JP2001055694A - 紙の高効率プラズマ処理 - Google Patents

紙の高効率プラズマ処理

Info

Publication number
JP2001055694A
JP2001055694A JP2000205668A JP2000205668A JP2001055694A JP 2001055694 A JP2001055694 A JP 2001055694A JP 2000205668 A JP2000205668 A JP 2000205668A JP 2000205668 A JP2000205668 A JP 2000205668A JP 2001055694 A JP2001055694 A JP 2001055694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
paper
plasma
electrode
web
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000205668A
Other languages
English (en)
Inventor
Jeremy M Grace
エム グレース ジェレミー
Louis J Gerenser
ジェイ ジェレンザー ルイス
J Landry-Coltrane Christine
ジェイ ランドリー−コルトレイン クリスティン
D Seaver Curt
ディ シーバー カート
J Hainsuraa Michael
ジェイ ハインスラー マイケル
Dennis R Freeman
アール フリーマン デニス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/349,288 external-priority patent/US6149985A/en
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JP2001055694A publication Critical patent/JP2001055694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/91Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by subbing layers or subbing means
    • G03C1/915Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by subbing layers or subbing means using mechanical or physical means therefor, e.g. corona
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/14Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by plasma treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials
    • B41M5/508Supports
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H25/00After-treatment of paper not provided for in groups D21H17/00 - D21H23/00
    • D21H25/04Physical treatment, e.g. heating, irradiating
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H23/00Processes or apparatus for adding material to the pulp or to the paper
    • D21H23/02Processes or apparatus for adding material to the pulp or to the paper characterised by the manner in which substances are added
    • D21H23/22Addition to the formed paper
    • D21H23/30Pretreatment of the paper

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、感光性被膜材料及び/又は通常塗
布される層の接着性を促進させるために、適切な表面特
性を得るための紙ウェッブの処理方法及び処理装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 ウェッブは、放電ゾーン中に存在する電
力供給された電極により発生したプラズマの高電圧シー
ス領域又はダークスペースを通過する。駆動電圧の周波
数は、紙支持体及びプラズマの性質により左右される下
限以上でなければならなず、シース電圧が著しく降下す
る上限以下でなければならず、上記アプローチの利益が
縮減されることが観察される。ダークスペースは処理ゾ
ーンの処理電極により発生する。上記処理ゾーンには、
処理電極の表面積より少なくとも大きな表面積を有する
カウンター電極がある。約2MHz以下であり、プラズ
マ中のrmsイオン電流に晒されたウェッブ表面の充電
時間であるtの1/tより大きい周波数で、振動高
電圧により処理電極を駆動させる電源を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙及び画像支持体
の製造に係り、より詳細には、感光性塗布材料、画像形
成材料、非感光性ポリマーコーティング又はラミネート
及び/又は通常に塗布された層の接着を促進させるのに
適した紙支持体の表面特性を得るための方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】有機ポリマー基板へのさまざまな有機及
び無機層の接着を促進させるために、電気放電処理が幅
広く利用されている。電気放電処理の利用の例は、米国
特許第5,538,841号及びその引用文献に記載され
ている。更なる例は、欧州特許出願第EP075868
7A1号及びその引用文献だけでなく、WO第97/4
2257号にも説明されている。紙及び関連材料の処理
用の低圧電気放電処理の例は、Mahlbergらにより開示さ
れているように、クラフトパルプ、フィルターペーパ、
木質の酸素プラズマ処理がある(R. Mahlberg, H. E.
M. Niemi, F. S. DenseとR. M. Rowell, Langmuir 15,
pp. 2985-92, 1999)。
【0003】多種多様な処理形態(つまり、放電電極に
対する被処理加工物の位置、電極の形、被処理加工物の
形)は可能である(例えば、米国特許第3,288,63
8号及び3,309,299号)。連続シート又はポリマ
ー支持材料のロール(つまり、ウェッブ)を処理する必
要性は、電気放電ゾーンを通してウェッブを運搬させる
目的に設計された処理装置に、通常向けられる。上記目
的は、ポリマー被加工物を米国特許第5,493,117
号に開示されているように運搬ローラ間のフリースパン
に、又は米国特許第4,451,497号や第5,224,
441号に開示されているようにドラムに吊るされる。
米国特許第4,451,497号や第5,493,117号
だけでなく、米国特許第5,538,841号では、ポリ
エステル支持体への写真画像要素の製造に利用される表
面処理を提供することを意図したものである。Dolazale
kらは(米国特許第4,451,497号)、ポリマーウ
ェッブ材料を真空チャンバーから処理ゾーンを経由し、
真空チャンバーへ運搬する装置を開示している。説明さ
れた処理配置は、本質的にはコロナ処理形態であり、ウ
ェッブは複数の放電電極により囲繞された回転ドラムに
沿って移動する。その処理は写真エマルションで塗布さ
れるべき基板を調製することを意図したものである。
【0004】Tamakiらは(米国特許第5,493,117
号)、Dolazalekらの装置と同様な装置を開示してお
り、感光材料に利用できる支持体を提供するという同様
な目的を有している。しかしながら、Tamakiらは運搬ロ
ーラ間のフリースパンにウェッブを吊るし、ウェッブの
両面を同じに処理するために、そのフリースパンの何れ
かの側に配設した複数の処理電極を具備している。
【0005】Feltsらは(米国特許第5,224,441
号)、プラズマ処理と塗布装置を開示しており、ウェッ
ブを接地カウンター電極と面する電化ドラムの表面上を
運搬させる。Graceらは(米国特許第5,538,841
号)、それぞれ窒素プラズマ処理された及び酸素プラズ
マ処理されたポリエステルウェッブへのゼラチン含有層
の接着を促進させる窒素を基礎とした、及び酸素を基礎
とした表面化学を開示しており、さらに感光材料に利用
可能な支持体の製造をも開示している。
【0006】大気圧にて紙表面を処理させる産業におけ
る共通の技術は、コロナ放電処理である(CDT)(R.
