JP2001070696A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の衣類乾燥機においては、効率が悪く乾
燥に時間がかかるという欠点があった。 【解決手段】 本発明の衣類乾燥機においては、乾燥機
筐体と、上記乾燥機筐体に設けた空気導入口及び排気口
と、空気導入口から乾燥機筐体内に空気を一方向に導入
すると共に、上記乾燥機筐体内に設けた中空の衣類吊り
下げ用ハンガーの端部開口から中央部開口を通して上記
筐体内の空気を他方向に吸引することによって衣類の内
側と外側を同時に乾燥せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は衣類乾燥機、特に、
業務用のクリーニング装置で水洗いした衣類を乾燥する
衣類乾燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、衣類のクリーニングには水洗いに
よるランドリークリーニングと溶剤を使用するドライク
リーニングがある。水洗いによるランドリークリーニン
グは、家庭用の洗濯機にも広く用いられているが、衣類
が変形したり、擦れて傷んだりする場合がある。これに
対して、ドライクリーニングは、衣類を変形させるよう
な物理的な力を極力避け、化学的に汚れを取り去る。ま
た、ドライクリーニングでは衣類を乾燥する工程が極め
て短時間である。しかし、ドライクリーニングで用いら
れる溶剤が環境汚染を引き起こしたり、作業者の健康を
害したり、引火による爆発の危険があることから、現在
水洗いによるランドリークリーニングが見直されてお
り、超音波振動などを用いて、水洗いでも衣類を変形さ
せたり擦れたりしないクリーニング方法が開発されてい
る。

【０００３】然しながら、水洗いによるランドリークリ
ーニングを行った衣類を乾燥させるには、回転するドラ
ム内に被乾燥衣類を投入し、温風を送り込んで乾燥させ
る回転乾燥が行われているため、衣類が擦れて傷んだ
り、互いに絡んでしまい取り出しずらくなるという欠点
があった。

【０００４】このような欠点を除くため、例えば特開平
１０−２４１９９号公報に示す乾燥機においては、被乾
燥衣類の外面を温風によって乾燥するのに代えて被乾燥
衣類の内側から外側に温風を通過せしめるようにしてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記の手
段によっても被乾燥衣類をその外面及び内面に亘り均一
に乾燥することができず、また、効率が悪く乾燥に多く
の時間がかかる欠点があった。

【０００６】本発明者は種々実験，研究の結果従来のよ
うに乾燥機筐体に一方向に空気を導入して衣類の外側を
乾燥すると共に、この筐体内に導入された空気を衣類を
吊り下げたハンガーの端部から上記の方向と異なる方向
に吸引しハンガーの中央部から外部に排出せしめること
によって衣類の内側を乾燥せしめるのが最も効率の良い
ことを見出した。

【０００７】本発明はかかる知見を元にしてなされたも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の衣類乾燥機は、
乾燥機筐体と、上記乾燥機筐体に設けた空気導入口及び
排気口と、上記空気導入口から上記乾燥機筐体内に空気
を一方向に導入する送風手段と、上記乾燥機筐体内に設
けた、その中央部及びその端部に開口を有する中空の衣
類吊り下げ用ハンガーとより成ることを特徴とする。

【０００９】また、本発明の衣類乾燥機は、乾燥機筐体
と、上記乾燥機筐体に設けた空気導入口及び排気口と、
上記空気導入口から上記乾燥機筐体内に空気を一方向に
導入する送風手段と、上記乾燥機筐体内に設けた、その
中央部及びその端部に開口を有する中空の衣類吊り下げ
用ハンガーと、上記ハンガーの端部開口から中央部開口
を通して上記筐体内の空気を他方向に吸引する手段とよ
り成ることを特徴とする。

【００１０】上記ハンガーの中央部の開口から空気を吸
入する手段は吸引手段に連結されたホースを有し、この
ホースにより上記ハンガーが吊下されていることを特徴
とする。

【００１１】また、本発明の衣類乾燥機は、上記乾燥機
筐体内に導入される空気を加熱する加熱装置を有するこ
とを特徴とする。

【００１２】上記ハンガーの端部の開口はメッシュ状で
あることを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明の実施例
を説明する。

