JP2001059148A - 高強度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

高強度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の製造方法およびその製造装置

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JP2001059148A
JP2001059148A JP11237488A JP23748899A JP2001059148A JP 2001059148 A JP2001059148 A JP 2001059148A JP 11237488 A JP11237488 A JP 11237488A JP 23748899 A JP23748899 A JP 23748899A JP 2001059148 A JP2001059148 A JP 2001059148A
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temperature
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mpa
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JP11237488A
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Hideki Fujii
秀樹 藤井
Junichi Koike
淳一 小池
Yasuo Fujinaga
保夫 藤永
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Nippon Steel Corp
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    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/001Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a flexible element, e.g. diaphragm, urged by fluid pressure; Isostatic presses
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度、延性、疲労強度を有し、変形や割
れなどの欠陥がなく信頼性の高いα+β型チタン合金
を、従来より安価な製造コストで製造する方法及びそれ
に使用する装置を提供する。 【解決手段】 α+β型チタン合金を、100MPa以上、好
ましくは300MPa以上の圧力を付与しながら、当該合金の
β変態点-200℃以上の温度に加圧・加熱する加圧熱処理
を行い、次いで圧力を保ったまま 600℃以下の温度まで
10℃/ 分以上の冷却速度で冷却し、更に 400℃〜 600℃
の温度域に1時間以上保持する時効処理を行う。或いは
加圧熱処理後、 300℃以下まで冷却し、塑性加工を施
し、更に時効処理を行う製造方法。また、高圧容器内部
に2以上の独立した加熱装置と処理物を移動させるため
の可動台を具備し、或いは更に加熱装置間に断熱壁を具
備するHIP装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α+β型チタン合
金の製造方法とその装置に関するものである。特に、鋳
造法や素粉末混合法などのニアーネットシェイプ成形法
によって製造されたα+β型チタン合金の製造方法、不
均質な組織を有する展伸材製品の材質特性改善法および
これらの方法に用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】α+β型チタン合金は、軽量、高強度、
高耐熱などの諸特性が要求される航空機部品などの素材
として使用されてきた。しかし一方で、熱間加工や切削
加工などの加工性が鋼等の材料に比べ著しく劣ってお
り、かつ素材そのものが高価であるため、あらかじめ最
終製品の形状に近い形状の半製品を製造しておく、いわ
ゆるニアーネットシェイプ成形技術の研究開発が盛んに
行われてきた。その中でも、鋳造法や粉末冶金法の一種
である素粉末混合法は製造コストが比較的安価であり、
特に期待されている技術である。
【0003】鋳造法や素粉末混合法で製造された製品
は、溶解工程やあるいは高温β域での焼結工程を経てい
るので、β域からα+β域に冷却される際に、β粒界に
生成した粒界α相とβ粒内に生成した層状α相およびこ
れらの間に残留したβ相の混合組織となっている。この
組織は、β変態点以下のα+β二相域で熱間加工を施
し、さらに焼鈍を行うことにより生成する等軸組織に比
べ、延性や疲労強度が低いという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この欠点を補うための
方法として、特開昭62−4804号公報に記載されて
いるように、β変態点以上から焼入れし、α+β二相域
でHIP(熱間静水圧成形)などの加圧処理を行う方法
