JP2001065931A - 消音用給水キャップ、給水タンク及び加湿器 - Google Patents

消音用給水キャップ、給水タンク及び加湿器

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JP2001065931A
JP2001065931A JP24164399A JP24164399A JP2001065931A JP 2001065931 A JP2001065931 A JP 2001065931A JP 24164399 A JP24164399 A JP 24164399A JP 24164399 A JP24164399 A JP 24164399A JP 2001065931 A JP2001065931 A JP 2001065931A
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water
water supply
cap
orifice
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Norihiro Matsuyama
典弘 松山
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Aiwa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト上昇を抑制しつつ、給水タンクからの
給水時に生じる気泡破裂音を十分小さくする。 【解決手段】 給水管44には給水キャップ72が取り
付けられ、この給水キャップ72には1個のオリフィス
80が設けられると共に、このオリフィス80の上部側
に空気穴72が設けられている。オリフィス80の内径
は2.3mm以上、3.1mm以下の範囲から選択され
る任意の値とされている。これにより、給水管44を通
して貯水室22内の中間貯水部88へ給水される際に、
水の粘性抵抗等によりオリフィス80が通水不能になる
ことを防止しつつ、単位時間当たりに貯水室22内へ排
気される空気量が制御可能となる。この結果、給水時に
短時間の間に多量の空気が貯水室22内へ排気されるこ
とを防止でき、給水タンク20から漏れる気泡破裂音を
十分小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯水室内に貯えら
れた水を外部へ給水する給水口に装着され、給水時に発
生する騒音を抑制する消音用給水キャップに関するもの
である。
【0002】また本発明は、外部から供給された水を貯
水室内に貯え、この貯水室内の水を給水口を通して外部
へ給水する給水タンクに関するものである。
【0003】また本発明は、外部から供給された水を貯
水室内に貯える給水タンクを備え、貯水室内から給水口
を通して給水された水を利用して室内の空気を加湿する
加湿器に関するものである。
【0004】
【従来の技術】室内加湿用の加湿器としては、着脱式の
給水タンクから給水された水を中間貯水部に一旦貯え、
この中間貯水部から加熱容器に供給された水をヒータ等
により加熱して水蒸気とするものがある。このような加
湿器では、中間貯水部に常に一定の水が貯えられるよう
に給水タンクからの給水量を制御する必要がある。
【0005】上記のような加湿器へ適用可能な給水タン
クとしては、例えば、給水タンクの底面部から下方へ突
出する給水管を備えたものがある。この給水管は上端側
の開口部が給水タンク内に開口した給水口に接続される
と共に、下端側の開口部の高さが中間貯水部における所
定の下限水位と一致するように設けられている。これに
より、中間貯水部内に下限水位以上の水がある状態で
は、給水管の下端側の開口部が中間貯水部内で水中に浸
漬し、給水タンク内の水面上に存在する空気層の静圧
(負圧)の作用によって給水管から中間貯水部への給水
が停止する。
【0006】また中間貯水部内の水位が下限水位より低
くなると、給水管の下端側の開口部が大気中に開放さ
れ、この給水管を通して給水タンク内に空気が侵入する
ことから、給水タンク内に侵入した空気の容積と略等し
い容積の水が給水タンクから中間貯水部へ給水される。
従って、中間貯水部には下限水位より若干高い水位が保
たれるように給水タンクから水が間欠的に給水される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような給水タン
クを備えた加湿器では、給水タンクから中間貯水部への
給水時に給水管を通して給水タンク内に空気が侵入す
る。この給水タンク内に侵入した空気は水中で気泡とな
って水面まで浮上し、この気泡が水面に達すると破裂し
て破裂音を発生させる。この気泡の破裂音が大きいと、
装置外部に漏れて騒音となり、加湿器が静寂な環境下で
運転される場合にはユーザに対して不快感を与えてしま
う。
【0008】このため、従来の加湿器では、例えば、給
水タンク又は装置外殻部を形成した筐体を遮音性が高い
材料により成形したり、これらの外壁部の肉厚を厚くし
て気泡破裂によって生じる騒音漏れを抑制していたが、
このような対応を採ると加湿器の製造コストが高くなっ
てしまう。
【0009】本発明は、上記事実を考慮し、給水口を通
して貯水室内に空気が侵入して生じる給水時の気泡破裂
音を十分小さくできる低コストの消音用給水キャップを
提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、前記消音用給水キャップを
適用することにより、給水口を通して貯水室内に空気が
侵入して生じる給水時の気泡破裂音を十分小さくできる
給水タンクを提供することを目的とする。
【0011】また本発明は、前記給水タンクを適用する