H. CrammとD. V. Bibee, Tappi, 65(8), pp. 75-8(198
2);W. J. Ambusk, 米国特許第3、549、406
号)。通常行われるように、上記処理は誘電バリア放電
処理で説明されたようにより正確である。前記したよう
に、典型的な形態は、ドラムの中央から特定の半径に配
置された一連の電極を有するドラムからなる。さらに、
絶縁材料の誘電層は適切な誘電層を有するので、ドラム
若しくは電極に何れかに加わった印加電圧で破壊するこ
とはない。上記層は誘電バリアと呼ばれる。通常利用さ
れる圧(つまり、1気圧)では、一般に処理は空気中で
行われ、酸素から酸素以外のものによる支配的処理化学
を変化させることはうまくいっていない。空気は80%
の窒素を含むが、酸素は窒素よりも反応性があり、よっ
て、放電処理ゾーンに存在する酸素は気相化学を支配す
る。さらに、処理ゾーンが包囲され、酸素のないガスで
パージさせてときでさえも、(空気が処理装置に進入す
るので、ウェッブ表面を移動させるとガスの層として存
在する)浮遊空気により、かなりの酸素源がもたらされ
る。
【0007】空気中での誘電バリア放電における典型的
な気相化学により、オゾンや窒素の酸化物のような不必
要な種も発生し、オゾン及び窒素の酸化物の双方は汚染
排除技術により、作業環境から排除される。特に窒素の
酸化物である上記種は処理済み表面に不必要な効果をも
及ぼし、上記種は処理済み表面に塗布された被膜と相互
作用をする。
【0008】処理ガス環境の良好な制御は、減圧で、
(つまり、真空方法を利用して)達成できる。減圧で
は、処理ゾーンを介するウェッブ材料の運搬方法はプラ
ズマ処理の性質に重要な効果を及ぼす。Tamakiらの場合
では、被処理ポリマー表面は放電ゾーン内で電気的に浮
遊しており、一つ又はそれ以上の動力放電電極を通過し
て移動する。Dolazalekらの場合では、仮にドラムが装
置の壁から電気的に分離しているならば、被加工物も放
電ゾーン内で電気的に浮遊しており、一つ又はそれ以上
の動力放電電極を通過して移動する。しかしながら、ド
ラムが電気的に接地されていれば、ポリマー被加工物の
表面ポテンシャルは数多の要因により決定される。上記
要因には、被加工物の厚さ及び誘電性質、放電の駆動周
波数、放電の電子密度及びプラズマポテンシャル、放電
電極の相対面積、ドラム表面と装置の接地内壁との組合
わせがある。十分な低駆動周波数(被加工物とプラズマ
の前述の特性により決定される上限)では、被加工物の
表面は浮遊電位に荷電され、その状況は電気的に分離さ
れたドラムの状況と同様である。十分な高駆動周波数
(被加工物とプラズマの前述の特性により決定される下
限)では、被加工物の表面は接地電位に近い値のままで
ある。結果として、放電ゾーン内の有効接地表面積が動
力電極の表面積よりも著しく大きければ、被処理加工品
の表面は、通常、数十ボルトのプラズマポテンシャルと
接地ポテンシャルとの間の差により主に決定される衝撃
エネルギーを有するイオンにより衝撃を与える。
【0009】対照的に、動力電極及び有効接地電極の面
積が同程度ならば、ポリマー被加工物のイオン衝撃は、
動力電極に印加されたポテンシャルにより主に決定さ
れ、数百ボルト又はそれ以上のピーク値を有する。この
場合、イオン衝撃エネルギーはエッチングプロセスに特
徴的である。そのプロセスのエッチング性質は、ポリマ
ー被加工物の面積、支持電極(例えば、ドラム)、被駆
動電極の表面積に対する有効接地表面積を減少させる、
又は減少面積の支持電極を電気的に分離させて駆動電圧
を印加することにより、さらに向上する。それぞれの表
面での有効衝撃ポテンシャルへの被駆動及び接地電極の
相対面積の効果は、マイクロエレクトロニクス用のプラ
ズマ処理の当業者には周知である。その技術分野では、
同じサイズの被駆動電極と接地電極との間に確立された
交流放電により、それぞれの電極で同じ衝撃効果が生じ
るということは公知である。異なる面積の電極間で確立
された交流放電により、小さな電極ほど大きな衝撃が生
じるということも公知である。高周波放電は低駆動電圧
で作動することもさらに公知である(同程度な入力パワ
ーに対して)。よって、衝撃ポテンシャルは駆動周波数
が増すにつれて、減少する。電極表面での衝撃ポテンシ
ャルの前述の挙動は、ラジオ周波数範囲(つまり、約3
kHzから約100MHz)に亘り、合理的に利用され
る。ポリマーウェッブの表面改質の目的のため、顕著な
イオン衝撃及びエッチプロセスが起きる処理は、通常、
写真要素の支持体に関連した先行技術では回避されてい
た。ポリマー表面改質の目的は、通常、電気放電中の種
との反応により表面領域に新たな化学種を導入すること
であるが、エッチプロセスの目的は表面領域から材料の
ある量を著しく除去することである。さらに、上記エッ
チプロセスは、改質されるべき材料は温度に影響を受け
易く、エッチプロセスにより実質的に熱が発生する若し
くは処理支持体の表面領域にかなりの低分子量断片が発
生するので、不必要であるとみなされている。
【0010】ポリマー表面改質のための擬エッチプロセ
スを利用することを開示していない従来技術の例は、前
述の文献にある。J. E. Klemberg-Sapiehaらは(J. Va
c. Sci. Technol. A,9(6)(1991) 2975-81)、窒素プラ
ズマ及びアンモニアプラズマにてポリマー表面の改質へ
の二重周波数手法を開示している。彼らの研究では、高
周波数マイクロ波パワーは、放電ゾーンのバルクと効果
的に結合し、プラズマ中で化学的に活性種が発生する。
低周波数ポテンシャル(rf:13.56MHz)を基板
ホルダーに印加することにより、重要なバイアスポテン
シャルが生じ、プラズマから抽出されたイオンにより基
板に顕著な衝撃が生じる(つまり、ポリマー被加工物が
処理される)。彼らの研究では、処理済みポリマー表面
に導入された窒素の最大量はrfポテンシャルのないマ
イクロ波プラズマに対してであることを明白に示してい
る。rfポテンシャルが印加されるにつれ(結果とし
て、500Vまでのバイアスポテンシャルが生じる)、
導入された窒素は、窒素及びアンモニアプラズマの双方
と彼らの研究した双方のポリマー(つまり、ポリエチレ
ンとポリイミド)で減少した。二重周波数手法は窒化シ
リコンや擬ダイアモンド炭素のような硬い被膜の性質を
調整させるには大きな成功を収めたが(例えば、J. E.
Klemberg-Sapiehaらによるin Rarefied Gas Dymanics:
Experimental Techniques and Physical Systems, B.
D. ShizgalとD. P. Weaver, eds., Progress in Astron
autics and Aeronautics, vol. 58, A. R. Seebass, Ed
itor-in-chief, American Institute of Aeronautics a
nd Astronautics, Inc., 1993)、ポリマー表面改質へ
の上記手法の適用は、低周波数バイアスを利用した促進
イオン衝撃は、一般的にはうまくいかなかったことを示
唆していた。
【0011】別々に付勢されたサンプルホルダーのある
プラズマソースを利用する別の例は、S. Hanらによる研
究(Surface Coatings Technology 93 (1997) 261-4)
とLeeらによる(J. Vac. Sci. Technol. A 16(3), (199
8) 1710-15)ものがある。HanらとLeeらは、基板ホルダ
ーに短い(10乃至20μs)の高電圧(10kVま
で)パルスを印加するのに利用するパルス発生器と組合
わせたrf(13.56MHz)誘導結合プラズマソー
ス(磁気エンハンスメントのある)を利用する。彼らの
研究で、HanらとLeeらは高電圧パルスのみの使用によ
り、放電を発生させ、基板ホルダーへ印加した高電圧パ
ルスと組合わせたrfプラズマの使用よりも、表面改質
はあまり効果的ではないことを発見した。さらに、rf
被駆動プラズマのみの使用は、高電圧パルスと組合わせ
ものよりも効果的でないことも発見した。高電圧パルス
のみの使用の結果は、Klemberg-Sapiehaら(前記したも
の)による発見と一致し、ポリマー表面改質にとっては
基板ホルダーへのバイアス電圧印加は効果的でない。対
照的に、rfプラズマのみと比較して、rfプラズマと
高電圧プラスの組合わせの結果は、数多の興味深い効果
を示しているようである。しかしながら、HanらとLeeら
により説明された装置は、数多の欠点を有している。第
一に、高電圧パルスは短く(マイクロ秒)、HanらとLee
らにより示される程度、ポリマー表面を改質するために
は、ある時間(数分)繰り返して印加しなければならな
い(例えば、1kHz)。第二に、その装置には誘導結
合配置にて印加すべきrfパワーと、高電圧パルスエレ
クトロニクスと、永久磁石とが必要である。第三に、説
明された装置は、ウェッブの幅広の連続ロールとは異な
