JP2001064781A - 亜鉛系めっき鋼板の表面処理方法 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼板の表面処理方法

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JP2001064781A
JP2001064781A JP24257999A JP24257999A JP2001064781A JP 2001064781 A JP2001064781 A JP 2001064781A JP 24257999 A JP24257999 A JP 24257999A JP 24257999 A JP24257999 A JP 24257999A JP 2001064781 A JP2001064781 A JP 2001064781A
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film
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Masahiro Murata
正博 村田
Takashi Nakano
多佳士 中野
Yasuhiko Haruta
泰彦 春田
Akihisa Sakamoto
明久 坂本
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛系めっき鋼板にクロメート処理やリン酸
塩処理と同等以上の優れた耐食性を付与でき、かつ塗料
密着性の良好な表面処理亜鉛系めっき鋼板を得ることが
できる表面処理組成物を得る。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、(A)水1
00重量部中に、スルホン酸系硬化触媒(a)0.1〜
5重量部及び亜鉛をエッチングできる酸(b)0.1〜
5重量部含有する表面調整液を塗布、乾燥し、ついで、
この上に、(B)水酸基含有有機樹脂(c)及び硬化剤
(d)を樹脂成分とし、上記スルホン酸系硬化触媒
(a)によって硬化反応が促進される皮膜形成組成物を
塗装し、加熱乾燥することを特徴とする亜鉛系めっき鋼
板の表面処理方法及びこの表面処理方法によって表面処
理されてなる亜鉛系めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム化合物、リ
ン酸塩を使用しない、塗料密着性及び耐食性に優れた亜
鉛系めっき鋼板の表面処理方法、この表面処理方法によ
って表面処理されてなる亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
防錆被覆鋼板には優れた耐食性が要求され、従来の冷延
鋼板にかわり亜鉛系めっき鋼板を基板とする表面処理鋼
板が多く使用されている。
【0003】従来、亜鉛系めっき鋼板の表面処理とし
て、クロム酸塩処理及びリン酸亜鉛処理が一般に行われ
ているが、クロムの毒性が問題になっている。クロム酸
塩処理は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの揮散の問
題、排水処理設備に多大の費用を要すること、さらには
化成処理被膜からのクロム酸の溶出による問題などがあ
る。また6価クロム化合物は、IARC(Internationa
l Agency for Researchon Cancer Review)を初めとし
て多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指定して
おり極めて有害な物質である。
【0004】またリン酸亜鉛処理では、リン酸亜鉛処理
後、通常、クロム酸によるリンス処理を行うためクロム
処理の問題があるとともに、リン酸亜鉛処理剤中の反応
促進剤、金属イオンなどの排水処理、被処理金属からの
金属イオンの溶出によるスラッジ処理の問題がある。
【0005】クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処
理方法としては、(1)重燐酸アルミニウムを含有する
水溶液で処理した後、150〜550℃の温度で加熱す
る表面処理方法(特公昭53-28857号公報参照)、(2)
タンニン酸を含有する水溶液で処理する方法(特開昭51
-71233号公報参照)などが提案され、また、(3)亜硝
酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族
カルボン酸、界面活性剤等による処理方法もしくはこれ
らを組合せた処理方法が行われている。
【0006】しかしながら、(1)の方法は、この上に
塗料を塗装する場合、塗料の密着性が十分でなく、ま
た、(2)の方法は、耐食性が劣り、(3)の方法は、
いずれも高温多湿の雰囲気に暴露された場合の耐食性が
劣るという問題がある。
【0007】また、有機皮膜系表面処理は、メッキライ
ンで表面処理を行う場合、一般に、表面処理皮膜の乾燥
条件に制約があり、有機皮膜の硬化性が不十分となり表