が開発された。しかしこの方法は、β域からの焼入れを
行い、試料全体をマルテンサイト組織とする工程が必要
であり、焼入れ性の悪いα+β型チタン合金では表層部
しか焼きが入らず、所望の性質が十分に得られないとい
う問題があった。特に厚肉の製品ではこの問題が深刻で
あった。
【0005】さらにこれを改善する方法として、例えば
1985年発行の MetallurgicalTransaction A 誌、Vo
l.16A,1077〜1087頁には、「水素化脱水素法」なる方法
が記載されている。この方法によると、まずチタン合金
に大量の水素を吸蔵させ、さらに時効処理により微細な
水素化物を生成させ、その後700℃付近の温度で脱水
素処理を行うことにより、強度、延性、疲労特性に優れ
た微細等軸組織を得ることが可能であり、焼入れを必ず
しも必要としないため、厚肉の製品でも疲労特性の向上
が達成できる。
【0006】しかしこの方法では、大量の水素を必要と
するため、水素にかかる費用、水素の吸蔵・排出に要す
る時間および設備、さらには安全上の対策など、経済的
な負担が大きくなるという欠点があった。さらにこの方
法では、水素吸収にともなう体積変化が大きく、かつ著
しく脆い水素化物を利用するため、製品に変形が生じた
り、外周部のみならず内部にまで割れなどの欠陥を生じ
るという問題点があった。
【0007】さらに、この水素化脱水素法を改良し、脆
い水素化物を生成させなくとも特性の改善を可能ならし
める方法が特開平7−90525号公報に開示されてい
る。この方法によると、確かに脆い水素化物を生成させ
ることなく、高強度、高延性、高疲労強度が達成できる
ものの、少量とはいえ水素の吸収、排出工程が必要であ
り、先の水素化物を利用する方法ほどではないが、依然
としてコストの高い方法である。
【0008】以上のような現状に鑑み、本発明は高い強
度、延性、疲労強度を有し、変形や割れなどの欠陥がな
く信頼性の高いα+β型チタン合金を、従来よりも安価
な製造コストで製造する方法とその装置を提供しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は下記の構成を要旨とする。 (1) α+β型チタン合金を、100MPa以上の圧
力を付与しながらβ変態点−200℃以上の温度に加圧
・加熱する加圧熱処理を行い、次いで圧力を100MP
a以上に保ったまま、600℃以下の温度まで10℃/
分以上の冷却速度で冷却し、さらに400℃〜600℃
の温度で1時間以上保持する時効処理を行うことを特徴
とする、高強度、高延性、高疲労強度を有するα+β型
チタン合金の製造方法。 (2) α+β型チタン合金を、100MPa以上の圧
力を付与しながらβ変態点−200℃以上の温度に加圧
・加熱する加圧熱処理を行い、次いで圧力を100MP
a以上に保ったまま、300℃以下の温度まで10℃/
分以上の冷却速度で冷却し、塑性加工を施した後、さら
に400℃〜600℃の温度まで加熱して1時間以上保
持する時効処理を行うことを特徴とする、高強度、高延
性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の製造方
法。 (3) 付与する圧力が300MPa以上の圧力である
ことを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の高
強度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金
の製造方法。 (4) 上記製造方法に使用するHIP装置において、
高圧容器内部に2つの独立した加熱装置を設け、処理物
を加熱装置間で移動させるための可動台を具備させたこ
とを特徴とする、高強度、高延性、高疲労強度を有する
α+β型チタン合金の製造装置。 (5) 前記加熱装置の間に仕切り断熱壁をさらに具備
することを特徴とする、前記(4)に記載の高強度、高
延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の製造装
置。
【0010】ここでα+β型チタン合金とは、室温、常
圧における平衡状態で、α相とβ相の2相からなり、ま
た常圧下で、β変態点以上の温度から急冷した場合にマ
ルテンサイト変態する種類の合金である。例えば、Ti
−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−
5Al−2.5Fe、Ti−5.5Al−1Fe、Ti
−6Al−1.7Fe−0.1Si、Ti−6Al−4
Zr−2Sn−4Mo,Ti−6Al−4Zr−2Sn
−4Mo−0.1Si、Ti−6Al−4Zr−2Sn
−6Mo、Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Feな
どがこれに相当する。
【0011】またβ変態点とは、常圧においてそれ以上
の温度ではα相の体積分率がゼロであり実質的にβ単相
(極微量の介在物や析出物を含む場合もある)となる温
度であり、α+β型チタン合金では通常850〜105
0℃の範囲にある。またHIPとは Hot Isostatic Pre
ssing の略で、熱間等方加圧を意味する用語である。
【0012】