り、シリコンウェーハのような小さな被加工物を取扱う
ように設計されている。全ての前記欠点により、ポリマ
ー支持体の高速度処理に上記技術を適用することには、
複雑な要因が提起される。
【0012】Graceらは水溶性被膜の接着を促進させる
ために、ポリエステル支持体を処理するための窒素プラ
ズマ及び酸素プラズマの使用を開示している。プラズマ
中に電気的に浮遊しているポリエステル支持体の低周波
(60Hz乃至40kHz)放電を利用して、Graceら
はゼラチン含有層とプラズマ処理ポリエステル支持体と
の間の優れた接着を促進させることを立証した窒素及び
酸素含有表面を発見した。良好な接着性が生じることを
立証したドーズ量は、0.5乃至4J/cmの範囲で
ある(このドーズ量パラメータは伝送されたパワー、処
理ゾーンの幅、ウェッブ速度に基づいて計算された:ド
ーズ量=パワー/[幅xウェッブ速度])。上記ドーズ
量範囲では、1秒及び僅かに短い処理時間が、製造スケ
ールで容易に達成される。Graceらは、一定の応用の適
当な表面化学を教示しており、最適処理パラメータを開
示している.基板バイアス電圧の使用、並びにエッチモ
ードのプラズマ処理の使用は何れも開示されておらず、
かかる手法は所望の表面化学を得るためにより効果的で
あることも示唆していない。本発明は、Graceらにより
開示された表面化学と同様な化学を有する表面の効率的
な生産に関するものである。さらに、本発明は紙の改質
表面の効率的な生産用の高効率処理配置の使用に関す
る。特に、本発明は脂肪族種(紙サイジングに普通に利
用されるステアレート類のような)の効率的な除去と表
面酸基の効率的な生産にも関する。低分子量の脂肪族化
合物の除去と酸を含む種(例えば、R‐O‐C=O)の
導入の組合わせは、紙に通常塗布されたさまざまなポリ
マー層の接着を向上させるのに効果的である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものであり、窒素若しくは酸素プラズマ又
は水蒸気を含むプラズマを利用して、紙の画像支持体を
含む紙の高効率なプラズマ処理が得られる方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0014】本発明のさらなる目的は、低処理ドーズ量
で、紙の画像支持体を含む紙の高効率なプラズマ処理を
得るための方法及び装置を提供することである。
【0015】本発明のさらに別の目的は、減少した電力
消費で、紙の画像支持体を含む紙の高効率プラズマ処理
を得るための方法及び装置を提供することである。
【0016】本発明のさらに別の目的は、高速度の処理
で、紙の画像支持体を含む紙の高効率なプラズマ処理の
方法及び装置を提供することである。
【0017】本発明のさらに別の目的は、磁気促進プラ
ズマ、マイクロ波プラズマ又は高速高電圧プラスを必要
とするシナリオとは異なり、単純な電源を必要とし、低
密度の容量性結合プラズマを利用して、高効率な処理を
提供することである。
【0018】本発明のさらに別の目的は、必要な処理時
間を減少させること及び/又は画像要素、写真支持体の
生産に適する表面処理紙を生産するのに必要である処理
パワーを減少させることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、プラズマ
により紙材料を処理する方法であって、処理ガスを処理
ゾーンに供給する工程と、約2MHz以下で、プラズマ
中のrmsイオン電流に晒されたウェッブ表面の充電時
間であるtの1/t以上である周波数の振動高電圧
で、カウンター電極の表面積よりも大きくない、処理ゾ
ーン中に表面積を有する処理電極、又はカウンター電極
を駆動させる工程と、前記処理電極で処理ゾーン中にプ
ラズマを発生させる工程と、前記処理ゾーンを通して紙
ウェッブを運搬し、反応性表面基を前記紙ウェッブの表
面に、処理ガスにより導入させる工程とを含む方法によ
り達成される。
【0020】手短に言うと、前記及び多くの他の特徴、
目的および利点は、詳細な説明、特許請求の範囲及び以
下の図面を参照を参照することにより、容易に明白とな
る。上記特徴、目的及び効果は、放電ゾーンの存在する
動力電極により発生するプラズマの高電圧シース領域を
通して紙を通過させることにより達成される。駆動電圧
の周波数は紙支持体及びプラズマの性質により左右され
る下限以上でなけれならず、シース電圧が顕著に降下す
る上限以下でなければならず、上記アプローチの利益が
縮減することが観察される。HanらとLeeらのように、本
発明はウェッブを処理するための単純なrfプラズマ
(13.56MHzで駆動)の使用よりも改善されてい
ることが判明した。しかしながら、対照的に、処理効率
の顕著な改善が処理電極にウェッブを配置させ、駆動周
波数を13.56MHz以下よりもかなり低下させるこ
とにより得られることも判明した。上記改善は、Hanら
とLeeらにより説明された高電圧パルスソースのよう
に、第二の電源を必要とせずに達成される。さらに、前
記処理はパルスモードよりも連続モードで実行可能であ
る。上記結果は、単純な処理電極で立証され、Dolazale
kらとTamakiらにより教示された複数の電極を必要とし
ない。最終的に、上記結果は、HanらとLeeらにより利用
された磁気エンハンスメント又は誘導結合の必要性なし
に、低密度、容量性結合プラズマソースに対して立証さ
れる。立証された処理の改良により、必要とする処理ド
ーズ量が一桁減少し、よって、ウェッブ運搬速度の顕著
な増大及び/又は表面処理を実行するための印加電力の
顕著な減少を可能にする。上記の高効率な処理により、
紙支持体と水溶性塗布液との間の接着の適当な表面化学
が生じる。
【0021】本発明の方法の効率は、低処理ドーズ量で
の顕著な処理効果により証明される(ドーズ量は前記し
た通りである)。低処理ドーズ量により高処理速度、低
電力消費又は双方の組合わせにより、製造利益が得られ
る。処理速度における利益は、高速度で、樹脂コーティ
ング又はラミネーティングとともに処理を可能とする
(例えば300m/分のライン速度での、紙上にポリオ
レフィン樹脂のエクストルーディング又はラミネーティ
ング)。
【0022】本発明は、高品質を目的とする印画紙から
新聞用の低品質目的までの幅広い紙に利用できる。した
がって、紙としての定義は幅広く、本発明の目的に利用
できるものである。紙の従来からの定義としては、「水
分散の繊維(及び添加剤)からのファインスクリーンに
形成されたフェルトシート」である(Smook, G. A. Han
dbook for Pulp and Paper Technologists: 2nd Editio
n. Angus Wilde Publications: Canada, 1992)。通
常、紙は食物繊維から構成されているが、合成又はミネ
ラル繊維も特別の応用に利用できる。紙産業界では、食
物繊維は木製と非木製の分類される。非木製繊維には、
バガス、タケ及びわらがある。木製繊維は木からなり、
紙及びパルプ製造のセルロース性繊維の主要な源であ
る。
【0023】紙の性質に影響を及ぼす多くの要因があ
る。化学添加剤は紙に特定の性質を向上させる若しくは
付与させるために利用される。添加剤は紙の強度、光学
的性質又はシート形成のような性質を改良させる。上記
添加剤は使用目的に応じて利用される。紙をプレスし、
乾燥させるのに利用される機械は、目的とするシートの
性質にとって重要である。カレンダーリングやコーティ
ングにようなさらなる加工工程も、目的とするシートの
性質にも影響を及ぼす。
【0024】本発明はポリマーコーティング又はラミネ
ートとプラズマ処理紙支持体との間に良好な接着をもた
らすことに関するものであるが、プラズマ処理されたポ
リマー支持体への他の種類の塗布にも適用可能であるこ
とは、当業者には明白であろう。本発明はアミン若しく
はイミン(窒素プラズマ処理又は窒素含有分子と混合さ
せたガス中の処理からの結果として)、又はエーテル、
エポキシ、ヒドロキシ、カルボキシ又はカルボニル基
(酸素プラズマ処理若しくは水蒸気との混合ガス中の処
理又は分子構造に酸素原子を有する他のガスと混合させ
たガスでの処理の結果として)と好ましい化学的相互作
用をするコーティング液に適用可能である。例えば、本
発明は、例えば、ポリエステルに塗布された銀(米国特
許第5,324,414号)のような金属化プラスティッ
クにも適用可能である。さらに、プラズマ処理ポリマー
支持体上に塗布されたラテックスポリマー分散液又はポ
リマー溶液にも適用可能である。さらに、プラズマ処理
した支持体の水溶性コロイド層に塗布にも適用可能であ
る。また、Graceら(米国特許第5,563,029号)
により開示された、例えば、タイ(tie)層、つまりアン
カーとして利用されるビニルスルフォン硬化剤のような
反応種を、プラズマ処理支持体に選択的にグラフトさせ
ることにも適用可能である。本発明は、コーティングに
先立ち、支持表面から支持体の製造に利用されるサイズ
剤、リリース剤又は可塑剤のような弱く結合した低分子
量の材料の除去から利益のあるコーティングに利用可能
