JP2001069665A - 限流器 - Google Patents

限流器

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JP2001069665A
JP2001069665A JP23660199A JP23660199A JP2001069665A JP 2001069665 A JP2001069665 A JP 2001069665A JP 23660199 A JP23660199 A JP 23660199A JP 23660199 A JP23660199 A JP 23660199A JP 2001069665 A JP2001069665 A JP 2001069665A
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superconducting
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JP23660199A
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Toru Okazaki
徹 岡崎
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導体を用いた限流器において、限流器の
動作時に常電導状態へ転移した超電導体が超電導状態へ
と復帰することを防止することにより、限流器の安定し
た動作を実現することが可能な限流器の構成を提供す
る。 【解決手段】 限流器は第1および第2の超電導コイル
1、2と抵抗体またはインダクタンスR2と外部コイル
5とを備える。第1および第2の超電導コイル1、2は
超電導線材の巻線からなる。抵抗体またはインダクタン
スR2は第2の超電導コイル2に電気的に並列に接続さ
れている。外部コイル5は第1および第2の超電導コイ
ル1、2を囲むように配置され、第1または第2の超電
導コイル1、2の少なくともいずれか一方と並列に電気
的に接続されている。第1および第2の超電導コイル
1、2は互いに直列に電気的に接続され、電流が流れる
ことにより互いに逆方向の磁界を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は限流器に関し、特
に超電導コイルを用いた限流器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力回路において短絡等の故障や事故に
より発生した過大な電流を瞬時に制限するために限流器
が用いられる。近年、超電導体を用いた限流器が開発さ
れてきている。この超電導体を用いた限流器は、短絡等
の事故のときに超電導体を超電導状態から常電導状態へ
転移させる機構を利用している。
【0003】たとえば、T. Okazaki, P. D. Evans,“A
Fault Current Limiter in Toroidal Form to Maximise
Effective Jc ”, Proceedings of ASC 98 (以下、
「Okazaki文献」と称する)では、誘導型の超電導限流
器の構成が開示されている。この誘導型の超電導限流器
は、電力系統に接続される常電導体を含む1次コイル
と、超電導体を含み、その両端を短絡した2次コイルと
から構成される。通常運転時には、2次コイルは超電導
状態を保つように設計されている。この状態で、1次コ
イルで発生する磁束は、2次コイルに流れる誘導電流に
よる磁束により打ち消される。短絡事故等で1次コイル
側に過大な電流が流れると、2次コイルに流れる電流も
大きくなる。この大電流により、2次コイルの超電導体
がクエンチすると、2次コイルにクエンチ抵抗が発生す
る。このために、2次コイルに流れる誘導電流は小さく
なる。したがって、1次コイルで発生する磁束を十分に
打ち消すことができなくなり、限流器のインピーダンス
が大きくなる。この増大したインピーダンスにより、事
故のときに発生した電流を限流する。
【0004】上記のように動作する超電導限流器に用い
られる超電導体に要求される特性として、通常運転の状
態では高い臨界電流値、短絡事故等のとき(過大な電流
が発生したとき)には高いクエンチ抵抗値がある。この
ような要求特性に対して、上記文献で開示されている誘
導型超電導限流器では、平板状のコイルをトロイダル型
に配置することが提案されている。1次コイルを常電導
体である銅線からなるパンケーキコイルで構成し、2次
コイルをジルコニア基板の両側に薄膜の酸化物超電導体
を形成したリングで構成している。この1次コイルと2
次コイルとを互い違いに配置して、コイル軸が円を形成
するように環状に配置し、すなわちトロイダル型に配置
している。このような構成を採用することにより、通常
運転状態において磁界の分布は超電導体の表面に対して
平行となり、超電導体の臨界電流値が最大になる。事故
などで過大な電流が発生したときには、発生する磁界は
超電導体の表面に対して垂直になり、超電導体の抵抗値
は最大になる。このようにして、通常時の設計電流値に
対して要求される超電導体の量が最小となり、事故時の
超電導体の抵抗値が大きくなる。この結果、誘導型限流
器において事故時に発生する過大な電流を効果的に抑制
することができる。
【0005】また、特開平2−101926号公報で
は、2個の超電導コイルを並列に接続することにより、
