JP2001058378A - 塗膜を有する建材及びその製造方法 - Google Patents

塗膜を有する建材及びその製造方法

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water
alkali metal
acid
metal silicate
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Yoshito Moriyama
嘉人 守山
Akihiko Tsunekawa
明彦 恒川
Takahiro Goto
貴大 後藤
Masachika Kubo
正親 久保
Masaki Miwa
正記 三羽
Okikazu Ooe
意和 大江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 堅牢で耐汚染性、耐熱性に優れ、耐久性の良
好な光沢を有した塗膜付きの建材を提供する。 【解決手段】 基材と、該基材上に形成されたアルカリ
金属珪酸塩系下塗り層と、該下塗り層上に形成されたア
クリルシリコン系表面層とを備えてなる塗膜を有する建
材。この塗膜は、基材上に水溶性アルカリ金属珪酸塩系
水溶液塗料を塗布して適度に乾燥させて形成した塗膜
に、pH値が3.5〜10.0の酸・アンモニウム塩系
の水溶液を適用し、水洗し、乾燥し、この上にアクリル
シリコン系表面層を形成することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多孔性無機質基材又
は金属、ガラス等の基材の表面に水溶性アルカリ金属珪
酸塩系塗膜を形成した建材とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】石綿セメント板や珪酸カルシウム板など
の基材は、不燃性で且つ耐久性に優れているため、広く
建材その他に使われている。通常これらの材料自体は美
粧性に乏しいため、美粧性が要求される場合には有機質
塗料で塗装仕上げされている。ところがこの有機質塗膜
は可燃性であり又耐久性に乏しい為、基材のもつ特徴を
著しく損ねている。そこでこれらの基材の特徴を生かす
ことができる不燃性の無機質塗料が使われるようになっ
た。しかしながら一般に無機質塗料は有機質塗料に比べ
て不燃性・耐熱性などには優れているが可撓性、光沢、
平滑性などの点については劣っている。特に石綿セメン
ト板や珪酸カルシウム板のような基材は、気中の湿度変
化あるいは吸水、乾燥による膨張、収縮の寸法変化が大
きく、無機質塗膜はその寸法変化に充分追従できる可撓
性に乏しいためクラックが発生しやすく、またそのクラ
ックに汚染物質が浸透付着して耐汚染性が低下する。さ
らにクラックの発生によって、基材中の白華成分が塗膜
表面に溶出して白華現象を生起しがちである。
【0003】建材等の化粧等に用いられる無機質塗料に
は加熱硬化型のものと常温硬化型のものがある。一般
に、加熱硬化型の塗料は約200〜300℃に加熱しな
いと充分に硬化した膜が得られないが、基材として石綿
セメント板や珪酸カルシウム板などを用いた場合、この
加熱により基材が強度劣化、変性、変色を起こしたりす
る問題がある。常温硬化型のものは基材を劣化させるこ
とは少ないが、充分な硬化膜を得るには約1週間以上の
硬化期間を要する。
【0004】上記の諸問題を解決し、無機質塗膜の持つ
不燃性、耐熱性に加えて、有機質塗料やガラス釉面並の
光沢と平滑性を持ち、且つ無機質塗膜の欠点であった可
撓性、耐汚染性、耐白華性に優れた塗膜を得るととも
に、基材の加熱劣化をも生じさせない無機質塗膜の形成
方法が特許第14317850号に開示されている。
【0005】同号特許の方法は鉱物質基材上に、充填
剤、顔料および硬化剤等から選ばれる粉体固形分を含有
する水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して
適度に乾燥させ、次に該粉体固形分の含有量が該下塗り
塗料よりも少量ないし零である該珪酸塩系水溶液塗料を
塗布して適度に乾燥させた塗膜に、pH値約3.5〜約
10.0の酸・アンモニウム塩系水溶液を適用し、水洗
しそして乾燥する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
アルカリ金属珪酸塩系塗膜を有した建材の該塗膜の耐汚
染性を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の建材は、基材
と、該基材上に形成されたアルカリ金属珪酸塩系下塗り
層と、該下塗り層上に形成されたアクリルシリコン系表
面層とを備えてなる塗膜を有するものである。
【0008】本発明の建材の製造方法は、基材上にアル
カリ金属珪酸塩系下塗り層を形成し、この下塗り層の上
