JP2001071346A - 複数層射出成形方法及び複数層射出成形装置 - Google Patents

複数層射出成形方法及び複数層射出成形装置

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JP2001071346A
JP2001071346A JP25164699A JP25164699A JP2001071346A JP 2001071346 A JP2001071346 A JP 2001071346A JP 25164699 A JP25164699 A JP 25164699A JP 25164699 A JP25164699 A JP 25164699A JP 2001071346 A JP2001071346 A JP 2001071346A
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resin
cavity
mold
molten resin
injection unit
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Tsutomu Kawamura
勉 河村
Yoshinosuke Noguchi
由之介 野口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スキン層の内部に確実にコア層を形成する樹
脂を埋設することができ、しかも、塩化ビニル樹脂やコ
ア層にリサイクル樹脂を使用することのできる複数層射
出成形方法、及び、この複数層射出成形方法に好適な複
数層射出成形装置を提供する。 【解決手段】 第一射出ユニット7から溶融した樹脂を
キャビティ29内の空間を充満させるには不十分な量だ
けキャビティ29内に射出し、ガスを注入して溶融した
樹脂の内部に空洞を設けた後、このガスを抜いて、第二
射出ユニット8から溶融した樹脂を前記空洞の中に射出
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数層射出成形方法
及びこの複数層射出成形方法に好適な複数層射出成形装
置に関する。特に、リサイクル樹脂や塩化ビニル樹脂に
好適な複数層射出成形方法及び複数層射出成形装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】二層射出成形方法、三層射出成形方法等
の複数層射出成形方法としては種々な方法が知られてい
る。例えば、特開平8−323808号公報、特開平4
−339616号公報、特開平3−24920号公報
に、特開昭60−248328号公報記載あるように、
第二射出ユニットからコア層を形成する溶融した樹脂
と、このコア層を形成する樹脂の周囲を囲むようにして
第一射出ユニットからスキン層を形成する溶融した樹脂
を金型のキャビティ内に射出する方法が知られている。
【0003】又、特開平8−224754号公報、特開
平3−24920号公報、特開昭57−188327号
公報に記載あるように、第一射出ユニットからスキン層
を形成する溶融した樹脂をキャビティ内の空間を充満さ
せるには不十分な量だけキャビティ内に射出した後、第
二射出ユニットからキャビテー内にコア層を形成する溶
融した樹脂を射出して、前記樹脂の中に潜り込ませる方
法が知られている。
【0004】又、特開平6−126769号公報に記載
あるように、第一射出ユニットから金型のキャビティ内
に溶融した樹脂を射出した後、金型を後退させて、この
後退した部分に空洞を設け、この空洞の中に第二射出ユ
ニットから別の溶融した樹脂を射出する方法が知られて
いる。
【0005】このように、第一射出ユニットと第二射出
ユニットから溶融した樹脂を金型のキャビティ内に射出
して複数層射出成形品を製造する方法に使用する複数層
射出成形装置は、通常、特開平10−128796号公
報に記載されているように、金型と、この金型の固定金
型側の先端に取り付けられた連結装置とを固定金型側支
持部材と移動金型側支持部材で支持した装置が多く使用
されている。この際、連結装置は、複数の射出ユニット
から射出された溶融した樹脂の通路が1本に連結された
通路を備えていて、この1本に連結された通路が金型の
キャビティ内に通じている。そして、この複数層射出成
形装置は第一射出ユニットや第二射出ユニットから射出
された溶融した樹脂をこの連結装置の通路を通して金型
のキャビティ内に射出するものである。
【0006】一方、溶融した樹脂が冷却し固体になる際
に、体積が減少する。そのために、厚みの異なる製品の
場合には、厚い部分の体積が多く減少し、この冷却した
製品の表面に、ヒケと称する凹部が発生する。かかるこ
とを防止するために、ガスアシスト射出成形方法が知ら
れている。このガスアシスト射出成形方法は、ショート
ショット法、フルショット法、コアバック法などがあ
る。
【0007】このガスアシスト射出形成方法を利用し
て、内部に発泡層を有する成形品を製造する複数層射出
成形方法が、例えば、特公昭63−31369号公報、
特開平2−286214号公報等に記載されているよう
に知られている。この特公昭60−31369号公報に
記載されている方法は、スキン層を形成する溶融した発
泡性樹脂とコア層を形成する溶融した発泡性樹脂とを金
型のキャビティ内の空間を充満させるには不十分な量だ
けキャビティ内に射出した後、圧力を減じてコア層を形
成する発泡性樹脂を多く発泡させる方法である。
【0008】又、特開平2−286214号公報に記載
されている方法は、溶融した発泡性樹脂を金型のキャビ
