JP2001063683A - 油回収方法とその装置 - Google Patents

油回収方法とその装置

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JP2001063683A
JP2001063683A JP24516299A JP24516299A JP2001063683A JP 2001063683 A JP2001063683 A JP 2001063683A JP 24516299 A JP24516299 A JP 24516299A JP 24516299 A JP24516299 A JP 24516299A JP 2001063683 A JP2001063683 A JP 2001063683A
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recovery
brush
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ship
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JP24516299A
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English (en)
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Ichiro Murayama
伊知郎 村山
Masatoshi Nakanishi
正俊 中西
Katsuki Uehara
勝樹 上原
Hideo Miura
英夫 三浦
Yoshiki Takesue
義喜 武末
Hiroshi Takiguchi
弘志 滝口
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FIRST DISTRICT PORT CONSTR BUREAU MINISTRY OF TRANSPORT
JAPAN WORKVESSEL ASSOCIATION
Mex KK
Original Assignee
FIRST DISTRICT PORT CONSTR BUREAU MINISTRY OF TRANSPORT
JAPAN WORKVESSEL ASSOCIATION
Mex KK
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/20Controlling water pollution; Waste water treatment
    • Y02A20/204Keeping clear the surface of open water from oil spills

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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型船に搭載及び装着可能で、水面に浮遊する
高粘度及び超高粘度の浮流油を連続的に効率良く回収で
きる軽量で小型の油回収装置を使用した油回収方法とそ
の装置を提供する。 【解決手段】作業船Sの舷側にオイルフェンス33で前側
に浮遊油O1の流入用の開口部Eを有し後側が舷側に漸
近して揚収部位Uに縮小する流路を形成し、前記作業船
Sの舷側に着脱可能に装着される前記ネットコンベヤ40
を、先端が前記揚収部位Uに水没するように傾斜して配
置し、水面に浮遊する油及び油塊O1を前記作業船Sの
前進に伴って前記開口部Eから案内して前記揚収部位U
に集合させ、該集合した油及び油塊O1を先端部が水面
Wに沈下した前記ネットコンベヤ40で掬い上げて、油掻
き落とし装置5により付着した油O2を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沿岸海域のおける
流出油を回収する方法と装置に関するものであり、より
詳細には、沿岸海域航行用の小型船舶に搭載及び装備し
て、沿岸域における浮流中の高粘度の油及び油塊を回収
する油回収方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、日本周辺海域において大規模な油
流出事故が頻発し、特に、冬季の波浪下で流出重油が高
粘度化し、しかも時間の経過と共に波に揉まれて高粘度
化が進んで軟泥化する。従って、従来技術のバキューム
吸引する方式や水面の表層部のみを流し込み回収する堰
式や網や綿状体等に付着させて回収する方式の油回収装
置では回収が困難であり、油及び油塊が海岸に漂着し、
多くは柄杓を使用した人手作業しか有効な方法がなく、
多大な被害を被った。
【0003】そのため、最大波高1m程度の波浪下でも
確実に高粘度油を掬い取れる流出油の回収装置への要望
が高まっており、特に沿岸海域における油流出事故に対
して敏速に対応するために、高粘度油をスムーズに回収
できる小型の油回収装置が必要とされている。
【0004】従来技術の浮遊油の油回収においては、様
々な方法及び装置が工夫されているが、この油回収は集
油、回収、分離貯蔵の段階に分かれる。
【0005】先ず、集油は、海面上に広く拡散して、断
片化して漂っている浮流油を、一か所に集めて、浮流油
の密度を高めて回収の能率を揚げるものであり、2隻の
船で曳航するオイルフェンス等の集油用具の内側に浮流
油を集油する方式や、1隻の船に集油用具と展張用具を
取り付けて単独で航走して集油する方式がある。
【0006】2隻の場合には、共同作業となるため高度
な操船技術が必要となるが、1隻の場合には、単独で集
