JP2001059859A - 薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造方法 - Google Patents

薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造方法

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JP2001059859A
JP2001059859A JP11234996A JP23499699A JP2001059859A JP 2001059859 A JP2001059859 A JP 2001059859A JP 11234996 A JP11234996 A JP 11234996A JP 23499699 A JP23499699 A JP 23499699A JP 2001059859 A JP2001059859 A JP 2001059859A
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亮 中林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の薄膜磁気インピーダンス効果素子の製
造方法では、感磁部に素子幅方向の一軸異方性を誘導す
る目的で、感磁部となる軟磁性薄膜成膜後の磁場中アニ
ールが試みられてきたが、充分に強い一軸異方性を与え
ることができなかった。 【解決手段】 薄膜磁気インピーダンス効果素子の感磁
部となる軟磁性薄膜12の成膜を、軟磁性薄膜12に静
磁場H1をかけながら行うことにより、軟磁性薄膜12
に強い一軸異方性を誘導することができ、外部磁界の変
化を敏感に検出することができる薄膜磁気インピーダン
ス効果素子を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界センサとして
利用できる薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造方法
に係り、特に、製造過程において、前記薄膜磁気インピ
ーダンス効果素子の感磁部に、素子幅方向を磁化容易軸
とする一軸異方性を確実に与えることによって、高感
度、高分解能の薄膜磁界センサーを提供することのでき
る薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器、計測機器、制御機器な
どの急速な発展に伴って、従来の磁束検出型のものより
更に小型、高感度且つ高速応答性(高周波動作)の磁界
センサが求められ、磁気インピーダンス効果(Magn
eto−Impedance−Effect)を有する
素子(磁気インピーダンス効果素子)が注目されるよう
になってきている。
【0003】ワイヤ状に形成された軟磁性材料からなる
感磁部に微少高周波電流を通電すると、前記感磁部の両
端にインピーダンスによる出力電圧が発生する。微少高
周波電流を通電した軟磁性材料からなる感磁部に、外部
磁界を印加すると感磁部のインピーダンスが敏感に変化
して、出力電圧が変化することを、磁気インピーダンス
効果という。
【0004】磁気インピーダンス効果素子とは、磁気イ
ンピーダンス効果を利用して外部磁界の大きさを検出す
ることができる素子のことである。
【0005】外部磁界の印加による軟磁性材料からなる
感磁部のインピーダンスの変化は、磁性材料に交流電流
を通電したときに、交流電流がその表面近くを流れよう
とする「表皮効果」が、外部磁界によって変化するため
であることが知られている。
【0006】具体的には、磁気インピーダンス効果と
は、図11に示す閉回路において、ワイヤ状の感磁部M
iに電源EacからMHz帯域の交流電流Iacを印加
している状態で、感磁部Miの素子長手方向に外部磁界
Hexが印加されると、感磁部Mi両端に素材固有のイ
ンピーダンスによる出力電圧Emiが発生し、出力電圧
Emiの振幅が外部磁界Hexの強度に対応して数10
%の範囲で変化する、すなわちインピーダンス変化を起
こす現象をいう。
【0007】磁気インピーダンス効果を有する軟磁性材
料からなる感磁部Miは、素子の外周方向に励磁される
ので反磁場がなく、磁化ベクトルが感磁部Miの素子長
手方向、すなわち交流電流Iacが流れる方向へわずか
に回転するだけで透磁率が急激に変化するので、素子長
手方向の反磁場も小さく、感磁部Miの長さを1mm程
度にしても磁界検知感度がほとんど劣化しない。
【0008】また、磁気インピーダンス効果素子は、1
-5Oe程度の高分解能を有する微弱磁界センサが得ら
れるという特性や、数MHz以上の励磁が可能であるた
めに数百MHzの高周波励磁を振幅変調のキャリアとし
て自由に使用でき、磁界センサとして使用するときに、
遮断周波数を10MHz以上に設定することが容易であ
るという特性や、消費電力を10mW以下にすることが
できるという特性を持つ。
【0009】磁気インピーダンス効果素子の感磁部に
は、当初アモルファスワイヤーが用いられていた。しか
し、アモルファスワイヤーは材料としての生産性には優
れているが、磁界センサへの応用には、不適当な特性を
多く有する。
【0010】たとえば、記録波長が数μm以下の記録媒
体に対して数十μm以下の円形の先端では、先端部にお
ける形状的損失により磁束を素子に吸収できないこと、
また、交流電流を流すための配線材を接続するための電
極部の形成が困難であること、数十μmの径のワイヤー
は、曲がりやすく、素子の位置合わせが困難であるこ
と、または、壊れやすいことといった問題点があった。
【0011】そこで、磁気インピーダンス効果素子の感
磁部を、軟磁性薄膜で構成することにより、基板上に任
意の厚さや幅、長さで形成することを可能にし、上記の
問題点を解決することが提案されている。
【0012】図12は、薄膜磁気インピーダンス効果素
子の斜視図である。図12の薄膜磁気インピーダンス効
果素子は、アルミナチタンカーバイドなどの非磁性材料
からなる基板1上に、軟磁性材料をスパッタ法などの真
空成膜法によって薄膜形成することにより形成された感
磁部2、および感磁部2の両端部にCuなどの導電性材
料により形成された電極層3,3によって構成されてい
る。
【0013】薄膜磁気インピーダンス効果素子に電極層
3,3から素子長手方向(Y方向)に駆動交流電流を与
え、感磁部2を素子幅方向(X方向)に励磁する。この
状態で、外部磁界Hexが素子長手方向に印加される
と、感磁部2のインピーダンスが変化する。感磁部2の
インピーダンス変化を、電極層3,3間の電圧の変化と
して取り出す。
【0014】なお、磁気インピーダンス効果素子の感磁
部を軟磁性薄膜で構成することができると、一枚の基板
上に同時に多数の磁気インピーダンス効果素子を薄膜形
成することができるので、素子の生産性が飛躍的に向上
するという効果も得られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】磁気インピーダンス効
