JP2001052854A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2001052854A
JP2001052854A JP22552799A JP22552799A JP2001052854A JP 2001052854 A JP2001052854 A JP 2001052854A JP 22552799 A JP22552799 A JP 22552799A JP 22552799 A JP22552799 A JP 22552799A JP 2001052854 A JP2001052854 A JP 2001052854A
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JP
Japan
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layer
light emitting
light
emitting device
anode
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JP22552799A
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Tomoko Koyama
智子 小山
Takeo Kaneko
丈夫 金子
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光波長のスペクトル幅が従来のEL発光素
子に比べて格段に狭く、かつ指向性があり、表示体だけ
でなく光通信などにも適用でき、かつ複数の異なる波長
の光を出射できる、発光装置を提供すること。 【解決手段】 発光装置1000は、基板10と、この
基板10上に並列に形成された発光素子部100a、1
00b、100cを有する。発光素子部100a、10
0b、100cの各回折格子12a、12b、12cは
それぞれ、ピッチの光学長が異なるので、複数の異なる
共振波長の光を出射できる。絶縁層16はスリット状の
開口部16a、16b、16cを有する。そのため、絶
縁層16は、電流狭窄層として機能する。したがって、
陽極層20a、20b、20cおよび陰極層22に所定
の電圧が印加されると、開口部16a、16b、16c
に対応する領域CAにおいて主として電流が流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(エレクトロ
ルミネッセンス)を用いた発光装置に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば、光通信システムで用いられる光源としては、半導体
レーザが用いられる。半導体レーザは、波長選択性に優
れ、単一モードの光を出射できる点で好ましいが、多数
回にわたる結晶成長が必要であり、作成が容易でない。
また、半導体レーザでは、発光材料が限定され、種々の
波長の光を発光することができないという難点を有す
る。
【0003】また、従来のEL発光素子は、発光波長の
スペクトル幅が広く、表示体などの一部の用途では適用
されているものの、光通信などのスペクトル幅が狭い光
を要求される用途には不向きであった。
【0004】本発明の目的は、発光波長のスペクトル幅
が従来のEL発光素子に比べて格段に狭く、かつ指向性
があり、表示体だけでなく光通信などにも適用でき、か
つ複数の異なる波長の光を出射できる、発光装置を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発光装置
は、基板と、複数の発光素子部と、を有し、前記発光素
子部は、エレクトロルミネッセンスによって発光可能な
発光層と、前記発光層に電界を印加するための一対の電
極層と、前記発光層において発生した光を伝播するため
の光伝播部と、前記一対の電極層の間に配置され、か
つ、一部に開口部を有し、該開口部を介して前記発光層
に供給される電流の流れる領域を規定する電流狭窄層と
して機能しうる絶縁層と、前記光伝播部を伝播する光の
ための回折格子と、を含み、前記複数の発光素子部の少
なくとも一つの前記回折格子のピッチの光学長を、他の
前記発光素子部の前記回折格子のピッチの光学長と異な
らせることにより、少なくとも一つの光の共振波長が他
の光の共振波長と異なる、複数の異なる共振波長の光を