油回収が可能で小回りが利くので、比較的少量の流出油
の回収も可能となる。
【0007】また、油回収の方式としては、人手にて柄
杓で掬い揚げる方式、網で集油し網ごと回収する方式、
集油した海面の表層部をポンプで吸引する方式、バージ
上のグラブバケットで掬い揚げる方式、吸着コンベヤで
掬い揚げた油を絞り落として回収する方式等がある。
【0008】そして、分離貯蔵としては、回収した油水
をそのまま貯留して、比重差による自然分離を行い、分
離した海水を排出する分離効率は悪いが簡便な方式や、
油水分離器等を使用した低濃度油に適した方式等があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の油回収方式においては、次のような問題がある。
【0010】先ず、柄杓で掬い揚げる方式では、人力作
業であり回収量も限られ、船体動揺の影響を受け易く回
収作業効率が悪いという問題がある。
【0011】また、網に浮流油を溜め込んで、網ごと回
収する方式では、高粘度、超高粘度油以外の中・低粘度
油には不適であり、作業場である甲板が網から滴り落ち
る油水で汚れ、滑りやすくなり作業性が悪くなる上に、
網に流出油が溜めると抵抗が大きくなり、また、網ごと
回収するので、網が無くなると回収作業ができなくなる
という問題がある。
【0012】以上の方式では連続回収できないが、連続
回収可能なポンプ方式やコンベヤ方式においても次のよ
うな問題がある。
【0013】ポンプで吸い上げる方式においては、波浪
や船体の動揺により、ポンプの吸い込み口と海面表層部
との関係が変化し、海水吸い込みが避けられないので、
耐波浪性が悪く油分比率が低いという問題がある。ま
た、スラッジボール化した超高粘度油の回収はできな
い。
【0014】また、フロータと水位調整用の流入ゲート
を具備したポンプで吸引する場合にも波浪による海水吸
込みが避けられないので油分比率が低く、高粘度油やス
ラッジボール化した超高粘度油の回収は難しいという問
題がある。
【0015】また、海面表層部で円盤を水面に平行に回
転軸を設けて、水面に垂直方向に回転させて、円盤に付
着した油をスクレーパーで掻き落とし、この掻き落とし
た油をポンプで回収する方式もあるが、この方式の場合
は、主に中・低粘度油用で、高粘度油やスラッジボール
化した超高粘度油の回収は難しいという問題がある。
【0016】上記したように、これらのポンプで吸い上
げる方式では、ポンプの性能上の制限から高粘度油やス
ラッジボール化した超高粘度油の回収は困難である。
【0017】この高粘度油や超高粘度油に対する連続回
収方式として、グラブバケット回収方式や吸着コンベヤ
回収方式等があるが、グラブバケット方式は、バージ上
に設置された大型建機によるグラブバケットで海面上の
油を掬い取り、バージ上の油タンクに回収する方式であ
るが、機械が大型のため小型船への搭載が難しいという
問題がある。
【0018】また、吸着コンベヤ方式は、油吸着性の良
い樹脂製ベルトのコンベヤを舷側に先端が海面に後端が
甲板上になるように設置し、海面を経て来るコンベヤに
付着した油を甲板近くで絞り落とす方法で油分比率が比
較的高いが、回転ローラーやスクレーパーにて付着油を
絞り落としているが、高粘度や超高粘度の油の絞り落と
しは難しく、コンベヤベルトの吸着性が低下し効率を良
好に維持しながら連続的に油回収できないという問題が
あり、また、従来の吸着コンベヤ方式は油回収専用船の
設備の一部となっており、流出事故時には、廻船する必
要があり、その油回収専用船の母港から離れた地域での
緊急時の使用が困難であるという問題がある。
【0019】そのため、既存の油回収装置より低価格で
あり、簡便に小型船に装着可能で、通常時には、油回収
装置を陸上基地で保管し、流出油事故の発生時に直ちに
現場近くの港湾に陸送し、ここの漁船や測量船等の小型
船舶に船舶側の改造をせずに搭載して、これらの小型船
舶を油回収作業船に仕立てて使用できるような、持ち運
び可能で機動性に富み、かつ、構造がシンプルで故障が
少なく、しかも、流出から時間が経過して高粘度化した
浮流油を対象にして、最大波高1m程度の海象条件の沿
岸海域で、単船でも水面上の浮流油の集油から回収及び
回収油貯蔵まで一連の油回収作業ができる油回収装置へ
の要望が強まっている。
【0020】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたもので、その目的は、小型船に搭載及び装着可能
で、水面に浮遊する高粘度及び超高粘度の浮流油を連続
的に効率良く回収できる軽量で小型の油回収装置を使用
した油回収方法とその装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明の油回収方法と油回収装置は次のように構成
される。 1)この油回収方法は、水面に浮遊し、ネットネットコ
ンベヤ上に揚収可能な油及び油塊を回収する油回収方法
であって、作業船の舷側にオイルフェンスで前側に浮遊
油の流入用の開口部を有し後側が舷側に漸近して揚収部
位に縮小する流路を形成し、前記作業船の舷側に着脱可
能に装着される前記ネットコンベヤを、先端が前記揚収
部位に水没するように傾斜して配置し、水面に浮遊する
油を前記作業船の前進に伴って前記開口部から案内して
前記揚収部位に集合させ、該集合した油を先端部が水面
に沈下した前記ネットコンベヤで掬い上げて、油掻き落
とし装置により付着した油を回収することを特徴とす
る。
【0022】以上の方法によれば、ネットネットコンベ
ヤ上に揚収可能な油及び油塊、特に、高粘度油や固形化
しスラッジボールとなったような超高粘度油などを、小