ティ内に射出させた後、ガスを加圧注入して溶融した樹
脂の内部に空洞を設けると同時に、溶融した発泡性樹脂
をキャビティの内周面に圧着させ、ガスを抜いて溶融し
た発泡性樹脂を発泡させて前記空洞内に膨張させる方法
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平8
−323808号公報等に記載されているような、コア
層を形成する溶融した樹脂と、このコア層を形成する樹
脂を囲むようにしてスキン層を形成する溶融した樹脂を
射出する方法では、コア層を形成する樹脂がスキン層の
中に確実に埋設され難く、時々、コア層を形成する樹脂
が表面に現れることがある。特に、樹脂の流れ方向の先
端や末尾にコア層を形成する樹脂が現れることが多い。
このために、予めスキン層を形成する溶融した樹脂を射
出したり、後からスキン層を形成する溶融した樹脂を射
出して、前端面や後端面を塞ぐことが行われているが、
極めて煩瑣である。
【0010】又、特開平8−224754号公報等に記
載されているような、スキン層を形成する溶融した樹脂
を射出した後に、コア層を形成する溶融した樹脂を射出
する方法では、コア層を形成する樹脂がスキン層を形成
する樹脂の所定位置に確実に埋設されないという問題が
ある。特に、厚みの薄い製品の場合には、スキン層が均
一な厚みにならなず、スキン層の一部が破れて、ここに
コア層が現れるという問題がある。
【0011】更に、上記特開平8−323808号公
報、特開平8−224754号公報等に記載されている
複数層射出成形方法は、例えば、コア層を形成する樹脂
としてリサイクル樹脂を使用し、スキン層を形成する樹
脂として新しい樹脂を使用する場合には、コア層を形成
する溶融した樹脂の流れとスキン層を形成する溶融した
樹脂の流れの差が大きいので、スキン層の樹脂の中にコ
ア層としてリサイクル樹脂が入り難い。特に、最近で
は、樹脂をリサイクルして公害の発生を少なくするため
に、大量のリサイクル樹脂を利用する必要がある。従っ
て、コア層に使用するリサイクル樹脂を多くし、スキン
層を薄くしたいが、このようにすると、上記方法では、
表面にコア層のリサイクル樹脂が現れて良好な製品にな
り難いという問題がある。
【0012】又、特開平6−126769号公報に記載
されているような、溶融した樹脂を射出した後に、金型
を後退させて、この後退した部分に溶融した樹脂を射出
する方法では、金型を後退させた場所にのみ第二射出ユ
ニットから射出した樹脂が設けられる。従って、この方
法ではスキン層を形成する樹脂の中にコア層を埋設した
複数層の成形品を製造することができない。
【0013】又、特開平10−128796号公報に記
載されているような、移動金型側支持部材と固定金型側
支持部材で金型と連結装置を支持する複数層射出成形装
置では、連結装置があるだけ、固定金型と固定金型側支
持部材との間の距離が狭くなり、大きな固定金型を取り
付けることができず、従って、大きな製品を製造できな
いという問題がある。又、連結装置と固定金型との間が
ズレたり、撓み易くなる。従って、連結装置を強固に取
り付けたり、連結装置を頑丈にする必要があり、高価に
なるという問題がある。
【0014】又、この複数層射出成形装置では、射出ユ
ニットから金型までの樹脂の通路が、固定金型側支持部
材と連結装置を通って金型に到るというように、長いの
で、分解し易い塩化ビニル樹脂を使用すると、この長い
通路に溶融した塩化ビニル樹脂が滞留し、この滞留して
いる間に塩化ビニル樹脂が一部分解し、次に、射出ユニ
ットから射出された溶融した塩化ビニル樹脂と一緒にな
って金型のキャビティ内に流れてゆく。従って、製品の
中に分解した塩化ビニル樹脂が含まれ変色した成形品と
なり、良好な塩化ビニル樹脂の複数層射出成形品を製造
し難いという問題がある。
【0015】又、特公昭63−31369号公報等に記
載されているような、ガスアシスト法を利用する方法
は、コアに発泡した樹脂の層を設ける場合には有効であ
るが、コアー層が発泡しない製品、例えば、樹脂の色や
種類が異なったり、新しい樹脂とリサイクル樹脂とから
なる製品を製造する場合には適しない。そこで、本発明
の目的は、スキン層の内部に確実にコア層を形成する樹
脂を埋設することができ、しかも、塩化ビニル樹脂やコ
ア層にリサイクル樹脂を使用することのできる複数層射
出成形方法、及び、この複数層射出成形方法に好適な複
数層射出成形装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたものであって、請求項1記載の発明
は、第一射出ユニットから溶融した樹脂を金型のキャビ
ティ内の空間を充満させるには不十分な量だけキャビテ
ィ内に射出し、ガスを注入して溶融した樹脂の内部に空
洞を設けた後、ガスを抜いて、第二射出ユニットから溶
融した樹脂を前記空洞の中に射出することを特徴とする
複数層射出成形方法である。
【0017】この請求項1記載の発明において、第一射
出ユニットとは外側層を形成させる樹脂を射出する射出
ユニットであり、第二射出ユニットとは、外側層の中に
挿入される樹脂を射出する射出ユニットのことを意味す
る。即ち、二層射出成形の場合には、第一射出ユニット
から溶融した樹脂を金型のキャビティ内に射出し、ガス
を注入して溶融した樹脂を金型キャビティの内周面に圧
着した後、第二射出ユニットから溶融した樹脂を空洞の
中に充満するだけ射出すればよい。又、三層射出成形の
場合には、第二射出ユニットを2台取り付け、第一射出
ユニットから二層射出成形の場合と同様に射出した後、
第二射出ユニットから溶融した樹脂を空洞の空間を充満