出射可能としている。
【0006】以上のような構成をした本発明に係る発光
装置によれば、以下の作用効果が生じる。本発明に係る
発光装置によれば、前記一対の電極層、すなわち陰極と
陽極とからそれぞれ電子とホールとが発光層内に注入さ
れ、この電子とホールとを発光層で再結合させて、分子
が励起状態から基底状態に戻るときに光が発生する。そ
して、発光層で発生した光は、光伝播部を伝播する光の
ための回折格子、つまり互いに屈折率の異なる2種の媒
質が交互に周期的に配置された格子により、波長選択性
および指向性を有する。
【0007】なお、光伝播部とは、発光素子部の一部分
であって、かつ、発光素子部の発光層において得た光を
導波路部側に供給する部分であって、少なくとも波長選
択性を付与する機能を持つ回折格子部分と、導波路部の
コア層と結合するための部材(例えば一方の電極層)と
を含む部分である。
【0008】そして、この発光装置によれば、前記発光
素子部において、前記絶縁層が電流狭窄層として機能す
るため、前記発光層に供給される電流の領域を規定でき
る。したがって、発光させたい領域で電流強度や電流分
布をコントロールでき、高い発光効率で光を発生でき
る。
【0009】また、この発光装置によれば、前記複数の
発光素子部の少なくとも一つの前記回折格子のピッチの
光学長を、他の前記発光素子部の前記回折格子のピッチ
の光学長と異ならせることにより、少なくとも一つの光
の共振波長が他の光の共振波長と異なる、複数の異なる
共振波長の光を出射可能としている。
【0010】以上にようにこの発光装置によれば、各回
折格子の共振波長に対応する複数の光を、高い発光効率
で出射することができる。
【0011】なお、前記複数の回折格子は、以下の構成
(1)〜(3)を取りうる。 (1)前記複数の前記回折格子の材料は、それぞれ、同
じ材料からなり、かつ異なるピッチ長を有する。 (2)前記複数の前記回折格子の材料は、それぞれ、異
なる材料からなり、かつ同じピッチ長を有する。 (3)前記複数の前記回折格子の材料は、それぞれ、異
なる材料からなり、かつ異なるピッチ長を有する。
【0012】さらに、前記複数の発光素子部のそれぞれ
に対応して、前記電極層を独立に制御可能にすることが
望ましい。これを達成することができる構成の一例とし
て、前記一対の電極層は、陽極層と陰極層とから構成さ
れ、前記陽極層は、互いに電気的に分離された複数の陽
極層を含み、前記複数の陽極層は、それぞれ、前記複数
の発光素子部と対応し、前記複数の発光素子部は、前記
陰極層を共通電極としている、がある。
【0013】上記構成は、陽極層の材料が、一般に、パ
ターンニングが容易であるということを考慮したもので
ある。また、この構成によれば発光層および陰極層は、
各発光素子部毎にパターンニングする必要がなくなるの
で、発光層および陰極層の位置制御が容易となり、また
微細なパターンニングが困難な材料でも発光層および陰
極層の材料として選択することができる。
【0014】また、陰極層を共通電極とすることで、発
光素子部毎に陰極層をパターンニングすることが不要と
なる。これにより、パターンニングを簡略にでき、ま
た、複数の発光素子部の水平方向(面方向)の位置合わ
せが容易となる。
【0015】また、本発明にかかる発光装置は、さらに
他の導波路部を備え、前記複数の発光素子部の前記導波
路部は、それぞれ、前記基板上で前記他の導波路部と光
学的に接続され、前記複数の発光素子部で発生した光
は、それぞれ、前記他の導波路部から外部に出射され
る、のが望ましい。
【0016】この構成によれば、発光装置内部で波長多
重化が可能となる。また、外部のファイバを必要最小限
にすることができ、波長多重化させた伝送において、装
置のコストを下げることができる。さらに、発光装置を
他の導波路部(ファイバ部)と接続する場合、他の導波
路部と発光装置の導波路部との位置合わせ箇所が少なく
なり、接続を簡易化できる。
【0017】また、本発明にかかる発光装置は、前記複
数の発光素子部で発生した光は、それぞれ、前記複数の
発光素子部のそれぞれの前記導波路部から外部に出射さ
れる、のが望ましい。
【0018】この構成によれば、発光素子部をアレイ化
でき、これにより多量の情報を伝送することが可能とな
り、レーザプリンタ等の用途において有効となる。ま
た、フラットケーブルのような水平方向に所定のピッチ
