JP2001055927A - タービン燃焼部用部材 - Google Patents

タービン燃焼部用部材

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JP2001055927A JP22883499A JP22883499A JP2001055927A JP 2001055927 A JP2001055927 A JP 2001055927A JP 22883499 A JP22883499 A JP 22883499A JP 22883499 A JP22883499 A JP 22883499A JP 2001055927 A JP2001055927 A JP 2001055927A
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nickel
alloy
tungsten
tangusten
plating film
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JP22883499A
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English (en)
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Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温腐食劣化、熱劣化などを生じ難いタービン
の燃焼部用部材の製造技術において、簡便な手法により
部材を低コストで製造することができ、しかも複雑な形
状の部材をも製造しうる新たな技術を提供することを主
な目的とする。 【解決手段】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
を金属基体上に有する、タービンの燃焼部用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン燃焼部用
部材および該部材を備えたタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コージェネレーションなどで用い
られているタービンなどにおいては、エネルギー変換効
率向上のために、高温での運転および稼働時間の長期化
が行われている。この様な過酷な運転条件下では、ター
ビンの燃焼部などの様に、特に高温ガスが流通する部分
の金属部材に、主に酸素による高温腐食劣化、熱劣化な
どが発生して、実用上の大きな問題となっている。
【0003】これら金属部材の高温腐食劣化、熱劣化な
どを抑制するために、部材の構成材料として、ニッケル
系合金などの耐熱性金属を用いることが提案されてい
る。しかしながら、ニッケル系合金には、高価であり、
加工性に劣るという欠点がある。
【0004】さらに、金属部材に代えて、セラミックス
部材を用いたタービンの開発も進められているが、セラ
ミックス部材には、金属部材に比べて耐熱性に優れてい
るものの、脆いという欠点がある。
【0005】さらにまた、金属材料とセラミック材料の
それぞれの利点を有効に利用すべく、セラミックコーテ
ィングした金属部材の使用も試みられている。金属部材
にセラミックスをコーティングする方法としては、一般
に溶射法が広く採用されている。しかしながら、溶射法
は、大がかりな装置を必要とし、しかも複雑な形状の部
材には適用できないという制約がある。さらに、溶射に
よって形成されるセラミックコーティング皮膜と金属部
材とは、熱膨張率が大きく異なるために、熱履歴によっ
てセラミックコーティング皮膜の剥離、損傷などが生じ
易いという大きな問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、高温腐食劣化、熱劣化などを生じ難いタービンの燃
焼部用部材の製造技術において、簡便な手法により部材
を低コストで製造することができ、しかも複雑な形状の
部材をも製造しうる新たな技術を提供することを主な目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
組成の合金メッキ皮膜を金属基体上に形成させる場合に
は、従来技術の問題点を大幅に軽減あるいは実質的に解
消し得ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記のタービンの燃
焼部用部材および該部材を備えたタービンを提供するも
のである。 1.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を金属基
体上に有するタービン燃焼部用部材。 2.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタン
グステンの含有率が、5〜61重量%である上記項1に記
載のタービン燃焼部用部材。 3.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタン
グステンの含有率が、8〜60重量%である上記項2にタ
ービン燃焼部用部材。 4.燃焼器、動翼、静翼、シュラウドまたはタービンケ
ーシング用の部材である上記項1〜3のいずれかに記載
のタービン燃焼部用部材。 5.上記項1〜4のいずれかに記載の部材を備えたター
ビン。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のタービン燃焼部用部材
は、金属基体上にニッケル-タングステン系合金メッキ
皮膜を形成した構成を有する。
【0010】本発明の部材の基体となる金属の種類とし
ては、通常タービンの燃焼部を形成する金属であれば特
に制限されず、例えば、鉄系合金(炭素鋼、特殊鋼、耐
熱鋼、ステンレス鋼など)、銅、銅合金、ニッケル、ニ
ッケル合金、コバルト、コバルト合金などが挙げられ
る。
【0011】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
の厚さは、部材の材質および形状、該部材を使用する環
境および条件、合金の組成比などにより異なるが、通常
1〜1000μm程度であり、より好ましくは10〜100μm程度
である。
【0012】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
中のタングステン含有率は、通常5〜61重量%程度であ
り、好ましくは8〜60重量%程度であり、より好ましく
は10〜50重量%程度である。タングステン含有率が低す
ぎる場合には、高温酸化による部材の劣化防止という所
期の効果が十分に発揮されない。タングステン含有率の
上限である61重量%は、Ni-W合金メッキにおけるタング
ステンの最大含有率である。これは、Ni2W組成に相当す
る。
【0013】なお、無電解メッキ法によるニッケル-タ
ングステン系合金メッキ皮膜の形成に際し、次亜リン酸
ナトリウムなどのリン系還元剤を使用する場合には、リ
ンがメッキ皮膜中に取り込まれて、リンを含むニッケル
-タングステン合金が形成される。リンの存在は、合金