でもある。
【0025】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、処理装置を模
式的に示し、紙ウェッブ12は電極には接触していない
が、浮遊ウェッブ配置とは対照的であり、紙ウェッブ1
2と被駆動(小さい)処理電極16との間の間隔14は
「ダークスペース(dark space)」である(Chapman, G
low DischargeProcesses: Sputtering and Plasma Etch
ing, John wiley &Sons, New York, 1980参照)。本願
で利用する用語「ダークスペース」とは、破壊(降伏)
電圧がプラズマを含有する体積の他の領域におけるより
も局所的に高い領域として定義される。さらに、表面近
傍及びその関連損失により、バルクイオン化を妨げ、も
って電界のスクリーニングを妨げる体積である。ダーク
スペースは電極近傍に接地表面を配置させることにより
生じ、若しくは電極近傍にプラズマシース領域を作るこ
とにより自然に発生する。ダークスペースは低発光効
率、低イオン密度及びかなりの電界をスクリーンアウト
する能力がないことにより特徴付けられる。そのダーク
スペース14は処理電極16に高電圧を印加する結果か
ら生じる強い電界を支え、紙ウェッブ12の表面はプラ
ズマ18と接触する電極としての本質的な働きがある。
交流高電圧を電源20及びインピーダンス整合装置22
を用いて印加させる。ダークスペース14の範囲は作用
ガス及びその圧力、印加電圧及び電力、駆動周波数、並
びに第二の、つまりカウンター電極26の形態要因を含
む紙ウェッブ12とチャンバー24内の他の表面との間
の距離のような形態要因により決まる。プラズマゾーン
は包囲体により画成される。包囲体は第二の電極26
と,処理電極16用のシールド27とを有することが好
ましい。あるいは、プラズマゾーン用の包囲体はそれ自
体真空チャンバー24である。処理ゾーンは処理電極1
6とプラズマ18との間のダークスペース14内にあ
る。図示しないが、当業者には、処理電極16と第二の
電極26は、処理電極16及び第二の電極26が作られ
た材料を考慮して、熱負荷に適するように冷却されるべ
きであることは理解される。
【0026】紙ウェッブ12の経路は、テイクアップロ
ーラ28と、巻出ローラ30とアイドラローラ32だけ
でなく、巻出ローラ30から、処理ゾーンを通してテイ
クアップローラ32へ、紙ウェッブ12を運搬させる必
要がある他の装置とを具備するウェッブ駆動/運搬シス
テムにより決まる。シャワーヘッド又は処理ゾーンへの
適当な開口部の他の数多な配置である適当なガス運搬ラ
イン36と入口38により、処理ガス34が処理ゾーン
に供給される。空気以外の処理ガスでの作業では、処理
ゾーン外の領域は適当なポンプ39及び配管40を利用
して、処理圧以下にポンプで引く。空気での動作では、
処理ゾーンはポンプで引かれ、外部チャンバー24によ
り処理ガスの流れが発生する。
【0027】次に、図2を参照するに、図1に示した装
置10の別の実施例である装置50を模式的に示す。装
置50は、電気的に分離されたローラ52が処理電極
(被駆動で小さな電極)として利用される配置である。
紙ウェッブ54は前記ローラ52に対して配置され、交
流高電圧は電源56及びインピーダンス整合装置58を
利用してローラ52に印加される。図1のように、ダー
クスペース60、プラズマ62及び第二の、つまりカウ
ンター電極64がある。第二の電極64は放電体積を画
成させるために利用される。
【0028】紙ウェッブ54の経路は、テイクアップロ
ーラ66と、巻出ローラ68とアイドラローラ70だけ
でなく、巻出ローラ68から処理ゾーンを介してテイク
アップローラ66へ紙ウェッブ54を運搬するのに必要
とされる他の装置をも具備するウェッブ駆動/運搬シス
テムにより決まる。シャワーヘッド又は処理ゾーンへの
適当な開口部の他の数多な配置である適当なガス運搬ラ
イン74及び入口76により、処理ガスは処理ゾーンに
供給される。空気以外の処理ガスでの動作では、処理ゾ
ーン外の領域は、適当なポンプ78及び配管80を利用
して、処理圧以下にポンプで引かれる。空気での動作で
は、処理ゾーンはポンプで引かれ、外部チャンバー82
により処理ガスの流れが生じる。
【0029】図3は、図1と図2にそれぞれ示す装置1
0及び装置50のさらに別の実施例である装置100
を、模式的に示す。装置100は、紙ウェッブ102の
後部表面は定常的に、電気的被駆動(小さい)電極10
4と接触する処理配置を有する。交流高電圧は、電源1
06及び適当なインピーダンス整合装置108の使用に
より電極104に印加される。図1に示すように、ダー
クスペース110、プラズマ112及び第二の、つまり
カウンター電極114が存在する。図示するように、第
二の電極114は放電体積を画成させるために利用され
る。紙ウェッブ102の経路は、テイクアップローラ1
16と、巻出ローラ118とアイドラローラ120だけ
でなく、巻出ローラ118から処理ゾーンを通してテイ
クアップローラ116へ紙ウェッブ102を運搬するの
に必要とされる他の装置をも具備するウェッブ駆動/運
搬システムにより決める。シャワーヘッド又は処理ゾー
ンへの適当な開口部の他の数多な配置である適当なガス
運搬ライン124及び入口126により、処理ガス12
2は処理ゾーンに供給される。空気以外の処理ガスでの
動作では、処理ゾーン外の領域は、適当なポンプ128
及び配管130を利用して、処理圧以下にポンプで引か
れる。空気での動作では、処理ゾーンはポンプで引か
れ、外部チャンバー132により処理ガスの流れが生じ
る。
【0030】ウェッブ駆動/運搬システム、チャンバ
ー、包囲体及びポンプの正確な配置は、必要な処理圧、
必要な処理ガスの純度、ウェッブ経路のニップローラ等
を調節させて、高圧と低圧との間に作られたシールの質
により左右される。ウェッブ駆動/運搬システムは、
「空気から空気」装置に容易に導入される図1乃至図3
に示す真空チャンバー24、50、132の処理形態内
にあるように示してあり、巻戻及び巻出ローラは真空チ
ャンバー24、50、132の外に配設され、ウェッブ
12、54、102はそれぞれ異なるポンプで引かれた
領域と、処理ゾーン前後に配設された適当な圧力シール
(つまり、圧縮された開口部とバッフル、つまりニップ
領域)を通過する。
【0031】本発明の実施では、紙ウェッブ12、5
4、102は、被処理表面が被駆動電極16、52、1
04のシース領域(ダークスペース14、60、11
0)に位置するように、プラズマゾーンを介して運搬さ
れる。さらに、被駆動電極16、52、104の面積は
カウンター電極26、64、114の面積、つまり接地
表面積よりも著しく小さく、被駆動電極シースでのピー
ク電圧降下は駆動電圧の大きさの2倍に匹敵する。駆動
周波数は13.56MHz以下であり、(前述したよう
に)ポリマー表面の充電時間に基づいて選択され、45
0MHz若しくはそれ以下である。
【0032】処理ガス34、72、122には、窒素若
しくは酸素、(アルゴン又はヘリウムのような)不活性
ガスを含む窒素含有若しくは酸素含有混合物、(水素、
水又はアンモニアのような)水素含有ガスを含む窒素の
混合物、(二酸化炭素又は水のような)酸素含有ガスを
含む酸素の混合物、(空気のような)酸素と窒素の混合
物がある。さらに、処理ガス34、72、122には、
水蒸気や不活性若しくは反応性ガスを含む水蒸気の混合
物がある。安全性及びコストの理由から、処理ガス3
4、72、122は窒素、酸素若しくはそれらの混合物
が好ましく、被処理紙支持体12、54、102への所
望の表面化学に応じて選択される。あるいは、紙自体に
含有される水分(紙の繊維に吸収された、又は紙沿って
処理ゾーンに運ばれてきた)は、プラズマ処理環境を確
立させるために利用される。処理圧及びガスの流れは、
所望の表面化学効果に対して調整され、ガス外部からの
供給又は紙ウェッブが処理ゾーンに運ばれてくるにつれ
て、紙ウェッブから解放される種を利用して、当業者に
より最適化される。グロー放電プラズマが処理ゾーンに
て発生するときの最も起こり得る動作圧は、ガス、処理
ゾーンの形態と、放電を起こし、維持させるモードとに
より決まる。
【0033】紙ウェッブ12、54、102には、ポリ
マー類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステ
ル基若しくはそれらの組合わせのようなさらなる添加剤
を含み、正確な組成物は被塗布対象物の使用及び機能性
により左右される。
【0034】被膜(例えば、ゼラチン含有層、ポリマー
フィルム、下塗り層若しくは下引き層のような)は、本
発明の方法によ生成した官能基と相互作用し得るもので
あり、処理済み紙支持体12、54、102に塗布され
る。被膜はゼラチン含有層であり、或いは窒素プラズマ
処理により生じるようなアミン若しくはイミンの存在に
よりウェッブとの接着を向上させる又はアミン若しくは
イミンと反応性を有することが公知である被膜である。
