JP2001062472A - 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽 - Google Patents

処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽

Info

Publication number
JP2001062472A
JP2001062472A JP24378499A JP24378499A JP2001062472A JP 2001062472 A JP2001062472 A JP 2001062472A JP 24378499 A JP24378499 A JP 24378499A JP 24378499 A JP24378499 A JP 24378499A JP 2001062472 A JP2001062472 A JP 2001062472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
tank
treated water
water level
treatment tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24378499A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Ueda
明弘 上田
Kazuo Kobayashi
和生 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP24378499A priority Critical patent/JP2001062472A/ja
Publication of JP2001062472A publication Critical patent/JP2001062472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯留槽の流入水位に応じて設定水量以下の場
合には、一定水量で移送し、設定水量を超える場合に
は、移送量を自動的に増加させる処理水の移送装置及び
それを利用した汚水浄化槽を提供する。 【解決手段】 処理槽内の処理水を汲み上げるようにな
された第一ポンプ装置と、この第一ポンプ装置で汲み上
げた処理水を受け、受けきれない過剰分の処理水が上部
に開口する溢れ面から処理槽内へ返送されるように配置
された計量升と、この計量升で計量された処理水を他の
処理槽へ汲み出すようになされた第二ポンプ装置と、第
一ポンプ装置と第二ポンプ装置の運転切替装置とを具備
した処理水の移送装置であって、計量升の上部に開口す
る溢れ面は、上記処理槽内の水位変動範囲の上限位置と
下限位置の間に位置させてなることを特徴とする処理水
の移送装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽や下水処理
設備等、流量調節が必要な箇所において、ポンプによっ
て汲み上げられた処理水を次工程に計量しつつ移送する
ための装置及びそれを利用した汚水浄化槽に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、し尿や生活雑排水等を浄化処理
する汚水浄化槽において、汚水浄化槽本体に形成された
複数の処理槽間で、処理水の循環水量や移送水量を長期
にわたって安定させることが、処理水質を安定させる大
きな要因となってきている。中でも、小規模な浄化槽に
おいては、汚水の流入量の時間変動が大きく、朝と夕刻
に一日の流入量の大半が流入し、日中は流入量が少ない
というのが典型的な汚水の流入パターンである。このま
まで浄化槽に汚水が流入した場合、一時に大量の汚水が
流入するため、汚水を浄化処理するのに必要な浄化槽内
での滞留時間を確保することができず、処理不全のまま
放流されてしまい放流水の水質を悪化させてしまう。
【0003】上記汚水の流入量の時間変動を緩和するた
め、貯留槽を浄化槽内の流入側に設置して、一時に大量
に流入する汚水を一時貯留し、後段の処理槽に貯留汚水
を含めて汚水を定量移送し、浄化処理の十全を図る方策
が採られてきた。このような浄化槽における処理水の流
入量の時間変動を緩和する手段としては、例えば、特開
平6−285484号公報には、流量調整機能を有する
容積部を設けた嫌気濾床槽第1室の水位が低水位から高
水位の間で変化しても、次の嫌気濾床槽第2室にエアリ