無誘導型の超電導限流器の構成が開示されている。この
超電導限流器においては、一方の超電導コイルを常電導
の状態に転移させることにより、他方の超電導コイルが
事故時の過大な電流を制限するためのインダクタンスを
発生させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
文献で示されているような従来の誘導型の超電導限流器
では、トロイダル型に配置される1次コイルと2次コイ
ルとの軸芯に鉄芯を配置する必要がある。これは、誘導
型限流器においては、鉄芯なしでは事故時に十分なイン
ピーダンスを確保することが困難であるからである。文
献に開示された従来の超電導限流器では、2次コイルが
超電導状態から常電導状態に転移した後、2次コイルの
抵抗値は1次コイルの電流値に応じて大きくなってい
る。2次コイルの抵抗値が無限大になると仮定すると、
文献に開示されている限流器は単純なインダクタとみな
し得る。したがって、ファラデーの法則に従って事故時
に適切な大きさのインピーダンスを得るためには、1次
コイル側だけで適切なインダクタの設計が行なわれる必
要がある。その結果、事故時の過大な電流を制限するた
めに必要な所定のインピーダンスを得るためには、コイ
ルの軸芯に導入される鉄芯の形状を大きくする必要があ
る。これにより、限流器自体の重量が増大するという問
題があった。また、所定の大きさの形状の鉄芯を、トロ
イダル型に配置された複数個のコイルの軸芯に挿入する
必要があり、限流器の構造も複雑にならざるを得ないと
いう問題があった。
【0007】また、ここで超電導体を超電導状態から常
電導状態へと転移させるためには、超電導体に印可され
る磁界の強度を大きくする、あるいは超電導体に大電流
を流すといった条件が必要とされる。ところが、上記の
文献に開示された超電導限流器では、限流器が動作した
場合に限流器を流れる電流値が小さくなる。このため、
限流器が動作している際、限流器の2次コイルを構成す
る超電導体には大電流は流れず、かつ印可される磁界の
強度も小さい状態になる。この結果、常電導状態へと転
移した2次コイルの超電導体が常電導状態から超電導状
態に再度転移する場合があった。このような場合には、
限流器の限流作用が発揮されない状態となる。
【0008】一方、特開平2−101926号公報に開
示された無誘導型の超電導限流器では、2個の並列に接
続された超電導コイルのうち、一方の超電導コイルは常
に超電導状態に保持されなければならない。そのため、
一方の超電導コイルを常に超電導状態に保つために十分
な技術的余裕を有するように限流器を安全に設計しなけ
ればならない。また、インダクタンスにより事故時の電
流を制限するために、このインダクタンスが適正値にな
るようにコイルの巻数を増やす等の対策が必要になる。
【0009】この発明は、以上のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の目的は、限流器
が動作した状態における常電導状態へと転移した超電導
体が超電導状態に復帰(再転移)することを防止し、限
流器を安定して動作させることが可能な限流器の構成を
提供することである。
【0010】この発明のもう1つの目的は、鉄芯を用い
ないで、事故時に発生する過大な電流を制限するのに十
分なインピーダンスを確保することが可能な限流器の構
成を提供することである。
【0011】また、この発明のもう1つの目的は、通常
運転時において可能な限り磁界のキャンセル条件を実現
することが可能な限流器の構成を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の1の局面にお
ける限流器は、第1および第2の超電導コイルと、抵抗
体またはインダクタと、外部コイルとを備える。第1お
よび第2の超電導コイルは超電導線の巻線からなる。抵
抗体またはインダクタは第2の超電導コイルに電気的に
並列に接続されている。外部コイルは第1および第2の
超電導コイルの周囲に配置されている。第1の超電導コ
イルは第2の超電導コイルに直列に電気的に接続されて
いる。第1の超電導コイルと第2の超電導コイルとは電
流が流れることにより互いに逆方向の磁界を発生させる
ものである。外部コイルは第1または第2の超電導コイ
ルの少なくともいずれか一方と並列に電気的に接続され
ている(請求項1)。
【0013】このように、外部コイルを備えることによ
り、限流器が動作した際にもこの外部コイルにおいて磁
界を発生させ、この発生した磁界を第1および第2の超
電導コイルの超電導体へと印可することができる。この
ため、限流器が動作している際に、第1および第2の超
電導コイルの超電導体に印加される磁界の強度が小さく
なることを防止できる。そのため、限流器の動作時に第
1および第2の超電導コイルが常電導状態から超電導状
態へと復帰(再転移)することを防止できる。この結
果、限流器を安定して動作させることができる。
【0014】また、外部コイルは第1または第2の超電
導コイルの少なくともいずれか一方と並列に電気的に接
続されているので、第1または第2の超電導コイルの常
電導状態におけるインピーダンスより外部コイルのイン
ピーダンスを小さくしておけば、第1または第2の超電
導コイルがクエンチし常電導状態となった場合(限流器
の動作時)に、限流器が動作するまでは第1または第2
の超電導コイルへと流れていた電流を確実に外部コイル
へと流すことができる。このため、限流器の動作時に外
