JP2001060805A - 誘電体共振器及び誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体共振器及び誘電体フィルタ

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JP2001060805A JP11233684A JP23368499A JP2001060805A JP 2001060805 A JP2001060805 A JP 2001060805A JP 11233684 A JP11233684 A JP 11233684A JP 23368499 A JP23368499 A JP 23368499A JP 2001060805 A JP2001060805 A JP 2001060805A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体共振器の数を減少することを可能とし
て小型化とコスト低減を図り、且つ帯域外特性の良好な
誘電体フィルタを実現すること。 【解決手段】 略直方体形状の誘電体ブロック1に、一
つの稜部を欠落させて面2aを形成すると共に、前記一
つの稜部と平行とならないもう一つの稜部を欠落させて
面2bを形成することにより、誘電体ブロック1の3つ
の共振モードを結合させた3重モード誘電体共振器を遮
断導波管3内に1個配置し、励振手段として先端を入出
力端子9、9により開放した棒状のアンテナ8、8を設
けて誘電体フィルタを構成する。1個の誘電体ブロック
1で3段のフィルタに相当する特性が得られるので、小
型化とコストの低減が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯や準
マイクロ波帯等の高周波帯の無線通信等で使用される誘
電体フィルタ及びかかる誘電体フィルタに用いる誘電体
共振器に関し、特に、1つの誘電体ブロックで3つの共
振モードを使用し得る3重モード誘電体共振器及びかか
る誘電体共振器を用いた誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】遮断導波管内に円筒状もしくは直方体状
の誘電体を連続的に配置し、誘電体の円筒TE01 δモー
ド、もしくは矩形TE11 δモードの共振を利用する誘電
体フィルタは、無負荷Qが高く、かつ導波管型のフィル
タに比べて小型化が可能なことから、低損失かつ小型化
が求められるフィルタに広く利用されている。このモー
ドの共振は、誘電体と空気の境界面において電界が反射
を繰り返すことによって生じる。共振周波数は、誘電体
の誘電率と大きさに依存する。誘電率が大きいほど、共
振器は小型化できる。また、この共振によって発生した
磁界が次段の共振器を励振し、これが誘電体フィルタの
段間の結合に相当する。結合の大きさは主に共振器間の
距離によって決まり、距離が大きいほど結合量が小さ
い。かかる誘電体フィルタの調整手段としては、電界の
反射面と垂直な向きにネジを入れて共振周波数を上げ
る、共振器と共振器の間にネジを入れて結合を強める、
等の方法がとられる。
【0003】一方、小型化を図るために、2重モードの
誘電体共振器を利用した誘電体フィルタもある。これ
は、例えば、円筒導波管内に、円筒の誘電体共振器を円
筒の軸をそろえて導波管中央に配置し、この円筒軸に直
交する2方向に生じる2つの共振(HE11 δモード)
を、導波管側からネジなどの手段によって、共振の電磁
界を乱して結合させ、1つの共振器で2つの共振を得る
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、誘電
体の円筒TE01 δ、矩形TE11 δモードによる共振器の
共振周波数は、誘電体の誘電率と大きさに依存し、誘電
率が大きいほど、共振器を小型化できるので、この誘電
体共振器を利用したフィルタを小型化するためには、誘
電体の誘電率を上げるのが最も簡単な方法である。
【0005】しかしながら、一般に、誘電体フィルタで
使われるような低損失な誘電体においては誘電率が大き
いほど誘電損失が大きいという特徴を持つため、挿入損
失を小さく保ちながら小型化するには限界がある。更
に、このような低損失な誘電体は高価であり、段数が増
えるほど、当然使用する誘電体の個数が増えるため、高