ことにより、貯水室から中間貯水部への給水時に給水口
を通して貯水室内に空気が侵入して生じる気泡破裂音を
十分小さくできる加湿器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の消音用給
水キャップは、貯水室内に貯えられた水を外部へ給水
し、かつ給水時に外部から貯水室内に空気を取り入れる
給水口に装着される消音用給水キャップであって、下端
部に開口が設けられた容器状とされ、貯水室内に配置さ
れると共に前記開口が給水口に接続されるキャップ本体
と、前記キャップ本体に設けられ、貯水室内から前記キ
ャップ本体内へ通過する水量を制限する略円形のオリフ
ィスと、前記キャップ本体における前記オリフィスの上
部側に設けられ、前記オリフィスの通過水量に対応する
量の空気を前記キャップ本体内から貯水室内へ排気する
空気穴とを有し、前記キャップ本体に1個の前記オリフ
ィスを設け、このオリフィスの平均内径を2.3mm以
上、3.1mm以下の範囲から選択される任意の値とし
たものである。
【0013】また請求項2記載の消音用給水キャップ
は、請求項1記載の消音用給水キャップにおいて、前記
1個のオリフィスに代えて、前記キャップ本体に2個の
前記オリフィスを設け、これらのオリフィスの平均内径
をそれぞれ2.3mm以上、2.4mm以下の範囲から
選択される任意の値としたものである。
【0014】上記構成の消音用給水キャップによれば、
給水口に接続されたキャップ本体に1個又は2個のオリ
フィスが設けられると共に、オリフィスの上部側に空気
穴が設けられ、前記オリフィスの平均内径が所定の範囲
内とされることにより、給水口を通して貯水室内に貯え
られた水が外部へ給水される際に、貯水室内からキャッ
プ本体内へ給水される水の量がオリフィスの個数及びオ
リフィスの平均内径に応じた量に制限されるので、空気
穴を通してキャップ本体内から貯水室内に排気される空
気量をオリフィスの個数及びオリフィスの平均内径に応
じた量に制御できる。従って、オリフィスの個数及びオ
リフィスの平均内径を適宜設定すれば、給水時に水の粘
性抵抗等によりオリフィスが通水不能になることを防止
しつつ、単位時間当たりに貯水室内へ排気される空気量
が制御可能となる。
【0015】この結果、給水時に短時間の間に多量の空
気が貯水室内へ排気されることを防止できるので、貯水
室内へ排気された空気により水中に形成される気泡の大
きさを制限し、この気泡が水面で破裂した際に生じる破
裂音を抑制できる。
【0016】具体的には、キャップ本体に1個のオリフ
ィスを設けた場合のオリフィスの平均内径を2.3mm
以上、3.1mm以下の範囲から選択される任意の値と
すれば、給水時にオリフィスが通水不能になることを防
止しつつ、気泡破裂音を十分小さくできる。
【0017】またキャップ本体に2個のオリフィスを設
けた場合のオリフィスの平均内径を2.3mm以上、
2.4mm以下の範囲から選択される任意の値とすれ
ば、給水時にオリフィスが通水不能になることを防止し
つつ、気泡の破裂音を十分小さくできる。さらに1個の
オリフィスが目詰まりした場合でも、残り1個のオリフ
ィスにより貯水室内から外部への給水を継続できる。
【0018】ここで、オリフィスの平均内径とは、キャ
ップ本体の肉厚が薄く、キャップ本体の肉厚方向におけ
るオリフィスの内径変化を実質的に無視できるならば、
オリフィスの開口形状が円形とされている場合にはオリ
フィスの任意の位置における内径と一致し、またオリフ
ィスの開口形状が非円形とされている場合にはオリフィ
スの開口面積と同一の開口面積を有する円形開口の内径
と一致する長さである。
【0019】またキャップ本体の肉厚が厚く、オリフィ
スの内径がキャップ本体の肉厚方向に沿って変化する場
合には、上記のように定義されたオリフィスの平均内径
はオリフィスの開口面積が最も小さくなる位置で測定さ
れる。
【0020】請求項3記載の消音用給水キャップは、請
求項1記載の消音用給水キャップにおいて、前記1個の
オリフィスの平均内径を2.3mm以上、2.5mm以
下の範囲から選択される任意の値としたものである。
【0021】上記構成の消音用給水キャップによれば、
キャップ本体に1個のオリフィス設けられた場合のオリ
フィスの平均内径を2.3mm以上、2.5mm以下の
範囲から選択される任意の値とすれば、水の粘性抵抗等
によりオリフィスが通水不能になることを防止できる限
度内で、給水時に貯水室内へ排気される空気量を略最小
量にできるので、給水時に生じる気泡破裂音を特に効果
的に抑制できる。
【0022】請求項4記載の給水タンクは、外部から給
水された水を貯える貯水室が内部に設けられたタンク本
体と、前記タンク本体の下部に設けられて、前記貯水室
内に貯えられた水を外部へ給水し、かつ給水時に外部か
ら貯水室内に空気を取り入れる給水口とを有し、前記給
水口に請求項1、2又は3記載の消音用給水キャップを
装着したものである。
【0023】上記構成の給水タンクによれば、貯水室の
下部に開口した給水口に請求項1、2又は3記載の消音
用給水キャップを装着したことにより、給水タンクから
外部への給水時に水の粘性抵抗等により消音用給水キャ
ップのオリフィスが通水不能になることを防止しつつ、
消音用給水キャップの空気穴を通して単位時間当たりに
貯水室内へ排気される空気量が制御可能となる。この結
果、給水時に貯水室内へ排気された空気により水中に形
成される気泡の大きさを制限し、この気泡が水面で破裂
した際に生じる破裂音を抑制できるので、給水タンク内
から外部へ漏れる破裂音を十分小さくできる。
【0024】請求項5記載の加湿器は、請求項4記載の
給水タンクと、前記給水タンクを着脱可能に収納するタ
ンク収納部と、前記給水タンクから供給された水を水蒸
