JP2001065272A - 窓ガラス - Google Patents

窓ガラス

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JP2001065272A
JP2001065272A JP23845799A JP23845799A JP2001065272A JP 2001065272 A JP2001065272 A JP 2001065272A JP 23845799 A JP23845799 A JP 23845799A JP 23845799 A JP23845799 A JP 23845799A JP 2001065272 A JP2001065272 A JP 2001065272A
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window glass
cut filter
layer
semiconductor layer
transparent
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JP23845799A
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Inventor
Tsuyoshi Kosugi
津代志 小杉
Akinori Muranaka
晃憲 村中
Koichi Sasakura
幸一 笹倉
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Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気出力を取出可能な窓ガラスを提供する。 【解決手段】 窓ガラス1は、可視光に対して透明なガ
ラス2上に半導体材料からなる紫外線カットフィルタ膜
4,5を設けると共に、紫外線の入射に感応して紫外線
カットフィルタ膜4,5内部で発生するキャリアを取出
すための取出電極7,8を紫外線カットフィルタ膜4,
5に電気的に接続してなる。取出電極7,8を設けるこ
とにより電力としてのキャリアをフィルタ4,5から取
出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線カットフィ
ルタ膜を有する窓ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から太陽光に含まれる紫外線を遮蔽
する窓ガラスが要求されている。車両等に用いられる窓
ガラスには、紫外線カットフィルタが設けられている。
このような用途に対応するために、窓ガラスにZnOの
被膜を設け、保護膜で覆うものが考えられている。紫外
線カットフィルタを有する窓ガラスは、特開平1−24
5201号公報及び特開平5―341119号公報に記
載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
カットフィルタは紫外線遮蔽は行うが、これからは電気
出力を取出すことはできないものと考えられていた。本
発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、
電気出力を取出可能な窓ガラスを提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の窓ガラスは、可
視光に対して透明なガラス板上に半導体材料からなる紫
外線カットフィルタ膜を設けると共に、紫外線の入射に
感応して紫外線カットフィルタ膜内部で発生するキャリ
アを取出すための取出電極を紫外線カットフィルタ膜に
電気的に接続してなる。すなわち、本願発明者らは、紫
外線カットフィルタ膜について鋭意検討した結果、紫外
線カットフィルタ膜が半導体材料からなる場合において
は、当該紫外線カットフィルタ膜が光電変換機能を有す
る旨の知見を得た。したがって、これに取出電極を設け
ることにより電力としてのキャリアを取出すことができ
る。
【0005】紫外線カットフィルタ膜は、紫外線の入射
に感応してキャリアを発生するpn接合を有し、pn接
合は互いに隣接したp型半導体層領域及びn型半導体層
領域から構成されることが好ましい。
【0006】p型半導体層領域及びn型半導体層領域
は、それぞれp型NiO層及びn型TiO2層から構成
されることが好ましい。これらの材料は可視光に対して
透明であって紫外線に対して不透明であり、紫外線遮蔽
及び光電変換機能を十分に有する。
【0007】窓ガラスとして、外側の光を取り込むため
には、n型半導体層領域及びp型半導体層領域のpn接
合とは反対側の面にそれぞれ設けられた第1及び第2電
