JP2001055509A - 膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料 - Google Patents

膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料

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JP2001055509A
JP2001055509A JP11231675A JP23167599A JP2001055509A JP 2001055509 A JP2001055509 A JP 2001055509A JP 11231675 A JP11231675 A JP 11231675A JP 23167599 A JP23167599 A JP 23167599A JP 2001055509 A JP2001055509 A JP 2001055509A
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JP11231675A
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Michinori Nishikawa
通則 西川
Hikari Sugita
光 杉田
Kinji Yamada
欣司 山田
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半導体素子などにおける層間絶縁膜の膜形成
用組成物を得る。 【解決手段】 A)A−1式1で表される化合物、 (R1は1価の有機基を示す。) A−2式2で表される化合物 (R2はフッ素原子または1価の有機基を、R3は1価の
有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。) A−3式3で表される化合物 (R4〜R7は、1価の有機基を、bおよびcは、0〜2
の数を、R8は酸素原子または−(CH2n−で表され
る基を、nは1〜6を、dは0または1を示す。)から
選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物および縮
合物 B)白金化合物、パラジウム化合物、ロジウム化合物の
群から少なくとも1種とならびに C)炭素-炭素2重結合、3重結合及びケトン結合から
選ばれる結合を分子内に2以上有する化合物を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜形成用組成物に
関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶
縁膜材料として、塗膜の耐クラック性、機械的強度、C
hemicalMechanical Polishi
ng(CMP)耐性に優れ、かつ低誘電率の塗膜が得ら
れる膜形成用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子などにおける層間絶縁
膜として、CVD法などの真空プロセスで以て形成され
たシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近
年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的とし
て、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれ
るテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とす
る塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。ま
た、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼
ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率
の層間絶縁膜が開発されている。しかしながら、半導体
素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れ
た導体間の電気絶縁性が要求されており、したがって、
より低誘電率で機械的強度特性に優れる層間絶縁膜材料
が求められるようになっている。
【0003】そこで、特開平6−181201号公報に
は、層間絶縁膜材料として、より低誘電率の絶縁膜形成
用塗布型組成物が開示されている。この塗布型組成物
は、吸水性が低く、耐クラック性に優れた半導体装置の
絶縁膜を提供することを目的としており、その構成は、
チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルから選ば
れる少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物と、分
子内にアルコキシ基を少なくとも1個有する有機ケイ素
化合物とを縮重合させてなる、数平均分子量が500以
上のオリゴマーを主成分とする絶縁膜形成用塗布型組成
物である。
【0004】また、WO96/00758号公報には、
多層配線基板の層間絶縁膜の形成に使用される、アルコ
キシシラン類、シラン以外の金属アルコキシドおよび有
機溶媒などからなる、厚膜塗布が可能で、かつ耐酸素プ
ラズマ性に優れるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料が開
示されている。
【0005】さらに、特開平3−20377号公報に
は、電子部品などの表面平坦化、層間絶縁などに有用な
酸化物被膜形成用塗布液が開示されている。この酸化物
被膜形成用塗布液は、ゲル状物の発生のない均一な塗布
液を提供し、また、この塗布液を用いることにより、高
温での硬化、酸素プラズマによる処理を行った場合であ
っても、クラックのない良好な酸化物被膜を得ることを
目的としている。そして、その構成は、所定のシラン化
合物と、同じく所定のキレート化合物とを有機溶媒の存
在化で加水分解し、重合して得られる酸化物被膜形成用
塗布液である。
【0006】しかし、上記のようにシラン化合物にチタ
ンやジルコニウムなどの金属キレート化合物を組み合せ
た場合、塗膜の耐クラック性、機械的強度、CMP耐
性、低誘電率などをバランスよく有するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しく
は、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、塗膜の
耐クラック性、機械的強度、Chemical Mec
hanical Polishing(CMP)耐性に
優れ、かつ低誘電率の塗膜が得られる層間絶縁膜用材料
を提供することを目的とする。
【0008】本発明は、 (A)(A−1)下記一般式(1)で表される化合物 HSi(OR13 ・・・・・(1) (R1は1価の有機基を示す。) (A−2)下記一般式(2)で表される化合物 R2 aSi(OR34-a ・・・・・(2) (R2はフッ素原子または1価の有機基を示し、R3は1
価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。) および (A−3)下記一般式(3) で表される化合物 R4 b(R5O)3-bSi−(R8d−Si(OR63-c7 c ・・・・・ (3) (R4,R5,R6およびR7は、同一でも異なっていても
よく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同
一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R8
酸素原子または−(CH2n−で表される基を示し、n
は1〜6を、dは0または1を示す。)からなる群より
選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物および縮
合物もしくはいずれか一方 (B)白金化合物、パラジウム化合物、ロジウム化合物
の群から選ばれる少なくとも1種の化合物 ならびに (C)炭素-炭素2重結合、炭素-炭素3重結合およびケ
トン結合から選ばれる結合を分子内に2以上有する化合
物 を含有することを特徴とする膜形成用組成物および絶縁
膜形成用材料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
【0010】(A)成分 (A−1)成分 上記一般式(1)において、R1は1価の有機基、特に
アルキル基またはフェニル基であることが好ましい。こ
こで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1
〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐して
いてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換さ
れていてもよい。一般式(1)で表される化合物の具体
例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロ
ポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−se
c−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラ
ン、トリフェノキシシランを挙げることができ、トリメ
トキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポ
キシシラン、トリ−iso−プロポキシシランが特に好
ましい。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用
してもよい。
【0011】(A−2)成分 上記一般式(2)において、R2およびR3の1価の有機
基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリ
シジル基などを挙げることができる。また、一般式
(2)において、R2は1価の有機基、特にアルキル基
またはフェニル基であることが好ましい。ここで、アル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であ
り、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよ
く、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていて
もよい。一般式(2)において、アリール基としては、
フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフ
ェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フル
オロフェニル基などを挙げることができる。
【0012】一般式(2)で表される化合物の具体例と
しては、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエ
トキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、
フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロト
リ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブト
キシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラ
ン、フルオロトリフェノキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシ
シラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−
n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、
テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシ
シランなど;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メ
チルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n
−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラ
ン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルト
リフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシ
ラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチル
トリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブト
キシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、
エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロ
ポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラ
ン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−s
ec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキ
シシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プ
ロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピル
トリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec
−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブト
キシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−
プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキ
シシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、
i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プ
ロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−
sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert
−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラ
ン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−
ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−s
ec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブ
トキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、se
c−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−i−
トリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロ
ポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポ
キシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラ
ン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、
sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、s
ec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリ
メトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−
ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−
iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブト
キシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラ
ン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−
ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n
−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキ
シシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニ
ルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−te
rt−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシラ
ンなど;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメ
チル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−
n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシ
シラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ
メチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プ
ロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−
ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert
−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシ
シラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ
−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n
−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−
プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピ
ルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシ
シラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシ
ラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシ
シラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラ
ン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラ
ン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシ
ラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、
ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシ
ラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラ
ン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n
−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチ
ル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−
ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−s
ec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec
−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec
−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル
−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル
−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメト
キシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、
ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ
−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、
ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−
tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−
tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ
−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラ
ン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニ
ル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−
n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキ
シシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラ
ン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキ
シシランなど;を挙げることができる。好ましくは、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−
n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシ
ラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プ
ロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラ
ン、トリメチルモノエトキシシラン、トリエチルモノメ
トキシシラン、トリエチルモノエトキシシラン、トリフ
ェニルモノメトキシシラン、トリフェニルモノエトキシ
シランである。これらは、1種あるいは2種以上を同時
に使用してもよい。
【0013】(A−3)成分 上記一般式(3)において、1価の有機基としては、先
の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
また、一般式(3)のR8である2価の有機基として
は、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基などを挙
げることができる。一般式(3)のうち、R8が酸素原
子の化合物としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘ
キサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキ
サン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチ
ルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ
−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペン
タメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,
3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジ
シロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3
−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメト
キシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,
3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサ
ン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチ
ルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,
3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキ
シ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,
3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキ
サン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−
1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3
−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロ
キサンなどを挙げることができる。これらのうち、ヘキ
サメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサ
ン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチ
ルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−
1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テト
ラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3
−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,
3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ
−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなど
を、好ましい例として挙げることができる。一般式
(3)においてdが0の化合物としては、ヘキサメトキ
シジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキ
シジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2
−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキ
シ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタ
メトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2
−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,
2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、
1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジ
シラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジ
フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−
1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキ
シ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−ト
リエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,
1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシ
ラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフ
ェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2
−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,
1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキ
シ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2
−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラ
ンなどを、一般式(3)においてR8が−(CH2n
で表される基の化合物としては、ビス(ヘキサメトキシ
シリル)メタン、ビス(ヘキサエトキシシリル)メタ
ン、ビス(ヘキサフェノキシシリル)メタン、ビス(ジ
メトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチ
ルシリル)メタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)
メタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビ
ス(メトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシ
ジメチルシリル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシ
リル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタ
ン、ビス(ヘキサメトキシシリル)エタン、ビス(ヘキ
サエトキシシリル)エタン、ビス(ヘキサフェノキシシ
リル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)エタ
ン、ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジ
メトキシフェニルシリル)エタン、ビス(ジエトキシフ
ェニルシリル)エタン、ビス(メトキシジメチルシリ
ル)エタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、
ビス(メトキシジフェニルシリル)エタン、ビス(エト
キシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(ヘキサ
メトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサエト
キシシリル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサフェノキ
シシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシメチル
シリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシメチルシ
リル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシフェニルシ
リル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシフェニルシ
リル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジフェニルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリ
ル)プロパンなどを挙げることができる。これらのう
ち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラ
ン、ヘキサフェニキシジシラン、1,1,2,2−テト
ラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,
2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,
1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシ
ラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフ
ェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2
−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,
1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキ
シ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2
−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラ
ン、ビス(ヘキサメトキシシリル)メタン、ビス(ヘキ
サエトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシ
リル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタ
ン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス
(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシ
ジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリ
ル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタ
ン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタンを、好ま
しい例として挙げることができる。本発明において、
(A)成分としては、上記(A−1)成分および(A−
2)成分および/または(A−3)成分を用い、(A−
1)成分、(A−2)および(A−3)成分はそれぞれ
2種以上用いることもできる。
【0014】組成物中の(A)成分の総量に対する(A
−1)成分の使用割合は、好ましくは5〜50重量%
(完全加水分解縮合物換算)であり、5〜40重量%が
特に好ましい。(A−1)成分の使用量が5重量%未満
であると、塗膜の機械的強度が劣るものとなり、(A−
1)成分の使用量が50重量%を越えると塗膜の吸水に
より機械的強度が経時的に低下してしまう。
【0015】本発明において、加水分解とは、上記
(A)成分に含まれるR1O−基、R3O−基、R5O−
基、およびR6O−基すべてが加水分解されている必要
はなく、例えば1個だけが加水分解されているもの、2
個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの
混合物が生成することである。加水分解に使用する水
は、上記(A)成分中のアルコキシル基1モル当たり、
0.25〜3モル、好ましくは、0.3〜2.5モルの
水を用いる。添加する水の量が0.25〜3モルの範囲
内の値であれば、塗膜の均一性が低下する恐れが無く、
また、膜形成用組成物の保存安定性が低下する恐れが少
ない。本発明において縮合とは(A)成分の加水分解物
のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成し
たものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮
合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮
合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物な
どをも生成することを包含した概念である。なお、
(A)成分の加水分解縮合物の重量平均分子量は、通
常、1,000〜120,000、好ましくは1,20
0〜100,000程度である。
【0016】また、(A)成分を加水分解、部分縮合さ
せる際には、触媒を使用する。この際に使用する触媒と
しては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩
基、無機塩基を挙げることができる。金属キレート化合
物としては、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセ
トナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセ
チルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モ
ノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキ
シ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−se
c−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、
トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チ
タン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタ
ン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチル
アセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス
(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・
ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・
トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プ
ロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モ
ノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)
チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセト
ナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(ア
セチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・ト
リス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(ア
セチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エ
チルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ
・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−
プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、
トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)
チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセト
アセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチ
ルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチ
ルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビ
ス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポ
キシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n
−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、
ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトア
セテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセ
トアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス
(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポ
キシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ
−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チ
タン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセト
アセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エ
チルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルア
セトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナー
ト)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス
(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エ
チルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化
合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルア
セトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モ
ノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナ
ート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセ
チルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、
ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセト
ナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブト
キシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モ
ノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニ
ウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセト
ナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブ
トキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセト
ナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ
・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ
−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジ
ルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モ
ノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−s
ec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・
ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i
−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキ
シ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モ
ノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・ト
リス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−
n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・
トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テト
ラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ
(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス
(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニ
ウムキレート化合物;などを挙げることができる。有機
酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペ
ンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナ
ン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン
酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリッ
ト酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン
酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロ
ロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル
酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。無機酸
としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等
を挙げることができる。有機塩基としては、例えばピリ
ジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジ
ン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチル
モノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、
ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げる
ことができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、
水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒
の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好まし
く、より好ましくはチタンキレート化合物、有機酸を挙
げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同
時に使用しても良い。
【0017】上記触媒の使用量は(A)成分(完全加水
分解縮合物換算)のそれぞれ100重量部に対して、通
常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜1
0重量部の範囲である。また、触媒は、前記溶剤中に予
め添加しておいてもよいし、水添加時に水中に溶解ある
いは分散させておいてもよい。
【0018】(B)成分 本発明に使用する(B)成分は、白金化合物、パラジウ
ム化合物、ロジウム化合物の群から選ばれる少なくとも
1種の化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物
である。かかる(B)成分としては、例えば塩化白金
酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とオレフィンの錯
体、白金とケトン類の錯体、白金とビニルシロキサンの
錯体、アルミナまたはシリカなどの担体に白金を保持さ
せたもの、白金黒などで例示される白金化合物;テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウ
ム黒などで例示されるパラジウム化合物;テトラキス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ロジウム黒など