【発明の実施の形態】発明者らは、種々の加工熱処理に
よるチタン合金の組織変化について鋭意研究を重ねた結
果、下記の重要な現象を見出すに至った。すなわち、 β変態点近傍のα+β域で100MPa以上の高圧
をα+β型チタン合金に付与すると、β相の割合が増し
圧力、温度によっては完全にβ単相に変化する。 圧力を付与した状態で冷却すると、圧力を付与せず
に冷却する場合に比べてα相の析出が著しく遅延する。 圧力を付与した状態で冷却すると、圧力を付与せずに
冷却する場合に比べてマルテンサイト変態が著しく抑制
される。 上記〜の効果は、付与する圧力が300MPa
を超えると特に顕著となる。 の4点である。
【0013】前記(1)〜(3)は、上記知見に基づき
完成されたものであり、コストの増加を招く水素を使用
することなく、また厚肉材で製品の表層と内部に極端な
特性差を生じることのある焼入れを必要とせず、優れた
強度、延性、疲労特性をα+β型チタン合金に付与する
ことが可能な、α+β型チタン合金の製造方法を提供す
るものである。
【0014】前記本発明(1)では、まずα+β型チタ
ン合金を、100MPa以上の圧力を付与しながら、当
該合金のβ変態点−200℃以上の温度に加圧・加熱す
る加圧熱処理を行うこととした。この処理の目的は、チ
タン合金製品全体をβ単相にすることと、次工程で必要
な圧力を製品に付与することである。
【0015】ここで、加熱温度をβ変態点−200℃以
上としたが、先にで述べたように、β変態点以下のα
+β域でも100MPa以上の圧力を付与すると、β相
の割合が増しβ単相とすることができる。その下限温度
がβ変態点−200℃であり、これ未満の温度ではいく
ら高圧を付与してもβ単相にすることは困難で、β単相
にするという本処理の目的は達成されない。一方、β変
態点以上の温度に加熱すれば、圧力の有無、程度に関わ
らずβ単相とすることができるので、本発明では特に加
熱温度の上限を設けなかった。ただし、100MPa以
上の圧力を少なくとも次工程を開始する前に付与してお
くことは必須である。
【0016】次に、圧力を100MPa以上に保ったま
ま600℃以下の温度にまで10℃/分以上の冷却速度
で冷却する。この工程の目的は、600℃以下の温度に
までα相の析出およびマルテンサイト変態を抑制し、大
部分がβ単相からなる状態を凍結することにある。通
常、α+β型チタン合金は、水焼入れなどの急冷を行う
とマルテンサイトが生成し、それよりも遅い冷却速度で
冷却すると冷却中にβ粒界に粗大なα相が析出する。
【0017】この粗大α相の析出は特に600〜800
℃付近で活発に発生し、延性や疲労特性の低下を招く。
しかし、100MPa以上の圧力が付与されている場
合、発明者らが発見した前記およびの効果で、比較
的遅い冷却速度でもα相が冷却中にほとんど生成せず、
かつマルテンサイト変態も発生せず、大部分がβ単相の
状態を凍結することが可能になる。
【0018】ここで、冷却速度を10℃/分としたの
は、これよりも遅い冷却速度だと、たとえ100MPa
以上の圧力が付与されていても粗大なα相が多量に析出
し、特性の低下を生じることがあるからである。また6
00℃以下の温度まで冷却することとしたのは、β粒界
に沿った粗大なα相は600℃を超える温度域で活発に
生成し、これ以下の温度では、β粒内に微細な針状α相
が主に生成するため、特性の劣化を招く粗大α相の生成
は600℃より低い温度では起こらなくなるからであ
る。
【0019】そして前記(1)では、最後に400℃〜
600℃の温度で1時間以上保持する時効処理を行う。
この熱処理により、粗大なα相をβ粒界に生成させるこ
となくβ粒内に微細な針状のα相を析出させ、高強度、
高延性、高疲労強度を兼ね備えたα+β型チタン合金製
品の製造を完了することができる。ここで、時効処理温
度を400℃〜600℃としたが、その理由は下記のと
おりである。すなわち、400℃未満の温度では析出α
相が微細すぎ、延性が極端に低下するためであり、また
600℃を超える温度では、前述のように、β粒界に沿
った粗大なα相が生成し、延性、疲労特性が低下するた
めである。
【0020】また、時効処理時間を1時間以上としたの
は、これ未満の時間では十分にα相の析出が完了してい
ないため安定な組織が得られず、高強度および高疲労強
度が得られないからである。なお、時効処理時間の上限
は特に設けなかったが、1時間以上の時間さえ確保され
ていれば、試料の寸法、炉の性能、深夜操業などの作業
時刻、経済的観点などの諸条件によって適宜時効時間を
設定すればよいからで、本発明では特にこれを制限する
ものではない。
【0021】なお、この400〜600℃における時効
処理時には、圧力は特に付与する必要はない。それは、
この温度域では圧力の有無、程度によらず、微細な針状
組織がβ相中に析出するからである。また、400〜6
00℃における時効処理は、先の工程である10℃/分
以上の冷却速度での冷却を400〜600℃の温度範囲
まで行い、そのまま直接時効処理を行っても良いし、一
旦それ以下の温度、例えば室温まで冷却し、再度400
〜600℃に加熱して時効処理を行ってもよい。ただ
し、いずれの場合も600℃以下の温度になるまでは1
0℃/分以上の冷却速度を維持することが必要である。