させるに不十分な量だけ射出し、ガスを注入して空洞を
設けた後、ガスを抜く。そして、この第一射出ユニット
と第二射出ユニットから射出された樹脂を新たな第一射
出ユニットとして、別の第二射出ユニットから溶融した
樹脂を空洞の中に充満すればよい。このようにして射出
成形ユニットから溶融した樹脂を所定回数繰り返すこと
により、複数層の製品を製造するのである。
【0018】請求項2記載の発明は、第一射出ユニット
から溶融した樹脂を金型のキャビティ内の空間を充満さ
せるには不十分な量だけキャビティ内に射出し、ガスを
注入して溶融した樹脂の内部に空洞を設けると同時に、
キャビティの内周面に溶融した樹脂を圧着させてスキン
層を形成した後、ガスを抜いて、第二射出ユニットから
溶融したリサイクル樹脂を前記空洞の中に射出してコア
層を形成することを特徴とする複数層射出成形方法であ
る。
【0019】この請求項1記載の発明や請求項2記載の
発明に使用するガスとは、空気、窒素、炭酸ガス等の適
宜の気体が使用可能であるが、窒素ガスが溶融した樹脂
に影響がなく最も好適である。
【0020】又、空洞の中にガスを注入したりガスを抜
いているが、このガスを注入したりガスを抜く場所は適
宜でよい。例えば、射出ユニットのノズルやバレル、又
は、プランジャやスクリュー等に通孔を設け、この通孔
からガスを注入したりガスを抜くようにしてもよい。
又、ガスを注入する通孔とガスを抜く通孔とは兼用にし
てもよいし、別々に設けてもよい。又、ガスを抜く場所
としては、特公昭60−248328号公報に記載され
ているように移動金型と固定金型の隙間から抜くように
してもよい。
【0021】請求項3記載の発明は、複数の射出ユニッ
トから溶融した樹脂を固定金型と移動金型とからなる金
型のキャビティ内に射出して複数層の成形品を製造する
複数層射出成形装置であって、前記金型は固定金型側支
持部材と移動金型側支持部材とに支持され、この固定金
型側支持部材には、連結装置が設けられ、この連結装置
には、複数の射出ユニットから射出された溶融した樹脂
の通路が1本に連結された通路を備え、この1本の連結
された通路が金型のキャビティ内に通じていることを特
徴とする複数層射出成形装置である。
【0022】請求項4記載の発明は、複数の射出ユニッ
トから溶融した樹脂を金型のキャビティ内に射出して複
数層の成形品を製造する複数層射出成形装置であって、
前記複数の射出ユニットの中の第一射出ユニットのノズ
ルに設けられている溶融した樹脂の通路が金型のキャビ
ティ内に通じ、その他の第二射出ユニットの溶融した樹
脂の通路は、前記第一射出ユニットのノズルに設けられ
ている通路を介して金型のキャビティ内に通じているこ
とを特徴とする複数層射出成形装置である。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明に係り、前記第二射出ユニットの先端にバルブが設け
られていることを特徴とする複数層射出成形装置であ
る。
【0024】(作用)請求項1記載の発明では、第一射
出ユニットから溶融した樹脂を金型のキャビティ内の空
間を充満させるには不十分な量だけキャビティ内に射出
し、ガスを注入して溶融した樹脂の内部に空洞を設ける
ので、第一射出ユニットから射出されたキャビティ内の
空間を充満させるに不十分な量の溶融した樹脂は、注入
されたガスによって膨張させられ内部に空洞が設けられ
ると同時に、溶融した樹脂がキャビティ内の空間の内周
面、即ち、キャビティの内周面や、先に射出された樹脂
が形成した空洞の内周面に、圧着する。
【0025】その後、ガスを抜いて、第二射出ユニット
から溶融した樹脂を前記空洞の中に射出するので、この
第二射出ユニットから射出した溶融した樹脂は、前記ガ
スによって形成された空洞の中に確実に埋設される。従
って、第一射出ユニットから射出された溶融した樹脂が
新しい樹脂で、第二射出ユニットから射出された溶融し
た樹脂がリサイクル樹脂であっても、又、キャビティの
内周面に圧着している最初に射出した溶融した樹脂(ス
キン層を形成する樹脂)が薄くても、第二射出ユニット
から射出された溶融した樹脂が表面に現れることがな
い。
【0026】請求項2記載の発明では、第一射出ユニッ
トから溶融した樹脂を金型のキャビティ内の空間を充満
させるには不十分な量だけキャビティ内に射出し、ガス
を注入して溶融した樹脂の内部に空洞を設けると同時
に、キャビティの内周面に溶融した樹脂を圧着させてス
キン層を形成するので、この第一射出ユニットから射出
された樹脂はキャビティの内周面に隙間なく圧着する。
【0027】その後、ガスを抜いて、第二射出ユニット
から溶融したリサイクル樹脂を前記空洞の中に射出して
コア層を形成するので、この第二射出ユニットから射出
された溶融したコア層を形成する樹脂は、スキン層の中
に確実に埋設される。従って、このスキン層が薄く、コ
ア層のリサイクル樹脂が大きな容積を占める製品であっ
ても、表面にリサイクル樹脂が現れることがない。この
ようになっているので、この請求項2記載の発明では、
製品に大量のリサイクル樹脂を使用することができる。
【0028】請求項3記載の発明では、複数の射出ユニ
ットから溶融した樹脂を固定金型と移動金型とからなる
金型のキャビティ内に射出して複数層の成形品を製造す
る複数層射出成形装置であって、前記金型は固定金型側
支持部材と移動金型側支持部材とに支持され、この固定
金型側支持部材には、連結装置が設けられ、この連結装
置には、複数の射出ユニットから射出された溶融した樹
脂の通路が1本に連結された通路を備え、この1本の連
