JP2001062258A - 中空糸膜複合体の製造方法 - Google Patents

中空糸膜複合体の製造方法

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JP2001062258A
JP2001062258A JP24234899A JP24234899A JP2001062258A JP 2001062258 A JP2001062258 A JP 2001062258A JP 24234899 A JP24234899 A JP 24234899A JP 24234899 A JP24234899 A JP 24234899A JP 2001062258 A JP2001062258 A JP 2001062258A
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Japan
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hollow fiber
fiber membrane
membrane composite
fibers
braid
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JP24234899A
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English (en)
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Kenji Watari
謙治 亘
Satoru Takeda
哲 竹田
Osami Kato
修身 加藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1本または複数本を束ねた中空糸膜の外周部
を、その長手方向で均一に繊維で補強した中空糸膜複合
体を簡便かつ連続的に得ることができる製造方法の提供
を課題とする。 【解決手段】 中空糸膜4を、その軸線方向に沿って直
線的に移動させると同時に、前記軸線を中心とした円周
上から供給される複数本の繊維3を互いに反対回り、か
つ、すれ違うときに互いに交絡させるように前記軸線回
りに回転させながら中空糸膜4の外周に巻き付けて繊維
組紐6aを形成して中空糸膜複合体6を得る製造方法を
採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水や湖沼水の
浄化、または生活排水や産業廃水等の下排水の浄化、ま
たは液体中に存在する気体の脱気、または液体への気体
の添加や溶解、さらにはガス分離などに用いられる中空
糸膜複合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数本の中空糸膜を種々の形態で集合さ
せてなる中空糸膜モジュールは、分離性能やコンパクト
さなどの優れた特徴を活かして様々な用途に用いられて
いる。その用途範囲はさらに広がりつつあるが、用途に
よっては中空糸膜モジュールの頻繁な交換が不可能な場
合がある。そのため、この種の中空糸膜モジュールに
は、長寿命化が求められている。
【0003】中空糸膜モジュールの長寿命化のための処
理として、例えば、上水や下排水の濾過用途において
は、液体中に含まれている膜面閉塞物質による中空糸膜
の早期の膜面閉塞を防止するために、バブリング洗浄、
バックウォッシュなどの洗浄処理が、常時、もしくは断
続的に行われている。このような洗浄処理を行うことに
より、中空糸膜の膜面閉塞を防ぐことができる。しか
し、物理的な洗浄を行っても濾過機能が回復しない場合
には、薬液などによる化学的な洗浄が施されるが、これ
では洗浄の負荷が加わることによる物理的な劣化や、薬
液等による化学的な劣化が中空糸膜に生じる恐れがあ
る。そのため、中空糸膜には耐久性の向上、とりわけ物
理的な負荷に対応できる強度を持たせるための対策が求
められていた。
【0004】この物理的な負荷に対する耐久性の向上と
いう課題に対しては、例えば膜厚を厚くした中空糸膜が
提案されているが、濾過流速が低下するという問題があ
った。また、特公平7−94007号公報においては、
中空糸膜の耐圧性を向上させる目的で、1本の中空糸膜
の外表面に繊維を網状となるように交絡させて巻き付け
た複層多孔質中空糸膜が開示されている。これは、中空
糸膜の内部に被処理液を供給し、中空糸膜の外部から目
的成分を分離する場合において、中空糸膜の破裂圧力を