でコア部が配設された光ファイバケーブルとの接続が可
能である。
【0019】ここで、電流狭窄層について詳細に説明す
る。前記絶縁層がクラッドとして機能する場合には、コ
アとしての発光層とクラッドとしての絶縁層からなる導
波路を想定すると、絶縁層の開口部を規定することで、
光伝播部を介して導波路部側に伝播される光の導波モー
ドをコントロールできる。すなわち、前記絶縁層(クラ
ッド)により、光が閉じ込められる領域の幅(光の進行
方向に対して垂直な面における幅)を規定することで、
発光層(コア)内を伝播する光の導波モードを所定の値
に設定できる。導波モードと導波路とは、一般に以下の
式で示す関係を有する。
【0020】Nmax+1 ≧ K0・a・(n1 2−n2
21/2/(π/2) ここで、 K0:2π/λ、 a:導波路のコアの幅の1/2、 n1:導波路のコアの屈折率、 n2:導波路のクラッドの屈折率、 Nmax:取り得る導波モードの最大値である。
【0021】したがって、得たい導波モードによって、
上記式のパラメータ、例えばコアおよびクラッドの屈折
率が特定されている場合、電流狭窄層の開口部の幅で規
定される発光層(コア)の幅を選択すればよい。すなわ
ち、電流狭窄層の内部に設けられる発光層の屈折率およ
び電流狭窄層となる絶縁層の屈折率を、それぞれ上記式
の導波路のコアの屈折率およびクラッドの屈折率とし、
得たい導波モードを定めて上記式によってコアに相当す
る発光層の幅(2a)を求めることができる。そして、
発光素子部からの光が供給される導波路部側のコア層の
幅についても、上述したように求めた発光層の幅、およ
び得たい導波モードに基づいて上記式によって得られた
計算値などを考慮して、好ましい値を求めることが好ま
しい。このように発光層の幅およびコア層の幅などを適
正な値とすることにより、優れた結合効率で発光素子部
から導波路部側に所望のモードでの光が伝播される。な
お、発光素子部においては、絶縁層で形成された電流狭
窄層内における発光層が必ずしも均一な発光状態となら
ないこともあるため、これを考慮して、上記式で求めた
コア(発光層)の幅(2a)を基準として、各部材の結
合効率が良好となるように、発光層、光伝播部および導
波路部などの各部材の設計値が最適に調整されることが
好ましい。
【0022】発光装置として、導波モードは好ましくは
0〜1000、特に通信用途では0〜10程度であるこ
とが好ましい。このように発光層での光の導波モードを
規定できれば、所定の導波モードの光を効率よく得るこ
とができる。
【0023】以上のように、本発明によれば、発光波長
のスペクトル幅が従来のEL発光素子に比べて格段に狭
く、かつ指向性があり、表示体だけでなく光通信などに
も適用できる、発光装置を提供することができる。
【0024】前記絶縁層の前記開口部は、前記回折格子
の周期方向、つまり光の導波方向に延びるスリット形状
を有することが望ましい。また、前記発光層は、少なく
とも一部が前記絶縁層に形成された開口部に存在するこ
とが望ましい。この構成によれば、電流を供給したい発
光層の領域と、電流狭窄層によって規定される領域とを
自己整合的に位置決めできる。
【0025】この発光装置は、好ましくは、前記発光素
子部と一体的に形成された導波路部を有し、前記導波路
部は、前記光伝播部の少なくとも一部と光学的に連続す
るコア層と、前記絶縁層と光学的に連続するクラッド層
と、を含む。
【0026】さらに、前記導波路部は、前記コア層が、
前記光伝播部と一体的に連続し、かつ、前記クラッドが
前記絶縁層と一体的に連続することが望ましい。この発
光装置によれば、発光素子部の光伝播部と、導波路部の
コア層とが一体的に連続し、かつ、発光素子部の絶縁層
と、導波路部のクラッド層とが一体的に連続しているこ
とにより、発光素子部と導波路部とが、高い結合効率で
光学的に結合され、効率のよい光の伝播ができる。この
構成の場合、前記絶縁層は、前記光伝播部に対してクラ
ッド層として機能する材質が選択される。また、この構
成の発光装置によれば、発光素子部の光伝播部と、導波
路部のコア層とは、同一の工程で成膜およびパターニン
グできるので、製造が簡易となる利点を有する。同様
に、発光素子部の絶縁層(クラッド層)と、導波路部の
クラッド層とは、同一の工程で成膜およびパターニング
できるので、製造が簡易となる利点を有する。
【0027】前記回折格子は、分布帰還型または分布ブ
