JP2001059840A - 液体試料中のイオン強度測定用試薬組成物 - Google Patents

液体試料中のイオン強度測定用試薬組成物

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JP2001059840A
JP2001059840A JP11272926A JP27292699A JP2001059840A JP 2001059840 A JP2001059840 A JP 2001059840A JP 11272926 A JP11272926 A JP 11272926A JP 27292699 A JP27292699 A JP 27292699A JP 2001059840 A JP2001059840 A JP 2001059840A
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Kenji Nagagawa
健児 永川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸ジエステルといった陽イオン交換抽出
剤の陽イオン交換能力を利用して、液体試料のイオン強
度を測定する際に、高比重な試料はもちろん、極端な低
比重の試料に対しても高い検出感度を得る。 【解決手段】 陽イオン交換抽出剤、pH緩衝剤、pH
指示薬に加えて、中性抽出剤を含有させる。陽イオン交
換抽出剤が酸性有機リン酸化合物であり、中性抽出剤が
中性有機リン酸かアルコールであり、中性有機リン酸と
してはホスファートが好ましく使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料のイオン
強度を簡易に測定するための試薬組成物、及び該試薬組
成物を含浸、コーティング又は印刷してなる試験片に関
するものである。特に生物学的液体、その中でも特にイ
オン強度と比重が良好な相関関係を有する尿の比重測定
用試薬組成物および試験用具に有用である。
【0002】
【従来の技術】液体試料の比重測定は、広範囲な技術分
野で行われているが、特に尿の比重を測定することは、
臨床検査の分野において臨床的意義の高い重要な項目の
一つであり、腎臓病の診断等に利用されている。尿の比
重を直接測定する方法として現在一般に行われている方
法には、尿比重計(浮秤法)、ピクノメーター、屈折計
などを利用する方法がある。
【0003】これらの方法は、大部分は必要な精度が得
られるものであるが、それらの装置は、精度を保持する
ため、目盛りの校正、器具の洗浄管理の維持などのメン
テナンスが必要であり、時間も手間もかかり、数多くの
不便さがある。また、尿比重計においては、測定時に一
定以上の量の尿サンプルが必要であり、尿の量が不足し
て測定に困難が生じる場合もある。更に、液面の気泡や
毛細管現象により目盛りの読み取りが困難となる欠点も
ある。
【0004】これらの問題を解決するものとして、試験
紙タイプの尿比重試験片を用いる方法が開発され、汎用
されつつある。この方法によれば、試験片を尿中に浸漬
し、発色した色を比色表と比較する「ディップ アンド
リード」(dip andread)法によって手軽
に測定できる上に、他の尿検査項目、例えばグルコー
ス、ケトン体、蛋白質、ヘモグロビン、白血球、ビリル
ビン、ウロビリノーゲン、pH、アスコルビン酸等の試
験片と組み合わせて一度に測定することもできるので、
非常に便利である。
【0005】そして、かかる試験片を用いた比色分析に
より液体試料の比重を求める方法として、近年、液体試
料のイオン強度を測定することにより間接的に比重を測
定する方法が、種々提案されている。液体試料のイオン
強度と比重との関係は、特公昭62−12858号公報
(特開昭55−101047号公報)に詳しいので省略
するが、特に尿においてはイオン強度と比重は良好に相
関し、比例関係にあることが知られている。
【0006】このようなイオン強度の測定により比重を
求める方法としては、例えば、以下のような手法が提案
されている。 i)担体マトリックスに着色剤を包合したマイクロカプ
セルを保有させ、低浸透圧溶液と接すると該マイクロカ
プセル内の圧力が上昇してマイクロカプセルが膨潤、破
裂し、着色剤が溶出してマトリックスを変色させるとい
う現象を利用する方法(色の濃さが溶液の比重に比例す
る)(特公昭60−46374号公報) ii)ポリアクリル酸もしくはポリビニルアミンなどの