向上させ、高圧での被処理液の供給を可能としたもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような複層多孔質中空糸膜については、その具体的な製
造方法が示されているわけではなく、また実開昭63−
160903号公報においても、中空糸複合体の図示は
されているものの製造方法は示されていない。中空糸膜
あるいはこれを束ねた中空糸膜束を、管状の繊維組紐な
どの中空内に配するようにして中空糸膜複合体を製造す
る方法としては、既存の管状の繊維組紐の中空内に、中
空糸膜を挿入していく製造方法が考えられるが、製造す
る中空糸膜複合体の長さが長いと非常に煩雑な作業にな
り、効率的に製造できない恐れがある。また、挿入する
中空糸膜の充填率が繊維組紐中で高い場合には、狭い空
間内に中空糸膜を挿入していかなければならないので、
結果として挿入が極めて困難となる。したがい、従来で
は、中空糸膜あるいはこれを束ねた中空糸膜束から中空
糸膜複合体を簡便かつ連続的に製造するための決め手と
なる製造方法がなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑
みてなされたものであって、1本または複数本を束ねた
中空糸膜の外周部を、その長手方向で均一に繊維で補強
した中空糸膜複合体を簡便かつ連続的に得ることができ
る製造方法の提供を目的とする。
【0007】本発明の中空糸膜複合体の製造方法は、上
記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の中空糸膜複合体の製造方法は、1本
または複数本を束ねた中空糸膜を、その軸線方向に沿っ
て直線的に移動させると同時に、前記軸線を中心とした
円周上から供給される複数本の繊維を互いに反対回り、
かつ、すれ違うときに互いに交絡させるように前記軸線
回りに回転させながら前記中空糸膜の外周に巻き付けて
繊維組紐を形成して中空糸膜複合体を得ることを特徴と
する。
【0008】また、請求項2記載の中空糸膜複合体の製
造方法は、請求項1記載の中空糸膜複合体の製造方法に
おいて、前記繊維の巻き付けでの、前記中空糸膜複合体
の軸線に垂直な断面での前記繊維組紐内に形成される中
空部断面積に対する、該中空部内の前記中空糸膜の断面
積の総和の比を、10〜100%とすることを特徴とす
る。
【0009】また、請求項3記載の中空糸膜複合体の製
造方法は、請求項1または2記載の中空糸膜複合体の製
造方法において、前記巻き付けでの繊維本数を8〜30
0本の範囲内とすることを特徴とする。
【0010】また、請求項4記載の中空糸膜複合体の製
造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜複
合体の製造方法において、前記巻き付けでの繊維本数を
偶数本とし、前記円周上で互いに隣り合う繊維との回転
方向を逆回転とし、かつ前記円周を中心に蛇行させて隣
の繊維と互いに交絡してすれ違うように回転させること
を特徴とする。
【0011】また、請求項5記載の中空糸膜複合体の製
造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜複
合体の製造方法において、前記繊維の巻き付けを複数回
行って前記繊維組紐を多層に形成することを特徴とす
る。
【0012】また、請求項6記載の中空糸膜複合体の製
造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜複
合体の製造方法において、前記繊維巻き付け中の前記中
空糸膜の移動方向を逆方向に切り替え、既に形成された
繊維組紐の外周に更なる繊維組紐を多層に連続形成する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中空糸膜複合体の
製造方法の一実施形態及びその変形例を説明するが、本
発明がそれらに限定解釈されるものではないことはもち
ろんである。図1は、本発明の中空糸膜複合体の製造方
法を採用した中空糸膜複合体製造装置の一例を示す斜視
図である。図2は、同中空糸膜複合体製造装置によって
製造された中空糸膜複合体の横断面の斜視図である。図
3は、同中空糸膜複合体製造装置のスピンドルの軌道を
示す平面図である。図4は、上記実施形態の製造方法の
変形例で得られる中空糸膜複合体を示す図であって、そ
の軸線を含む断面での縦断面図である。図5は、上記実
施形態の製造方法の他の変形例を示す図であって、製造
工程図である。図6は、図5の製造工程で得られた中空
糸膜複合体を示す図であって、その軸線を含む断面での
縦断面図である。
【0014】また、これら図1〜図6で、符号1はスピ
ンドル移動機構、符号2はスピンドル、符号3は繊維、