極層を備え、第1及び第2電極層は、可視光に対して透
明な透明導電膜からなることが好ましい。
【0008】第1及び第2電極層の少なくともいずれか
一方は、SnO2、In23及びZnOからなる群から
選ばれることが好ましい。
【0009】紫外線カットフィルタ膜は、保護膜によっ
て被覆されており、前記保護膜はSnO2、Al23
びSiO2からなる群から選ばれることが好ましい。
【0010】第1及び第2電極層の少なくともいずれか
一方は、環状、ストライプ形状、メッシュ形状又は直線
形状を有することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る窓ガラスの好
適な実施形態について添付図面を参照して説明する。な
お、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0012】図1は、本発明の実施形態に係る窓ガラス
1の斜視図である。窓ガラス1は建造物用の長方形窓ガ
ラスである。窓ガラス1は、透明な平面状ガラスからな
る透明ガラス基板(ガラス板)2を備えている。なお、
以下の説明において、特に断りの無い限り透明とは可視
光に対して透明であることを示すものとする。
【0013】透明ガラス基板2上には、透明な導電性膜
からなる第1電極層3が被覆され、この第1電極層3上
にn型TiO2層4が被覆され、このn型TiO2層4上
にp型NiO層5が被覆され、さらに、このp型NiO
層5の上に透明な導電性膜からなる第2電極層6が被覆
されている。ここで、n型TiO2層4及びp型NiO
層5は、紫外線の入射に感応するpn接合ダイオードを
構成すると共に、紫外線を遮蔽する紫外線カットフィル
タ膜として機能する。
【0014】n型TiO2層4、p型NiO層5及び第
2電極層6からなる積層体の一部(長方形ガラスにおけ
る一角部)は、層厚方向に沿ってカットされており、第
1電極層3が露出している。
【0015】第1電極層3の露出面上には、キャリア取
出用の取出電極(配線)7が貼り付けられている。一
方、第2電極層6上には取出電極(配線)8が貼り付け
られている。取出電極8は、長方形のガラス表面内にお
いて、取出電極7の対角位置に位置する。
【0016】n型TiO2層4及びp型NiO層5は、
その境界にヘテロ接合のpn接合を構成している。この
pn接合に透明基板2を介して紫外域(300〜400
nm)の光が入射すると、この入射光に感応して電子−
正孔対(キャリア)が発生する。発生したそれぞれのキ
ャリアは、第1電極層3から取出電極7を経て、及び第
2電極層6から取出電極8を経て、光電流として外部に
取り出せる。
【0017】透明基板2を介して紫外域の光をpn接合
まで到達させて光吸収を行わせ、且つ、可視光に対して
窓ガラスとしての所定の透明度を得るためには、透明基
板2、第1電極層3、n型TiO2層4、p型NiO層
5及び第2電極層6の各エネルギーバンドギャップを入
射光の光エネルギー(これは、光の波長に反比例する)
を考慮して設定しなければならない。少なくとも、紫外
域の光を透明基板2を介してpn接合まで到達させるに
は、透明基板2及び第1電極層3のバンドギャップエネ
ルギー(単位:eV)を、紫外域の光のエネルギー(単
位:eV)よりも大きくしておかなければならない。
【0018】光のエネルギーE(単位:eV)と光の波
長λ(単位:nm)との間には、式(1)の関係が成り
立つことが知られている。
【0019】 E=C/λ (Cは所定の係数) ・・・(1) 紫外域の光の波長は、概ね300〜400nmである。
したがって、上記観点から、各層の材料/エネルギーバ
ンドギャップを表1の通り設定した。
【0020】
【表1】
【0021】また、可視光の透過の観点からは、各層の
厚みは薄いことが望ましいが、薄すぎる場合には、機械
的強度が低下し、また、pn接合を構成する部分では紫
外域の光の吸収効率が低下する。したがって、これらの
観点から、各層の厚み/好適な厚みの範囲は、表2のよ
うに設定した。
【0022】
【表2】
【0023】尚、第2電極層6の材料としては、下地の
層とオーミック接触をなすものであれば、そのバンドギ
ャップエネルギーは3eV以上であればよく、SnO2
以外のオーミック電極材料を用いることができる。例え
ば、In23、ITO、ZnOである。これらも可視域
で透明である。
【0024】また、第1電極層3の材料に、同様に、例
えば、ITOを用いることができる。
【0025】図1に示す窓ガラス1では、光の入射は、
透明基板2側からを想定したが、第2電極層6側からの
入射も可能である。窓ガラス1全体が可視光に対して透
明であっても、上記のような各層の材料によって、その