ラッグ反射型の回折格子であることが望ましい。このよ
うに、分布帰還型または分布ブラッグ反射型の回折格子
を形成することにより、発光層で得られた光を共振さ
せ、その結果、波長選択性があり発光スペクトル幅が狭
く、かつ優れた指向性を有する光を得ることができる。
これらの回折格子においては、出射光の波長によって回
折格子のピッチおよび深さが設定される。
【0028】さらに、分布帰還型の前記回折格子をλ/
4位相シフト構造または利得結合型構造とすることによ
り、出射光をより単一モード化することができる。ここ
で、λは、光伝播部内の光の波長を表す。
【0029】特に、回折格子が分布帰還型であって、さ
らにλ/4位相シフト構造あるいは利得結合型構造を有
することは、本発明に係る発光装置において共通した望
ましい構成である。そして、この回折格子は、上述した
回折格子の機能を達成できればよく、その形成領域は特
に限定されず、例えば光伝播部内あるいは光伝播部に接
する層であればよい。
【0030】前記発光層は、発光材料として有機発光材
料を含むことが好ましい。有機発光材料を用いることに
より、例えば半導体材料や無機材料を用いた場合に比べ
て材料の選択の幅が広がり、種々の波長の光を発光する
ことが可能となる。
【0031】本発明の発光装置は、種々の態様をとるこ
とができ、例えば以下に代表的な態様を記載する。
【0032】(a)前記一対の電極層は、陽極層と陰極
層とから構成され、前記陽極層は、透明な材質を含み、
前記陽極層は、前記基板上に形成され、前記陽極層は、
前記光伝播部の少なくとも一部として機能し、前記回折
格子は、前記陽極層の一部に形成されており、前記絶縁
層の開口部は、前記回折格子に面しており、前記発光層
は、少なくとも一部が前記絶縁層の開口部に存在してい
る。
【0033】そして、この発光装置はさらに、前記発光
素子部と一体的に形成された導波路部を有し、前記導波
路部は、前記基板上に形成され、前記陽極層と光学的に
連続するコア層と、前記コア層の露出部分を覆い、前記
絶縁層と光学的に連続するクラッド層と、を含むのが好
ましい。
【0034】(b)前記一対の電極層は、陽極層と陰極
層とから構成され、前記回折格子は、前記基板の一部に
形成され、前記陽極層は、透明な材質を含み、前記陽極
層は、前記回折格子上に形成され、前記陽極層は、前記
光伝播部の少なくとも一部として機能し、前記絶縁層の
開口部は、前記陽極層に面しており、前記発光層は、少
なくとも一部が前記絶縁層の開口部に存在している。
【0035】そして、この発光装置はさらに、前記発光
素子部と一体的に形成された導波路部を有し、前記導波
路部は、前記基板上に形成され、前記陽極層と光学的に
連続するコア層と、前記コア層の露出部分を覆い、前記
絶縁層と光学的に連続するクラッド層と、を含むのが好
ましい。
【0036】(c)前記基板上に配置され、一部に前記
回折格子が形成された格子基板を備え、前記一対の電極
層は、陽極層と陰極層とから構成され、前記陽極層は、
透明な材質を含み、前記陽極層は、前記格子基板の前記
回折格子上に形成され、前記陽極層は、前記光伝播部の
少なくとも一部として機能し、前記絶縁層の開口部は、
前記陽極層に面しており、前記発光層は、少なくとも一
部が前記絶縁層の開口部に存在している。
【0037】そして、この発光装置はさらに、前記発光
素子部と一体的に形成された導波路部を有し、前記導波
路部は、前記基板上に配置された前記格子基板上に形成
され、前記陽極層と光学的に連続するコア層と、前記コ
ア層の露出部分を覆い、前記絶縁層と光学的に連続する
クラッド層と、を含むのが好ましい。
【0038】次に、本発明に係る発光装置の各部分に用
いることができる材料の一部を例示する。これらの材料
は、公知の材料の一部を示したにすぎず、例示したもの
以外の材料を選択できることはもちろんである。
【0039】(発光層)発光層の材料は、所定の波長の
光を得るために公知の化合物から選択される。発光層の
材料としては、有機化合物および無機化合物のいずれで
もよいが、種類の豊富さや成膜性の点から有機化合物で
あることが望ましい。
【0040】このような有機化合物としては、例えば、
特開平10−153967号公報に開示された、アロマ
ティックジアミン誘導体(TPD)、オキシジアゾール
誘導体(PBD)、オキシジアゾールダイマー(OXD
