JP2001065309A - 復水器の冷却水系路、及びその運転制御方法 - Google Patents

復水器の冷却水系路、及びその運転制御方法

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JP2001065309A JP23889799A JP23889799A JP2001065309A JP 2001065309 A JP2001065309 A JP 2001065309A JP 23889799 A JP23889799 A JP 23889799A JP 23889799 A JP23889799 A JP 23889799A JP 2001065309 A JP2001065309 A JP 2001065309A
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Daisuke Nakabashi
大輔 中橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定羽根形の循環水ポンプを有する復水器の
冷却水系路において、所要の冷却水量が減少したときも
ポンプ低流量域の振動・騒音を回避し、消費エネルギー
の最少化を実現した冷却水系路と、その運転制御方法の
提供。 【解決手段】 循環水ポンプ12の下流側に分岐され
て、復水器52の冷却管24に直列に接続された第1制
御弁25を有する主冷却管路23と、第2制御弁27を
有するバイパス管路26と、が並列管路20を構成し、
最高効率点の近傍で運転される循環水ポンプ12の流量
を、第1、第2の制御弁により制御して、主冷却管路2
3に所要の冷却水量を流通させると共に、バイパス管2
6に余剰の流量を配分する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、復水器の冷却水系
路の構成と、冷却水系路の運転制御方法と、に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は基本的な蒸気タービンシステム5
0の配置を示す模式図である。蒸気タービン51を出た
蒸気は、復水器52で冷却、減圧されて復水し、給水ポ
ンプ53によってボイラ54、又は図示しない原子炉に
供給され、加熱されて気化した高圧蒸気が再び蒸気ター
ビン51に供給される。ここで復水器52の使命は、循
環水ポンプ12によって冷却水の供給を受けながら多量
の低圧蒸気を冷却し、減圧・液化することにある。蒸気
タービン51の背圧を所定圧力まで確実に低下させ、そ
の作動効率を高める働きにある。また、循環水ポンプ1
2の消費動力は、蒸気タービンシステム50の全補機の
中で大きな比率を占める。従って、その消費動力の軽減
には慎重な配慮が求められる。
【0003】復水器52の冷却水系路には、オープンサ
イクルとクローズドサイクルの2つの形式がある。前者
のいわゆる開放冷却水系路は、冷却水として海水、河川
水、或いは湖水を取水ピット11から取水し、放水ピッ
ト15から、上昇温度が許容範囲に管理された排水を元
に戻す方式である。後者の、いわゆる閉鎖冷却水系路の
では冷却塔が設置され、同一冷却水が循環利用される。
国内では専ら海水が利用され、冷却塔方式は僅かに地熱
発電に見られるのみである。しかし、海外では、海水や
河川水、湖水、地形に由来して内陸部での冷却塔方式も
少なくない。図5は、通常の開放給水系の冷却水系路の
系統図を示す。復水器52への冷却水が全冷却水に占め
る比率は少なくとも95%を越える。復水器52以外の
機器への冷却水は、独立した2次循環系が形成され、淡
水が用いられる。図示するように2次循環系の冷却に
は、復水器52の冷却管24と並列に配置された冷却水
冷却器14が用いられる。
【0004】循環水ポンプ12は、復水器52や冷却水
冷却器14に所要の冷却水を供給することを使命とす
る。大量の蒸気を定常的に冷却するために、揚程Hは低
いが流量Qの大きな、すなわち高比速度の、斜流形や軸
流形ポンプが採用される。然るに、開冷却給水系におい
ては、一般に、季節によって冷却水の取水温度が変動す
る。夏期の高温時には冷却水の冷却能力は低下し、所要
の冷却水量Q1を増大させる。また、自然条件によって
取水ピット11の水位が変動する。水位の変動が所要の
ポンプ揚程Hを増せば、ポンプ特性上、供給可能な最大
流量Qは減少する。いっぽう、蒸気タービンシステム5
0では、一般に負荷変動の頻度は少ないが、負荷の減少
に応じて冷却水量Q1を少なくする必要がある。過冷却
は蒸気タービン51の背圧を下げ過ぎて、運転に支障を
来す。さらに水温が低下する冬季には、その影響が重畳
されて所要の冷却水量は最少流量Q1min となる。すな
わち、循環水ポンプ12は、揚程が高くてポンプ特性上