部コイルにおいて確実に磁界を発生させることができ
る。
【0015】また、上記1の局面における限流器におい
ては、通常運転時には、第1の超電導コイルと第2の超
電導コイルとが互いに逆方向の磁界を発生させるので、
コイル軸方向の磁界はキャンセルされる。一方、事故時
に過大な電流が発生するとき、第1と第2の超電導コイ
ルのうち一方の超電導コイルがクエンチし、その抵抗値
が増加する。このとき、一方の超電導コイルに電気的に
並列に接続された抵抗体またはインダクタに電流が分か
れて流れる。これにより、第1と第2の超電導コイルに
流れる電流値が異なり、磁界のキャンセル条件が崩れ
る。この結果、コイル軸方向に磁界が分布することによ
り、すなわち第1および第2の超電導コイルの超電導体
の表面に垂直な磁界が分布することになり、クエンチし
た一方の超電導コイルの抵抗値がさらに増加する。そし
て、超電導体の表面に垂直に分布する磁界により、他方
の超電導コイルも常電導状態に転移する。こうして、コ
イルに流れる電流とその磁界とにより、第1および第2
の超電導コイルは大きなクエンチ抵抗を有する。したが
って、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限す
るための全体インピーダンスを超電導コイルのクエンチ
抵抗値によって決定することができる。これにより、従
来の誘導型の超電導限流器とは異なり、ファラデーの法
則による制限を受けないで、限流器全体の大きさを設計
することができる。また、鉄芯を用いていないため、限
流器の重量を小さくしコンパクトにすることができる。
【0016】また、上記1の局面における限流器では、
第1の超電導コイルが第2の超電導コイルと直列に電気
的に接続されているので、第1および第2の超電導コイ
ルにおいてそれぞれ正確に同量の磁界をコイル軸方向に
発生させることができる。この結果、厳密に磁界のキャ
ンセル条件を成立させることができる。
【0017】上記1の局面における限流器では、第1も
しくは第2の超電導コイルの少なくともいずれか一方に
おける超電導線の表面に対して、外部コイルのコイル軸
がほぼ垂直となるように外部コイルが配置されていても
よい(請求項2)。
【0018】この場合、外部コイルによって発生させら
れる磁界の方向はこの外部コイルのコイル軸とほぼ平行
となるので、第1もしくは第2の超電導コイルの少なく
ともいずれか一方における超電導線の表面に対してこの
磁界を垂直に分布させることができる。ここで、超電導
体はその表面に対して垂直な磁界が分布する場合に最も
大きな抵抗値を示すことが知られている。このため、上
記のような構成とすることにより、外部コイルにより一
定の強度の磁界を発生させた場合に、第1もしくは第2
の超電導コイルの抵抗値を大きくすることができる。こ
の結果、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電流を制限
するための全体インピーダンスを超電導コイルのクエン
チ抵抗値により確実に実現できる。
【0019】また、上記のような構成とすることによ
り、超電導コイルにおける必要なクエンチ抵抗値を実現
するための外部コイルによる磁界の強度を最小とするこ
とができる。このため、外部コイルにおいて巻数などの
装置構成を簡略化することができる。この結果、限流器
の製造コストを低減することができる。
【0020】この発明の他の局面における限流器は、第
1の超電導コイルと、外部コイルとを備える。第1の超
電導コイルは超電導線の巻線からなる。外部コイルは第
1の超電導コイルと並列に電気的に接続され、第1の超
電導コイルの周囲に配置されている。第1の超電導コイ
ルにおける超電導線の表面に対して、外部コイルのコイ
ル軸がほぼ垂直となるように外部コイルは配置されてい
る(請求項3)。
【0021】このようにすれば、外部コイルにより形成
される磁界の方向は外部コイルのコイル軸とほぼ平行な
方向であるので、超電導線の表面に対してほぼ垂直な磁
界を分布させることができる。このため、第1のコイル
が電源と接続されているような限流器が動作した際(第
1の超電導コイルの超電導線がクエンチし常電導状態へ
と転移した場合)に、外部コイルにより形成された、超
電導線の表面に対してほぼ垂直な磁界を超電導線に印加
することができる。そのため、クエンチした第1の超電
導コイルの抵抗値を増大させることができる。この結
果、限流器を安定して動作させることができる。
【0022】また、外部コイルは第1の超電導コイルと
並列に電気的に接続されているので、第1の超電導コイ
ルの常電導状態におけるインピーダンスより外部コイル
のインピーダンスを小さくしておけば、第1の超電導コ
イルがクエンチし常電導状態となった場合(限流器の動
作時)に、限流器が動作するまでは第1の超電導コイル
へと流れていた電流を確実に外部コイルへと流すことが
できる。このため、限流器の動作時に外部コイルにおい
て確実に磁界を発生させることができる。
【0023】上記他の局面における限流器は、超電導線
の巻線からなる第2の超電導コイルを備えていてもよ
い。第1の超電導コイルは、第2の超電導コイルに直列
に電気的に接続されていてもよい。第1の超電導コイル
と第2の超電導コイルとは、電流が流れることにより互
いに逆方向の磁界を発生させるものであってもよく、さ
らに、第2の超電導コイルに電気的に並列に接続された
