JP2001070804A - 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具 - Google Patents

排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具

Info

Publication number
JP2001070804A
JP2001070804A JP25462099A JP25462099A JP2001070804A JP 2001070804 A JP2001070804 A JP 2001070804A JP 25462099 A JP25462099 A JP 25462099A JP 25462099 A JP25462099 A JP 25462099A JP 2001070804 A JP2001070804 A JP 2001070804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
mesh
exhaust gas
catalyst structure
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25462099A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Miyamoto
英治 宮本
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Koichi Yokoyama
公一 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP25462099A priority Critical patent/JP2001070804A/ja
Publication of JP2001070804A publication Critical patent/JP2001070804A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性があって摩耗、変形しにくく、かつ触媒
性能に優れた排ガス浄化用触媒構造体を提供すること。 【解決手段】 表面に触媒成分を担持させた長方形もし
くは正方形の平板を、その一対の辺に対して平行な方向
に所定の間隔で折り曲げて平面部と段差部を交互に形成
した触媒エレメント、または所定間隔で波板状に湾曲さ
せて山部と谷部を交互に形成した触媒エレメントを網状
物を介して多数積層した触媒構造体において、網状物
が、金属酸化物によって一部の網目が埋められた一個所
以上の帯状強化部を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化用触媒
構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取
り扱い治具に係り、特に、排ガス中の窒素酸化物(NO
x)を効率よくアンモニア(NH3 )で還元、除去する
ことができる、板状触媒を用いた排ガス浄化用触媒構造
体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱
い治具に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所などから排出される排煙中の窒素
酸化物(NOx)は、酸性雨などの原因物質であり、そ
の効果的な除去方法として、例えば還元剤であるNH3
を用いて選択的に接触還元を行う排煙脱硝法が火力発電
所を中心に幅広く用いられている。脱硝触媒は通常ハニ
カム状、板状に成形され、各種の製造法が提案されてい
る。例えば、金属薄板をメタルラス加工したのちアルミ
ニウムを溶射した網状物やセラミックス繊維織布または
不織布を基板に用い、これに触媒成分を塗布、圧延して
得た板状触媒を、波型を有するエレメント状に加工した
のち多数積層して触媒構造体としたもの(特開昭54−
79188号公報、特開昭59−73053号公報等)
は、通風損失が小さく、煤塵や石炭等の燃焼灰で閉塞さ
れにくい等の優れた特長がある。
【0003】ところで、近年、排ガス脱硝装置の高性能
化を図るため、脱硝触媒の板厚を薄くして原料費や通風
損失を低減しようとする努力が多くの分野でなされてい
る。また、これまで触媒間ピッチの大きい触媒を低ガス
流速で使用していた、石炭焚きボイラ排ガスを対象とし
た脱硝処理技術などの分野でも、ガス流速を高め、同時
に触媒ピッチを狭くしたコンパクトな脱硝装置の需要が
高まりつつある。このような需要に対し、脱硝触媒の製
造工程の簡略化およびさらなる触媒活性の向上を図るべ
く種々の改良が行われている。
【0004】図6は、本発明者等による未公知の触媒構
造体を示す説明図である。図において、この触媒構造体
は、階段状もしくは波板状に成形した触媒エレメント6
1(a)と平板状織布62(b)とを交互に多数積層し
た触媒積層体を枠体63に収納したもの(c)であり、
被処理ガス流が、前記平板状織布62の目開き部を通っ
て乱されることにより、ガスと触媒との接触が促進して
反応速度が飛躍的に向上し、高い触媒性能が得られるも
のである。
【0005】しかしながら、上記先行技術は、上述した