面処理鋼板としての耐食性が不十分となる。硬化性を向
上させる目的で反応触媒の使用が考えられるが、硬化触
媒の配合は、表面処理剤の貯蔵安定性を低下させるとい
った問題があった。
【0008】本発明の目的は、クロム酸塩処理やリン酸
亜鉛処理のように、クロム化合物による毒性の問題や金
属イオンなどの排水処理、被処理金属からの金属イオン
の溶出によるスラッジ処理の問題などが無く、かつクロ
ム酸塩処理及びリン酸亜鉛処理の場合と同等程度以上の
塗料密着性、耐食性を示すことができる表面処理亜鉛系
めっき鋼板を得ることができる表面処理方法を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、亜鉛系メ
ッキ鋼板に、スルホン酸系硬化触媒とエッチング剤であ
る酸とを含有する表面調整剤を下層として塗布し、この
上にスルホン酸系硬化触媒によって硬化反応が促進され
る被膜形成組成物を塗装、加熱することによって、表面
調整剤中の硬化触媒が被膜形成組成物からの被膜の硬化
を促進し、低温乾燥によって硬化性、耐食性、加工性に
優れた上層被膜を形成でき、上記目的を達成することが
できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、亜鉛系めっき鋼板の表
面に、(A)水100重量部中に、スルホン酸系硬化触
媒(a)0.1〜5重量部及び亜鉛をエッチングできる
酸(b)0.1〜5重量部を含有する表面調整液を塗
布、乾燥し、ついで、この上に、(B)水酸基含有有機
樹脂(c)及び硬化剤(d)を樹脂成分とし、上記スル
ホン酸系硬化触媒(a)によって硬化反応が促進される
皮膜形成組成物を塗装し、加熱乾燥することを特徴とす
る亜鉛系めっき鋼板の表面処理方法を提供するものであ
る。
【0011】さらに、本発明は、上記表面処理方法によ
って表面処理されてなる亜鉛系めっき鋼板を提供するも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の表面処理方法について詳
細に説明する。
【0013】本発明の表面処理方法は、亜鉛系めっき鋼
板の表面に、下記表面調整液(A)を塗布、乾燥し、つ
いで、この上に、下記被膜形成組成物(B)を塗装し、
加熱乾燥する亜鉛系めっき鋼板の表面処理方法である。
【0014】表面調整液(A) 本発明方法において使用される表面調整液(A)は、水
中に下記のスルホン酸系硬化触媒(a)及び亜鉛をエッ
チングできる酸(b)を含有するものであり、通常、ス
ルホン酸系硬化触媒(a)及び亜鉛をエッチングできる
酸(b)が水中に安定に分散ないしは溶解されてなるも
のである。
【0015】スルホン酸系硬化触媒(a) スルホン酸系硬化触媒(a)は、表面調整液(A)を塗
布、乾燥させた上に塗装される皮膜形成性組成物の水酸
基含有有機樹脂(c)と硬化剤(d)との反応を促進す
るものである。
【0016】スルホン酸系硬化触媒(a)としては、例
えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸などの強度のスルホン酸化合物、こ
れらのスルホン酸化合物のアミン中和物などを挙げるこ
とができる。これらのうち、反応促進効果、得られる塗
膜の物性などの点から、p−トルエンスルホン酸及び/
又はドデシルベンゼンスルホン酸、又はこれらのアミン
中和物が好適である。
【0017】亜鉛をエッチングできる酸(b) 亜鉛をエッチングできる酸(b)としては、本発明の組
成物中で安定であり亜鉛をエッチングできる酸であっ
て、スルホン酸系硬化触媒(a)以外の酸であればよ
く、例えば、弗化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
弗化硼素酸、弗化チタン酸、珪弗化水素酸、硫酸、塩
酸、硝酸及びリン酸などの鉱酸;蟻酸、酢酸、クロロ酢
酸、トリクロロ酢酸、乳酸及び酒石酸などの有機酸を挙
げることができる。これらは、1種で、又は2種以上混
合して使用することができる。これらのうち、なかでも
リン酸を好適に使用することができる。
【0018】亜鉛をエッチングできる酸(b)は、本発
明組成物が亜鉛系めっき鋼板に塗布されたときに、めっ
き表面の亜鉛を溶解し、表面の汚染物を除去するととも
にマイクロピットを形成することにより上層皮膜の付着
性を向上させることができるものと考えられる。
【0019】表面調整液(A)において、水100重量
部当り、スルホン酸系硬化触媒(a)の量は、0.1〜
5重量部、好ましくは0.2〜4重量部の範囲にあるこ
とが、皮膜形成組成物(B)の反応促進効果、皮膜形成
組成物(B)から得られる塗膜の物性などの面から適当
であり、また亜鉛をエッチングできる酸(b)の量は、
0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜4重量部の範囲
にあることが、亜鉛の適度なエッチング性、安全性の面
などから適当である。
【0020】表面調整液(A)は、水中にスルホン酸系
硬化触媒(a)及び亜鉛をエッチングできる酸(b)を