で例示されるロジウム化合物などを挙げることができ、
これらの中でも塩化白金酸、アルコール変性塩化白金
酸、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウムが
特に好ましい。組成物中の(A)成分と(B)の使用割
合は、(A)成分100重量部(完全加水分解縮合物換
算)に対して、(B)成分0.00001〜1重量部で
あり、好ましくは(B)成分0.00001〜0.5重
量部である。(B)成分の量が0.00001重量部未
満であると、塗膜の機械的強度が劣るものとなり、1重
量部を越えると、溶液の保存安定性が劣るものとなる。
【0019】(C)成分 本発明において(C)成分としては、例えばジビニルベ
ンゼン、ジエチニルベンゼン、ビフェニル、ターフェニ
ル、クォータフェニルなどのベンゼン含有化合物やその
置換誘導体;ジアセチレン、トリアセチレンなどのアセ
チレン基含有化合物やその置換誘導体;チオフェン、ビ
チオフェン、ターチーフェン、ピロールなどの複素環化
合物やその置換誘導体;ビニルトリアルコキシシランの
加水分解縮合物、ビニルトリアルコキシシランとアルキ
ルアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシ
ランの加水分解縮合物などのビニル基を含有するシロキ
サン化合物;キノン、ビス(シクロペンタジエノン)、
フェニルベンゾフェニルケトンなどのケトン基含有化合
物などを挙げることができ、ジビニルベンゼン、ジエチ
ニルベンゼン、ジアセチレン、ビチオフェン、ターチオ
フェン、ビニルトリアルコキシシランの加水分解縮合
物、ビニルトリアルコキシシランとアルキルアルコキシ
シランおよび/またはテトラアルコキシシランの加水分
解縮合物などのビニル基を含有するシロキサン化合物、
キノンを特に好ましい例として挙げることができる。
【0020】(A)成分に対する(C)成分の使用割合
は、(A)成分100重量部(完全加水分解縮合物換
算)に対して、(C)成分1〜20重量部、好ましくは
1〜15重量部である。(C)成分の量が1重量部未満
であると、塗膜の機械的強度が劣るものとなり、20重
量部を越えると、溶液の保存安定性が劣るものとなる。
【0021】本発明の膜組成物は、上記(A)成分、
(B)成分および(C)成分を有機溶剤に溶解または分
散してなる。本発明に使用する有機溶剤としては、例え
ばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘ
キサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−ト
リメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−
プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベ
ンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ
−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリ
メチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノ
ール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタ
ノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノー
ル、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−
ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキ
サノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノー
ル、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチル
ヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアル
コール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカ
ノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノ
ニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、s
ec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘ
キサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−
トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、
フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、
クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチル
ペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,
5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジ
オール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレン
グリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケ
トン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メ
チル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケト
ン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシル
ケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、
シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−
ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアル
コール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶
媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチ
ルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシ
ルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオ
キシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオ
キサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エ
チルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシ
ルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレン
グリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メ
チルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチル
カーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸
i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸
sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペン
チル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、
酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸
ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキ
シル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸
エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、
酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロ
ピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン
酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブ
チル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸
n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、3−メトキシメチルプロピオネート、
3−エトキシエチルプロピオネート等のエステル系溶
媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミ
ド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロ
リドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチ
ル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等
の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらは1種
あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0022】本発明の膜形成用組成物は、上記の有機溶
剤を含有するが、(A)成分を加水分解および/または
部分縮合する際に同様な溶剤を使用することができる。
【0023】具体的には(A)成分を溶解させた有機溶
剤中に水を断続的あるいは連続的に添加する。この際触
媒は有機溶剤中に予め添加しておいても良いし、水添加
時に水中に溶解あるいは分散させておいても良い。この
際の反応温度としては、通常0〜100℃、好ましくは
15〜80℃である。
【0024】また、膜形成用用組成物を構成するにあた
り、組成物中の沸点100℃以下のアルコールの含量
が、20重量%以下、特に5重量%以下であることが好
ましい。沸点100℃以下のアルコールは、上記(A)
成分および(B)成分で表される化合物の加水分解およ
び/またはその部分縮合の際に生じる場合があり、その
含量が20重量%以下、好ましくは5重量%以下になる
ように蒸留等により除去する事が好ましい。
【0025】本発明の膜形成用組成物は、さらに下記の
ような成分を含有してもよい。β−ジケトン β−ジケトンとしては、アセチルアセトン、2,4−ヘ
キサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプ
タンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタ
ンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオ
ン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタ
ンジオンなどの1種または2種以上である。本発明にお
いて、膜形成用組成物中のβ−ジケトン含有量は、
(A)成分(完全加水分解縮合物換算)の合計量100
重量部に対して通常0.1〜100重量部、好ましくは
0.2〜80重量部の範囲である。このような範囲でβ
−ジケトンを添加すれば、一定の保存安定性が得られる
とともに、膜形成用組成物の塗膜均一性などの特性が低
下するおそれが少ない。このβ−ジケトンは、(A)成
分の加水分解、縮合反応後に添加することが好ましい。
【0026】その他の添加剤 本発明で得られる膜形成用組成物には、さらにコロイド
状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活
性剤などの成分を添加してもよい。コロイド状シリカと
は、例えば、高純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒
に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30m
μ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜4
0重量%程度のものである。このような、コロイド状シ
リカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノ
ールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触
媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロ
イド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアル
ミナゾル520、同100、同200;川研ファインケ
ミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル
10、同132などが挙げられる。有機ポリマーとして
は、例えば、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化
合物、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合
体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、
デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリ
ーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジ
アゾール、フッ素系重合体などを挙げることができる。
界面活性剤としては、例えばノニオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面
活性剤などが挙げられ、さらには、シリコーン系界面活
性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素
界面活性剤、アクリル系界面活性剤等を挙げることがで
きる。前記界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエ
チレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコー
ルジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタ
ン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級
アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類等の
ほか、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、
ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トー
ケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化
学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)
製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)
製)、Disperbyk(ビックケミー・ジャパン
(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)等を挙げ
ることができる。これらの界面活性剤は単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度
は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応
じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30
重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存
安定性もより優れるものである。
【0028】本発明の組成物を、シリコンウエハ、Si
O2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際に
は、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー
法などの塗装手段が用いられる。
【0029】この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗
りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ
0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。そ
の後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度
の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥するこ
とにより、ガラス質または巨大高分子の絶縁膜を形成す
ることができる。この際の加熱方法としては、ホットプ
レート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出
来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴ
ン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下
などで行うことができる。
【0030】このようにして得られる層間絶縁膜は、絶
縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐ク
ラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、
システムLシ、DRAM、SDRAM、RDRAM、D
−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素
子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた
半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、
液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用
である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。なお、実施例および比較例中の部および
%は、特記しない限り、それぞれ重量部および重量%で
あることを示している。また、実施例中における膜形成
用組成物の評価は、次のようにして測定したものであ
る。
【0032】重量平均分子量(Mw) 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により測定した。 試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、加水分
解縮合物1gを、100ccのテトラヒドロフランに溶
解して調製した。 標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標
準ポリスチレンを使用した。 装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M
(長さ50cm) 測定温度:40℃ 流速:1cc/分
【0033】耐クラック性 塗膜形成用組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコーターを用いて塗布した。この際の塗膜の膜厚は
1.2μmになるよう調節した。この塗膜をホットプレ
ート上で70℃で3分間、200℃で3分間基板を乾燥
し、さらに460℃の真空雰囲気のオーブン中で60分
基板を焼成した。得られた塗膜付き基板を純水中に5時
間浸漬し、塗膜の外観を35万ルクスの表面観察用ラン
プで観察し、下記基準で評価した。 ○;塗膜表面にクラックが認められない。 ×;塗膜表面にクラックが認められる。
【0034】機械的強度(弾性率) 塗膜形成用組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコーターを用いて、回転数1,500rpm、30秒
の条件で以て塗布した。この塗膜をホットプレート上で
70℃で3分間、200℃で3分間基板を乾燥し、さら
に460℃の真空雰囲気のオーブン中で60分基板を焼
成した。得られた塗膜の弾性率はナノインデンターXP
(ナノインスツルメンツ社製)を用いて、連続剛性測定
法により測定した。
【0035】CMP耐性 塗膜形成用組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコーターを用いて、回転数1,500rpm、30秒
の条件で以て塗布した。この塗膜をホットプレート上で
70℃で3分間、200℃で3分間基板を乾燥し、さら
に460℃の真空雰囲気のオーブン中で60分基板を焼
成した。得られた膜を以下の条件で研磨した。 スラリー:シリカ−過酸化水素系 研磨圧力:300g/cm2 研磨時間:120秒 評価は以下の基準にて行った。 ○:塗膜外観に変化なし △:塗膜外観の一部にはがれやキズがある ×:塗膜全てがはがれる また、研磨速度を以下のように算出した。 研磨速度(nm/分)=(初期膜厚)−(50秒研磨後
の膜厚)
【0036】誘電率 塗膜形成用組成物を、8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコーターを用いて、回転数1,500rpm、30秒
の条件で以て塗布した。この塗膜をホットプレート上で
70℃で3分間、200℃で3分間基板を乾燥し、さら
に460℃の真空雰囲気のオーブン中で60分基板を焼
成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電
率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレッ
トパッカード(株)製のHP16451B電極およびH
P4284AプレシジョンLCRメーター用いて、10
kHzにおける容量値から算出した。
【0037】合成例1 石英製セパラブルフラスコ中で、トリメトキシシラン1
0.7gとメチルトリメトキシシラン135.0gとテ
トラメトキシシラン48.1gとジイソプロポキシチタ
ンビスエチルアセチルアセテート1.1gを、ジプロピ
レングリコールジメチルエーテル139gに溶解させた
のち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を70
℃に安定させた。次に、イオン交換水81gを4時間か
けて溶液に添加した。その後、70℃で2時間反応させ
たのち、反応液を室温まで冷却した。この反応液に、ジ
プロピレングリコールジメチルエーテル288gを添加
し、50℃で反応液からメタノールを含む溶液を288
gエバポレーションで除去し、反応液を得た。このよ
うにして得られた縮合物等の重量平均分子量は、7,8
00であった。
【0038】合成例2 石英製セパラブルフラスコ中で、トリメトキシシラン1
0.7gとメチルトリメトキシシラン135.0gとテ
トラメトキシシラン48.1gを、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート139gに溶解させた
のち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を70
℃に安定させた。次に、シュウ酸5gを溶解させたイオ
ン交換水81gを2時間かけて溶液に添加した。その
後、70℃で2時間反応させたのち、反応液を室温まで
冷却した。この反応液に、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート288gを添加し、50℃で反
応液からメタノールを含む溶液を288gエバポレーシ
ョンで除去し、反応液を得た。このようにして得られ
た縮合物等の重量平均分子量は、3,800であった。
【0039】比較合成例1 合成例1において、合成例1でトリメトキシシランを添
加しなかったこと以外は合成例1と同様に反応を行い、
重量平均分子量6,500の反応液を得た。
【0040】実施例1 合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸0.