さらに、被膜は、酸素又は水プラズマ処理により生じる
ようなヒドロペルオキシ、エーテル、ヒドロキシル、エ
ポキシ、カルボニル及びカルボキシル基の存在によりウ
ェッブとの接着が向上する又は上記基との反応性を有す
ることが公知である被膜である。例えば、被膜はアミン
類及びイミン類と反応性を有する(窒素処理の場合)、
又はヒドロペルオキシ、エーテル、ヒドロキシル、エポ
キシ、カルボニル及びカルボキシル基と反応性を有する
(酸素プラズマ、水プラズマ及び関連するプラズマ処理
の場合)。さらに、紙支持体に塗布されるポリマー被膜
は、低分子量種の弱く結合した層が紙表面から除去され
ると、弱い相互作用により結合可能である被膜である。
理想的には、弱い層の除去と反応性のある化学的基の導
入の組合わせにより、最善に生じる接着が得られる。被
膜には、ゼラチンや親水性非感光性ポリマーとゼラチン
のブレンドのような親水性コロイド層、ビススルホニル
メタン、ゼラチン又は親水性非感光性ポリマーとビスス
ルホニルメタンとのブレンドのようなアミン反応性硬化
化合物、アミン反応性側鎖基を含有するポリマー性硬化
剤がある。さらに、被膜にはインク受容性層がある。さ
らにポリオレフィンフィルムが含まれる。あるいは、写
真エマルジョンのような親水性コロイド層も処理済み紙
支持体12、54、102に塗布することが可能であ
る。
【0035】処理済紙や他の多孔質性の織った若しくは
繊維質ポリマー表面及びウェッブを含む応用では、本発
明は押出し樹脂と接触させるための処理済みの紙を調整
するために利用できる。本発明のさらに考えられる応用
には、Haydockらへの米国特許第5,853,965
号、Bouedelaisらへの米国特許第5,874,205号
やAylwardらへの米国特許第5,888,643号に開
示されているような,更なるポリマー層又は多層構造と
組合わせた押出し樹脂を受けるように、紙原料を調製す
ることがある。さらに考えられる応用には、処理済紙表
面とポリマーウェッブ材料との間での直接接触結合があ
る。処理済紙表面へ塗布するポリマー樹脂は、ポリエチ
レン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン類が好
ましく、添加剤を有する前記材料は所望の物理的性質を
与える。共通の添加剤には色素、顔料、光学増白剤、漂
白剤、酸化防止剤、無機及び有機フィラー、接着を誘発
させる添加剤及び可塑剤がある。さらに、処理済表面へ
塗布させる樹脂は多孔質若しくは非多孔質であり、又は
ボイドを含有する。
【0036】次に、図4を見るに、後述する実施例を構
築させるのに利用される試験装置140の断面模式図を
示す。この試験装置は図2に示す処理形態を基礎として
いる。試験装置にはアルミニウム包囲体146に取り付
けられたステンレススチールの回転電極145を具備し
ており、真空ウェッブコーティング機会のチャンバー1
44の内部に配設された。接地された水冷アルミニウム
カウンター電極147は、図示するように回転電極14
5と対向して配置された。電源150は変換器151と
接続しており、その変換器は電極145へ電力を供給す
るように回転電気接点と接続している。ダークスペース
シールド148は回転電極145の後ろに配置され、未
使用部分の電力の散逸を防止する。回転電極145は外
径が12.7cmで、長さが33cmである。カウンタ
ー電極147は曲率半径8.9cmを有するように加工
され、回転(処理)電極145の周辺から2.54cm
の距離の所に配置された湾曲表面を有し、プラズマを点
火する場合に2.54cmのギャップ(回転電極145
とカウンター電極147との間)が生じる。ギャップ入
口142と冷却ライン143は、カウンター電極組立体
に導入された適切なチャンネルに取り付けられた。処理
装置の中央付近のカウンター電極表面に配設された二つ
の列の穴を介して、プラズマ処理ギャップに処理ガスが
進入した。機械ポンプ(図示せず)及び拡散ポンプ(図
示せず)は、真空口141を介して、それぞれ大雑把な
真空と高シンクを達成させるために利用された。ウェッ
ブ153は巻出ローラ155から処理装置を通ってアイ
ドラローラ157上を移動してテイクアップローラ15
9へ運搬された。ウェッブはスリット149を介して、
処理装置に出入りする。
【0037】具体的に、本発明は前述の目的のための紙
支持体のプラズマ処理に関する。にもかかわらず、当業
者には、同じコンセプト(つまり、本願で説明したよう
に、駆動周波数の適切な選択とを組合わせた被処理対象
物の適当な配置)は、他の目的のための他のポリマー支
持体のプラズマ処理の効率を高めるのに有益であること
は明白である。例えば、本願で説明する高効率なアプロ
ーチは、通常、ポリ(エチレンテレフタレート)(PE
T)、(ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート)のような)ポリシクロアルキレンテレフタレート
のようなポリエステル類、ポリ(エチレンナフタレー
ト)とブレンドさせたポリ(エチレンテレフタレー
ト)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)(PCHDMT)とブレンドさせたポリ(エチレン
テレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)とブ
レンドさせたポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート)、ポリアリーレート(polyarylate)とブレン
ドさせたポリ(エチレンテレフタレート)、ポリアリー
レートとブレンドさせたポリ(エチレンナフタレー
ト)、ポリアレーレートとブレンドさせたポリ(シクロ
へセンジメチレンテレフタレート)のような他のポリエ
ステルとポリエスルとのブレンド類、PET、PENの
ようなポリカーボネート類とブレンドさせたポリエステ
ルやビスフェノールAのポリカーボネートとのPCHD
MT、3、3、5‐トリメチレン‐ビスフェノールのポ
リカーボネート類、双方にビスフェノール類を含有する
コポリカーボネート類のあるPCHDMT、PEIとブ
レンドさせたPEN、PEIとブレンドさせたPET、
PEIとブレンドさせたPCHDMTのようなポリエー
テルイミド(PEI)とブレンドさせたポリエステル
類、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフ
ィン類、ポリスチレン(タクチック、アタクチック又は
シンジオタクチック)やポリ‐α‐メチルスチレンのよ
うなポリスチレン類、ポリメチルメタクリレートのよう
なアクリルエステル類、ポリカーボネート類、三酢酸セ
ルロース、セルロースアセテートブチレート等のような
セルロース誘導体類、前述した食物、合成又はミネラル
繊維からの紙製品に利用される。さらに、前述したもの
や紙又は金属ウェッブのような他の種類の支持体のよう
な材料からなるラミネートにも利用できる。(金属ウェ
ッブの場合、処理ゾーン筐体の設計においてさらなる努
力が必要とされ、高電圧シースが金属ウェッブ表面上に
存在する)他の可能な適用には、インクジェット印刷に
有用であるインク受容性層のある塗布又はラミネートさ
れた支持体の処理がある。かかる支持体には、紙素材、
普通紙、ポリオレフィン樹脂又は無機酸化物充填ポリオ
レフィン樹脂でラミネートした紙、非透明性ポリマー支
持体及び合成紙、透明ポリマー支持体がある。上記の例
には、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸
セルロース、セルロースアセテートプロピネート、セル
ロースアセテートブチレートのようなセルロース誘導
体、ポリエチレンテレフタレート又はポリチレンなフタ
レート、ポリ1、4−シクロヘキセンジメチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート又はそれらの混
合物のようなポリエステル類、ポリイミド類、ポリアミ
ド類、ポリカーボネート類、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスルフォン類、ポリアリーレ
ート類ポリエーテルイミド類や上記ブレンドのようなポ
リオレフィン類がある。インクジェット印刷に有用であ
るインク受容性層は、多孔質又は非多孔質の何れかであ
り、水膨潤又は水非膨潤ポリマー及びそれらの混合物か
らなる。水膨潤ポリマーには、例えば、ゼラチン、アセ
チル化ゼラチン、フタレート化ゼラチン、酸化ゼラチ
ン、キトサン、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(エ
チレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、改質ポ
リ(ビニルアルコール)、スルホン化ポリエステル、部
分加水分解ポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコー
ル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(スチレンスルホン酸
ナトリウム)、ポリ(2‐シアノアミド‐2‐メタンス
ルホン酸)、ポリ(ビニルピロリドン)及びビニルピロ
リドン含有共重合体、ポリ(エチルオキサゾリン)及び
オキサゾリン含有共重合体、ポリアクリルアミド及びア
クリルアミド含有共重合体、ポリ(ビニルメチルエーテ
ル)、ポリ(ビニルエチルエーテル)、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロプルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース及びそれらの混合物があ
る。水非膨潤ポリマーの例には、二酢酸セルロース及び
三酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロース
のようなセルロースエステル類、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリフェニルメタクリレート及びアクリル酸若し
くはメタクリル酸との共重合体のようなポリアクリレー
ト類、スルホネート類、ポリエステル類、ポリウレタン
類、ポリスルホン類、ウレア樹脂類、メラミン樹脂類、
ウレア‐ホルムアルデヒド樹脂類、ポリアセタール類、
ポリブチラール類、エポキシ樹脂類、エポキシアクリレ
ート類、フェノキシ樹脂類、ポリカーボネート類、ビニ
ルアセテートポリマー及びコポリマー類、塩化ビニル‐
ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル‐ビニルアセテ
ート‐ビニルアルコール共重合体類、塩化ビニル‐ビニ
ルアセテート‐マレイン酸共重合体類、塩化ビニル‐塩
化ビニリデン共重合体類、塩化ビニル‐アクリロニトリ
ル共重合体類、アクリル酸エステル‐アクリロニトリル
共重合体類、アクリル酸エステル‐塩化ビニリデン共重
合体類、メタクリル酸エステル‐スチレン共重合体類、
ブタジエン‐アクリロニトリル共重合体類、アクリロニ
トリル‐ブタジエン‐アクリル酸若しくはメタクリル酸
共重合体類、スチレン‐ブタジエン、並びにそれらの混
合物がある。水膨潤及び水非膨潤ポリマーの混合物も利
用することが可能である。インクジェット印刷に有用で
あるインク受容性層には、有機可塑剤、顔料、ポリマー
性ラテックス粒子、又は、例えば、酸化ケイ素、フュー
ムシリカ(fumed silica)、ニッサン化学工業及びデュ
ポン社から市販されているような酸化ケイ素の分散液、
酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、ベーマ
イト、アモルファスアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、硫化亜鉛との硫酸バリウムの混合物のような無
機粒子、δ‐酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄、
酸化スズ、ドープ酸化スズ、酸化ケイ素、アルミノ‐シ
リケート、二酸化チタン、シリコンカーバイド、チタン
カーバイド及び微粉末ダイアモンド及びそれらの混合物
のような非磁性無機粉末が含まれる。インクジェット印
刷に有用であるインク受容性層には、インクジェット画
像の固定化を促進するための色止め(mordant)部位と
しての働きのある部分を含有するポリマーをも含み、よ
って、水により変化せずに、にじまない。有効な色とめ
剤の例には、イミダゾール含有ポリマー及びその共重合
体、ビニルピリジン含有ポリマー及びその共重合体、キ
トサン及びキトサン誘導体及び第四級アンモニウム基を
含有するポリマーがある。第四アンモニウム基の繰り返
し単位の例には、トリメチルビニルベンジルアンモニム
クロリド、ベンジルジメチルビニルベンジルアンモニウ
ムクロリド、ジメチルオクタデシルビニルベンジルアン
モニウムクロリド等がある。クロリド以外のカウンター
イオンも利用することが可能である。米国特許第5,2
23,338号及び第5,403,955号及びそれら
の引用文献では、色止めポリマーとしての使用に相応し
いさらなるポリマーを議論している。上記の組合わせも
利用することもできる。有効な色とめ剤の他の例には、
スチレンポリマーのスルホネート類及びカルボキシレー
ト類、アクリレートポリマー類及びポリエステル類があ
る。
【0038】印画紙支持体はダブルディスクリファイナ
ーを通し、さらにジョーダンコカルリファイナーによ
り、100%ブリーチさせた硬材クラフト(hardwood Kr
aft)のパルプ供給体を精製することにより生産される。
結果生じたパルプ供給体に、0.877%のステアリン
酸ナトリウム、0.527%の塩化アルミニウム、0.
15%のスチル弁トリアジンFWA、0.243%のポ
リアミドーエピクロロ非℃リン、0.682%のアニオ
ン性ポリアクリルアミドと0.6%のTiOを添加し
た。93mの面積の紙当たり、14.3kgのおおよ
その乾燥重量で、ホードライナーマシーンにて製造さ
れ、42%の固体になるようにウエットプレスされ、ス
チーム加熱ドライヤを利用して、1%の水分量に乾燥さ
れ、見かけ上0.70g/ccの密度にした。それか
ら、紙基材はヒドロキシエチル化されたコーンスターチ
により水平サイズプレスにより表面サイズ化され、3.
6重量%のスターチの付着量を達成した。スターチのほ
かに、重炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウム溶液がスタ
ーチ溶液によるサイズプレスにて添加され、中性紙のp
Hと平方メータ当たり約1.2g(gsm)の塩被覆量
が達成された。表面がサイズ化された支持体をスチーム
加熱ドライヤにて乾燥させて8.8%の水分量にし、カ
レンダー処理して1.08g/ccの見かけ上の密度に
した。
【0039】前述のように調製されたロール状の150
μm厚の紙を、図4の真空コーティング装置(140)
に運び、巻出ローラ155に配設した。前述の紙(以前
まで、コダックの原料紙という)のほかに、150μm
厚のジョージパシフィック(Nokoosa Solutions Smooth
(ジョージパシフィック)、グレード5128(Carrara
White, Color 9220)、基本重量45.5kg/307m
)も、図4に模式的に示す装置(140)を利用して
処理した。チャンバー144をポンプで引き、1x10
−4トル以下の基本圧した。酸素ガスを、10乃至25
0SCCMの流速で、加点電極145とカウンター電極
147との間の処理ギャップに導入させた。3分間定常
状態で包囲体1467をパージさせたあと、ウェッブ移
動速度及び回転電極の活性表面の寸法により左右される
指定処理時間、指定レベルで、電力を電極145に印加
した。整合変換器151を有する40kHz電源150
により、回転電極145(図4)に高電圧波形が印加さ
れる。初期は低ウェッブ速度で、しかも低電力で行われ
た。工程の評価(Scalability of the process)は、処理
を高電力(345W)で、かつより高速度(152m/
分)で行うことにより証明された。処理に先立ち、高真
空下にて真空チャンバー144にてロール状の紙が存在
する時間に依存して、観測された脱気(つまり、ウェッ
ブからの水蒸気の脱着)が変化した。処理包囲体146
のインピーダンスを(入口及び出口スリット149を介
して)調整することにより、処理ゾーン160に存在す
る水蒸気の部分圧も変化する。処理は主に酸素により
(大よそ200SCCMの流速の酸素により)、ウェッ
ブからの水蒸気の実質的に部分圧で行われた(100S
CCMから10SCCM又はそれ以下の流速の酸素
で)。表面処理は、機能的には同様であって。さらに、
処理は処理ゾーンに窒素を流すことにより行われた。
【0040】比較目的にため、処理は空気中の誘電キャ
リア放電(CDT)により処理された。紙幅は34.3
cmであった。紙ウェッブはウェッブ運搬システム及び
処理ステーションからなる装置を利用して処理された。
CDTユニットのロー(アメリカンローラ、 17.5
cmの外径、43cmの面長、0.165cmの壁圧の
あるアーコトロンCL−500セラミック性誘電体)に
はセラミック性誘電塗膜が設けられており、電気的に接
地された。CDTユニットの電極組立体は、長さ19c
mで、ローラの周辺に約1/4の等間隔の8つのチタン
棒からなる。ローラと電極との間の間隔は各電極に対し
て調整可能であり、処理組立体では書く電極に対して
0.762mmの一定値に設定された。CDTキャビネ
ットへの排気の流れは、全ての実験中名目的には236
l/sと一定に保たれた。コロナ放電処理電源及びそれ
に伴う変換器は、ピラーコーポレーションにより製造さ
れた(モデルP1025)。この2.5kW電源は、名
目上10kHzの周波数で動作した。
【0041】コロナ放電方法の電気的特性は、IEEE Tra
nsactions on Industry Application, Vol 1A-11, No.