−8)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、ベリリ
ウム−ベンゾキノリノール錯体(Bebq)、トリフェ
ニルアミン誘導体(MTDATA)、ルブレン、キナク
リドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレン、ポリア
ルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェン、アゾメチ
ン亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ベンゾオキサゾー
ル亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウム錯体などが
使用できる。
【0041】また、有機発光層の材料としては、特開昭
63−70257号公報、同63−175860号公
報、特開平2−135361号公報、同2−13535
9号公報、同3−152184号公報、さらに、同8−
248276号公報および同10−153967号公報
に記載されているものなど、公知のものが使用できる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種類以上を混
合して用いてもよい。
【0042】無機化合物としては、ZnS:Mn(赤色
領域)、ZnS:TbOF(緑色領域)、SrS:C
u、SrS:Ag、SrS:Ce(青色領域)などが例
示される。
【0043】(光導波路)ここで光導波路とは、コアと
して機能する層、および該コアより屈折率が小さくクラ
ッドとして機能する層を含む。これらの層は、具体的に
は、発光素子部の光伝播部(コア)および絶縁層(クラ
ッド)、導波路部のコア層およびクラッド層、さらに基
板(クラッド)などを含む。光導波路を構成する層は、
公知の無機材料および有機材料を用いることができる。
【0044】代表的な無機材料としては、例えば特開平
5−273427号公報に開示されているような、Ti
2、TiO2−SiO2混合物、ZnO、Nb25、S
3 4、Ta25、HfO2またはZrO2などを例示す
ることができる。
【0045】また、代表的な有機材料としては、各種の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および光硬化性樹脂な
ど、公知の樹脂を用いることができる。これらの樹脂
は、層の形成方法などを考慮して適宜選択される。例え
ば、熱および光の少なくとも一方のエネルギーによって
硬化することができる樹脂を用いることで、汎用の露光
装置やベイク炉、ホットプレートなどが利用できる。
【0046】このような物質としては、例えば、本願出
願人による特願平10−279439号に開示された紫
外線硬化型樹脂がある。紫外線硬化型樹脂としては、ア
クリル系樹脂が好適である。様々な市販の樹脂や感光剤
を利用することで、透明性に優れ、また、短期間の処理
で硬化可能な紫外線硬化型のアクリル系樹脂を得ること
ができる。
【0047】紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本構成
の具体例としては、プレポリマー、オリゴマー、または
モノマーがあげられる。
【0048】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
【0049】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロバントリアクリ
レート、トリメチロールプロバントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
【0050】以上、光の閉じ込めのみを考慮した無機材
料あるいは有機材料を例示した。光導波路を構成する層
としては、発光素子部の構造が、発光層、ホール輸送
層、電子輸送層および電極層を備える場合に、これらの
少なくとも一層がコアあるいはクラッドとして機能する
場合には、これらの層を構成する材料も採用し得る。
【0051】(ホール輸送層)発光素子部において有機
発光層を用いる場合、必要に応じて電極層(陽極)と発
光層との間にホール輸送層を設けることができる。ホー
ル輸送層の材料としては、公知の光伝導材料のホール注
入材料として用いられているもの、あるいは有機発光装