抵抗体またはインダクタを備えていてもよい(請求項
4)。
【0024】この場合、第1の超電導コイルが第2の超
電導コイルに直列に電気的に接続されているので、正確
に同量の磁界をコイル軸方向に発生させることができ
る。この結果、厳密に磁界のキャンセル条件を成立させ
ることができる。
【0025】上記他の局面における限流器は、超電導線
の巻線からなる第2の超電導コイルを備えていてもよ
い。第2の超電導コイルは短絡されており、かつ、第1
の超電導コイルに発生する磁界の方向とは逆方向の磁界
を発生させるように配置されていてもよい(請求項
5)。
【0026】この場合、第2の超電導コイルは第1の超
電導コイルと直列に接続されていなくても、第1の超電
導コイルの近傍に第2の超電導コイルを配置すれば、通
常状態で第2の超電導コイルには誘導により電流が流れ
る。この結果、第1の超電導コイル1による磁界をほぼ
キャンセルできる。そして、第2の超電導コイルの臨界
電流値を第1の超電導コイルの臨界電流値より小さくし
ておけば、事故時に過大な電流が発生するときに、第2
の超電導コイルが先にクエンチし、その抵抗値が増加す
る。これにより、第1と第2の超電導コイルに流れる電
流値が異なることになり、磁界のキャンセル条件が崩れ
る。このため、第1および第2の超電導コイルのコイル
軸方向に磁界が分布することになる。この結果、超電導
体の表面に垂直な磁界が分布することになるので、第1
の超電導コイルも常電導状態に転移する。そのため、第
1の超電導コイルは、大きなクエンチ抵抗を有すること
になる。その結果、鉄芯を用いないで、事故時の過大な
電流を制限するための全体インピーダンスを超電導コイ
ルのクエンチ抵抗値によって決定することができる。
【0027】また、電源に接続されるのは基本的に第1
の超電導コイルのみでよいので、事故時に高電圧が発生
する部位が限られることになる。このため、事故時に発
生する過大な電圧を確実に絶縁するための厳重な絶縁設
計を行なう必要のある部位が減少するので、限流器の設
計の自由度が向上する。また、限流器の装置構成自体も
単純化することが可能となる。
【0028】上記1の局面または他の局面における限流
器では、外部コイルにおいて発生する磁界の位相を調整
する位相調整部材をさらに備えていてもよい(請求項
6)。
【0029】ここで、超電導体に交流の電流を流す場
合、この超電導体に印加される磁場の位相と上記電流の
位相との関係により、超電導体の抵抗値が異なることが
知られている(たとえば、T. Matsumura, T. Uchii, Y.
Yokomizu,“Development of Flux-Lock-Type Fault Cu
rrent Limiter with High-Tc Superconducting Elemen
t”, IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVIT
Y, VOL. 7 NO. 2, JUNE 1997 を参照)。具体的には、
超電導体に印加される磁界の強度が大きく、かつ超電導
体に通電される電流値が大きい場合に超電導体の抵抗は
最大となる。このため、位相調整部材を用いて、外部コ
イルに流れる電流の位相を調整することにより、超電導
コイルの超電導体に流れる交流電流の位相と外部コイル
において発生する磁界の位相とを同期させることができ
る。この結果、クエンチした超電導コイルの抵抗値をよ
り大きくすることができる。
【0030】上記1の局面または他の局面における限流
器では、位相調整部材が、外部コイルと直列に電気的に
接続された、インピーダンスを有する回路素子であって
もよい(請求項7)。
【0031】この場合、限流器の作動時に外部コイルへ
流れる電流を回路素子にも流すことができる。そして、
外部コイルと回路素子とが直列に接続されていることか
ら、限流器の動作時に外部コイルと回路素子とからなる
回路へ印加される電圧を外部コイルと回路素子とにより
負担させることができる。このため、外部コイルが負担
しなければならない電圧を回路素子が無い場合より小さ
くすることができるので、外部コイルの絶縁仕様などの
設計が容易になる。
【0032】上記1の局面または他の局面における限流
器では、回路素子のインピーダンスが外部コイルのイン
ピーダンスより大きくてもよい(請求項8)。
【0033】この場合、限流器の動作時に外部コイルと
回路素子とからなる回路へ印加される電圧の大半を回路
素子により負担させることができる。この結果、外部コ
イルが負担する電圧をより小さくすることができるの
で、外部コイルの設計をより容易に行なうことができ
る。
【0034】また、位相調整部材のインピーダンスを調
整することにより、限流器の動作特性を運転環境に合わ
せて決定することが可能となる。
【0035】上記1の局面または他の局面における限流
器では、外部コイルが第1の超電導コイルの周囲を取囲
むように配置されていてもよく、第1の超電導コイルが
外部コイルの内側に配置されていてもよい。
【0036】上記1の局面または他の局面における限流
器では、超電導線が酸化物超電導体を含んでいてもよ
い。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一
または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明
は繰返さない。
【0038】図1は、この発明による限流器の実施の形
