JP2001066373A - 磁性体探知器 - Google Patents

磁性体探知器

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JP2001066373A JP24179999A JP24179999A JP2001066373A JP 2001066373 A JP2001066373 A JP 2001066373A JP 24179999 A JP24179999 A JP 24179999A JP 24179999 A JP24179999 A JP 24179999A JP 2001066373 A JP2001066373 A JP 2001066373A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度及び安定性の問題から通過路の間隔を大
きく取ることができなかったトンネル式の磁性体探知器
を改良し、大きな物品のどの位置に小さな磁性体が混入
していても、安定性高く精度の高い検出を行える構造を
提供する。 【解決手段】 通過路形成用の永久磁石8の同一極性の
磁極面Nで囲み大きな物品が通過できる断面形状を持ち
内部に略均一な磁気を充満させた通過路9を形成する。
この通過路9の開口から出る磁束を、この開口縁に近接
配置した逆極性の漏洩磁束集束用の永久磁石10に向か
って集束させ、磁束が集中した検知エリアを、開口全面
に沿って小さい幅で形成する。この漏洩磁束集束用の永
久磁石10の近傍に配置した磁気検知器11で、検知エ
リア内に出入りする磁性体6による磁気変化を検出す
る。さらに、漏洩磁束集束用の永久磁石10を、通過路
の入口と出口の双方に配置すると共に、厚さの大きい磁
気結合材13と、非磁性体14、及び磁気遮蔽板15
で、通過路9を囲んで外部への磁束漏洩を激減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、針等の磁性体が物品に
混入していることを検知する磁性体探知器に関する。
【0002】
【従来の技術】食品等の商品の製造工程、輸送時、店頭
販売時に、針、釘、ホッチキス針等が商品に混入し、消
費者を非常に危険な目に合わせる事件がしばしば発生し
ている。このため、製造・販売業者は、商品をトンネル
式の磁性体探知器に通過させることによって針等の磁性
体の混入の有無を調べ、混入していないことが確認され
た商品のみを消費者に提供している。
【0003】従来、トンネル式の磁性体探知器として、
特開平10−88469号、および特開平10−121
370号に開示されたものが知られている。これらは、
図14に示すように、物品の通過路1を挟んで、極性の
異なる2つの磁極面2,3を対向させると共に、磁性体
の混入した物品が通過路1に入ったときに生じる磁極面
間の磁束の増加を、一方の磁極面に配置したサーチコイ
ル4で検出するもので、外部への磁束漏洩を防止するた
めに、強磁性体の方形状枠体5で通過路を囲んでいる。
【0004】なお、磁性体の検出を行うものとして、他
に、磁性体金属に対向させたセンサコイルにパルス状の
電流を流し、磁性体金属に流れる渦電流により、この電
流を切った際の、反射波形の過渡応答特性が変化するこ
とを利用して、その存在の有無を検知するもの(特開平
5―232245号)や、歯車の歯先に向けて永久磁石
を対向させ、この間に配置した磁気検知器で歯先を検出
して回転検出を行うもの(特開平8―320327号)
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した極性の異なる
2つの磁極面2,3を対向させて物品の通過路を形成す
るものは、磁極面2,3の間隔を狭くしなければ使用で
きない問題があった。これは、図15に示すように、磁
性体6が磁極面2,3に近い位置にある場合は、この磁