は低流量化するときもQ1max を確実に供給し、揚程が
低くてポンプ特性上は大流量化するときにも、Q1min
を安全に供給できることが求められる。
【0005】図6のポンプ揚程曲線は、HQ特性とも呼
ばれる。以下、図6を用いて上記の運転条件との関係を
説明する。図上のQ1max とQ1min は、所要の冷却水
の最大流量と最少流量を表す。但し、本項では、復水器
52と並列に設けられた冷却水冷却器14の管路につい
ては説明を省略する。一般に管路の損失水頭hは、弁の
開度などの流路形状が不変なら、流量Qの2乗に比例し
て損失曲線31を形成する。ここでは、図5のポンプ吐
出弁開度が全開のとき、その比例定数をkとする。ま
た、実揚程Haと損失水頭hとの和が負荷曲線32を形
成する。負荷曲線32とHQ特性との交点がポンプ特性
上の作動点を表す。ここでは、最高実揚程Hamax と、
最低実揚程Hamin と、について負荷曲線32が示され
ている。循環水ポンプ12は、供給可能な流量が減少す
るHamax のときも最大流量Q1max を揚水できなくて
はならない。従って、その諸元寸法や回転速度nは、そ
の条件を満たすようにあらかじめ選ばれ、図示のHQ特
性や、点Aに示す作動点が定められる。
【0006】ここで、流路形状が不変のまま、実揚程が
Hamin に低下すれば、作動点は点Bに移り、ポンプ流
量Qが増大する。このとき、吐出弁の開度を絞り、実揚
程の低下分に相当する損失水頭△hを付加すれば、作動
点はA点に戻り、所要の冷却水量Q1max を送給でき
る。また、揚程がHamax 、Hamin で、所要の冷却水
量がQ1min に減少したときも、同様に吐出弁、ないし
は専用弁が絞られる。このとき、作動点は点Cに移動
し、付加された損失水頭は、図示の△hmax 、△hmin
に相当する。以上の制御方法により、HQ特性上は何ら
不都合なく、冷却流量Q1を制御できるように見える。
しかし、Q1max /Q1min の比が大きいことは、循環
水ポンプ12に低流量域の運転を強要する。ポンプの低
流量域では激しい振動や騒音を生じ、運転の継続を困難
にすることは良く知られている。図7に見るように、イ
ンペラ12a内での偏流41が激化して、遂には部分的
な逆流42を生ずるのである。ターボ機械の本質に起因
して、定速回転をする限り抜本策はない。
【0007】この難題を回避する方策に台数分割があ
る。理論的には、最大流量Qmax の1/100容量で1
00台のポンプを設置すれば、所要水量が50%のとき
には50台を停止し、残りの50台にそれぞれ定格流量
の静粛運転をさせる、という考え方である。現実には、
設置スペースやコストの観点から、予備機1台を含む3
台設置方式が常識の限度である。その結果、たとえば1
台720kWという規模の、比較的、大容量の循環水ポ
ンプ12に低流量域の運転を強いる結果となる。すると
振動、騒音に消費される単機当たりのエネルギー規模が
大きく、分割数が未だ不十分、という実体がある。その
傾向は、海水を取水する場合にも多々見られ、実揚程の
変動や取水時の温度差が大きい河川水の場合には、なお
さらである。現実には、多くの場合、別の方策が採用さ
れる。理論上は、無限台数分割に相当する可動羽根ポン
プの採用である。しかし、可動羽根形の循環水ポンプ
は、機構の複雑さと羽根開度の制御とを伴い、著しいコ
スト高となる点に大きな悩みがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、所要の冷却水量が減少しても振
動や騒音を伴うことがなく、低廉な冷却水系路と、その
運転制御方法と、を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の記
載の発明は、蒸気タービン51で作動を終えた蒸気を復
水させる復水器52の冷却水系路において、冷却水に揚
程Hと、揚水量Qと、を与える固定羽根形の循環水ポン
プ12と、該循環水ポンプ12の吐出管路13aと、吐
出管路13aが分岐点21を有して構成された並列管路
20と、並列管路20の合流点22に接続された回収管
路13bと、を備え、上記の並列管路20が、復水器5
2の冷却管24と、該冷却管24に直列に接続された第
1制御弁25と、を備えた主冷却管路23と、第2制御
弁27(バイパス弁)を備えたバイパス管路26と、に
よって構成されたことを特徴とする復水器の冷却水系路
である。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の冷却水系路を用いて、それを制御する方法において、
循環水ポンプ12の揚程曲線上で、最高効率点近傍の静
粛運転領域に作動点を限定し、第1制御弁25と第2制
御弁27と、の開度を調節することにより、主冷却管路
23に所要の冷却水量を流通させると共に、バイパス管