02gとジエチニルベンゼン1gを添加し十分攪拌し
た。0.2μm孔径のテフロン製フィルターでろ過を行
い本発明の膜形成用組成物を得た。得られた塗膜を水浸
漬したが、クラック発生は認められなかった。また、塗
膜の弾性率は8.4GPaと高い値であった。塗膜のC
MP耐性を評価したところ、塗膜の外観に変化はなく、
研磨速度は5.4nm/分とCMP耐性を有していた。
また、誘電率を評価したところ、2.69と低い誘電率
を示した。
【0041】実施例2〜8 表1に示す組成で溶液を作製し、実施例1と同様に評価
を行った。評価結果を表1に併せて示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例9 合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸0.
02gとジエチニルベンゼン1gとアセチルアセトン4
gを添加し十分攪拌した。0.2μm孔径のテフロン製
フィルターでろ過を行い本発明の膜形成用組成物を得
た。得られた塗膜を水浸漬したが、クラック発生は認め
られなかった。また、塗膜の弾性率は8.2GPaと高
い値であった。塗膜のCMP耐性を評価したところ、塗
膜の外観に変化はなく、研磨速度は5.6nm/分とC
MP耐性を有していた。また、誘電率を評価したとこ
ろ、2.68と低い誘電率を示した。
【0044】実施例10 合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸0.
02gとジエチニルベンゼン1gと重量分子量約2,0
00のポリエチレングリコール10gを添加し十分攪拌
した。0.2μm孔径のテフロン製フィルターでろ過を
行い本発明の膜形成用組成物を得た。得られた塗膜を水
浸漬したが、クラック発生は認められなかった。塗膜の
CMP耐性を評価したところ、塗膜の外観に変化はな
く、研磨速度は8.3nm/分とCMP耐性を有してい
た。また、誘電率を評価したところ、2.38と非常に
低い誘電率を示した。さらに、塗膜の弾性率は5.2G
Paと非常に低い誘電率の割に高い弾性率であった。
【0045】実施例11 合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸0.
02gとジエチニルベンゼン1gと重量分子量約4,0
00のポリメタクリル酸イソプロピル10gを添加し十
分攪拌した。0.2μm孔径のテフロン製フィルターで
ろ過を行い本発明の膜形成用組成物を得た。得られた塗
膜を水浸漬したが、クラック発生は認められなかった。
塗膜のCMP耐性を評価したところ、塗膜の外観に変化
はなく、研磨速度は8.4nm/分とCMP耐性を有し
ていた。また、誘電率を評価したところ、2.39と非
常に低い誘電率を示した。さらに、塗膜の弾性率は5.
0GPaと非常に低い誘電率の割に高い弾性率であっ
た。
【0046】比較例1 合成例1で得られた反応液のみを使用した以外は、実
施例1と同様にして評価を行った。得られた塗膜を水浸
漬すると、塗膜表面に多数のクラックが発生した。塗膜
のCMP耐性を評価したところ、塗膜の外観に傷が観察
された。塗膜の弾性率は3.0GPaと低い値であっ
た。
【0047】比較例2 合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸0.