結された通路が金型のキャビティ内に通じているので、
複数の射出ユニットから射出された樹脂を連結装置を通
して金型のキャビティ内に射出させることができるし、
固定金型と固定金型側支持部材との間に連結装置を設け
だけの隙間を設ける必要がなく、大型の固定金型が使用
可能である。
【0029】又、連結装置は固定金型側支持部材に設け
られているので、固定金型等を固定金型側支持部材に支
持させて、この連結装置に固定金型等の重量がかからな
くすることができる。従って、この連結装置を簡単な構
造にして、安価にすることができる。又、溶融した樹脂
が連結装置を経て金型に通じているので、従来のよう
に、固定金型側支持部材、連結装置を経て金型に通じて
いるときと比較して溶融した樹脂の通路が短い。従っ
て、塩化ビニル樹脂のような分解し易い樹脂でも、滞留
する樹脂の量が少なくすることができ、良好な製品を製
造することができる。
【0030】又、この複数層射出成形装置にガスを注入
する管やガスを抜く管を設けることにより、請求項1お
よび2記載の方法で複数層射出成形方法を実施すること
ができる。勿論、この複数層射出成形装置は、ガスを注
入する管やガスを抜く管を設けることなく、特開平10
−128796号公報に記載された装置とほぼ同じよう
に、コア層を形成する溶融した樹脂と、このコア層を形
成する樹脂を囲むようにしたスキン層を形成する溶融し
た樹脂を金型のキャビティ内に射出する装置に使用する
こともできる。
【0031】請求項4記載の発明では、複数の射出ユニ
ットから溶融した樹脂を金型のキャビティ内に射出して
複数層の成形品を製造する複数層射出成形装置であっ
て、前記複数の射出ユニットの中の第一射出ユニットの
ノズルに設けられている溶融した樹脂の通路が金型のキ
ャビティ内に通じ、その他の第二射出ユニットの溶融し
た樹脂の通路は、前記第一射出ユニットのノズルに設け
られている通路を介して金型のキャビティに通じている
ので、複数の射出ユニットから射出された樹脂を連結装
置を通して金型のキャビティ内に射出させることができ
るし、従来の特開平10−128796号公報に記載さ
れた装置と比較すると、連結装置がなく、従って、固定
金型側支持部材と移動金型側支持部材との間の距離が連
結装置がないだけ広くなり、大型の固定金型が使用でき
る。
【0032】又、溶融した樹脂が第一射出ユニットのノ
ズルから直接金型に通じているので、従来のように、固
定金型側支持部材、連結装置を経て金型に通じていると
きと比較して溶融した樹脂の通路が短い。従って、塩化
ビニル樹脂のような分解し易い樹脂でも、滞留する樹脂
の量が少なくすることができ、着色の少ない良好な製品
を製造することができる。
【0033】又、この複数層射出成形装置にガスを注入
する管やガスを抜く管を設けることにより、請求項1お
よび2記載の方法で複数層射出成形方法を実施すること
ができる。勿論、この複数層射出成形装置は、ガスを注
入する管やガスを抜く管を設けることなく、特開平10
−128796号公報に記載された装置とほぼ同じよう
に、コア層を形成する溶融した樹脂と、このコア層を形
成する樹脂を囲むようにしたスキン層を形成する溶融し
た樹脂を金型のキャビティ内に射出する装置に使用する
こともできる。
【0034】請求項5記載の発明では、第二射出ユニッ
トの先端にバルブが設けられているので、このバルブを
開閉することによって、第一射出ユニットからの溶融し
た樹脂と第二射出ユニットからの溶融した樹脂が交じり
合わなくすることができるし、樹脂の切り替えが容易に
且つ確実になる。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例で説明する。 (実施例1)図1および図2は本発明の一実施例を示す
もので、図1は二層射出成形装置を示す側面図、図2は
図1のA部分を拡大して示す一部切欠側面図である。
【0036】図1および図2において、1は二層射出成
形装置であり、この二層射出成形装置1は、金型2、台
3、移動金型側支持部材4、固定金型側支持部材5、連
結装置6、第一射出ユニット7、第二射出ユニット8と
からなる。台3の両側には、移動金型側支持部材4と固
定金型側支持部材5が立設されている。
【0037】この移動金型側支持部材4と固定金型側支
持部材5との間には、金型2が取り付けられている。即
ち、この金型2は移動金型側支持部材4と固定金型側支
持部材5によって支持されている。
【0038】金型2は固定金型21と移動金型25とか
らなる。移動金型25は金型開閉シリンダ26と移動金
型本体27とからなり、金型開閉シリンダ26で金型本
体27を棒状のガイド部材28に沿って滑動させること
によって開閉可能になっている。移動金型本体27と固
定金型21との間には製品の外形とほぼ等しい空間であ
るキャビティ29が設けられている。
【0039】連結装置6は固定金型側支持部材5の中に
設けられている。この連結装置6には、第一射出ユニッ
ト7から射出された溶融した樹脂の通路61と、第二射
出ユニット8から射出された溶融した樹脂の通路62
と、この通路61、62が連結された1本の通路63と
を備えていて、この1本の通路63が金型2のキャビテ
ィ29に通じている。
【0040】第一射出ユニット7は、バレル71と、こ
のバレル71の中に設けられたスクリュー72と、バレ
ル71の先端に取り付けられたノズル73と、原料であ
る樹脂を供給するホッパー74からなる。バレル71に
は、図示しない加熱装置が取り付けられていて、バレル
71内を通過する樹脂を加熱して溶融させることができ
るようになっている。