路26に余剰の揚水量を流通させて、前記循環水ポンプ
12からの吐水を夫々分流させることを特徴とする復水
器の冷却水系路の運転制御方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は、本発明の冷却水系路の1例を
示す系統図、図2は、本発明の冷却水系路における固定
羽根形循環水ポンプ12の、HQ特性上の使用方法を説
明する説明図、図3は図2を補足説明するための、ポン
プの比速度に対する百分率表示特性図、図4は蒸気ター
ビンシステム50を説明する基本系統図、図5は復水器
52の在来の開放形冷却水系路を示す系統図、図6は、
固定羽根形循環水ポンプ12に関するHQ特性上の、在
来の使用方法を説明する説明図、図7はポンプの低流量
域で、インペラ内に発生する偏流、逆流を示す説明図で
ある。
【0012】図1において、並列管路20は、冷却管2
4と、該冷却管24に直列に接続された第1制御弁25
と、を備えた主冷却管路23と、第2制御弁27を備え
たバイパス管路26とが、分岐点21および合流点22
を共有して並列管路20を構成している。また、循環水
ポンプ12は固定羽根形で、その諸元寸法は、実揚程H
aと冷却水量Q1とが、それぞれ最大のとき、最高効率
点の近傍に作動点Aを有するように定められる。第1制
御弁25は、一般に冷却管24の下流に接続されるが、
冷却管24の前後に分割配置することもできる。なお、
図1では、復水器52を除く機器を冷却するための、更
に並列に設けられる冷却水冷却器14の管路は、図示が
省略されている。以下の説明と同様にして理論上、厳密
な流量の制御が可能であることは容易に理解されるか
ら、説明を簡便にするためである。
【0013】次に図1〜図3を用いて、バイパス管路2
6を備えた冷却水系路の作用を順次説明する。まず、使
用する記号の意味を次の通りとする。 α1:第1制御弁25の開度。 α2:第2制御弁27(バイパス弁)の開度。 CV1:第1制御弁25の損失係数。 CV2:第2制御弁27の損失係数。 CA :主冷却管路23のうち、第1制御弁25を除き、
冷却管24と管路との損失係数。 CB :バイパス管路26のうち、第2制御弁27を除く
管路の損失係数。 CT :吐出管路13a及び回収管路13bの損失係数。 CO :第1制御弁25が全開で第2制御弁27が全閉の
ときの、冷却水系路の等価損失係数。 C1:主冷却管路23の損失係数。 C2:バイパス管路26の損失係数。 CP :並列管路20の等価損失係数。 C :冷却水系路全体の等価損失係数。 Q :循環水ポンプ12の揚水量。 Q1:主冷却管路23を流れる所要の冷却水量。 Q2:バイパス管路26を流れる余剰水量。 Ha:実揚程。管路の損失水頭を零としたとき、揚水す
る必要のあるポンプ揚程。 h :管路の損失水頭。一般に、h=C×Q2 の形で表
現できる。 H :循環水ポンプ12の負荷揚程。H=Ha+h
【0014】ここで、直列管路の諸係数の間には次の関
係がある。すなわち、 C1=CA +CV1 (1) C2=CB +CV2 (2) C0 =CT +CA (3) C =CT +CP (4) また、並列管路20では、流量Qのとき、分岐点21と
合流点22との間の損失水頭hは経路によらず一定であ
るから h=CP ×Q2 =C1×Q12 =C2×Q22 (5) が成り立つ。また、連続の理から Q=Q1+Q2 (6) が成り立つ。従って(5)、(6)式から C1= (Q/Q1)2×CP (7) C2= (Q/Q2)2×CP (8) CP =C1/( (C1/C2)1/2 + 1)2 (9) が導かれる。
【0015】然るに当面の課題は、第1制御弁25の開
度α1と損失係数CV1との相互関係と、第2制御弁27
の開度α2と損失係数CV2との相互関係と、主冷却管路
23で第1制御弁25を除く冷却管24と管路の損失係
数CA と、バイパス管路26で第2制御弁27を除く管
路の損失係数CB と、吐出管路13aと回収管路13b
の損失係数CT と、があらかじめ既知で、冷却水量Q1
と、実揚程Haとが指定されたとき、直ちに第1、第2
の制御弁の開度α1、α1を設定できることにある。図
2の循環水ポンプ12の揚程曲線が関与するのは勿論で
ある。
【0016】図2において、循環水ポンプ12の作動点
の負荷揚程Hは、一般に H=Ha+h (10) で与えられる。作動点A(Q、H)で運転するとすれ
ば、Q、H、Haは既知であるから、冷却水系路の全損
失水頭hは、(10)式から h=H−Ha (11) として確定する。従って、冷却水系路の等価損失係数C
は C=h/Q2 = (H−Ha)/Q2 (12) として確定する。従って、並列管路20の等価損失係数
P は(4)式から CP =C−CT = (H−Ha)/Q2 −CT (13) として確定する。すなわち、循環水ポンプ12を、「揚