態を示す斜視断面模式図である。図1を参照して、限流
器を説明する。
【0039】図1を参照して、限流器は第1の超電導コ
イル1と第2の超電導コイル2と抵抗体R2と磁場印加
用コイルである外部コイル5と位相調整部材としての位
相調整インピーダンス4とを備える。第1の超電導コイ
ル1と第2の超電導コイル2とは、互い違いに配置され
ている。第1の超電導コイル1と第2の超電導コイル2
とは、互いに逆方向に巻かれた超電導線の巻線から構成
されている。超電導線は酸化物超電導体を含む。第1お
よび第2の超電導コイル1、2は直列に電気的に接続さ
れている。外部コイル5は第1および第2の超電導コイ
ル1、2の周囲に、第1および第2の超電導コイル1、
2を囲むように配置されている。第1の超電導コイル1
は交流電流を供給する電源ライン3aと接続されてい
る。第2の超電導コイル2は電源ライン3bと接続され
ている。外部コイル5と位相調整インピーダンス4とは
直列に電気的に接続されている。そして、この位相調整
インピーダンス4と外部コイル5とは第1および第2の
超電導コイル1、2と並列に電気的に接続されている。
【0040】ここで、第1および第2の超電導コイル
1、2は、図2および3に示すような構造を有してい
る。図2は、図1に示した限流器に用いられる超電導コ
イルの平面模式図である。また、図3は、図2に示した
超電導コイルの断面模式図である。図2および3を参照
して、第1および第2の超電導コイル1、2は、絶縁基
板7の表面上において、この絶縁基板7の表面に沿って
超電導線としての超電導体膜8が渦巻状に配置された平
板状の超電導コイルである。絶縁基板7の表面と裏面と
の上にはそれぞれ超電導体膜8が渦巻状に配置されてお
り、この絶縁基板7の表面における絶縁体膜8と絶縁基
板7の裏面における超電導体膜8とは表裏面接続部9に
より電気的に接続されている。そして、超電導体膜8の
両端部にはそれぞれ端子6a、6bが形成されている。
【0041】なお、第1および第2の超電導コイル1、
2として、リング状の基板の両面にスパイラル形状の酸
化物超電導体薄膜を形成したダブルパンケーキコイルを
採用してもよい。あるいは、通常の酸化物超電導線を用
いて形成されたダブルパンケーキコイルから第1および
第2の超電導コイル1、2を構成してもよい。また、第
1および第2の超電導コイル1、2としてダブルパンケ
ーキ構造以外のコイル形態を採用してもよい。
【0042】図4は、図1に示した限流器における超電
導コイルおよび外部コイルの結線図である。
【0043】図4を参照して、限流器では、第1の超電
導コイル1同士を直列に接続し、第2の超電導コイル2
同士を直列に接続している。そして、このように直列に
接続された第1の超電導コイル1と第2の超電導コイル
2とを互いに直列に接続している。直列に接続された複
数の第2の超電導コイル2に対して並列に抵抗体R2を
接続する。
【0044】ここで、抵抗体R2のインピーダンスは超
電導状態の第2の超電導コイル2におけるインピーダン
スZSC2よりもわずかに大きい値とする。この超電導
状態の第2の超電導コイル2におけるインピーダンスZ
SC2は非常に小さい。また、第2の超電導コイル2の
臨界電流値を第1の超電導コイル1の臨界電流値よりも
わずかに小さくする。
【0045】外部コイル5と位相調整インピーダンス4
とは直列に接続されている。この位相調整インピーダン
ス4と外部コイル5とは、第1の超電導コイル1および
第2の超電導コイル2と並列に電気的に接続されてい
る。
【0046】次に、本発明による限流器の通常運転状態
について図5および6を参照して説明する。
【0047】図5は、通常運転時に流れる電流の方向を
示す、図4に対応した結線図である。また、図6は、図
5に対応した等価回路図である。図5および6に示すよ
うに、通常運転時には、第1の超電導コイル1と第2の
超電導コイル2とは両方とも超電導状態となっている。
したがって、超電導状態における第1の超電導コイル1
のインピーダンスZSC1と第2の超電導コイル2のイ
ンピーダンスZSC2とは非常に小さな値である。ここ
で、上述のように抵抗体R2のインピーダンスは、超電
導状態における第2の超電導コイル2のインピーダンス
ZSC2よりもわずかに大きくなるように設定されてい
る。また、位相調整インピーダンス4のインピーダンス
ZCも、超電導状態における第1および第2の超電導コ
イル1、2のインピーダンスZSC1、ZSC2よりも
大きくなるように設定されている。このため、電源ライ
ン3aから限流器へと供給される電流i0はすべて第1
の超電導コイル1と第2の超電導コイル2とを流れる。
このため、他の部分(抵抗体R2や位相調整インピーダ
ンス4および磁場印加用コイルである外部コイル5)に
は分流しない。そのため、外部コイル5には電流がほと
んど流れないので、外部コイル5によっては磁界は形成
されない。この結果、この外部コイル5は限流器へほと
んど影響を与えない。
【0048】ここで、図5に示すように、第1の超電導
コイル1と第2の超電導コイル2とは互いに逆方向に巻
かれた酸化物超電導線の巻線からなり、かつ第1の超電
導コイル1が第2の超電導コイル2と直列に電気的に接
続されているので、第1および第2の超電導コイル1、
2においてそれぞれ正確に同量の磁界をコイル軸方向に
発生させることができる。これにより、第1の超電導コ
イル1および第2の超電導コイル2のコイル軸方向の磁