にアクリルシリコン系表面層を形成することを特徴とす
るものである。
【0009】かかる建材は、無機質塗膜よりなる下塗り
層がアクリルシリコン系表面層で覆われているため、汚
れが付きにくく、また汚れが付着しても水洗いにより容
易に除去できる。このアクリルシリコン系表面層は、硬
度が高く、耐水性、耐熱性に優れると共に、下塗り層と
の密着性も良好であり、耐久性に優れる。また、光沢を
有すると共に、下塗り層のポーラスな部分に入り込むの
で、表面層が摩耗してもこのポーラスな部分に入り込ん
だアクリルシリコン系部分が残存し、塗膜の光沢や、防
水性が維持される。
【0010】このアクリルシリコン系表面層は、基材の
伸縮に対する追従性が良く、クラックが入りにくいとい
う長所も有する。
【0011】このアクリルシリコン系表面層は、無機系
抗菌剤を分散させることが好ましく、これにより防汚効
果を高めることができる。
【0012】なお、本発明においては、下塗り層を従来
よりもポーラス度の高いものとすることにより、アクリ
ルシリコン系表面層と下塗り層との密着性をより一層向
上させることができ、好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい形態につ
いて詳細に説明する。
【0014】本発明で用いる基材としては、石綿セメン
ト板、石綿パーライト板、珪酸カルシウム板、石綿セメ
ント珪酸カルシウム板、石膏ボード、モルタルボード、
コンクリートボード、パルプセメント板、木片セメント
板、GRC(ガラス繊維強化セメント)ボード、CFR
C(カーボン繊維強化セメント)ボード、SFRC(ス
チール繊維強化セメント)ボード、ALCボード、ロッ
クウール無機質成形体、金属板、ガラス板等が例示され
る。
【0015】この基材上に、必要に応じプライマー(例
えば珪酸リチウム系プライマー処理剤)を塗布した後、
アルカリ金属珪酸塩系下塗り層を形成する。このアルカ
リ金属珪酸塩系下塗り層は、基材上に水溶性アルカリ金
属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して適度に乾燥させて形成
した塗膜に、pH値が3.5〜10.0の酸・アンモニ
ウム塩系の水溶液を適用し、水洗し、乾燥して形成した
ものであることが好ましい。
【0016】この下塗り層は、水溶性アルカリ金属珪酸
塩系水溶液塗料を1回又は複数回塗布し、次いで酸・ア
ンモニウム系水溶液を適用して水洗し乾燥する一連の工
程を1回行うか、又は複数回繰り返して行うことにより
形成される。このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料は、
粉体を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を複数回塗布する
場合、2回目以降の塗布時の塗料の粉体含有量を1回目
よりも少なくしたり、又は粉体を含有させないようにし
てもよい。また、3回以上塗布する場合、粉体含有量を
順次に少なくしてもよく、各回で同一としてもよい。
【0017】水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液は、必
要に応じ硬化剤、充填剤、顔料等の粉体固形分を含む。
【0018】水溶性アルカリ金属珪酸塩は、一般式M2
O・xSiO2・yH2O(但し、Mは周期律表第I族に
属するアルカリ金属、x及びyは正の数である。)で表
わされるが、この水溶性アルカリ金属珪酸塩を多価金属
化合物で変性した変性水溶性アルカリ金属珪酸塩を用い
てもよい。水溶性アルカリ金属珪酸塩には、珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等があり、xの値は
特に制限するものではないが、2〜5が造膜性、耐久性
等の観点から好ましい。yの値についても特に制限する
ものではなく、最終的に得られる組成物塗料に適度な粘
性をもたせる範囲、あるいは該組成物を取り扱う上にお
いて支障がない範囲であればよい。変性水溶性アルカリ
金属珪酸塩は、前記水溶性アルカリ金属珪酸塩にマグネ
シウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、ジルコニウ
ム等の多価金属の酸化物、水酸化物、弗化物、炭酸塩、
リン酸塩等の化合物の1種あるいは2種以上を溶解反応
させたものであり、塗膜の耐水性、耐薬品性等の改善に
寄与する。これらの水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは
変性水溶性アルカリ金属珪酸塩の1種だけを用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。
【0019】実用的には珪酸ナトリウムが造膜性、接着