【0022】前記(2)は、α+β型チタン合金を、1
00MPa以上の圧力を付与しながら、当該合金のβ変
態点−200℃以上の温度に加圧・加熱する加圧熱処理
を行い、次いで圧力を100MPa以上に保ったまま1
0℃/分以上の冷却速度で300℃以下の温度まで冷却
し、炉から取り出した後に室温で塑性加工を施し、さら
に400℃〜600℃の温度に加熱し、1時間以上保持
する時効処理を行うこととした。
【0023】これは、前記(1)と同様に、圧力を付与
した状態で冷却することにより、粗大α相の生成やマル
テンサイト変態を抑制し、加工性に優れるβ相を多量に
室温まで凍結し、室温で冷間鍛造などの精密加工を行
い、より最終製品に近い形状に仕上げ、場合によっては
切削・研削などの機械加工も行い、しかる後に400〜
600℃の温度に加熱し1時間以上の保持を行い、微細
α相をβ母相中に均質に析出させ、高強度、高疲労強度
を得ようとするものである。時効処理温度を400〜6
00℃、時効処理時間を1時間以上としたのは、前記
(1)で説明した理由と同じである。
【0024】なお、100MPa以上の圧力を付与した
上で、10℃/分以上の冷却速度で300℃以下の温度
にまで冷却する際、前記(1)で説明したように、60
0℃までは大部分がβ単相であるが、さらに低温の室温
まで冷却する際には少量の微細針状α相やマルテンサイ
ト相を生成する場合がある。しかしこれらは少量であ
り、室温における加工性を損なうものではない。また冷
却を300℃以下の温度までとしたのは、300℃未満
の温度域ではTiや合金元素の拡散はほとんど起こら
ず、10℃/分よりも遅い冷却速度で冷却してもα相は
新たには生成しないからである。しかし300℃以上の
温度域では、10℃/分以上の冷却速度で冷却しないと
α相の生成が起こり硬化するため、次工程の室温におけ
る塑性加工が困難になってしまう。
【0025】前記(3)では、前記(1)または(2)
に記載の方法において、α+β型チタン合金に付与する
圧力を300MPa以上とした。これは、300MPa
以上の圧力が付与されると、10℃/分以上の冷却速度
で600℃以下の温度にまで、あるいは300℃以下の
温度にまで冷却を行う際に、粗大α相のβ粒界への析出
がより一層抑制されて材料特性も一層向上するからであ
る。これは発明者らの前記知見のを適用した発明であ
る。
【0026】以上のように、本発明を適用することによ
り、従来よりも簡便かつ安価な方法で、高強度、高延
性、高疲労強度のを有するα+β型チタン合金を製造す
ることが可能となる。この方法は、特に精密鋳造や粉末
冶金などのニアーネットシェイプ製品に適した方法であ
るが、展伸材においても不均質組織を有していたり、延
性や疲労強度の低い粗大針状組織からなる場合には、十
分な効果を発揮する方法である。
【0027】上述の圧力を付与しながら加熱する加圧熱
処理は、HIP装置によって容易に行うことができる。
しかし、通常のHIP処理では冷却は冷却速度の遅い炉
冷であり、前記(1)〜(3)において必要とする10
℃/秒以上の冷却速度を得ることは困難である。製品寸
法が大きく厚肉の場合は特に困難である。しかし、不活
性ガスを流入させることにより速い冷却速度を得ること
の可能なHIP装置も存在しており、前記(1)〜
(3)は、このようなHIP装置を用いると適用でき
る。ただし、大量の不活性ガスを使用する必要があるた
め若干コストが高くなってしまう。
【0028】前記(4)および(5)に記載のHIP装
置はこの問題を解決できる装置で、前記(1)〜(3)
の製造方法に適用することができ、しかも使用する不活
性ガスも節約でき安価である。前記(4)に記載の装置
は、HIP装置において、高圧容器内部に2つの独立し
た加熱装置を有し、高圧容器内部の2つの部分を個別に
加熱することができ、処理物を加熱装置間で移動させる
ための可動台を具備することを特徴とする。
【0029】この装置では、圧力は高圧円筒内一定の1
00MPa以上、好ましくは300MPa以上の圧力と
し、高圧円筒内の一方の加熱装置のみをβ変態点−20
0℃以上の温度とし(高温部)、もう一方の加熱装置を
600℃以下の温度とし(低温部)、高温部に素材(処
理物)を保持した後に、可動台を動かして素材を低温部
に迅速に移動させることにより、高圧を保ったまま素材
の温度を10℃/分以上の冷却速度で低下させることが
できる。
【0030】前記(5)に記載の装置は、図2に示すよ
うに、前記(4)に記載のHIP装置の高温部と低温部
を仕切る断熱壁をさらに具備し、HIP媒体ガスの対流
や輻射熱の影響を低減することにより、高温部と低温部
の温度勾配を急峻にしたものである。この装置では、高
温部から低温部に移動した素材の冷却速度をさらに速め
ることが可能となり、より厚肉の素材にも対処できる。
【0031】
【実施例】本発明の効果を実施例によりさらに詳しく説
明する。 (試験1)内径400mm、高さ1200mmの円筒形圧力
容器の上部半分と下部半分に、独立したMo製の発熱体
1と2を設置し、上下に可動な処理物台を有するHIP
装置を製作した(以下、装置Aと記す)。これは前記
(4)に記載の装置であり、図1にその断面を示す。