少なくとも約50%中和されている高分子電解質とpH
指示薬とを含有する組成物からなる試験片を用いてイオ
ン強度又は比重を測定する方法(特開昭55−1010
47号公報) iii)強酸性あるいは強塩基性の高分子電解質ポリマ
ーと少なくとも約5.5のpH値を維持できる緩衝剤物
質及びpH指示薬手段とからなる組成物で、高分子電解
質ポリマーとして、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニ
ル硫酸あるいはポリビニルアンモニウムクロリドを用い
る方法(特開昭56−21064号公報) iv)強有機酸によって中和された弱塩基性の高分子電
解質重合体及び指示薬を含む試薬で、高分子電解質重合
体としてポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリ
アミノスチレン又はそれらを構成する単量体同士の共重
合体を用いる方法(特開昭59−133207号公報) v)少なくとも1個のカルボキシル基がアンモニウム塩
の形で存在する弱塩基性高分子電解質重合体及び指示薬
を含む組成物を用いる方法(特開昭59−133208
号公報) vi)少なくとも1種のpH緩衝剤を含むが高分子電解
質ポリマーを含まないか又は少なくとも1種のpH緩衝
剤及び/又は少なくとも1種の錯体形成剤を含有し、さ
らに1種のpH指示薬を含む組成物を用いる方法(特開
平2−66451号公報) vii)少なくとも1つの洗浄剤及び1つのpH指示薬
を含む組成物を用いる方法(特開平5−172822号
公報) viii)1種以上のpH緩衝剤、1種以上のpH指示
薬及び増感剤としての1種以上の界面活性剤を含む組成
物を用いる方法(特開平5−196616号公報)
【0007】前記公報に開示された従来の液体試料のイ
オン強度測定による比重の比色分析的測定方法では、電
解質ポリマー、錯体形成剤、pH緩衝剤、pH指示薬、
マイクロカプセル等を用いた試験片を使用している。し
かしながら、これらの方法は、例えば液体試料のpHや
温度、測定時間等の影響を受け易く、正確な測定が困難
である。また、従来の比色分析的測定方法に使用する試
験片は、一般に製造が難しいものが多く、実用的なもの
ではなかった。
【0008】そこで、特開平9−113502号公報に
は、液体試料の比重の大きさと相関関係を有するイオン
強度を測定し、これによって比重を求めるための試薬組
成物及び試験用具であって、従来と比べてより簡便で液
体試料のpHや温度、測定時間等の影響の少ない試験用
具が開示されている。これは、有機リン酸であるリン酸
ジエステルの陽イオン交換能力を利用し、リン酸ジエス
テル、pH緩衝剤、およびpH指示薬を含有する液体試
料のイオン強度測定用試薬組成物と、該試薬組成物を含
む試験用具である。換言すれば、金属精製等の分野にお
いて金属イオンの溶媒抽出に有効な陽イオン交換抽出剤
であるリン酸ジエステルを、尿といった液体試料のイオ
ン強度測定法に応用したものである。
【0009】上記のリン酸ジエステルは、一般に液状イ
オン交換体と言われており、イオン交換基を持つ。同時
に大きな非極性部分をもつこと、すなわち水相に不溶な
ことが特徴である。従って、交換平衡に達するのが速
く、また水相に不溶であるため抽出効率が高いとされて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リン酸
ジエステルといった陽イオン交換抽出剤の陽イオン交換
能力を利用する手法は、イオン強度が高い高比重試料で
は有用だが、極端な低比重の試料に対しては、ほとんど
反応せず、指示薬も色変化を示さないことが判明した。
【0011】というのも、リン酸ジエステルといった陽
イオン交換抽出剤は水性試料に不溶であるために親水性
に乏しく、水性試料を測定しようとした際に、試料中の
イオン強度がある程度以上無い場合に陽イオン交換を起
こしにくいのである。これはつまり、極端な低比重の試
料に対しては、陽イオン交換能力が低いということを意
味する。そこで本発明の目的は、イオン強度の高低に関
わらず、従来技術では得られなかった検出感度を得るこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記リン
酸ジエステルといった陽イオン交換抽出剤使用時の水性
試料測定時の陽イオン交換を促進させるすべく、鋭意研
究の結果、金属精錬等で用いられる中性抽出剤を添加す