型船に搭載可能なオイルフェンスと船の航走の組み合わ
せ作用で容易に集油でき、舷側に搭載装備したネットコ
ンベヤと船の航走の組み合わせにより水を透過させ浮流
油のみ掬い取る方法であるので波浪中でも高い効率で連
続的な掬い上げができ、浮流油を効率よく連続して回収
できる。
【0023】これらの集油方法、揚収方法及び掻き落と
し方法により油回収するので、従来技術にあっては機械
的方法では回収困難であった10万センチポアズ(c
P)以上の高粘度油から半固形化した超高粘度油までの
浮流油を、小型・軽量・安価な装置で高効率で連続回収
できる。
【0024】また、単船で水面上の浮流油の集油から回
収及び回収油貯蔵まで一連の油回収作業ができるので、
緊急事態に容易に対処でき、油回収作業時の操船も単船
による作業であるので複数船による共同回収作業に比較
して高度な操船が不要となりその分迅速且つ効率的に作
業できる。 2)更に、前記油回収方法において、前記ネットコンベ
ヤに付着した油を、ネットコンベヤの後端側におい、ス
クレーパーと、ブラシの先端が前記ネットコンベヤの進
行方向と逆方向に回転して油を掻き落とす回転ブラシと
で掻き落とすと共に、該回転ブラシに付着した油を該回
転ブラシのブラシに当接するブラシ用スクレーパーで掻
き落として、回収容器に油を回収することを特徴とす
る。
【0025】これにより、3段階で掬い上げた油を掻き
落とすので、確実に掻き落として、ネットコンベヤの目
詰まりを防止するので、高い効率のまま油回収を継続で
きる。 3)前記油回収方法を実行するための油回収装置は、作
業船に搭載及び装備して水面に浮遊し、ネットコンベヤ
上に揚収可能な油及び油塊を回収する集油装置と油揚収
装置と油掻き落とし装置を有する油回収装置であって、
前記集油装置は、前側に浮遊油の流入用の開口部を有し
後側が舷側に漸近して揚収部位に縮小する流路を前記作
業船の舷側に形成するオイルフェンスを有して形成さ
れ、前記油揚収装置は、油回収時に先端部が前記揚収部
位の水面に沈下できるように、前記作業船に着脱可能に
装着され、前記作業船の前進に伴って前記集油装置で集
油した浮遊状態の油を掬い上げるネットコンベヤで形成
される。
【0026】以上の構成の船の前進を利用して集油する
油回収装置は、オイルフェンスを使用しているので、軽
量で展開も容易で集油効率が良く、また、舷側に搭載装
備したネットコンベヤで掬い上げてこの掬い上げた油を
掻き落として油回収するので、油分比率が高く、回収効
率が良い。
【0027】この油回収装置は、特に、小型船の搭載可
能な物品で軽量、コンパクトに構成され、しかも市販品
の組み合わせであるので、構造がシンプルで故障が少な
く、メンテナンスも容易であり、従来技術の機械的方法
では回収困難であった1万センチポアズ(cP)〜15
0万センチポアズ(cP)の、高粘度油から半固形化し
た超高粘度油までの浮流油を高効率で回収できる安価で
軽量かつコンパクトな油回収装置を提供できる。
【0028】例えば、一例ではあるが、重量が油揚収装
置100〜150kg、集油装置50kg,パワーユニ
ット80kgと非常に軽量かつコンパクトな装置とな
る。
【0029】そのため、既存の漁船や測量船等の小型船
舶に簡便に搭載及び着脱が容易なので、通常時には陸上
倉庫に保管して置き、流出事故時に現場近くの港湾まで
陸送し、そこにある油回収専用船でない測量船や漁船な
どの小型船舶に搭載して、迅速に流出油海域に出動して
油回収できる。 4)更に、上記油回収装置において、前記油掻き落とし
装置は、前記ネットコンベヤに付着した油を掻き落とす
スクレーパーと、ブラシの先端が前記ネットコンベヤの
進行方向と逆方向に回転して油を掻き落とす回転ブラシ
と、該回転ブラシのブラシに当接し、該回転ブラシに付
着した油を掻き落とすブラシ用スクレーパーとを有して
形成される。
【0030】このように3段階で油を掻き落とすので、
ネットコンベヤに付着した油を確実に掻き落とし、目詰
まりを防止できるので、高い効率を維持しながら連続的
に油回収できる装置となる。 5)更に、上記油回収装置において、前記油揚収装置
が、ステンレス製のチェーン駆動方式のネットコンベヤ
で形成されることを特徴とする。
【0031】ステンレス製のチェーン駆動方式のネット
コンベヤは、回収油によるスリップが発生せず、かえっ
てスムーズな動きを得ることができ、しかも、メッシュ
ベルトの高速運転が50m/min程度まで可能であ
り、機械的な強度も十分確保できるという利点がある。 6)また、上記油回収装置において、前記オイルフェン
スは船上から舷外に張り出し可能且つ、船体に着脱可能
に取り付けられた展張ブームによって曳航されることを
特徴とする。
【0032】この展張ブームを使用すると出港から流出
油現場や逆の流出油現場から帰港までの高速航走時に邪
魔にならず、流出油現場では、簡単かつ迅速に集油装置
を展開できる。 7)また、上記油回収装置において、前記回転ブラシの
ブラシをステンレス製の毛とポリプロピレン製の毛を混
合して形成したことを特徴とする。
【0033】ブラシの腰の強さが異なるこれらの混毛の
ブラシを使用すると、掻き落とし及びメッシュベルトの
目詰まり防止効果の範囲が広がり、広範囲の粘度の油を
効率良く掻き落としすることができ、メッシュベルトの
目詰まり防止により油揚収効果を維持でき、油回収の効
率を上げることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態の油回収方法及びその装置について説明する。
【0035】最初に本発明に係る油回収方法で使用する
油回収装置1について説明するが、この油回収装置1