【0041】スクリュー72は回転可能で且つ前後に移
動可能になっている。そして、このスクリュー72のほ
ぼ中心軸部分に窒素ガスを通過させる通孔75が設けら
れている。この第一射出ユニット7のノズル73の先端
は連結装置6の樹脂の通路61に押し当てられていて、
このノズル73内に設けられている樹脂の通路76は連
結装置6の樹脂の通路61、63を経てキャビティ29
内に通じている。
【0042】第二射出ユニット8は、バレル81と、こ
のバレル81の中に設けられたスクリュー82と、バレ
ルの先端に取り付けられたノズル83と、原料を供給す
るホッパー84からなる。バレル81には、図示しない
加熱装置が取り付けられていて、バレル81内を通過す
る樹脂を加熱して溶融することができるようになってい
る。
【0043】スクリュー82は回転可能で且つ前後に移
動可能になっている。この第二射出ユニット8のノズル
83内に設けられている先端は連結装置の樹脂の通路6
2に押し当てられていて、このノズル83の樹脂の通路
86は連結装置6の樹脂の通路62、63を経てキャビ
ティ29内に通じている。
【0044】このように、この実施例に使用する複数層
射出成形装置1では、第一射出ユニット7と第二射出ユ
ニット8からノズル73、83を通して射出された溶融
した樹脂はノズル73、83の通路76、86から連結
装置6の通路61、62、通路63を通って金型2のキ
ャビティ29に射出可能になっているし、この連結装置
6は固定金型側支持部材5に設けられているので、固定
金型21と固定金型側支持部材5との間に連結装置6を
設けただけの隙間を設ける必要がなく、大型の固定金型
21も使用できる。
【0045】又、固定金型21は固定金型側支持部材5
に直接連結しているので、固定金型21等の荷重は固定
金型側支持部材5にかかり、連結装置6に固定金型21
等の重量がかからない。従って、連結装置6を簡単な構
造にして、安価にすることができる。
【0046】又、溶融した樹脂が連結装置6だけを経て
金型2のキャビティ29に射出可能になっているので、
従来のように、固定金型側支持部材5と連結装置6を経
て金型2のキャビティ29に射出可能になっているもの
と比較して溶融した樹脂の通路が短くなる。従って、塩
化ビニル樹脂のような分解し易い樹脂でも、滞留する樹
脂の量が少なくなり、着色の少ない良好な製品を製造す
ることができる。
【0047】次に、この二層射出成形装置1の使用方法
および作用について説明する。先ず、第一射出ユニット
7のスクリュー72を回転させながら、ホッパー74か
ら樹脂を供給すると、バレル71に設けられている加熱
手段によって樹脂が溶融されながら前進する。溶融した
樹脂がスクリュー72の先端部分に到ると、スクリュー
72が後退し、バレル71の前部分に溶融した樹脂が溜
まる。
【0048】溶融した樹脂が予め定めた量(金型2のキ
ャビティ29内の空間を充満させるには不十分な量)だ
け溜まると、スクリュー72が前進し、ノズル73から
勢いよく溶融した樹脂が連結装置6の樹脂の通路61、
63を通ってキャビティ29内に射出される。
【0049】次に、スクリュー72の中に設けられてい
る通路75から圧縮された窒素ガスを注入する。する
と、この窒素ガスが溶融した樹脂を膨張させて内部に空
洞が設けられると同時に、溶融した樹脂がキャビティ2
9の内周面に圧着してスキン層が形成される。次に、こ
の通路75から窒素ガスを抜いて空洞内を真空にする。
【0050】一方、この第一射出ユニット7が金型2の
キャビティ29内に溶融した樹脂を射出している間に、
第二射出ユニット8のスクリュー82を回転させなが
ら、ホッパー84から樹脂を供給する。すると、バレル
81に設けられている加熱手段によって樹脂が溶融され
ながら前進し、この溶融した樹脂がスクリュー82の先
端部分に到ると、スクリュー82が後退し、バレル81
の前部分に溶融した樹脂が所定量(キャビティ29内の
体積から第一射出ユニット7から射出された溶融した樹
脂の量を減じた量)だけ溜まった状態になっている。
【0051】そして、空洞内が真空になると、この第二
射出ユニット8のスクリュー82を前進させる。する
と、ノズル83から勢いよく溶融した樹脂が連結装置6
の樹脂の通路62、63を通って真空になっている空洞
内に射出され、空洞内に充満したコア層が形成される。
尚、このコアー層を形成する樹脂がキャビティ29の入
口近傍に現れるようであれば、第一射出ユニット7から
少量の溶融した樹脂を射出して入口を塞ぐとよい。
【0052】次に、移動金型本体27を金型開閉シリン
ダ26で後退させて、キャビティ29内の成形品を取り
出すと、二層射出成形品が完成する。この第二射出ユニ
ット8が金型2のキャビティ29内に溶融した樹脂を射
出している間に第一射出ユニット7では次の射出ができ
るように準備をしていて、金型2を閉じ、第一射出ユニ
ット7のスクリュー72を前進させてスクリュー72の
先端部分に溜まった溶融した樹脂を射出するというよう
に、次の二層射出成形品を製造する。このようにして次
々と二層成形射出成形品を製造する。
【0053】このように、この実施例では第一射出ユニ
ット7から溶融した樹脂を金型2のキャビティ29内の
空間を充満させるには不十分な量だけキャビティ29内
に射出し、ガスを注入して溶融した樹脂の内部に空洞を
設けるので、この溶融した樹脂は、キャビティ29内の
内周面に圧着する。
【0054】その後、ガスを抜いて、第二射出ユニット
8から溶融した樹脂を前記空洞の中に射出するので、こ
の第二射出ユニット8から射出した溶融した樹脂は、前
記ガスによって形成された空洞の中に確実に埋設され