必須成分として含有するものであり、さらに必要に応じ
てヒドラジン誘導体、有機溶剤、酸化剤などを適宜を含
有することができる。
【0021】上記ヒドラジン誘導体は、耐食性の向上に
寄与することができるものであり、その具体例として
は、例えば、カルボヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジ
ド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、
セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イ
ソフタル酸ジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、4,
4´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベン
ゾフェノンヒドラゾン、アミノポリアクリルアミド等の
ヒドラジド化合物;ピラゾール、3,5−ジメチルピラ
ゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5
−メチルピラゾール等のピラゾール化合物;1,2,4
−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メル
カプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−
メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジヒ
ドロ−3−オキソ−1,2,4−トリアゾール、1H−
ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(1水和物)、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾ
ロピリダジン、6−フェニル−8−ヒドロキシトリアゾ
ロピリダジン、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,
8−トリアザインドリジン等のトリアゾール化合物;5
−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール
等のテトラゾール化合物;5−アミノ−2−メルカプト
−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト
−1,3,4−チアジアゾール等のチアジアゾール化合
物;マレイン酸ヒドラジド、3,6−ジクロロピリダジ
ン、6−メチル−3−ピリダゾン、4,5−ジクロロ−
3−ピリダゾン、4,5−ジブロモ−3−ピリダゾン、
6−メチル−4,5−ジヒドロ−3−ピリダゾン等のピ
リダジン化合物などを挙げることができる。なかでも5
員環又は6員環の環状構造を有し環状構造中に窒素原子
を有するピラゾール化合物、トリアゾール化合物が好適
である。これらのヒドラジン誘導体は、1種で、又は2
種以上混合して使用することができる。ヒドラジン誘導
体の配合量は、水100重量部に対して、10重量部以
下であることが適当である。
【0022】表面調整液(A)中に必要に応じて配合さ
れる前記有機溶剤としては、表面調整液(A)中の配合
成分を溶解又は分散できる溶剤であれば特に制限なく使
用できる。
【0023】表面調整液(A)中に必要に応じて配合さ
れる前記酸化剤は、亜鉛をエッチングできる酸(a)の
作用を助ける働きを有するものであり、例えば、過酸化
水素、過硼酸塩、過マンガン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、
塩素酸塩、臭素酸塩などを挙げることができる。なかで
も過酸化水素を好適に使用することができる。
【0024】本発明方法においては、亜鉛系めっき鋼板
の表面に、上記表面調整液(A)を塗布、乾燥する。表
面調整液(A)の塗布量は、特に制限されるものではな
いが、通常、硬化触媒(a)と亜鉛をエッチングできる
酸(b)との合計量が5〜500mg/m2 となる量が
適当である。乾燥条件は、塗布された表面調整液(A)
の水分を蒸発できる条件であればよい。
【0025】被塗物である亜鉛系めっき鋼板としては、
溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、鉄−亜鉛合
金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、アルミ
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板(例えば、「ガルバリウ
ム」、「ガルファン」という商品名で販売されている合
金めっき鋼板)などを挙げることができる。また、亜鉛
系めっき鋼板として、クロム酸塩処理、リン酸亜鉛処
理、複合酸化膜処理などの化成処理を施した亜鉛系めっ
き鋼板を使用することもできる。
【0026】本発明方法においては、亜鉛系めっき鋼板
