JP2001067637A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2001067637A
JP2001067637A JP24016999A JP24016999A JP2001067637A JP 2001067637 A JP2001067637 A JP 2001067637A JP 24016999 A JP24016999 A JP 24016999A JP 24016999 A JP24016999 A JP 24016999A JP 2001067637 A JP2001067637 A JP 2001067637A
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magnetic
magnetic metal
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Akira Saito
明 斎藤
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】QMDと同様な効果を有し、低ノイズで、面記
録密度が高く、しかも情報の書き込み・読みだしに現在
HDDで広く用いられている浮上磁気ヘッド方式が適用
可能な磁気記録媒体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】非磁性硬質基板上に磁性膜が形成されてな
る磁気記録媒体において、磁性膜が膜の下面から上面に
貫通する多数の磁性金属結晶粒柱とこれらの磁性金属結
晶粒柱を互いに分離する熱可塑性樹脂とからなる磁気記
録媒体とする。このような媒体は、非磁性硬質基板上に
熱可塑性樹脂膜を形成後、表面に周期的に均一に分布し
た同一形状の多数の柱状凸部を有する金型を熱可塑性樹
脂膜に押しつけたのち離型することによって金型の柱状
凸部に対応する柱状凹部を樹脂膜に形成し、柱状凹部に
残存する樹脂を除去して基板に達する孔とし、この孔を
埋め樹脂膜表面をも覆う磁性金属膜を成膜した後、磁性
金属膜表面から樹脂膜表面に達する研磨を行って鏡面と
し、その上に保護膜を形成することにより作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、現在コンピュー
タの外部記憶装置として主流となっているハードディス
クドライブに用いられる磁気記録媒体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ(以下、HDD
と略記)に用いられる磁気記録媒体(以下、単に媒体と
も称する)は、現在実験レベルで10Gbits/in
2 の面記録密度に達している。
【0003】図5に、従来の一般的な媒体の模式図を示
す。
【0004】図5(a)は媒体の基本となる膜構成を示
す模式的断面図である。媒体は非磁性基板としてのアル
ミニウム合金またはガラスを材料とした硬質基板1
a (厚さ数百μm)上に、下地膜4(純クロムからな
る,あるいはクロムを母体としてモリブデンまたはタン
グステンを添加した合金からなる厚さ数十nmの膜),
磁性膜2(コバルトを母体としてクロム,ニッケル,タ
ンタル,白金などを添加した合金からなる厚さ10nm
〜20nmの膜),カーボンからなる保護膜3(厚さ約
10nm)がこの順に連続的に成膜されている。下地膜
4はその上に形成される磁性膜2に対する種結晶として
働く。例えば、六方晶の対称性を持つコバルトの結晶で
は、磁性膜を構成するコバルト多結晶のc軸を基板面に
平行な方向に揃える目的で設けられる。
【0005】上記各膜が現在もっとも一般的なスパッタ
リング法によって成膜された媒体では、その面記録密度
の限界は数十Gbits/in2 と考えられている。面
記録密度が10Gbits/in2 では、1bitの記
録に要する面積は6×104nm2 程度となる。書き込
まれたbit情報を読みだすときのノイズを低減するた
めには、磁性膜を構成する磁性金属多結晶の結晶粒径を
小さくしていくことが必要である。しかし、結晶粒径を
小さくしていくと、結晶粒は熱ゆらぎによる擾乱を受け
易くなってきて、書き込んだ情報(磁化の向き)を保持
することが困難となっていく。現在熱による擾乱を考慮
したときに、磁化の向きを安定に保持できる結晶粒の大
きさの限界の直径は9nm程度と見積もられている。こ