価なフィルタになってしまう。
【0006】また、小型化のためにHE11 δの2重モー
ドの誘電体共振器を利用したフィルタでは、HE11 δ
最低次のモードではないため、使用する帯域近辺に不要
なモードが多く励起してしまい、帯域外の特性が悪くな
ってしまうことが多いという問題がある。
【0007】本発明の目的は、従来の円筒TE01 δ、矩
形TE11 δモードによる誘電体フィルタの無負荷Qが高
いという利点を活かしつつ、今まで不要とされていたモ
ードを帯域内に取り込み、フィルタ特性に必要な共振の
一部として作用させることで、誘電体共振器の数を大幅
に減少することを可能として小型化とコスト低減を図
り、且つ帯域外特性の良好な誘電体フィルタを実現する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するため、本発明では、1つの誘電体ブロックで3つの
共振モードを使用して誘電体フィルタの小型化を図る。
即ち、誘電体材料から成る略直方体のブロックにおい
て、この誘電体ブロックの1つの稜部と、これと平行と
ならないもう1つの稜部を欠落させることで、単一の誘
電体ブロック内の、3つの共振モードを結合させること
ができる。
【0009】即ち、請求項1記載の誘電体共振器は、略
直方体形状の誘電体ブロックの一つの稜部を欠落させる
と共に、該一つの稜部と平行とならない他の一つの稜部
を欠落させることにより、前記誘電体ブロックの3つの
共振モードを結合させたことを特徴とする。
【0010】略直方体の誘電体ブロックにおいて、矩形
TE11 δモードが直交する3軸方向にそれぞれ存在でき
るのは物理的な対称性から明らかである。従来のTE11
δモードやHE11 δモードを利用する誘電体フィルタで
は、この3軸方向の共振のうち、1つもしくは2つの共
振のみを使用してフィルタを構成しており、残る2つも
しくは1つの共振はむしろ不要な共振として悪影響を及
ぼすものであった。本発明では、この残る共振を積極的
に利用し、共振器1つで共振器3つ分の役割を果たさせ
ようとするものである。
【0011】また、請求項2記載の誘電体フィルタは、
請求項1記載の誘電体共振器を、遮断導波管内に少なく
とも1個配置したことを特徴とする。
【0012】上記の誘電体共振器を、遮断導波管内に1
個もしくは複数個配置してフィルタを構成することによ
り、小型で低損失な誘電体フィルタを製作できるからで
ある。
【0013】更に、請求項3記載の誘電体フィルタは、
前記誘電体共振器を前記遮断導波管内に2個以上配置
し、該誘電体共振器相互間に導電性材料から成る仕切手
段を設けたことを特徴とする。
【0014】これは、複数個の共振器を使う場合、共振
器と共振器の間に導電性の仕切を設けることで、共振器
間の各モードの結合量を適切に調整することができ、帯
域内の特性に必要な結合量をとることや、帯域外に減衰
極を作ることが可能になるからである。
【0015】また、請求項4記載の誘電体フィルタにお
いては、前記誘電体共振器の側面から所定距離離れた位
置に、前記側面と平行に一端を前記遮断導波管に接触さ
せた金属棒を配置し、該金属棒の長さによって、各共振
の共振周波数と各共振間の結合量を調整可能に構成され
ていることを特徴とする。
【0016】これは、本発明による3重モードの誘電体
共振器を用いたフィルタは、誘電体共振器の側面から一
定距離離れた位置に、誘電体共振器の側面と平行に遮断
導波管からネジなどの金属棒を入れることで、共振周波
数と結合量を調整することができ、これと従来方法から
なる調整手段を組み合わせることでフィルタの調整範囲
を広くとれるからである。
【0017】尚、請求項5記載の誘電体フィルタにおい
ては、前記遮断導波管内に、更に、請求項1記載の誘電
体共振器以外の共振器をも搭載したことを特徴とする。
【0018】本発明による3重モード誘電体共振器と、
誘電体TE01 δモードや、金属導体によるTEMモード
などの共振器を組み合わせることで、任意の段数の小型
なフィルタを構成し得るからである。この組み合わせる
共振器として、不要共振が少ない、あるいは不要共振が
必要な帯域から遠い共振器を用いれば、フィルタ全体の
帯域外特性を改善することも可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形