02gを添加し十分攪拌した。0.2μm孔径のテフロ
ン製フィルターでろ過を行い、実施例1と同様に評価を
行った。得られた塗膜を水浸漬すると、塗膜表面に多数
のクラックが発生した。塗膜のCMP耐性を評価したと
ころ、塗膜の外観に傷が観察された。塗膜の弾性率は
3.1GPaと低い値であった。
【0048】比較例3 合成例1で得られた反応液100gにジエチニルベン
ゼン1gを添加し十分攪拌した。0.2μm孔径のテフ
ロン製フィルターでろ過を行い、実施例1と同様に評価
を行った。得られた塗膜を水浸漬すると、塗膜表面に多
数のクラックが発生した。塗膜のCMP耐性を評価した
ところ、塗膜の外観に傷が観察された。塗膜の弾性率は
2.8GPaと低い値であった。
【0049】比較例4 比較合成例1で得られた反応液100gに塩化白金酸
0.02gとジエチニルベンゼン1gを添加し十分攪拌
した。0.2μm孔径のテフロン製フィルターでろ過を
行い、実施例1と同様に評価を行った。得られた塗膜を
水浸漬すると、塗膜表面に多数のクラックが発生した。
塗膜のCMP耐性を評価したところ、塗膜の外観に傷が
観察された。塗膜の弾性率は2.9GPaと低い値であ
った。
【0050】
【発明の効果】本発明の組成物は得られる塗膜の耐クラ
ック性、機械的強度、CMP耐性に優れ、かつ低誘電率
である膜形成用組成物(層間絶縁膜用材料)を提供する
ことが可能である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(A−1)下記一般式(1)で
    表される化合物、 HSi(OR13 ・・・・・(1) (R1は1価の有機基を示す。) (A−2)下記一般式(2)で表される化合物 R2 aSi(OR34-a ・・・・・(2) (R2はフッ素原子または1価の有機基を示し、R3は1
    価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。) および (A−3)下記一般式(3) で表される化合物 R4 b(R5O)3-bSi−(R8d−Si(OR63-c7 c・・・・・(3) (R4,R5,R6およびR7は、同一でも異なっていても
    よく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同
    一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R8
    酸素原子または−(CH2n−で表される基を示し、n
    は1〜6を、dは0または1を示す。) からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の加水
    分解物および縮合物もしくはいずれか一方 (B)白金化合物、パラジウム化合物、ロジウム化合物
    の群から選ばれる少なくとも1種の化合物 ならびに (C)炭素-炭素2重結合、炭素-炭素3重結合およびケ
    トン結合から選ばれる結合を分子内に2以上有する化合
    物を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分がチタン、ジルコニウム、ア
    ルミの群から選ばれる少なくとも1種の金属キレート化
    合物および/または酸触媒の存在下に加水分解したもの
    であることを特徴とする請求項1記載の膜形成用組成
    物。
  3. 【請求項3】 組成物中の(A)成分と(B)の使用割
    合が、(A)成分100重量部(完全加水分解縮合物換
    算)に対して、(B)成分0.00001〜1重量部で
    あることを特徴とする請求項1〜2記載の膜形成用組成
    物。
  4. 【請求項4】 (C)成分の常圧での沸点が150℃以
    上であることを特徴とする請求項1〜3記載の膜形成用
    組成物。
  5. 【請求項5】 組成物中の(A)成分の総量に対する
    (A−1)成分の使用割合が、5〜50重量%(完全加
    水分解縮合物換算)であることを特徴とする請求項1〜
    4記載の膜形成用組成物。
  6. 【請求項6】 さらにβ−ジケトン、ポリアルキレンオ
    キシド構造を有する化合物および(メタ)アクリル系重
    合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を
    含有することを特徴とする請求項1〜5記載の膜形成用
    組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の膜形成用組成物から
    なることを特徴とする絶縁膜形成用材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187821A (ja) * 1999-10-25 2001-07-10 Dow Corning Corp 良好な溶解性と安定性を有するシリコーン樹脂組成物
JP2002289607A (ja) * 2001-03-27 2002-10-04 Nec Corp 絶縁膜の形成方法
JP2006120920A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd シリカ系被膜形成用塗布液

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