メッキ皮膜の耐食性および耐熱性を向上させるが、リン
の含有量が多すぎる場合には、メッキ皮膜が脆くなるの
で、リンの含有量は、15重量%以下とすることが好まし
く、10重量%以下とすることがより好ましい。また、ジ
メチルアミンボランなどのホウ素系還元剤を使用する場
合には、同様にホウ素を含むニッケル-タングステン合
金が形成される。ホウ素の場合にも、合金メッキ皮膜の
耐食性および耐熱性を向上させるが、ホウ素の含有量が
多すぎる場合には、やはりメッキ皮膜が脆くなるので、
ホウ素の含有量は、10重量%以下とすることが好まし
く、5重量%以下とすることがより好ましい。従って、
本発明において、「ニッケル-タングステン系合金」と
は、ニッケル-タングステン合金のみならず、この様な
還元剤由来のリンあるいはホウ素を併せて含有するニッ
ケル-タングステン合金をも包含する。
【0014】金属基体上にニッケル-タングステン系合
金メッキ層を形成する方法は、特に限定されず、常法に
従って、金属基体を脱脂、酸洗などの前処理に供した
後、ニッケル塩とタングステン塩とを含有する電解メッ
キ液または無電解メッキ液を用いて、金属基体に対する
メッキ処理を行えばよい。電解メッキ液および無電解メ
ッキ液の種類も、特に限定されず、公知の各種組成の電
解メッキ液あるいは無電解メッキ液を使用することがで
きる。
【0015】また、金属基体に対するニッケル-タング
ステン系合金メッキ皮膜の密着性を向上させるために、
必要に応じて、公知の方法により金属基体表面に予めス
トライクメッキ処理による下地層を形成した後、合金メ
ッキ皮膜を形成しても良い。さらに、金属基体上に通常
の電解ニッケルメッキ皮膜あるいは無電解ニッケルメッ
キ皮膜からなる下地層を形成させた後、合金メッキ皮膜
を形成させても良い。また、無電解メッキに対する触媒
活性のない金属基体上に直接無電解メッキを行う場合に
は、常法に従って、触媒を付与した後、無電解メッキを
行えばよい。
【0016】この様な電解メッキ法あるいは無電解メッ
キ法によれば、簡単な方法により低コストで、タービン
燃焼部用部材を得ることができる。そして、ニッケル-
タングステン系合金メッキ皮膜が形成されたタービン燃
焼部用部材は、長期にわたり高度の耐高温腐食劣化性、
耐熱劣化性などを発揮する。
【0017】特に、無電解メッキ法により皮膜形成を行
う場合には、複雑な形状の部材表面にも、均一な合金メ
ッキ皮膜を容易に形成することができる。
【0018】また、電解メッキ方法による場合にも、適
当な補助電極を用いることにより、複雑な形状の部材表
面に均一な合金メッキ皮膜を形成することができる。
【0019】電解メッキ法によって部材表面にニッケル
-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させる方法とし
て、ニッケル塩として硫酸ニッケルを用い、かつタング
ステン塩としてタングステン酸ナトリウムを用いる場合
の浴組成およびメッキ条件の一例を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】電解メッキ法により合金メッキ皮膜を形成
させる場合にも、リンあるいはホウ素を含有するニッケ
ル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させることが
できる。
【0022】また、無電解メッキ法によってニッケル-
タングステン系合金メッキ皮膜を形成する場合には、公
知の組成の無電解メッキ液、例えば無電解ニッケル-タ
ングステン-リンメッキ液、無電解ニッケル-タングステ
ン-ホウ素メッキ液などを用いて、通常の無電解メッキ
条件と同様にして部材表面にニッケル-タングステン系
合金メッキ皮膜を形成すればよい。
【0023】上記のいずれかの方法を用いて、金属基体
上にニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成す
ることにより、本発明によるタービンの燃焼部材が得ら
れる。
【0024】本発明による部材を適用するタービン燃焼
部の構成要素としては、例えば、タービンの燃焼器、動
翼、静翼、シュラウド、タービンケーシングなどが例示
される。本発明による部材は、これらのタービン燃焼部
の構成材料として、優れた効果を発揮する。
【0025】
【発明の効果】本発明によるタービンの燃焼部用部材
は、高温腐食劣化、熱劣化などに対して、長期にわたり
優れた耐性を発揮する。
【0026】また、本発明によるタービンの燃焼部用部
材は、簡便な方法により低コストで製造することができ
る。
【0027】また、本発明で採用するニッケル-タング
ステン系合金メッキ法によれば、複雑な形状部分の部材
表面にも、簡単にメッキ皮膜を形成することができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0029】実施例1 以下の3種の材料を用いて、電解メッキを行った。な
お、以下の各実施例においても、同様の材料を使用し
た。 (a)板材:材質 SUS430、50mm×50mm×0.5mmの正方形板
材 (b)タービン動翼:材質 Ni耐熱合金MAR-M247(Co10重量
%、Cr9重量%、Mo0.8重量%、W10重量%、Al5.5重量
%、Ti1.2重量%およびC0.1重量%含有):寸法高さ52m
m、幅15mm、奥行き40mm (c) タービン静翼:材質 Co耐熱合金MAR-M509(Ni10重量
%、Cr24重量%、W7重量%およびTi0.2重量%含有):寸
法高さ25mm、幅15mm、奥行き45mm 上記の板材、動翼および静翼(以下これらを一括して
「被メッキ体」と総称することがある)をアルカリ脱脂
液で脱脂した後、これらそれぞれを負極とし、表2に示
すニッケルストライクメッキ液を含むニッケルストライ
クメッキ槽を用いて、液温25℃、電流密度10A/dm2の条
件下で2分間のニッケルストライクメッキ処理を行っ
た。
【0030】
【表2】
【0031】なお、以下の各実施例においても、被メッ
キ体の脱脂処理およびストライクメッキ処理は、本実施
例と同様にして行った。
【0032】次いで、ストライクメッキ処理を行った被
メッキ体に対し、表3に示す組成の電解ニッケル-タン
グステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65
℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹拌
しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を行っ
て、被メッキ体の表面に電解ニッケル-タングステン複
合メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッ
キ体を水洗し、乾燥させた。
【0033】
【表3】
【0034】合金メッキ皮膜を形成した板材を使用し
て、エネルギー分散型X線分析装置((株)堀場製作所
製、“EMAX-5700”)により、合金メッキ皮膜中のタング