は、集油装置3と油揚収装置4と油掻き落とし装置5と
を有して構成される。 〔集油装置〕集油装置3は、図3及び図4に示すよう
に、展張ブーム(集油ブーム)31と曳航フロート32とオ
イルフェンス33と、これらを船体Sに支持固定する固定
金具やナイロンロープ、チェーン、シャックル、着脱フ
ック等の支持具や固定具とから形成される。 ・展張ブーム この展張ブーム31は、図5,図6に示すように、船体S
に着脱可能状態で固定するための船体固定金具31aが基
部側に設けられ、既存の船体付金物(船体吊り上げピー
ス、クリート等)または専用金物にて船体に固定可能に
形成される。また、先端側には、ロープ類を固定するた
めの止め輪31cが設けられ、各作業が容易にできるよう
に軽量化しアルミ製とする。
【0036】そして、この展張ビーム31は、船体固定金
具31aのボルト31bを船体吊り上げピース11の穴に通し
て、ナット61で固定して船体Sに取り付けることができ
るよに構成される。
【0037】また、ヒンジ部分31eを設けて、油回収作
業以外の時は、航行の妨げとならないように折り畳むこ
とができ、また、油回収作業時には迅速に展張できるよ
うに形成される。図6のような展張時では、船首と船の
上部から延びる2本のナイロンロープ等のロープR31,
R31’で所定の展張位置に固定する。これらのロープR
31,R31’は既存の船体付きビット、クリート、マスト
等に固縛する。
【0038】または、図7の展張ブーム31Aのように、
船体固定金具31Aaで船体Sの上部構造物に固定する場
合には、展張時には、展張ブーム31Aの基部側をクリー
ト12にロープで固縛する。 ・曳航フロート 曳航フロート32は、オイルフェンス33を曳航するための
もので、船首から延びるロープR32と展張ブーム31の止
め輪31cから延びるロープR32’とにより、船体Sの側
面に離間して配置し、微速前進時に曳航されながら、舷
側とオイルフェンス33の前端との間に形成される開口部
Eを幅広に維持する。 ・オイルフェンス このオイルフェンス33は、水面上の油拡散防止用具とし
てはもっとも一般的なものであり、発泡スチロール製や
充気式等の浮体と、拡散防止油用のネットを組み合わせ
たものであり、その先端は曳航フロート32に連結され、
後端は、ネットコンベヤ41の先端側側面に連結される。
【0039】油回収時には、展張ブーム31を展張し、曳
航フロート32とオイルフェンス33をは水面上に降し、船
体Sの舷側に沿って配設して、水面上に浮遊する油及び
油塊O1、即ち浮流油O1を、船の微速航行によりオイ
ルフェンス33で囲まれた流路に導き集油して浮流油O1
の密度を高める。
【0040】このオイルフェンス33を曳航にする時の荷
重は、船首部からのロープR32、展張ブーム31からのロ
ープR32’で支持するが、波浪、動揺によりオイルフェ
ンス33が流されて一時的にロープR32とR32’の一方が
弛みと、他方にすべての荷重が加わる等、荷重変動が大
きいので、それぞれ単独で曳航力に耐えるように構成す
る。 〔油揚収装置〕 ・駆動方式 この油揚収装置4は、ステンレス製のチェーン駆動方式
のネットコンベヤ40で形成され、直接の駆動源は電動機
48(図15)又はオイルモーターとし、移動速度及び正
・逆回転制御は電動機の場合はインバーターで、オイル
モーターの場合には油圧制御弁で行えるように構成す
る。
【0041】特に、ガソリンエンジン駆動持ち運び式交
流発電機と電動モーターとの組み合わせると、軽量でコ
ンパクトとなり、また、取り扱い、発停、速度制御も容
易となるので良い。
【0042】また、チェーン駆動方式は図8に示す駆動
スプロケット46とチェーン47の噛み合わせで駆動するの
で、掬い上げた油O2の混入等によるスリップが発生せ
ず、かえって掬い上げた油O2がスプロケット46とチェ
ーン47の潤滑剤となるのでスムーズな動きを得ることが
でき、油揚収に適している。そして、ベルト速度50m
/min程度までの高速運転が可能で、機械的な強度も
十分確保できるという利点がある。 ・構造 このネットコンベヤ本体41の長手方向(移送方向)の中
央より後端側寄りに、ピンジョイントとなる支持軸42を
設け、図15に示すように、フレーム45の先端側には、
オイルフェンス33やフェンダー34を連結する止め輪45a
や集油装置接続用アイピース、ダビット吊下用アイピー
ス45b及び回収ホッパー吊下用アイピース等を具備す
る。また、後部に後述する油掻き落とし装置5を設け
る。
【0043】このネットコンベヤ本体41は、支持軸42の
フランジ部42fと、図9〜図11に示すように船体Sへ
固定される固定金具43、43Aとのフランジ部43f,43A
fと接合により固定される。図9,図10は、船体S側
の船体吊り下げピース11の穴に固定金具43の雄ネジ43b
を挿入しナット61で締結し固定した例であり、図11
は、Uボルト62とナット63と取り付けフランジ43Aaで
船体S側のクロスビット12を抱え込んで固定した例であ
る。
【0044】この支持軸42はピンジョイント構造とし、
ネットコンベヤ本体41の俯仰角θを調整可能に形成する
と共に、両サイド部分にカラーリング42cを嵌めて、ネ
ットコンベヤ本体41の横移動を規制する。また、この支
持軸42をネットコンベヤ本体41に対して左右対称に配置
可能な構造とし、漁船や監督測量船等の既存小型船Sの
右舷又は左舷のどちらでも装着可能とする。
【0045】そして、この支持軸42周りのネットコンベ
ヤ本体41の位置固定及び傾斜角度θ調整には、取り外し
式小型ダビット21を使用する。 ・メッシュベルト また、メッシュベルト(ネットベルト)44は2〜7メッ
