媒中に存在する。そし
て、MoCl5 蒸気が流出しなくなるまで、350℃に
反応器10の温度を維持する。S2 Cl2 蒸気、VCl
4 蒸気、AlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、及びFeC
l3 蒸気の混合蒸気は、反応器10から流出管15を介
して流出し、凝縮装置11の第1系統の冷却器24で冷
却されて、一部のAlCl3 蒸気、MoCl5蒸気、及
びFeCl3 蒸気が選択的に凝縮して分離槽25に入
り、同伴した窒素ガス及び塩素ガス並びに未凝縮のS2
Cl2 蒸気、VCl4 蒸気、残部のAlCl3 蒸気から
気液分離される。
ットル/廃触媒gr−分に維持しつつ、反応器10中の
廃触媒を徐々に昇温し、350℃にする。この過程で、
未反応の硫黄、バナジウム化合物、ニッケル化合物が塩
素化されると共に、低温低圧塩素化工程では殆ど塩素化
されなかったアルミニウム、モリブデン、鉄化合物等が
塩素化され、AlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、FeC
l3 蒸気として反応器10から流出する。ニッケルは固
相のNiCl2 に転化し、廃触媒中に存在する。そし
て、MoCl5 蒸気が流出しなくなるまで、350℃に
反応器10の温度を維持する。S2 Cl2 蒸気、VCl
4 蒸気、AlCl3 蒸気、MoCl5 蒸気、及びFeC
l3 蒸気の混合蒸気は、反応器10から流出管15を介
して流出し、凝縮装置11の第1系統の冷却器24で冷
却されて、一部のAlCl3 蒸気、MoCl5蒸気、及
びFeCl3 蒸気が選択的に凝縮して分離槽25に入
り、同伴した窒素ガス及び塩素ガス並びに未凝縮のS2
Cl2 蒸気、VCl4 蒸気、残部のAlCl3 蒸気から
気液分離される。
【0031】廃触媒の高温高圧塩素化工程を経て、廃触
媒に堆積した硫黄はS2Cl2として、またバナジウムは
VCl4 として、アルミニウムはAlCl3 蒸気とし
て、モリブデンはMoCl5 蒸気として、鉄化合物はF
eCl3 蒸気として、それぞれ、揮発性化合物となって
廃触媒から蒸発し、気固分離される。一方、ニッケルは
NiCl2 に転化し、廃触媒中に存在する。
媒に堆積した硫黄はS2Cl2として、またバナジウムは
VCl4 として、アルミニウムはAlCl3 蒸気とし
て、モリブデンはMoCl5 蒸気として、鉄化合物はF
eCl3 蒸気として、それぞれ、揮発性化合物となって
廃触媒から蒸発し、気固分離される。一方、ニッケルは
NiCl2 に転化し、廃触媒中に存在する。
【0032】5)加圧蒸留 350℃での塩素化反応が終了した時点で、分離槽25
中のAlCl3 液およびMoCl5/FeCl3 液の混
合液を、加熱器30を経て蒸留塔32に導入する。蒸留
塔32に塩素ガス供給管36から塩素ガスを導入するこ
とにより、蒸留塔32の塔頂圧力が、常時、5kg/c
m2gから15kg/cm2gの範囲の圧力、例えば10
kg/cm2gに保持され、AlCl3 及びMoCl5が
熱分解されないようになっている。
中のAlCl3 液およびMoCl5/FeCl3 液の混
合液を、加熱器30を経て蒸留塔32に導入する。蒸留
塔32に塩素ガス供給管36から塩素ガスを導入するこ
とにより、蒸留塔32の塔頂圧力が、常時、5kg/c
m2gから15kg/cm2gの範囲の圧力、例えば10
kg/cm2gに保持され、AlCl3 及びMoCl5が
熱分解されないようになっている。
【0033】蒸留塔32の塔頂から流出したAlCl3
ガス及び塩素ガス等の混合ガスは冷却器40で冷却され
て、AlCl3 が液化し、次いで気液分離器42で塩素
ガス等のガス成分から分離される。AlCl3 は気液分
離槽42から流出し、一部が還流管46から蒸留塔32
の塔頂部に還流として戻され、残りは、冷却器48で冷
却された後、外部のAlCl3 製品タンクに移送貯蔵さ
れる。
ガス及び塩素ガス等の混合ガスは冷却器40で冷却され
て、AlCl3 が液化し、次いで気液分離器42で塩素
ガス等のガス成分から分離される。AlCl3 は気液分
離槽42から流出し、一部が還流管46から蒸留塔32
の塔頂部に還流として戻され、残りは、冷却器48で冷
却された後、外部のAlCl3 製品タンクに移送貯蔵さ
れる。
【0034】蒸留塔32の塔底では、MoCl5の一部
が再沸器34に流入して加熱されて蒸気になって、再び
蒸留塔32に流入し、熱収支のための熱源となる。蒸留