3, May/June (1975) pp. 328-335に記載されたL. A. Ro
senthalとD. A.Davisによるデジタルオシロスコープ方
法を利用して、監視された。電流プローブ(ピアソン精
密電流変換器モデル110)と高電圧プローブ(テクト
ロニクス1000X高電圧プローブモデルP6015
A)は、変換器の第二の側に処理器の近くに設置され
た。上記プローブからの信号はデジタルオシロスコープ
に送信され、その波形が解析されて方法の第二の電力の
測定を可能にする。CDT比較例を発生させるのに利用
された条件を表1に示す。同様な処理は、大よそ0.0
2乃至0.10J/cmのドーズ量で、12.7cm
幅のポリエチレン塗布紙にて、パイロットスケールのコ
ロナ処理ユニットにて行った。ポリオレフィン表面のC
DT処理のさらなる例、特にCDT処理ポリプロピレン
は、先行技術に関係する文献に見られる(Strobelらに
よるものを参照)。
【0042】紙サンプルにおける表面の化学的変化は、
X線光電子分光法(XPS)により評価した。XPSス
ペクトルは、単色ALKαX線(1486.6eV)の
あるフィジカルエレクトロニクス5601光電子分光器
にて測定した。X線源は、300Wで7mmフィラメン
トにより動作した。電荷中和は、サンプルヒュお面にほ
ぼ垂直に設置された電子銃からの発光電流≦25mA、
バイアス電圧≦0.5eVの低エネルギー電子をサンプ
ル表面に当てることにより行った。解析中の分光器の圧
は、通常、≦3x10−9トルであった。高解像度スペ
クトルでは、アナライザーは11.75eVのパスエネ
ルギーで動作した。上記条件下、未処理紙表面のC1s
ピークの個々の成分の半波高全幅(FWHM)は、0.
9から1.0eVと変化した。全てのスペクトルは、2
84.6eVの値に割り当てられた脂肪族炭素原子のC
1sピークを基準とした。ラインの形の解析は可変ガウ
シアン‐ロレンチアン(Gaussian-Lorentzian)性質のあ
るライン形を利用して,最小二乗のカーブフィティング
を用いて行った。スペクトルは45°の飛翔角度で測定
し、その角度は約5nmの解析深さに相当する。
【0043】表面化学を評価する際に手助けとなること
が判明したXPSマトリックスは、炭素(C1s)領域
のの酸素含有量とピークフィットである。ピークフィッ
トにより、特定の炭素環境の表面濃度に関する情報が入
手できる。炭素1sピークは4つの分離成分に分解され
る:つまり、脂肪族炭素と、エーテル、エポキシ若しく
はヒドロキシル基に関連した炭素(C‐O)と、メチレ
ンジオキシ(O‐C‐O)若しくはカルボニル(C=
O)基に関連した炭素と、カルボン酸基の関連した炭素
(O−C=O)である。上記方法には、成分の数を求
め、4つの成分に対して±0.1eV内にピーク位置を
制限し、未処理表面に対しては1.1±0.1eVの、
且つ、処理表面に対して1.2±0.1eVのライン幅
へ拘束し、90乃至100%ガウシアン性質と0乃至1
0%のロレンチアン性質のあるライン形を利用すること
を含む。出力は各ピークの積分面積である。
【0044】紙のコロナ放電処理(CDT)の結果を表
1に示す。紙の高効率プラズマ処理の結果を表2及び表
3に掲載する。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】 表1及び表2から分かるように、CDTと高効率酸素プ
ラズマ処理の双方は脂肪族炭素種の除去、酸素の付加と
酸基の生成が起こる。脂肪族炭素含有量は、37原子%
からほぼ20原子%に降下するのに対し、酸素含有量は
大よそ28原子%から40原子%へ増加する。さらに、
酸基の形での炭素含有量は1原子%から3原子%へ上昇
する。さらに、上記の効果は、ジョージアパシフィック
ペーパの高効率処理の表3に示すデータから支持され
る。上記の一般的傾向はCDT及び高効率プラズマ処理
にて同様であるが、図5乃至図7に示すデータのプロッ
トから証明されるように、上記傾向に対するドーズ量依
存性に大きな違いがある。
【0048】さらに、表2及び表3に示すデータから、
窒素プラズマ処理は表面の脂肪族基を除去し、処理表面
に数多の窒素の導入をもたらすことが分かる。窒素及び
酸素以外の、例えば、アルゴンのようなガスは、本発明
の方法の実施により表面の脂肪族種を除去することが可
能であることは、当業者には理解されるであろう。
【0049】図5、図6と図7は、それぞれ、コダック
エッジ(登録商標)原料紙に対して、酸素導入の依存
性、脂肪族基の除去と酸素処理ドーズ量に対する酸基の
生成を示している。図5及び図6から分かるように、表
面酸素含有量の飽和値と高効率プラズマ処理に対する残
余の脂肪族含有量は、大よそ0.1J/cmで達成さ
れる。対照的に、表面化学の飽和は、CDTではドーズ
量の約2倍(0.2J/cm)で起こる。より重要な
ことは、高効率プラズマ処理(4.5%)でのドーズ量
0.1J/cmで達成された表面の酸含有量は、CD
T(2.2%)による同様なドーズ量で得られたものの
2倍である。さらに、0.1J/cmでの高効率プラ
ズマ処理から生じる表面の酸含有量は、かなりの高ドー
ズ量(つまり、>0.4J/cm)でのCDTから最
大に達成可能である表面の酸含有量(約3.3原子%)
以上である。酸基に関連した3原子%以上の炭素が必要
ならば、高効率プラズマ処理により必要とされるドーズ
量がより少ないドーズ量で達成される。
【0050】表1及び表2、並びに図5ないし図7に提
示する例から、通常のCDT処理が大気圧で実行される
よりも、予期しないほどに高効率に酸基の生成をもたら
す、カウンター電極よりもかなり小さい被駆動電極での
ウェッブの低周波数処理が確立される。小さな電極での
イオン衝撃、つまり結果として放出されたエネルギー二
次電子が生じた表面化学を決定する際に重要である程度
に、被駆動の小さな電極にサンプルを配置することの驚
くべき利益が失う以上に、最大の周波数がソ存在する。
この最大の周波数は当業者により実験的に求めることが
可能である。電力運搬及び高周波数範囲でのインピーダ
ンス整合に関連した複雑さは、2MH以上で起こる。よ
って、本発明の有用な範囲は2MHz以下であると考え
られる。
【0051】本発明が利用できるであろう最低の周波数
は、プラズマ存在下での紙表面の充電特性により決定さ
れる。支持表面が駆動電圧の期間に匹敵するほど急速に
充電されると、支持表面が急速に浮動電位を獲得するの
で、プラズマはパルスに性質を有していてもよく、もっ
て、カソードシースへの電界が減少し、且つ、放電サイ
クルの有用部分の制限する。Chapmanは、t=CV/i
として充電時間(秒単位)を見積っており、Cは支持体
/電極の組合わせの電気容量であり、Vは印加電圧であ
り、iは放電電流である(B. Chapmann, p.142を参
照)。放電電流は形態及びプラズマ条件に依存するが、
通常、10−3A/cmのオーダである。典型的なポ
リエステルでは、誘電率は大雑把に3であり、電気容量
CはC=3.2x10−13/d(F/cm2の単位)で
表わされ、ここでdはcm単位でのポリマーウェッブの
厚さである。放電電圧Vは、Paschen関係にて支配され
るように、電極形態及び放電ガスに依存する。しかしな
がら、低周波数に典型的な値は大雑把に1000Vであ
る。よって、充電時間tは3.2x10−7/d秒
と、大雑把に予想される。このようにして、100μ厚
のポリエステル基材では、充電時間は大雑把に32μs
であり、大まかには30kHzの低周波数動作に相当す
る。比較として、10μ厚のポリエステルは3kHz程
の周波数で処理することが可能であり、1mm厚のポリ
エステルでは300kHz以上の駆動周波数を必要とす
る。しかしながら、前記したように、最小の動作周波数
の正確な値はポリマーウェッブの誘電率、駆動電圧及び
放電電流に依存し、最後の二つのパラメータは形態、放
電ガス及び印加電力に依存する。一般的な制限は、最小
駆動周波数は1/tに匹敵することである。1/t
準に基づいて、当業者はポリマーウェッブ及び利用する
処理装置に対する動作周波数の適当な下限を決定するこ
とができる。
【0052】処理電極16、52、104は被駆動電極
であるとして本願では説明したが、本発明の方法及び装
置は、第二の電極26、64、114を駆動させ、且
つ、処理電極16、52、104を接地させても実施で
きることは理解される。処理電極16、52、104
は、カウンター電極の表面積とよりも大きくない、処理
ゾーン中での表面積を有する処理電極のままである。さ
らに、図1乃至図3に示す処理配置は、第二の電極2
6、64、114を被駆動電極にする以外は同じであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の第一の実施例を示す略図で
ある。
【図2】図1に示した処理装置の別の実施例を示す略図
である。
【図3】図1及び図2に示した処理装置のさらに別の実
施例を示す略図である。
【図4】本発明の方法にしたがって、40kHz処理の
模範試験を行うのに利用したたテスト装置の断面略図で
ある。
【図5】コダックエッジ(登録商標)紙へのコロナ放電
処理(CDT)を利用して、図4の配置と比較のために
利用した高効率処理ドーズ量(HEGDT)の関数とし
て、表面酸素含有量をプロットしたグラフである。
【図6】コダックの原料の紙へのコロナ放電処理(CD
T)を利用して、図4の配置及び比較のために利用した
「高効率」プラズマ処理(HEGDT)の処理ドーズ量
の関数として、表面の脂肪族化合物の含有量をプロット
したグラフである。
【図7】コダックの紙原料へのコロナ放電処理(CD
T)を利用して、図4の配置及び比較のために利用した
「高効率」プラズマ処理(HEGDT)の処理ソー図量
の関数として、表面の酸含有量をプロットしたグラフで
ある。
【符号の説明】
10、50、100 処理装置 12、54、102 紙ウェッブ 14、60、110 ダークスペース 16、52、104 処理電極 18、62、112 プラズマ 20、56、106 電源 22、58、108 インピーダンス整合装置 24、50、132 チャンバー 26、64、114 カウンター電極 27 シールド 28、66、116 テイクアップローラ 30、68、118 巻出ローラ 32、70、120 アイドラローラ 34、72、122 処理ガス 36、74、124、 ガス運搬ライン 38、76、126 入口 39、78、128 ポンプ 40、80、130 配管 82、132 外部チャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルイス ジェイ ジェレンザー アメリカ合衆国 ニューヨーク 14580 ウェブスター ワイルドフラワー・ドライ ヴ 1221 (72)発明者 クリスティン ジェイ ランドリー−コル トレイン アメリカ合衆国 ニューヨーク 14450 フェアポート ヴィニヤード・ヒル 27 (72)発明者 カート ディ シーバー アメリカ合衆国 ニューヨーク 14609 ロチェスター ディアフィールド・ドライ ヴ 91 (72)発明者 マイケル ジェイ ハインスラー アメリカ合衆国 ニューヨーク 14616 ロチェスター ワイルドウッド・ドライヴ 47 (72)発明者 デニス アール フリーマン アメリカ合衆国 ニューヨーク 14559 スペンサーポート ティッスルウッド・レ ーン 9