性体6が強く磁化され、ここに流れる磁束が多くなる結
果として、サーチコイル4で十分に大きな磁束変化が検
出できるのに対して、図16に示すように、磁性体6が
磁極面2,3から離れた位置にある場合は、この磁性体
に流れる磁束が少なく、サーチコイル4で検出される磁
束の全量に対する比が極めて小さくなるため検出が困難
になるためである。
【0006】従って、物品の通過路の高さは小さくな
り、縫製品等の高さが小さい物品の検査には使用できて
も、例えば食パン等の高さの大きい物品の検査には使用
できなかった。
【0007】なお、サーチコイル出力の増幅度を高くし
て検知感度を上げることにより、磁極面2,3の間隔を
大きくすることも考えられるが、このようにすると、磁
性体6の通過位置によって検出感度に極端な差が生じる
と共に、磁性体探知器からわずかに漏洩している磁束や
地磁気等の変化にも応答するようになり、磁性体探知器
の周辺に有る磁性体や、通常、作業員等が所持する腕時
計や小銭等の移動によって誤動作を起こすことになり、
安定動作させることができない。
【0008】さらに、磁極面の間隔を狭くしたとして
も、図17に示すように、針等の細い磁性体6が磁極面
2,3と平行な姿勢を取って通過すると、磁界方向の長
さが短いので磁束の変化量が少なく検出が困難になると
いう問題もある。
【0009】なお、前述したセンサコイルにパルス状の
電流を流して磁性体金属を検出するものは狭い検知エリ
アに対してのみ使用可能なものであり、永久磁石と磁気
検知器を組み合わせて歯車の回転を検出するものは磁性
体が至近距離にあることを検出の条件としているので、
これらを、物品の通過路の高さ及び幅を大きく取ったト
ンネル式の磁性体探知器に応用することはできない。
【0010】そこで、本発明は上記事情に鑑み、大きな
物品に混入している磁性体を、磁性体が小さく、どの位
置にあっても、検出器出力の増幅度を高くしないで安定
に検出できるトンネル式の磁性体探知器を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
る磁性体探知器は、対向間隔に応じた幅を持つ同一極性
の磁極面で囲むことにより、略均一な強さの磁気で充満
した物品の通過路を形成する通過路形成用の永久磁石
と、上記通過路を囲む磁極面と逆極性の磁極面を通過路
の開口に向けて、上記永久磁石の端面を臨む位置に配置
され、この逆極性の磁極面と反対側の磁極面を、上記永
久磁石の磁極面と反対側の磁極面に、強磁性体の磁気結
合材で結合した漏洩磁束集束用の永久磁石と、この漏洩
磁束集束用の永久磁石の近傍に配置され、通過路の開口
と漏洩磁束集束用の磁石の間に移動した物品に磁性体が
含まれているとき生じる磁界の乱れを検出する磁気検知
器と、この磁気検知器の出力を所定のしきい値と比較す
ることにより、磁性体を検出する検出回路とを具備した
ことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項2にかかる発明は、請求項
1に記載した磁性体探知器において、外部への磁気漏洩
を防止するため、漏洩磁束集束用の永久磁石を、物品の
通過路の入口と出口の双方に配置したことを特徴とす
る。
【0013】本発明の請求項3にかかる発明は、請求項
1又は2に記載した磁性体探知器において、強磁性体の
磁気結合材を、通過路形成用の永久磁石と漏洩磁束集束
用の永久磁石を外側から包囲する筒状のものとし、さら
に、この磁気結合材の外周に、所定の厚さの非磁性体を
挟んで、強磁性体の磁気遮蔽板を配置したことを特徴と
する。
【0014】本発明の請求項4にかかる発明は、請求項
1〜3のいずれか1項に記載した磁性体探知器におい
て、漏洩磁束集束用の永久磁石の逆極性の磁極面から通
過路の開口に向かって所定間隔離れた位置に配置された
