JP2001052897A - 高周波線型加速器 - Google Patents

高周波線型加速器

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JP2001052897A
JP2001052897A JP11220880A JP22088099A JP2001052897A JP 2001052897 A JP2001052897 A JP 2001052897A JP 11220880 A JP11220880 A JP 11220880A JP 22088099 A JP22088099 A JP 22088099A JP 2001052897 A JP2001052897 A JP 2001052897A
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loop
tuner
electric field
pipe
linear accelerator
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JP11220880A
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English (en)
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Yutaka Touchi
豊 戸内
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、ビーム加速中でも短時間に電
場分布を調整可能とする。 【解決手段】 エンドチューナを回動自在なループ状パ
イプ30で構成し、該ループ状パイプ30の回動角度を
変えることで、ベイン電極12の端部を通過する磁束量
を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波線型加速器
に係り、特に、比較的低速の粒子を加速するのに適した
高周波四重極線型加速器(Radio Frequency Quadrupo
le linac、以下RFQと称する)に用いるのに好適
な、電場分布を容易に調整可能な高周波線型加速器に関
する。
【0002】
【従来の技術】陽子あるいはイオンを用いた高周波線型
加速器は、材料分野における表面改質のためのイオン注
入用加速器、エネルギ分野における重イオン慣性核融合
装置のドライバ加速器、あるいは、原子力分野における
放射性廃棄物の消滅処理のための強力陽子源としての加
速器として用いられている。このうち、RFQは、特に
比較的低速の粒子を加速するのに適している。
【0003】このRFQについては種々の構造が提案さ
れている。図7に、4ベイン型RFQの一例の概念図を
示す。このRFQにおいては、円筒型高周波共振器10
の内部に4枚の羽根状のベイン電極12が配設されてい
る。RFQの内部において、イオン等の被加速粒子は、
共振器10の中心軸10Cに沿って進み、時間的に交互
に変化する集束力と発散力とを受けながら、加速され
る。共振器10の内部には、図示しない高周波電源や高
周波伝送系等により高周波電力が供給され、四重極モー
ドが励振されている。
【0004】図8に、共振器10の中心軸10Cに垂直
な断面内の、ある時刻における磁束Bの方向と、電気力
線Eを模式的に示す。磁束は、2枚のベイン電極12と
共振器10の壁によって囲まれた断面扇型の共振室(セ
ルとも称する)18の中を、中心軸10Cに沿った方
向、図8では紙面に垂直な方向に流れ、この向きは、隣
り合うセル18の間では互いに逆向きになる。対向する
ベイン電極12は、互いに同電位になっており、隣り合
うベイン電極は、互いに逆電位になっている。
【0005】被加速粒子を陽子とすると、図8では、中
心軸10Cの近傍の陽子は、上下方向については中心軸
10Cに向かう力、即ち集束力を、左右方向については
中心軸10Cから離れる方向の力、即ち発散力をそれぞ
れ受ける。励振している高周波の半周期が過ぎると、極
性が逆転し、上下方向には発散力を、左右方向には集束
力を受けるようになる。このように、上下方向、左右方
向それぞれについて、高周波の半周期毎に集束力、発散
力を交互に受けながら、被加速粒子は、発散することな
く輸送される。
【0006】設計通りの加速性能を得るためには、4枚
のベイン電極12の先端の間隙に発生する電界が、4つ
の間隙について大きさのバランスがとれていることと、
中心軸10Cに沿って電界の分布が平坦である必要があ
る。そこで、RFQには、加速電場の平坦性を調整する
ために、チューナが設けられており、チューナとしては
主に、いわゆるサイドチューナとエンドチューナが用い
られている。
【0007】通常サイドチューナは、円筒形の金属製、
例えば銅製のブロックを、X−Y平面上(Z軸断面・ビ
ーム軸断面)のベインとベインの中間位置に挿入する構
造であり、エンドチューナは、図9(斜視図)及び図1