界はキャンセルされる。このため、発生する磁界は自己
磁界だけである。そして、図5において点線で示したよ
うに第1の超電導コイル1、第2の超電導コイル2のそ
れぞれの超電導体の表面に平行に磁界が分布する。ここ
で、酸化物超電導体の臨界電流値は、磁界の値とその方
向により大きく影響を受ける。すなわち、上記Okazaki
文献の図7に示されているように、酸化物超電導体に外
部から磁界を作用させた場合には、自己磁界のみの状態
よりも超電導体の臨界電流値は小さくなる。特に、酸化
物超電導体の表面に垂直に磁界を分布させると、酸化物
超電導体の表面に平行に磁界を分布させる場合より臨界
電流値はさらに小さくなる。このため、上述のように自
己磁界を含めて発生する磁界が酸化物超電導体の表面に
平行な場合、臨界電流値の減少の度合いが小さくなる。
したがって、本発明の限流器において、通常運転時には
相対的に高い臨界電流値を維持することができる。
【0049】また、電流が増加して設定された故障電流
値を超えた際、第2の超電導コイル2が初めにクエンチ
するように、第2の超電導コイル2の臨界電流値を第1
の超電導コイル1の臨界電流値よりも少し小さくなるよ
うに設定する。
【0050】図7は、事故時に流れる電流の方向を示
す、図4に対応した結線図である。また、図8は、図7
に対応した等価回路図である。図7および8を参照し
て、事故時の限流器の状態を説明する。
【0051】事故時には第1および第2の超電導コイル
1、2に大電流が流れる。この大電流により第2の超電
導コイル2が第1の超電導コイル1より先にクエンチす
ると、第2の超電導コイル2のインピーダンスZSC2
は超電導状態でのインピーダンスZSC2より大幅に大
きくなる。このため、クエンチした状態(常電導状態)
における第2の超電導コイル2のインピーダンスZSC
2は結果的に抵抗体R2のインピーダンスよりも大きく
なる。この場合、第2の超電導コイル2ではなく抵抗体
R2に電流iscが流れる。この結果、第1の超電導コ
イル1と第2の超電導コイル2とを流れるそれぞれの電
流値が異なることになるので、通常運転時に保たれてい
た磁界のキャンセル条件が崩れる。
【0052】このように磁界のキャンセル条件が崩れた
場合、図7を参照して、点線で示すように、磁界は第1
の超電導コイル1と第2の超電導コイル2とのコイル軸
の方向、すなわち超電導体の表面に垂直な方向に分布す
るようになる。このように事故時においてコイル軸方向
(つまり超電導体の表面に垂直な方向)に磁界が分布す
ると、第1および第2の超電導コイル1、2を構成する
超電導体の抵抗値が大きくなる。そのため、第2の超電
導コイル2の抵抗値はさらに大きくなる。また、第1の
超電導コイル1もこの垂直方向の磁界の分布により、一
気に常電導状態に転移する。その結果、第1の超電導コ
イル1も大きな抵抗値を有することになる。また、この
垂直方向の磁界により、第1の超電導コイル1の抵抗値
はさらに大きくなる。こうして、コイルに流れる電流と
その磁界とにより、第1および第2の超電導コイル1、
2は大きなクエンチ抵抗を有する。したがって、鉄芯を
用いないで、事故時の過大な電流を制限するための全体
インピーダンスを超電導コイルのクエンチ抵抗値によっ
て決定することができる。これにより、従来の誘導型の
超電導限流器とは異なり、ファラデーの法則による制限
を受けないで、限流器全体の大きさを設計することがで
きる。また、鉄芯を用いていないため、限流器の重量を
小さくしコンパクトにすることができる。
【0053】また、第1の超電導コイル1の常電導状態
への転移は、磁界の印加により誘起されている。磁界は
均一に第1の超電導コイル1に印加されるため、第1の
超電導コイル1の常電導状態への転移は一箇所に集中す
ることなく、また電磁気的な現象であるため熱的な現象
とは異なり、一部に集中することはない。
【0054】また、位相調整インピーダンス4および外
部コイル5のインピーダンスは、常電導状態でのインピ
ーダンスZSC1およびZSC2よりも小さくなるよう
に設定されている。したがって、第1および第2の超電
導コイル1、2がクエンチすると、図7および8に示す
ように位相調整インピーダンス4および外部コイル5へ
と電源ライン3aから電流iecが流れる。この電流i
ecが外部コイル5を流れるので、外部コイル5により
図7の点線で示すような磁界が発生する。
【0055】そして、限流器が動作している間中、電流
iecはこの外部コイル5へと流れ続けることになるた
め、この外部コイル5によって形成される磁界は限流器
が動作している間中維持されることになる。このため、
限流器の動作時に、外部コイル5によって磁界を第1お
よび第2の超電導コイル1、2に印加できるので、第1
および第2の超電導コイル1、2が常電導状態から超電
導状態へと再度転移(復帰)することを確実に防止でき
る。
【0056】また、図1に示すように、外部コイル5の
コイル軸を、第1および第2の超電導コイル1、2にお
ける超電導体の表面に対してほぼ垂直としているので、
図7に示すように第1および第2の超電導コイル1、2
の超電導体の表面に垂直な方向に磁界を発生させること
ができる。この結果、外部コイル5による磁界の強度を
一定とした場合に、第1および第2の超電導コイル1、
2における超電導体の抵抗値を最大とすることが可能と
なる。このため、鉄芯を用いないで、事故時の過大な電
流を制限するための全体インピーダンスを第1および第