アンテナと、アンテナから延びて磁気結合材との間に磁
気検知器を配置する磁気ギャップを形成する強磁性体の
磁気誘導材とを備え、通過路の開口から、アンテナ、磁
気誘導材、及び磁気ギャップを通り、磁気結合材に向か
って流れる磁束と、漏洩磁束集束用の永久磁石から、磁
気結合材、磁気ギャップ、及びアンテナを通って流れる
磁束とを相殺させることにより、磁気ギャップに、検出
対象とする磁性体による磁束変化分が大きな比率で流れ
るようにしたことを特徴とする。
【0015】
【実施形態】本発明の磁性体探知器7の一実施形態を図
1及び図2に示す。図1は図2のA−A線に沿う断面図
である。図において、8は4枚の通過路形成用の永久磁
石で、同一極性Nの磁極面を内側に向け矩形枠を形成す
るように配置することにより物品の通過路9を形成して
いる。10は漏洩磁束集束用の永久磁石で、通過路9の
開口縁(通過路形成用の永久磁石8の端面)の中心を臨
む位置に、入口と出口に4つずつ配置されている。11
は磁気検知器で、通過路9の出口に配置した4つの漏洩
磁束集束用の永久磁石10の近傍に1つずつ計4個配置
されている。この磁気検知器11の出力は、図3に示す
ような検出回路12で所定のしきい値と比較されて磁性
体の有無判定が行われる。13は強磁性体の磁気結合材
で、鉄等の強磁性体で矩形枠状に形成され、その内面
に、上記通過路形成用の永久磁石8と漏洩磁束集束用の
永久磁石10を取付け、これらを磁気結合している。1
4は非磁性体のスペーサ部材で、矩形枠状の磁気結合材
13の外側に、一定の間隔を保って、矩形筒状の磁気遮
蔽板15を取付けるために用いられている。
【0016】次に、上記磁性体探知器7の各構成部分と
その作用について詳述する。通過路形成用の4枚の永久
磁石8は、物品の通過路9を4面から囲む平板状のもの
で、対向間隔に応じた幅を持つ同一極性の磁極面で囲む
ことにより、物品の通過路内を、略均一な強さの磁気で
充満させる。これは、通過路内に断面方向に略均一な磁
位を持つ空間を形成するという意味である。永久磁石の
磁極面の中心から垂直方向に離れた位置の磁界の強さ
は、磁極面の短辺Lだけ離れるまでは略均一で、それ以
上離れると、距離の2乗に反比例して減衰するという性
質がある。そこで、対向する磁極面の間隔を最大に取り
ながら上述したように略均一な強さの磁気で充満させる
ため、図4(a)(b)に示すように永久磁石8の短辺
の幅Lを、磁極面の対向間隔2Lの半分としている。
【0017】漏洩磁束集束用の永久磁石10は、通過路
形成用の永久磁石8の同一極性の磁極面で囲まれた通過
路9の開口から、外部に漏洩しようとする磁束を集束
し、図5(a)に示すように開口に近接した空間を集中
的に通過させ、ここに強い磁界を形成する。この永久磁
石10がない場合は、図5(b)に示すように、通過路
9の開口から外部に大きく弧を描いて拡がることにな
る。この漏洩磁束集束用の永久磁石10は、本発明にお
いて二様の作用を持つ。
【0018】一つは、通過路9の開口全面に沿って、略
均一で強度の大きい磁界を、検知エリアとして、短い幅
で形成することにより、磁性体が、開口面積を大きく取
った通過路9の、どの位置から出ても、磁性体を強く磁
化させて磁界に大きな変化を与えるようにすることであ
る。開口全面に沿って、略均一な磁界を形成できるの
は、上述したように、通過路形成用の永久磁石8によっ
て、通過路内に断面方向に略均一な磁位を持つ空間を形
成して、ここから流れ出る磁束を漏洩磁束集束用の永久
磁石10に集中させるからである。また、強度の大きい
磁界を形成できるのは、磁束を短い幅の空間に集中して
流すからである。
【0019】また、他の一つは、通過路9の開口から出
る磁束を漏洩磁束集束用の永久磁石10に向かって集束
させることにより、外部への磁気漏洩を防止して、磁性
体探知器の周辺にある磁性体や、通常作業員等が所持す