る。従って、第一射出ユニット7から射出された溶融し
た樹脂が新しい樹脂で、第二射出ユニット8から射出さ
れた溶融した樹脂がリサイクル樹脂であっても、又、キ
ャビティに密着させる最初に射出される溶融した樹脂
(スキン層を形成する樹脂)が薄くても、第二射出ユニ
ット8から射出されたリサイクル樹脂が表面に現れるこ
となく、良好な製品を製造することができる。
【0055】(実施例2)図3および図4は本発明の他
の実施例を示すもので、図3は二層射出成形装置を示す
側面図、図4は図3のB部分を拡大して示す一部切欠側
面図である。
【0056】図3および図4において、1aは二層射出
成形装置であり、この二層射出成形装置1aは、金型2
a、台3a、移動金型側支持部材4a、固定金型側支持
部材5a、第一射出ユニット7a、第二射出ユニット8
aとからなる。
【0057】台3aの両側には、移動金型側支持部材4
aと固定金型側支持部材5aが立設され、この移動金型
側支持部材4aと固定金型側支持部材5aとの間には、
金型2aが取り付けられている。即ち、この金型2aは
移動金型側支持部材4aと固定金型側支持部材5aによ
って支持されている。
【0058】金型2aは固定金型21aと移動金型25
aとからなる。この金型2aの構造は実施例1とほぼ同
じであるので説明を省略する。第一射出ユニット7a
は、バレル71aと、このバレル71aの中に設けられ
たスクリュー72aと、バレル71aの先端に取り付け
られたノズル73aと、原料である樹脂を供給するホッ
パー74aからなる。
【0059】バレル71aには、図示しない加熱装置が
取り付けられていて、バレル71a内を通過する樹脂を
加熱して溶融させることができるようになっている。ス
クリュー72aは回転可能で且つ前後に移動可能になっ
ている。そして、このスクリュー72aのほぼ中心軸部
分に窒素ガスを通過させる通孔75aが設けられてい
る。又、この第一射出ユニット7aのノズル73a内に
設けられている樹脂の通路76aから横方向に通孔77
aが設けられていて、この通路77aはノズル73aの
外周面に開口している。又、このノズル73aには窒素
ガスを抜く通孔79aが設けられている。
【0060】第二射出ユニット8aは、バレル81a
と、このバレル81aの中に設けられたスクリュー82
aと、バレルの先端に取り付けられたノズル83aと、
原料を供給するホッパー84aからなる。バレル81a
には、図示しない加熱装置が取り付けられていて、バレ
ル81a内を通過する樹脂を加熱して溶融できるように
なっている。スクリュー82aは回転可能で且つ前後に
移動可能になっている。
【0061】第二射出ユニット8aのノズル83aの先
端は第一射出ユニット7aのノズル73aの外周面に開
口している通孔77aに押し当てられている。従って、
このノズル83aの樹脂の通路86aを通過した溶融し
た樹脂は通孔77aを通るようになっている。
【0062】このように、この実施例に使用する複数層
射出成形装置1aでは、第一射出ユニット7aと第二射
出ユニット8aから射出された溶融した樹脂は第一射出
ユニット7aのノズル73aに設けられている通路76
aを通って金型2aのキャビティ29a内に射出可能に
なっている。従って、実施例1に比較しすると、連結装
置が設けられてないだけ固定金型側支持部材5aと金型
2aとの隙間が広くなり、大型の固定金型も使用できる
し、安価になる。
【0063】又、溶融した樹脂が連結装置を経ずして金
型2aに通じているので、従来のように、固定金型側支
持部材と連結装置を経て金型に通じているときと比較し
て溶融した樹脂の通路が短い。従って、塩化ビニル樹脂
のような分解し易い樹脂でも、滞留する樹脂の量が少な
くなり、実施例1より更に着色してない良好な製品を製
造することができる。
【0064】次に、この二層射出成形装置1aの使用方
法および作用について説明する。先ず、第一射出ユニッ
ト7aのスクリュー72aを回転させながら、ホッパー
74aから樹脂を供給すると、バレル71aに設けられ
ている加熱手段によって樹脂が溶融されながら前進す
る。溶融した樹脂がスクリュー72aの先端部分に到る
と、スクリュー72aが後退し、バレル71aの前部分
に溶融した樹脂が溜まる。
【0065】溶融した樹脂が予め定めた量(金型2aの
キャビティ29a内の空間を充満させるには不十分な
量)だけ溜まると、スクリュー72aが前進し、ノズル
73aから勢いよく溶融した樹脂がノズル73aの通路
76aを通ってキャビティ29a内に射出される。
【0066】次に、スクリュー72aの中に設けられて
いる通路75aから圧縮された窒素ガスを注入する。す
ると、この窒素ガスが溶融した樹脂を膨張させて内部に
空洞が設けられると同時に、溶融した樹脂がキャビティ
29aの内周面に圧着してスキン層が形成される。次
に、この通路79aから窒素ガスを抜いて空洞内を真空
にする。
【0067】一方、この第一射出ユニット7aが金型2
aのキャビティ29a内に溶融した樹脂を射出している
間に、第二射出ユニット8aのスクリュー82aを回転
させながら、ホッパー84aから樹脂を供給する。する
と、バレル81aに設けられている加熱手段によって樹
脂が溶融されながら前進し、この溶融した樹脂がスクリ
ュー82aの先端部分に到ると、スクリュー82aが後
退し、バレル81aの前部分に溶融した樹脂が所定量
(キャビティ29a内の体積から第一射出ユニット7か
ら射出された溶融した樹脂の量を減じた量)だけ溜まっ
た状態になっている。
【0068】そして、空洞内が真空になると、この第二