近年の要請にマッチしたものではあったが、さらなる圧
損の低減を達成するために、より薄くて目開き幅の大き
い網状物を適用する場合、従来と同じ方法で網状物を強
化しても充分な剛性が得られず、触媒構造体の一部とし
て適用することは困難である。一方、網状物をより薄く
するか、または目開きをより大きくして触媒構造体の圧
損を低減しようとすると、ガスの乱れが減少するだけで
なく全触媒面積が減少するので、充分な触媒活性が得ら
れなくなるという問題がある。さらに、より薄く、かつ
目開きをより大きくした網状物は、剛性が小さく、これ
を撓みなく持ち上げて運搬することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術および先行技術の課題を解決し、剛性があって
摩耗、変形しにくく、かつ寿命の永い排ガス浄化用触媒
構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取
り扱い治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、一部の網目
を、金属酸化物によって帯状に埋めて強化した帯状強化
部を有する網状物を採用することによって解決すること
ができる。すなわち、本願で特許請求する発明は、以下
の通りである。 (1)表面に触媒成分を担持させた長方形もしくは正方
形の平板を、その一対の辺に対して平行な方向に所定の
間隔で折り曲げて平面部と段差部を交互に形成した触媒
エレメント、または前記平板をその一対の辺に対して平
行な方向に所定間隔で波板状に湾曲させて山部と谷部を
交互に形成した触媒エレメントを網状物を介して多数積
層した触媒構造体において、前記網状物が、金属酸化物
によって一部の網目が埋められた一個所以上の帯状強化
部を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
【0008】(2)前記金属酸化物が、酸化チタンとバ
ナジウム、モリブデン、タングステンの少なくとも一つ
の酸化物を含む触媒組成物であることを特徴とする上記
(1)に記載の排ガス浄化用触媒構造体。 (3)前記網状物が、セラミックスまたはガラス製の網
状物であって、シリカ、チタニアをはじめとする無機結
合材を含浸して強化したものであることを特徴とする上
記(1)または(2)に記載の排ガス浄化用触媒構造
体。
【0009】(4)前記網状物が、酸化チタンとバナジ
ウム、モリブデンおよびタングステンのうち少なくとも
一つの酸化物を含む触媒成分を担持したものであること
を特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の排ガ
ス浄化用触媒構造体。 (5)前記触媒エレメントを構成する平板の一対の辺に
対して平行な段差部または山部を形成した触媒エレメン
トの一部または全部に代えて、触媒エレメントを構成す
る平板の一対の辺に対して所定の傾斜角度で交わる段差
部または山部を形成した触媒エレメントを用いたことを
特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の排ガス
浄化触媒構造体。
【0010】(6)前記網状物を挟んで、触媒エレメン
トを構成する平板の一対の辺に対して平行な段差部また
は山部を有する触媒エレメントと前記一対の辺に対して
所定の傾斜角度で交わる段差部または山部を有する触媒
エレメントとを交互に積層したことを特徴とする上記
(5)に記載の排ガス浄化用触媒構造体。 (7)前記網状物を挟んで、触媒エレメントを構成する
平板の一対の辺に対して所定の傾斜角度で交わる段差部
または山部を有する触媒エレメントを左右反転させて交
互に多数積層したことを特徴とする上記(5)に記載の
排ガス浄化用触媒構造体。
【0011】(8)上記(1)に記載の排ガス浄化用触
媒構造体の前記触媒エレメント相互間に配置される網状
物であって、金属酸化物によって一部の網目を埋めた一
箇所以上の帯状強化部を有することを特徴とする排ガス
浄化用触媒構造体の網状物。 (9)前記金属酸化物が、酸化チタンとバジウム、モリ
ブデン、タングステンの少なくとも一つの酸化物を含む
触媒組成物であることを特徴とする上記(8)に記載の
排ガス浄化用触媒構造体の網状物。
【0012】(10)前記網状物が、セラミックスまた
はガラス製の網状物であって、シリカ、チタニアをはじ
めとする無機結合材を含浸して強化したものであること
を特徴とする上記(8)または(9)に記載の排ガス浄
化用触媒構造体の網状物。 (11)前記網状物が、酸化チタンとバナジウム、モリ
ブデンおよびタングステンのうち少なくとも一つの酸化
物を含む触媒成分を担持したものであることを特徴とす
る上記(8)〜(10)の何れかに記載の排ガス浄化用
触媒構造体の網状物。
【0013】(12)上記(8)〜(11)に記載の網
状物を取り扱う治具であって、前記網状物に形成された
一箇所以上の帯状強化部に対応する吸盤を有することを
特徴とする網状物の取り扱い治具。
【0014】図1は、本発明に適用する網状物を示す説
明図である。図において、この網状物2は、金属酸化物
によって一部の網目を埋めた帯状強化部6が一箇所以上
設けられている。網状物としては、セラミックス製また
はガラス製のものが好適に使用されるが、特に限定され