る腕時計や小銭等の移動による誤動作をなくして、安定
動作させることである。
【0020】磁気検知器11は、通過路の出口に設け
た、この漏洩磁束集束用の永久磁石10の近傍に配置さ
れ、通過路9の開口と漏洩磁束集束用の磁石10の間に
移動した物品に磁性体が含まれているとき生じる磁界の
乱れを検出する。磁気検知器11が併設されていない入
口側の漏洩磁束集束用の永久磁石10は、外部への磁気
漏洩を防止するためにのみ使用されることになる。
【0021】この磁気検知器11は、例えばMR素子を
用い、漏洩磁束集束用の磁石10と共に、図6(a)
(b)に示すように取付けられる。この図において、1
3は前記磁気結合材、10は漏洩磁束集束用の磁石、1
6は強磁性体のアンテナ、17は矩形枠状の取付け材で
ある。漏洩磁束集束用の磁石10は磁気結合材13にネ
ジ止め固定される。アンテナ16は漏洩磁束集束用の磁
石10の磁極面と略同一の形状を持つ集束部16aの先
端に、幅を小さくした取付部16bを形成したものであ
る。
【0022】取付け材17は、アルミ等の非磁性体で製
作され、図7に示すように、その上面に、アンテナ取付
け用の雌ネジ17aと、強磁性体の磁気誘導材である雄
ネジ18を螺合させるための雌ネジ17bが形成され、
その下面が磁気結合材13にネジ止め固定される。アン
テナ16は、この取付け材17の上にネジ止め固定する
ことにより、漏洩磁束集束用の磁石10の上方に所定の
間隔を保って取り付けることができ、また雄ネジ18の
取付け材17へのネジ込み量を調整することにより、雄
ネジ18の先端が磁気結合材13との対向することによ
って形成される磁気ギャップの間隔を調整することがで
きる。
【0023】取付け材17の側方下部には、図7に示す
ように、切欠き17cが形成され、磁気検知器であるM
R素子11は、この切欠き17Cから前記磁気ギャップ
の間に入るように挿入されて、磁気結合材13に接着剤
で貼り付け固定される。なお、MR素子は、ブリッジの
二辺を形成する抵抗パターンをペアで形成したものであ
るので、その一方が磁気ギャップの間に入るように取付
ける。MR素子を用いると、その出力として、磁界強度
に対応した絶対値が検出できるので、サーチコイルを利
用した場合に、その出力が移動速度によって変化する場
合と異なり、ゆっくりした移動でも検出可能になり、磁
性体の有無判定に物品の移動速度との関係を考慮しなく
てもよいという利点が生じる。
【0024】図6及び図7で説明した取付構造は、微小
な磁気検知器11で、これよりも大きな広がりを持つ検
知エリア全体の磁界変化を検出できるようにすると共
に、磁気ギャップに、検出対象とする磁性体による磁束
変化分が大きな比率で流れるようにして、磁気検知器1
1による検出を容易に行えるようにするものである。
【0025】微小な磁気検知器11で、これよりも大き
な広がりを持つ検知エリアの磁界変化を検出できるとい
うのは、アンテナ16の大きさを、漏洩磁束集束用の永
久磁石10の磁極面と略同じ大きさにしておくと、検知
エリアから流れ込む磁束は全てアンテナ16を通り、ア
ンテナの磁位が、検知エリア内の磁性体による磁束変化
を含んだ値のものとして均等化され、これを微小な磁気
検知器11に誘導することにより、検知エリア内の磁性
体による磁束変化の全てを検出できるという意味であ
る。
【0026】磁気ギャップに磁性体による磁束変化分が
大きな比率で流れるようにするというのは、図8に示す
ように、通過路の開口から、アンテナ16、磁気誘導材
である雄ネジ18、及び磁気ギャップを通り、磁気結合
材13に向かって流れる磁束と、漏洩磁束集束用の永久
磁石10から、磁気結合材13、磁気ギャップ、及びア
ンテナ16を通って流れる磁束とが逆向きであるので、
これらの定常成分を相殺させ、磁束変化分を大きな比率
にして磁気ギャップに流すという意味である。例えば、