ると、高比重の試料は当然として、低比重の試料に対し
ても絶大な増感効果が得られることを見出した。
【0013】すなわち本発明は、陽イオン交換抽出剤、
pH緩衝剤、pH指示薬、および中性抽出剤を含有す
る、液体試料のイオン強度測定用の試薬組成物に関す
る。また、本発明は、特開平9−113502号と同様
に、前記試薬組成物を含有する試験用具に加工すること
もでき、特に前記試薬組成物を吸収性担体に含浸させる
か、またはフィルム上にコーティングもしくは印刷し
て、液体試料のイオン強度又は比重測定用の試験片とす
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。
【0015】本発明で用いられる陽イオン交換抽出剤と
しては、酸性有機リン酸化合物が好ましく用いられ、特
に、下記一般式(1)で表される酸性リン酸化合物が好
ましく使用できる。
【0016】
【化3】 ここで、式(1)中、XおよびXは相互に同一また
は異なっていてもよく、XおよびXは共に−R又は
−ORで示され、Rはa)炭素数4〜20の直鎖又は分
岐型のアルキル基、(b)フェニル基、(c)直鎖又は
分岐型のアルキル基又はアルコキシル基で置換されたフ
ェニル基、(d)ベンジル基、(e)直鎖又は分岐型の
アルキル基又はアルコキシル基で置換されたベンジル基
からなる群から選ばれる有機基を表す。また、前記フェ
ニル基またはベンジル基に導入される置換基である直鎖
又は分岐型のアルキル基又はアルコキシル基は、好まし
くは炭素数1〜20程度のものである。また、Yおよ
びYはOかSを示し、相互に同一または異なっていて
もよい。
【0017】上記に示す酸性リン酸化合物として、Y
およびYが共にOのとき、XおよびXが共に−O
Rで示されるリン酸ジエステル、XおよびXのどち
らか一方が−Rで他方が−ORであるリン酸モノエステ
ル、XおよびXが共に−Rで示されるリン酸化合物
が挙げられる。また、Y=O,Y=Sのとき、X
およびXが共に−ORで示されるモノチオリン酸ジエ
ステル、XおよびXのどちらか一方が−Rで他方が
−ORであるモノチオリン酸モノエステル、Xおよび
が共に−Rで示されるモノチオリン酸化合物が挙げ
られる。YおよびYが共にSのとき、XおよびX
が共に−ORで示されるジチオリン酸ジエステル、X
およびXのどちらか一方が−Rで他方が−ORであ
るジチオリン酸モノエステル、XおよびXが共に−
Rで示されるジチオリン酸化合物が挙げられる。
【0018】溶媒抽出法を常用している金属精錬等の分
野では、抽出剤を単独で用いた場合よりも、二種類の抽
出剤を同時に用いた場合に抽出効果が高いとき、「協同
効果」と呼称している。例えば、本発明でも使用される
陽イオン交換抽出剤であるリン酸ジエステルは、酸性抽
出剤に分類され、さらに非キレート系の酸性抽出剤とし
て分類されている。つまり、本発明は、一つの抽出剤で
あるリン酸ジエステルと同時に第二の抽出剤を同時に適
用したものであり、液体試料中のイオン強度測定方法に
対しては意外としか表現できない協同効果の概念を応用
したものである。
【0019】この協同効果は、先述のように金属精錬業
界では増感手法として公知ではあるものの、イオン強度
測定方法へ応用して、はたして効果があるか甚だ疑問で
あった。しかし、本発明者による研究の結果、予想以上
の値を示す絶大なる増感作用が認められ、本発明の完成
に至ったのである。
【0020】溶媒抽出は、通常、水相/有機溶媒相間の
接触を促進させるために、撹拌作業や振とう作業を行う
が、イオン強度測定、特にドライ試験片へ加工された場
合には、その両界間の接触が完全では無いと言える。し
かし本発明は、従来のイオン強度測定法に対して絶大な
増感を引き起こすために、そのような両界間の接触が困
難なドライ試験片へ特に有効である。
【0021】本発明において測定対象となる液体試料
は、水溶性の液体、例えば尿、血液、汗等の生物学的液
体を挙げることができる。特に、本発明の試薬組成物又
は試験用具は、イオン強度と比重が良好な相関関係を有
する尿の比重の簡易測定に有用である。
【0022】本発明の試薬組成物を用いた試験用具は、
このような液体試料のイオン強度又は比重の測定におい
て、反応速度が速く、また均一な発色が得られることに
加えて、極端な低比重の試料に対しても格別に感度が高
い。
【0023】本発明の陽イオン交換抽出剤は、酸性有機
リン酸化合物が好ましい。入手し易い酸性有機リン酸化