のことは、10Gbits/in2 の記録密度での1b
itの情報は、熱安定性の限界まで結晶粒のサイズを小
さくできたとして1000個程度の結晶粒によって保持
されていることを意味している。
【0006】現在高面記録密度の媒体の磁性膜にもっと
も一般的に使われているCoを母体金属とした磁性金属
合金の結晶粒は六方晶の構造をしている。スパッタリン
グ法で形成した磁性膜では、(非磁性粒が磁性粒の粒界
に析出した結果として)磁性金属の結晶粒を非磁性金属
(例えばCr)が取り囲んだ構造をしている。このよう
な構造をしているため、磁性結晶粒が直接隣接して多結
晶膜を構成している場合に比べ磁性結晶粒子間の相互作
用は小さく、結果として媒体のノイズが減少する。相互
作用の小さい結晶粒子で膜が構成されているということ
は、膜中の特定の結晶粒子の磁化の向きを独立して反転
することが可能であることを意味し、磁性結晶粒が直接
隣接している結びつきの強い結晶粒子から構成されてい
る膜では隣接する磁性結晶粒の磁化の向きを変えずに特
定の結晶粒子の磁化の向きだけを変えることは困難(ノ
イズが大きい)であることを意味している。
【0007】図5(b)は磁性膜の断面を概念的に示し
たものである。図中に示した矢印は磁性金属結晶粒のc
軸を表している。磁性膜2は磁性金属結晶粒塊23b
非磁性金属24とから構成され、磁性金属結晶粒塊23
b のc軸は、実際にはこの図のようにランダムな方向に
向いている。下地膜はこの傾向を抑えc軸の方向を揃え
るために設けられているが、磁性金属結晶粒塊23b
粒子径が小さくなると熱による擾乱によってc軸の配向
の乱雑さは増加する。
【0008】図6は、磁性金属が理想的に結晶配向した
場合の一例であり、図6(a)は磁性膜の平面図,図6
(b)は磁性膜の断面図である。図6は磁性金属結晶粒
塊23b が下地膜を種として柱状に成長し均一な粒径を
していること、かつ、各磁性金属結晶粒塊23b は非磁
性金属24により取り囲まれ互いに孤立してはいるが、
結晶軸はよく配向していることを表している。
【0009】図6に示した理想的な磁性膜の内部構造を
実現する目的で、磁性膜を成膜するスパッタリング法の
磁性金属ターゲットに数重量%から数十重量%の範囲内
で、例えば酸化シリコンを混入する方法がある。この方
法で成膜した磁性膜は磁性金属の結晶粒と酸化物の結晶
粒の分離性が大きく、図7の磁性膜断面図に示すように
磁性金属結晶粒塊23a をシリコン酸化膜20b が取り
囲んだようなクラニュラー(粒状の)構造となる。この
結果として、磁性金属結晶粒塊間の相互作用は小さくな
り、ノイズの面でも向上することが知られている。ただ
し、現在得られている磁性膜の内部構造は、図7のよう
に膜の厚さ方向でも磁性金属結晶粒塊間に酸化物が入り
込み、下地膜による十分な配向制御ができるまでには至
っていない。
【0010】上述した磁性膜の粒子径を小さくしていく
と粒子の磁化の配向を安定に保持できないという問題を
解決するためには、例えば図8に示すように、非磁性基
板としてのシリコン基板1b 上に、下地膜4を介して、
磁性膜を上下面に貫通する多数の磁性金属結晶粒柱23
c とこれらの磁性金属結晶粒柱23c を互いに分離する
シリコン酸化膜20b からなる磁性膜2,保護膜3が形
成された構造の媒体が考えられる。この構造の媒体は量
子化磁気ディスク(Quantized Magnet
ic Disks)(以下、QMDと略記する)といわ
れ、磁性膜のシリコン酸化膜に側面を囲まれた磁性金属
結晶粒柱が1bitに対応することになる。図9は、そ
の製造工程を媒体の断面構造を用いて示したものであ
る。先ず、図9(a)に示すように、非磁性基板として
のシリコン基板1b 上に、下地膜4,シリコン酸化膜2
b ,クロム膜50,PMMA60を順次成膜する。次
に、PMMA60に周期的に均一に分布した同一形状の
多数の図形を矢印のように電子ビームを照射してパター
ニングする(図9(b))。このパターニングされたP
MMA60をエッチングマスクとしてクロム膜50のエ
ッチングを行ってクロム膜50に孔を開ける(図9
(c))。続いて、PMMA60を除去した後、パター
ニングされたクロム膜60をエッチングマスクとしてシ
リコン酸化膜20bに細長い孔を下地膜4まで貫通させ
る(図9(d))。その後、クロム膜50を除去した
後、電気めっき法を用いて下地膜4からNiまたはCo