アンテナ16が通過路9の開口に対して取る距離と、ア
ンテナ16と漏洩磁束集束用の永久磁石10との間隔を
調整することによって、磁性体が通過路9の開口に出入
りしていないとき、磁気ギャップにおける磁界を略零に
できる。これによって、磁気検知器11に、検出対象と
する磁性体による磁界変化分のみを加えることができ、
磁気検知器11の出力は磁気変化分のみに対応したもの
となり、信号処理を容易に行うことができる。特に、M
R素子を用いた場合は、その出力が、磁界の強さ、その
ものを表わすので、この取付構造が適している。すなわ
ち、MR素子の磁気飽和をなくして、その検出範囲を有
効利用することができる。
【0027】磁気結合材13は、通過路形成用の永久磁
石8と漏洩磁束集束用の永久磁石10を取付けるための
支持材になると同時に、これらの磁路として機能するの
で、通過路9の開口面に沿う前記検知エリアの磁界強度
を大きくし、かつ周囲への磁気漏洩を少なくするため
に、十分に厚い鉄等の強磁性体を使用する。
【0028】磁気遮蔽板15は、外部への磁気漏洩を、
さらに少なくすることによって、磁性体探知器の付近に
ある磁性体や作業者の持つ腕時計や小銭が通ることによ
る誤動作の可能性を極小とするために設けられる。上記
構造においては、磁気結合材13と、漏洩磁束集束用の
永久磁石10によって、外部への磁束漏洩防止効果を持
たせているが、これだけでは、外部への磁気漏洩を完全
になくすことはできない。そこで、磁気結合材13の外
側に、非磁性体のスペーサ部材14を挟むことによって
一定の間隔を保ちながら、磁気結合材13の開口端より
少し突出した長さで、磁気遮蔽板15を設けることによ
り外部への磁気漏洩を極小にしている。これによって、
周囲への漏洩磁束を激減させ、周囲で鉄などの磁性体が
移動しても、内部磁界に与える影響を殆どなくすことが
できる。
【0029】この磁気検知器11の出力から磁性体の有
無判定を行う図3の検出回路12について説明する。こ
の検出回路12は、通過路9の出口側に4つ設けられて
いる磁気検知器11の各出力について、判定部19によ
って、個別に磁性体の有無検出を行い、いずれか1つで
も磁性体検出の出力がされたとき、その後の一定時間だ
け、警報音と点灯による報知を行なうものである。各判
定部19は回路構成が共通であるので、その1つについ
て説明する。
【0030】判定部19は、感磁性素子である磁気検知
器11の出力信号を増幅する初段増幅器20と、この出
力を、さらに増幅して信号処理が可能なレベルにする主
増幅器21、信号方向を揃えて磁束の増減のいずれをも
検知できるようにする絶対値検波回路22、所定のしき
い値を超えたとき磁性体の有の判定信号を出力するコン
パレ一夕23から構成される。各判定部の出力はOR回
路24で受け、1つ以上の判定部19が磁性体有りの出
力をしたときは、タイマー回路25で、これを一定時間
だけ保持して、表示ランプ26とブザー27で報知す
る。
【0031】次に、上記磁性体探知器7における磁性体
検知の具体例について説明する。図9は、通過路9の開
口から、物品(図示省略)内に混入した垂直姿勢の磁性
体6が出るときの状態を示すものである。この検知エリ
アには、磁束が集中して流れているので、磁性体6は強
く磁化されて大きな磁束が流れ、漏洩磁束集束用の永久
磁石10に流れ込む磁束変化は大きなものになり、上記
検出回路12で高い感度で検出される。図10は、通過
路の開口から、物品(図示省略)内に混入した磁性体6
が通過方向を向いて出て行くときの状態を示すもので、
図9と同様に磁性体6は強く磁化され、上記検出回路1
2で高い感度で検出される。
【0032】上記検知エリアは、通過路9の内部を、通
過路形成用の永久磁石8の磁極面と略同等の磁位に保
ち、この通過路9の開口から出る全磁束を、漏洩磁束集