合物の例として、リン酸ジエステル、リン酸モノエステ
ル、チオリン酸ジエステル、チオリン酸モノエステル、
ジチオリン酸ジエステル、ジチオオン酸モノエステルと
いったエステル系化合物から、非エステル化合物である
酸性有機リン酸化合物が挙げられるが、イオン交換能力
を有する酸性有機リン酸化合物ならば特に支障はない。
金属精錬業界で汎用の試薬ならば、全て使用することが
できる。敢えて言うならば、酸性有機リン酸の中でも、
入手のし易さ、価格面、加工のし易さ、安全性の高さと
いった面から、リン酸ジエステルが好ましく使用でき
る。
【0024】そのリン酸ジエステルも、具体的にはリン
酸ジ(−2−エチルヘキシル)エステル、リン酸ジ(ヘ
キサデシル)エステル、リン酸ジ(ポリエチレングリコ
ール−4−ノニルフェニル)エステル、リン酸ジベンジ
ルエステル、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジ
フェニルエステル等が挙げられるが、これらのうち、特
に好ましくは、リン酸ジ(エチルヘキシル)エステルが
用いられる。リン酸ジエステルとしての陽イオン交換抽
出剤の試薬組成物中の濃度は、0.01〜1.0M程度
が好ましい。
【0025】本発明におけるpH緩衝剤は、有機塩基又
は有機塩基と酸との組合せによるものが好適であり、好
ましくはpH3.0〜10.0の範囲で使用される緩衝
剤が用いられる。具体的には、2−アミノ−2−メチル
プロパン−1,3−ジオール、トリス、種々のグッド緩
衝剤、又はこれらの緩衝剤と塩酸との組合せによる緩衝
液などが挙げられる。pH緩衝剤の試薬組成物中の濃度
は0.01〜2M程度が好ましい。
【0026】本発明におけるpH指示薬は、前記pH緩
衝剤のpH変動幅内に変色域がある指示薬であればいず
れも使用可能であるが、特にイオン強度の増強で解離が
促進されるトリフェニルメタン系のpH指示薬が好まし
いものとして挙げられ、具体的にはブロモチモールブル
ー、ブロモクレゾールパープル、チモールブルー、フェ
ノールレッド、ブロモクレゾールグリーン等が挙げられ
る。これらの指示薬は単独で使用しても、併用してもよ
い。pH指示薬の試薬組成物中の濃度は0.001〜
1.0w/v%が好ましい。
【0027】本発明で用いられる中性抽出剤としては、
金属精錬業界で協同効果を生じさせるための一般的な中
性抽出剤を使うことができ、ほぼ中性の性質を示す中性
有機リン酸やアルコールが使用できる。これら中性抽出
剤の沸点は、ドライ試験片に加工する際の熱乾燥時に気
化してしまわないように、例えば90℃以上が好まし
い。故に、例えばアルコールならばデカノールより炭素
数が大きなアルコールが好ましい。中性抽出剤の試薬組
成物中の濃度は、0.01〜1.0M程度が好ましい。
【0028】中性抽出剤の中でも、中性有機リン酸が好
ましく使用できる。というのも、本発明で用いる陽イオ
ン交換抽出剤は酸性有機リン酸化合物が好ましいため
に、この酸性有機リン酸と構造的に類似している中性有
機リン酸の方が、試薬組成物の調製時に加工しやすく
(混合しやすい)、ムラの少ない組成物が出来上がるた
めである。それら中性有機リン酸は、下記一般式(2)
で示すことができる。
【0029】
【化4】 ここで、式(2)中、XおよびXおよびXは相互
に同一または異なっていてもよく、XおよびXおよ
びXは共に−R又は−ORで示され、Rは(a)炭素
数4〜20の直鎖又は分岐型のアルキル基、(b)フェ
ニル基、(c)直鎖又は分岐型のアルキル基又はアルコ
キシル基で置換されたフェニル基、(d)ベンジル基、
(e)直鎖又は分岐型のアルキル基又はアルコキシル基
で置換されたベンジル基からなる群から選ばれる有機基
を表す。また、前記フェニル基またはベンジル基に導入
される置換基である直鎖又は分岐型のアルキル基又はア
ルコキシル基は、好ましくは炭素数1〜20程度のもの
である。
【0030】上記に示す中性有機リン酸として、三個の
エステル基を有する(X〜Xの全てが−ORであ
る)ホスファート、二個のエステル基を有する(X
の任意の二つが−ORで、残り一つが−Rである)
ホスホネート、一個のエステル基を有する(X〜X
の任意の一つが−ORで、残り二つが−Rである)ホス
フィネート、エステル基を有さない(X〜Xの全て
が−Rである)ホスフィンオキサイドが挙げられる。こ
れらを単独はもちろん、混合して使用することも可能で
ある。