符号4は中空糸膜、符号5はボビン、符号6は中空糸膜
複合体、符号7及び符号14は繊維組紐、符号8は中空
糸膜、符号9はスピンドル2の軌道、符号2aは右回り
のスピンドル、符号2bは左回りのスピンドル、符号1
4及び符号17は他の中空糸膜複合体をそれぞれ示す。
【0015】図1に示すように、本実施形態の中空糸膜
複合体製造装置には、垂直上方に引き上げられる中空糸
膜4の軸線に垂直をなす仮想平面上(水平面上)に前記
軸線を中心とする円周上に配置され、中空糸膜4に繊維
3を供給する複数のスピンドル2と、これらスピンドル
2を前記円周に沿って中空糸膜の軸線回りに回転移動さ
せるスピンドル移動機構1(移動機構)と、中空糸膜4
の外周に繊維組紐6aが形成された中空糸膜複合体6を
引き上げる繊維組紐引き上げ機構(図示せず)とが備え
られている。
【0016】すなわち、繊維3(フィラメント)を供給
するスピンドル2が実質円形の軌道を周回しながら繊維
組紐6aを形成するようになっており、このスピンドル
2に周回移動を行わせるものが、スピンドル移動機構1
である。この装置により、1本または複数本を束ねた中
空糸膜4(以下、複数本の中空糸膜4を束ねた中空糸膜
束も含めて中空糸膜4と称する)を、その軸線方向に沿
って直線的に上方に向かって移動させると同時に、前記
軸線を中心とした円周上から供給される複数本の繊維3
を互いに反対回り、かつ、すれ違うときに互いに交絡さ
せるように前記軸線回りに回転させながら中空糸膜4の
外周に巻き付けて繊維組紐6aを形成することで、中空
糸膜複合体6が製造される。
【0017】すなわち、中空糸膜4は、ボビン5よりガ
イド5aなどを経由して、各スピンドル2が形成する円
の中心下方より上方に向かってスピンドル移動機構1の
ほぼ中央部へと導かれる。引き上げられた中空糸膜4
は、前記繊維組紐引き上げ機構でさらに上方へと引き上
げられ、同時に各スピンドル2から供給される複数本の
繊維3が外周面に交絡され、繊維3による繊維組紐6a
が形成される。このようにして中空糸膜4の外周に繊維
組紐6aを巻き付けることで中空糸膜複合体6が得ら
れ、これを引き上げると同時に各スピンドル2をスピン
ドル移動機構1によって周回移動させることで、連続的
に中空糸膜複合体6を得ることができる。
【0018】このようにして得られた中空糸膜複合体6
の一例を図2に示す。これは8本の中空糸膜4を束ねた
ものの外周に繊維3を交絡させて、繊維組紐6aを形成
した中空糸膜複合体6を表す。なお、本実施形態で用い
られる中空糸膜4としては、寸法、構造、形態、本数な
どは特に限定されず、例えば、公知の逆浸透膜、ナノ濾
過膜、限外濾過膜、精密濾過膜、ガス分離膜等、用途に
応じて選択することができ、さらには多孔質膜であって
も非多孔質膜であっても構わない。
【0019】中空糸膜4の材質の具体例としては、例え
ば、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコ
ール、セルロース系、ポリアクリロニトリル、ポリカー
ボネート、ナイロン、ポリアミド系、ポリイミド系、フ
ッ素ポリマー系、及び前記ポリマーの誘導体等を挙げる
ことができる。また、水濾過用途としてポリオレフィン
等からなる疎水性の中空糸膜4を用いた場合には、膜表
面を親水化処理したものを用いることもできる。さらに
具体的には、例えば、上水や下排水の濾過用途に用いる
場合には、濾過流速を高く取ることができ、かつ薬品洗
浄や消毒用の薬液である次亜塩素酸ナトリウム水溶液に
対しての耐久性を有することから、ポリスルフォンやフ
ッ素系ポリマーからなる中空糸膜4を用いるのが好まし
い。また、清浄性が求められる用途においては、低溶出
であることが好ましく、例えば溶融紡糸延伸法によって
製膜されるポリオレフィンが好適である。
【0020】また、中空糸膜4の寸法の具体的な例とし
て、例えば、上水、下排水の濾過用途では、外径0.1
mm〜5mm、膜厚0.01mm〜2mm、平均孔径
0.001μm〜2μm、空孔率20%〜90%である
ことが好ましい。すなわち、外径が0.1mm未満であ
ると、中空糸膜4の内部を流れる液の管内抵抗が大きく
なる恐れがあり、5mmを超えると耐圧性が低下して、
中空糸膜4の材質によっては、繊維3を巻き付けた際に
つぶれやすくなる恐れがある。また外径を太くしてしま
うと、モジュール化においてコンパクトな設計が困難と
なる問題も引き起こすこととなる。平均孔径が0.00
1μm未満の場合には濾過流速が不足する恐れが生じ、
2μmを超える場合には分離性能が不足する恐れが生じ
ることとなる。空孔率が20%未満の場合には濾過流速