ない。帯状強化部が形成される位置は、長方形または正
方形の網状物2の、例えばガスの入口部に相当する一辺
に沿った端部、ガスの入口部および出口部に相当する一
対の辺に沿った両端部(図1のa)の他、該両端部の間
に1または2以上設けてもよい(図1のbまたはc)。
帯状強化部6の間隔は、等間隔であっても、不等間隔で
あってもよい。帯状強化部6の幅は、網状物2の大きさ
にもよるが、強度を確保する上で40〜50mmが好ま
しく、またハンドリング性を確保するために60〜70
mmであることが好ましいが、特に限定するものではな
い。
【0015】帯状強化部6を形成するために用いられる
金属酸化物としては、酸化チタンを主成分としたバナジ
ウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)
などの活性成分を酸化物として添加した触媒活性を有す
る組成物が好適に使用されるが、特に限定されない。帯
状強化部6の形成方法としては、例えば上記組成物をペ
ースト状に混練したものを、例えばローラを用いて網状
物の所定位置に塗布して一部の網目を埋める方法が挙げ
られる。
【0016】本発明において、帯状強化部6を形成する
前にあらかじめ網状物を強化液に含浸して強化させてお
くことが好ましい。強化液としては、例えばシリカゾ
ル、ポリビニルアルコールまたはこれらの混合物を含む
ものが挙げられるが、特に限定されない。含浸する代わ
りに、刷毛等により強化液を塗布することもできる。帯
状強化部6を形成した網状物に、例えば触媒活性成分を
担持することもできる。これによって触媒反応効率をよ
り向上させることができる。
【0017】本発明の網状物を適用した触媒構造体を被
処理排ガス流路に設置する際、前記網状物に設けた帯状
強化部が、ガス流れ方向に対して直角方向に、ガス流路
全体を横切るようにすることが好ましいが、前記帯状強
化部が、ガス流通方向に対して所定の角度だけ傾斜する
ものであってもよい。なお、網状物は、本発明による強
化方法で強化した後、他の強化液、または触媒成分を担
持してもよい。
【0018】本発明において、触媒エレメントは、例え
ば長方形または正方形の無機繊維製織布に、その網目を
埋めるように、例えば酸化チタンを主成分とし、バナジ
ウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)
などの酸化物を添加してペースト状にした酸化物組成物
を塗布または圧延したのち、その一対の辺に対して平行
な方向に所定の間隔で折り曲げて図2の(a)または
(b)に示したように、平面部と段差部を交互に形成す
るか、または前記平板をその一対の辺に対して平行な方
向に所定間隔で波板状に湾曲させて図2の(c)に示し
たように、山部と谷部を交互に形成したものが好適に使
用される。このような触媒ペーストを形成する際に、必
要に応じて無機繊維、結合剤等を添加する等、周知の手
段を併用してもよい。本発明の触媒構造体は、図3に示
したように、触媒エレメント1を網状物2を介して、す
なわち触媒エレメント1と網状物2を交互に積層したも
のであり、網状物2としては帯状強化部を一箇所以上設
けた、上述した網状物が用いられる。
【0019】触媒エレメント1の段差部または波形は、
典型的には、前記触媒エレメント1を構成する平板の対
向する一対の辺に対して平行に形成されるが、前記一対
の辺に対して所定の傾斜角度で交差するように形成した
ものであってもよい。すなわち本発明の排ガス浄化用触
媒構造体は、例えば、平板の一対の辺に平行に段差部ま
たは山部が形成された同一形状のエレメントを網状物を
介して多数重ねたものの他、図4の(a)に示したよう
に、前記段差部または山部が、触媒エレメントの一辺に
対して所定の傾斜角度、例えば30〜65度の角をなす
ように成形されたエレメントを交互に左右を入れ替え
て、かつ網状物を介して多数積層したものや、図4の
(b)に示したように、一対の辺に対して平行に段差部
または山部が形成された触媒エレメントと、一対の辺に
対して一定の傾斜角度をもって段差部または山部が成形
されたエレメントを網状物を介して交互に積層したもの
であってもよい。
【0020】本発明の排ガス浄化用触媒構造体は、網状
物として帯状強化部を有するものを用いたことにより、
前記網状物をより薄く、かつ網目間隔をより大きくして
も網状物の必要強度を確保することができるので、触媒
構造体全体として優れた強度を維持することができる。
また、帯状強化部を形成する際に金属酸化物として触媒
成分を用いることにより、全体としての触媒表面積が増
加するので、触媒活性が向上する。さらに、前記帯状強
化部を形成することによって網状物の網目の一部が閉塞
されるので、被処理ガス流が乱される領域が減少し、こ
れによって圧力損失を低減する効果がある。
【0021】また本発明の網状物は、帯状強化部を有す
ることにより、ハンドリング性が向上する。すなわち、
図5に示したように、網状物2の帯状強化部6に対応す
る位置に吸盤7を設けた取り扱い治具8を使用し、前記
網状物2に形成した帯状強化部6に上方から取り扱い治
具8の前記吸盤7を押し当て、吸盤7内の空気を抜いて
負圧にすることで、網状物2を撓ませることなく持ち上
げて搬送することができる。これによって製造工程の低