などの磁性金属23をシリコン酸化膜20b の上面まで
成長させる(図9(e))。続いて、シリコン酸化膜2
b 上に盛り上がった部分の磁性金属23を機械研磨法
によって除去することによってシリコン酸化膜20b
表面と磁性金属結晶粒柱23c とこれらの磁性金属結晶
粒柱23c を互いに分離するシリコン酸化膜20b とか
らなる磁性膜を形成し表面を平坦な鏡面とした(図9
(f))後、この鏡面上にカーボンからなる保護膜3を
形成して媒体とする(図9(g))。
【0011】図10は、上述のようにして形成した磁性
膜2の場合に、すなわち、酸化膜の細長い孔に磁性金属
を埋め込んだ場合に、磁化の向きがどのようになるかを
表している。図10では、磁化の向きがシリコン基板1
b 面に垂直な場合を表しているが、例えばシリコン基板
b 面に平行な配置でもよい。埋め込まれた形状内が単
一磁区の場合、自発磁化(磁界のない場合の磁化の向
き)の向きはこの埋め込まれた形状によって決定され
る。図10では、磁化の向きが同じでシリコン基板1b
面に垂直で上向きと下向きの二方向しかない状態にある
ことを示している。これは磁区の自発磁化の向きが形状
異方性エネルギーを小さくするように決まることを利用
している。従来の媒体では、1bitは1000個程度
の弱く磁気的に結合した結晶粒塊から構成されている。
一方、QMDでは、1bitに対応する単位領域内で結
晶粒柱は他の領域からは磁気的に孤立している。しか
し、その単位となる領域にある多結晶粒は(非磁性金属
を含まない強磁性金属から構成され)強い交換力によっ
て結合しているため、大きな単一の磁性結晶粒のように
振る舞う。この結果、QMDの1bitに相当する領域
を反転させるのに要する熱エネルギーは従来の非磁性金
属を磁性金属結晶の間に析出させた構造に比較して大き
く、熱的な擾乱に対して安定な媒体を得ることが可能と
なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述のQMDの
製造に際しては、磁性金属を埋め込む開口部(孔)は、
電子線リソグラフィーを用い、シリコンLSIを作製す
る製造方法が採られている。この方式では、現在広く量
産に用いられている,基板上に磁性膜などを、例えばス
パッタリング法で順次成膜していく方法に比較して、工
数,工程時間,工程単価,歩留りといった面でコストの
増加となるため量産にはむかない。
【0013】さらに、従来のQMDにおいては、磁性金
属を埋め込んだ直径約10nmの領域が1bitに対応
し、かつ、各bitの書き込み・読みだしは従来の浮上
磁気ヘッド方式ではなく、AFM(Atomic Fo
rce Microscope)やSTM(Scann
ing Tunnel Microscope)に用い
られるプローブを用いることが前提となるため、記憶装
置の構成が複雑となる問題があった。
【0014】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、QMDと同様な効果を有し、低ノイズで、
面記録密度が高く、しかも情報の書き込み・読みだしに
現在HDDで広く用いられている浮上磁気ヘッド方式が
適用可能な磁気記録媒体およびそれを容易に安価に量産
できる製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、非磁性硬質基板上に磁性膜が形成されてなる
磁気記録媒体において、磁性膜が膜の下面から上面に貫
通する多数の磁性金属結晶粒柱とこれらの磁性金属結晶
粒柱を互いに分離する熱可塑性樹脂とからなる構造の磁
気記録媒体とすることによって解決される。
【0016】非磁性硬質基板と磁性膜の間に下地膜が設
けられていてもよい。
【0017】このような磁気記録媒体は、非磁性硬質基
板上に熱可塑性樹脂膜を形成後、または、非磁性硬質基
板上に下地膜を形成しその上に熱可塑性樹脂膜を形成
後、表面に周期的に均一に分布した同一形状の多数の柱
状凸部を有する金型を前記熱可塑性樹脂膜に押しつけた
のち離型することによって前記金型の柱状凸部に対応す
る柱状凹部を樹脂膜に形成し、柱状凹部の底に残存する
樹脂を除去して基板に達する孔とし、その後、この孔を
埋め樹脂膜表面をも覆うように磁性金属膜を成膜した
後、磁性金属膜表面から樹脂膜表面に達する研磨を行っ
て孔部の磁性金属表面とこれを囲む樹脂表面を一面とし