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマにより紙材料を処理する方法で
    あって、 (a)処理ガスを処理ゾーンに供給する工程と、 (b)約2MHz以下であり、且つ、プラズマ中のrm
    sイオン電流に晒されたウェッブ表面の充電時間である
    の1/t以上である周波数の振動高電圧で、カウ
    ンター電極の表面積よりも大きくない、処理ゾーン中に
    表面積を有する処理電極、又はカウンター電極を駆動さ
    せる工程と、 (c)前記処理電極で処理ゾーン中にプラズマを発生さ
    せる工程と、 (d)前記処理ゾーンを通して紙ウェッブを運搬し、反
    応性表面基を前記紙ウェッブの表面に、処理ガスにより
    導入させる工程とを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記紙ウェッブの表面から低分子量の脂
    肪族化合物を除去させる又は架橋させる工程をさらに含
    む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記紙ウェッブは0.5J/cm以下
    の処理ドーズ量を受ける請求項1記載の方法。
JP2000205668A 1999-07-07 2000-07-06 紙の高効率プラズマ処理 Pending JP2001055694A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/349,288 US6149985A (en) 1999-07-07 1999-07-07 High-efficiency plasma treatment of imaging supports
US09/574,772 US6565930B1 (en) 1999-07-07 2000-05-19 High-efficiency plasma treatment of paper
US574772 2000-05-19
US349288 2000-05-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001055694A true JP2001055694A (ja) 2001-02-27

Family

ID=26996112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000205668A Pending JP2001055694A (ja) 1999-07-07 2000-07-06 紙の高効率プラズマ処理

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP1067433A1 (ja)
JP (1) JP2001055694A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027096A1 (fr) * 2000-09-27 2002-04-04 Toyo Fibre Co., Ltd. Fibre vulcanisee et son procede de production
JP2011057442A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Tohoku Ricoh Co Ltd 改質装置及び後処理装置及び画像形成装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050220518A1 (en) * 2004-03-31 2005-10-06 Eastman Kodak Company Treatment of preprinted media for improved toner adhesion
DE102005050845A1 (de) * 2005-06-16 2006-12-21 Siemens Ag Verfahren und Vorrichtung zur Verbesserung der Papierqualität
DE102015108811B3 (de) * 2015-06-03 2016-06-09 Océ Printing Systems GmbH & Co. KG Verfahren und Vorrichtung zur Vorbehandlung eines Aufzeichnungsträgers für den elektrophoretischen Tonertransfer

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1561383A (en) * 1976-11-15 1980-02-20 Textiltech Forsch Process for the modification of the surface of textile planar bodles filaments and films
DE4109619C1 (ja) * 1991-03-23 1992-08-06 Leybold Ag, 6450 Hanau, De
CZ281826B6 (cs) * 1993-10-27 1997-02-12 Masarykova Univerzita V Brně Katedra Fyzikální Elektroniky Přírod. Fakulty Způsob bělení a zvyšování adheze vlákenných materiálů k barvivům
US5425980A (en) * 1994-02-22 1995-06-20 Eastman Kodak Company Use of glow discharge treatment to promote adhesion of aqueous coats to substrate
EP0801809A2 (en) * 1995-06-19 1997-10-22 The University Of Tennessee Research Corporation Discharge methods and electrodes for generating plasmas at one atmosphere of pressure, and materials treated therewith

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027096A1 (fr) * 2000-09-27 2002-04-04 Toyo Fibre Co., Ltd. Fibre vulcanisee et son procede de production
JP2011057442A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Tohoku Ricoh Co Ltd 改質装置及び後処理装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1067433A1 (en) 2001-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6565930B1 (en) High-efficiency plasma treatment of paper
EP0122998B1 (en) Method and apparatus for electron curing on a cooled drum
US7300859B2 (en) Atmospheric glow discharge with concurrent coating deposition
US6059935A (en) Discharge method and apparatus for generating plasmas
WO2000045623A1 (en) Atmospheric steady-state glow-discharge plasma
US4072769A (en) Treating polymeric surfaces
JP2518881B2 (ja) 固体薄板に穿孔を形成するための照射装置
US6528129B1 (en) Surface treatment method, production method for ink jet recording medium, and ink jet recording medium
US6919107B2 (en) Method and device for treating surfaces using a glow discharge plasma
JP2004509432A (ja) グロー放電プラズマ処理装置及びグロー放電プラズマ処理方法
WO2008138901A1 (en) Enhancing plasma surface modification using high intensity and high power ultrasonic acoustic waves
Sapieha et al. Corona versus low pressure plasma treatment: effect on surface properties and adhesion of polymers
JPH0299163A (ja) 単層または多層成形物の表面を前処理する方法および装置
WO2006007336A2 (en) Atmospheric glow discharge with concurrent coating deposition
EP0821273A1 (en) Atmospheric pressure glow discharge treatment of base material for photographic applications
US4615906A (en) Method and device for surface treatment of film webs
JP2001055694A (ja) 紙の高効率プラズマ処理
JP2002532828A (ja) プラズマ発生のための中空の陰極のアレー
WO2004101891A1 (en) Method for plasma treating paper and cardboards
US6603121B2 (en) High-efficiency plasma treatment of paper
JP4626036B2 (ja) 偏光板用保護フィルムの製造方法
JP2768369B2 (ja) 蒸着フィルム
CA2194322A1 (en) Atmospheric pressure glow discharge treatment of polymeric supports to promote adhesion for photographic applications
JP2001064421A (ja) ポリオレフィン類の高効率プラズマ処理
JP3870605B2 (ja) 支持体の表面処理方法及びその装置