0(共振器端部を横から見た断面図)に示す如く、端部
に切欠き12Cを設けたベイン電極12の端部近傍の端
板20に、金属製、例えば銅製のブロック22を装着す
る構造である。
【0008】前記サイドチューナは、ブロックを挿入す
ることにより、共振器10壁面の磁束を中心軸方向に押
し下げて、ベイン電極12に巻き付く磁束を減らし、そ
の部分の電場を下げる役割を持つ。一方、前記エンドチ
ューナは、電場が集中するベイン電極12の端部近傍に
ブロック(ブロックチューナとも称する)22を装着す
ることで、磁束が横切る面積(X−Z平面又はY−Z平
面)を減らして、磁束がベイン電極の端部を回らずに途
中で引き返すことで、ベイン電極端部の電場を下げる効
果がある。
【0009】エンドチューナには、この他に、各象現の
セルの中心に棒状のアンテナを挿入するものもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ブロックチューナ22を装着する形式では、電場への影
響は大きいが、大きさを変えたブロックを幾つか準備し
ておき、電場を調整する度に端板20を外してブロック
を変換する必要がある。従って、例えば、電場分布がビ
ームに及ぼす影響を調べようとすると、ビーム加速後に
端板を外す作業が必要となり、その度に加速器の調整も
必要となる。又、電場測定後にベイン電極12を再度削
るのは不可能であるため、ベイン電極の切欠き12Cを
大きめにしておく必要があるが、するとブロック22が
大きくなり、熱伝達が悪くなる。更に、冷却が必要な場
合、構造が難しい等の問題点を有していた。
【0011】一方、後者のセル中心に棒状のアンテナを
挿入する形式では、構造的に電場への影響があまり期待
できず、調整も端板からの突き出し量で行うため、真空
封じの構造が複雑化するという問題点を有する。
【0012】なお、特開平7−326499には、共振
器の軸線方向の端板に取り付けたエンドチューナの共振
器内への挿入長さを、共振器内の真空を保持したまま調
整可能とすることが記載されているが、エンドチューナ
を直線的に移動する必要があるため、真空を維持するの
が難しく、冷却も容易ではないという問題点を有してい
た。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、簡単な構成で、後からでも電場分布
の調整を迅速且つ容易に可能とすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、チューナを有
する高周波線型加速器において、前記チューナを回動自
在なループで構成するようにして、前記課題を解決した
ものである。
【0015】又、真空下にある空洞内で軸線に対して断
面放射状に配設された複数のベイン電極に高周波電力を
供給し、前記空洞の軸線方向の端部近傍に配設されたエ
ンドチューナにより、前記空洞が前記高周波電力に共振
するように調節し、前記ベイン電極で囲まれた空間に形
成された加速電磁場により、空洞内の軸線方向に粒子を
加速する高周波線型加速器において、磁束が閉ループを
通らないことを利用して、前記エンドチューナを回動自
在なループで構成し、該ループの回動角度を変えること
で、ベイン電極の端部を通過する磁束量を調節するよう
にして、前記課題を解決したものである。
【0016】又、前記ループをパイプで構成し、該パイ
プ内に冷却用流体を流すようにして、効果的に冷却でき
るようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0018】本実施形態は、図1(共振器端部を示す斜
視図)、図2(要部を切欠いて示す拡大斜視図)及び図
3(端部を横から見た断面図)に示す如く、エンドチュ
ーナをループ状のパイプ30で構成し、端板20に対し
て、回動フランジ32及びガスケット34を介して、例
えば手動で回動自在に取り付けるようにしたものであ
る。図において、8はビーム、20Cは端板のビーム入
口である。
【0019】前記ループ状パイプ30の中には、図2に
示した如く、水が通され、冷却される。
【0020】磁束は高周波で変化しており、常に逆磁束
がループに生じるため、閉ループ内には磁束が入らない
ので、ループ状パイプ30を回動させて、ループ面積を
変化させることにより、ベイン電極12の端部を通過す
る磁束量を調節することができる。
【0021】図4に示す如く、ループ状パイプ30を磁
束Bと平行にしてチューナの効きを最小にした場合と、
図3に示した如く、ループ状パイプ30を磁束Bに対し
て垂直にして、チューナの効きを最大にした場合の、端
板20からの距離xと電場の強さの計算例(共振器10
の長さ50cm、ベイン電極の端部に切欠きを入れない
状態での共振周波数F=198.75MHzの場合)を
図5及び図6にそれぞれ示す。この例では、チューナを
回動させることで、ビーム軸上の電場の傾きを約3%変
化させられることが確認できた。なお、ベイン電極の切