【0032】この装置の可動式処理台に、表1に示す種
々の直径で150mm長の円筒形のTi−6Al−4V
(β変態点:990℃)を置き、150MPaの圧力を
付加すると同時に、900℃に加熱した上部高温部にて
試料をHIP処理し、次いで圧力を維持したまま可動式
処理物台を下げることにより、表1に示した種々の温度
の下部低温部に試料を移動した。同時に上部高温部の発
熱体への通電を停止した。そして、試料が600℃にま
で冷却される際の冷却速度および300℃にまで冷却さ
れる際の冷却速度を測定した。その結果を表1に併せて
示す。ここで、冷却速度は試料の中央部を測定したもの
であり、600℃あるいは300℃に冷却されるまでの
最も遅い冷却速度である。
【0033】表1において処理No.1は、上部高温
部、下部低温部ともに900℃とし、試料は冷却せず発
熱体への通電のみを停止した場合であり、通常のHIP
装置の冷却状態に相当する。この場合、試料が600℃
以下に冷えるまでの冷却速度は1℃/分であり、前記
(1)に記載の方法を適用することはできない。
【0034】これに対し処理No.2、3、4は、低温
下部を500℃とし、上部高温部での加圧熱処理終了
後、直ちに試料を下部低温部に移動して冷却した場合で
ある。直径が30mmの試料(処理No.4)では600
℃に冷却されるまでの冷却速度は5℃/分で、前記
(1)に記載の方法を適用できないが、直径が20mm以
下の試料(処理No.2、3)では、600℃に冷却さ
れるまでの冷却速度はいずれも10℃/分以上であり、
前記(1)に記載の方法を適用することが可能であっ
た。
【0035】処理No.5、6、7は、下部低温部の発
熱体に最初から通電しなかった場合で、上部高温部から
流入した熱により150℃の温度となっている。この場
合、600℃に冷却されるまでの冷却速度は、直径が2
0mm以下の試料では10℃/分以上の冷却速度が達成さ
れており、前記(1)に記載の方法の適用が可能であっ
た。また試料が300℃に冷却されるまでの冷却速度
は、直径が10mmの試料(処理No.5)では10℃/
分以上であり、前記(2)に記載の方法が適用可能であ
った。
【0036】
【表1】
【0037】(試験2)次に、装置Aを用いて圧力を3
30MPaとし、後は試験1と同じ条件で同様の試験を
行った。その結果を表2に示す。試料が600℃に冷却
されるまでの冷却速度は、直径が30mm以下の試料(処
理No.8、9、10)で10℃/分以上となってお
り、また試料が300℃に冷却されるまでの冷却速度
は、直径が10mmの試料(処理No.8)で10℃/分
以上となっており、各々前記(3)に記載の方法の適用
が可能であった。以上説明したように、装置Aは、処理
体の寸法にもよるが、前記(1)〜(3)に記載の方法
の適用が可能であった。
【0038】
【表2】
【0039】(試験3)次に、内径400mm、高さ12
00mmの円筒形圧力容器の上部半分と下部半分に、独立
したMo製の発熱体を設置するとともに、上部半分と下
部半分の間に断熱壁を置き、さらに上下に可動な処理物
台を有するHIP装置を製作した(以下、装置Bと記
す)。これは前記(5)に記載の装置であり、図2にそ
の断面を示す。
【0040】この装置の処理物台に、表3に示す種々の
直径で150mm長の円筒形のTi−6Al−4Vを置
き、150MPaの圧力を付加すると同時に、900℃
に加熱した上部高温部にて試料をHIP処理し、次いで
圧力を維持したまま可動式処理物台を下げることによ
り、表3に示した種々の温度の下部低温部に試料を移動
した。同時に上部高温部の発熱体への通電を停止した。
そして、試料が600℃以下の温度にまで冷却される際
の冷却速度および300℃に冷却される際の冷却速度を
測定した。その結果を表3に併せて示す。ここで、冷却
速度は試料の中央部を測定したものであり、600℃あ
るいは300℃に冷却されるまでの最も遅い冷却速度で
ある。
【0041】表3において、処理No.11、12、1
3は低温下部を500℃とし、上部高温部での加圧熱処
理終了後、直ちに試料を下部低温部に移動して冷却した
場合である。断熱壁を挿入したことにより、上部高温層
と下部低温層の間の温度勾配が急峻となり、装置Aより
も速い冷却速度が達成できるようになっている。すなわ
ち装置Aを用いた場合、処理No.2、3、4に示した
ように、直径が20mm以下の試料(処理No.2、3)
で、600℃に冷却されるまでの冷却速度が10℃/分
以上となったが、装置Bでは、直径が30mm以下の試料
(処理No.11、12、13)で600℃に冷却され
るまでの冷却速度が10℃/分以上となっており、30
mm以下の直径の試料に対しても前記(1)に記載の製造
方法を適用することが可能であった。
【0042】処理No.14、15、16は、下部低温
部の発熱体に最初から通電しなかった場合で、装置Aで
は上部高温部から流入した熱により150℃の温度とな
っていたが、装置Bでは断熱壁の効果で下部低温部は5
0℃程度の温度であった。この場合、600℃までに冷
却されるまでの冷却速度は、直径が30mm以下の試料で
10℃/分以上の冷却速度が達成されており、前記
(1)に記載の方法の適用が可能であり、また試料が3