気又は微細水滴として装置外部へ放出する水放出手段
と、を有するものである。
【0025】上記構成の加湿器によれば、貯水室の給水
口に消音用給水キャップが装着されていることにより、
給水タンクから加湿器本体側への給水時に貯水室内へ排
気された空気により水中に形成される気泡の大きさを制
限し、この気泡が水面で破裂した際に生じる破裂音を抑
制できるので、給水タンク内から外部へ漏れる破裂音を
十分小さくできる。この結果、給水タンクの外皮部や加
湿器の外殻部を遮音性の高い材料により成形したり、こ
れらの肉厚を厚くするなどの高コストが要求される対応
を採らなくても、低コストの消音用給水キャップを追加
するだけで、給水タンクから加湿器本体側への給水時に
装置外部へ漏れる気泡破裂音(騒音)を十分小さくでき
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
加湿器について図面を参照して説明する。
【0027】図1には本発明の実施の形態に係る加湿器
10が示されている。加湿器10は、図1に示されるよ
うに装置本体の外郭部として筐体12を備えている。こ
の筐体12は略直方体状に形成されており、筐体12の
上面側には本体開口部14が設けられている。ここで、
本体開口部14は、装置の高さ方向(図1の矢印H方
向)と直交する装置の幅方向(図1の矢印W方向)へ長
い略長方形とされており、この本体開口部14には、図
1の2点鎖線で示されるように蓋体16が着脱可能に装
着されている。
【0028】筐体12内には、幅方向における一端部側
(図1の右側)にタンク収納室18が設けられている。
このタンク収納室18には給水タンク20が本体開口部
14を通して着脱可能に装填されている。
【0029】給水タンク20の内部は外部から給水され
た水を貯える貯水室22とされている。給水タンク20
は略立方体の容器状に形成されたタンク本体21を備え
ている。このタンク本体21はポリエチレン等の樹脂に
より成形されている。またタンク本体21の外側面両端
部には一対の連結ピン21Aが設けられ、これらの連結
ピン21Aには略コ字状に屈曲された細長い板状の取手
23の両端部がそれぞれ回動可能に連結されている。
【0030】タンク本体21の頂部に、図2に示される
ように上方へ突出する円筒状のキャップ取付部26が一
体的に形成されている。このキャップ取付部26は上端
側が開口しており、この開口は貯水室22内へ水を補給
するための補給口24とされている。またキャップ取付
部26の外周面には径方向へ突出する一対のスライド片
28が設けられている。スライド片28は周方向に沿っ
て長く軸方向へ薄い板状に形成され、キャップ取付部2
6の外周面における径方向両端部にそれぞれ配置されて
いる。
【0031】タンク本体21のキャップ取付部26には
キャップ部材30が着脱可能に装着され、このキャップ
部材30により補給口24が閉止されるようになってい
る。キャップ部材30は頂面側が閉止された円筒状に形
成されており、キャップ部材30の内周面は下方へ向か
って僅かに内径が広がったテーパ状とされている。また
キャップ部材30の内周面にはキャップ取付部26の一
対のスライド片28にそれぞれ対応する一対の係止溝3
2が形成されている。
【0032】係止溝32には、その長手方向に沿った一
端部にキャップ部材30の下端面へ開口する開口部33
が形成されており、この開口部33はキャップ部材30
をキャップ取付部26へ着脱する際のスライド片28の
出入口とされている。さらに係止溝32には、下方から
見て開口部33から時計方向へ伸びると共にキャップ部
材30の頂面側へ傾斜した傾斜部及び傾斜部の終端から
水平に延出する水平部が長手方向に沿って形成されてい
る。
【0033】キャップ取付部26の外周面には、図2に
示されるように環状の溝部が形成されており、この溝部
内に弾性材料からなるシールリング36が固着されてい
る。ここで、キャップ部材30をキャップ取付部26ヘ
装着する際には、キャップ部材30を上方からキャップ
取付部26の外周側へ嵌め込みつつ、開口部33を通し
て一対のスライド片28をそれぞれキャップ部材30の
係止溝32内へ挿入する。この後、キャップ部材30を
時計方向へ回転させると、スライド片28が係止溝32
の傾斜部に沿って相対移動する。これにより、キャップ
部材30はキャップ取付部26の下端側へ移動し、スラ
イド片28が係止溝32の水平部まで相対回転すると、
内周面をシールリング36の外周部に圧接させる。この
状態から、更にキャップ部材30を時計方向へ回転させ
ると、スライド片28が係止溝32の水平部の終端部に
当接する。これにより、キャップ部材30のキャップ取
付部26への装着が完了して補給口24が気密状態とな
るように閉止される。
【0034】一方、タンク本体21の底部にも、図2に
示されるように下方へ突出する円筒状のキャップ取付部
38が一体的に形成されている。このキャップ取付部3
8は下端側が開口しており、その内周側に形成される円
柱状の空間は貯水室22の一部とされている。またキャ
ップ取付部38の外周面には雄ねじ部(図示省略)が形
成されている。
【0035】キャップ取付部38にはキャップ部材40
が着脱可能に装着されている。キャップ部材40には外
周側に円筒状の螺着部42が設けられ、この螺着部42
の内周側には給水管44が設けられている。またキャッ
プ部材40には、螺着部42の下端部から内周側へ延出
して給水管44の外周面に接合された連結部46が一体
的に形成されている。これにより、連結部46は螺着部
42と給水管44との間を閉止すると共に、給水管44
を螺着部42の内周側に同軸的に支持する。
【0036】連結部46は外周側から内周側へ向かって
段差状に高くなっており、キャップ部材40がキャップ