透過効率も違うため、当然、光の入射方向によって、光
電変換効率が変わってくる。
【0026】透明基板2の平面状ガラスとしては、フロ
ートプロセスで製造されたソーダガラス、石英ガラス等
を使用することができる。透明基板2としてソーダガラ
スを使用する場合には、透明基板2から第1電極層3へ
のナトリウムイオンの拡散による抵抗の増加を防止する
ために、透明基板2と第1電極層3との間にSiO2
Al23等の被覆層を設けることが望ましい。
【0027】n型TiO2層4、p型NiO層5には、
各種の添加物が添加されることが考えられる。pn接合
による光電変換と、材料の透明性を考慮して、表3に示
される添加物群から選択される。
【0028】
【表3】
【0029】TiO2またはNiOへ添加物を添加する
場合、1種類の添加物を添加する場合に限定されるわけ
ではなく、複数の添加物を混合して添加することも可能
である。
【0030】添加物の全濃度がTiまたはNiの0.1
at%以上20at%以下が好ましく、特に、1at%
以上10at%以下が好ましい。1at%より少ないと
添加物を添加した効果が小さくなりすぎる傾向にあり、
10at%より少ないと添加物が異相を形成し易くなる
傾向にあるためである。
【0031】一般に、建造物用窓ガラスは、その平面的
大きさが、数cm単位から数十cm、さらに、1メート
ルを越えるものまである。したがって、本発明の建造物
用窓ガラスを製造するには、特別な減圧設備を必要とす
る反応性スパッタリング法などに比べ、大気中で製造で
きる前述のスプレー熱分解法が有利である。保護膜とし
てのSiO2を被覆するには、同様に、後述の液相成膜
法が有利である。
【0032】図2は、本実施形態に係る窓ガラス1の製
造装置10を示すブロック図であって、図示しないモー
タによって矢印A方向に駆動されるフリーフローライン
11と、フリーフローライン11による進行方向に沿っ
て順次配置された第1及び第2製膜装置10’を備えて
いる。製造装置10は、透明基板(平面状ガラス)2を
載置してフリーフローライン11上を矢印B方向に搬送
されるセラミック板12を備え、個々の製膜装置10’
は、位置決めされたセラミック板12に対して矢印C−
D方向に往復走査移動し、スプレー熱分解法に係わる溶
液をセラミック板12上の透明基板2上にスプレーする
スプレーノズル装置13と、透明基板2を上方より加熱
するハロゲンランプ14とを備えるものである。
【0033】この本実施形態の製造装置10にあって
は、フリーフローライン11上に、スプレー熱分解法に
係わる各種溶液に対応して上記のような製膜装置10’
を並べ備え、フリーフローライン11上を搬送されてく
る透明基板2上に、スプレー熱分解法によって順次各層
を形成していく。スプレー熱分解法は、原料を加熱した
基板上に噴霧することにより薄膜を形成する方法であ
り、加熱においてはハロゲンランプ14を、噴霧におい
てはスプレーノズル装置13を使用する。最終ライン工
程には、液相成膜法に係わるSiO2膜生成装置17が
設けられ、珪フッ化水素酸(H2SiF6)の水溶液15
に第2電極層6を浸し、第2電極層6上に保護膜である
SiO2膜(図示せず)を析出・成長させる浸漬液槽1
6が設けられている。
【0034】尚、製造装置10には、さまざまな変形構
成が可能である。フリーフローライン11に変えて搬送
ロボットを用い、複数の製膜装置10’間で透明基板2
を移送させることもできる。ハロゲンランプ14の変わ
りに、セラミック板12内にヒートパイプを備えること
も考えられる。スプレー熱分解法に係わる各種溶液をス
プレーするノズルを走査する代わりに、このノズルを複
数個備え、透明基板2の面積に応じて各ノズルを予め配
置しておくことも考えられる。
【0035】以上、説明したように、窓ガラス1は、可
視光に対して透明なガラス2上に半導体材料からなる紫
外線カットフィルタ膜4,5を設けると共に、紫外線の
入射に感応して紫外線カットフィルタ膜4,5内部で発
生するキャリアを取出すための取出電極7,8を紫外線
カットフィルタ膜4,5に電気的に接続してなる。取出
電極7,8を設けることにより電力としてのキャリアを
取出すことができる。
【0036】紫外線カットフィルタ膜4,5は、紫外線
の入射に感応してキャリアを発生するpn接合を有し、
このpn接合は互いに隣接したp型半導体層領域4及び
n型半導体層領域5から構成されている。p型半導体層
領域5及びn型半導体層領域4は、それぞれp型NiO
層5及びn型TiO2層4から構成されており、これら
の材料は可視光に対して透明であって紫外線に対して不
透明であり、紫外線遮蔽及び光電変換機能を十分に有す