置のホール注入層に使用されている公知のものの中から
選択して用いることができる。ホール輸送層の材料は、
ホールの注入あるいは電子の障壁性のいずれかの機能を
有するものであり、有機物あるいは無機物のいずれでも
よい。その具体例としては、例えば、特開平8−248
276号公報に開示されているものを例示することがで
きる。
【0052】(電子輸送層)発光素子部において有機発
光層を用いる場合、必要に応じて電極層(陰極)と発光
層との間に電子輸送層を設けることができる。電子輸送
層の材料としては、陰極より注入された電子を有機発光
層に伝達する機能を有していればよく、その材料は公知
の物質から選択することができる。その具体例として
は、例えば、特開平8−248276号公報に開示され
たものを例示することができる。
【0053】(電極層)陰極層としては、仕事関数の小
さい(例えば4eV以下)電子注入性金属、合金電気伝
導性化合物およびこれらの混合物を用いることができ
る。このような電極物質としては、例えば特開平8−2
48276号公報に開示されたものを用いることができ
る。
【0054】陽極層としては、仕事関数の大きい(例え
ば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこ
れらの混合物を用いることができる。陽極層として光学
的に透明な材料を用いる場合には、CuI,ITO,S
nO2,ZnOなどの導電性透明材料を用いることがで
き、透明性を必要としない場合には金などの金属を用い
ることができる。
【0055】本発明において、回折格子の形成方法は特
に限定されるものではなく、公知の方法を用いることが
できる。その代表例を以下に例示する。
【0056】リソブラフィーによる方法 ポジまたはネガレジストを紫外線やX線などで露光およ
び現像して、レジスト層をパターニングすることによ
り、回折格子を作成する。ポリメチルメタクリレートあ
るいはノボラック系樹脂などのレジストを用いたパター
ニングの技術としては、例えば特開平6−224115
号公報、同7−20637号公報などがある。
【0057】また、ポリイミドをフォトリソブラフィー
によりパターニングする技術としては、例えば特開平7
−181689号公報および同1−221741号公報
などがある。さらに、レーザアブレーションを利用し
て、ガラス基板上にポリメチルメタクリレートあるいは
酸化チタンの回折格子を形成する技術として、例えば特
開平10−59743号公報がある。
【0058】光照射による屈折率分布の形成による方
法 光導波路の光導波部に屈折率変化を生じさせる波長の光
を照射して、光導波部に屈折率の異なる部分を周期的に
形成することにより回折格子を形成する。このような方
法としては、特に、ポリマーあるいはポリマー前駆体の
層を形成し、光照射などにより部分的に重合を行い、屈
折率の異なる領域を周期的に形成させて回折格子とする
ことが好ましい。この種の技術として、例えば、特開平
9−311238号公報、同9−178901号公報、
同8−15506号公報、同5−297202号公報、
同5−32523号公報、同5−39480号公報、同
9−211728号公報、同10−26702号公報、
同10−8300号公報、および同2−51101号公
報などがある。
【0059】スタンピングによる方法 熱可塑性樹脂を用いたホットスタンピング(特開平6−
201907号公報)、紫外線硬化型樹脂を用いたスタ
ンピング(特願平10−279439号)、電子線硬化
型樹脂を用いたスタンピング(特開平7−235075
号公報)などのスタンピングによって回折格子を形成す
る。
【0060】エッチングによる方法 リソグラフィーおよびエッチング技術を用いて、薄膜を
選択的に除去してパターニングし、回折格子を形成す
る。
【0061】以上、回折格子の形成方法について述べた
が、要するに、回折格子は互いに異なる屈折率を有する
2領域から構成されていればよく、屈折率の異なる2種
の材料により2領域を形成する方法、一種の材料を部分
的に変性させるなどして、屈折率の異なる2領域を形成
する方法、などにより形成することができる。
【0062】また、発光装置の各層は、公知の方法で形
成することができる。たとえば、発光装置の各層は、そ
の材質によって好適な成膜方法が選択され、具体的に
は、蒸着法、スピンコート法、LB法、インクジェット