シュ(12.7mm〜3.63mm)、即ちメッシュ間
隔3mm〜12mmのステンレス等の金属製で形成し、
流出油の粘度に合わせて、張り替え可能なように、小ネ
ジ及び針金にて図8に示すように、メッシュベルト44と
ドライブチェーン47を固定する。即ち、流出浮流油O1
は大気温度及び水温により粘度が大きく変化するので、
流出浮流油O1の性状及び季節により張り替えられるよ
うに形成する。 〔油掻き落とし装置〕この油掻き落とし装置5は、図1
及び図12に示すように、荒落とし用のスクレーパー5
1、高速回転の回転ブラシ52及びブラシ用スクレーパー5
3と油回収ホッパー55で構成され、共同してメッシュベ
ルト44上の付着油O2を効率良く掻き落とす。 ・荒落とし用のスクレーパー 荒落とし用のスクレーパー51は、硬質ゴムを材質とし板
状に形成され、メッシュベルト44に押し付けて付着した
油O2を掻き落とす。メッシュベルト44とスクレーパー
51との位置関係を最適化すれば、掻き落とし率は高くな
るので、位置を調整できるように長穴とボルト締めの組
合わせで固定する構造とする。 ・回転ブラシ 高速回転の回転ブラシ52は、コンベヤ駆動軸付きのスプ
ロケットよりローラーチェーンを介しメッシュベルト44
の進行方向に対し逆方向に回転させてメッシュベルト44
表面に付着した油O2を効率よく掻き落とすためのもの
で、ブラシの毛はSUS304製の0.3mmφの毛
と、ポリプロピレン製で0.3mmφの毛の混毛で形成
される。
【0046】スレンレス製の毛は、剛性が強くメッシュ
ベルト44の表面を強く引っ掻くので超高粘度油でも掻き
落とすことができ、また、ポリプロピレン製の毛は、耐
屈曲性が大で、毛腰の強さも抜群であり、高粘度油等粘
着力の強い油でも効率良く掻き落とせる。この組み合わ
せにより、油掻き落とし効果を向上させ、更に、メッシ
ュベルト44の目詰まり防止効果を大きくすることができ
る。 ・ブラシ用スクレーパー ブラシ用スクレーパー53は回転ブラシ52の先端に付着し
た油O2の掻き落としを行う板状体であり、ブラシ52b
の先端との接触量を調整できるように長穴とボルト締め
の組合わせで固定する構造に形成される。
【0047】このブラシ用スクレーパー53は回収油O2
の粘度が高くなり、高速回転の回転ブラシ52の回転によ
る遠心力だけでは、ブラシ52bの先端で掻き取った油O
2が分離しにくい場合に特に効果を発揮し、残留したブ
ラシ52bの先端の油O2を掻き落とす。更に、回転ブラ
シ52及びブラシ用スクレーパー53の支持フレーム54をコ
ンベヤ駆動軸49を中心に移動ができ、ボルト及びロック
ナットにて位置調整ができるように形成し、メッシュベ
ルト44表面とブラシ52bの先端の接触量を調整し、メッ
シュベルト44上の付着油O2の掻き落としが最適な位置
にセットできる機構とする。
【0048】更に、高圧エア源を使用できるときは、こ
れらの掻き落とし装置51,52,53に加えて、エアによる
吹き飛ばし方式を併用することもでき、メッシュベルト
44の内側から外側の油回収ホッパー54に向けてエアジェ
ットを噴射し、メッシュの隙間から付着油O2を吹き飛
ばすように構成する。 ・油回収ホッパー ステンレス薄板製の油回収ホッパー55をネットコンベヤ
本体41の後端(頭部)の下側にチェーンやシャックルで
コンベヤフレーム45より吊り下げて固定し、スクレーパ
ー51及び回転ブラシ52でメッシュベルト44より掻き落と
した油O3を受けて、この油O3を船上の回収缶65に送
る。
【0049】この油回収ホッパー55はネットコンベヤ本
体41が、小型船Sの左右舷のどちらでも装着可能に形成
したのに対応させて、排出トレイ55aと盲カバー55bを
左右入れ替えることができるように例えば、図14に示
すように形成する。 〔回収油貯蔵設備他〕また、回収油貯蔵設備として、調
達が容易な既存の18リットルペイント缶等の小受け缶
65や200リットルドラム缶等の貯蔵缶66を備えて、掻
き落とされた油O4を受けて貯蔵できるように構成す
る。
【0050】また、上記油回収装置1において、船の右
舷と左舷の両方に取り付け可能に形成することにより、
本装置1を取り付けることのできる既存の船舶の範囲が
広がり、両舷で油回収作業を行うことも可能となるの
で、微速航走時の操船も容易となり、より効率良く油回
収できる。 〔油回収方法〕次に、上記の油回収装置を使用した浮流
油の回収方法について説明する。 ・油回収方法の概要 先ず、簡単に説明すると、陸上に保管していた油回収装
置4を岸壁に移送し、船に搭載及び装着する。そして、
流出油水域へ航行するが、この高速航行時には、ネット
コンベヤ本体41の先端やオイルフェンス33等を水没させ
ると抵抗が大きく、大きな外力が働くので、これらは、
水面Wより離間して保持し、水切り状態にして航走す
る。
【0051】流出油海域では、展張ブーム31を展張し、
曳航フロート32、オイルフェンス33、フェンダー34を投
下し、ネットコンベヤ本体41の傾斜角θを大きくして、
先端を水没させ、回収位置にセットする。
【0052】回収位置にセットできたら、油回収装置4
を駆動し、メッシュベルト44、高速回転ブラシ52を動か
して、船を微速前進し、集油機構で集油した浮流油O1
を回収し、船上の回収容器65,66に回収する。
【0053】流出油の回収処理が終わって帰港する際に
は、ネットコンベヤ本体41の先端と曳航フロート32、オ
イルフェンス33、フェンダー34を引き揚げて、展張ブー
ム31を格納する。そして、帰港した後は回収容器65,66
を陸揚げし、必要に応じて油回収装置4を取り外し洗浄