が不足する恐れが生じ、90%を超えると耐圧性能が不
足する恐れが生じることとなる。
【0021】本実施形態の中空糸膜4の本数は、8本と
したが、これに限らず、1〜7本、または9本以上とし
ても良い。ただし、中空糸膜複合体6の軸線に垂直な断
面で、繊維組紐6aの中空部断面積に対する中空糸膜4
の断面積の総和の比が、10〜100%の範囲内にある
ことが好ましい。この割合が10%未満の場合には、繊
維組紐6a中の中空糸膜4の膜面積が低下するため、モ
ジュール化する際に中空糸膜複合体6の使用本数が多く
なり、コンパクトなモジュール設計が困難となる恐れが
ある。したがって、繊維3の巻き付けを行う際には、中
空糸膜複合体6の軸線に垂直な断面において繊維組紐6
a内に形成される中空部断面積に対して、該中空部内の
全ての中空糸膜4の断面積の総和が、10〜100%と
なるように巻き付けを行って繊維組紐6aを形成するこ
とが好ましい。
【0022】本実施形態の繊維3としては、その材質に
特に制限はないが、強度や耐薬品性の高いものが好まし
く、用途等によって適宜選択される。具体的には、ポリ
アクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリオ
レフィン、ポリビニルアルコール、ガラス繊維、炭素繊
維等が挙げられ、これら単独の素材でもいいし、複数の
素材からなる繊維をそれぞれ混合したものでも構わな
い。
【0023】また、本実施形態の繊維3は、モノフィラ
メントであってもマルチフィラメントであっても構わな
い。そのフィラメントのデニール数は特にこだわるもの
ではなく、どのようなデニール数のフィラメントを用い
ることもできるが、0.1〜50000デニールの範囲
が好ましい。すなわち、0.1デニールよりも細いと、
繊維組紐6を引き上げていくスピードを遅くする必要が
あるため、加工にかかる時間が長くなりすぎる恐れがあ
る。また50000デニールよりも太い場合には、各ス
ピンドル2に蓄えることのできる繊維量が少なくなり、
各スピンドル2の交換頻度が多くなって生産性が低下
し、また、得られる中空糸膜複合体6が太くなりすぎ
て、モジュール化に際してコンパクト化することが困難
となる。
【0024】また、本実施形態で巻き付けを行う繊維3
の本数は、図1の中空糸膜複合体製造装置では24本と
しているが、これに限定されず、例えば8〜300本の
範囲内から適宜選択するのが好ましい。すなわち、7本
以下であると、得られる中空糸膜複合体における繊維組
紐の中空部径が細くなり、中空糸膜を締め付け、押しつ
ぶしてしまうという恐れがある。また、300本よりも
多いと、スピンドルの動く速度を低くする必要があり、
同時に中空糸膜複合体を得る速度が落ち、生産性が低下
する。また、得られる中空糸膜複合体における繊維組紐
の中空部径が太くなり、モジュールの加工が難しくな
る、という問題がある。
【0025】次に、各スピンドル2の移動について以下
に説明を続ける。上述したように、各スピンドル2は、
下方から導かれた中空糸膜4を中心としたほぼ円状の軌
道を移動するものであり、このときの個々のスピンドル
2の軌道やスピードについては特に制限はないが、効果
的に繊維3を交絡させるために、スピンドル2の軌道は
図3に示すような軌道をとることが好ましい。
【0026】すなわち、図3に示すように、前記巻き付
けでの繊維3の本数を偶数本(24本)とし、各スピン
ドル2が移動を行う軌道である円周上で互いに隣り合う
繊維3との回転方向を逆回転とし、かつ前記円周Cを中
心としてこの内周側、外周側に交互に行くように蛇行さ
せることで、隣の繊維3と互いに交絡してすれ違うよう
に回転させる軌道を取るのが好ましい。同図に示すよう
に、このとき、それぞれのスピンドル2はS字を描くよ
うに蛇行しながら、軌道9を周回する。この軌道9は、
前記スピンドル移動機構1上に形成されたものである。
そして、この軌道9に従って半数のスピンドル2bは左
回りに、もう半数のスピンドル2aは右回りにそれぞれ
移動することにより、中空糸膜4の外周に複数本の繊維
3を交絡させながら繊維組紐6aを形成する。
【0027】前述したように、本実施形態の中空糸膜複
合体製造装置には、前記繊維組紐引き上げ機構が設けら
れている。この繊維組紐引き上げ機構は、中空糸膜4と
その外周に形成された繊維組紐6a、すなわち中空糸膜
複合体6を上方に引き上げていく手段であるが、これは
ボビンのような巻き取り式のものや、回転するローラー
等で中空糸膜複合体6を引き上げる方式のものや、手で
中空糸膜複合体6を引き上げていく方式などが考えられ