取付部38へ装着された状態では、図2に示されるよう
に連結部46は外周側の一部を除く部分がキャップ取付
部38内へ挿入されている。これにより、連結部46は
キャップ取付部38の内周側に入る水量、すなわち貯水
室22内から後述する中間貯水部88へ給水不能となる
残水量を少なくしている。
【0037】キャップ部材40には、螺着部42の下端
部と連結部46の外周端部とのエッジ部に沿って弾性材
料からなるシールリング48が固着されている。ここ
で、キャップ部材40をキャップ取付部38へ装着する
際には、キャップ部材40の螺着部42をキャップ取付
部38の外周側へ嵌め込みつつ、キャップ部材40をね
じ込み方向へ回転させて螺着部42の雌ねじ部をキャッ
プ取付部38の雄ねじ部へねじ込む。これにより、キャ
ップ部材40はキャップ取付部38の上端側へ移動し、
シールリング48をキャップ取付部38の下端部へ圧接
させる。この状態から、キャップ部材40を十分な回転
抵抗が生じるまでねじ込み方向へ回転させると、キャッ
プ部材40が給水管44を除く部分での気密性が保たれ
るようにキャップ取付部26へ装着される。
【0038】キャップ部材40の給水管44は、図2に
示されるように上端部及び下端部がそれぞれ開口した円
筒状に形成されており、その内周側の空間は貯水室22
を外部へ連通する給水口とされている。給水管44には
上部側に大径のキャップ固定部52が設けられており、
このキャップ固定部52の内周面には雌ねじ部53が形
成されている。またキャップ固定部52の下部側には、
キャップ固定部52の下端部から内周側へ屈曲されたフ
ランジ部54を介して小径のバルブ開閉部56が一体的
に設けられている。
【0039】給水管44内には開閉部材58が上下方向
へ移動可能に配置されている。この開閉部材58は、図
2に示されるようにバルブ開閉部56に対して貯水室2
2側に支持された弁体60と、この弁体60に同軸的に
連結されバルブ開閉部56内を挿通したスライド軸62
とを備えている。弁体60は下面側が略円錐状とされて
おり、上端部での外径がバルブ開閉部56の内径より大
きくされている。またバルブ開閉部56には、上端側の
開口部に沿って弁体60の下面と平行とされた傾斜面が
形成され、この傾斜面は弁体60に対する座受部64と
されている。
【0040】開閉部材58のスライド軸62は、バルブ
開閉部56の内周面から内周側へ延出したアーム先端に
固着されたリング状の軸受部66により軸方向(上下方
向)へ摺動可能に支持されている。これにより、開閉部
材58の弁体60はバルブ開閉部56の座受部64に対
して接離可能となっている。
【0041】スライド軸62の下端部には、軸部より大
径とされた円板状の加圧部68が設けられている。加圧
部68と軸受部66との間にはコイルスプリング70が
圧縮状態とされて配置されており、このコイルスプリン
グ70は開閉部材58を常に閉鎖方向(下方)へ付勢し
ている。これにより、加圧部68が開放方向(上方)へ
加圧されていない状態では、弁体60はコイルスプリン
グ70の付勢力により座受64に圧接してバルブ開閉部
56を閉鎖する。
【0042】一方、給水管44のキャップ固定部52に
は、図2に示されるように消音用の給水キャップ72が
取り付けられている。給水キャップ72は頂部側が閉止
されると共に下端側が開口した容器状とされており、こ
の給水キャップ72には下部側に円筒部74が設けられ
ると共に、この円筒部74の上端側を閉止するように半
球状の頂部76が一体的に設けられている。
【0043】円筒部74の外周面には下部側に雄ねじ部
78が形成されている。この雄ねじ部78がキャップ固
定部52の雌ねじ部53にねじ込まれることにより、給
水キャップ72はキャップ固定部52に固定され、雄ね
じ部78より上側の部分を貯水室22内へ突出させる。
【0044】給水キャップ72の円筒部74には、雄ね
じ部78の上部側に1個のオリフィス80が形成されて
おり、このオリフィス80は肉厚方向に沿って円筒部7
4を貫通し、給水キャップ72の内部空間を貯水室22
内へ連通させている。ここで、オリフィス80は、図3
(B)に示されるように円筒部74の肉厚方向に直交す
る面内での断面形状(開口形状)が円形とされ、オリフ
ィス80内には肉厚方向における径が変化しない円柱状
の空間が形成されている。
【0045】また給水キャップ72の頂部76には、図
3(A)に示されるように中心軸Sを中心とする周方向
に沿って複数個(本実施の形態では4個)の空気穴82
が形成されている。これらの空気穴82は周方向へは互
いに等間隔となるように配置されており、それぞれ肉厚
方向に沿って頂部76を貫通し、給水キャップ72の内
部空間を貯水室22内へ連通させている。ここで、空気
穴82の開口形状は、オリフィス80と同様に肉厚方向
で径が変化しない円形とされている。
【0046】筐体12内には、図1に示されるように装
置の内部空間を上部側と下部側とで区画する仕切板84
が筐体12と一体的に成形されている。この仕切板84
の幅方向における一端部側はタンク収納室18の底板部
86を構成しており、この底板部86の中央部には凹状
の中間貯水部88が一体的に形成されている。
【0047】給水タンク20がタンク収納室18内へ収
納された状態では、底板部86上にはタンク本体21の
下面が載置され、中間貯水部88内にはタンク本体21
の給水タンク20の下面から突出するキャップ部材40
が挿入される。
【0048】中間貯水部88の底板部には、開閉部材5
8の加圧部68対応するバルブ操作ピン90が上方へ突
出するように設けられている。バルブ操作ピン90は、
給水タンク20がタンク収納室18内へ収納された状態
では開閉部材58の加圧部68を上方へ加圧し、コイル