果素子の感磁部をワイヤーで構成するときには、負磁歪
の軟磁性アモルファス材料を延伸加工することにより、
ワイヤーの円周方向に磁区内の磁気モーメントが配向し
た磁区構造を生じさせている。
【0016】このような円周磁区構造を持つワイヤー型
感磁部の長手方向に駆動交流電流を流し、磁気インピー
ダンス効果素子を円周方向に励磁する。このとき、ワイ
ヤー型感磁部の長手方向に外部磁界が印加されると、円
周磁区内の磁気モーメントが、交流電流が流れる方向に
回転し、磁気インピーダンス効果素子の円周方向の透磁
率が変化して、ワイヤー型感磁部を流れる駆動交流電流
の表皮厚さが変化し、インピーダンスが変化する。
【0017】一方、磁気インピーダンス効果素子の感磁
部を薄膜によって構成するときには、非磁性基板上に略
長方形に形成し、さらに、感磁部の素子幅方向に一軸異
方性を誘導させることが好ましい。
【0018】図13は、素子幅方向(X方向)に一軸異
方性が誘導された磁気インピーダンス効果素子の感磁部
2Aの磁区構造を説明するための概念平面図である。
【0019】図13の磁気インピーダンス効果素子の感
磁部2Aでは、素子幅方向(X方向)に磁気モーメント
が配向した磁区構造aが生じている。静磁エネルギーを
低下させるため、隣りあう磁区の素子幅方向の磁気モー
メントは互いに反対方向を向き、また、感磁部2Aの表
面付近には、素子長手方向に磁気モーメントが配向して
いる三角磁区bが形成されている。
【0020】略長方形に形成された感磁部2Aの素子長
手方向(Y方向)に、駆動交流電流を流し、素子幅方向
に励磁する。
【0021】この時、図13のように感磁部2Aの素子
幅方向が磁化容易軸とされていると、前記素子長手方向
に外部磁界を印加したときの、感磁部2Aの透磁率の変
化率が大きくなり、インピーダンスの変化率も大きくな
る。つまり、薄膜磁気インピーダンス効果素子に印加さ
れる外部磁界の変化に対する、薄膜磁気インピーダンス
効果素子のインピーダンスの変化率が大きくなるので、
磁気センサーとして優れた特性を有することになる。
【0022】図12のような薄膜磁気インピーダンス効
果素子を製造する従来の方法では、スパッタ法等の真空
成膜法によって、基板1上に成膜された軟磁性薄膜を略
長方形にパターン形成して感磁部2を形成した後に、感
磁部2を素子幅方向の磁場H中で熱処理することによっ
て、感磁部2に一軸異方性を誘導し、感磁部2の素子幅
方向を磁化容易軸方向にさせることが試みられてきた。
【0023】しかし、感磁部2形成後の磁場中熱処理に
よって、感磁部2に一軸異方性を誘導しようとする製造
方法では、誘導される異方性が弱すぎて、図13のよう
な磁区構造を持つ感磁部2Aを得ることができないとい
う問題が生じていた。
【0024】すなわち、成膜後の磁場中アニールのみに
よって誘導された異方性では、感磁部2の素子長手方向
に磁区内の磁気モーメントが配向した磁区構造cを生じ
させて反磁場の影響を最小にしようとする形状磁気異方
性に打ち勝つことができずに、図14のような磁区構造
cを持つ感磁部2Bになってしまっていた。
【0025】図14のような磁区構造cを持つ感磁部2
Bの素子長手方向に外部磁界を印加したときの透磁率の
変化率は、図13の感磁部2Aの素子長手方向に外部磁
界を印加したときの透磁率の変化率より著しく小さくな
り、インピーダンスの変化率も小さくなる。
【0026】すなわち、従来の製造方法では、磁気セン
サーとして優れた特性を有する薄膜磁気インピーダンス
素子を提供することが困難であった。
【0027】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、感磁部の素子幅方向に磁区内の磁気モーメ
ントが配向した磁区構造が生じており、外部磁界の変化
に対するインピーダンスの変化率が大きく、磁気センサ
ーとして優れた感度と分解能を有する薄膜磁気インピー
ダンス効果素子の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気インピ
ーダンス効果素子の製造方法は、(a)非磁性材料から
なる基板上に、軟磁性薄膜を一定方向の静磁場中で成膜
する工程を有することを特徴とするものである。
【0029】本発明では、軟磁性薄膜を静磁場中で成膜
することにより、感磁部となる前記軟磁性薄膜に、一軸
異方性を強く付与することができる。
【0030】したがって、後の工程で、前記軟磁性薄膜
を略長方形にパターン形成して感磁部を形成した場合に
発生する形状磁気異方性によって、磁化容易軸方向が、
素子幅方向から、素子長手方向に変化してしまうことを
防ぐことができる。
【0031】すなわち、本発明では薄膜磁気インピーダ
ンス効果素子の感磁部の磁化容易軸方向を、確実にその
素子幅方向に向かせることができる。
【0032】従って、前記感磁部の素子長手方向に外部
磁界を印加したときの、前記感磁部の透磁率の変化率が
大きくなり、インピーダンスの変化率も大きくすること
ができる。
【0033】つまり、本発明の製造方法によって製造さ
れた薄膜磁気インピーダンス効果素子は、印加される外
部磁界の変化に対する、薄膜磁気インピーダンス効果素
子のインピーダンスの変化率が大きくすることができ、
磁気センサーとして優れた特性を有する。
【0034】また、前記(a)の工程の後に、(b)前
記軟磁性薄膜を、前記(a)の工程において静磁場がか
けられた方向が素子幅方向(X方向)となるように略長
方形にパターン形成して感磁部を形成する工程と、
(c)前記(b)の工程で、略長方形にパターン形成さ
れた感磁部を、この感磁部の素子幅方向の静磁場中、回
転磁場中、または無磁場中で熱処理にかける工程を有す
ると、前記感磁部により強い一軸異方性を誘導すること
ができ、磁化容易軸方向をより確実にその素子幅方向に
向かせることができるので好ましい。
【0035】または、前記(a)の工程の後に、(d)
前記(a)の工程で形成された軟磁性薄膜を、前記軟磁
性薄膜に対する方向が、前記(a)の工程においてかけ
られた静磁場の方向と同じである静磁場中、回転磁場
中、または無磁場中で熱処理にかけることにより、前記
軟磁性薄膜により強い一軸異方性を誘導し、その後、
(e)前記軟磁性薄膜を、前記(a)および/または
(d)の工程において静磁場がかけられた方向が素子幅
方向となるように略長方形にパターン形成して感磁部を
形成しても、前記感磁部の磁化容易軸方向を、より確実
にその素子幅方向に向かせることができる。
【0036】前記(c)または前記(d)の工程におい
て、熱処理を静磁場中で行っても、回転磁場中または無
磁場中で行っても、前記(a)の工程によって、軟磁性
薄膜に与えられた一軸異方性をより強くする効果が得ら
れる。
【0037】なお、前記(a)の工程において、前記静
磁場の強度を10(Oe)以上、好ましくは60(O
e)以上に設定すると、前記軟磁性薄膜に一軸異方性を
強く付与することができ、後の工程で、前記軟磁性薄膜