00℃に冷却されるまでの冷却速度も、直径が30mm以
下の試料で10℃/分以上が達成されており、前記
(2)に記載の方法が適用可能であった。
【0043】
【表3】
【0044】(試験4)次に、装置Bを用いて圧力を3
30MPaとし、後は試験3と同じ条件で同様の試験を
行った。その結果を表4に示す。試料が600℃に冷却
されるまでの冷却速度および300℃に冷却されるまで
の冷却速度は、直径が30mm以下の試料で10℃/分以
上となっており、前記(3)に記載の製造方法の適用が
可能であった。
【0045】
【表4】
【0046】以上説明したように、装置Bは、装置Aよ
りもさらに速い冷却速度が達成され、前記(1)〜
(3)記載の方法の適用が可能であった。
【0047】次に、装置Bを用いて行った実験を例に、
前記(1)〜(3)に記載の製造方法について説明す
る。 (試験5)まず素粉末混合法により、直径10mm〜40
mm、100mm長さの円柱状の焼結Ti−6Al−4V試
料を製造した。次に装置Bの上部高温部に試料を挿入
し、表5に示した圧力、温度にて圧密化を兼ね加圧熱処
理を行った。そして、表5に示した時効処理温度に制御
された下部低温部に試料を移送すると同時に上部高温部
の発熱体への通電を停止し、そのまま表5に記した条件
にて時効処理を行った。ただし、試験番号1は通常のH
IP処理を行った場合であり、従来技術に相当する。こ
の場合、試料は装置Bの上部高温部から下部低温部へ移
動させず、加圧熱処理終了後そのまま炉冷している。
【0048】全ての工程を終えた試料は、装置Bから取
り出した後、25mmの評点間距離、平行部の直径6.2
5mmの丸棒引張試験片を切り出し、引張試験を行い、引
張強さおよび伸びを評価するとともに、直径8mm、平行
部30mmの丸棒試験片も採取し、回転曲げ疲労試験を行
い、107 回の繰り返し数でも破断しない強度を疲労強
度と定義して疲労特性を評価した。これら機械試験結果
も表5に併せて示す。なお、600℃までの冷却速度は
試料の中心部にて測定したもので、機械試験片も試料の
中心部近傍から採取した。
【0049】表5において、通常のHIP処理を行った
試験番号1は、加圧熱処理後600℃に冷却するまでの
冷却速度が1℃/分と遅く、冷却途中で粗大α相が生成
し、15%に満たない低い伸びおよび400MPaに満
たない低い疲労強度しか得られなかった。また引張強さ
も900MPa以下の低い値であった。試験番号2は、
試験番号1の試料をさらに500℃×4時間の時効処理
した例であるが、試験番号1と同程度の特性しか得られ
なかった。
【0050】一方、前記(1)に記載の方法を適用した
試験番号3、4、7、11、12、15は、いずれも9
40MPa以上の高い引張強さ、15%以上の高い伸
び、410MPa以上の高い疲労強度が得られており、
本発明の効果が十分に達成されている。これに対し試験
番号5、6、8、9は、引張強度、伸び、疲労強度のい
ずれもが低い値しか示さなかった。
【0051】その理由は下記のとおりである。試験番号
5は加圧熱処理の温度が前記(1)で規定されたβ変態
点−200℃よりも低かったため十分にβ単相となら
ず、粗大なα相が残存し、高い材質特性は得られなかっ
た。試験番号6は、圧力が前記(1)で規定された10
0MPaよりも低かったため、冷却中に粗大α相が析出
し、高い材質特性は得られなかった。また試験番号8
は、600℃に冷却するまでの冷却速度が前記(1)で
規定された10℃/分よりも遅かったため、冷却中に粗
大なα相が析出し、高い材質特性は得られなかった。試
験番号9は、加圧熱処理時には120MPaの圧力を付
与したものの、冷却中には80MPaに減圧した例で、
冷却中に必要な100MPa以上の圧力が付与されてい
ないため、粗大α相が析出し、高い材質特性は得られな
かった。
【0052】また試験番号10は、時効処理温度が前記
(1)で規定された400℃より低い温度であったた
め、析出α相が微細すぎて延性が極端に低下した。試験
番号13では、時効処理温度が前記(1)で規定された
600℃より高い温度であったため、粗大α相が生成
し、延性、疲労特性が低下した。試験番号14では、時
効処理時間が前記(1)で規定された1時間に満たなか
ったため、十分にα相の析出が完了しておらず、高い強
度および疲労強度が得られなかった。
【0053】試験番号16、17は、圧力を300MP
a以上とした前記(3)の実施例である。300MPa
以上の高圧を付与することにより、前記(1)の実施例
である試験番号3、4、7、11、12、15に比べ
て、さらに高引張強度、高疲労強度が延性を損なうこと
なく達成されており、本発明の効果が一層発揮されてい
る。
【0054】
【表5】
【0055】(試験6)精密鋳造法により、20mm×2
0mm×100mm長さの角柱状の焼結Ti−5.5Al−
1Fe合金(β変態点:960℃)試料を準備した。そ
して装置Bの上部高温部に試料を挿入し、表6に示した
圧力、温度にて圧密化を兼ね加圧熱処理を行った。そし
て、50℃に制御された下部低温部(発熱体への通電は
行わず)に試料を移動すると同時に上部高温部の発熱体
への通電を停止した。そして十分冷却した後に試料を取
り出し、30%の圧縮加工を行った。ただし試験番号1