束用の永久磁石10に集中させることにより、開口面に
沿う幅が小さい空間に、磁束密度を非常に大きくして形
成したものである。したがって、磁性体6は、通過路9
のどの位置から出ても、強く磁化され、通過路9の上下
左右の間隔を広く取っても、検知出力にバラツキを生じ
させないで、磁性体6を高感度に検出できる。また、高
感度であるので、小さな磁性体6を検出する場合にも、
特に検知出力の増幅度を上げる必要がなく、安定動作が
可能になっている。
【0033】上記検知エリアの通過方向の幅は、漏洩磁
束集束用の永久磁石10の通過方向の幅に対応したもの
になっているので、これを図11及び図12について説
明する。図11に示すように、垂直姿勢を取った磁性体
6を、開口から通過方向に移動させて行くと、sの位置
に到達したとき、図12に示すように、磁気検知器11
の出力は急激に立上がり、その後に一定出力を保った
後、eの位置で急激に立ち下がる。なお、漏洩磁束集束
用の永久磁石10がない場合の出力は、図12に点線で
示すように、なだらかなものとなる。このような出力が
あるのは、漏洩磁束集束用の永久磁石10によって、一
定の幅の検知エリアに磁束を集束させて、他の部分の磁
束密度を希薄にする作用による。
【0034】このように、幅が明確に区画された検知エ
リアが得られることにより、このエリアへの出入時に明
確な信号変化が現われるスイッチ効果が生じ、磁性体の
有無判定が確実に行なえ検出精度を向上できる。これ
は、検出感度が磁性体の移動速度に比例するサーチコイ
ルを磁気検知器として使用したときでも、検知物品の移
動速度が遅くゆつくりした搬送でも、その変化が検出で
きるということである。
【0035】また、本発明では、図13に示すように、
磁性体6が通過方向と直交した水平姿勢を保って開口か
ら出るため上下方向の長さが短くなる場合でも、上述し
たように検出感度が高いこと、及び、この磁性体6が通
過路開口に出入りするときに強く磁化され磁性体自体が
発する磁界が磁気検知器11検出されることにより、感
度が低下するだけで、検出可能となっている。但し、こ
の実施形態の場合は、通過路の左右両側にも、漏洩磁束
集束用の永久磁石10と磁気検知器11が配置されてい
るため、磁性体6の長さはその方向に大きく、図9及び
図10と同様の検出感度が得られる。
【0036】上記実施形態は、一例を示すものであり、
他に変形例が考えられる。例えば、通過路9は、2枚の
通過路形成用の永久磁石8を対向させただけでのもので
もよく、この永久磁石は角筒や円筒等の任意の断面形状
を持つ1つの永久磁石を、その内面と外面を逆極性に着
磁して使用してもよい。なお、この永久磁石8は、フェ
ライト磁石等の一般的な磁石が利用できるもので、特に
強力な磁石を用いる必要はない。漏洩磁束集束用の永久
磁石10は、少なくとも、磁気検知器11を設ける位置
に1つだけ取付ければ、検出可能である。この場合、例
えば通過路9の開口の下縁に対向する位置にのみ漏洩磁
束集束用の永久磁石10に取り付けたとすると、この永
久磁石10に、開口全面からの磁束が集束するので、開
口の上縁付近から磁性体6が出て来ても、検出可能とな
る。
【0037】磁気検知器11は、MR素子以外の感磁性
素子を用いることも可能であり、コイルを用いることも
可能である。ただし、コイルを用いる場合は、その出力
が磁性体の移動速度の影響を受けることになるので、検
出のしきい値を移動速度との関係で調整する必要が生じ
る。
【0038】磁気検知器11の取付けに、図6及び図7
で説明したようなアンテナ16及び取付け材17を用い
ることは必須ではない。例えば、コイルを漏洩磁束集束
用の永久磁石10の磁極面を囲む大きさを持って巻き、
これを、この永久磁石10の磁極面の上に配置する等の
構造にすることもできる。すなわち、磁気検知器11の
取付けは、漏洩磁束集束用の永久磁石10に流入する磁