スプリング70の付勢力に抗して開閉部材58を上方へ
移動させる。これにより、弁体60がバルブ開閉部56
の座受部64から離間して給水管44が開放される。ま
たタンク収納室18内に収納された給水タンク20が本
体開口部14を通して取外されると、開閉部材58の加
圧部68がバルブ操作ピン90から離れる。これによ
り、弁体60がコイルスプリング70の付勢力によりバ
ルブ開閉部56の座受部64に圧接して給水管44が閉
鎖される。
【0049】本実施の形態の加湿器10では、水を貯え
た給水タンク20がタンク収納室18内に収納されてい
る状態では、中間貯水部88には所定の正常水位(図2
の符号L1の水位)が保たれるように給水タンク20か
ら水が給水される。
【0050】中間貯水部82内には、中間貯水部82の
水位が正常水位L1より低い下限水位L2以下になると、
これを検出するフロートセンサ(図示省略)が設置され
ている。ここで、中間貯水部88の正常水位L1は、給
水管44の下端面と同一レベル又は下端面より僅かに高
いレベルとされている。従って、中間貯水部82内の水
位が正常水位L1より上にあると、給水管44下端の開
口が水中に浸漬して給水管44を通して外部から貯水室
22内に空気が侵入しない。このとき、貯水室22内が
気密状態とされ、貯水室22内の水面上の空気層が大気
圧に対して負圧となることから、貯水室22内の水は給
水管44を通して中間貯水部88へ流出しない。
【0051】また水中間貯水部88内の水位が正常水位
1より下がると、給水管44下端の開口が大気開放状
態になるので、給水管44を通して給水キャップ72内
に空気が侵入し、この空気が空気穴82を通して貯水室
22内に排気される。これにより、貯水室22内の水面
上の空気層の静圧が高くなるので、貯水室22内に侵入
した空気量に対応する量の水が貯水室22から給水キャ
ップ72内に流出し、この水が給水管44を通して中間
貯水部88へ給水される。
【0052】仕切板84には、図1に示されるように中
間貯水部88に隣接して円形の開口部92が形成されて
いる。この開口部92にはカップ状の加熱容器94が嵌
挿されている。加熱容器94の開口端部には径方向へ延
出するフランジ部96が形成されており、加熱容器94
は上方から開口部92に嵌挿され、フランジ部96を開
口部92の周縁部に密着させた状態で仕切板84上に固
定されている。加熱容器94は高い耐熱性及び熱伝導性
を有した材料、例えばステンレス、アルミニウム等の金
属や耐熱性樹脂により形成されている。
【0053】加熱容器94の底板部及び中間貯水部88
の底板部には、金属管やシリコンチューブ等からなる連
結管98の両端部がそれぞれ接続されており、この連結
管98を通して加熱容器94と中間貯水部88とは互い
に連通している。従って、中間貯水部88の水位と加熱
容器94の水位は常に同じになる。但し、加熱容器94
内の底面部は中間貯水部88内の底面部より下方へ位置
することから、中間貯水部88内の水位が下限水位L2
まで下がっても加熱容器94内には一定量の水が残るよ
うになっている。
【0054】筐体12内には、加熱容器94の底板部に
近接又は接触するようにヒータ100が配設されてい
る。ヒータ100は、装置運転時に図示しない電源部か
ら駆動電流を供給されることにより、ジュール熱を発生
して加熱容器94内の水を蒸発させる。さらに筐体12
内には、加熱容器94を上方から覆うように円筒状のス
チームダクト102が配置されている。このスチームダ
クト102の上部側は上方へ向かって縮径する円錐状と
されており、スチームダクト102の頂部には装置外部
まで伸びた円筒状の放出管104が接続されている。ま
たスチームダクト102には送風ファンからの空気を供
給する送気管(図示省略)が接続されており、スチーム
ダクト102は、加熱容器94から供給される水蒸気と
送風ファンから供給される空気を攪拌混合し、多量の水
蒸気を含む空気を放出管104から装置外部へ放出す
る。
【0055】次に、本実施の形態に係る加湿器10の動
作を説明する。
【0056】図1に示されるように、タンク収納室18
内に収納された給水タンク20内に水が貯えられている
時には、給水タンク20からの給水により中間貯水部8
8内の水位は正常水位L1に保たれる。この状態で加湿
器10が運転されると、加熱容器94内の水がヒータ1
00により加熱されて水蒸気が多量に発生し、この水蒸
気がスチームダクト102内で空気と混合されて装置外
部へ放出される。これにより、加湿器10が設置された
室内の湿度が上昇する。
【0057】加湿器10の給水タンク20内の水が無く
なり、中間貯水部88内の水位が下限水位L2より低下
すると、中間貯水部88内のフロートセンサが作動して
アラーム信号を出力する。このアラーム信号を受けた制
御部(図示省略)は、液晶パネル等からなる表示部によ
り給水タンク20内に水が無いことを表示させると共
に、フロートセンサからのアラーム信号の入力から所定
の時間経過後に装置運転を停止する。
【0058】また給水タンク20へ水を補給する際に
は、先ず、給水タンク20をタンク収納室18から装置
外部へ抜き取る。これにより、開閉部材58の弁体60
により給水管44が閉鎖され、給水タンク20内に水が
残っている場合でも給水管44を通して外部へ水が流出
しない。この状態で、キャップ取付部26に装着された
キャップ部材30を取り外せば、キャップ取付部26の
内周側に開口した補給口24を通して貯水室22内へ水
が補給可能になる。従って、貯水室22内に十分な量の
水を補給した後に、キャップ部材30をキャップ取付部
26へ装着し、給水タンク20をタンク収納室18内に
戻せば、給水管44が開いて給水タンク20から中間貯