した後、倉庫に移送して油回収作業を終了する。 ・搭載及び装着 より、詳細な作業は以下のように行われる。
【0054】本発明に係る油回収装置4は、通常は陸上
の倉庫に保管して置き、油の流出事故が発生した時に、
トラック等で岸壁に運送し、トラッククレーン等で吊り
揚げて船に搭載及び装着する。
【0055】この装着は、図15に示すように、クレー
ン9に吊り下げた状態の油回収装置4にオイルフェンス
33の後端をSUSチェーンで固縛し、オイルフェンス33
の下端と中央のチェーンはコンベヤフレーム45上部の固
縛ピース45aに接続する。また、この作業中においては
オイルフェンス33に接続した曳航フロート32をロープで
船の手すりなどに仮固縛し、オイルフェンス33の中央及
び前端部が水面へ落下しないように船側の甲板上に引き
上げてハンドレール、ハンドグリップ等を利用しロープ
で固縛して置く。
【0056】展張ブーム31の搭載及び固定は、船体吊り
上げピース11やクリート12を利用して図5〜図7に示す
ように行われ、シャックルにてフロート曳航ロープ、支
持ロープを接続する。
【0057】上記作業が完了したら、トラッククレーン
9に吊り下げられた油回収装置4を降下させて、図10
又は図11のように支持軸42を船体S側に装着固定す
る。
【0058】図15の吊り上げロープR4を撤去し、図
1に示すようにロープR41を本船付きダビット21のフッ
クに掛け、ダビット付ウインチ21wを操作し、ネットコ
ンベヤ本体41の先端が水面より上の波が当たらない位置
P1にセットする。
【0059】また、同時に発電機・インバーター等の機
器や回収容器65,66等必要な用具を搭載する。
【0060】そして、岸壁より流出海域まで迅速に航走
して到着するまでは、展張ブーム31を船体の長さ方向に
格納し、オイルフェンス33等は甲板上に格納し、船の高
速航走時の抵抗増加を回避し、また、機械的損傷を防止
する。 ・装置の展開及びセット そして、流出油海域の到達した時に、図5に示す展張ブ
ーム31のトグルピン31pを引き抜き、展張ブーム31の先
端を甲板上より船体備品の竿等で海側に押し出すと共
に、ロープR31を船首部側より引張り、図5の二点鎖線
で示す位置に、即ち、船体長さ方向に対して直角方向に
展張しながら、曳航フロート32、オイルフェンス33を水
面W上に投下し、最後にトグルピン31pをヒンジ部31a
の展張位置用固定穴31hにセットし展張を完了する。図
7のクリート12を利用するの場合には、固縛用台座31A
bを展張ブーム31Aの下側にセットし、ロープR31Aに
て船体付きクリート12と展張ブーム31Aを固縛する。
【0061】この時に、船首部のビットやできるだけ高
い位置のマストに固縛されたロープR31,R31’に適当
なテンションを加えて置く。
【0062】次にナイロンロープ付きフェンダー34を舷
側の水面Wに投下した後、図1に示すように、油回収装
置4のネットコンベヤ本体41の先端をダビット付きウイ
ンチ21wにて水中へ降下させ、ネットコンベヤ本体41の
傾斜角(俯仰角)θを調整する。
【0063】そして、フェンダー34が舷側とネットコン
ベヤ本体41の間に設置され、この隙間から集油した浮流
油O1が漏れ出ない状態であることを確認した後、フェ
ンダー34に連結されたナイロンロープ先端をハンドレー
ル等に固縛する。
【0064】ネットコンベヤ本体41の傾斜角θは、25
度〜40度の範囲内の最適角度に設定する。 ・油回収 油揚収装置4の配置完了後、発電機を起動して油揚収装
置4を動かし、船の舷側にオイルフェンス33を展張及び
固定した状態で、船を2ノット程度で微速航走させる。
この航走により、浮流油O1をオイルフェンス33内に導
入し、囲い込んでネットコンベヤ本体41の前に集油し、
この集油した浮流油O1をメッシュベルト44にて掬い上
げ、後端部(コンベヤ頭部)に運ばれる。
【0065】この掬い上げて付着した油O2を荒落とし
スクレーパー51で荒削ぎし、更に、残された油O2を高
速回転ブラシ52で掻き落とし、この掻き落とした油O3
を取り外し式の油回収ホッパー55で受け、甲板上舷側に
配備した小受け缶65(18リットル缶)に重力落下させ
て回収する。
【0066】この小受け缶65が満杯になれば別の小受け
缶65と取り替え、満杯になった小受け缶65は甲板中央部
に格納している複数の200リットルドラム缶等の貯蔵
缶66に移し替えて貯蔵する。 ・回収終了と帰港 油回収が終了したら、発電機を停止し、本船を停止若し
くは微速前進しながら、逆手順で油回収装置4を海面上
に引き上げ、展張ブーム31を収納し、帰港する。帰港後
接岸し、回収油O4をトラッククレーン等で陸揚げし、
逆の手順で油揚収装置4等を船から取り外し、洗浄作業
を行い倉庫に保管する。 〔効果〕以上の油回収方法と油回収装置1によれば、次
のような効果を奏することができる。
【0067】小型船に搭載可能な曳航フロート32、オイ
ルフェンス33等と船Sの航走の組み合わせ作用で容易に
集油でき、舷側に搭載装備したネットコンベヤ40と船の
航走の組み合わせにより水を透過させ浮流油O1のみ掬
い取る方法であるので油分比率も高く、また、波浪中で
も高い効率で連続的な掬い上げができ、更に、スクレー
パー51と回転ブラシ52とブラシ用スクレーパー53で3段
階で掬い上げた油O2を確実に掻き落とすことができ
る。
【0068】これらの油回収方法によれば、従来技術に
あっては機械的方法では回収困難であった高粘度油・超
高粘度油の浮流油O1を、小型・軽量・安価な装置で高
効率で連続回収できる。また、単船で水面上の浮流油の
集油から回収及び回収油貯蔵まで一連の油回収作業がで
きるので、緊急事態に容易に対処できる。