塔32の塔底から流出するMoCl5 は、MoCl5 ポ
ンプ52より冷却器54を経て外部のMoCl5貯蔵タ
ンク55に移送貯蔵される。移送されたMoCl5 液
は、不純物として微量のFeCl3 固相微粒子及び高沸
点金属塩化物を含んでいる。
が再沸器34に流入して加熱されて蒸気になって、再び
蒸留塔32に流入し、熱収支のための熱源となる。蒸留
塔32の塔底から流出するMoCl5 は、MoCl5 ポ
ンプ52より冷却器54を経て外部のMoCl5貯蔵タ
ンク55に移送貯蔵される。移送されたMoCl5 液
は、不純物として微量のFeCl3 固相微粒子及び高沸
点金属塩化物を含んでいる。
【0035】6)MoCl5 の昇華精製工程 不純物を含んでいるMoCl5 液は、昇華分離法によ
り、更に精製される。MoCl5 は、冷却されて固相と
なり、次いで温度が190℃に維持され、かつMoCl
5 が分解しないように、塩素ガス供給管56から導入さ
れた塩素ガスにより圧力0.5kg/cm2 gに維持さ
れている昇華分離器58に導入される。高沸点金属塩化
物はそのまま固相として残り、MoCl5 は、不純物の
FeCl3固相微粒子を同伴して昇華して、気固分離さ
れる。昇華したMoCl5 ガスは、加熱器(図示せず)
により300℃から400℃に加熱された後、NaCl
充填塔60に導入され、FeCl3 はNaClと反応
し、NaFeCl4 となり、MoCl5 ガスから除去さ
れる。MoCl5 ガスは冷却器62により冷却されて外
部に送出される。
り、更に精製される。MoCl5 は、冷却されて固相と
なり、次いで温度が190℃に維持され、かつMoCl
5 が分解しないように、塩素ガス供給管56から導入さ
れた塩素ガスにより圧力0.5kg/cm2 gに維持さ
れている昇華分離器58に導入される。高沸点金属塩化
物はそのまま固相として残り、MoCl5 は、不純物の
FeCl3固相微粒子を同伴して昇華して、気固分離さ
れる。昇華したMoCl5 ガスは、加熱器(図示せず)
により300℃から400℃に加熱された後、NaCl
充填塔60に導入され、FeCl3 はNaClと反応
し、NaFeCl4 となり、MoCl5 ガスから除去さ
れる。MoCl5 ガスは冷却器62により冷却されて外
部に送出される。
【0036】7)ニッケルの回収工程 高温高圧塩素化工程を経た廃触媒上には、NiCl2 及
びCoCl2 が固相として形成されているので、廃触媒
を別の反応器(図示せず)に移送し、100℃以下の温
水に浸漬し、NiCl2 /CoCl2 水溶液として回収
する。NiCl2 /CoCl2 水溶液を窒素雰囲気下で
蒸発乾固させ、更に溶融電解することにより、高純度の
Ni及びCoとして製品化することができる。
びCoCl2 が固相として形成されているので、廃触媒
を別の反応器(図示せず)に移送し、100℃以下の温
水に浸漬し、NiCl2 /CoCl2 水溶液として回収
する。NiCl2 /CoCl2 水溶液を窒素雰囲気下で
蒸発乾固させ、更に溶融電解することにより、高純度の
Ni及びCoとして製品化することができる。
【0037】実施例 本発明方法を評価するために、上述した実施装置100
と同じ構成の実験装置を作製し、上述した方法により以
下の仕様の廃触媒から五塩化モリブデンの回収を行っ
た。 1)廃触媒の由来 原料油 ;アラビアン・ヘビー常圧残渣油 反応 ;水素化脱硫 反応圧力 ;140kg/cm2g 反応温度(平均);390℃ 空筒速度 ;0.6Hr-1 処理時間 ;8,000Hrs
と同じ構成の実験装置を作製し、上述した方法により以
下の仕様の廃触媒から五塩化モリブデンの回収を行っ
た。 1)廃触媒の由来 原料油 ;アラビアン・ヘビー常圧残渣油 反応 ;水素化脱硫 反応圧力 ;140kg/cm2g 反応温度(平均);390℃ 空筒速度 ;0.6Hr-1 処理時間 ;8,000Hrs
【0038】2)原触媒の組成(質量%) Al2O3 88.7 Co 1.9 Mo 9.4 S 0 V 0 Ni 0 Fe 0 C 0 その他 0
【0039】3)廃触媒の組成(質量%) Al2O3 46.3 Co 1.0 Mo 4.9 S 17.0 V 18.8 Ni 2.3 Fe 0.6 C 9.1 その他 −
【0040】4)低温低圧塩素化工程の運転条件 温度:150℃ 圧力:常圧 5)高温高圧塩素化工程の運転条件 温度:150℃から徐々に350℃に昇温し、350℃