減、製造コストの削減を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に実施例を用いて本発明を詳細
に説明する。 実施例1 比表面積270m2 /gの酸化チタン1.2kgにモリ
ブデン酸アンモニウム((NH4 6 ・Mo7 24・4
2 O)を0.25kg、メタバナジン酸アンモニウム
0.23kg、および蓚酸0.3kg、さらに20wt
%シリカゾルをSiO2 として8wt%添加し、水を加
えながら混練してペースト状態にした。これにカオリン
系無機繊維(商品名:カオウール)15wt%を加えて
さらに混練し、水分30.5%の触媒ペーストを得た。
【0023】上記触媒ペーストを、繊維径9μmのEガ
ラス製繊維400本の撚糸を10本/25.4mmの粗
さで絡み織りした網状物に、チタニア40%、シリカゾ
ル20%、ポリビニルアルコール1%のスラリを含浸
し、150℃で乾燥して剛性をもたせた、幅500mm
の触媒基材二枚の間に置き、一対の圧延ローラで網目間
および網表面に塗布した後、長さ480mmに切断して
厚み0.7mmの板状触媒体を得た。得られた板状触媒
体を、加熱金型に挟んで乾燥することにより、図2
(a)に示したような、階段状段差を有する触媒エレメ
ントを得た。
【0024】他方、繊維系9μmのEガラス製繊維の撚
糸1400本を10本/25.4mmの粗さで平織りし
た織布に、チタニア40%、シリカゾル20%、ポリビ
ニルアルコール1%のスラリを含浸し、150℃で乾燥
して剛性を持たせて480mm角に切断し、厚さ1.2
mmの網状物を得た。この網状物の両端部に上記触媒ペ
ーストを圧延ローラを用いて幅40mmずつ塗布して図
1(a)に示したような、両端部二箇所に帯状強化部6
を有する網状物とした。
【0025】また、比表面積270m2 /gの酸化チタ
ン1.2kgにモリブデン酸アンモニウム((NH4
6 ・Mo7 24・4H2 O)を0.25kg、メタバナ
ジン酸アンモニウム0.23kg、および蓚酸0.3k
gとに水を加えて混練して粘土状物とした後、押出し造
粒機で3φの柱状に成形した。この成形体を乾燥したの
ち、550℃で2時間焼成し、その後、微粉砕器で粉砕
して1μm以下の粒子が60%以上の触媒粉末を得た。
さらに、この粉末に水を加えて固形分40%の触媒スラ
リを調製した。この触媒スラリに上記帯状強化部形成済
み網状物全体を含浸させ、常温で空気を吹き付けて前記
帯状強化部以外の網状物の目開き部を開けたのち350
℃で乾燥して触媒エレメント積層用の網状物とした。得
られた触媒エレメントと網状物を、該網状物の帯状強化
部がガス流れに対して直角方向になるようにして交互に
積層して触媒積層体とし、該触媒積層体を金属枠内に組
み込み、通気しながら500℃で2時間焼成して触媒構
造体とした。
【0026】比較例1 網状物として、実施例1のEガラス製織布にチタニア4
0%、シリカゾル20%、ポリビニルアルコール1%の
スラリを含浸し、150℃で乾燥して剛性を持たせた4
80mm角の織布をそのまま用いた以外は、上記実施例
1と同様にして触媒構造体を得た。
【0027】比較例2 網状物として、触媒ペーストによる帯状強化部を形成し
ない以外は上記実施例1と同様に調製した網状物を用い
た以外は、上記実施例1と同様にして触媒構造体を得
た。
【0028】実施例2 網状物として、図1(b)に示したように、帯状強化部
を両端部の二箇所以外に該二箇所の帯状強化部6間に幅
40mmの帯状強化部6を一筋形成した以外は上記実施
例1と同様に調製した網状物を用い、実施例1と同様に
して同様の触媒構造体とした。
【0029】実施例3 網状物として、図1(c)に示したように、帯状強化部
6を両端部の二箇所以外に該二箇所の帯状強化部間に幅
40mmの帯状強化部を等間隔でさらに二筋形成した以
外は上記実施例1と同様に調製した網状物を用い、実施
例1と同様にして同様の触媒構造体とした。
【0030】実施例4 酸化チタン粉末(TiO2 )、メタタングステン酸アン
モニウム((NH4 6 〔H2 1240〕)、メタバナ
ジン酸アンモニウム(NH4 〔VO3 〕)液をTi/W
/Vのモル比が89/5/6になるように秤量した後、
前記酸化チタンに対して30wt%の水を加え、30分
間ニーダで混練し、その後、原料の酸化チタンに対して
25wt%の無機繊維(カオウール)を加えてさらに3
0分混練して水分31%のペーストを得た。
【0031】上記ペーストを実施例1で用いたと同様の
触媒基材2枚の間に置き、一対の圧延ローラで網目間お
よび網表面に塗布した後、長さ480mmに切断して厚
み0.7mmの板状触媒体を得た。この触媒をプレス成
形して480mm角に切断し、図2(b)に示した形状
の触媒エレメントを得た。他方、実施例1で使用した触
媒ペースト塗布前の網状物(スラリを含浸して剛性をも
たせた網状物)の両端部を、実施例1で使用した、固形
分40%の触媒スラリにそれぞれ50mm含浸し、35
0℃で静置して網状物の目開き部を塞いだ状態で乾燥し
て帯状強化部を形成して触媒積層用の網状物とした。
【0032】得られた触媒エレメントと網状物を、該網
状物の両端部に形成した帯状強化部がガス流れに対して
直角方向になるようにして交互に積層して触媒積層体