【0069】また、集油装置3は、曳航フロート32とオ
イルフェンス33で構成されるので、軽量で展開も容易な
装置となる。また、油揚収装置4も、メッシュベルト44
を特別に選択したネットコンベヤ40を舷側に軸支して形
成するので、コンパクトで、装着も容易な装置となる。
その上、油掻き落とし装置5も一つ一つはスクレーパー
51、回転ブラシ52、ブラシ用スクレーパー53という簡単
な構造であるので、コンパクトな装置となる。
【0070】特に、これらの装置は小型船に搭載可能な
物品で軽量、コンパクトに構成できるので、しかも市販
品の組み合わせであるので、安価と成る上に、構造がシ
ンプルであるので、操作も容易で故障が少なく、メンテ
ナンスも簡単となる。
【0071】そのため、既存の小型船舶に簡便に搭載及
び着脱が容易なので、流出事故現場近くの港湾まで陸送
し、その港湾の油回収専用船でない測量船や漁船などの
小型船舶に搭載して、迅速に流出油海域に出動して油回
収できる。
【0072】また、ネットコンベヤ40をステンレス製の
チェーン駆動方式とすると、掬い上げた油O2によるス
リップが発生せず、かえってスムーズな動きを得ること
ができ、しかも、メッシュベルト44の高速運転が50m
/min程度まで可能となり、機械的な強度も十分確保
できる。
【0073】メッシュベルト44のメッシュ間隔を3mm
〜12mmとすることにより、1万〜150万センチポ
アズ(cP)の高粘度、超高粘度の油に対する回収効率
をより向上できる。
【0074】曳航フロート32を船上から舷外に張り出し
可能且つ、船体Sに着脱可能に取り付けられた展張ブー
ム31によって曳航するように構成すると、集油装置3は
出港から流出油現場や逆の流出油現場から帰港までの高
速航走時に邪魔にならず、流出油現場では、簡単かつ迅
速に展開できる構成となる。
【0075】この油回収装置1を、両舷の取り付け可能
とすることにより、取付可能な既存の船舶の範囲が広が
る。また、両舷で油回収作業を行うことも可能となるの
で、微速航走時の操船も容易となり、より効率良く油回
収できる。
【0076】また、回転ブラシ52のブラシ52bをステン
レス製の毛とポリプロピレン製の毛を混合して形成し、
ブラシの腰の強さが異なるこれらの混毛のブラシ52bを
使用すると、掻き落とし及びメッシュベルト44の目詰ま
り防止効果の範囲が広がり、広範囲の粘度の油を効率良
く掻き落としすることができ、メッシュベルト44の目詰
まり防止により油揚収効果を維持できるので、油回収の
効率を上げることができる。
【0077】なお、この油回収装置1を実際に製作した
装置の実機実験結果によれば、粘度範囲1万センチポア
ズ(cP)〜65万センチポアズ(cP)の油を回収で
き、更に65万センチポアズ(cP)以上の油も回収可
能であるとの結果が得られた。
【0078】
【発明の効果】以上に説明したような本発明の油回収方
法によれば、次のような効果を奏することができる。
【0079】小型船に搭載可能な曳航フロート、オイル
フェンス等と船の航走による取り込む効果を組み合わせ
たので、簡単にかつ容易に展開でき効率よく集油でき
る。
【0080】また、舷側に搭載装備したネットコンベヤ
と船の航走の組み合わせにより高効率で連続的な掬い上
げができ、更に、油掻き落とし装置で、掬い上げた油を
確実に掻き落としネットコンベヤの目詰まりを防止でき
るので、高粘度油から超高粘度油までの浮流油を、小型
・軽量・安価な装置で波浪中でも高い回収効率と高い油
分比率で連続回収できる。
【0081】また、単船にて水面上の浮流油の集油から
回収及び回収油貯蔵まで一連の油回収作業ができるの
で、緊急事態に容易に対処でき、高度な操船が不要とな
り、迅速且つ効率的に作業できる。
【0082】また、以上に説明したような本発明の油回
収装置によれば、次のような効果を奏することができ
る。
【0083】集油装置に、曳航フロートとオイルフェン
スを使用しているので、軽量で展開も容易で集油効率が
良く、油揚収装置に舷側に着脱可能に装備したネットコ
ンベヤで掬い上げて油回収装置で掻き落とすので、従来
技術の機械的方法では回収困難である高粘度油から半固
形化した超高粘度油までの浮流油を非常に効率よくを回
収できる。
【0084】この油回収装置は、特に小型船に搭載可能
な物品でしかも市販品で構成することができるので、安
価で軽量かつコンパクトな油回収装置を提供でき、構造
がシンプルなので故障が少なく、メンテナンスが容易で
ある。
【0085】また、既存の小型船舶に簡便に搭載及び着
脱が容易なので、平常時には陸上の倉庫保管し、流出油
事故時には陸上運搬して現場近くの港湾に陸送し、流出
事故現場近くまで陸送し、油回収専用船でない測量船や
漁船などの小型船舶に搭載及び装着して、迅速に流出油
海域に出動し直ちに油回収作業に移行できるので、油の
拡散を防止しながら回収でき、流出油による被害の拡大
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油回収装置の構成を示す側面図で
ある。
【図2】本発明に係る油回収装置の取り付け状態を示す
側面図である。
【図3】本発明に係る油回収装置の取り付け状態を示す
平面図である。
【図4】本発明に係る集油装置の概要を示す模式図で、
(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】本発明に係る展張ブームを示す斜視図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】本発明に係る展張ブームの他の実施の形態を示
す正面図である。
【図8】本発明に係るチェーン駆動式メッシュコンベヤ