フトポンプを2段に用いることによって、略一定の揚水
量をもって移送できることが開示されている。
【0004】しかしながら、上記2段のエアリフトポン
プは、上記容積部と組み合わせて流量調整機能を発揮し
得るものであるが、変動する流入量に応じた移送量の調
整機能が大きいものではないので、必然的に容積部ない
しは嫌気濾床槽第2室の容量を大きくとることとなり、
浄化槽の小型化の要請に応えることができない。
【0005】更に、近年、より一層高度に浄化処理する
ことが求められ、浄化槽の処理水中に設置された濾過膜
によって処理水を濾過する方式の膜分離浄化槽の開発が
進められている。通常、上記膜分離浄化槽における濾過
は、該処理槽の水位よりも低い位置に、濾過水の出口を
設け、この間に生じる水頭圧によって処理水を押圧して
濾過する水頭圧濾過法によって行われる。
【0006】水頭圧濾過法において移送水量が大きい
と、濾過膜が設置されている処理槽の水位が上昇し水頭
圧が大きくなって濾過水量が増加し、逆に、移送水量が
小さくなると濾過水量が減少するが、これらの移送水量
の変動を濾過膜が設置されている処理槽で流量調整を図
ろうとすれば、同様に該処理槽の容量を大きくとる必要
があり、濾過膜への処理水の供給量を一定にした従来方
式では、前記するように嫌気濾床槽第1室等の規模を拡
大する必要があって、流量調整部分の処理槽の貯留容量
を十分大きく確保して置かねばならず浄化槽本体が大き
くなってしまい、設置スペースの確保や埋設時の掘削量
が多くなり、機材費並びに工事費用が増大するという問
題点を有するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような水頭圧濾過
法を適用するためには、浄化槽の小型化の要請の中で、
変動する流入量に応じた移送量の調整機能を有する移送
装置によってできるだけ定量移送に近づけることが必要
になるのは論を俟たない。
【0008】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
のであって、貯留槽の流入水位に応じて設定水量以下の
場合には、一定水量で移送し、設定水量を超える場合に
は、移送量を自動的に増加させる処理水の移送装置及び
それを利用した汚水浄化槽を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の処
理水の移送装置は、処理槽内の処理水を汲み上げるよう
になされた第一ポンプ装置と、この第一ポンプ装置で汲
み上げた処理水を受け、受けきれない過剰分の処理水が
上部に開口する溢れ面から処理槽内へ返送されるように
配置された計量升と、この計量升で計量された処理水を
他の処理槽へ汲み出すようになされた第二ポンプ装置
と、第一ポンプ装置と第二ポンプ装置の運転切替装置と
を具備した処理水の移送装置であって、計量升の上部に
開口する溢れ面は、上記処理槽内の水位変動範囲の上限
位置と下限位置の間に位置させてなるものである。
【0010】請求項2記載の発明の処理水の移送装置
は、請求項1記載の発明の処理水の移送装置において、
処理槽内の水位が、該処理槽内の水位変動範囲の上限位
置と下限位置の間に設定された計量升の上部に開口する
溢れ面の水位以下の場合に、後段の処理槽に計量升で計
量された一定水量で移送され、上記溢れ面の水位を超え
る場合に、処理槽の水位に応じて付加された水量が自動
的に移送されるようになされてなるものである。
【0011】請求項3記載の発明の汚水浄化槽は、処理
槽の処理水中に設置され、処理槽の水位と濾過水出口と
の水位差による水頭圧によって処理水を濾過処理する膜
分離装置を備えた汚水浄化槽において、流入してくる汚
水を一時貯留する貯留槽に請求項1又は2記載の移送装
置を設け、後段の濾過処理槽へ移送するようになされて
なるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0013】図1及び図2は、処理水の移送装置1の全
体構成の概略を示す説明図であって、図1及び図2にお
いて、移送装置1は、処理槽(後述する浄化槽において
は、貯留槽として用いられる)11内に設置される。第
一ポンプ装置2は、一端に吸込口22が開口し、上方に
誘導され屈曲して下方に流出口23が開口するリフト管
21、一端が上記リフト管21に開口し、他端がブロア
5に接続された送気管24及び処理水の揚水動力となる
ブロア5とからなる。
【0014】計量升3は、第一ポンプ装置2のリフト管