を略長方形にパターン形成して感磁部を形成した場合に
発生する形状磁気異方性によって、磁化容易軸方向が、
素子幅方向から、素子長手方向に変化してしまうことを
効果的に防ぐことができるので好ましい。
【0038】薄膜磁気インピーダンス素子の感磁部は、
軟磁気特性を備えた強磁性体の薄膜であることが必要で
ある。また、1MHz〜数百MHzの高周波領域におい
て透磁率μが高くなくてはならない。さらに、外部磁界
(放送電波の磁界成分)によって磁気インピーダンス効
果素子に応力がかかって磁気特性が劣化しないように、
磁歪定数λが小さいことが好ましい。
【0039】前記感磁部を、このような性質を備えた薄
膜磁性体として形成するために、前記(a)の工程にお
いて、前記軟磁性薄膜を以下に示すような微結晶軟磁性
合金薄膜として形成することが好ましい。
【0040】1.組成式が、Fehijで表され、ア
モルファス構造を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜。た
だし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Wと
希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の元素で
あり、h、i、jはat%で、45≦h≦70、5≦i
≦30、10≦j≦40、h+i+j=100の関係を
満足するもの。
【0041】Feは大きい飽和磁束密度Bsを得るため
のものであり、MはOと化合して酸化物を形成すること
により、比抵抗ρを大きくして、高周波領域におけるμ
を大きくするためのものである。
【0042】h、i、jが上記範囲であると、飽和磁束
密度Bs、比抵抗ρ、透磁率μが大きい軟磁性合金を得
ることができ、h、i、jが上記範囲を外れると、軟磁
気特性が劣化する。
【0043】なお、上記組成において元素Mが希土類元
素から選ばれる1種あるいは2種以上の元素である場合
には、h、jはat%で50≦h≦70、10≦j≦3
0であることがより好ましい。
【0044】2.組成式が、(Co1-ccxyzw
で表される微結晶軟磁性合金薄膜。ただし、元素Tは、
Fe、Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素
であり、元素Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Si,P,C,W,B,Al,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元
素であり、Xは、Au,Ag,Cu,Ru,Rh,O
s,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種あるいは2種以
上の元素であり、組成比は、cが、0≦c≦0.7、
x,y,z,wは原子%で、3≦y≦30、0≦z≦2
0、7≦w≦40、20≦y+z+w≦60の関係を満
足し、残部がxであるもの。
【0045】なお、軟磁性合金は、元素Mの酸化物を多
量に含むアモルファス相に、Coと元素Tを主体とする
微結晶相が混在し、さらに微結晶相は、元素Mの酸化物
を含んだ構造を有するものであるとより好ましい。
【0046】3.組成式が、T100-d-e-f-gdef
gで表され、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc
−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結
晶軟磁性合金薄膜。
【0047】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Xは、S
i、Alのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素で
あり、元素Mは、Ti、Zr、Hf,V,Nb,Ta,
Mo,Wから選ばれる1種または2種以上の元素であ
り、元素Zは、C、Nのうちどちらか一方あるいは両方
を含む元素であり、Qは、Cr,Re,Ru,Rh,N
i,Pd,Pt,Auから選ばれる1種または2種以上
の元素であり、d、e、f、gはat%で、0≦d≦2
5、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0048】d、e、f、gが上記範囲内にあれば、透
磁率μが大きく、保磁力Hcも低く、磁歪定数λも小さ
い軟磁性合金薄膜を得ることができる。
【0049】4.組成式が、T100-p-q-e-f-gSipAl
qefgで表され、bcc−Fe、bcc−FeC
o、bcc−Coの1種または2種以上の結晶粒を主体
とした微結晶軟磁性合金薄膜。
【0050】ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどち
らか一方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、T
i、Zr、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
る1種または2種以上の元素であり、元素Zは、C、N
のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Q
は、Cr,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Au
から選ばれる1種または2種以上の元素であり、p、
q、e、f、gはat%で、8≦p≦15、0≦q≦1
0、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
関係を満足するもの。
【0051】p、q、e、f、gが上記範囲内にあれ
ば、透磁率μが大きく、保磁力Hcも低く、磁歪定数λ
も小さい軟磁性合金を得ることができる。
【0052】あるいは、前記(a)の工程において、前
記軟磁性薄膜を以下に示すような非晶質軟磁性合金薄膜
として形成してもよい。
【0053】5.組成式が、(Fe1-aCoa100-x-y
(Si1-bbxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜。
ただし、MはCr、Ruのうちいずれか一方、あるいは
両方を含む元素であり、組成比を表すa、bは0.05
≦a≦0.1、0.2≦b≦0.8であり、x、yはa
t%で10≦x≦35、0≦y≦7の関係を満足するも
の。
【0054】前記(Fe1-aCoa100-x-y(Si1-b
bxy系の軟磁性合金薄膜では、aが0.05≦a≦
0.1の範囲を越えると、磁歪が大きくなるので好まし
くない。また、bが0.2≦b≦0.8の範囲を越える
と、非晶質化が困難になり好ましくない。さらに、xが
10≦x≦35の範囲を越えると非晶質化が困難になり
好ましくない。また、x>35であると磁気特性が劣化
するので好ましくない。
【0055】6.組成式が、ColTamHfnで表さ