【0031】本発明の試薬組成物中、陽イオン交換抽出
剤、中性抽出剤、pH緩衝剤およびpH指示薬の4成分
の総量を100%(w/v)としたとき、陽イオン交換
抽出剤の含有量としては20〜80%(w/v)、好ま
しくは30〜60%(w/v)、中性抽出剤の含有量と
しては20〜80%(w/v)、好ましくは30〜60
%(w/v)、pH指示薬の含有量としては0.01〜
30%(w/v)、好ましくは0.05〜10%(w/
v)、pH緩衝剤の量としては30〜80%(w/
v)、好ましくは40〜60%(w/v)とするのがよ
い。
【0032】本発明の試薬組成物には、前記成分以外
に、バインダー類、例えばポリビニルピロリドン、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル等の公知の配合成分を添加することができる。
【0033】本発明の試験用具は、前記試薬組成物を含
有するものであれば特に限定されず、たとえば溶媒中に
試薬組成物を溶解させた溶液、適当な支持体の上に試薬
組成物を保持した試験片、試薬組成物を含む粉末状のも
の、試薬組成物を封入した錠剤状のもの等、いずれの形
式であっても良い。
【0034】本発明の試薬組成物を試験片に使用する場
合には、まず本発明の試薬組成物を、例えば濾紙のよう
な吸収性担体に含浸させるか、またはポリマー等と混合
してフィルム上にコーティングもしくは印刷した後、十
分乾燥させて試験片を得る。このようにして得られる試
験片を、次いで、検出対象となる液体試料に浸漬した後
これを取り出し、一定時間経過後、前記試験用具のpH
の変動及びpH指示薬の解離度の変動を検出する。吸収
性担体としては、濾紙等の紙、ポリスチレン等の合成樹
脂多孔質膜、不織布等が挙げられる。また、コーティン
グもしくは印刷するフィルムとしては、ポリ塩化ビニル
等のプラスチックプレート、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム等が挙げられる。
【0035】pHの変動及びpH指示薬の解離度の変動
は、一定時間後の前記試験用具の呈色を、イオン強度既
知又は比重既知の溶液を用いて同様な操作を行い作成し
た標準色調表の色調と比較することにより求めることが
できる。比較する方法は、肉眼判定を行うか、あるいは
一定時間後(10秒〜数分後)の試験用具の呈色を、公
知の方法で光学的に反射率を測定することにより行うこ
とができる。
【0036】本発明の試薬組成物は、試験片として使用
する場合が最も有利であるが、溶液として、または粉末
もしくは錠剤の形で使用することもできる。また試験片
や錠剤を使用する他の方法として、試験片や錠剤上に液
体試料を滴下して、試験片の呈色を肉眼で、又は光学的
に反射率を測定することにより検出する方法もある。
【0037】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
する。
【0038】(実施例1) [試験片含浸液の調製]以下の試薬類をエタノール20
mlに溶解し、1液目を得た。 陽イオン交換抽出剤として下記式で示されるリン酸ジ
(−2−エチルヘキシル)エステル(C1635
P):1.0g 中性抽出剤として、トリブチルホスファート又はトリオ
クチルホスファート又はトリブチルホスフィンオキサイ
ド又はデカノール:全て1.0g pH指示薬として0.08gのブロムチモールブルー
と、0.007gのブロムフェノールレッドの混合物 一方、pH緩衝剤としてトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン:1.2gを精製水80mlに溶解し、塩酸
を用いてpHを8.6に調製し、2液目を得た。上記二
液を混合し、試験片へ加工するための含浸液とした。
【0039】
【化5】
【0040】[試験片への加工]得られた含浸液を、1
5cm×15cmの濾紙(ワットマン社製の3MMCh
r)に含浸させ、80℃にて10分間送風乾燥させた。
乾燥後の濾紙を5mm×5mmに裁断し、5mm×60
mmの白色ポリエチレンテレフタレート板(0.5mm
厚)の先端へ両面テープを用いて貼り付け、試験片とし
た。
【0041】[試験]屈折計(アタゴ社製:屈折比重計
UG−D)で確認した適当な比重値を示す人尿および精
製水を試料検体液とし、液中へ先に作製した試験片を2
秒間浸漬し、引き上げた60秒後の試験片の呈色を、色
差計(日本電色工業社製のΣ−90)にて主波長630