21の流出口23の直下に所定容量の処理水を計量する
ことができる一定容積の升と上部に開口する溢れ面31
とからなるものである。又、上記溢れ面31の位置は、
後述するように、処理槽11内の水位(WL)変動範囲
の上限位置(HWL)と下限位置(LWL)の間に、流
入汚水に応じて設定される(上記設定水位は、溢れ面3
1が作る水位であるが、これをMWLで示す)。
【0015】第二ポンプ装置4は、一端が計量升3の底
部に接続され、下方に誘導され、反転して上方に向かう
垂直管部分を有し、他端に、処理槽11外の他の処理槽
110に流出口43が開口するリフト管41、一端が上
記リフト管41に開口し、他端がブロア5に接続された
送気管44及び処理水の揚水動力となるブロア5とから
なる。
【0016】第一ポンプ装置2と第二ポンプ装置4の運
転切替装置7は、ブロア5からの空気をリフト管21及
び41に切り替えて送風する三方弁6と運転切替装置7
からなる。上記運転切替装置7は、WLに応じてブロア
5よりリフト管21又は41に必要時間送風することが
できるものであれば、特に限定されるものではないが、
例えば、三方弁6の切替時間をタイマーで設定する制御
装置、水位計の情報に基づいてタイマーに所要時間の設
定がなされる制御装置等が挙げられる。
【0017】上述のように装備された処理水の移送装置
1の作動の状態を図1及び図2によって説明する。先
ず、図1は、処理槽11内のWLが、MWL以下にある
場合であって、第一ポンプ装置2により汲み上げられた
処理槽11内の処理水は、運転切替装置7に設定された
時間内に計量升3で正確に計量され、計量の都度、繰り
返し第二ポンプ装置4によって移送され、流出口43か
ら処理槽11外の他の処理槽110に排出される。尚、
計量升3から溢れ出した余剰の処理水は、処理槽11に
流れ落ちて回収される。これにより、計量升3には、計
量升3の容量の処理水が計量されることとなる。
【0018】上記運転切替装置7に設定される時間は、
水位計による水位データに基づき自動的に設定されるも
のであってもよいが、これらのデータを用いることな
く、経験値として、標準時間が設定されるものであって
もよい。
【0019】上記標準時間は、WLがLWLになった場
合や、ブロア5、第一ポンプ装置2或いは第二ポンプ装
置4が長期使用等によってその能力を低下させている場
合を想定して、ブロア5の初期送風量及びタイマーの設
定時間に余裕をもたせて設定される。このように標準時
間を設定することによって、常時、安定して一定水量の
処理水を移送することができる。
【0020】図2は、WLがMWLを超える場合であっ
て、計量升3の溢れ面31は処理水中に没しており、第
一ポンプ装置2が作動しても、リフト管21で汲み上げ
られた処理水はいずれも、計量升3の溢れ面31から処
理槽11内に溢れ出て回収される。しかし、計量升3は
常に満水となっているので、運転切替装置7によって第
二ポンプ装置4が作動すれば、図1に示されたと同様に
一定時間間隔で処理水は、リフト管41で移送され、流
出口43から処理槽11外の他の処理槽110に排出さ
れる。
【0021】ただ、図2に示された状態では、第二ポン
プ装置4によって、計量升3の処理水を汲み出しても、
計量升3の溢れ面31は処理水中に没しているので、該
溢れ面31から次々に処理水が計量升3内に流入し、第
二ポンプ装置4の作動中に処理槽11外に排出される処
理水量は、図1に示された場合より、WLに応じて多く
なり、WLがMWL以下になるまでこの状態が続く。し
かしながら、上記排出速度は、第二ポンプの作動サイク
ルで管理されているので、増加した汚水がそのまま排出
されるものではなく、一時貯留能力を利用しながら管理
された水量で移送されるものである。
【0022】上記増加した汚水の移送に際して、上記運
転切替装置7に設定されている標準時間に、前記するよ
うに、余裕時間等の設定があるので、移送時間がその余
裕時間分だけ延長され、上記付加移送量を増加させなが
らも安定して移送するのに大いに寄与し得るものであ
る。
【0023】上述のように、一時に大量に汚水が流入
し、処理槽11内のWLがMWLを超える場合であって
も、WLがMWL以下である処理水の移送量に、処理槽
11内のWLに応じて移送量が付加され、該処理槽11
に一時貯溜された処理水は速やかに処理槽11外の他の
処理槽110に排出されるので、一時貯溜容量を小さく
することができる。
【0024】次に、この移送装置1を使用した汚水浄化