れ、アモルファス構造を主体にした非晶質軟磁性合金薄
膜。ただし、l、m、nはat%で、70≦l≦90、
5≦m≦21、6.6≦n≦15、1≦m/n≦2.5
の関係を満足するもの。
【0056】前記ColTamHfn系の軟磁性合金薄膜
においては、飽和磁束密度BsはCoの含有量に依存し
ており、高い飽和磁束密度Bsを得るには、70≦lで
あることが必要である。しかし、l>90であると、比
抵抗ρが低くなるので好ましくない。
【0057】TaおよびHfは軟磁気特性を得るための
元素であり、5≦m≦21、6.6≦n≦15とするこ
とにより、飽和磁束密度Bsが大きく、比抵抗ρも大き
い軟磁性材料を得ることができる。また、Hfは、Co
−Ta系において発生する負の磁歪定数λを解消するた
めの元素でもある。磁歪定数λは、Taの含有量とHf
の含有量の比に依存し、1≦m/n≦2.5の範囲内で
あると、磁歪定数λを良好に解消することができる。
【0058】7.組成式が、CoaZrbNbcで表され
るアモルファス構造を主体とした非晶質軟磁性合金薄
膜。ただし、a、b、cはat%で、78≦a≦91、
0.5≦b/c≦0.8の関係を満足するもの。
【0059】飽和磁束密度BsはCoの濃度に依存し、
Bsを大きくするためには、78≦a≦91にする必要
がある。a>91であると、耐食性が低下すると共にア
モルファス構造になりにくくなり、結晶化し始めるので
好ましくない。また、a<78であると、Coどうしが
隣接する割合が減り、軟磁気特性を示しにくくなるので
好ましくない。透磁率μも、Coの濃度に依存し、78
≦a≦91の範囲で高い値を示す。
【0060】
【発明の実施の形態】図1は、アルミナチタンカーバイ
ドなどの非磁性材料からなる基板11上に、軟磁性材料
からなる軟磁性薄膜12をスパッタ法、蒸着法或いはメ
ッキ法などによって成膜した状態を示す斜視図である。
【0061】軟磁性薄膜12を成膜するときに、図1の
矢印方向の静磁場H1をかけ、軟磁性薄膜12に一軸異
方性を誘導する。
【0062】軟磁性薄膜12は、例えば、組成式がFe
71.4Al5.8Si13.1Hf3.34.5Ru1.9で表される、
bcc−Feの結晶粒を主体とし、bcc−Feの周囲
にHfCの結晶粒が存在する結晶粒径5〜30nmの微
結晶軟磁性合金薄膜である。
【0063】この組成以外のT―X―M―Z―Q系(元
素Tは、Fe、Coのうちどちらか一方あるいは両方を
含む元素であり、元素Xは、Si、Alの内どちらか一
方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、Ti、Z
r、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる1種
または2種以上の元素であり、元素Zは、C、Nのうち
どちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Qは、C
r,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Auから選
ばれる1種または2種以上の元素)の組成を有し、bc
c−Fe、bcc−FeCo、bcc−Co等からなる
結晶粒径10〜30nmの結晶相とMの酸化物を含む非
晶質相からなり、非晶質相が組織全体の50%以上を占
めている微結晶軟磁性合金薄膜や、Co−T−M−X―
O系(元素Tは、Fe、Niのうちどちらか一方あるい
は両方を含む元素であり、元素Mは、Ti,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Si,P,C,W,
B,Al,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素であり、Xは、Au,Ag,Cu,
Ru,Rh,Os,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種
あるいは2種以上の元素)の組成を有し、bcc−Fe
を主体とする結晶粒径10〜30nmの結晶相とMの酸
化物を含む非晶質相からなり、非晶質相が組織全体の5
0%以上を占めている微結晶軟磁性合金薄膜や、Fe―
M―O系(Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Wと希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の元
素)の微結晶軟磁性合金薄膜として軟磁性薄膜12を形
成してもよい。
【0064】あるいは、Fe−Co−Si−B−M系
(MはCr、Ruのうちいずれか一方、あるいは両方を
含む元素)の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co―Ta―H
f系の非晶質軟磁性合金薄膜や、Co−Zr−Nb系の
非晶質軟磁性合金薄膜として、軟磁性薄膜12を形成し
てもよい。
【0065】なお、本実施の形態では、軟磁性薄膜12
の成膜をRFマグネトロンスパッタ装置を用いて行っ
た。成膜時の条件は以下の範囲である。
【0066】高周波電力:200〜400(W) Arガス圧:50(sccm) 成膜時圧力:3〜7(mTorr) 成膜時静磁場強度:10以上(Oe) 成膜速度:10〜33.5(nm/分) なお、標準条件は、高周波電力が400(W)、Arガ
ス圧が50(sccm)、成膜時圧力が7(mTor
r)、成膜時静磁場強度が60(Oe)、成膜速度が3
3.5(nm/分)である。また、基板の冷却は間接冷
却によって行った。
【0067】次に、軟磁性薄膜12をフォトリソグラフ
ィーおよびエッチングによって、図2に示されるように
略長方形にパターン形成して感磁部13を形成する。こ
のとき、図1の静磁場H1によって誘導された一軸異方
性の磁化容易軸方向が、感磁部13の素子幅方向(X方
向)となるようにする。
【0068】なお、感磁部13は、基板11上一面に形
成されるが、図2ではそのうち一部のみを示している。
【0069】このように、感磁部13を薄膜形成プロセ
スによって形成することができると、一枚の基板上に同
時に多数の感磁部13を形成することができるので、磁
気インピーダンス効果素子の生産性が飛躍的に向上する
という効果も得られる。
【0070】本発明では、軟磁性薄膜12の成膜を、静
磁場H1中で行い、軟磁性薄膜12に、矢印方向を磁化
容易軸とする強い一軸異方性を付与しているので、図2
のように、感磁部13を略長方形に形成しても形状磁気
異方性によって磁化容易軸方向が素子幅方向から素子長
手方向(Y方向)に変化してしまうことを防ぐことがで
きる。
【0071】本実施の形態では、感磁部13をパターン
形成した後、さらに、感磁部13の素子幅方向に静磁場
H2をかけ、熱処理にかける。このように、軟磁性薄膜
12の磁場中成膜後、さらに、磁場中熱処理を施すこと
によって、感磁部13に、より強く、素子幅方向を磁化
容易軸とする一軸異方性を与えることができる。