nm/副波長750nmで反射率を測定した。各尿検体
での反射率と精製水での反射率との差をΔR%とした。
特開平9−113502号での実施例では差ΔR%をと
っていないので、注意する。
【0042】[結果]測定の結果を表1に示した。表か
ら判るように、陽イオン交換抽出剤を主成分とする試薬
組成物に関して、中性抽出剤の添加により、低比重領域
でも高感度が得られている。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の試
薬組成物は高感度で反応速度が速く、高比重試料はもち
ろんのこと、極端な低比重値でも鋭敏に反応するため、
良好な測定結果を示す新しい比重測定用試験用具が得ら
れる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換抽出剤、pH緩衝剤、pH
    指示薬、および中性抽出剤を含有する、液体試料のイオ
    ン強度測定用の試薬組成物。
  2. 【請求項2】 陽イオン交換抽出剤が酸性有機リン酸化
    合物である、特許請求の範囲第1項に記載の試薬組成
    物。
  3. 【請求項3】 酸性有機リン酸化合物が下記一般式
    (1)で示される酸性リン酸化合物である、特許請求の
    範囲第2項に記載の試薬組成物。 【化1】 (式(1)中、XおよびXは、相互に同一または異
    なっていてもよく、XおよびXは共に−R又は−O
    Rで示され、Rはa)炭素数4〜20の直鎖又は分岐型
    のアルキル基、(b)フェニル基、(c)直鎖又は分岐
    型のアルキル基又はアルコキシル基で置換されたフェニ
    ル基、(d)ベンジル基、(e)直鎖又は分岐型のアル
    キル基又はアルコキシル基で置換されたベンジル基から
    なる群から選ばれる有機基を表す。また、YおよびY
    はOかSを示し、相互に同一または異なっていてもよ
    い。)
  4. 【請求項4】 酸性リン酸化合物がリン酸ジエステルで
    ある、特許請求の範囲第3項に記載の試薬組成物。
  5. 【請求項5】 酸性リン酸化合物がリン酸モノエステル
    である、特許請求の範囲第3項に記載の試薬組成物。
  6. 【請求項6】 pH緩衝剤が有機塩基を含み、且つpH
    3.0〜10.0の範囲で使用されるものである、特許
    請求の範囲第1項に記載の試薬組成物。
  7. 【請求項7】 中性抽出剤が中性有機リン酸である、特
    許請求の範囲第1項に記載の試薬組成物。
  8. 【請求項8】 中性抽出剤がアルコールである、特許請
    求の範囲第1項に記載の試薬組成物。
  9. 【請求項9】 中性有機リン酸が下記一般式(2)で示
    される中性リン酸化合物である、特許請求の範囲第7項
    に記載の試薬組成物。 【化2】 (式(2)中、XおよびXおよびXは、相互に同
    一または異なっていてもよく、XおよびXおよびX
    は共に−R又は−ORで示され、Rは(a)炭素数4
    〜20の直鎖又は分岐型のアルキル基、(b)フェニル
    基、(c)直鎖又は分岐型のアルキル基又はアルコキシ
    ル基で置換されたフェニル基、(d)ベンジル基、
    (e)直鎖又は分岐型のアルキル基又はアルコキシル基
    で置換されたベンジル基からなる群から選ばれる有機基
    を表す。)
  10. 【請求項10】 特許請求の範囲第1項に記載の試薬組
    成物を含有する、液体試料のイオン強度測定用試験用
    具。
  11. 【請求項11】 試験用具が、前記試薬組成物を吸収性
    担体に含浸させるか、またはフィルム上にコーティング
    もしくは印刷してなる試験片である、特許請求の範囲第
    10項に記載の試験用具。
  12. 【請求項12】 尿の比重測定に用いる特許請求の範囲
    第1項に記載の試薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7113806B2 (ja) 2018-11-12 2022-08-05 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品用の糞便インジケータ、糞便インジケータ資材、及びそれらの使用、並びに吸収性物品

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