の部分斜視図である。
【図9】本発明に係る油揚収装置の支持状態を示す模式
図で、(a)は平面図で、(b)は背面図である。
【図10】本発明に係る油揚収装置の支持軸の吊り上げ
ピースを利用した固定方法を示す分解図である。
【図11】本発明に係る油揚収装置の他の実施の形態の
支持軸のクロスビットを利用した固定方法を示す分解図
である。
【図12】本発明に係る油掻き落とし装置を示す模式的
側面図である。
【図13】本発明に係る油掻き落とし装置を示す斜視図
である。
【図14】本発明に係る回収ホッパーを示す背面図で、
(a)は右舷側に配置した場合を、(b)は左舷側に配
置した場合を示す。
【図15】本発明に係る油回収装置をクレーンで吊り上
げた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 油回収装置 3 集油装置 4 油揚収装置 5 油掻き落とし装置 31,31A 展張ブーム 32 曳航フロート 33 オイルフェンス 34 フェンダー 40 ネットコンベヤ 41 ネットコンベヤ本体 42 支持軸 43,43A 固定金具 44 メッシュベルト 45 フレーム 46 スプロケット 47 チェーン 48 電動機 49 駆動軸 51 荒落としスクレーパー 52 高速回転ブラシ 53 ブラシ用スクレーパー 54 回収ホッパー 65 小受け缶 66 貯蔵缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 伊知郎 愛知県名古屋市中村区那古野47−1 中部 国際空港株式会社内 (72)発明者 中西 正俊 新潟県新潟市入船町4−3778 運輸省第一 港湾建設局機械整備事務所内 (72)発明者 上原 勝樹 新潟県新潟市入船町4−3778 運輸省第一 港湾建設局機械整備事務所内 (72)発明者 三浦 英夫 東京都中央区八重洲2丁目9番7号 社団 法人日本作業船協会内 (72)発明者 武末 義喜 大阪市住之江区柴谷1丁目1番57号 株式 会社メックス大阪事業所内 (72)発明者 滝口 弘志 大阪市住之江区柴谷1丁目1番57号 株式 会社メックス大阪事業所内 Fターム(参考) 2D025 BA01 BA22 BA34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水面に浮遊し、ネットコンベヤ上に揚収可
    能な油及び油塊を回収する油回収方法であって、 作業船の舷側にオイルフェンスで前側に浮遊油の流入用
    の開口部を有し後側が舷側に漸近して揚収部位に縮小す
    る流路を形成し、 前記作業船の舷側に着脱可能に装着される前記ネットコ
    ンベヤを、先端が前記揚収部位に水没するように傾斜し
    て配置し、 水面に浮遊する油を前記作業船の前進に伴って前記開口
    部から案内して前記揚収部位に集合させ、 該集合した油を先端部が水面に沈下した前記ネットコン
    ベヤで掬い上げて、油掻き落とし装置により付着した油
    を回収することを特徴とする油回収方法。
  2. 【請求項2】前記ネットコンベヤに付着した油を、ネッ
    トコンベヤの後端側において、スクレーパーと、ブラシ
    の先端が前記ネットコンベヤの進行方向と逆方向に回転
    して油を掻き落とす回転ブラシとで掻き落とすと共に、
    該回転ブラシに付着した油を該回転ブラシのブラシに当
    接するブラシ用スクレーパーで掻き落として、回収容器
    に油を回収することを特徴とする請求項1記載の油回収
    方法。
  3. 【請求項3】作業船に搭載及び装備して水面に浮遊し、
    ネットコンベヤ上に揚収可能な油及び油塊を回収する集
    油装置と油揚収装置と油掻き落とし装置を有する油回収
    装置であって、 前記集油装置は、前側に浮遊油の流入用の開口部を有し
    後側が舷側に漸近して揚収部位に縮小する流路を前記作
    業船の舷側に形成するオイルフェンスを有して形成さ
    れ、 前記油揚収装置は、油回収時に先端部が前記揚収部位の
    水面に沈下できるように、前記作業船に着脱可能に装着
    され、前記作業船の前進に伴って前記集油装置で集油し
    た浮遊状態の油を掬い上げるネットコンベヤで形成され
    ることを特徴とする油回収装置。
  4. 【請求項4】 前記油掻き落とし装置は、前記ネットコ
    ンベヤに付着した油を掻き落とすスクレーパーと、ブラ
    シの先端が前記ネットコンベヤの進行方向と逆方向に回
    転して油を掻き落とす回転ブラシと、該回転ブラシのブ
    ラシに当接し、該回転ブラシに付着した油を掻き落とす
    ブラシ用スクレーパーとを有して形成されることを特徴
    とする請求項3記載の油回収装置。
  5. 【請求項5】 前記油揚収装置が、ステンレス製のチェ
    ーン駆動方式のネットコンベヤで形成されることを特徴
    とする請求項3又は4記載の油回収装置。
  6. 【請求項6】 前記オイルフェンスは船上から舷外に張
    り出し可能且つ、船体に着脱可能に取り付けられた展張
    ブームによって曳航されることを特徴とする請求項3〜
    5のいずれかに記載の油回収装置。
  7. 【請求項7】 前記回転ブラシのブラシをステンレス製
    の毛とポリプロピレン製の毛を混合して形成したことを
    特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の油回収装
    置。
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