の表面に塗布した表面調整液(A)を乾燥させた後、こ
の上に、下記の皮膜形成組成物(B)を塗装し、加熱乾
燥する。
【0027】皮膜形成組成物(B) 本発明方法において使用される皮膜形成組成物(B)
は、水酸基含有有機樹脂(c)及び硬化剤(d)を樹脂
成分とするものであり、この樹脂成分は、表面調整液
(A)中に含まれるスルホン酸系硬化触媒(b)によっ
て加熱乾燥時における硬化反応が促進される。
【0028】水酸基含有有機樹脂(c) 水酸基含有有機樹脂(c)としては、水酸基を含有する
有機樹脂であれば特に制限なく使用することができ、代
表例として、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリ
エステル樹脂、水酸基含有アルキド樹脂、水酸基含有エ
ポキシ樹脂、水酸基含有ウレタン樹脂などを挙げること
ができ、これらの樹脂は1種で又は2種以上混合して使
用することができる。水酸基含有有機樹脂(c)は、水
酸基価が5〜400mgKOH/g、好ましくは10〜
300mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が
2,000〜100,000の範囲内にあることが好適
である。
【0029】硬化剤(d) 硬化剤(d)は、上記水酸基を含有する有機樹脂と反応
して硬化皮膜を形成することができるものであり、代表
例として、例えば、レゾール型フェノール樹脂、アミノ
・ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。
【0030】上記レゾール型フェノール樹脂としては、
フェノール、クレゾール、ビスフェノールAなどのフェ
ノール類とホルムアルデヒドとを反応触媒の存在下で付
加反応させて、メチロール基を導入したレゾール型フェ
ノール樹脂を挙げることができる。導入したメチロール
基は、アルキルエーテル化されていてもよい。
【0031】フェノール樹脂の製造に用いられるフェノ
ール類としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p
−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、
2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなどの2
官能性フェノール;フェノール、m−クレゾール、m−
エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキ
シフェノールなどの3官能性フェノール;ビスフェノー
ルA、ビスフェノールFなどの4官能性フェノール等が
挙げられ、これらは1種で、又は2種以上混合して使用
することができる。フェノール樹脂の製造に用いられる
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、こ
れらは1種で、又は2種以上混合して使用することがで
きる。
【0032】前記アミノ・ホルムアルデヒド樹脂として
は、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグラナ
ミン、ステログタナミン、スピログアナミン、ジシアン
ジアミド等のアミノ成分とホルムアルデヒド類との反応
によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられ
る。ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げら
れ、これらは1種で、又は2種以上混合して使用するこ
とができる。メチロール化アミノ樹脂のメチロール基は
アルキルエーテル化されていてもよい。
【0033】皮膜形成組成物(B)において、水酸基含
有有機樹脂(c)と硬化剤(d)との合計100重量部
中、水酸基含有有機樹脂(c)の配合量は50〜95重
量部、好ましくは60〜90重量部の範囲内であること
が適当であり、硬化剤(d)の配合量は5〜50重量
部、好ましくは10〜40重量部の範囲内であることが
適当である。
【0034】皮膜形成組成物(B)は、水酸基含有有機
樹脂(c)と硬化剤(d)とを必須成分として含有し、
必要に応じて、溶媒、潤滑性付与剤、顔料類などを適宜
含有することができる。
【0035】上記溶媒は、皮膜形成組成物(B)の配合
成分を溶解又は分散できる溶剤であれば特に制限なく使
用でき、有機溶剤であっても水であってもよい。
【0036】前記潤滑性付与剤は、形成された被膜に潤
滑性を付与するために必要に応じて配合されるものであ
り、例えば、ポリエチレンワックスなどのポリオレフィ
ンワックス;ラノリン、蜜ろうなどの動物系ワックス;
カルナウバワックス、水ろうなどの植物系ワックス;脂
肪酸エステルワックス;マイクロクリスタリンワック
ス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックスなどを挙げ
ることができる。なかでも平均粒子径が0.1〜10μ