で維持 圧力:3kg/cm2 g 6)加圧蒸留の運転条件 塔頂圧力:10kg/cm2g 塔底温度:320℃ 塔頂温度:250℃ 還流比 :50 MoCl5 の純度:98%
で維持 圧力:3kg/cm2 g 6)加圧蒸留の運転条件 塔頂圧力:10kg/cm2g 塔底温度:320℃ 塔頂温度:250℃ 還流比 :50 MoCl5 の純度:98%
【0041】7)MoCl5 の精製工程の運転条件 昇華分離器の温度 :300〜400℃ NaOH充填層の温度:300〜400℃ MoCl5 の純度:99.0%
【0042】
【発明の効果】本発明方法によれば、低温低圧塩素化工
程で、廃触媒中のバナジウムを四塩化バナジウム蒸気と
して回収し、高温高圧塩素化工程で、廃触媒中のモリブ
デンを五塩化モリブデン蒸気として回収することによ
り、高回収率で廃触媒中のモリブデンを回収することが
できる。更に、高温高圧塩素化工程で得た五塩化モリブ
デン蒸気を加圧蒸留法及び昇華分離法により処理して、
高純度の五塩化モリブデンとして製品化することができ
る。
程で、廃触媒中のバナジウムを四塩化バナジウム蒸気と
して回収し、高温高圧塩素化工程で、廃触媒中のモリブ
デンを五塩化モリブデン蒸気として回収することによ
り、高回収率で廃触媒中のモリブデンを回収することが
できる。更に、高温高圧塩素化工程で得た五塩化モリブ
デン蒸気を加圧蒸留法及び昇華分離法により処理して、
高純度の五塩化モリブデンとして製品化することができ
る。
【図1】実施形態例の廃触媒に含まれるモリブデン等の
回収方法を実施する装置のフローシートである。
回収方法を実施する装置のフローシートである。
100 五塩化モリブデン回収装置 10 塩素化反応器 11 凝縮装置 12 蒸留装置 13 昇華精製装置 14 塩素ガス供給管 15 流出管 16 窒素ガス供給管 17 窒素ガス加熱器 18、24 冷却器 19、25 分離槽 20、26 送液管 21、27 送液ポンプ 22、28 ガス流出管 23、29 圧力制御装置 30 加熱器 32 蒸留塔 34 再沸器 36 塩素ガス送入管 38 塔頂流出管 40 AlCl3 冷却器 42 気液分離槽 44 AlCl3 ポンプ 46 還流管 48 S2 Cl2 冷却器 50 圧力制御装置 52 MoCl5 ポンプ 54 MoCl5 冷却器 56 塩素ガス供給管 58 昇華分離器 60 NaCl充填塔 62 冷却器 64 リサイクル・コンプレッサ 65 リサイクル管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 健雄 横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番1号 千 代田化工建設株式会社内 (72)発明者 遠藤 繁 横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番1号 千 代田化工建設株式会社内 (72)発明者 恩田 信博 横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番1号 千 代田化工建設株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA47 AB03 BA05 CA22 CA34 CA50 CC01 CC11 DA02 DA03 DA06 DA07 4G048 AA03 AB08 AD03 AE02
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともバナジウム及びモリブデンを
含む廃触媒に塩素化処理を施して、廃触媒からバナジウ
ム及びモリブデンを回収する方法であって、 廃触媒に焙焼処理を施すことなく、大気圧以上の圧力、
かつ室温から350℃に昇温しつつ塩素化剤により金属
成分を塩素化し、五塩化モリブデン等の金属塩素化物蒸
気を生成する塩素化工程を有することを特徴とする、廃
触媒に含まれるモリブデン等の回収方法。 - 【請求項2】 少なくともバナジウム及びモリブデンを
含む廃触媒に塩素化処理を施して、廃触媒からバナジウ
ム及びモリブデンを回収する方法であって、 廃触媒に焙焼処理を施すことなく、大気圧以上の圧力、
かつ100℃以上150℃以下の範囲の温度で、廃触媒
の触媒担体及び触媒担持金属以外の成分を塩素化剤によ
り塩素化し、四塩化バナジウム蒸気を生成する低温低圧
塩素化工程と、 低温低圧塩素化工程を経た廃触媒を、大気圧以上の圧力