て鏡面とし、その鏡面に保護膜を形成することによって
製造することがてきる。従来のQMDの製造のように、
電子線リゾグラフィーで磁性金属の埋め込み形状を1個
づつパターニングする必要はなくなり、容易に、安価に
量産できる。
【0018】また、表面に周期的に均一に分布した同一
形状の多数の柱状凹部を有するプラスチック基板の柱状
凹部に磁性金属が埋め込まれている磁気記録媒体とする
ことによっても解決される。
【0019】この場合にも、プラスチック基板と磁性金
属の間に下地膜が設けられていてもよい。
【0020】このような磁気記録媒体は、表面に周期的
に均一に分布した同一形状の多数の柱状凹部を有するプ
ラスチック基板表面に、または、前記柱状凹部表面に下
地膜が形成されたプラスチック基板表面に、柱状凹部を
埋めてさらに基板表面をも覆うように磁性金属膜を成膜
した後、磁性金属膜表面から研磨を行って基板のプラス
チック表面と柱状凹部の磁性金属表面を一面として鏡面
とし、その鏡面に保護膜を形成することによって製造さ
れる。
【0021】さらに、基板の両面に上述のような製造方
法を適用することにより、基板の両面にそれぞれ上述の
ような磁性膜が形成されている磁気記録媒体を得ること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に、この発明に係わる磁気記
録媒体の一例の模式的断面図を示す。非磁性硬質基板と
してのシリコン基板1b 上に熱可塑性樹脂20とそれに
よって分離された磁性金属結晶粒柱23c とからなる磁
性膜2が形成され、その上に保護膜3が形成された構成
である。
【0023】図2は、図1に示した磁気記録媒体の製造
方法の一例を示す工程図である。図2(a)に示すよう
に、シリコン基板1b 上に熱可塑性樹脂(例えば、ポリ
カーボネートまたはポリオレフィン)をスピンコータで
均一に成膜し硬化させて熱可塑性樹脂膜20a を形成し
た後、多数の周期的に均一に分布した円形の柱状凸部1
01の形成されたステンレス鋼製の金型100を熱可塑
性樹脂膜20a に矢印のように型押しし図2(b)に示
すように離型することにより、熱可塑性樹脂膜20a
図2(c)に示すように柱状凹部21を形成し、柱状凹
部21の底に残った樹脂を反応性イオンエッチング法
(純酸素またはArガスと酸素の混合ガスのプラズマを
用いる)で除去して図2(d)に示すようなシリコン基
板1b の表面に達する孔22を形成する。この後、図2
(e)に示すように、孔22のパターニングが行われた
熱可塑性樹脂膜20a の上面に孔22を埋めるように磁
性金属23(純Co,純Fe,純Niなどの強磁性金属
膜)をスパッタリング法で成膜する。続いて、磁性金属
23の表面から熱可塑性樹脂膜20a の表面に達する機
械研磨を行って、図2(f)に示すように熱可塑性樹脂
20の表面および孔22を埋めている磁性金属結晶粒柱
23c の表面を一面とする鏡面とする。この鏡面上にグ
ラファイトをターゲット材料としてスパッタリング法に
より保護膜3を形成して、図2(g)に示すような、熱
可塑性樹脂20とそれにより分離された磁性金属結晶粒
柱23c とからなる磁性膜2を有する磁気記録媒体を得
る。
【0024】図3に、この発明に係わる媒体の種々の異
なる磁性膜構成を示す模式的断面図を示す。図3(a)
は、磁性金属結晶粒柱23c の長手方向がシリコン基板
bに対してほぼ垂直である磁性膜2を有する媒体であ
る。図3(b)は、シリコン基板1b と磁性膜2との間
に下地膜4を有する媒体で、シリコン基板1b 上に下地
膜4(純Cr,CrMo,CrWなどの合金または純N
i,Niの合金などからなる)を数十μmの厚さで形成
した後、図2に示した製造工程によって作製される。図
3(c)は、シリコン基板1b と磁性金属結晶粒柱23
c との間に薄く熱可塑性樹脂が介在する磁性膜2を有す
る媒体で、図2に示した製造工程において、熱可塑性樹
脂膜20b に図2(c)に示すように柱状凹部を形成し
た後、柱状凹部の底に残った樹脂を反応性イオンエッチ
ング法で除去することなしに磁性金属膜を形成すること
によって作製される。図3(d)は、シリコン基板1b
の両面に熱可塑性樹脂20とそれにより分離された磁性
金属結晶粒柱23c からなる磁性膜2を有する媒体、図
3(e)は、シリコン基板1b の両面に下地膜4を介し