程H、揚水量Qの作動点で運転する」には、並列管路2
0の等価損失係数CP を(13)式によって定めればよ
い。
【0017】また、「並列管路20の流量配分」につい
ては、(6)式から Q2=Q−Q1 (14) であるから、主冷却管路23、バイパス管路26の損失
係数は、(7)、(8)式から C1= (Q/Q1)2×CP (15) C2= (Q/Q2)2×CP (16) として確定する。従って、第1制御弁25、第2制御弁
27の損失係数は、(1)(2)式から CV1=C1−CA (17) CV2=C2−CB (18) として確定する。従って、第1制御弁25の開度α1、
及び第2制御弁27の開度α2は確定する。すなわち、
ポンプHQ特性上の作動点に従って、制御弁の開度を一
義的に確定できる。
【0018】次に、所要の冷却流量Q1に対する冷却水
系路の制御要領を循環水ポンプ12のHQ特性に基づい
て説明する。循環水ポンプ12のHQ特性上の作動点
は、点Pで示す最高効率点の近傍に限定される。すなわ
ち、ポンプ低流量域の運転は完全に排除され、常に高効
率の静粛運転が行われる。余剰水量は、バイパス管路2
6に回流される。図示の点Aは、実揚程Haと冷却水量
Q1とが、共に最大の場合を想定した作動点を表す。理
論上は揚水量QA の全てが、冷却水量Q1max として主
冷却管路23に送給される。このとき、損失係数は、C
=CT +CP 、CP =C1、C2=∞(第2制御弁全
閉)である。ここで、実揚程HaがHamin に低下すれ
ば、作動点は点Bへ自動的に移動する。しかし、揚程の
変動に関わらず、点Aで定点運転をするか、点Bにおい
て過大な揚水量のまま運転するか、については選択の余
地がある。理由は後述するとして、以下、ここでは双方
の制御の詳細要領を説明する。
【0019】まず、作動点を点Aに戻すには、揚水量Q
をQB からQA =Q1max に減らす必要がある。増すべ
き損失水頭は△h=(Hamax −Hamin )で、負荷揚
程をHA とすれば良い。すなわち、冷却水系路の等価損
失係数Cを、△C=△h/QA 2 だけ増大させる。然る
に今、第2制御弁27は全閉でC2を増せないから、C
1を△Cだけ増大させる。すなわち、新たな開度α1を
確定できる。また、作動点Bで運転するには、(QB
A )の流量を主冷却管路23からバイパス管路26へ
移す必要がある。冷却水系路の等価損失係数Cは不変だ
から、CP =C−CT 、Q=QB 、Q1=Q1max 、Q
2=QB −QA として、(17)、(18)式からC
1、C2を確定できる。以上、冷却流量が最大の場合に
ついて述べた。しかし、冷却流量Q1が例えばQ1min
に低下した場合も、循環水ポンプ12の作動点は最高効
率点の近傍の所定範囲に限られる。そして同様に、揚水
量Qのうち、所要の冷却水量Q1が主冷却管路23に、
残余がバイパス管路26に振り分けられる。
【0020】次に、図3によって、バイパス管路26へ
の余剰流量によるすエネルギー損失について説明する。
一般に、ポンプの軸入力は、P=g×Q×H/ηで与え
られる。Qは揚水量を、Hは揚程を、ηはポンプとモー
タの総合効率を、gは重力加速度を表す。循環水ポンプ
12に用いられる高比速度の固定羽根斜流形、或いは軸
流形のポンプでは、揚水量Qを最高効率点から低流量側
へ順次、減少させても、軸入力特性Pは、揚水量Qに比
例した減少傾向を示さない。比速度によっては、むしろ
甚だしく増大する傾向もある。翼の設計によっても幅が
ある。すなわち、振動・騒音に耐えるべく、強度その他
に配慮しながら低流量域での運転を敢行しても、必ずし
も省エネルギーに寄与するとは限らない。寄与しても絶
対量は少なく、大きな負の効果を生む可能性の方が高
い。最高効率点の近傍に作動点を置き、余剰流量Q2を
バイパス管路26に回流させる方法は、固定羽根に起因
する低流量域の振動・騒音を確実に排除しつつ、上記エ
ネルギー損失が拡大する可能性を排除している。
【0021】高比速度の固定羽根斜流形、或いは軸流形
のポンプでは、低流量域の揚程Hに対する最高効率点の
揚程HP の倍率(H/HP )が甚だ大きい。しかも、H
Q特性には現れないが、低流量域の揚程Hには、逆流現
象にもとづく高サイクルの激しい脈動が重畳されてい
る。この倍率の大きさは、ポンプ自体や吐出管路の強
度、安全、コスト面で、一般に注意を要するところであ
る。この意味で、循環水ポンプ12の作動点を最高効率
点Pの近傍に限定し、低流量域の振動・騒音を回避した
構成は、冷却水系路に高度の信頼性をもたらしている。
【0022】いっぽう、最高効率点より大流量側では、
高比速度のポンプは、揚水量Qの増加に伴って、揚程H
が急速に低下し、軸入力Pも急速に減少する傾向が強
い。揚水量Qは増しても軸入力Pが減少すれば、損失エ
ネルギーを低減できる。すなわち、図2において、作動