【0072】本実施の形態における磁場中熱処理の条件
は、以下の範囲である。 静磁場強度:1(kOe) 熱処理温度:540〜675(℃) 熱処理時間:20〜30(分) 昇温レート:10〜14(℃/分) なお、標準条件は、静磁場強度が1(kOe)、熱処理
温度が575(℃)、熱処理時間が30(分)、昇温レ
ートが13.6(℃/分)である。
【0073】なお、本実施の形態では、図1のように軟
磁性薄膜12を磁場中成膜した後に、図2のように、感
磁部13をパターン形成した後で、磁場中熱処理を施し
ているが、軟磁性薄膜12の磁場中成膜後、感磁部13
をパターン形成する前、すなわち、図1の状態で、軟磁
性薄膜12を成膜するときにかけた静磁場H1の方向と
同じ方向に、静磁場をかけて熱処理を施し、その後、感
磁部13をパターン形成しても同じように、感磁部13
に、より強く、素子幅方向を磁化容易軸とする一軸異方
性を与えることができる。
【0074】感磁部13をパターン形成し、磁場中熱処
理を施した後に、図3のように、感磁部13の両端部
に、Cu、Ti、CrやNiなどの導電性材料からなる
電極層14をスパッタ法、フォトリソグラフィー、およ
びエッチングによって形成する。
【0075】電極層14を形成後、基板11を切断し、
図4のような個々の薄膜磁気インピーダンス効果素子M
とする。
【0076】本発明の薄膜磁気インピーダンス効果素子
の製造方法によって形成された感磁部13は、図13の
感磁部2Aと同じ磁区構造をもつ。
【0077】図13をみると、感磁部2Aでは、素子幅
方向(X方向)に磁区内の磁気モーメントが配向した磁
区構造aが生じている。静磁エネルギーを低下させるた
め、隣りあう磁区の素子幅方向の磁気モーメントは互い
に反対方向を向き、また、感磁部2Aの表面付近には、
素子長手方向に磁気モーメントが配向している三角磁区
bが形成されている。つまり、感磁部13では、素子幅
方向が磁化容易軸とされている。
【0078】このように、感磁部13の素子幅方向が磁
化容易軸とされていると、前記素子長手方向に外部磁界
を印加したときの、感磁部13の素子幅方向の透磁率の
変化率が大きくなり、インピーダンスの変化率も大きく
なる。つまり、薄膜磁気インピーダンス効果素子に印加
される外部磁界の変化に対する、薄膜磁気インピーダン
ス効果素子のインピーダンスの変化率が大きくなるの
で、磁気センサーとして優れた検出感度を有することに
なる。
【0079】また、感磁部13の素子幅を短くすると、
素子長手方向に磁化方向を揃えようとする形状磁気異方
性が発生する。しかし、本発明の製造方法によって製造
された薄膜磁気インピーダンス効果素子Mでは、感磁部
13の素子幅方向を磁化容易軸とする一軸異方性が、こ
の形状磁気異方性に打ち勝って、磁化方向を前記素子幅
方向に維持しつづける。したがって、従来の製造方法に
よって製造された薄膜磁気インピーダンス効果素子より
も感磁部の素子幅を短くすることができるので、外部磁
界の位置検出分解能を向上させることができる。
【0080】本発明の薄膜磁気インピーダンス効果素子
の製造方法の特徴は、基板11上に、軟磁性薄膜12を
成膜するときに磁場中で成膜することである。
【0081】図5は、本実施の形態において用いられた
RFマグネトロンスパッタ装置の内部構造を示す構成図
である。
【0082】図5に示されるように、マグネトロンスパ
ッタ装置21のチャンバー22内には、ターゲット23
を取り付けるための電極部24と、ターゲット23と対
向する位置に、基板保持部28とが設けられている。な
お基板保持部28上には、基板11が置かれている。ま
た、基板保持部28の外側に、成膜中の軟磁性薄膜に静
磁場H1をかけるための磁石30が設置されている。磁
石30は、例えば、Sm−Coなどの硬磁性材料または
電磁石などによって形成されている。
【0083】図5に示すように電極部24内には、放電
用磁石25が設けられており、この放電用磁石25から
発生する磁場によって、ターゲット23の表面には、エ
ロージョン領域(図示しない)が形成される。
【0084】また、チャンバー22には、ガス導入口2
6と、ガス排気口27とが設けられており、ガス導入口
26からAr(アルゴン)ガスが導入される。
【0085】電極部24に、高周波電源(RF電源)2
9から高周波が印加されることによって、電場と磁場の
相互作用により、マグネトロン放電が発生し、ターゲッ
ト23がスパッタされ、ターゲット23と対向する位置
に配置された基板11上に、軟磁性薄膜12が形成され
る。
【0086】図5のRFマグネトロンスパッタ装置で
は、2個の磁石30、30が、基板保持部28を挟んで
対向する位置に設けられ、成膜中の軟磁性薄膜12に矢
印方向の静磁場H1がかけられている。従って、成膜さ
れた軟磁性薄膜12は、図1に示された矢印方向を磁化
容易軸とする、強い一軸異方性が付与される。
【0087】なお、スパッタ装置としては、磁場中成膜
を行うことができるものであれば、図5に示すようなR
Fマグネトロンスパッタ装置21以外に、RF2極スパ
ッタ装置、RF3極スパッタ装置、イオンビームスパッ
タ装置、または対向ターゲット式スパッタ装置など既存
のものを任意に使用してよい。
【0088】また、本発明における軟磁性薄膜12の成
膜方法には、スパッタ法の他に蒸着法、MBE(モレキ
ュラー−ビーム−エピタキシー)法、ICB(イオン−
クラスター−ビーム)法またはメッキ法などを使用して
もよい。
【0089】
【実施例】図6は、薄膜磁気インピーダンス効果素子の
磁気インピーダンス効果特性を測定するための回路の回
路図である。
【0090】図6の回路は、駆動回路部41、薄膜磁気
インピーダンス効果素子Mを含む外部磁界感知部42、
基準電圧供給部43、および増幅部44によって構成さ
れている。
【0091】駆動回路部41は、薄膜磁気インピーダン
ス効果素子Mに駆動交流電流を供給するためのものであ
り、本実施の形態では、安定化コルビッツ発振回路を用
いている。駆動回路部41が、自己発振方式の回路によ
って構成されていると、駆動回路部41と外部磁界感知
部42とを一体化することができるので、回路の浮遊イ
ンピーダンスなどによる感度の不安定化を防ぐことがで
きる。
【0092】外部磁界感知部42を構成する薄膜磁気イ
ンピーダンス効果素子Mについて説明する。
【0093】磁気インピーダンス効果素子Mは、図4に
示されるように、基板11上に、軟磁性薄膜が略長方形
にパターン形成された感磁部13および、感磁部13の
素子長手方向の両端に、薄膜形成された導電性材料から
なる電極層14、14から構成されている。電極層1
4、14のうち片方は駆動回路部41に接続され、片方
はアースに接続されている。
【0094】駆動回路部41から、電極層14を通じて
感磁部13に駆動交流電流が供給される。このとき、感
磁部13は、素子幅方向に励磁される。この状態で、感
磁部13の素子長手方向に外部磁界Hexが印加される
と、素子幅方向の透磁率が変化する。素子幅方向の透磁