(図3b)とし、該触媒積層体を金属枠内に組み込み、
通気しながら、500℃で2時間焼成して触媒構造体と
した。
【0033】実施例1、比較例1および2でそれぞれ用
いたた網状物の端部の曲げ強度試験を行ったことろ、帯
状強化部を形成した実施例1の網状物は、118〔kg
/m 2 〕、比較例1の網状物は、30〔kg/m2 〕、
比較例2の網状物は37〔kg/m2 〕であった。結果
を表1にまとめて示す。
【0034】
【表1】 表1において、帯状強化部を形成した実施例1の網状物
は、比較例1および2の網状物に較べて曲げ強度が飛躍
的に上昇していることが分かる。なお、実施例1の網状
物を用いて構成した触媒構造体を、前記網状物の帯状強
化部が、ガス流路幅を横切るように設置することによ
り、触媒構造体全体の剛性をより向上させることができ
る。実施例1〜3について、下記表2に示した条件で脱
硝試験を行い、脱硝性能およびその場合の圧力損失を測
定し、得られた結果を表3に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】 表3において、実施例1、2および3の試験結果を比較
すると、面積基準総括反応速度定数、触媒長さ当たりの
圧力損失は、ともに網状物の帯状強化部が増えて目開き
部が塞がるにつれて減少していることが分かる。従っ
て、触媒構造体の触媒活性が充分確保できる場合には、
網状物の帯状強化部の面積を適宜調整することによって
圧損をより低減できることが分かる。
【0037】ハンドリング性試験 実施例1および比較例2で用いた触媒積層用の網状物を
それぞれ積み重ね、一番上の一枚だけを上部から吸盤で
吸引して持ち上げる、吸引試験を行ったところ、実施例
1で用いた網状物は、帯状強化部に吸盤を押し当てるこ
とによってスムーズに持ち上げられたが、比較例2で用
いた網状物を持ち上げることはできなかった。この結果
から、本発明に適用する網状物はハンドリング性に優
れ、製造工程の簡略化が図れることが分かった。
【0038】
【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明によれば、
網状物の強度が高まるので、例えばガス流速が速い条件
下で使用しても、摩耗や変形をはじめとする触媒劣化を
抑制して触媒構造体全体の寿命を著しく延ばすことがで
きる。本願の請求項2に記載の発明によれば、上記発明
の効果に加え、触媒構造体全体としての触媒表面積が増
すので、触媒反応が促進される。
【0039】本願の請求項3に記載の発明によれば、上
記発明の効果に加え、網状物の剛性がより向上し、触媒
構造体全体の強度も向上する。本願の請求項4に記載の
発明によれば、上記発明の効果に加え、触媒性能がより
以上に向上する。本願の請求項5に記載の発明によれ
ば、排ガスと触媒構造体との接触が促進されるので、上
記発明の効果に加え、触媒反応効率がより向上する。
【0040】本願の請求項6に記載の発明によれば、上
記発明と同様、触媒反応効率がより向上する。本願の請
求項7に記載の発明によれば、上記発明と同様、触媒反
応効率がより向上する。本願の請求項8に記載の発明に
よれば、強度が大きく、かつハンドリング性に優れた、
触媒エレメント積層用の網状物が得られる。
【0041】本願の請求項9に記載の発明によれば、上
記発明の効果に加え、触媒活性を有する網状物が得られ
る。本願の請求項10に記載の発明によれば、上記発明
の効果に加え、より強度の大きい、網状物が得られる。
【0042】本願の請求項11に記載の発明によれば、
上記発明の効果に加え、より大きな触媒活性を有する網
状物が得られる。本願の請求項12に記載の発明によれ
ば、上記網状物を効率よく持ち上げ、搬送することがで
きる取り扱い治具が得られるので、触媒構造体の製造工
程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の網状物を示す説明図。
【図2】本発明に適用される触媒エレメントの断面を示
す説明図。
【図3】本発明における触媒エレメントと網状物との積
層状態を示す説明図。
【図4】触媒エレメントと網状物との他の積層状態を示
す説明図。
【図5】本発明の網状物の持ち上げ状態を示す説明図。
【図6】従来技術を示す説明図。
【符号の説明】
1…触媒エレメント、2…網状物、3…一対の辺に対し
て平行な段差を有する触媒エレメント、4…一対の辺に
対して所定の傾斜角度で交差する段差を有する触媒エレ
メント、5…ガス流通方向を示す矢印、6…帯状強化
部、7…吸盤、8…取り扱い治具、61…触媒エレメン
ト、62…網状物、63…枠体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/28 B01D 53/36 ZABC 23/30 102D (72)発明者 横山 公一 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA08 AB02 AC04 BA06X BA06Y BA07X BA07Y BA10Y BA23X BA23Y BA26X BA26Y BA27X BA27Y BB02 4G069 AA03 AA08 AA11 BA02A BA02B BA04A BA04B BA14A BC50A BC50B BC54A BC54B BC59A BC59B BC60A BC60B CA02 CA08 CA13 DA06 EA21 EA28 ED03 FB66