【００１４】本発明の衣類乾燥機は、図１及び図２に示
すように、複数の乾燥すべき上着等の衣類１を吊り下げ
るのに十分な空間を有する乾燥機筐体２の天井に設けた
多数の空気導入口３と、上記乾燥機筐体２の外部に設け
たブロワー等の送風装置４と、上記送風装置４と上記乾
燥機筐体２の下部を連通する排気口５と、上記乾燥機筐
体２内上部に配置した上記空気導入口３からの空気を加
熱する電熱式ヒーター等の加熱装置６と、上記乾燥機筐
体２内の上記ヒーター６の下側において上部の一方の壁
から他方の壁に水平に掛け渡した管７と、上記乾燥機筐
体２の外部に設けた上記管７に連結した空気吸引装置８
と、上記管７に連通せしめた複数のホース９と、この各
ホース９の先端部に設けたワンタッチ流体継手１０と、
上記継手１０が接続される中央上部開口１１を有し、そ
の両端部上面に１又は複数の孔１２を有する耐熱性のあ
る金属性又は樹脂性の複数の衣類吊下用中空ハンガー１
３と、上記乾燥機筐体２内で上記ヒーター６と上記管７
との間を仕切る、複数の孔１４ａを有する空気整流板１
４と、上記乾燥機筐体２内の温度や湿度を検知するセン
サー１６と、上記センサー１６により検知した情報によ
り上記送風装置４、加熱装置６及び空気吸引装置８を制
御するタイマー付きコントローラ１７とよりなる。

【００１５】なお、上記管７より垂下せしめた各隣合う
ホース９間は、上記ハンガー１３に衣類１を吊り下げた
場合でも、各隣合う衣類１が接触しない程度の間隔とす
る。この間隔は調節自在とするのが好ましい。

【００１６】本発明の衣類乾燥機は上記のような構成で
あるから、上記各ホース９のワンタッチ流体継手１０と
各上記ハンガー１３を連結して、上記ホース９によって
吊下された複数のハンガー１３に夫々上着等の衣類１を
吊下げ、上記送風装置４を駆動して、上記加熱装置６に
より加熱された空気（温風）を空気導入口３を介して上
記乾燥機筐体２内に導入し、排気口５から排出せしめれ
ば衣類１の外側部分が乾燥されるようになる。

【００１７】また、同時に上記空気吸引装置８を駆動し
て上記ハンガー１３の端部開口１２を介して中央部開口
１１から上記衣類１の内側の湿った空気を吸引せしめれ
ば、上記空気導入口３から筐体２内に一方向に導入され
た空気の一部が衣類の下側から衣類の内側に入り上記ハ
ンガー１３を介して上記空気流と逆の方向に流れ、上記
衣類１の内側部分を乾燥せしめるようになるが、この空
気の流れは、上記衣類の外側を乾燥する空気の流れを加
速するように作用する。

【００１８】また、上記乾燥機筐体２内の温度や湿度等
を上記センサー１６で検知し、その検知した情報をコン
トローラー１７で読み込み、このコントローラー１７か
らの指令により上記送風装置４、加熱装置６及び空気吸
引装置８を制御せしめることにより調整する。また、上
記コントローラー１７のタイマーにより空気の導入時間
を設定せしめても良い。

【００１９】また、上記ハンガー本体１３の他端部に孔
１２を設ける代わりに他端部をメッシュ状に形成せしめ
ても良い。

【００２０】また、上記各継手１０の部分に夫々空気流
量調整バルブ（図示せず）を設けて空気流量を調節し、
衣類の生地や形状の違いから生ずる各衣類の乾燥時間の
ばらつきを無くすようにしても良い。

【００２１】また、上記乾燥機筐体２内にハンガー吊下
げ用手段を設ければ、上記ホース９によってハンガー１
３を吊下する必要がない。

【００２２】本発明の他の実施例においては、上記管７
及び空気吸引装置８を用いる代わりに図３に示すように
乾燥機筐体２の上部にバー１５を水平方向に掛け渡し、
上記衣類吊下用ハンガー１３の代わりに図４に示すよう
に、上記バー１５に係合される吊下用フック１８と上記
フック１８の下部左右に夫々その一端を固定した中空の
ハンガー本体１９と、上記ハンガー本体１９の一端開口
２０と、上記ハンガー本体の他端上面に設けた１又は複
数の孔２１とよりなる衣類吊下用ハンガー２２を用い
る。

【００２３】本発明のこの実施例においては、上記乾燥
機筐体２内の複数のハンガー２２に夫々上着等の衣類１
を吊下げ、上記送風装置４を駆動して、上記加熱装置６
により加熱された空気（温風）を上記乾燥機筐体２の排
気口５に向って移動せしめる。