束の変化を検出できるものであればよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1にかかる発明は、通過
路形成用の永久磁石によって、内部に略均一な強さの磁
気を充満させた通過路を形成し、この開口から出る磁束
を、この開口縁に近接配置した逆極性の漏洩磁束集束用
の永久磁石で集束させることによって、開口面に沿う幅
が小さい空間に、磁束密度が高い検知エリアを形成す
る。そして、漏洩磁束集束用の永久磁石の近傍に配置し
た磁気検知器で、磁性体による検知エリア内の磁束変化
を検出する構成としている。
【0040】このため、開口面を大きくしても、磁性体
の検出感度を、磁性体が開口のどの位置から出た場合に
も、略一定に保つことができ、大きい物品まで検査対象
とすることができる。
【0041】また、検知エリアに磁束を集中させて、磁
性体を強く磁化させることにより、検出感度を非常に高
くすると共に、検知エリアの幅を漏洩磁束集束用の永久
磁石の通過方向の幅によって明確に区画し、このエリア
への出入時に明確な信号変化が現われるスイッチ効果を
持たせているので、磁性体の有無判定処理が確実且つ容
易に行なうことができる。したがって、特に増幅度の高
い増幅器を用いなくても、小さな磁性体の混入の検出が
可能になると共に誤動作を少なくし、精度の高い検出が
可能になる。
【0042】本発明の請求項2にかかる発明は、漏洩磁
束集束用の永久磁石を、物品の通過路の入口と出口の双
方に配置することにより、通過路の開口から外部に向か
う磁束を検知エリア内に閉じ込め、外部への磁気漏洩を
非常に小さくする。これによって、磁気探知器の周囲に
ある磁性体に起因する誤動作を少なくすることができ
る。
【0043】本発明の請求項3にかかる発明は、通過路
形成用の永久磁石と漏洩磁束集束用の永久磁石を囲むよ
うに設けられる磁気結合材で磁束を内部に閉じ込め、さ
らに、その外側に漏洩しようとする磁束を、所定の厚さ
の非磁性体を挟んで、磁気遮蔽板で囲むことにより、外
部に漏洩する磁束を激減させる。このため、検知器の付
近を通過する磁性体による磁界の変化を激減させ、誤動
作をさらに少なくして、安定動作させることができる。
【0044】本発明の請求項4にかかる発明は、漏洩磁
束集束用の永久磁石に沿って離隔・配置したアンテナ
と、アンテナから延びて磁気ギャップを形成する磁気誘
導材によって、微小な磁気検知器で、これよりも大きな
広がりを持つ検知エリアの全ての磁界変化を検出できる
ようにすると共に、磁気検知器を配置する磁気ギャップ
に、検出対象とする磁性体による磁束変化分が大きな比
率で流れるようにして、感磁性素子の飽和を防止し、信
号処理の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁性体検知器の一実施形態の構造を
示す断面図。
【図2】 図1の磁性体検知器を、開口側から見た正面
図。
【図3】 図1の磁性体検知器の検出回路を示す電気回
路図。
【図4】 図1の構造において、物品の通過路を略均等
な強さの磁気で満たすための通過路形成用の永久磁石の
寸法を説明する図。
【図5】 図1の構造において、通過路の開口から漏洩
する磁束分布を、漏洩磁束集束用の永久磁石がある場合
(a)とない場合(b)を比較して示す図。
【図6】 図1の構造において使用される漏洩磁束集束
用の永久磁石と磁気検知器の取付構造例を示す平面図
(a)及び側面図(b)。
【図7】 図6の取付構造で使用される取付け材と磁気
検知器を拡大して示す斜視図。の
【図8】 図6の取付構造において、磁気ギャップの磁
界を零にできる理由を説明する磁気回路図。
【図9】 図1の構造において、検出される磁性体であ
る針が垂直姿勢を取って通過する場合の磁気変化を説明
する側面図。