下で温度150℃から350℃に昇温しつつ塩素化剤に
より塩素化し、五塩化モリブデン蒸気を生成する高温高
圧塩素化工程とを有することを特徴とする、廃触媒に含
まれるモリブデン等の回収方法。 - 【請求項3】 高温高圧塩素化工程では、塩化アルミニ
ウム、並びに低温低圧塩素化工程で残留した二塩化硫黄
及び四塩化バナジウムが気化して、五塩化モリブデン蒸
気との混合蒸気を生成することを特徴とする請求項2に
記載の廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法。 - 【請求項4】 高温高圧塩素化工程で得た、二塩化硫
黄、四塩化バナジウム、塩化アルミニウム及び五塩化モ
リブデンの混合蒸気を冷却して、塩化アルミニウム及び
五塩化モリブデンを選択的に液化する液化工程と、 塔頂圧力が5kg/cm2 g以上15kg/cm2 g以
下の塩素ガスによる加圧蒸留法により、液化工程で得た
塩化アルミニウムと五塩化モリブデンとの混合液を蒸留
して、塩化アルミニウム液と、五塩化モリブデン液とに
分離する分離工程と、 分離工程で得た五塩化モリブデンを塩素ガス加圧昇華法
により五塩化モリブデン蒸気として昇華させ、次いで不
純物として含まれる鉄化合物をアルカリ金属との反応に
より除去する精製工程とを有することを特徴とする請求
項3に記載の廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24465199A JP2001072422A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24465199A JP2001072422A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001072422A true JP2001072422A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17121929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24465199A Pending JP2001072422A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 廃触媒に含まれるモリブデン等の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001072422A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107344100A (zh) * | 2016-05-06 | 2017-11-14 | 北京华宇同方化工科技开发有限公司 | 一种失活HgCl2/AC 催化剂的再生方法 |
JP2022107647A (ja) * | 2017-12-14 | 2022-07-22 | 日本エア・リキード合同会社 | 固体材料の前処理方法およびその固体材料前処理方法により製造された固体材料が充填されている固体材料製品 |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24465199A patent/JP2001072422A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107344100A (zh) * | 2016-05-06 | 2017-11-14 | 北京华宇同方化工科技开发有限公司 | 一种失活HgCl2/AC 催化剂的再生方法 |
CN107344100B (zh) * | 2016-05-06 | 2020-06-02 | 北京华宇同方化工科技开发有限公司 | 一种失活HgCl2/AC催化剂的再生方法 |
JP2022107647A (ja) * | 2017-12-14 | 2022-07-22 | 日本エア・リキード合同会社 | 固体材料の前処理方法およびその固体材料前処理方法により製造された固体材料が充填されている固体材料製品 |
JP7434698B2 (ja) | 2017-12-14 | 2024-02-21 | 日本エア・リキード合同会社 | 固体材料の前処理方法およびその固体材料前処理方法により製造された固体材料が充填されている固体材料製品 |
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