8は通常のHIP処理を行った場合である。この場合、
試料は装置Bの上部高温部から下部低温部へ移動させ
ず、加圧熱処理終了後そのまま炉冷却している。その
後、表6に記した条件にて時効処理を行った。
【0056】全ての工程を終えた試料は、装置Bから取
り出した後、25mmの評点間距離、平行部の直径6.2
5mmの丸棒引張試験片を切り出して引張試験を行い、引
張強さおよび伸びを評価するとともに、直径8mm、平行
部30mmの丸棒試験片も採取し、回転曲げ疲労試験を行
い、107 回の繰り返し数でも破断しない強度を疲労強
度と定義して疲労特性を評価した。これら機械試験結果
も表5に併せて示す。なお、300℃までの冷却速度は
試料の中心部にて測定したもので、機械試験片も試料の
中心部近傍から採取した。
【0057】表6において、試験番号18は通常のHI
P処理を行った従来技術例であり、加圧熱処理後300
℃に冷却するまでの冷却速度が1℃/分と遅く、冷却途
中で粗大α相が生成して冷間加工中に割れてしまい、引
張試験片および疲労試験片の採取ができなかった。試験
番号19は、試験番号18と同様の加圧熱処理を行った
後、冷間加工することなく500℃×4時間の時効処理
した例である。加圧熱処理後の冷却中に生成した粗大α
相のため、10%に満たない低い伸びおよび400MP
aに満たない低い疲労強度しか得られなかった。また、
引張強さも900MPa以下の低い値であった。
【0058】一方、前記(2)に記載の方法を適用した
試験番号20、21、24、28、29、32は、いず
れも980MPa以上の高い引張強さ、10%以上の高
い伸び、460MPa以上の高い疲労強度が得られてお
り、本発明の効果が十分に達成されている。これに対し
試験番号22、23、25、26は、冷間加工中に割れ
たり、あるいは割れを生じなくとも、引張強度、伸び、
疲労強度のいずれもが低い値しか示さなかった。
【0059】その理由は下記のとおりである。試験番号
22は加圧熱処理の温度が前記(2)で規定されたβ変
態点−200℃よりも低かったため十分にβ単相となら
ず、粗大なα相が残存し、冷間加工性が低下してしまっ
た。試験番号23は、圧力が前記(2)で規定された1
00MPaよりも低かったため、冷却中に粗大α相が析
出し、冷間加工こそ可能であったが高い材質特性は得ら
れなかった。また試験番号25は、300℃に冷却する
までの冷却速度が前記(2)で規定された10℃/分よ
りも遅かったため、冷却中に粗大なα相が析出して冷間
加工中に割れてしまった。試験番号26は、加圧熱処理
時には120MPaの圧力を付与したものの、冷却中に
は80MPaに減圧した例で、冷却中に必要な100M
Pa以上の圧力が付与されていないため、本発明の効果
が達成されず、粗大α相が析出してしまい、冷間加工は
可能であったが高い材質特性は得られなかった。
【0060】また試験番号27は、時効処理温度が前記
(2)で規定された400℃より低い温度であっったた
め、析出α相が微細すぎて延性が極端に低下した。試験
番号30では、時効処理温度が前記(2)で規定された
600℃より高い温度であっったため粗大α相が生成
し、延性、疲労特性が低下した。試験番号31では、時
効処理時間が前記(2)で規定された1時間に満たなか
ったため、十分にα相の析出が完了しておらず、高い強
度および疲労強度が得られなかった。
【0061】試験番号33、34は、圧力を300MP
a以上とした前記(3)の実施例である。300MPa
以上の高圧を付与することにより、前記(2)の実施例
である試験番号20、21、24、28、29、32に
比べて、さらに高引張強度、高疲労強度が延性を損なう
ことなく達成されており、本発明の効果が一層発揮され
ている。
【0062】
【表6】
【0063】(試験7)次に、直径30mmに圧延した各
種チタン合金を100mm長さに切断し、これを用いて試
験を行った。これらの材料はいずれもβ変態点以下のα
+β域で圧延され、その後750℃×1時間,空冷の条
件で焼鈍されている。しかし不均質な組織を有してお
り、中心部には延性、疲労特性を低下させる粗大針状組
織を有していた。これら試料の一部(試験番号36、3
8、40)は、装置Bの上部高温部に挿入し、表7に示
した圧力、温度にて加圧熱処理を行った。そして50℃
に制御された下部低温部(発熱体への通電は行わず)に
試料を移動すると同時に、上部高温部の発熱体への通電
を停止した。そして十分冷却した後に試料を取り出し、
一部はそのまま、また一部は30%の圧縮加工を行い、
その後500℃×4時間の時効処理を行った。
【0064】そしてこれら試料および焼鈍まま材から、
25mmの評点間距離、平行部の直径6.25mmの丸棒引
張試験片を切り出して引張試験を行い、引張強さおよび
伸びを評価するとともに、直径8mm、平行部30mmの丸
棒試験片も採取し、回転曲げ疲労試験を行い、107
の繰り返し数でも破断しない強度を疲労強度と定義して
疲労特性を評価した。これら機械試験結果も表7に併せ
て示す。なお、300℃までの冷却速度は試料の中心部
にて測定したもので、機械試験片も試料の中心部近傍か
ら採取した。なお、同時に焼鈍ままの試料からも上記試