率が変化すると、感磁部13内を流れている駆動交流電
流の表皮厚さが変化し、感磁部13のインピーダンスが
変化する。感磁部13のインピーダンスが変化すると、
外部磁界感知部42の両端部の電圧が変化する。
【0095】外部磁界感知部42を流れる駆動交流電流
は、整流用ダイオード42aによって整流され、さらに
ローパスフィルタ42bによって、駆動交流電流の高周
波成分が除去される。したがって、外部磁界感知部42
からの出力電圧の大きさは、磁気インピーダンス効果素
子Mに印加された外部磁界の大きさの変化に対応して変
化したものとなる。
【0096】一方、基準電圧供給部43からの出力電圧
は、外部磁界の影響を受けることなく、常に一定であ
る。したがって、整流用ダイオード43aおよびローパ
スフィルタ43bを経た基準電圧供給部43からの出力
は、一定電圧の直流電流となる。
【0097】外部磁界感知部42からの出力電圧および
基準電圧供給部43からの出力電圧の電圧差は、増幅部
44によって増幅される。最終出力は、Eから取り出さ
れる。
【0098】このように、本実施例では、薄膜磁気イン
ピーダンス効果素子Mの磁気インピーダンス効果特性
を、薄膜磁気インピーダンス効果素子Mの素子長手方向
に、外部磁界Hexを印加したときの、外部磁界感知部
42からの出力電圧および基準電圧供給部43からの出
力電圧の電圧差(差動電圧)として測定した。
【0099】図7および図8は、感磁部となる軟磁性薄
膜を磁場中で成膜する本発明の製造方法によって製造さ
れた薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピーダ
ンス効果特性と、前記軟磁性薄膜を無磁場中で成膜する
従来の製造方法によって製造された薄膜磁気インピーダ
ンス効果素子の磁気インピーダンス効果特性を、図6の
回路を用いて測定した結果である。
【0100】本実施例では、感磁部となる軟磁性薄膜の
成膜を、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、高周
波電力400(W)、Arガス圧50(sccm)、成
膜時圧力7(mTorr)、成膜速度33.5(nm/
分)の条件下で行った。また、基板の冷却を間接冷却に
よって行った。なお、前記軟磁性薄膜を本発明の製造方
法を用いて成膜するときには、強度60(Oe)の静磁
場中で成膜を行った。
【0101】また、本発明の製造方法によって製造され
た薄膜磁気インピーダンス効果素子と、従来の製造方法
によって製造された薄膜磁気インピーダンス効果素子の
両方とも、感磁部が略長方形にパターン形成された後、
感磁部の素子幅方向の磁場中熱処理を施されている。
【0102】本実施例では、この磁場中熱処理を、静磁
場強度1(kOe)、熱処理温度575(℃)、熱処理
時間30(分)、昇温レート13.6(℃/分)の条件
下で行った。
【0103】なお、駆動回路部41から供給される駆動
交流電流の周波数は3MHzである。外部磁界Hex
は、0Oeからスタートし、10Oe、0Oe、−10
Oe、0Oeと連続的に往復変化させた。
【0104】図7は、薄膜磁気インピーダンス効果素子
Mの感磁部を、素子長さ2mm、素子幅0.5mm、厚
さ2μmの軟磁性薄膜として形成したときの結果であ
る。感磁部は、組成式がFe71.4Al5.8Si13.1Hf
3.34.5Ru1.9で表される、bcc−Feの結晶粒を
主体とした微結晶軟磁性合金薄膜として形成した。
【0105】従来の製造方法によって製造された薄膜磁
気インピーダンス効果素子の磁気インピーダンス効果特
性(○)は、全体的になだらかである。
【0106】一方、本発明の製造方法によって製造され
た薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピーダン
ス効果特性(□)は、外部磁界が3Oeの点の前後と、
−3Oeの点の前後において、外部磁界Hexの変化に
伴って出力電圧が急激に変化する領域を有している。外
部磁界Hexを、0Oeを中心に±3Oeの範囲で変化
させると、出力電圧は、20〜30mV変化する。
【0107】すなわち、本発明の製造方法によって製造
された薄膜磁気インピーダンス効果素子は、外部磁界の
微少変化の検出感度が、従来の製法によって製造された
薄膜磁気インピーダンス効果素子よりも著しく向上して
いることがわかる。
【0108】これは、本発明の製造方法によって薄膜磁
気インピーダンス効果素子を製造すると、薄膜磁気イン
ピーダンス効果素子の感磁部の磁化容易軸方向が、感磁
部の素子幅方向に揃うために、素子長手方向に外部磁界
が印加されたときの、感磁部の素子幅方向の透磁率の変
化率が大きくなるためである。感磁部の素子幅方向の透
磁率の変化率が大きくなると、感磁部内を流れる高周波
電流の表皮厚さの変化も大きくなる。従って、感磁部の
インピーダンス変化が大きくなる。つまり、図6の回路
において、出力電圧の変化が大きくなる。
【0109】図8は、薄膜磁気インピーダンス効果素子
Mの感磁部を、素子長さ4mm、素子幅0.5mm、厚
さ2μmの軟磁性薄膜として形成したときの結果であ
る。
【0110】図8の測定と図7の測定では、測定に用い
た薄膜磁気インピーダンス効果素子の長さだけが異なっ
ている。薄膜磁気インピーダンス効果素子の材料、製造
方法、感磁部となる軟磁性薄膜の磁場中成膜および、成
膜後の磁場中アニールの条件は、図7と同じである。
【0111】また、磁気インピーダンス効果特性を測定
するための回路、測定条件も、図7の測定時と同じであ
る。
【0112】図8において、本発明の製造方法によって
製造された薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気イン
ピーダンス効果特性(□)は、外部磁界Hexが3Oe
の点の前後と、−3Oeの点の前後において、外部磁界
Hexの変化に伴って、出力電圧が急激に変化する領域
を有している。
【0113】一方、従来の製造方法によって製造された
薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピーダンス
効果特性(○)は、外部磁界Hexが0の点を中心とし
て、外部磁界Hexの絶対値の増加に伴って出力電圧が
減少する形状を示している。
【0114】図8においても、外部磁界の変化の幅が同
じとき、本発明の製造方法によって製造された薄膜磁気
インピーダンス効果素子の出力電圧の変化の大きさのほ
うが、従来の製造方法によって製造された薄膜磁気イン
ピーダンス効果素子の出力電圧の変化の大きさより著し
く大きいことがわかる。
【0115】図8では、外部磁界Hexを、0Oeを中
心に±3Oeの範囲で変化させたときの、出力電圧の変
化の幅は、約90mVであり、図7の磁気インピーダン
ス効果特性における出力電圧の変化の幅よりも大きい。
すなわち、薄膜磁気インピーダンス効果素子の感磁部の
素子長さが長くなると、外部磁界Hexの変化に対する