mのポリエチレンワックスが好適であり、ポリエチレン
ワックスはカルボキシル基を導入することなどによって
変性したものであってもよい。潤滑性付与剤を配合する
場合、その配合量は特に限定されるものではないが、通
常、皮膜形成組成物(B)の樹脂成分100重量部に対
して、30重量部以下、好ましくは1〜25重量部の範
囲内とすることが適当である。潤滑性付与剤を配合する
ことによって本発明組成物を潤滑防錆鋼板用途に使用す
ることもできる。
【0037】皮膜形成組成物(B)に必要に応じて含有
させることができる顔料類としては、タルク、クレー、
硫酸バリウム、シリカ微粒子などの体質顔料;トリポリ
リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、塩基性珪酸鉛、縮合
リン酸塩、モリブデン酸塩、ジシアナミド亜鉛、ジシア
ナミド鉛、イオン交換シリカ、クロム酸ストロンチウ
ム、クロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリ
ウムなどの防錆顔料;チタン白、チタン黄、ベンガラ、
シアニンブルー、シアニングリーン、有機赤色顔料、有
機黄色顔料などの着色顔料などを挙げることができ、な
かでもシリカ微粒子が防錆性などの点から好適である。
上記シリカ微粒子としては、水分散型コロイダルシリ
カ、有機溶剤分散型コロイダルシリカ、気相シリカ微粒
子のいずれであってもよい。顔料類を配合する場合、そ
の配合量は特に限定されるものではないが、通常、皮膜
形成組成物(B)の樹脂成分100重量部に対して、1
〜50重量部、好ましくは2〜30重量部の範囲内とす
ることが適当である。
【0038】表面調整液(A)を塗布、乾燥させた亜鉛
系めっき鋼板の表面に、上記皮膜形成組成物(B)を塗
装し、加熱乾燥する。皮膜形成組成物(B)の塗装は、
ロールコータ塗装、スプレー塗装、ハケ塗り塗装、液塗
布後に余剰の液を絞りによって除去する絞り塗装などの
塗装方法によって行うことができ、その塗布量は、皮膜
形成組成物(B)の固形分量が300〜6,000mg
/m2 、好ましくは500〜5,000mg/m2 の範
囲内とすることが適当である。皮膜形成組成物(B)の
加熱乾燥条件は、塗布された皮膜形成組成物(B)が乾
燥できる条件であれば特に限定されるものではないが、
被塗物がシート状で連続的に乾燥させる場合には、通
常、雰囲気温度100〜250℃で10〜100秒間程
度(鋼板の最高到達温度は80〜150℃程度)加熱す
ることが好適である。
【0039】本発明の表面処理方法によって得られる表
面処理された亜鉛系めっき鋼板は、耐食性、加工性など
に優れ、そのまま防錆鋼板として使用することもできる
が、塗膜密着性にも優れており、この表面処理された亜
鉛系めっき鋼板上に、さらに上層被膜を形成することも
できる。この上層被膜を形成する組成物は、目的に応じ
て適宜選定すればよく種々の塗料組成物を使用すること
ができる。この塗料組成物としては、例えば、潤滑被膜
形成組成物、高耐食性被膜形成組成物、プライマー塗
料、着色上塗塗料などを挙げることができる。潤滑被膜
形成組成物、高耐食性被膜形成組成物又はプライマー塗
料を塗装、乾燥し、さらにその上に着色上塗塗料を塗装
してもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。以下において、「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0041】表面調整液(A)の製造 製造例1 水850部に、10%リン酸水溶液100部及び10%
パラトルエンスルホン酸水溶液50部を配合、混合して
表面調整液(A−1)を作成した。
【0042】製造例2、3、及び6〜11 後記表1に示す配合組成とする以外、製造例1と同様に
行い、各表面調整液を作成した。製造例8〜11は比較
例用の表面調整液の製造例である。
【0043】製造例4 水90部と3,5−ジメチルピラゾール10部と分散メ
ジアとしてのガラスビーズを容器に配合し、ペイントシ
ェーカーにて分散した後、ガラスビーズを除去して、1
0%の3,5−ジメチルピラゾール水分散液を得た。得
られた10%の3,5−ジメチルピラゾール水分散液2
00部、水650部、10%リン酸水溶液100部及び
10%パラトルエンスルホン酸水溶液50部を配合、混
合して表面調整液(A−4)を作成した。
【0044】製造例5 製造例4において、3,5−ジメチルピラゾールを5−
アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールに
置き換え、10%の3,5−ジメチルピラゾール水分散
液を10%の5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4
−トリアゾール水分散液に置き換える以外は、製造例4
と同様に行い表面調整液(A−5)を作成した。
【0045】
【表1】