槽10について述べる。図3は、上述の移送装置1を用
いて処理水が供給されるようになされてなる本発明の汚
水浄化槽の一例を示す説明図である。
【0025】図3に示すように、この汚水浄化槽10
は、仕切板12によって、貯留槽11a、処理槽11b
に仕切られた浄化槽本体13と、上記貯留槽11aに設
置された本発明の処理水の移送装置1と、処理槽11b
の処理水中に設置され、上記移送装置1から供給され、
処理された処理水の水位(WL2 )と濾過水の排出口9
2との水位差Hによる水頭圧によって濾過処理する膜分
離装置9とが装着された構成からなる。
【0026】この汚水浄化槽10において、汚水は通常
時には、MWL以下を示す1.25m3 /日の水量で貯
留槽11aに流入し、一時貯留された後、貯留槽11a
に設置された移送装置1で処理槽11bに一定量で移送
される。移送された汚水は、処理槽11bで数千mg/
リットルから2万mg/リットル程度の濃度で存在して
いる活性汚泥により処理されるように装備されている。
上記活性汚泥による汚水の処理は、浄化槽本体13の外
に据え付けられたブロア81より送気管82を介して供
給される空気を散気装置8により処理槽11b内に細か
い気泡にして噴出させ、処理槽11b内に酸素を供給す
ると共に曝気旋回流を生じさせる。これにより処理槽1
1b内では、上記濃度の活性汚泥により好気処理される
ように装備されている。
【0027】処理槽11bで処理された汚水の一部は、
処理槽11b内に浸漬した膜分離装置9により固液分離
され、濾過水のみを排出管91を介して槽外へ放流する
ようになされている。排出管91の濾過水の排出口92
の水位は、処理槽11b内の処理水の最低水位(LWL
2 )に設定されている。前記するように、膜分離装置9
による処理水の固液分離は、WL2 とLWL2との水位
差Hによって発生する水頭圧で行われる。
【0028】移送装置1は、ブロア5からの空気を30
リットル/分で送気するように設定した。このブロア5
からの送気は、運転切替装置7によって三方弁6を制御
することで、2.5分のサイクルで、第一ポンプ装置2
のリフト管21と、第二ポンプ装置4のリフト管41と
に切り替えるように設定した。計量升3の溢れ面31ま
での容積は4リットルとした。
【0029】これにより、第一ポンプ装置2は、貯留槽
11aの水位が最低水位LWL1 であっても、計量升3
を満たすのに充分な量の処理水を揚水することが可能で
あるように設定されている。水位が最低水位LWL1
りも上昇している場合、計量升3から溢れ出る処理水の
揚水量の余剰分が増加し、最低水位LWL1 の場合より
もより余裕を持って揚水することが可能である。又、ブ
ロア5からの送気量が初期の半分の15リットル/分に
減量しても、計量升3から溢れ出る汚水の余剰分が減少
するだけで、計量升3を満たすのに充分な量の汚水を揚
水することが可能であるように設定されている。
【0030】又、第二ポンプ装置4は、貯留槽11aの
水位がMWL1 以下の場合、水位の変動に関係無く、リ
フト管41に送気している2.5分間で計量升3内の汚
水を全量、後段の処理槽11bに移送することができ
る。又、ブロア5からの送気量が初期の半分の15リッ
トル/分に減量しても、計量升3内に計量された汚水
は、全量移送することが可能である。
【0031】貯留槽11aの水位がMWL1 を超えて上
昇している場合、ブロア5から第二ポンプ装置4のリフ
ト管41に送気すると、計量升3の溢れ面31より流入
する処理水は、第二ポンプ装置4に送気されている時間
だけ揚水される。上記のように設定することによって、
貯留槽11aの水位がMWL1 以下の場合と比較して、
移送装置が1サイクルで移送する処理水の量を増加させ
ることが可能となる。
【0032】(実施例)図3に示される汚水浄化槽10
において、貯留槽11aの設定水位(MWL1)をLW
1 より460リットル貯留した水位とした。汚水浄化
槽10に流入する汚水の量を、一般的な家庭の代表値と
して、通常時の設計水量は1.25m3 /日とし、図4
に示す時間変化パターンで貯留槽11aに流入させた。
この結果、移送装置1は、1サイクル5分間で、移送水
量4.5リットル、1時間あたり約52リットル(=
1.25m3 /日)で処理水を安定して移送することが
できた。
【0033】上記処理水の移送によって、処理槽11b
の濾過水頭も約10cmの水位で24時間安定して濾過