【００２４】上記温風は、上記空気整流板１４の各孔１
４ａから夫々上記乾燥機筐体２内の下部に吹き出され、
その温風の一部は上記衣類１の外側部分を乾燥せしめ、
また、上記温風の一部は上記ハンガー２２の開口２０か
らハンガー本体１９内に入り込み、その温風は上記ハン
ガー本体１９の他端上面に設けた孔２１からハンガー本
体１９の外部へ吹き出し、上記衣類１の肩部等の内側部
分を乾燥せしめ、その後、水分を含んだ湿った空気は上
記乾燥機筐体２の排気口５から上記乾燥機筐体外に放出
される。

【００２５】なお、上記ハンガー本体１９の他端下面又
は、先端部に更に複数の孔（図示せず）を設け、衣類１
の上着の脇の部分を内側から迅速に乾燥せしめるように
しても良い。

【００２６】また、上記ハンガー本体１９の他端部に孔
２１を設ける代わりに、他端部をメッシュ状に形成せし
めても良い。

【００２７】なお、上記ハンガー２２の開口２０と上記
空気整流板１４の孔１４ａ間をホース（図示せず）で直
接接続し、ハンガー本体１９内に温風を導入せしめるよ
うにしても良い。

【００２８】

【発明の効果】上記のように本発明の衣類乾燥機によれ
ば、水洗いした衣類をハンガーにかけたまま乾燥するこ
とができるので、乾燥時に擦れて傷になることがない。
また、型崩れすることがない。従って、デリケートな衣
類のクリーニングを行うことができる。更に、衣類同士
が絡み合うことがなく、乾燥後の取出し作業も容易で乾
燥から仕上げの工程をスムーズに行うことができる。ま
た、本発明の衣類乾燥機においては、衣類の外側を乾燥
する空気の一部を同時に衣類の内側を乾燥する空気とし
て利用すると共に、後者の空気の流れによって前者の空
気の流れを加速するようにしたので乾燥効率を高め、乾
燥時間を大幅に縮少できるようになる大きな利益があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の衣類乾燥機の説明図である。

【図２】本発明の衣類乾燥機に用いるハンガーの説明図
である。

【図３】本発明の衣類乾燥機の他の実施例説明図であ
る。

【図４】図３に示す衣類乾燥機におけるハンガーの説明
図である。

【符号の説明】

１ 衣類 ２ 乾燥機筐体 ３ 空気導入口 ４ 送風装置 ５ 排気口 ６ 加熱装置 ７ 管 ８ 空気吸引装置 ９ ホース １０ 継手 １１ 中央上部開口 １２ 孔 １３ ハンガー １４ 空気整流板 １４ａ 孔 １５ バー １６ センサー １７ コントローラー １８ 吊下用フック １９ ハンガー本体 ２０ 一端開口 ２１ 孔 ２２ 衣類吊下用ハンガー

【手続補正書】

【提出日】平成１２年８月１４日（２０００．８．１
４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００８

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の衣類乾燥機は、
乾燥機筐体と、上記乾燥機筐体に設けた空気導入口及び
排気口と、上記空気導入口から上記乾燥機筐体内に空気
を一方向に導入する送風手段と、上記乾燥機筐体内に吊
下した、上端開口及び下端上面開口を有する２個の左右
に下方に延びる中空のハンガー本体より成る衣類吊り下
げ用ハンガーとより成ることを特徴とする。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乾燥機筐体と、上記乾燥機筐体に設けた
   空気導入口及び排気口と、上記空気導入口から上記乾燥
   機筐体内に空気を一方向に導入する送風手段と、上記乾
   燥機筐体内に設けた、その中央部及びその端部に開口を
   有する中空の衣類吊り下げ用ハンガーとより成ることを
   特徴とする衣類乾燥機。
2. 【請求項２】 乾燥機筐体と、上記乾燥機筐体に設けた
   空気導入口及び排気口と、上記空気導入口から上記乾燥
   機筐体内に空気を一方向に導入する送風手段と、上記乾
   燥機筐体内に設けた、その中央部及びその端部に開口を
   有する中空の衣類吊り下げ用ハンガーと、上記ハンガー
   の端部開口から中央部開口を通して上記筐体内の空気を
   他方向に吸引する手段とより成ることを特徴とする衣類
   乾燥機。
3. 【請求項３】 上記ハンガーの中央部の開口から空気を
   吸入する手段が吸引手段に連結されたホースを有し、こ
   のホースにより上記ハンガーが吊下されていることを特
   徴とする請求項２記載の衣類乾燥機。
4. 【請求項４】 上記乾燥機筐体内に導入される空気を加
   熱する加熱装置を有することを特徴とする請求項１、２
   又は３記載の衣類乾燥機。
5. 【請求項５】 上記ハンガーの端部の開口がメッシュ状
   であることを特徴とする請求項１、２、３又は４記載の
   衣類乾燥機。