射出ユニット8aのスクリュー82aを前進させる。す
ると、ノズル83aから勢いよく溶融した樹脂がノズル
83aの通路86aから第一射出ユニット7aのノズル
73aの通路77aを通って真空になっている空洞内に
射出され、空洞内に充満したコア層が形成される。尚、
このコアー層を形成する樹脂がキャビティ29aの入口
近傍に現れるようであれば、第一射出ユニット7aから
少量の溶融した樹脂を射出して入口を塞ぐとよい。
【0069】次に、移動金型本体27aを後退させて、
キャビティ29a内の成形品を取り出すと、二層射出成
形品が完成する。この第二射出ユニット8aが金型2a
のキャビティ29a内に溶融した樹脂を射出している間
に第一射出ユニット7aでは次の射出ができるように準
備をしていて、金型2aを閉じ、次の二層射出成形品を
製造する。このようにして次々と二層成形射出成形品を
製造する。
【0070】このように、この実施例では第一射出ユニ
ット7aから溶融した樹脂を金型2aのキャビティ29
a内の空間を充満させるには不十分な量だけキャビティ
29a内に射出し、ガスを注入して溶融した樹脂の内部
に空洞を設けるので、この溶融した樹脂は、キャビティ
29a内の内周面に圧着する。
【0071】その後、ガスを抜いて、第二射出ユニット
8aから溶融した樹脂を前記空洞の中に射出するので、
この第二射出ユニット8aから射出した溶融した樹脂
は、前記ガスによって形成された樹脂の中に確実に埋設
される。従って、第一射出ユニット7aから射出された
溶融した樹脂が新しい樹脂で、第二射出ユニット8aか
ら射出された溶融した樹脂がリサイクル樹脂であって
も、又、キャビティ29aの内周面に密着させる最初に
射出される溶融した樹脂(スキン層を形成する樹脂)が
薄くても、第二射出ユニット8aから射出されたリサイ
クル樹脂が表面に現れることなく、良好な製品を製造す
ることができる。
【0072】(実施例3)図5は本発明の別の実施例を
示すもので、第一射出ユニットと第二射出ユニットの連
結部分を示す一部切欠側面図である。
【0073】図5に示す実施例3と図3および図4に示
す実施例2とを比較すると、第一射出ユニット7bのバ
レル71bの先端部に開口している通孔77bがノズル
73bに通じていること、この通孔77bの開口に第二
射出ユニット8bのノズル83bの先端が押し当てられ
て、第二射出ユニット8bのノズル83bに設けられて
いる通孔86bが通孔77b、通孔76bを通して金型
2bのキャビティ29bに通じていること、通孔77b
を開閉するバルブ9bが第一射出ユニット7bに設けら
れていること、このバルブ9bは油圧装置91bを稼働
させることにより開閉可能になっていること、第一射出
ユニット7bのノズル73bに窒素ガスを抜く通孔が設
けられてなく、実施例1と同様に、スクリュー72bに
設けられている窒素ガスを注入する通孔75bから窒素
ガスを抜くことが異なる。その他の構造は実施例2とほ
ぼ同じであるので説明を省略する。
【0074】この二層射出成形装置1bの使用方法は、
第二射出ユニット8bから溶融した樹脂を射出するとき
にバルブ9bを開けるが、その他のときは、バルブ9b
を閉めておく。又、空洞から窒素ガスを抜くときには、
スクリュー12bに設けられている通路75bから窒素
ガスを抜いて空洞内を真空にする。その他の製造方法
は、実施例2に記載されている二層射出成形方法とほぼ
同じであるので説明を省略する。
【0075】この実施例では、バルブ9bを開閉するこ
とによって、第一射出ユニットからの溶融した樹脂と第
二射出ユニットからの溶融した樹脂が交じり合わなくす
ることができるし、樹脂の切り替えが容易になる。その
他の作用は実施例2とほぼ同じであるので説明を省略す
る。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、第一射出ユニッ
トから溶融した樹脂を金型のキャビティ内の空間を充満
させるには不十分な量だけキャビティ内に射出し、ガス
を注入して溶融した樹脂の内部に空洞を設けた後、ガス
を抜いて、第二射出ユニットから溶融した樹脂を前記空
洞の中に射出するから、この第二射出ユニットから射出
した溶融した樹脂は、前記ガスによって形成された樹脂
の中に確実に埋設される。
【0077】従って、第一射出ユニットから射出された
溶融した樹脂が新しい樹脂で、第二射出ユニットから射
出された溶融した樹脂がリサイクル樹脂であっても、
又、キャビティに圧着している最初に射出した溶融した
樹脂(スキン層を形成する樹脂)が薄くても、第二射出
ユニットから射出された溶融した樹脂が表面に現れない
良好な製品を製造することができる。
【0078】請求項2記載の発明は、第一射出ユニット
から溶融した樹脂を金型のキャビティ内の空間を充満さ
せるには不十分な量だけキャビティ内に射出し、ガスを
注入して溶融した樹脂の内部に空洞を設けると同時に、
キャビティの内面に溶融した樹脂のスキン層を形成した
後、ガスを抜いて、第二射出ユニットから溶融したリサ
イクル樹脂を前記空洞の中に射出してコア層を形成させ
るから、この第二射出ユニットから射出された溶融した
コア層を形成する樹脂は、スキン層の中に確実に埋設さ
れる。従って、スキン層が薄く、コア層のリサイクル樹
脂が大きな容積を占める製品であっても、表面にリサイ
クル樹脂が表面に現れない。従って、この請求項2記載
の発明では、大量のリサイクル樹脂を使用することがで
きる。
【0079】請求項3記載の発明は、複数の射出ユニッ
トから溶融した樹脂を固定金型と移動金型とからなる金
型のキャビティ内に射出して複数層の成形品を製造する