態に係る3重モード誘電体共振器を示す透過斜視図であ
る。本実施形態の3重モード誘電体共振器は、略直方体
形状の誘電体ブロック1の一つの稜部を欠落させた面2
aを有すると共に、該一つの稜部と平行とならない他の
一つの稜部を欠落させた面2bを有することにより、誘
電体ブロック1の3つの共振モードを結合させたもので
ある。尚、図1中には、xyz軸が誘電体ブロック1と
は別個に示されているが、これらx、y、z軸は、それ
ぞれ、元の略直方体形状の誘電体ブロック1の各2面と
直交する関係にある。以下の図においても、同様であ
る。
【0020】即ち、今、図1に示すx−y−zの直交座
標系において、まず、z方向がTE波の伝搬方向となる
ように電磁界を励起する。すると、電界が誘電体と空気
の境界面で180゜反射することにより、z方向で反射
を繰り返し、ある周波数において、図2(a)及び
(b)に示す矩形TE11 δモードの共振を起こす。とこ
ろが、図1に示すように、この誘電体ブロック1のy軸
に平行となる一稜部が欠落し、稜部が欠落した面2aを
有していると、面2a上で、電界の接線成分(y成分)
は90゜方向に反射し、x方向に伝搬する。即ち、伝搬
方向zのy成分は、面2aにおいては反射し伝搬方向x
のy成分となる。このx方向に生じた電波も、z方向と
同様境界面での反射を繰り返し、共振が励起される。同
様の原理により、誘電体ブロック1のz軸と平行となる
一稜部が欠落し、稜部が欠落した面2bを有している
と、y方向の共振が励起され、共振器1つで3つの共振
が次々と励起される。以上が結合の原理である。共振器
中の実際の電磁界は、3方向の成分が同時に存在するた
め縮退しているが、図3(a)に示すように、z方向の
共振がフィルタの1段目、図3(b)に示すように、x
方向が2段目、図3(c)に示すように、y方向が3段
目と考えることができる。共振周波数は、誘電体ブロッ
クが立方体のとき、2段目の共振周波数が高くなってし
まう。3つの共振周波数を合わせるためには、2段目つ
まり図1のx方向に誘電体ブロック1の寸法を短くすれ
ばよい。また、結合については、稜部が欠落した面2a
は1段目と2段目の結合、稜部が欠落した面2bは2段
目と3段目の結合と考えることができる。
【0021】上述した稜部を欠落させる寸法を変えた場
合に、結合がどのように変化するかを調べ、その結果を
図4(a)に示す。ここでは、略立方体の誘電体ブロッ
ク1の稜部を欠落させる部分の寸法Cと、この欠落部分
を含めたある面全体の寸法Lを、図4(b)に示すよう
に取り、C/Lを異ならせた4つの場合について結合係
数の変化を調べた。図4(a)に示すように、稜部を欠
落させる部分の寸法Cの全体の寸法Lに占める割合が大
きくなるに連れて、結合係数は単調に増加している。従
って、誘電体ブロック1において、稜部を欠落させる部
分の寸法を大きく取るほど、結合を強くし得ることが分
かった。
【0022】(実施例1)図5は、上記の3重モード誘
電体共振器1つを利用した、実施例1の誘電体フィルタ
の透過斜視図である。即ち、本実施例の誘電体フィルタ
は、図5に示すように、略直方体形状の誘電体ブロック
1に、一つの稜部を欠落させて面2aを形成すると共
に、前記一つの稜部と平行とならないもう一つの稜部を
欠落させて面2bを形成することにより、誘電体ブロッ
ク1の3つの共振モードを結合させた3重モード誘電体
共振器50を遮断導波管3内に1個配置し、励振手段と
して先端を入出力端子9、9により開放した棒状のアン
テナ8、8を設けて誘電体フィルタを構成したものであ
る。この実施例1の誘電体フィルタでは、誘電体共振器
50の励振手段として先端開放のアンテナ8、8を用い
ている。実際には、誘電体共振器50は遮断導波管3に
接触しないように低誘電率の誘電体等によって支持され
るが、この低誘電率の誘電体等を本図では省略してい
る。図5に示した誘電体フィルタの特性例を図6(a)
及び(b)に示す。図6(a)に示すように、反射損失
の極が3つ現れており、3段のフィルタに相当する特性
が得られていることが分かる。また、図6(b)に示す
ように、中心周波数より高い周波数の側で2つの減衰極
62、64を生じることが分かった。
【0023】(比較例1)図7は、従来のTE11 δモー
ドを利用した、3段の誘電体フィルタの比較例1を示す