することができた。又、上記処理水の移送によって、貯
留槽11aの水位(WL1 )は、変動幅が極めて小さく
なり、特に、HWL1 は、殆どMWL1 に接近するもの
であった。
【0034】汚水浄化槽10に流入する汚水の量が、M
WL1 を超えて排出されたことを想定した非常時の水量
として、3.00m3 /日とし、図6に示す時間変化パ
ターンで貯留槽11aに流入させた。その結果、貯留槽
11aの貯留水位(WL1 )はMWL1 よりも上昇し、
HW 1 は、LWL1 より約620リットル貯留した水位
を示した。移送装置1によって移送される処理水は、図
7に示すように増加し、同時に処理槽11bの濾過水頭
も上昇し、濾過水量が増加した。このようにして3.0
0m3 /日の非常時の水量の貯留槽11aからの移送
と、処理槽11bにおける濾過が十分に実施できた。
【0035】(比較例)図8に示す特開平6−2854
84号公報の図3(b)に示される2段エアリフトポン
プ39(図中、41は、機能は全く異なるが実施例中の
エアリフト管21に相当する、42、43は、各々2段
エアリフトポンプ39の空気管)を用いて、貯留槽11
aから処理槽11bへ常時一定量で処理水を移送した。
【0036】先ず、通常時の設計水量1.25m3 /日
を、24時間均等(約52リットル/時)に移送するよ
う移送装置39を貯留槽11a内に設置した。上記設計
水量を24時間均等に処理水を貯留槽11aから処理槽
11bへ移送したら、貯留槽11aの貯留水位のHWL
1 は、LWL1 から約460リットル貯留した水位を示
し、実施例と同様に、安定して移送できた。この際、処
理槽11bの濾過水頭も約10cmの水位で24時間安
定して処理水を濾過することができた。
【0037】次いで、非常時の水量として、3.00m
3 /日を、実施例と同様に、図6に示す時間変化パター
ンで貯留槽11aに流入させた。移送装置39は、24
時間均等に処理水を貯留槽11aから処理槽11bへ移
送するものであるので、通常時同様、一定量で処理水が
移送され、処理槽11bにおける濾過水頭も通常時と変
わらず一定であった。しかしながら、貯留槽11aに貯
留された処理水は、約1.75m3 となり、実施例と比
較して極端に大きな貯留容量を必要とするものであっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
の処理水の移送装置は、第一ポンプ装置と第二ポンプ装
置との運転切替を行い、処理槽内の処理水を、第一ポン
プ装置によって、計量升に溢れるまで供給して所定量の
処理水を計量した後、第二ポンプ装置によって、計量升
内に計量された処理水を他の処理槽へと移送するように
しているので、この第一ポンプ装置と第二ポンプ装置の
運転切替のサイクル時間を決定しておけば、「サイクル
数」と「計量升の容量」との積によって求められる定量
の処理水を、常に移送することができる。又、この場
合、計量升の容量よりも、第一ポンプ装置と第二ポンプ
装置との揚水量が過剰となるようにサイクル時間を設定
しておけば、処理槽の水位が変動したり、ポンプ装置自
体の能力が低下しても、計量升に計量した定量の処理水
を移送し続けることができる。
【0039】又、請求項2記載の発明の処理水の移送装
置は、処理槽内の処理水の水位(WL)が、計量升の上
部に開口する溢れ面の水位、即ち、設定水位(MWL)
以下の通常時の水位の場合は、正確に計量升で計量さ
れ、上記サイクル数によって定まる定量移送が可能であ
り、一時に大量に流入する非常時のように、WLがMW
Lを超える場合、処理槽内の処理水に溢れ面が水没して
いるので、該溢れ面から計量升内に流入する付加水量及
び運転切替装置に設定された標準時間の余裕等の付加水
量によって、通常時の水位場合に比して大きな移送水量
を確保できるものであり、且つ、その移送量は、WLに
よる付加水量の変化はあるものの、上記運転切替装置に
設定された移送時間と停止時間によって管理され、管理
された水量で移送でき、又、これによって速やかな一時
貯留水の移送が可能となり、WLの変動幅を極めて小さ
くすることができる。特に、HWLは、殆どMWLに接
近するものであり、安定した移送を実現し得るものであ
り、これにより、処理槽の貯留容積を小さなものにする
ことができる。
【0040】請求項3記載の発明の汚水浄化槽は、処理
槽の処理水中に設置され、処理槽の水位と濾過水出口と
の水位差によって生じる水頭圧で濾過する膜分離装置を
備えた汚水浄化槽において、流入してきた汚水を一時貯