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に触媒成分を担持させた長方形もし
    くは正方形の平板を、その一対の辺に対して平行な方向
    に所定の間隔で折り曲げて平面部と段差部を交互に形成
    した触媒エレメント、または前記平板をその一対の辺に
    対して平行な方向に所定間隔で波板状に湾曲させて山部
    と谷部を交互に形成した触媒エレメントを網状物を介し
    て多数積層した触媒構造体において、前記網状物が、金
    属酸化物によって一部の網目が埋められた一個所以上の
    帯状強化部を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒
    構造体。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物が、酸化チタンとバナジ
    ウム、モリブデン、タングステンの少なくとも一つの酸
    化物を含む触媒組成物であることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス浄化用触媒構造体。
  3. 【請求項3】 前記網状物が、セラミックスまたはガラ
    ス製の網状物であって、シリカ、チタニアをはじめとす
    る無機結合材を含浸して強化したものであることを特徴
    とする請求項1または2に記載の排ガス浄化用触媒構造
    体。
  4. 【請求項4】 前記網状物が、酸化チタンとバナジウ
    ム、モリブデンおよびタングステンのうち少なくとも一
    つの酸化物を含む触媒成分を担持したものであることを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の排ガス浄化用
    触媒構造体。
  5. 【請求項5】 前記触媒エレメントを構成する平板の一
    対の辺に対して平行な段差部または山部を形成した触媒
    エレメントの一部または全部に代えて、触媒エレメント
    を構成する平板の一対の辺に対して所定の傾斜角度で交
    わる段差部または山部を形成した触媒エレメントを用い
    たことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の排ガ
    ス浄化触媒構造体。
  6. 【請求項6】 前記網状物を挟んで、触媒エレメントを
    構成する平板の一対の辺に対して平行な段差部または山
    部を有する触媒エレメントと前記一対の辺に対して所定
    の傾斜角度で交わる段差部または山部を有する触媒エレ
    メントとを交互に積層したことを特徴とする請求項5に
    記載の排ガス浄化用触媒構造体。
  7. 【請求項7】 前記網状物を挟んで、触媒エレメントを
    構成する平板の一対の辺に対して所定の傾斜角度で交わ
    る段差部または山部を有する触媒エレメントを左右反転
    させて交互に多数積層したことを特徴とする請求項5に
    記載の排ガス浄化用触媒構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の排ガス浄化用触媒構造
    体の前記触媒エレメント相互間に配置される網状物であ
    って、金属酸化物によって一部の網目を埋めた一箇所以
    上の帯状強化部を有することを特徴とする排ガス浄化用
    触媒構造体の網状物。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化物が、酸化チタンとバジウ
    ム、モリブデン、タングステンの少なくとも一つの酸化
    物を含む触媒組成物であることを特徴とする請求項8に
    記載の排ガス浄化用触媒構造体の網状物。
  10. 【請求項10】 前記網状物が、セラミックスまたはガ
    ラス製の網状物であって、シリカ、チタニアをはじめと
    する無機結合材を含浸して強化したものであることを特
    徴とする請求項8または9に記載の排ガス浄化用触媒構
    造体の網状物。
  11. 【請求項11】 前記網状物が、酸化チタンとバナジウ
    ム、モリブデンおよびタングステンのうち少なくとも一
    つの酸化物を含む触媒成分を担持したものであることを
    特徴とする請求項8〜10の何れかに記載の排ガス浄化
    用触媒構造体の網状物。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11に記載の網状物を取り
    扱う治具であって、前記網状物に形成された一箇所以上
    の帯状強化部に対応する吸盤を有することを特徴とする
    網状物の取り扱い治具。