透過斜視図である。即ち、この比較例1の誘電体フィル
タは、長手の遮断導波管3内に、相互に所定の距離をお
いて3個の誘電体ブロック1を配置し、遮断導波管3の
長手方向の両端部に、励振手段として先端を入出力端子
9、9により開放した棒状のアンテナ8、8を設けてい
る。また、3個の誘電体ブロック1相互間には、一端を
遮断導波管3に接触させたネジ4、4を配置し、誘電体
間の結合を調整するようにしている。尚、10は各共振
器(誘電体ブロック1)を支持する台であり、各共振器
(誘電体ブロック1)の共振周波数は、各金属棒12に
より調整される。
【0024】誘電体ブロック1の体積は、図5に示した
実施例1による誘電体フィルタの方が、上記図7に示す
比較例1より若干大きくなるが、比較例1では、図7に
示すように、誘電体ブロック1と誘電体ブロック1の間
に結合量に対応した距離が必要である。図5に示した実
施例1による誘電体フィルタでは、1個の誘電体ブロッ
ク1で3段のフィルタに相当する特性が得られるので、
かかる距離が不要なことから、フィルタ全体の体積とし
ては、比較例1の3分の1以下になる場合もある。以上
のように、実施例1では、3重モード誘電体共振器を用
いて、小型な誘電体フィルタを実現することが可能であ
る。
【0025】(比較例2)図8は、従来のHE11 δ2重
モードを利用した誘電体フィルタの比較例2を示す透過
斜視図である。即ち、この比較例2の誘電体フィルタ
は、円筒形の遮断導波管3内に、遮断導波管3と接触し
ないように低誘電率の誘電体等(図示せず)によって支
持して円筒状の誘電体ブロック1を配置し、遮断導波管
3の両端部に、先端を入出力端子9、9により開放した
棒状のアンテナ8、8を、相互に角度を異ならせて設け
ている。この2重モード誘電体共振器における2つの共
振は、金属棒13により、その結合を調整される。
【0026】図9に、図8に示した比較例2の誘電体フ
ィルタの通過特性を示す。尚、図9では、図6(b)と
全く同じ帯域を示している。
【0027】この比較例2の誘電体フィルタでは、通過
帯域の高周波側の近くに、図9の参照符号92で示すよ
うに、不要な共振を励起してしまっている。これに対し
て、上述した実施例1による誘電体フィルタでは、図6
(b)に示したように、通過帯域の高周波側には、急峻
な減衰極62、64を生じており、フィルタとしてより
優れた特性を有していることは明らかである。
【0028】(実施例2)図10は、上記の3重モード
誘電体共振器を2つ利用した、実施例2の誘電体フィル
タの透過斜視図である。即ち、この実施例2の誘電体フ
ィルタは、遮断導波管3内に、相互に所定の距離をおい
て図1に示した3重モード誘電体共振器を2個配置し、
遮断導波管3の長手方向の両端面から、該両端面で入出
力端子9、9により開放した棒状のアンテナ8、8を、
それぞれx軸方向に設けている。また、2個の3重モー
ド誘電体共振器相互間には、一端を遮断導波管3の上面
に接触させたネジ4を配置し、誘電体間の結合を調整す
るようにしている。尚、各共振器(誘電体ブロック1)
を支持する台は、本図でも省略している。
【0029】この実施例2の誘電体フィルタでは、3重
モード誘電体共振器が2つあるので計6段のフィルタと
なる。図10では、2つの誘電体共振器をy方向の共振
で強く結合させるため、共振器間に金属棒(ネジ)4を
入れている。
【0030】(実施例3)図11は、上記の3重モード
誘電体共振器を2つ利用した誘電体フィルタにおいて、
2つの誘電体ブロック1の間に金属の仕切5を設けた、
実施例3の誘電体フィルタの透過斜視図である。即ち、
この実施例3の誘電体フィルタは、上述した実施例2と
同様に、遮断導波管3内に、相互に所定の距離をおいて
図1に示した3重モード誘電体共振器を2個配置し、遮
断導波管3の長手方向の両端面から、該両端面で入出力
端子9、9により開放した棒状のアンテナ8、8を、そ
れぞれx軸方向に設けている。本実施例では、2個の3
重モード誘電体共振器相互間に、実施例2のネジ4に代
わって、金属の仕切5を設けたものである。また、図1
1に示すように、一方の誘電体ブロック1の、上述した
他の一つの稜部を欠落させた面2bは、図10に示した
実施例2のそれと異なる位置に形成されている。尚、各
共振器(誘電体ブロック1)を支持する台は、本図でも