て熱可塑性樹脂20とそれにより分離された磁性金属結
晶粒柱23c が設けられた媒体を示す。
【0025】以上の説明においては、非磁性硬質基板と
してシリコン基板を用いたが、シリコン基板に限られる
ものではなく、アルミニウム合金基板,硬質ガラス基板
を用いてもよい。
【0026】図4は、この発明に係わる媒体のさらに異
なる膜構成を示す模式的断面図を示す。図4(a)は、
プラスチック基板1c の表面に設けられた多数の周期的
に均一に分布した同一形状の柱状凹部11に磁性金属2
3を埋め込みその上に保護膜3を形成した構成の媒体
で、前もって表面に凹部11が形成されたプラスチック
基板1c の表面に柱状凹部11を埋め込みさらに基板表
面を覆うようにスパッタリング法で磁性金属膜23a
形成し、磁性金属膜表面からプラスチック基板1 c に達
するまで機械研磨して基板表面と柱状凹部11に埋め込
まれた磁性金属23の表面が一面となる鏡面とし、その
上に保護膜3をスパッタリング法で形成することによっ
て作製される。図4(b)は、プラスチック基板1c
両面に設けられた多数の周期的に均一に分布した同一形
状の柱状凹部11に磁性金属23が埋め込まれ、その上
に保護膜3を形成した構成の媒体を示す。また、図4
(c)および図4(d)は、プラスチック基板1c と磁
性金属23の間に下地膜5が介在する構成の媒体を示
し、柱状凹部11の内面に下地膜4を設けた後に磁性金
属膜23a を成膜することによって得られる。
【0027】以上の説明においては、熱可塑性樹脂膜表
面またはプラスチック基板表面に形成される多数の周期
的に均一に分布した同一形状の柱状凹部の平面形状は直
径10nmの円としたが、円に限られることはなく、図
11に示すような種々の形状でもよい。これらの平面形
状の大きさはいずれも直径数十nmの円内に収まる程度
が好ましい。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、非磁性硬質基板上に
磁性膜を備えてなる磁気記録媒体において、磁性膜が膜
の下面から上面に貫通する多数の磁性金属結晶粒柱とこ
れらの磁性金属結晶粒柱を互いに分離する熱可塑性樹脂
とからなる媒体とすることによって、QMDと同様な効
果が得られ、低ノイズで、100Gbits/in2
超える高面記録密度が可能で、しかも情報の書き込み・
読みだしに現在HDDで広く用いられている浮上磁気ヘ
ッド方式が適用可能な媒体が得られる。
【0029】このような媒体は、非磁性硬質基板上に熱
可塑性樹脂膜を形成後、表面に周期的に均一に分布した
同一形状の多数の柱状凸部を有する金型を前記熱可塑性
樹脂膜に押しつけることによって前記金型の柱状凸部に
対応する柱状凹部を樹脂膜に形成し、この樹脂膜の柱状
凹部の底に残存する樹脂を除去して樹脂膜を貫通する孔
とし、その後、この孔を埋め樹脂膜表面をも覆うように
磁性金属膜を成膜した後、磁性金属膜表面から樹脂膜表
面に達する研磨を行って樹脂膜表面と孔部の磁性金属膜
表面とを一面の鏡面とし、その鏡面上に保護膜を形成す
ることによって、従来のQMDの製造のように電子リゾ
グラフィーで1個づつ磁性金属の埋め込み形状をパター
ニングする方法に比して容易に安価に量産することがで
きる。
【0030】また、表面に周期的に均一に分布した同一
形状の多数の柱状凹部を有するプラスチック基板の柱状
凹部に磁性金属が埋め込まれており、このプラスチック
基板および磁性金属表面を一面として保護膜が形成され
ている媒体とすることによっても、同様に、優れた媒体
を得ることができる。
【0031】このような媒体は、表面に周期的に均一に
分布した同一形状の多数の柱状凹部を有するプラスチッ
ク基板上に、または、基板の柱状凹部内面に下地膜を形
成した基板上に、柱状凹部を埋めさらにプラスチック基
板の表面を覆うように磁性金属膜を成膜した後、磁性金
属膜表面から基板表面に達する研磨を行ってプラスチッ
ク基板表面と柱状凹部の磁性金属膜表面を一面の鏡面と
し、その鏡面上に保護膜を形成することにより、容易
に、安価に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる媒体の一例の模式的断面図
【図2】図1に示した媒体の製造方法の一例の工程図
【図3】この発明に係わる媒体の異なる例の模式的断面
【図4】この発明に係わる媒体のさらに異なる例の模式
的断面図
【図5】従来の媒体の一例の説明図