る。
【0037】窓ガラス1として外側の光を取り込むた
め、n型半導体領域4及びp型半導体層領域5のpn接
合とは反対側の面にそれぞれ設けられた第1及び第2電
極層3,6を備え、第1及び第2電極層3,6は、可視
光に対して透明な透明導電膜からなる。
【0038】第1及び第2電極層3,6の少なくともい
ずれか一方は、SnO2、In23及びZnOからなる
群から選ばれることが好ましいが、これらの群から双方
の材料が選ばれても良い。
【0039】紫外線カットフィルタ膜4,5、詳細には
第2電極層6は、図示しない保護膜によって被覆されて
おり、この保護膜はSnO2、Al23及びSiO2から
なる群から選ばれることが好ましい。
【0040】図9は、建造物に用いられれる長方形の平
板窓ガラス1に設けられる第1又は第2電極層の形状及
び取出電極7,8の取り付け位置について説明するため
の窓ガラス1の平面図である。第1電極層3及び取出電
極7と、第2電極層6及び取出電極8の配置関係は相互
に置換可能であるので、ここでは、第2電極層6及び取
出電極8側からみた窓ガラス1の平面図を示す。
【0041】図10は、車両に用いられる台形の湾曲窓
ガラス1の平面図であり、上記と同じ理由から、ここで
は、第2電極層6及び取出電極8側からみた窓ガラス1
の平面図を示す。
【0042】第1及び第2電極層3,6の少なくともい
ずれか一方は、環状(図9(a)、図9(k)、図10
(a)、)、ストライプ形状(図9(b)、図9
(c)、図9(d)、図9(f)、図9(h)、図9
(j)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、
図10(e)、図10(f)、図10(g)、図10
(j)、図10(l))、メッシュ形状(図9(e)、
図9(g)、図9(i)、図10(h)、図10
(i)、図10(k))又は直線形状(図9(l))を
有することが好ましいが、これらの形状を双方が有する
場合には、電極層による影の面積を最小とすることがで
きる。
【0043】窓ガラス1の機械的強度を向上させると共
に、電極としての導電率を向上させるためには、これら
の電極層3,6はAl、Ni又はCu等の金属であるこ
とが望ましく、この場合には、勿論、電極層3,6は透
明ではないが、上記形状であれば、窓ガラス1内の光透
過を達成させることができる。勿論、これらの形状の場
合において、電極層3,6が透明であってもよい。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。各実施例において製造した窓ガラスは図1
に示したものであり、製造方法は上記スプレー熱分解法
を用いた。窓ガラスの構造(ガラス板2/第1電極層3
/n型半導体層4/p型半導体層5/第2電極6)は、
以下の通りである。
【0045】
【表4】
【0046】上記実施例に用いられる各層の製膜条件に
ついて詳細に説明する。
【0047】上記電極付きガラス基板としては、透明基
板2(ソーダライムガラス)、第1被覆層(SiO2
及び第1電極層3(FドープSnO2)からなるものを用
いた。この電極付ガラス基板は、旭硝子社製U膜(A1
10U80)である。
【0048】上記実施例に用いられる各層は、上述のス
プレー熱分解法を用いて形成した。各層の製膜条件をそ
れぞれ表5,6,7,8,9,10に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】各実施例に係る窓ガラスは以下のように形
成した。各実施例において、ガラス基板に接するSnO
2、TiO2、NiO、第2電極SnO2、第2電極In2
3、第2電極ZnOは、表5、6、7、8、9、10
に示される条件のスプレー熱分解法を用いて形成した。
【0056】(実施例1)TiO2、NiO、SnO2
形成条件は表6、7及び8の通りである。NiO:Li
の形成条件は、Li原料として酢酸リチウム(CH3C
OOLi)を使用し、リチウム濃度([Li]/[Ni]×
100)が4at%となるようにした。さらに、基板温
度を340℃とした。
【0057】(実施例2)緩衝層SnO2、TiO2、N
iO及び第2電極層SnO2の形成条件は表5、6、7
及び8の通りである。
【0058】(実施例3)NiO:Liの形成条件は実
施例1と同様であり、その他の各半導体層の形成条件は
表5、6、7及び8の通りである。
【0059】(実施例4)In23の形成条件は表9の
通りであり、その他の各半導体層の形成条件は実施例3
と同様である。
【0060】(実施例5)ZnOの形成条件は表10の
通りであり、その他の各半導体層の形成条件は実施例3
と同様である。