省略している。
【0031】この誘電体フィルタの周波数特性を図12
に示す。実施例3の誘電体フィルタでは、金属の仕切5
により、共振器間の、x方向とz方向の共振による結合
を弱め、共振器間の結合を主にy方向の共振でとること
ができる。また、この金属の仕切5の位置と各誘電体ブ
ロック1の向きを変化させることによって、任意の位置
に減衰極を作ることが可能となる。図11に示した実施
例3のような共振器の形状、励振手段、金属の仕切5を
用いると、図12に示すように、通過帯域の低周波側と
高周波側の両側に、それぞれ減衰極122、124を作
ることができる。
【0032】(実施例4)図13は、上記誘電体フィル
タの金属棒による調整方法を示す図である。実際は金属
棒としてネジを使用し、このネジの出し入れによって調
整を行う。この金属棒は、誘電体から漏れ出す磁界に作
用する。図13中の6aの位置にある金属棒は、x方向
の共振において、この共振の磁束と鎖交するため磁界が
強まり共振周波数が下がる。これは並列共振回路におい
て等価インダクタンスが大きくなることに等しい。同様
に6bはy方向の共振周波数を下げる。従来技術の通
り、6cの位置の金属棒はz方向の共振周波数を上げる
ので、この調整をx、y、zの3方向に組み合わせるこ
とで、広い範囲で周波数の調整ができる。結合について
は、7aはx方向とy方向の共振の結合を弱め、7bは
逆に結合を強くするように働くので調整範囲は広い。以
上のように、金属棒を用いた事後調整が可能であるの
で、共振器を製造する際に、誘電体ブロックの寸法や誘
電率に求められる精度を緩和することができ、それによ
って製造コストを低く抑えることができる。
【0033】(実施例5)図14は、本発明の3重モー
ド誘電体共振器と、金属からなるTEMモード共振器を
組み合わせて構成した、実施例5に係る8段の誘電体フ
ィルタを示す透過斜視図である。即ち、この実施例5の
誘電体フィルタは、遮断導波管3内に、相互に所定の距
離をおいて図1に示した3重モード誘電体共振器を2個
配置すると共に、その両側にそれぞれ金属からなるTE
Mモード共振器11を配置している。尚、遮断導波管3
の両端部には、入出力端子9、9により開放した棒状の
アンテナ8、8を、それぞれy軸方向に設けている。本
実施例では、2個の3重モード誘電体共振器相互間及び
各3重モード誘電体共振器と各TEMモード共振器11
間に、合計3枚の金属の仕切5を設けている。尚、各共
振器を支持する台は、本図でも省略している。3重モー
ド誘電体共振器だけを使用してフィルタを作ると、3の
倍数の段数でしかフィルタを構成できないことになる
が、本発明の3重モード誘電体共振器に、例えば、従来
技術からなる誘電体の単一TE01 δモードの共振器等を
組み合わせることで、任意の段数のフィルタを構成する
ことが可能になる。また、図14のように、TEMモー
ド共振器11を組み合わせると、共振周波数の奇数倍以
外の不要な共振が抑えられる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、1
つの誘電体ブロックで3つの共振器の役割を果たす3重
モード誘電体共振器を実現することが可能となる。ま
た、この3重モード誘電体共振器を用いることで、誘電
体フィルタの小型化を図ることができる。小型化の結果
として、軽量化も図れ、使用する共振器の数が減るた
め、コスト低減にもつながる。また、任意に減衰極を配
置したり、不要共振を回避できる等の効果を得ることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る3重モード誘電体共
振器を示す透過斜視図である。
【図2】矩形TE11 δモードの共振を説明するための図
であり、(a)は、電界の作用する方向、(b)は、磁
界の作用する方向、をそれぞれ示す。
【図3】共振器1つで3つの共振が次々と励起される原
理を説明するための図であり、(a)は、z方向の共振
がフィルタの1段目、(b)は、x方向が2段目、
(c)は、y方向が3段目、であることをそれぞれ示
す。
【図4】稜部を欠落させる寸法を変えた場合に、結合が
どのように変化するかを説明するための図であり、
(a)は、その結果を示すグラフ、(b)は、稜部を欠
落させる部分の寸法Cとこの欠落部分を含めたある面全