2の超電導コイル1、2のクエンチ抵抗値により確実に
実現できる。なお、限流器が動作した場合には、第1お
よび第2の超電導コイル1、2の超電導体の抵抗値は、
超電導体の材質および量などにより大きく影響されるが
数kΩとなり得る。
【0057】また、上記のように外部コイル5のコイル
軸を、第1および第2の超電導コイル1、2における超
電導体の表面に対してほぼ垂直とすれば、第1および第
2の超電導コイル1、2における必要なクエンチ抵抗値
を実現するための外部コイル5による磁界の強度を最小
とすることができる。このため、外部コイル5において
巻数などの装置構成を簡略化することができる。この結
果、限流器の製造コストを低減することができる。
【0058】なお、図7および8においては、電源ライ
ン3aから事故時に第1の超電導コイル1へと流れる電
流をiscと表わしている。この電流iscは、図7お
よび8に示すように第1の超電導コイル1から抵抗体R
2を介して電源ライン3bへと流れる。
【0059】ここで、図7および8を参照して、本発明
による限流器において、位相調整用インピーダンス4は
2つの役割を果たしている。1つの役割としては、外部
コイル5における電流iecおよび電圧の値を適正な値
に制限することである。つまり、上述のように事故時に
は電源ライン3a、3bの間に高電圧が発生する。その
ため、この位相調整インピーダンス4においてかなりの
電圧を負担しなければ、外部コイル5に大きな電圧が印
加されることになってしまう。このように大きな電圧が
印加される場合には、外部コイル5の設計が難しくなる
という問題が発生する。このため、位相調整インピーダ
ンス4のインピーダンスZCを外部コイル5のインピー
ダンスよりも大きくなるように設定している。この結
果、外部コイル5に印加される電圧を小さくすることが
できるので、外部コイル5の設計を容易にすることがで
きる。また、外部コイル5に高電圧が印加されることに
より外部コイル5が損傷を受けるといったような事故の
発生を防止できる。
【0060】位相調整インピーダンス4のもう1つの役
割としては、外部コイル5により発生する磁界(交流磁
界)の位相と限流器を流れる電流iscの位相とを調整
することである。つまり、第1および第2の超電導コイ
ル1、2の超電導体が常電導状態へと転移した後、限流
器本体は抵抗性であり、電圧と電流との位相はほぼ同じ
となる。これに対して、外部コイル5は誘導性であるた
め、電圧と電流の位相はずれる。このため、位相調整イ
ンピーダンス4がない場合には、限流器本体を流れる電
流isc(第1の超電導コイル1と抵抗体R2とを介し
て流れる電流isc)の位相と外部コイル5によって発
生する磁界の位相とがずれることになる。
【0061】ここで、超電導体の抵抗は磁界の強度が大
きく、かつ通電電流値が大きい場合に最大となる。この
ため、超電導体の抵抗値を最大とするためには、印加さ
れる磁界の位相と電流iscとの位相は揃うことが好ま
しい。このため、位相調整インピーダンス4のインピー
ダンスを調整することにより、外部コイル5と位相調整
インピーダンス4とからなる直列回路における電流と電
圧との位相差を変更する。これによって、外部コイル5
により発生する磁界の位相と電流iscとの位相を揃え
ることが好ましい。
【0062】また、磁界の強度を十分に大きくする、す
なわち外部コイル5により強度の高い磁界を形成するこ
とによって、第1および第2の超電導コイル1、2にお
いて大きな抵抗値を実現してもよい。このようにすれ
ば、第1および第2の超電導コイル1、2における通電
電流値が小さくなっても、第1および第2の超電導コイ
ル1、2において大きな抵抗値を維持できる。
【0063】また、外部コイル5の仕様と位相調整イン
ピーダンス4の設定とを変更することによって、限流器
全体の特性を変更することができる。このため、限流器
の運転状況に合わせて、限流器特性を調整することが可
能となる。
【0064】なお、上記の実施の形態では、第1および
第2の超電導コイル1、2がソレノイドコイル型に配置
されているが、図9に示すように、第1および第2の超
電導コイル1、2のコイル軸が円を形成するように配置
してもよい。この場合、第1および第2の超電導コイル
1、2を、図9に示すように互い違いに配置することが
好ましい。ここで、図9は、この発明による限流器にお
ける超電導コイルの他の配置例を示す平面模式図であ
る。
【0065】このようにトロイダル型に第1および第2
の超電導コイル1、2を配置した場合にも、上記の本発
明の作用効果を達成することができる。
【0066】また、第2の超電導コイル2は第1の超電
導コイル1と直列に接続されておらず、第2の超電導コ
イル2だけが短絡されている場合でも類似の効果を期待
できる。この場合、第2の超電導コイル2は第1の超電
導コイル1と直列に接続はされていないが、通常状態で
は第2の超電導コイル2は誘導により電流が流れ、第1
の超電導コイル1による磁界を完全ではないがキャンセ
ルする。過大な電流が発生したときには、まず第2の超
電導コイル2がクエンチして抵抗が発生するように、第
2の超電導コイル2の臨界電流値を第1の超電導コイル
1の臨界電流値よりも小さくしておく。そして、上述の
ように過大な電流が発生したときには第2の超電導コイ
ル2がクエンチすることにより、第2の超電導コイル2
に抵抗が発生するので、第1の超電導コイル1による磁