水部88へ再び給水可能になる。
【0059】次に、本実施の形態に係る給水タンク20
による給水動作を詳細に説明する。
【0060】図2に示されるように、中間貯水部88内
の水位が正常水位L1に維持され給水管44の下端が水
中に浸漬していると、貯水室22内の水は給水管44が
開放されていても中間貯水部88へ流出しない。このと
き、給水キャップ72及び給水管44内の空間には空気
穴82から排気できない空気が残っている。
【0061】図2に示される状態から、図4に示される
ように中間貯水部88内の水位が正常水位L1より下が
って給水管44の下端が大気開放状態になると、給水管
44を通して給水キャップ72内に空気が侵入開始し、
これと略同時に給水キャップ72内の水が中間貯水部8
8内へ流出開始する。このとき、図5に示されるよう
に、給水キャップ72内に侵入する空気の容積と略等し
い容積の水が給水管44を通して中間貯水部88内に流
出し、オリフィス80を通して貯水室22内の水が給水
キャップ72内に流入する。また空気穴82を通して給
水キャップ72内から排気される空気の容積はオリフィ
ス80を通して給水キャップ72内に流入する水の容積
と略等しくなる。
【0062】給水タンク20からの給水により中間貯水
部88の水位が正常水位L1まで上昇すると、図6に示
されるように、給水管44の下端が水中に浸漬されて給
水管44を通して給水キャップ72内に空気が侵入しな
くなり、給水キャップ72内からの排気が停止し、これ
と略同時にオリフィス80から給水キャップ72内への
水の流入が停止する。
【0063】上記したように給水タンク20によれば、
給水キャップ72が給水管44のキャップ固定部52に
取り付けられ、給水キャップ72にオリフィス80及び
空気穴82が設けられたことにより、給水管44を通し
て貯水室22内に貯えられた水が中間貯水部88へ給水
される際に、貯水室22内から給水キャップ72内へ給
水される水の量がオリフィス80の内径に応じた量に制
限されるので、空気穴82を通して給水キャップ72内
から貯水室22内に排気される空気量をオリフィスの内
径に応じた量に制御できる。従って、給水キャップ72
に設けられるオリフィス80の内径を適宜設定すれば、
給水時に水の粘性抵抗等によりオリフィス80が通水不
能になることを防止しつつ、単位時間当たりに貯水室2
2内へ排気される空気量が制御可能となる。
【0064】なお、給水キャップ72内の空気は、加湿
器10が略水平に設置されていれば、4個の空気穴82
から略均等に貯水室22内へ排気される。従って、空気
穴82の開口面積は、オリフィス80から給水キャップ
72内に給水される水の約1/4の容積の空気を排気で
きる大きさであればよい。このこと及び空気の粘性が水
の粘性より小さいことから、本実施の形態では空気穴8
2の内径がオリフィス80の内径より十分小さくなって
いる。
【0065】但し、空気穴82の個数及び内径について
は、それぞれ設計的事項であって個数を4個より少なく
し、かつ内径を空気排気に必要となる長さより大きくし
ても、本実施の形態では、オリフィス80により排気さ
れる空気量が制限されていることから気泡破裂音に対し
て大きな影響はない。
【0066】次に、給水キャップ72に設けられたオリ
フィス80の内径と給水時におけるオリフィス80の通
水状態及び給水タンク20内での気泡破裂音との関係に
ついて説明する。
【0067】表1には、給水キャップ72のオリフィス
80の内径を2.1mmから4.0mmまで0.1mm
毎に変化させた場合に、オリフィス80の通水状態の良
否及び給水タンク20で生じる気泡破裂音の大きさをそ
れぞれ評価した結果が示されている。ここで、給水キャ
ップ72としては樹脂製で肉厚が2mmのものを用い
た。
【0068】
【表1】
【0069】表1の通水状態の評価で“△”としたオリ
フィス80の内径が2.3mm又は2.4mmの場合に
は、給水タンク20の形状や剛性、オリフィス80の内
周面やエッジ部の加工精度などに応じて水の粘性抵抗に
よりオリフィス80が一時的に通水しなくなる現象が生
じることがある。但し、この場合でも、給水キャップ7
2の肉厚を2mmより小さくしたり、オリフィス80を
十分高い加工精度で加工すると共にオリフィス80両端
のエッジ部を曲面(R)形状にするなどの粘性による影
響を軽減するための対応を採れば、通水状態が安定する
ことが判っている。
【0070】また表1の気泡破裂音の評価は給水タンク
20をタンク収納室18内に収納した状態で、加湿器1
0内から装置外部に漏れる気泡破裂音を評価したもので
あり、この評価で“△”としたオリフィス80の内径が
3.1mm〜3.5mmの場合には、加湿器10が特に
静寂な環境下に設置されているときや、加湿器10内に
設けられた送風ファンの作動音が特に小さいときには、
騒音として認識されることがある気泡破裂音が発生す
る。
【0071】従って、表1に示されている通水状態及び
気泡破裂音の評価を考慮すると、給水キャップ72に1
個のオリフィス80を設ける場合には、オリフィス80
の内径を2.3mm以上、3.5mm以下の範囲から選
択される任意の長さにすれば、給水管44を通して貯水
室22内に貯えられた水が中間貯水部88へ給水される
際に、水の粘性抵抗等によりオリフィス80が通水不能
になることを防止しつつ、貯水室22内へ排気された空
気により水中に形成される気泡の大きさを制限し、この
気泡が水面で破裂した際に生じる破裂音を十分小さくで
きるので、給水タンク20から加湿器10の中間貯水部
88への給水時に装置外部へ漏れる気泡破裂音(騒音)
を十分小さくできる。
【0072】なお、以上説明した本実施の形態の加湿器
10では、給水キャップ72に設けられたオリフィス8