ステン含有率を求めたところ、60重量%であった。
【0035】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼と静
翼とを2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温
度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転し
た。
【0036】1000時間運転後の動翼と静翼とを切断し、
その断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タ
ングステン合金メッキ皮膜により、Ni合金基体およびCo
合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成
されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0037】実施例2 実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処
理した板材、動翼および静翼に電解ニッケル-タングス
テン合金メッキ皮膜を形成させた。
【0038】すなわち、表4に示す組成の電解ニッケル
-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、
液温65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュ
ー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理
を行って、被メッキ体表面にニッケル-タングステン合
金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッ
キ体を水洗し、乾燥させた。
【0039】
【表4】
【0040】合金メッキ皮膜を形成した板材について、
メッキ皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、45
重量%であった。
【0041】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼およ
び静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気
温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転
した。
【0042】1000時間運転後の動翼および静翼を切断
し、その断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル
-タングステン合金メッキ皮膜によりそれぞれの合金基
体が保護されているため、酸化スケール層は形成されて
おらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0043】実施例3 実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処
理した板材、動翼および静翼に電解ニッケル-タングス
テン合金メッキ皮膜を形成させた。
【0044】すなわち、表5に示す組成の電解ニッケル
-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、
液温65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュ
ー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理
を行って、被メッキ体表面に電解ニッケル-タングステ
ン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被
メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0045】
【表5】
【0046】合金メッキ皮膜を形成した板材について、
メッキ皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、30
重量%であった。
【0047】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼およ
び静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気
温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転
した。
【0048】1000時間運転後の動翼および静翼を切断
し、それぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニ
ッケル-タングステン合金メッキ皮膜によりNi合金基体
およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール
層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなか
った。
【0049】実施例4 実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処
理した板材、動翼および静翼の表面に無電解ニッケル-
タングステン系合金メッキ皮膜を形成させた。
【0050】すなわち、表6に示す組成の無電解ニッケ
ル-タングステン-リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用
いて、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつ
つ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行っ
て、被メッキ体表面に無電解ニッケル-タングステン-リ
ン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被
メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0051】
【表6】
【0052】合金メッキ皮膜を形成した板材について、
メッキ皮膜中のタングステンおよびリンの含有率を求め
たところ、それぞれ20重量%および7重量%であった。
【0053】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼と静
翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度
1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転し
た。
【0054】1000時間運転後の動翼と静翼を切断し、そ
れぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル
-タングステン-リン合金メッキ皮膜によりNi合金基体お
よびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層
は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかっ
た。
【0055】実施例5 実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処
理した板材、動翼および静翼それぞれの表面に無電解ニ
ッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させた。
【0056】すなわち、表7に示す組成の無電解ニッケ
ル-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用い
て、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつ
つ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行っ
て、被メッキ体表面に無電解ニッケル-タングステン-リ
ン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被
メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0057】
【表7】
【0058】合金メッキ皮膜を形成した板材について、
メッキ皮膜中のタングステンおよびリンの含有率を求め
たところ、それぞれ10重量%および4重量%であった。
【0059】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼およ
び静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気
温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転
した。1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、それ
ぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-
タングステン-リン合金メッキ皮膜によりNi合金基体お
よびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層
は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかっ
た。 実施例6 実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処
理した板材、動翼および静翼それぞれの表面に無電解ニ
ッケル-タングステン系素合金メッキ皮膜を形成させ
た。
【0060】すなわち、表8に組成を示す無電解ニッケ
ル-タングステン-ホウ素合金メッキ液を含むメッキ槽を
用いて、液温65℃、pH6.5の条件下にスクリュー撹拌し
つつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行っ
て、被メッキ体の表面に無電解ニッケル-タングステン-
ホウ素合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了
後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0061】
【表8】
【0062】合金メッキ皮膜を形成した板材について、
メッキ皮膜中のタングステンおよびホウ素の含有率を求
めたところ、それぞれ20重量%および1重量%であっ
た。
【0063】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼およ
び静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気
温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転
した。1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、それ
ぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-
タングステン-ホウ素合金メッキ皮膜によりNi合金基体
およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール
層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなか
った。
【0064】比較例1 実施例1と同様の動翼および静翼(ただし、合金メッキ
皮膜を形成していない)を2000kWガスタービンのタービ
ン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、1000時間ガ
スタービンを運転した。
【0065】1000時間運転後の動翼および静翼を切断し
て、その断面を金属顕微鏡で観察したところ、約100μm
の酸化スケール層が形成されており、Ni合金基体(動翼)
およびCo合金基体(静翼)が酸化劣化していた。
【0066】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01D 5/28 F01D 5/28 25/00 25/00 L 25/24 25/24 N Fターム(参考) 3G002 EA05 EA06 4K022 AA02 AA41 BA14 BA24 BA32 CA28 DA01 DB02 DB03 4K023 AB04 AB20 BA06 BA29 CB03 CB05 4K024 AA14 AA15 BA01 BA02 BA09 BB01 BC10 DA09 GA04 GA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
    を金属基体上に有するタービン燃焼部用部材。
  2. 【請求項2】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
    中のタングステンの含有率が、5〜61重量%である請求
    項1に記載のタービン燃焼部用部材。
  3. 【請求項3】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜
    中のタングステンの含有率が、8〜60重量%である請求
    項2に記載のタービン燃焼部用部材。
  4. 【請求項4】燃焼器、動翼、静翼、シュラウドまたはタ
    ービンケーシング用の部材である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のタービン燃焼部用部材。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の部材を備
    えたタービン。
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