欠き12Cを大きくすることによって、もっと変化を大
きくとることができる。
【0022】本実施形態によれば、回動フランジ32を
回動してループ状パイプ30の角度を変えるのみで、容
易に電場を変えることでき、ビームを加速しながらの電
場調整も可能となる。
【0023】本実施形態においては、ループをパイプで
構成しているので、中に水等の冷却用流体を通すことに
よって、エンドチューナを効果的に冷却でき、ヘビーデ
ューティな用途にも使用できる。なお、エンドチューナ
を他の方法で冷却する等の手段をとることによって、パ
イプではなく中実材料でエンドチューナを構成すること
ができる。又、ループの形状も円に限定されず、例えば
長方形又は正方形とすることも可能である。
【0024】なお、現在のRFQでは、電場を一様にし
ているが、例えば電場を徐々に大きくとることによっ
て、ビーム通過効率を上げることも検討されている。本
発明は、このように、電場を一様でなく変化させる用途
にも使用することが可能である。
【0025】又、前記実施形態においては、本発明がR
FQに適用されていたが、本発明の適用対象は、これに
限定されず、ベイン電極の数は4以外でも良い。更に、
DTL(ドリフトチューブライナック)のサイドチュー
ナにも適用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ループを回動させるだ
けで電場を変えることができ、調整に必要な時間を短縮
できる。又、端板を外す必要が無いので、ビーム加速中
でも電場の調整が可能となる。更に、現在結論が出てい
ない、好ましい高周波共振器の電場分布を実験で求める
ことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるRFQの端部を示す
斜視図
【図2】同じく端部を切り欠いて示す拡大斜視図
【図3】同じく端部を横から見た断面図
【図4】同じくチューナ角度を最小にした状態を示す断
面図
【図5】本発明の作用を説明するための、チューナ角度
を最小にしたときの電場分布の計算例を示す線図
【図6】同じくチューナ角度を最大にしたときの電場分
布の計算例を示す線図
【図7】従来のイオンビーム型高周波四重極線型加速器
(RFQ)の一例の構成を示す、一部を切り欠いた斜視
【図8】図7に示すRFQの中心軸に垂直な断面から見
た断面図
【図9】従来のRFQにおけるベイン電極端部の磁束の
通過状態を示す斜視図
【図10】従来のRFQにおけるブロックチューナの配
置状態を示す、共振器端部を横から見た断面図
【符号の説明】
8…ビーム 10…共振器 12…ベイン電極 20…端板 30…ループ状パイプ 32…回動フランジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チューナを有する高周波線型加速器におい
    て、 前記チューナを回動自在なループで構成したことを特徴
    とする高周波線型加速器。
  2. 【請求項2】真空下にある空洞内で軸線に対して断面放
    射状に配設された複数のベイン電極に高周波電力を供給
    し、前記空洞の軸線方向の端部近傍に配設されたエンド
    チューナにより、前記空洞が前記高周波電力に共振する
    ように調節し、前記ベイン電極で囲まれた空間に形成さ
    れた加速電磁場により、空洞内の軸線方向に粒子を加速
    する高周波線型加速器において、 前記エンドチューナを回動自在なループで構成し、該ル
    ープの回動角度を変えることで、ベイン電極の端部を通
    過する磁束量を調節するようにしたことを特徴とする高
    周波線型加速器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記ループをパ
    イプで構成し、該パイプ内に冷却用流体を流すようにし
    たことを特徴とする高周波線型加速器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007157400A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Sumitomo Heavy Ind Ltd 線形加速器
JP2010277942A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Mitsubishi Electric Corp Hモード型ドリフトチューブ線形加速器、およびその電場分布調整方法
US20230083050A1 (en) * 2021-09-13 2023-03-16 Applied Materials, Inc. Drift tube, apparatus and ion implanter having variable focus electrode in linear accelerator

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