【0046】皮膜形成組成物(B)の製造 製造例12 エピコート1009(油化シェルエポキシ(株)製、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、水酸基価約190、数
平均分子量約3750)150部をメチルエチルケトン
/プロピレングリコールモノメチルエーテル=1/1
(重量比)の混合溶媒850部に溶解して15%エポキ
シ樹脂溶液(c−1)を得た。得られた15%エポキシ
樹脂溶液(c−1)533.3部とサイメル303(三
井サイテック(株)製、メチル化メラミン樹脂)20部
とを混合して皮膜形成組成物(B−1)を得た。
【0047】製造例13〜22 下記表2に示す固形分配合とする以外は製造例12と同
様に行い、皮膜形成組成物(B−2)〜(B−11)を
得た。皮膜形成組成物(B−9)〜(B−11)は、比
較例用の皮膜形成組成物である。
【0048】表2における配合量は、固形分量による表
示である。また、表2における(註)はそれぞれ下記の
意味を有する。
【0049】(*1)ポリエステル樹脂溶液(c−
2):バイロンGK810(東洋紡績(株)製、ポリエ
ステル樹脂、水酸基価19mgKOH/g、数平均分子
量6,000)150部をトルエン/メチルエチルケト
ン=1/1(重量比)の混合溶媒850部に溶解してな
る固形分15%のポリエステル樹脂溶液。
【0050】(*2)アクリル樹脂溶液(c−3):ダ
イヤナールLR−237(三菱レーヨン(株)製、アク
リル樹脂、水酸基価60mgKOH/g、数平均分子量
約5,000、重量平均分子量約18,000)150
部をメチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメ
チルエーテル=1/1(重量比)の混合溶媒850部に
溶解してなる固形分15%のアクリル樹脂溶液。
【0051】(*3)サイメル1123:三井サイテッ
ク(株)製、商品名、ベンゾグアナミン樹脂。
【0052】(*4)ベッカミンN:大日本インキ化学
工業(株)製、商品名、尿素樹脂。 (*5)スノーテックスMIBK−ST:日産化学工業
(株)製、コロイダルシリカの有機溶剤分散液。
【0053】
【表2】
【0054】実施例1 板厚0.6mm、片面のめっき付着量20g/m2 の電
気亜鉛めっき鋼板を脱脂洗浄後、その上に前記製造例1
で得た表面調整液(A−1)を、スルホン酸系硬化触媒
と亜鉛をエッチングできる酸との合計塗布量が50mg
/m2 となるようにスピンナーにて塗装し、15秒間焼
付けでPMT(鋼板の最高到達温度)が100℃となる
条件にて15秒間焼付けて表面調整板を得た。ついで得
られた表面調整板上に、前記製造例12で得た皮膜形成
組成物(B−1)を乾燥膜厚が約3μm(塗着量約3.
6g/m2 )となるように塗装し、PMTが120℃と
なる条件にて20秒間焼付けて表面処理板を得た。
【0055】実施例2〜15及び比較例1〜8 実施例1において、表面調整液及び皮膜形成組成物とし
て、それぞれ後記表3に示すものを使用する以外は実施
例1と同様に行い各表面処理板を得た。比較例8におい
ては、表面調整液を塗布せずに、脱脂洗浄した電気亜鉛
めっき鋼板に直接に皮膜形成組成物(B−1)を塗装、
焼き付けした。
【0056】上記実施例及び比較例で得た各表面処理板
について下記試験方法に従って試験を行った。その試験
結果を後記表3に示す。
【0057】試験方法 耐食性:表面処理板の端面部及び裏面部をシールし、J
IS Z2371に規定する塩水噴霧試験を240時間
行った。試験後、表面処理面の錆の程度を下記基準によ
り評価した。 a:白錆の発生が認められない、 b:白錆の発生程度が塗膜面積の5%未満、 c:白錆の発生程度が塗膜面積の5%以上で10%未
満、 d:白錆の発生程度が塗膜面積の10%以上で50%未
満、 e:白錆の発生程度が塗膜面積の50%以上。
【0058】上層塗膜の密着性:表面処理板に「マジク
ロン#1000白」(関西ペイント(株)製、アクリル
・メラミン樹脂系白色塗料)を乾燥膜厚が40μmとな
るように塗装し、150℃で20分間焼付けて上塗り塗
装板を得た。この上塗り塗装板を沸騰水中に2時間浸漬
し、室温で24時間放置後、この塗装板の塗膜面にナイ
フにて素地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れ
て1mm角のマス目を100個作成した。この碁盤目部
にセロハン粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥が
した際の上層塗膜の剥離程度を下記基準により評価し
た。 a:上層塗膜の剥離が全く認められない、 b:100個のマス目のうち1〜5マスの剥離が認めら
れる、 c:100個のマス目のうち6〜20マスの剥離が認め
られる、 d:100個のマス目のうち21〜49マスの剥離が認
められる、 e:100個のマス目のうち50マス以上の剥離が認め
られる。
【0059】上塗り塗装板の耐食性:上記上層塗膜の密
着性の試験に際して作成した上塗り塗装板を70×15