験片を採取し、同様の試験を実施した。これらの結果も
表7に示す。
【0065】表7において、試験番号35はTi−6A
l−6V−2Snの焼鈍材の材料特性を調べた結果であ
り、試験番号36は同合金に対し前記(1)を適用した
結果である。強度、伸び、疲労強度ともに大幅に改善さ
れており、前記(1)の効果が十分に達成されている。
また試験番号37は、Ti−4.5Al−3V−2Mo
−2Feの焼鈍材の材料特性を調べた結果であり、試験
番号36は同合金に対し、前記(3)を適用した結果で
ある。強度、伸び、疲労強度ともに大幅に改善されてお
り、前記(3)の効果が十分に達成されている。さらに
試験番号39は、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6M
oの焼鈍材の材料特性を調べた結果であり、試験番号4
0は同合金に対し前記(3)を適用した結果である。強
度、伸び、疲労強度ともに大幅に改善されており、前記
(3)の効果が十分に達成されている。
【0066】
【表7】
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用する
ことにより、高い強度、延性、疲労強度を有し、変形や
割れなどの欠陥もなく信頼性の高いα+β型チタン合金
を、従来よりも安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒形圧力容器の上部半分と下部半分に、独立
した発熱体を有し、上下に可動な処理物台を有するHI
P装置の断面の概略図である。
【図2】円筒形圧力容器の上部半分と下部半分に、独立
した発熱体を有し、上部半分と下部半分の間に断熱壁を
有し、さらに上下に可動な処理物台を有するHIP装置
の断面の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 680 680 691B 691 691C 691Z B22F 3/14 L (72)発明者 藤永 保夫 仙台市青葉区片平2−1−1 東北大学 金属材料研究所内 Fターム(参考) 4K018 AA06 EA12 EA13 EA14 EA20 FA09 KA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α+β型チタン合金を、100MPa以
    上の圧力を付与しながらβ変態点−200℃以上の温度
    に加圧・加熱する加圧熱処理を行い、次いで圧力を10
    0MPa以上に保ったまま、600℃以下の温度まで1
    0℃/分以上の冷却速度で冷却し、さらに400℃〜6
    00℃の温度で1時間以上保持する時効処理を行うこと
    を特徴とする、高強度、高延性、高疲労強度を有するα
    +β型チタン合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 α+β型チタン合金を、100MPa以
    上の圧力を付与しながらβ変態点−200℃以上の温度
    に加圧・加熱する加圧熱処理を行い、次いで圧力を10
    0MPa以上に保ったまま、300℃以下の温度まで1
    0℃/分以上の冷却速度で冷却し、塑性加工を施した
    後、さらに400℃〜600℃の温度まで加熱して1時
    間以上保持する時効処理を行うことを特徴とする、高強
    度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 付与する圧力が300MPa以上の圧力
    であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高
    強度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記製造方法に使用するHIP装置にお
    いて、高圧容器内部に2つの独立した加熱装置を設け、
    処理物を加熱装置間で移動させるための可動台を具備さ
    せたことを特徴とする、高強度、高延性、高疲労強度を
    有するα+β型チタン合金の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱装置の間に仕切り断熱壁をさら
    に具備することを特徴とする、請求項4に記載の高強
    度、高延性、高疲労強度を有するα+β型チタン合金の
    製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002473A (ja) * 2003-06-10 2005-01-06 Boeing Co:The 金属部材を形成し、チタンベースの合金を熱処理しかつ航空機を製造するための方法、および負荷のかかる構造部材を含む航空機
WO2005098063A1 (ja) * 2004-04-09 2005-10-20 Nippon Steel Corporation 高強度α+β型チタン合金
CN109234656A (zh) * 2018-11-08 2019-01-18 江苏理工学院 一种提高亚稳β钛合金强度的预变形热处理工艺

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