【図6】理想的な媒体の一例の説明図
【図7】グラニュラー構造磁性膜の模式的断面図
【図8】QMDの一例の模式的断面図
【図9】図8に示した媒体の製造工程の一例の工程図
【図10】QMDの磁性膜の二値化した磁区の説明図
【図11】この発明に係わる磁性金属多結晶粒柱の平面
形状の例
【符号の説明】
1 非磁性基体 1a 硬質基板 1b シリコン基板 1c プラスチック基板 2 磁性膜 3 保護膜 4 下地膜 11 柱状凹部 20 熱可塑性樹脂 20a 熱可塑性樹脂膜 20b シリコン酸化膜 21 柱状凹部 22 孔 23 磁性金属 23a 磁性金属膜 23b 磁性金属結晶粒塊 23c 磁性金属結晶粒柱 24 非磁性金属 50 クロム膜 60 PMMA 100 金型 101 柱状凸部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性硬質基板上に磁性膜を備えてなる磁
    気記録媒体において、前記磁性膜が膜の下面から上面に
    貫通する多数の磁性金属結晶粒柱とこれらの磁性金属結
    晶粒柱を互いに分離する熱可塑性樹脂とからなることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】非磁性硬質基板と磁性膜の間に下地膜が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】非磁性硬質基板上に熱可塑性樹脂膜を形成
    後、表面に周期的に均一に分布した同一形状の多数の柱
    状凸部を有する金型を前記熱可塑性樹脂膜に押しつける
    ことによって前記金型の柱状凸部に対応する柱状凹部を
    樹脂膜に形成し、この樹脂膜の柱状凹部の底に残存する
    樹脂を除去して樹脂膜を貫通する孔とし、その後、この
    孔を埋め樹脂膜表面をも覆うように磁性金属膜を成膜し
    た後、磁性金属膜表面から樹脂膜表面に達する研磨を行
    って樹脂膜表面と孔部の磁性金属膜表面とを一面の鏡面
    とし、その鏡面上に保護膜を形成することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】非磁性硬質基板上に下地膜を設け、この下
    地膜上に熱可塑性樹脂膜が形成されることを特徴とする
    請求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】表面に周期的に均一に分布した同一形状の
    多数の柱状凹部を有するプラスチック基板の柱状凹部に
    磁性金属が埋め込まれており、このプラスチック基板お
    よび磁性金属表面を一面として保護膜が形成されている
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】プラスチック基板と磁性金属の間に下地膜
    が設けられていることを特徴とする請求項5記載の磁気
    記録媒体。
  7. 【請求項7】表面に周期的に均一に分布した同一形状の
    多数の柱状凹部を有するプラスチック基板の柱状凹部を
    埋めさらにプラスチック基板の表面を覆うように磁性金
    属膜を成膜した後、磁性金属膜表面から基板表面に達す
    る研磨を行ってプラスチック基板表面と柱状凹部の磁性
    金属膜表面を一面の鏡面とし、その鏡面上に保護膜を形
    成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】表面に周期的に均一に分布した同一形状の
    多数の柱状凹部を有するプラスチック基板の柱状凹部内
    表面に下地膜を形成した後、磁性金属膜を成膜すること
    を特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】非磁性硬質基板の両面に磁性膜が形成され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の磁気記
    録媒体。
  10. 【請求項10】プラスチック基板両面に柱状凹部が形成
    され、それぞれの柱状凹部に磁性金属が埋め込まれてい
    ることを特徴とする請求項5または6記載の磁気記録媒
    体。
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