薄膜磁気インピーダンス効果素子のインピーダンスの変
化率が大きくなることがわかる。
【0116】従って、実際に薄膜磁気インピーダンス効
果素子を製造するときには、用途に合わせて、感磁部の
素子長さなどを変えることによって、薄膜磁気インピー
ダンス効果素子の外部磁界の検出感度を調節することが
できる。
【0117】図9および図10は、それぞれ本発明およ
び従来の製造方法によって製造された薄膜磁気インピー
ダンス効果素子の感磁部をカー効果偏光顕微鏡によって
観察し、写真撮影したものの様式図である。
【0118】図9に示されるように、本発明の製造方法
によって製造された薄膜磁気インピーダンス効果素子の
感磁部では、感磁部に出来る磁壁Wの向きが素子幅方向
に揃っている。すなわち、素子幅方向(X方向)に磁区
内の磁気モーメントが配向した磁区構造が生じているこ
とがわかる。
【0119】一方、従来の製造方法によって製造された
薄膜磁気インピーダンス効果素子では、感磁部に出来る
磁壁Wの向きが素子長手方向(Y方向)に向いている。
すなわち、素子長手方向に磁区内の磁気モーメントが配
向した磁区構造が生じていることがわかる。
【0120】図9および図10の矢印は、それぞれの磁
区の磁気モーメントの配向方向を示している。隣り合う
磁区では、磁気モーメントの方向が互いに反対方向を向
き、静磁エネルギーを低下させている。
【0121】図9および図10から、本発明の製造方法
によって、はじめて、薄膜磁気インピーダンス効果素子
の感磁部に素子幅方向の一軸異方性を誘導することがで
き、素子幅方向に磁区内の磁気モーメントが配向した磁
区構造を生じさせることができることがわかる。
【0122】
【発明の効果】以上詳述した本発明の薄膜磁気インピー
ダンス効果素子の製造方法によれば、感磁部の素子幅方
向が磁化容易軸である一軸異方性が確実に誘導される。
したがって、感磁部の素子長手方向に外部磁界を印加し
たときの、感磁部の素子幅方向の透磁率の変化率が大き
くなり、インピーダンスの変化率も大きくなる。つま
り、薄膜磁気インピーダンス効果素子に印加される外部
磁界の変化に対する、薄膜磁気インピーダンス効果素子
のインピーダンスの変化率を大きくできるので、磁気セ
ンサーとして優れた検出感度を有する薄膜磁気インピー
ダンス効果素子を製造することができる。
【0123】また、感磁部の素子幅を短くすると、素子
長手方向に磁化方向を揃えようとする形状磁気異方性が
発生する。しかし、本発明の製造方法によって製造され
た薄膜磁気インピーダンス効果素子では、感磁部の前記
素子幅方向を磁化容易軸とする一軸異方性が、この形状
磁気異方性に打ち勝って、磁化方向を前記素子幅方向に
維持しつづける。
【0124】したがって、従来の製造方法によって製造
された薄膜磁気インピーダンス効果素子よりも感磁部の
素子幅を短くすることができるので、外部磁界の位置検
出分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気インピーダンス効果素子の製
造方法の実施の形態における、基板上に軟磁性薄膜を静
磁場中で成膜した状態を示す斜視図。
【図2】図1の軟磁性薄膜をパターン形成して、略長方
形上の感磁部を形成した状態を示す斜視図。
【図3】図2の感磁部の両端に電極層を形成した状態を
示す斜視図。
【図4】図3の基板から切り出された薄膜磁気インピー
ダンス効果素子の斜視図。
【図5】本発明における軟磁性薄膜の磁場中成膜に用い
ることのできるマグネトロンスパッタ装置の断面図。
【図6】薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピ
ーダンス効果特性を測定するための回路の回路図。
【図7】本発明および従来の製造方法を用いて製造され
た薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピーダン
ス効果特性を示すグラフ。
【図8】本発明および従来の製造方法を用いて製造され
た他の薄膜磁気インピーダンス効果素子の磁気インピー
ダンス効果特性を示すグラフ。
【図9】本発明を用いて製造された薄膜磁気インピーダ
ンス効果素子の感磁部をカー効果偏光顕微鏡によって観
察し、写真撮影したものの様式図。
【図10】従来の製造方法を用いて製造された薄膜磁気
インピーダンス効果素子の感磁部をカー効果偏光顕微鏡
によって観察し、写真撮影したものの様式図。
【図11】磁気インピーダンス効果素子に駆動交流電流
を与え、外部磁界を印加する方法を示す概念図。
【図12】薄膜磁気インピーダンス効果素子の斜視図。
【図13】磁気インピーダンス効果素子の感磁部に素子
幅方向の一軸異方性が誘導されたときの、前記感磁部の
磁区構造を示す平面概念図。
【図14】磁気インピーダンス効果素子の感磁部の形状
磁気異方性によって、前記感磁部が素子長手方向に磁気
モーメントが配向した磁区構造を有している状態を示す
平面概念図。
【符号の説明】
11 基板 12 軟磁性薄膜 13 感磁部 14 電極層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)非磁性材料からなる基板上に、軟
    磁性薄膜を一定方向の静磁場中で成膜する工程を有する
    ことを特徴とする薄膜磁気インピーダンス効果素子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記(a)の工程の後に、 (b)前記軟磁性薄膜を、前記(a)の工程において静
    磁場がかけられた方向が素子幅方向(X方向)となるよ
    うに略長方形にパターン形成して感磁部を形成する工程
    と、 (c)前記(b)の工程で略長方形にパターン形成され
    た感磁部を、この感磁部の素子幅方向の静磁場中、回転
    磁場中または無磁場中で熱処理にかける工程を有する請
    求項1に記載の薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記(a)の工程の後に、 (d)前記(a)の工程で形成された軟磁性薄膜を、前
    記軟磁性薄膜に対する方向が、前記(a)の工程におい
    てかけられた静磁場の方向と同じである静磁場中、回転
    磁場中または無磁場中で熱処理にかける工程と、 (e)前記軟磁性薄膜を、前記(a)および/または
    (d)の工程においてかけられた静磁場の方向が、素子
    幅方向となるように略長方形にパターン形成して感磁部
    を形成する工程と、を有する請求項1に記載の薄膜磁気
    インピーダンス効果素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記(a)の工程において、前記静磁場
    の強度を10(Oe)以上に設定する請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の薄膜磁気インピーダンス効果