界を完全にキャンセルすることができなくなる。これに
より、コイル軸方向に磁界が分布する、つまり第1およ
び第2の超電導コイル1、2の超電導体の表面に垂直な
磁界が分布する。この結果、第1および第2の超電導コ
イル1、2全体が常電導化する。
【0067】なお、図9に示したように、第1および第
2の超電導コイル1、2をトロイダル型に配置した場合
には、外部コイル5として第1および第2の超電導コイ
ル1、2を囲むように配置されたトロイダルコイルを用
いることが好ましい。
【0068】また、本発明による限流器において、外部
コイル5は超電導体を用いたコイルであっても常電導体
を用いるコイルであっても同様の効果を得ることができ
る。
【0069】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明による限流器によ
れば、限流器の動作時に、常電導状態に転移した超電導
体が超電導状態へと復帰することを防止することができ
るので、限流器を安定して動作させることが可能とな
る。また、本発明による限流器では、鉄芯を用いないで
事故時に発生する過大な電流を十分に制限することが可
能なインピーダンスを確保することができる。また、本
発明による限流器によれば、通常運転時において可能な
限り磁界のキャンセル条件を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による限流器の実施の形態を示す斜
視断面模式図である。
【図2】 図1に示した限流器に用いられる超電導コイ
ルの平面模式図である。
【図3】 図2に示した超電導コイルの断面模式図であ
る。
【図4】 図1に示した限流器における超電導コイルお
よび外部コイルの結線図である。
【図5】 通常運転時に流れる電流の方向を示す、図4
に対応した結線図である。
【図6】 図5に対応した等価回路図である。
【図7】 事故時に流れる電流の方向を示す、図4に対
応した結線図である。
【図8】 図7に対応した等価回路図である。
【図9】 この発明による限流器における超電導コイル
の他の配置例を示す平面模式図である。
【符号の説明】
1 第1の超電導コイル、2 第2の超電導コイル、3
a,3b 電源ライン、4 位相調整インピーダンス、
5 外部コイル、6a,6b 端子、7 絶縁基板、8
超電導体膜、9 表裏面接続部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線の巻線からなる第1および第2
    の超電導コイルと、 前記第2の超電導コイルに電気的に並列に接続された抵
    抗体またはインダクタと、 前記第1および第2の超電導コイルの周囲に配置された
    外部コイルとを備え、 前記第1の超電導コイルは、前記第2の超電導コイルに
    直列に電気的に接続されており、 前記第1の超電導コイルと前記第2の超電導コイルとは
    電流が流れることにより互いに逆方向の磁界を発生させ
    るものであり、 前記外部コイルは前記第1または第2の超電導コイルの
    少なくともいずれか一方と並列に電気的に接続されてい
    る、限流器。
  2. 【請求項2】 前記第1もしくは第2の超電導コイルの
    少なくともいずれか一方における前記超電導線の表面に
    対して、前記外部コイルのコイル軸がほぼ垂直となるよ
    うに前記外部コイルは配置されている、請求項1に記載
    の限流器。
  3. 【請求項3】 超電導線の巻線からなる第1の超電導コ
    イルと、 前記第1の超電導コイルと並列に電気的に接続され、前
    記第1の超電導コイルの周囲に配置された外部コイルと
    を備え、 前記第1の超電導コイルにおける前記超電導線の表面に
    対して、外部コイルのコイル軸がほぼ垂直となるように
    前記外部コイルは配置されている、限流器。
  4. 【請求項4】 超電導線の巻線からなる第2の超電導コ
    イルを備え、 前記第1の超電導コイルは、前記第2の超電導コイルに
    直列に電気的に接続されており、 前記第1の超電導コイルと前記第2の超電導コイルと
    は、電流が流れることにより互いに逆方向の磁界を発生
    させるものであり、さらに、 前記第2の超電導コイルに電気的に並列に接続された抵
    抗体またはインダクタを備える、請求項3に記載の限流
    器。
  5. 【請求項5】 超電導線の巻線からなる第2の超電導コ
    イルを備え、 前記第2の超電導コイルは短絡されており、 前記第2の超電導コイルは、前記第1の超電導コイルに
    発生する磁界の方向とは逆方向の磁界を発生させるよう
    に配置されている、請求項3に記載の限流器。
  6. 【請求項6】 前記外部コイルにおいて発生する磁界の
    位相を調整する位相調整部材をさらに備える、請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の限流器。
  7. 【請求項7】 前記位相調整部材は、前記外部コイルと
    直列に電気的に接続された、インピーダンスを有する回
    路素子である、請求項6に記載の限流器。
  8. 【請求項8】 前記回路素子のインピーダンスは前記外
    部コイルのインピーダンスより大きい、請求項7に記載
    の限流器。
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