0の開口形状を円形としたが、オリフィスの開口形状が
非円形とされている場合には、オリフィスの内径を平均
内径、すなわちオリフィスの開口面積と同一の開口面積
を有する円形開口の内径と一致する長さをオリフィス内
径として評価することにより、表1と同様な結果が得ら
れる。但し、オリフィスの開口形状が非円形である場合
には、水のオリフィスとの接触面積が円形である場合と
比較して増加するので、理論的には水の粘性抵抗の影響
が大きくなってオリフィス内径が小さいときの通水状態
が悪化することが考えられる。
【0073】また、加湿器10では、給水キャップ72
に設けられたオリフィス80の内径を肉厚方向において
一定としたが、オリフィスの内径が給水キャップ72の
肉厚方向に沿って変化する場合には、オリフィスの内径
(平均内径)はオリフィスの開口面積が最も小さくなる
位置で測定するものとする。
【0074】また本実施の形態では、給水キャップ72
に設けられたオリフィス80の効果を気泡破裂音の抑制
という点でのみ評価したが、オリフィス80の個数及び
内径を適宜設定すれば、給水管44から外部へ流出する
水量を制御し、水流音を抑制できるという効果を奏する
ことはいうまでもない。
【0075】また本実施の形態に係る給水キャップ72
を給水タンク20に適用し、この給水タンク20を加熱
式の加湿器10に適用する場合のみを説明したが、本実
施の形態に係る給水タンク20は、静粛性が要求される
共に水を消費する各種の装置、例えば、超音波式の加湿
器に適用することも可能であり、また給水キャップ72
は必ずしも着脱式の給水タンク20の給水管44に装着
する必要はなく、例えば、装置内部に固定状態で設けら
れた貯水室の給水口に装着しても、貯水室から外部への
給水時の騒音を抑制できる。
【0076】また本実施の形態に係る給水キャップ72
は、液体の粘性等に応じてオリフィスの内径を適宜調整
すれば、水以外の流体、例えば、灯油等を貯える貯水室
(貯液室)の液体供給口に装着し、給液時の静粛性を向
上できるようになる。
【0077】
【実施例】次に、本発明に係る構成を加湿器に適用した
場合の実施例について説明する。
【0078】(第1の実施例)第1の実施例に係る加湿
器は上記実施の形態に係る加湿器10と同一構成とされ
ていることから、図1及び図2を参照して本実施例の加
湿器を説明する。
【0079】第1の実施例の加湿器10では、給水キャ
ップ72に1個のオリフィス80を設けると共に、この
オリフィス80の内径を2.5mmとした。これによ
り、加湿器10では、表1の通水状態及び気泡破裂音の
評価から明らかなように、水の粘性抵抗等によりオリフ
ィス80が通水不能になることがなく、かつ給水タンク
20から中間貯水部88への給水時に貯水室22内へ排
気される空気量を略最小量近くまで減少できるので、給
水時に加湿器10内から装置外部へ漏れる気泡破裂音を
殆ど聞こえないレベルまで減少できる。
【0080】従って、本実施例の加湿器10によれば、
給水タンク20のタンク本体21や加湿器10の筐体1
2を遮音性の高い材料により成形したり、これらの肉厚
を厚くするなどの高コストが要求される対応を採らなく
ても、低コストの給水キャップ72を給水タンク20の
給水管44に装着するだけで、給水タンク20から中間
貯水部88への給水時に装置外部へ漏れる気泡破裂音
(騒音)を十分小さくできる。
【0081】(第2の実施例)第2の実施例に係る加湿
器110を図1及び図7を参照して説明する。なお、本
実施例の加湿器110が第1の実施例の加湿器10と異
なる点は、図7に示されるように給水キャップ72に2
個のオリフィス112を設け、このオリフィス112の
内径を加湿器10のオリフィス80の内径と異なる値に
設定したことのみである。
【0082】第2の実施例の加湿器110では、給水キ
ャップ72に1個のオリフィス112を設けると共に、
これらのオリフィス112の内径を2.3mm以上、
2,4mm以下の範囲から選択される任意の値とした。
【0083】ここで、1個のオリフィス80と通水量と
略同一の通水量を2個のオリフィス112により得るた
めには、理論上、オリフィス112の内径をオリフィス
80の内径の2/3に設定すればよい。従って、2個の
オリフィス112の内径をそれぞれ2.3mmとした場
合には、給水キャップ72の2個のオリフィス112を
通過する水量は、1個のオリフィス80の内径を3.4
mmとした場合と略同一となる。また2個のオリフィス
112の内径をそれぞれ2.4mmとした場合には、給
水キャップ72の2個のオリフィス112を通過する水
量は、1個のオリフィス80の内径を3.5mmとした
場合と略同一となる。
【0084】これにより、加湿器10では、表1の通水
状態及び気泡破裂音の評価から明らかなように、給水タ
ンク20から加湿器10の中間貯水部88への給水時に
装置外部へ漏れる気泡破裂音(騒音)を、加湿器10が
特に静寂な環境下に設置されているときや、加湿器10
内に設けられた送風ファンの作動音が特に小さいときに
のみ、軽微な騒音として認識されるレベルに抑えること
ができる。
【0085】但し、オリフィス112の内径が2.3m
m又は2.4mmの場合には、水の粘性抵抗によりオリ
フィス80が一時的に通水しなくなる現象が生じること
があることから、オリフィス112の通水を確実にする
ためには、給水キャップ72の肉厚を2mmより小さく
したり、オリフィス112両端のエッジ部を曲面(R)
形状にするなどの粘性による影響を軽減するための対応
を採る必要が生じる。
【0086】また、タンク本体21の剛性を意図的に低
下させれば、給水タンク20から加湿器10の中間貯水
部88への給水時に貯水室22内の気体静圧(負圧)に
よりタンク本体21が一時的に弾性変形し、又は給水時