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記(a)の工程において、前記軟磁性
    薄膜を、組成式がFehijで表され、アモルファス
    構造を主体とした微結晶軟磁性合金薄膜として形成する
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄膜磁気イ
    ンピーダンス効果素子の製造方法。ただし、Mは、T
    i、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Wと希土類元素から
    選ばれる1種あるいは2種以上の元素であり、h、i、
    jはat%で、45≦h≦70、5≦i≦30、10≦
    j≦40、h+i+j=100の関係を満足するもので
    ある。
  6. 【請求項6】 前記(a)の工程において、前記軟磁性
    薄膜を、組成式が(Co1-ccxyzwで表される
    微結晶軟磁性合金薄膜として形成する請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の薄膜磁気インピーダンス効果
    素子の製造方法。ただし、元素Tは、Fe、Niのうち
    どちらか一方あるいは両方を含む元素であり、元素M
    は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
    Si,P,C,W,B,Al,Ga,Geと希土類元素
    から選ばれる1種または2種以上の元素であり、Xは、
    Au,Ag,Cu,Ru,Rh,Os,Ir,Pt,P
    dから選ばれる1種あるいは2種以上の元素であり、組
    成比は、cが、0≦c≦0.7、x,y,z,wは原子
    %で、3≦y≦30、0≦z≦20、7≦w≦40、2
    0≦y+z+w≦60の関係を満足し、残部がxであ
    る。
  7. 【請求項7】 前記(a)の工程において、前記軟磁性
    薄膜を、組成式がT 100-d-e-f-gdefgで表さ
    れ、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc−Coの
    1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結晶軟磁性
    合金薄膜として形成する請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載の薄膜磁気インピーダンス効果素子の製造方
    法。ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどちらか一方
    あるいは両方を含む元素であり、元素Xは、Si、Al
    のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、元
    素Mは、Ti、Zr、Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
    から選ばれる1種または2種以上の元素であり、元素Z
    は、C、Nのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素
    であり、Qは、Cr,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,
    Pt,Auから選ばれる1種または2種以上の元素であ
    り、d、e、f、gはat%で、0≦d≦25、1≦e
    ≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の関係を満足
    するものである。
  8. 【請求項8】 前記(a)の工程において、前記軟磁性
    薄膜を、組成式がT 100-p-q-e-f-gSipAlqefg
    で表され、bcc−Fe、bcc−FeCo、bcc−
    Coの1種または2種以上の結晶粒を主体とした微結晶
    軟磁性合金薄膜として形成する請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載の薄膜磁気インピーダンス効果素子の
    製造方法。ただし、元素Tは、Fe、Coのうちどちら
    か一方あるいは両方を含む元素であり、元素Mは、T
    i、Zr、Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
    る1種または2種以上の元素であり、元素Zは、C、N
    のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、Q
    は、Cr,Re,Ru,Rh,Ni,Pd,Pt,Au
    から選ばれる1種または2種以上の元素であり、p、
    q、e、f、gはat%で、8≦p≦15、0≦q≦1
    0、1≦e≦10、0.5≦f≦15、0≦g≦10の
    関係を満足するものである。
  9. 【請求項9】 前記(a)の工程において、前記軟磁性
    薄膜を、組成式が(Fe1-aCoa100-x-y(Si1-b
    bxyで示される非晶質軟磁性合金薄膜として形成す
    る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄膜磁気
    インピーダンス効果素子の製造方法。ただし、MはC
    r、Ruのうちいずれか一方、あるいは両方を含む元素
    であり、組成比を表すa、bは0.05≦a≦0.1、
    0.2≦b≦0.8であり、x、yはat%で10≦x
    ≦35、0≦y≦7の関係を満足するものである。
  10. 【請求項10】 前記(a)の工程において、前記軟磁
    性薄膜を、組成式がColTamHfnで表され、アモル
    ファス構造を主体にした非晶質軟磁性合金薄膜として形
    成する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄膜
    磁気インピーダンス効果素子の製造方法。ただし、l、
    m、nはat%で、70≦l≦90、5≦m≦21、
    6.6≦n≦15、1≦m/n≦2.5の関係を満足す
    るものである。
  11. 【請求項11】 前記(a)の工程において、前記軟磁
    性薄膜を、組成式がCoaZrbNbcで表されるアモル
    ファス構造を主体とした非晶質軟磁性合金薄膜として形
    成する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薄膜
    磁気インピーダンス効果素子の製造方法。ただし、a、
    b、cはat%で、78≦a≦91、0.5≦b/c≦
    0.8の関係を満足するものである。
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