点を定点Aとするか、A〜B間を作動点の範囲とする
か、については、後者がより大流量になっても、一般に
省エネルギー形を形成して有利である。詳細には、蒸気
タービン51の負荷、取水位、水温の変動など、個々の
基本仕様と、キャビテーションを含むポンプの基本特
性、ならびに循環水ポンプ12の諸元寸法の選択と、機
器構成に基づく経済性などを総合検討する必要がある。
以上、固定羽根循環水ポンプ12において、ポンプの基
本特性をもとに検討することにより、信頼性と省エネル
ギー運転に徹した冷却水系路を形成できる。
【0023】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明によ
れば、復水器52の冷却水系路において、蒸気タービン
51の負荷や、取水位の変動や、水温の低下などによっ
て所要の冷却水量が減少したときも、振動や騒音を生ず
ることのない低廉な冷却水系路を提供できる。請求項2
に記載の発明によれば、所要の冷却水量が減少したとき
も、振動や騒音を生ずることがなく、また、消費エネル
ギーが少なく信頼性の高い冷却水系路の運転制御方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却水系路の1例を示す系統図。
【図2】本発明の冷却水系路における固定羽根形循環水
ポンプ12に関するHQ特性上の使用方法を説明する説
明図。
【図3】図2を補足説明するための、ポンプの比速度に
対する百分率表示特性図。
【図4】蒸気タービンシステム50を説明する基本系統
図。
【図5】復水器52の在来の一例として開放形冷却水系
路を示す系統図。
【図6】固定羽根形循環水ポンプ12に関するHQ特性
上の、在来の使用方法を説明する説明図。
【図7】ポンプの低流量域で、インペラ内に発生する偏
流、逆流を示す説明図。
【符号の説明】
11 取水ピット 12 循環水ポンプ 12a インペラ 13a 吐出管路 13b 回収管路 14 冷却水冷却器 15 放水ピット 20 並列管路 21 分岐点 22 合流点 23 主冷却管路 24 冷却管 25 第1制御弁 26 バイパス管路 27 第2制御弁(バイパス弁) 31 損失曲線 32 負荷曲線 41 偏流 42 逆流 50 蒸気タービンシステム 51 蒸気タービン 52 復水器 53 給水ポンプ 54 ボイラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービン51で作動を終えた蒸気を
    復水させる復水器52の冷却水系路において、 冷却水に揚程Hと、揚水量Qと、を与える固定羽根形の
    循環水ポンプ12と、 該循環水ポンプ12の吐出管路13aと、 吐出管路13aが分岐点21を有して構成された並列管
    路20と、 並列管路20の合流点22に接続された回収管路13b
    と、を備え、 上記の並列管路20が、 復水器52の冷却管24と、該冷却管24に直列に接続
    された第1制御弁25と、を備えた主冷却管路23と、 第2制御弁27(バイパス弁)を備えたバイパス管路2
    6と、によって構成されたことを特徴とする復水器の冷
    却水系路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷却水系路を用いて、
    それを制御する方法において、 循環水ポンプ12の揚程曲線上で、最高効率点近傍の静
    粛運転領域に作動点を限定し、第1制御弁25と第2制
    御弁27と、の開度を調節することにより、主冷却管路
    23に所要の冷却水量を流通させると共に、バイパス管
    路26に余剰の揚水量を流通させて、前記循環水ポンプ
    12からの吐水を夫々分流させることを特徴とする復水
    器の冷却水系路の運転制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013087709A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Hitachi Ltd 復水器冷却水システム
US9028042B2 (en) 2012-09-13 2015-05-12 Ricoh Company, Ltd. Cap member of liquid discharge head, liquid discharge device, and image forming apparatus including liquid discharge device
CN113882918A (zh) * 2021-09-09 2022-01-04 联合瑞升(北京)科技有限公司 一种火电厂直接空冷机组乏汽余热回收供热系统

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