留槽に貯留し、該貯留水を前記する本発明の処理水の移
送装置を用いて後段の濾過処理槽へ移送するものである
ので、前記するように、通常時の汚水量であっても、一
時に大量に流入する非常時の汚水量であっても、安定に
移送でき、且つ、濾過処理槽における処理水の濾過を実
施するために十分な水頭圧を確保でき、通常時には定量
移送によって、一定の水頭圧を維持し、処理水が濾過処
理槽に十分に滞留処理されるものであるので、濾過さ
れ、消毒された放流水の水質を高いレベルに保持し、特
に、非常時の移送において、流入汚水の増加に伴う移送
量の増大は、上記濾過を実施するために十分な水頭圧を
更に大ならしめるものであって、濾過水量を更に増加さ
せることができ、貯留槽及び濾過処理槽、特に貯留槽の
容量を小さなものに圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理水の移送装置の全体構成の概略及
びその作動の状態の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の処理水の移送装置の全体構成の概略及
びその作動の状態の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の汚水浄化槽の全体構成の概略を示す説
明図である。
【図4】本発明の汚水浄化槽の性能を評価するため、流
入した通常時の汚水量の時間変動パターンを示すグラフ
である。
【図5】図4の流入水量の汚水を図1に示す状態(通常
時)で移送したときの、移送量の時間変動を示すグラフ
である。
【図6】本発明の汚水浄化槽の性能を評価するため、流
入した非常時の汚水量の時間変動パターンを示すグラフ
である。
【図7】図6の流入水量の汚水を図1に示す状態(非常
時)で移送したときの、移送量と濾過水頭の時間変動を
示すグラフである。
【図8】従来の処理水の移送装置の全体構成の概略を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 移送装置 2 第一ポンプ装置 21、41 リフト管 22、42 吸込口 23、43 流出口 24、44、82 送気管 3 計量升 31 溢れ面 4 第二ポンプ装置 5、81 ブロア 6 三方弁 7 運転切替装置 8 散気装置 9 膜分離装置 91 排出管 92 排出口 10 汚水浄化槽 11、11b 処理槽 110 他の処理槽 11a 貯留槽 12 仕切板 13 浄化槽本体 WL 汚水の水位 HWL、HWL1 、HWL2 汚水水位の変動範囲の上
限位置 LWL、LWL1 、LWL2 汚水水位の変動範囲の下
限位置 MWL、MWL1 、MWL2 汚水の設定水位(計量升
の溢れ面の水位) H 膜分離装置に負荷される水位差による水頭圧 39 移送ポンプ 41 嫌気濾床槽第1室処理水管 42、43 空気管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽内の処理水を汲み上げるようにな
    された第一ポンプ装置と、この第一ポンプ装置で汲み上
    げた処理水を受け、受けきれない過剰分の処理水が上部
    に開口する溢れ面から処理槽内へ返送されるように配置
    された計量升と、この計量升で計量された処理水を他の
    処理槽へ汲み出すようになされた第二ポンプ装置と、第
    一ポンプ装置と第二ポンプ装置の運転切替装置とを具備
    した処理水の移送装置であって、計量升の上部に開口す
    る溢れ面は、上記処理槽内の水位変動範囲の上限位置と
    下限位置の間に位置させてなることを特徴とする処理水
    の移送装置。
  2. 【請求項2】 処理槽内の水位が、該処理槽内の水位変
    動範囲の上限位置と下限位置の間に設定された計量升の
    上部に開口する溢れ面の水位以下の場合に、後段の処理
    槽に計量升で計量された一定水量で移送され、上記溢れ
    面の水位を超える場合に、処理槽の水位に応じて付加さ
    れた水量が自動的に移送されるようになされてなること
    を特徴とする請求項1記載の処理水の移送装置。
  3. 【請求項3】 処理槽の処理水中に設置され、処理槽の
    水位と濾過水出口との水位差による水頭圧によって処理
    水を濾過処理する膜分離装置を備えた汚水浄化槽におい
    て、流入してくる汚水を一時貯留する貯留槽に請求項1
    又は2記載の移送装置を設け、後段の濾過処理槽へ移送