にタンク本体21に共振振動が生じ、これが脈動として
水中に伝達される現象が生じる。このような現象はオリ
フィス112の通水を促進し、オリフィス112の内径
が2.3mm〜2,4mmの範囲であっても、オリフィ
ス112の通水を確実することが実験的に明らかになっ
ている。
【0087】従って、本実施例の加湿器110によれ
ば、第1の実施例の加湿器10により得られる効果に加
えて、1個のオリフィス112が目詰まりした場合で
も、残り1個のオリフィス112により貯水室22内か
ら外部への給水を維持できる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明の消音用給水
キャップによれば、この消音用給水キャップが装着され
る装置等のコスト上昇を抑制しつつ、給水口を通して貯
水室内に空気が侵入して生じる給水時の気泡破裂音を十
分小さくできる。
【0089】また上記消音用給水キャップが適用された
本発明の給水タンクによれば、給水口を通して貯水室内
に空気が侵入して生じる給水時の気泡破裂音を十分小さ
くできる。
【0090】また上記給水タンクが適用された本発明の
加湿器によれば、貯水室から中間貯水部への給水時に給
水口を通して貯水室内に空気が侵入して生じる気泡破裂
音を十分小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加湿器の構成を示す側面断面図
である。
【図2】 本発明の第1の実施例に係る加湿器における
給水タンク及び中間貯水部を示す側面断面図である。
【図3】 本発明に係る加湿器における給水キャップを
示す平面図及び側面図である。
【図4】 本発明に係る給水タンクから中間貯水部への
給水動作を説明するための側面断面図である。
【図5】 本発明に係る給水タンクから中間貯水部への
給水動作を説明するための側面断面図である。
【図6】 本発明に係る給水タンクから中間貯水部への
給水動作を説明するための側面断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施例に係る加湿器における
給水タンク及び中間貯水部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
10 加湿器 12 筐体 18 タンク収納室(タンク収納部) 20 給水タンク 21 タンク本体 22 貯水室 44 給水管(給水口) 72 給水キャップ 80 オリフィス 82 空気穴 88 中間貯水部(水放出手段) 94 加熱容器(水放出手段) 102 スチームダクト(水放出手段) 110 加湿器 112 オリフィス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水室内に貯えられた水を外部へ給水
    し、かつ給水時に外部から貯水室内に空気を取り入れる
    給水口に装着される消音用給水キャップであって、 下端部に開口が設けられた容器状とされ、貯水室内に配
    置されると共に前記開口が給水口に接続されるキャップ
    本体と、 前記キャップ本体に設けられ、貯水室内から前記キャッ
    プ本体内へ通過する水量を制限する略円形のオリフィス
    と、 前記キャップ本体における前記オリフィスの上部側に設
    けられ、前記オリフィスの通過水量に対応する量の空気
    を前記キャップ本体内から貯水室内へ排気する空気穴と
    を有し、 前記キャップ本体に1個の前記オリフィスを設け、この
    オリフィスの平均内径を2.3mm以上、3.1mm以
    下の範囲から選択される任意の値としたことを特徴とす
    る消音用給水キャップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の消音用給水キャップにお
    いて、前記1個のオリフィスに代えて、前記キャップ本
    体に2個の前記オリフィスを設け、これらのオリフィス
    の平均内径をそれぞれ2.3mm以上、2.4mm以下
    の範囲から選択される任意の値としたことを特徴とする
    消音用給水キャップ。
  3. 【請求項3】 前記1個のオリフィスの平均内径を2.
    3mm以上、2.5mm以下の範囲から選択される任意
    の値としたことを特徴とする請求項1記載の消音用給水
    キャップ。
  4. 【請求項4】 外部から給水された水を貯える貯水室が
    内部に設けられたタンク本体と、 前記タンク本体の下部に設けられて、前記貯水室内に貯
    えられた水を外部へ給水し、かつ給水時に外部から貯水
    室内に空気を取り入れる給水口とを有し、 前記給水口に請求項1、2又は3記載の消音用給水キャ
    ップを装着したことを特徴とする給水タンク。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の給水タンクと、 前記給水タンクを着脱可能に収納するタンク収納部と、 前記給水タンクから給水された水を水蒸気又は微細水滴
    として装置外部へ放出する水放出手段と、 を有することを特徴とする加湿器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010038413A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Mitsubishi Electric Corp カートリッジ式水タンクを用いた機器
JP7455031B2 (ja) 2020-09-07 2024-03-25 ダイニチ工業株式会社 加湿装置

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