体の寸法Lの取り方、をそれぞれ示す。
【図5】3重モード誘電体共振器1つを利用した、実施
例1の誘電体フィルタの透過斜視図である。
【図6】図5に示した誘電体フィルタの特性例を示す図
であり、(a)は、通過損失及び反射損失と周波数との
関係、(b)は、通過損失の広帯域特性、をそれぞれ示
す。
【図7】従来のTE11 δモードを利用した、3段の誘電
体フィルタの比較例1を示す透過斜視図である。
【図8】従来のHE11 δ2重モードを利用した誘電体フ
ィルタの比較例2を示す透過斜視図である。
【図9】図8に示した比較例2の誘電体フィルタの通過
特性を示す。
【図10】3重モード誘電体共振器を2つ利用した、実
施例2の誘電体フィルタの透過斜視図である。
【図11】3重モード誘電体共振器を2つ利用した誘電
体フィルタにおいて、2つの誘電体ブロックの間に金属
の仕切を設けた、実施例3の誘電体フィルタの透過斜視
図である。
【図12】図11に示した誘電体フィルタの周波数特性
を示す図である。
【図13】誘電体フィルタの金属棒による調整方法を示
す図である。
【図14】本発明の3重モード誘電体共振器と、金属か
らなるTEMモード共振器を組み合わせて構成した、実
施例5に係る8段の誘電体フィルタを示す透過斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 誘電体ブロック 2a、2b 誘電体ブロックの稜部が欠落した面 3 遮断導波管 4 誘電体間の結合を調整するネジ 5 誘電体間の結合を調整する金属の仕切 6a、6b 3重モード共振器の共振周波数を調整する
金属棒の位置 6c 従来の方法による共振周波数を調整する金属棒の
位置 7a、7b 3重モード共振器の結合量を調整する金属
棒の位置 8 アンテナ 9 フィルタの入出力端子 10 共振器を支持する台 11 TEMモード共振器 12 従来の方法による共振周波数を調整する金属棒 13 2重モード誘電体共振器で2つの共振を結合させ
る金属棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 明宏 仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会 社トーキン内 Fターム(参考) 5J006 HC03 HC12 HC14 JA01 JA14 JA15 LA11 LA21 MA01 MB01 NA01 ND01 ND02 NE02 NE11 NE13 NE14 PA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体形状の誘電体ブロックの一つの
    稜部を欠落させると共に、該一つの稜部と平行とならな
    い他の一つの稜部を欠落させることにより、前記誘電体
    ブロックの3つの共振モードを結合させたことを特徴と
    する誘電体共振器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体共振器を、遮断導
    波管内に少なくとも1個配置したことを特徴とする誘電
    体フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の誘電体フィルタにおい
    て、前記誘電体共振器を前記遮断導波管内に2個以上配
    置し、該誘電体共振器相互間に導電性材料から成る仕切
    手段を設けたことを特徴とする誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の誘電体フィルタに
    おいて、前記誘電体共振器の側面から所定距離離れた位
    置に、前記側面と平行に一端を前記遮断導波管に接触さ
    せた金属棒を配置し、該金属棒の長さによって、各共振
    の共振周波数と各共振間の結合量を調整可能に構成され
    ていることを特徴とする誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4記載の誘電体フィルタに
    おいて、前記遮断導波管内に、更に、請求項1記載の誘
    電体共振器以外の共振器をも搭載したことを特徴とする
    誘電体フィルタ。
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