【図10】 図1の構造において、検出される磁性体で
ある針が通過方向に平行な姿勢を取って通過する場合の
磁気変化を説明する側面図。
【図11】 図1の構造において、検出される磁性体で
ある針が垂直姿勢を取って通過する場合の検出の開始位
置sと終了位置eを示す側面図。
【図12】 図11に示した磁性体の通過に対応する磁
気検知器の出力変化を示す信号波形図。
【図13】 図1の構造において、検出される磁性体で
ある針が通過方向と直交する水平姿勢を取って通過する
場合を示す側面図。
【図14】 従来の磁性体検知器を、物品出入側から見
た正面図。
【図15】 図14の磁性体検知器において、検出感度
を高くできる磁性体の通過位置を示す正面図。
【図16】 図14の磁性体検知器において、検出感度
が低くなる磁性体の通過位置を示す正面図。
【図17】 図14の磁性体検知器において、検出感度
が低くなる磁性体の姿勢を示す正面図。
【符号の説明】
7 磁性体探知器 8 通過路形成用の永久磁石 9 物品の通過路 10 漏洩磁束集束用の永久磁石 11 磁気検知器 12 検出回路 13 強磁性体の磁気結合材 14 非磁性体(スペーサ) 15 磁気遮蔽板 16 アンテナ 18 磁気誘導材(雄ネジ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向間隔に応じた幅を持つ同一極性の磁
    極面で囲むことにより、略均一な強さの磁気で充満した
    物品の通過路を形成する通過路形成用の永久磁石と、 上記通過路を囲む磁極面と逆極性の磁極面を通過路の開
    口に向けて、上記永久磁石の端面を臨む位置に配置さ
    れ、この逆極性の磁極面と反対側の磁極面を、上記永久
    磁石の磁極面と反対側の磁極面に、強磁性体の磁気結合
    材で結合した漏洩磁束集束用の永久磁石と、 この漏洩磁束集束用の永久磁石の近傍に配置され、通過
    路の開口と漏洩磁束集束用の磁石の間に移動した物品に
    磁性体が含まれているとき生じる磁界の乱れを検出する
    磁気検知器と、 この磁気検知器の出力を所定のしきい値と比較すること
    により、磁性体を検出する検出回路とを具備したことを
    特徴とする磁性体探知器。
  2. 【請求項2】 漏洩磁束集束用の永久磁石を、物品の通
    過路の入口と出口の双方に配置したことを特徴とする請
    求項1に記載した磁性体探知器。
  3. 【請求項3】 強磁性体の磁気結合材を、通過路形成用
    の永久磁石と漏洩磁束集束用の永久磁石を外側から包囲
    する筒状のものとし、さらに、この磁気結合材の外側
    に、所定の厚さの非磁性体を挟んで、強磁性体の磁気遮
    蔽板を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載
    した磁性体探知器。
  4. 【請求項4】 漏洩磁束集束用の永久磁石の逆極性の磁
    極面から通過路の開口に向かって所定間隔離れた位置に
    配置されたアンテナと、このアンテナから延びて磁気結
    合材との間に磁気検知器を配置する磁気ギャップを形成
    する強磁性体の磁気誘導材とを備え、 通過路の開口から、アンテナ、磁気誘導材、及び磁気ギ
    ャップを通り、磁気結合材に向かって流れる磁束と、漏
    洩磁束集束用の永久磁石から、磁気結合材、磁気ギャッ
    プ、及びアンテナを通って流れる磁束とを相殺させるこ
    とにより、磁気ギャップに、検出対象とする磁性体によ
    る磁束変化分が大きな比率で流れるようにしたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した磁性体
    探知器。
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