性、低コスト性等の点で優れており、本発明では珪酸ナ
トリウムの1種だけを用いても優れた無機質塗膜が得ら
れる。塗料中のアルカリ金属珪酸塩の含有量は、好まし
くは約7重量%以上、特に好ましくは約10〜約60重
量%の範囲である。
【0020】上記の水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは
変性水溶性アルカリ金属珪酸塩の硬化剤には、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の多価金属
酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
多価金属水酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の多
価金属炭酸塩;リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウ
ム、リン酸亜鉛等の多価金属リン酸塩;珪弗化亜鉛、珪
弗化アルミニウム等の珪弗化物;グリオキザール、シュ
ウ酸アミド等の有機化合物等があり、これらの硬化剤の
1種類あるいは2種以上を用いる。硬化剤の有効量は、
該塗料の重量の約1%以上、好ましくは約3%以上、典
型的には約5〜10%以上である。
【0021】充填剤には、珪石、アルミナ、ガラス粉等
の粒状物;粘土、雲母等の偏平状物;石綿、ガラス繊維
粉等の繊維状物等がある。
【0022】顔料には、二酸化チタン、ベンガラ、黄
鉛、クロムグリーン、群青、マルスバイオレット、コバ
ルトブルー、カーボンブラック等がある。
【0023】これらの粉体の含有量は、塗料中において
60重量%以下であることが好ましい。
【0024】その他の添加剤としては、公知の界面活性
剤、分散剤、消泡剤、増粘剤等が必要に応じて添加され
る。
【0025】このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗
布し、室温〜150℃に0.5〜48時間程度保持して
乾燥し、塗膜を形成する。この塗膜の厚さは20〜20
0μmとくに30〜100μm程度が好ましい。
【0026】この塗膜に酸・アンモニウム塩系水溶液を
適用して塗膜を硬化させる。
【0027】この酸・アンモニウム塩系水溶液のpH値
は、一般に約3.5〜約10.0の範囲であり、好まし
くは約4〜約9の範囲であり、そしてより好ましくは約
4.5〜約8.5そして典型的には約5〜約8の範囲で
ある。この酸・アンモニウム系水溶液の濃度は0.5〜
10重量%程度が好ましい。
【0028】該酸・アンモニウム塩系水溶液としては、
酸または酸性塩とアンモニアまたはアンモニア水または
アンモニア化合物との反応生成物または反応生成混合物
である塩の水溶液を指称し、代表的には、(1)水に該
酸・アンモニウム塩を溶解するかまたは(2)水に酸お
よびアンモニア水またはアンモニアガスを添加する等に
よって調製し得る。該水溶液を所望のpH値に調整する
には、例えば該水溶液にアンモニア水もしくはアンモニ
アガスまたは該酸を適度に添加すればよい。必要に応じ
て、所望のpH値を効果的に維持するために適当な緩衝
剤を添加することも可能である。なお、酸・アンモニウ
ム塩系水溶液の塩成分は、二種類以上の塩の混合物であ
ってもよい。
【0029】該酸・アンモニウム塩系水溶液の塩の酸成
分としては無機酸及び有機酸またはこれらの酸性塩が使
用でき、無機酸系としてはリン酸、塩酸、亜硫酸、硫
酸、硝酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、第1
リン酸アルミニウム、第1リン酸カルシウム、硝酸アル
ミニウム等が、そして有機酸としてはシュウ酸、クエン
酸、酢酸、酒石酸等が代表的に例示されるが、これらに
限定されない。なお、代表的な酸・アンモニウム塩とし
て、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等が例
示できるが、一般に、第一、第二および/または第三リ
ン酸アンモニウムが特に好適である。
【0030】この酸・アンモニウム塩水溶液を塗膜に適
用するには、この水溶液を塗膜に注ぎかけたり、噴霧し
たり、あるいはこの水溶液中に塗膜を浸潰すればよい。
【0031】この水溶液との接触時間は1〜24時間程
度が好ましく、接触時の温度は室温〜60℃程度が好ま
しい。
【0032】この酸・アンモニウム水溶液と接触させる
ことにより塗膜が硬化する機構は、アルカリ金属珪酸塩
系塗膜中のアルカリ金属を酸イオンにより選択的、強制
的に除去して塗膜を硬化させるとともに、一部分の該酸
は塗膜中の成分とも反応して硬化作用をもたらすものと
考えられる。なお、酸・アンモニウム塩水溶液で処理す