【0061】(実施例6)TiO2:Alの形成条件
は、Al原料としてトリス(2,4−ペンタンジオナー
ト)−アルミニウム(III)を使用し、アルミニウム濃
度が2at%となるようにした。基板温度を390℃と
し、スプレー回数を240回とした。その他の各半導体
層の形成条件は実施例3と同様である。 (評価及び結果)実施例1〜6により製造した窓ガラス
に、ソーラシミュレータ(山下電装株式会社製、YSS
−50)により、AM−1.5,140mW/cm2
疑似太陽光を透明基板2側から、及び、第2電極6側か
ら照射し、電極7と電極8との間に流れる電流(短絡光
電流)及び電圧(開放電圧)を測定した。その結果を表
11(透明基板2側から)及び表12(第2電極6側か
ら)に示す。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】実施例1により製造した窓ガラスに、光を
照射しないとき(暗時)または、ソーラシミュレータに
より、AM−1.5,140mW/cm2の疑似太陽光
を透明基板2側から照射したとき(明時)の電流電圧特
性を図3(暗時:細線、明時:太線)に、量子効率を図
4に示す。
【0065】実施例3により製造した窓ガラスに、光を
照射しないとき(暗時)及び、ソーラシミュレータによ
り、AM−1.5,140mW/cm2の疑似太陽光を
透明基板2側から照射したとき(明時)の電流電圧特性
を図5に、量子効率を図6に示す。
【0066】実施例2により作製した窓ガラスに、裏面
電極6側及び、透明基板2側から光を入射したときの分
光透過率及び反射率を図7、8に示す。何れの方向から
の入射においても、可視光域(約400nm〜750n
m)で平均65%以上の透過率を有し、窓ガラスとして
使用可能である。
【0067】また、第2電極層6上に被覆する本発明に
係わる保護膜としては、周知のSiO2、Ai23,S
iNx膜等が用いられ、窓ガラスの保護性能を果たすた
め、概ね50nm以上の厚みを持てば良いと思われる。
保護膜生成には、反応性スパッタリング法などが使える
が、反応性スパッタリング法が特別な減圧下での生成方
法であることを考慮すると、不適切である。本発明の建
造物用窓ガラスの製造に当たり、その大面積化を考慮す
ると、液相成膜法(いわゆるLPD法)が適当かと考え
る。
【0068】以上、説明したように、上記窓ガラス1
は、可視光に対して透明な窓ガラスであって、所定の厚
さの透明な平面状又は曲面ガラスからなる透明基板2上
に、透明な導電性膜からなる第1電極層3と、互いに隣
接し入射光のうち紫外線に感応してキャリアを発生する
pn接合を形成するn型TiO2層4及びp型NiO層
5と、透明な導電性膜からなる第2電極層6とを順次積
層して成り、透明基板全面で入射される入射光に対し
て、可視光を透過させると共に紫外線を遮蔽し、この遮
蔽した紫外線に対する光電変換能を有する。
【0069】この窓ガラスによれば、光電変換機能をな
すpn接合は、可視光域でほぼ透明であって紫外域で不
透明性を有する半導体材料から構成されて、高い光電変
換効率を有する。したがって、紫外線を遮蔽する窓ガラ
スとしての有用性が増加する。
【0070】第2電極層6の材料としては、In23
ZnO、SnO2などが可能であるが、SnO2を採用す
れば、大気に対して化学的耐久性が強い為、窓ガラスと
しての表面層の化学的耐久性が確保される。また、第2
電極層側を直接外気にさらされる状態で使用することも
可能となり、建造物の窓ガラスとして使い勝手が良くな
る。
【0071】さらに、第2電極層6の外表面に、透明な
保護膜(図示せず)を被覆することも考えられる。製造
に於ける被覆工程が増えるが、保護膜を設ければ、耐摩
耗性などの機械的耐久性が増す。透明な保護膜を被覆す
るには、例えば、公知の液相成膜法や反応性スパッタリ
ング法を用いて、SiO2を被覆したり、あるいは、薄
くすると機械的強度が低下するため有用性が低下し、一
方、厚くすると反射色調が生じるおそれがあるが、プラ
スチックフィルムを接着することも考えられる。
【0072】また、n型TiO2層4及びp型NiO層
5は、CVD(化学的気相成長)法や反応性スパッタリ
ング法を用いて形成することも可能であると考えられる
が、特に、これらの層が加熱した透明基板に大気中でそ
れぞれの原材料を噴霧することによって形成される場
合、いわゆるスプレー熱分解法(特開平10−2659
60号公報など)によって形成される場合には、大面積
の膜を形成しやすくなる。
【0073】したがって、第1電極層3及び第2電極層
6をも、それぞれスプレー熱分解法によって形成可能な
材料、例えば、SnO2とすれば、全ての層(第1電極