(図示せず)、特にこだわるものではないが、引き上げ
る際に中空糸膜4を潰してしまうような力が加わる方式
のものは避けることが好ましい。
【0028】本実施形態の中空糸膜複合体6の製造方法
によれば、1本または複数本を束ねた中空糸膜4を、そ
の軸線方向に沿って直線的に上昇移動させると同時に、
前記軸線を中心とした円周上から供給される複数本の繊
維3を互いに反対回り、かつ、すれ違うときに互いに交
絡させるように前記軸線回りに回転させながら中空糸膜
4の外周に巻き付けて繊維組紐6aを形成して中空糸膜
複合体6を得る方法を採用することで、中空糸膜4の外
周を、その長手方向で均一に繊維3で補強した中空糸膜
複合体6を簡便かつ連続的に得ることが可能となる。
【0029】また、本実施形態の中空糸膜複合体6の製
造方法によれば、繊維組紐6a内に形成される中空部断
面積に対して、該中空部内の全ての中空糸膜4の断面積
の総和の比を、10〜100%の範囲内とすることで、
繊維組紐6aの内部空間の中空糸膜4の膜面積が低下せ
ずに済むので、モジュール化する際に中空糸膜複合体6
の使用本数を少なくでき、コンパクトなモジュール設計
が可能となる。
【0030】また、本実施形態の中空糸膜複合体6の製
造方法によれば、巻き付ける繊維本数を8〜300本の
範囲内とすることで、内部の中空糸膜を損なうことな
く、効率よく中空糸膜複合体を得ることが可能となる。
【0031】なお、上記実施形態の中空糸膜複合体6の
製造方法では、前記繊維組紐6aを1層だけ形成する場
合を説明したが、これに限らず、前記繊維3の巻き付け
を複数回行って繊維組紐6aを多層に形成することも可
能である。すなわち、図1に示す中空糸膜複合体製造装
置の下方から導入している中空糸膜4を、すでに中空糸
膜4の外周部に繊維組紐6aが形成されている中空糸膜
複合体6にすることで、複数の繊維組紐6aの層が形成
された中空糸膜複合体14を得ることができる。図4
に、この方法で得られた中空糸膜複合体14を示すが、
これは、中空糸膜束4に繊維組紐6aの巻き付けを3回
繰り返して3層の繊維組紐6aを形成したものである。
この中空糸膜複合体14の製造方法によれば、繊維3の
巻き付けを複数回行って繊維組紐6aを多層に形成する
ことで、繊維組紐6aの層数を1層とした場合に比較し
てさらに強く中空糸膜4を補強することが可能となる。
【0032】また、繊維組紐6aを多層に形成する方法
として、上記方法とは別の方法として、繊維巻き付け中
の中空糸膜4の移動方向を逆方向に切り替え、既に形成
された繊維組紐6aの外周に更なる繊維組紐6aを多層
に連続形成する方法もある。すなわち、図5に示すよう
に、(I)上記実施形態と同様の方法で単層の繊維組紐
6aを形成させたところで、(II)引き上げ方向と反対
方向である下方に移動させ、繊維組紐6aが形成された
外側に更に繊維組紐6aを形成させる。(III)所定長
さの繊維組紐6aを形成させたところで、再び上方向に
中空糸膜複合体6を引き上げながら繊維組紐6aを形成
させる。このような方法でも複数の繊維組紐6aの層を
有する中空糸膜複合体17が得られる。このような図5
の方法で得られた中空糸膜複合体17の縦断面は図6に
示す通りとなり、中空糸膜4を覆う繊維組紐6aは連続
した状態で多層を形成している。
【0033】図5に示した方法では、連続的に多層形成
された繊維組紐6aで覆われた中空糸膜複合体17を得
ることができ、前記繊維組紐引き上げ機構による中空糸
膜4の上下動の反転を必要回数だけ繰り返すことで、任
意の層数の繊維組紐6aを有する中空糸膜複合体17を
得ることができる。このような複数の繊維組紐6aを有
する中空糸膜複合体17は、機械的強度が向上し、耐薬
品性についても向上する。さらには、中空糸膜複合体1
7の外部から内部に向かう方向で液体を濾過する用途に
おいては、各層の繊維組紐6aがプレフィルター的な機
能も行うので、濾過性能や寿命も向上する。
【0034】
【発明の効果】本発明の中空糸膜複合体の製造方法によ
れば、1本または複数本を束ねた中空糸膜を、その軸線
方向に沿って移動させると同時に、前記軸線を中心とし
た円周上から供給される複数本の繊維を互いに反対回
り、かつ、すれ違うときに互いに交絡させるように前記
軸線回りに回転させながら、中空糸膜の外周に巻き付け
て繊維組紐を形成して中空糸膜複合体を得る方法を採用
した。これにより、中空糸膜の外周部を、その長手方向
で均一に繊維で補強した中空糸膜複合体を簡便かつ連続
的に得ることが可能となる。
【0035】また、繊維組紐内に形成される中空部断面
積に対して、該中空部内の全ての中空糸膜の断面積の総
和の比を、10〜100%の範囲内とすることで、繊維