JP25462099A 1999-09-08 1999-09-08 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具 Pending JP2001070804A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25462099A JP2001070804A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25462099A JP2001070804A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001070804A true JP2001070804A (ja) 2001-03-21

Family

ID=17267572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25462099A Pending JP2001070804A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001070804A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013125137A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 日立造船株式会社 排ガス脱硝装置における触媒担持ハニカム構造体の端部処理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013125137A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 日立造船株式会社 排ガス脱硝装置における触媒担持ハニカム構造体の端部処理方法
JP2013169526A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Hitachi Zosen Corp 排ガス脱硝装置における触媒担持ハニカム構造体の端部処理方法
US9802179B2 (en) 2012-02-22 2017-10-31 Hitachi Zosen Corporation Method for processing an edge of catalyst-supporting honeycomb structure in exhaust gas denitration apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1027917B2 (en) Catalyst unit and gas purifying apparatus
TWI224023B (en) Exhaust emission control catalyst structure
JP4309046B2 (ja) 排ガス浄化用触媒エレメント、触媒構造体、その製造方法および排ガス浄化装置ならびにこれを用いた排ガス浄化方法
US9724683B2 (en) Catalyst structure
JP5896883B2 (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2003251180A (ja) 窒素酸化物除去用触媒、その製造方法および窒素酸化物の除去方法
JP2001070804A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体ならびにこれに用いる網状物および該網状物の取り扱い治具
KR102710154B1 (ko) 탈질 촉매 구조체
JP5804909B2 (ja) 排ガス浄化用触媒構造体及びその製造法
JP2002119868A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2010253366A (ja) 触媒構造体
JP7195094B2 (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2014113569A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2001252574A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体およびこれに用いる網状物
CN108025291B (zh) 用于去除烟气和废气中氮氧化物的蜂窝状催化剂及其制备方法
JP2001079422A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2001104801A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2000117120A (ja) 触媒構造体
JP2014050824A (ja) 排ガス浄化用触媒エレメントおよび排ガス浄化用触媒構造体
WO2022092313A1 (ja) 排ガス浄化用触媒構造体
JP2014046299A (ja) 脱硝触媒の製造方法
JP2000126615A (ja) 耐摩耗性触媒の製造方法
JP2003284924A (ja) 排ガス処理用触媒構造体
JP2002191986A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体およびその形成に用いるメタルラス板
JP2020116490A (ja) 排ガス浄化用触媒構造体