    することを特徴とする汚水浄化槽。
JP24378499A 1999-08-30 1999-08-30 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽 Pending JP2001062472A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24378499A JP2001062472A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24378499A JP2001062472A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001062472A true JP2001062472A (ja) 2001-03-13

Family

ID=17108926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24378499A Pending JP2001062472A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001062472A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103150A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Yuasa Corp 膜ろ過方法および膜ろ過装置
JP2012110863A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Hitachi Plant Technologies Ltd 最初沈殿池から生物反応槽への汚水の供給装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103150A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Yuasa Corp 膜ろ過方法および膜ろ過装置
JP4524361B2 (ja) * 2001-09-28 2010-08-18 株式会社Gsユアサ 膜ろ過方法および膜ろ過装置
JP2012110863A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Hitachi Plant Technologies Ltd 最初沈殿池から生物反応槽への汚水の供給装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2501744C2 (ru) Способ очистки сточных вод
CN114873712B (zh) 一种缺氧池及包含其的污水处理系统
JP2001062472A (ja) 処理水の移送装置及びそれを利用した汚水浄化槽
JPH1085788A (ja) 硝化脱窒方法
RU123771U1 (ru) Бытовая станция очистки сточных вод
CN208883610U (zh) 一体化调节池
JP2020081998A (ja) 水処理システムおよびその運転方法
CN115340176B (zh) 一种自平衡滗水装置及滗水方法
CN216039060U (zh) 一种无储水箱水处理系统
CN116693042B (zh) 分质排泥方法、分质排泥系统及其应用
CN219603356U (zh) 一种村镇污水联合处理装置
JP2002035787A (ja) 嫌気好気ろ床法による有機性廃水処理装置及び方法
JP3356941B2 (ja) 浄化槽
JP2000246245A (ja) 汚水処理装置
JPS625036B2 (ja)
JPH105781A (ja) 浄化槽
JP2001321791A (ja) 余剰汚泥の貯留方法
JPH1157765A (ja) 浄化槽
JP3839384B2 (ja) 合併処理浄化装置
JP2021137739A (ja) 水処理装置および水処理方法
JP3106063B2 (ja) 膜分離設備
JP4091327B2 (ja) 酸生成槽の液面レベル調整装置および調整方法
JP2001212588A (ja) 好気処理槽の曝気方法
CN116081806A (zh) 一种村镇污水联合处理装置
JP2000176252A (ja) ろ過装置及び浄化槽