組紐内空間の中空糸膜の膜面積が低下しなくて済むの
で、モジュール化する際に中空糸膜複合体の使用本数を
少なくでき、コンパクトなモジュール設計が可能とな
る。
【0036】また、巻き付ける繊維本数を8〜300本
の範囲内とすることで、内部の中空糸膜を損なうことな
く、効率よく中空糸膜複合体を得ることが可能となる。
【0037】また、繊維の巻き付けを複数回行って繊維
組紐を多層に形成したり、または、繊維巻き付け中の中
空糸膜の移動方向を逆方向に切り替えて、既に形成され
た繊維組紐の外周に更なる繊維組紐を多層に形成するこ
とで、繊維組紐の層数を1層とした場合に比較してさら
に強く中空糸膜を補強することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中空糸膜複合体の製造方法を採用し
た中空糸膜複合体製造装置の一例を示す斜視図である。
【図2】 同中空糸膜複合体製造装置によって製造され
た中空糸膜複合体の横断面の斜視図である。
【図3】 同中空糸膜複合体製造装置のスピンドルの軌
道を示す平面図である。
【図4】 上記実施形態の変形例で得られる中空糸膜複
合体を示す図であって、その軸線を含む断面での縦断面
図である。
【図5】 上記実施形態の他の変形例を示す図であっ
て、製造工程図であるる。
【図6】 図5の製造工程で得られた中空糸膜複合体を
示す図であって、その軸線を含む断面での縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3・・・繊維 4・・・中空糸膜 6、14、17・・・中空糸膜複合体 6a・・・繊維組紐
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 修身 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 GA32 GA41 HA01 JB09 MA01 MC16 MC22 MC28 MC33 MC39 MC49 MC54 MC58 MC62 4L046 AA03 AD01 BB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本または複数本を束ねた中空糸膜を、
    その軸線方向に沿って直線的に移動させると同時に、前
    記軸線を中心とした円周上から供給される複数本の繊維
    を互いに反対回り、かつ、すれ違うときに互いに交絡さ
    せるように前記軸線回りに回転させながら前記中空糸膜
    の外周に巻き付けて繊維組紐を形成して中空糸膜複合体
    を得ることを特徴とする中空糸膜複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中空糸膜複合体の製造方
    法において、 前記繊維の巻き付けでの、前記中空糸膜複合体の軸線に
    垂直な断面での前記繊維組紐内に形成される中空部断面
    積に対する、該中空部内の前記中空糸膜の断面積の総和
    の比を、10〜100%とすることを特徴とする中空糸
    膜複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の中空糸膜複合体
    の製造方法において、 前記巻き付けでの繊維本数を8〜300本の範囲内とす
    ることを特徴とする中空糸膜複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸
    膜複合体の製造方法において、 前記巻き付けでの繊維本数を偶数本とし、 前記円周上で互いに隣り合う繊維との回転方向を逆回転
    とし、かつ前記円周を中心に蛇行させて隣の繊維と互い
    に交絡してすれ違うように回転させることを特徴とする
    中空糸膜複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸
    膜複合体の製造方法において、 前記繊維の巻き付けを複数回行って前記繊維組紐を多層
    に形成することを特徴とする中空糸膜複合体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸
    膜複合体の製造方法において、 前記繊維巻き付け中の前記中空糸膜の移動方向を逆方向
    に切り替え、既に形成された繊維組紐の外周に更なる繊
    維組紐を多層に連続形成することを特徴とする中空糸膜
    複合体の製造方法。
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