ることにより、白華成分となる塗膜中のアルカリ金属が
除去されるので、耐白華性に優れた塗膜ができる。
【0033】その後、塗膜に水を注ぎかけたり水中に浸
潰させることにより、塗膜や基材中の残留未反応酸・ア
ンモニウム塩等の物質を除去し、これを乾燥させると塗
膜は収縮して微細なクラックが均一に発生する。こうし
て発生したクラックは微細であり、また基材の吸水膨
張、乾燥収縮等の寸法変化やたわみが発生してもその均
一なクラックにより応力を分散吸収させてしまうため、
耐汚染性の低下をもたらす大きなクラックは発生しな
い。
【0034】水洗時間は1〜24時間程度で十分であ
る。なお、水洗に際して水の代わりに、残存する該アン
モニウム塩等に作用して除去を促進(例えば化学反応に
よる分解)しかつ該塗膜に実質的に無影響である強塩基
−強酸・塩(例えばNaClまたはKCl)の希水溶液
(例えば0.1〜5重量%程度)を使用すると、水洗時
間が短縮される。
【0035】この水洗の後、乾燥し、その上にアクリル
シリコン系表面層を形成する。
【0036】本発明においては、このようにして形成さ
れる下塗り層を水ガラス含有率を10〜60%の範囲内
で減らすことでポーラス度の高いものとすることによ
り、上層のアクリルシリコン系表面層と下塗り層との密
着性をより一層向上させることができ、好ましい。
【0037】このような下塗り層上に、アクリルシリコ
ン系表面層を形成するには、アクリルシリコン系水性樹
脂塗料を塗布し、乾燥させた後加熱して塗膜を硬化させ
る。
【0038】このアクリルシリコン系塗料としてはシリ
コン含有水溶性アクリル樹脂を主剤としてエポキシ樹脂
を硬化剤とした硬化性シリコンアクリルエポキシ系水性
樹脂塗料が好ましい。この塗料は、ポリシロキサンオリ
ゴマーによる架橋と、アクリル樹脂/エポキシ樹脂の架
橋の複合架橋により高硬度で耐久性、耐候性、耐酸性、
耐アルカリ性、耐熱性、耐溶剤性に優れた塗膜を生成さ
せる。
【0039】通常の場合、このアクリルシリコン系塗膜
の乾燥条件は60〜90℃で10〜60分程度、加熱条
件は100〜150℃で0.1〜2時間程度が好まし
い。
【0040】なお、このアクリルシリコン系表面層は、
無機系抗菌剤を分散させることが好ましく、これにより
防汚効果を高めることができる。
【0041】無機系抗菌剤としては、銀や酸化銀、銀錯
塩等の抗菌成分をゼオライト、リン酸カルシウム、リン
酸ジルコニウム、非晶質酸化ケイ素、チタニア等の担体
に担持した抗菌剤を用いることができ、そのアクリルシ
リコン系表面層中の含有量は0.01〜3.0重量%と
することが好ましい。
【0042】このアクリルシリコン系塗膜よりなるアク
リルシリコン系表面層の厚さは20〜200μmとくに
30〜100μm程度が好ましい。
【0043】
【実施例】実施例1 (1)塗料の調合 下塗り塗料は下記に示す調合の内、水ガラス以外のもの
をポットミルで24時間混合し、これに水ガラスを加え
て15分間スクリュー攪拌して調整した。
【0044】 <下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 30〔重量部〕 顔料 8〔重量部〕 酸化亜鉛 8〔重量部〕 珪石粉 18〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロジル 0.2〔重量部〕 水 35〔重量部〕 (2)下塗り塗料の塗装 珪酸カルシウム板(厚さ3mm)に珪酸リチウム系プラ
イマー処理剤を塗布した後、エアースプレーにより乾燥
膜厚が約50μmの厚さになるように塗装し、130℃
で3時間乾燥を行った。これを30℃のリン酸アンモニ
ウム水溶液中(第1リン酸アンモニウム2.5%、およ
び第2リン酸アンモニウム2.5%、pH6.5)に8
時間浸潰し、さらに水中に12時間浸潰した後水洗し8
0℃で乾燥した。
【0045】(3)表面層の形成 次にアクリルシリコンエポキシ系水性樹脂塗料を塗布
し、60℃で20分乾燥後、140℃で30分加熱し、
厚さ50μmのアクリルシリコンエポキシ系樹脂塗膜を
形成した。
【0046】実施例2,3 下塗り塗料の調合を下記の通りとした他は、実施例1と
同様にして珪酸カルシウムボードの上に塗膜を形成し
た。
【0047】 <実施例2の下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 40〔重量部〕 顔料(チタン白) 7〔重量部〕 酸化亜鉛 7〔重量部〕 珪石粉 15〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロゾル 0.2〔重量部〕 水 30〔重量部〕 <実施例3の下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 45〔重量部〕 顔料(チタン白) 6〔重量部〕 酸化亜鉛 6〔重量部〕 珪石粉 14.5〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロゾル 0.2〔重量部〕 水 27.5〔重量部〕 実施例4 実施例1において、アクリルシリコンエポキシ系水性樹