0mmの大きさに切断し、端面部及び裏面部をシールし
た後、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を4
80時間行った。試験後の塗装板におけるふくれ発生程
度を下記基準にて評価した。
【0060】 a:ふくれの発生が認められない、 b:わずかにふくれの発生が認められる、 c:かなりのふくれの発生が認められる、 d:著しいふくれの発生が認められる。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【発明の効果】本発明組成物は、亜鉛系めっき鋼板に、
耐食性、塗膜密着性に優れた表面処理をすることがで
き、従来のリン酸亜鉛処理やクロメート処理などの表面
処理のかわりに使用できる。本発明組成物は、表面処理
に際して、スラッジの発生がなく、また、クロム化合物
を使用しないため、クロム化合物による毒性の問題がな
いので、作業環境上、環境保全上の問題をなくすことが
できる。
【0064】本発明組成物によって表面処理した亜鉛系
めっき鋼板は、この上に塗膜を形成した場合、この塗膜
との密着性にも優れたものとできるので、着色塗膜形成
亜鉛めっき鋼板用途、例えば、建材、家電、自動車部品
などの用途にも使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 明久 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA12 AA22 BA01 BA12 BB04 BB06 BB08 CA02 CA16 CA39 CA41 DA02 DA11 DA15 DA16 EA12 EA13 EA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、 (A)水100重量部中に、スルホン酸系硬化触媒
    (a)0.1〜5重量部及び亜鉛をエッチングできる酸
    (b)0.1〜5重量部を含有する表面調整液を塗布、
    乾燥し、ついで、この上に、 (B)水酸基含有有機樹脂(c)及び硬化剤(d)を樹
    脂成分とし、上記スルホン酸系硬化触媒(a)によって
    硬化反応が促進される皮膜形成組成物を塗装し、加熱乾
    燥することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 表面調整液(A)が、さらにヒドラジン
    誘導体を、水100重量部中に0.2〜5重量部含有し
    てなることを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 皮膜形成組成物(B)が、さらにシリカ
    微粒子を該皮膜形成組成物(B)中の樹脂成分(樹脂固
    形分)100重量部に対し、1〜50重量部含有してな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 亜鉛をエッチングできる酸(b)が、リ
    ン酸である請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処
    理方法。
  5. 【請求項5】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、表面調整液
    (A)を、表面調整液(A)中の該硬化触媒(a)と該
    酸(b)との合計量が5〜500mg/m2となるよう
    に塗布し、かつ皮膜形成組成物(B)を固形分量が30
    0〜6,000mg/m2 となるように塗装することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処
    理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の表
    面処理方法によって表面処理されてなる亜鉛系めっき鋼
    板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281863A (ja) * 2004-03-04 2005-10-13 Nippon Steel Corp 表面処理金属板
WO2007097139A1 (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Sumitomo Metal Industries, Ltd. リン酸亜鉛被膜を有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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KR101068708B1 (ko) 2006-02-20 2011-09-28 수미도모 메탈 인더스트리즈, 리미티드 인산 아연 피막을 가지는 용융 아연 도금 강판의 제조 방법

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