複数層射出成形装置であって、前記金型は固定金型側支
持部材と移動金型側支持部材とに支持され、この固定金
型側支持部材には、連結装置が設けられ、この連結装置
には、複数の射出ユニットから射出された溶融した樹脂
の通路が1本の通路に連結され、この1本の通路が金型
のキャビティ内に通じているから、固定金型と固定金型
側支持部材との間に連結装置を設けだけの隙間を設ける
必要がない。従って、大型の固定金型が使用可能である
し、連結装置を簡単な構造にして、安価にすることがで
きるし、又、固定金型側支持部材、連結装置を経て金型
に通じているときと比較して溶融した樹脂の通路が短
く、塩化ビニル樹脂のような分解し易い樹脂でも、滞留
する樹脂の量が少なく、良好な製品を製造することがで
きる。
【0080】請求項4記載の発明は、複数の射出ユニッ
トから溶融した樹脂を金型のキャビティ内に射出して複
数層の成形品を製造する複数層射出成形装置であって、
前記複数の射出ユニットの中の第一射出ユニットのノズ
ルに設けられている溶融した樹脂の通路が金型のキャビ
ティ内に通じ、その他の第二射出ユニットの溶融した樹
脂の通路は、前記第一射出ユニットのノズルに設けられ
ている通路を介して金型のキャビティに通じているか
ら、連結装置がない。従って、大型の固定金型も使用で
きるし、又、固定金型側支持部材、連結装置を経て金型
に通じているときと比較して溶融した樹脂の通路が短
く、塩化ビニル樹脂のような分解し易い樹脂でも、滞留
する樹脂の量が少なく、良好な製品を製造することがで
きる。
【0081】請求項5記載の発明は、第二射出ユニット
の先端にバルブが設けられているから、このバルブを開
閉することによって、第一射出ユニットからの溶融した
樹脂と第二射出ユニットからの溶融した樹脂が交じり合
わなくすることができるし、樹脂の切り替えが容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、二層射出成形
装置を示す側面図である。
【図2】図1のA部分を拡大して示す一部切欠側面図で
ある。
【図3】本発明の他の実施例を示すもので、二層射出成
形装置を示す側面図である。
【図4】図3のB部分を拡大して示す一部切欠側面図で
ある。
【図5】本発明の別の実施例を示すもので、第一射出ユ
ニットと第二射出ユニットの連結部分を示す一部切欠側
面図である。
【符号の説明】
1、1a 二層射出成形装置 2、2a、2b 金型 21、21a 固定金型 26、26a 移動金型 29、29a、29b キャビティ 3、3a 台 4、4a 移動金型側支持部材 5、5a 固定金型側支持部材 6 連結装置 7、7a、7b 第一射出ユニット 8、8a、8b 第二射出ユニット 9b バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一射出ユニットから溶融した樹脂を金
    型のキャビティ内の空間を充満させるには不十分な量だ
    けキャビティ内に射出し、ガスを注入して溶融した樹脂
    の内部に空洞を設けた後、ガスを抜いて、第二射出ユニ
    ットから溶融した樹脂を前記空洞の中に射出することを
    特徴とする複数層射出成形方法。
  2. 【請求項2】 第一射出ユニットから溶融した樹脂を金
    型のキャビティ内の空間を充満させるには不十分な量だ
    けキャビティ内に射出し、ガスを注入して溶融した樹脂
    の内部に空洞を設けると同時に、キャビティの内周面に
    溶融した樹脂を圧着させてスキン層を形成した後、ガス
    を抜いて、第二射出ユニットから溶融したリサイクル樹
    脂を前記空洞の中に射出してコア層を形成することを特
    徴とする複数層射出成形方法。
  3. 【請求項3】 複数の射出ユニットから溶融した樹脂を
    固定金型と移動金型とからなる金型のキャビティ内に射
    出して複数層の成形品を製造する複数層射出成形装置で
    あって、前記金型は固定金型側支持部材と移動金型側支
    持部材とに支持され、この固定金型側支持部材には、連
    結装置が設けられ、この連結装置には、複数の射出ユニ
    ットから射出された溶融した樹脂の通路が1本に連結さ
    れた通路を備え、この1本に連結された通路が金型のキ
    ャビティ内に通じていることを特徴とする複数層射出成
    形装置。
  4. 【請求項4】 複数の射出ユニットから溶融した樹脂を
    金型のキャビティ内に射出して複数層の成形品を製造す
    る複数層射出成形装置であって、前記複数の射出ユニッ
    トの中の第一射出ユニットのノズルに設けられている溶
    融した樹脂の通路が金型のキャビティ内に通じ、その他
    の第二射出ユニットの溶融した樹脂の通路は、前記第一
    射出ユニットのノズルに設けられている通路を介して金
    型のキャビティ内に通じていることを特徴とする複数層
    射出成形装置。
  5. 【請求項5】 前記第二射出ユニットの先端にバルブが
    設けられていることを特徴とする請求項4記載の複数層
    射出成形装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9099726B2 (en) 2010-01-19 2015-08-04 Samsung Sdi Co., Ltd. Secondary battery and method of fabricating the same

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