脂塗料に銀担持ゼオライト系抗菌剤を1.0重量%混合
したものを用いて表面層を形成したこと以外は同様にし
て珪酸カルシウムボード上に塗膜を形成した。
【0048】比較例1 アクリルシリコン系表面層を形成しなかったこと以外は
実施例1と同様にして塗膜を珪酸カルシウムボードに形
成した。
【0049】このようにして形成した塗膜の耐汚染性、
耐熱性、防水性、光沢及び硬度について調べた結果を表
1に示す。
【0050】なお、耐汚染性はカーボンブラックを10
重量%混合したワセリンを塗り、1日放置後、石鹸水を
浸したガーゼでふき取ることにより調べ、耐熱性は13
0℃の雰囲気に30分保持した後の状況で調べ、防水性
はJIS Z5400の透水度測定値で示し、硬度は鉛
筆硬度にて測定した。光沢は外観の目視判定である。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】上記の実施例及び比較例からも明らかな
通り、本発明によると堅牢で耐汚染性、耐熱性に優れ、
耐久性の良好な光沢を有した塗膜付きの建材が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 貴大 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 久保 正親 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 三羽 正記 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 大江 意和 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB65Z CA18 CA34 CB04 DB01 DB11 DB13 DC01 EB01 EB22 EB42 4F100 AA00C AA00H AA01B AA03A AA03B AA04B AA07B AC01A AE01A AE06A AK25C AK25J AK52C AK52J AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA30C CC00C CC01B EH461 EH462 EJ861 EJ862 GB07 JJ03 JL00 JL06 JN21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に形成されたアルカリ
    金属珪酸塩系下塗り層と、該下塗り層上に形成されたア
    クリルシリコン系表面層とを備えてなる塗膜を有する建
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記下塗り層は、基
    材上に水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布し
    て乾燥させて形成した塗膜に、pH値が3.5〜10.
    0の酸・アンモニウム塩系の水溶液を適用し、水洗し、
    乾燥して形成したものであることを特徴とする塗膜を有
    する建材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記アクリル
    シリコン系表面層に無機系抗菌剤が分散されていること
    を特徴とする塗膜を有する建材。
  4. 【請求項4】 基材上にアルカリ金属珪酸塩系下塗り層
    を形成し、この下塗り層の上にアクリルシリコン系表面
    層を形成することを特徴とする塗膜を有する建材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、基材上に水溶性アル
    カリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して乾燥させて形成
    した塗膜に、pH値が3.5〜10.0の酸・アンモニ
    ウム塩系の水溶液を適用し、水洗し、乾燥して前記下塗
    り層を形成することを特徴とする塗膜を有する建材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、前記アクリル
    シリコン系表面層に無機系抗菌剤が分散されていること
    を特徴とする塗膜を有する建材の製造方法。
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