層、n型TiO2層、p型NiO層、及び第2電極層)
がスプレー熱分解法によって形成することができること
になり、本発明に係わる大面積の窓ガラスの製造が容易
になる。
【0074】
【発明の効果】本発明による窓ガラスは、可視光に対し
ての透明性な窓ガラスとして機能、大面積化によりそれ
単体で太陽電池としての大出力が得られる光電変換機
能、紫外線遮蔽の機能について、以上3点が同時に付与
され、有用性が増した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る窓ガラス1の斜視図である。
【図2】実施形態に係る窓ガラス1の製造装置10を示
す説明図である。
【図3】電流電圧特性示すグラフである(暗時:細線、
明時:太線)。
【図4】量子効率の波長依存性示すグラフである。
【図5】電流電圧特性示すグラフである(暗時:細線、
明時:太線)。
【図6】量子効率の波長依存性示すグラフである。
【図7】裏面電極6側から光を入射したときの分光透過
率(太線)及び反射率(細線)の波長依存性を示すグラ
フである。
【図8】透明基板2側から光を入射したときの分光透過
率(太線)及び反射率(細線)の波長依存性を示すグラ
フである。
【図9】窓ガラス1の平面図である。
【図10】窓ガラス1の平面図である。
【符号の説明】
2…ガラス板、3…第1電極層、4,5…紫外線カット
フィルタ膜、6…第2電極層、7,8…取出電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹倉 幸一 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA05 CA11 CA13 CA17 CA18 CA24 4G059 AA01 AC07 AC12 EA01 EA02 EA03 EA05 GA01 GA04 GA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光に対して透明なガラス板上に半導
    体材料からなる紫外線カットフィルタ膜を設けると共
    に、紫外線の入射に感応して前記紫外線カットフィルタ
    膜内部で発生するキャリアを取出すための取出電極を前
    記紫外線カットフィルタ膜に電気的に接続してなる窓ガ
    ラス。
  2. 【請求項2】 前記紫外線カットフィルタ膜は、紫外線
    の入射に感応してキャリアを発生するpn接合を有し、
    前記pn接合は互いに隣接したp型半導体層領域及びn
    型半導体層領域から構成されることを特徴とする請求項
    1に記載の窓ガラス。
  3. 【請求項3】 前記p型半導体層領域及び前記n型半導
    体層領域は、それぞれp型NiO層及びn型TiO2
    から構成されることを特徴とする請求項2に記載の窓ガ
    ラス。
  4. 【請求項4】 前記n型半導体層領域及び前記p型半導
    体層領域の前記pn接合とは反対側の面にそれぞれ設け
    られた第1及び第2電極層を備え、前記第1及び第2電
    極層は、可視光に対して透明な透明導電膜からなること
    を特徴とする請求項3に記載の窓ガラス。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2電極層の少なくともい
    ずれか一方は、SnO2、In23及びZnOからなる
    群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の窓ガ
    ラス。
  6. 【請求項6】 前記紫外線カットフィルタ膜は、保護膜
    によって被覆されており、前記保護膜はSnO2、Al2
    3及びSiO2からなる群から選ばれることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窓ガラス。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2電極層の少なくともい
    ずれか一方は、環状、ストライプ形状、メッシュ形状又
    は直線形状を有することを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれか1項に記載の窓ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100715247B1 (ko) 2004-08-24 2007-05-07 황영모 전자 액정창 및 그 제조 방법

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