法などを例示できる。
【0063】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態] {デバイス}図1は、本実施の形態に係る発光装置10
00を模式的に示す斜視図であり、図2(A)は、発光
装置1000を模式的に示す平面図であり、図2(B)
は、図2(A)におけるX1−X1線に沿った断面図で
あり、図2(C)は、図2(A)のX2−X2に沿った
断面図であり、図3は、図2(A)のY−Y線に沿った
断面図である。
【0064】発光装置1000は、基板10と、この基
板10上に形成された発光素子部100a、100b、
100cと、導波路部200a、200b、200cと
を有する。発光素子部100a、100b、100cは
並列に形成されている。導波路部200a、200b、
200cは並列に形成されている。発光素子部100a
は導波路部200aと光学的に連続され、発光素子部1
00bは導波路部200bと光学的に連続され、発光素
子部100cは導波路部200cと光学的に連続されて
いる。
【0065】発光素子部100aは、基板10上に、光
伝播部となる陽極層20aおよび回折格子12a、さら
に発光層14および陰極層22が、この順序で配置され
ている。そして、回折格子12aの周囲には、その一部
を除いて、クラッド層および電流狭窄層としても機能す
る絶縁層16が形成されている。
【0066】発光素子部100bは発光素子部100a
と同様の構成をしている。つまり、発光素子部100b
は、基板10上に、光伝播部となる陽極層20bおよび
回折格子12b、さらに発光層14および陰極層22
が、この順序で配置されている。そして、回折格子12
bの周囲には、その一部を除いて、クラッド層および電
流狭窄層としても機能する絶縁層16が形成されてい
る。
【0067】発光素子部100cは発光素子部100a
と同様の構成をしている。つまり、発光素子部100c
は、基板10上に、光伝播部となる陽極層20cおよび
回折格子12c、さらに発光層14および陰極層22
が、この順序で配置されている。そして、回折格子12
cの周囲には、その一部を除いて、クラッド層および電
流狭窄層としても機能する絶縁層16が形成されてい
る。
【0068】このように、本実施の形態の発光素子部1
00a〜100cにおいて、陽極層および回折格子は発
光素子部毎に分離されており、発光層14および陰極層
22は発光素子部毎に分離されていない。
【0069】導波路部200aは、基板10上に、コア
層30aと、このコア層30aの露出部分を覆うクラッ
ド層32aとが配置されている。コア層30aの端部は
出射口13aとなっている。導波路部200bは導波路
部200aと同様の構成であり、基板10上に、コア層
30bと、このコア層30bの露出部分を覆うクラッド
層32bとが配置されている。コア層30bの端部は出
射口13bとなっている。導波路部200cは導波路部
200aと同様の構成であり、基板10上に、コア層3
0cと、このコア層30cの露出部分を覆うクラッド層
32cとが配置されている。コア層30cの端部は出射
口13cとなっている。
【0070】基板10上には陰極電極取出部24、陽極
電極取出部26a、26b、26cが間隔を設けて形成
されている。陰極電極取出部24と陽極電極取出部26
aとの間には導波路部200aが位置している。陽極電
極取出部26aは、発光素子部100aの陽極層20a
と一体的に連続し、陽極の取出電極として機能する。陽
極電極取出部26aと陽極電極取出部26bとの間には
導波路部200bが位置している。陽極電極取出部26
bは、発光素子部100bの陽極層20bと一体的に連
続し、陽極の取出電極として機能する。陽極電極取出部
26bと陽極電極取出部26cとの間には導波路部20
0cが位置している。陽極電極取出部26cは、発光素
子部100cの陽極層20cと一体的に連続し、陽極の
取出電極として機能する。陰極電極取出部24は、発光
素子部100a側に伸びるように形成され、その一部は
陰極層22と電気的に接続されている。したがって、陰
極電極取出部24は発光素子部100a、100b、1
00cの共通の取出電極として機能する。本実施の形態
では、陰極電極取出部24、陽極電極取出部26a、2
6b、26cは、陽極層20a、20b、20cと同一
の成膜工程で形成される。
【0071】さらに、本実施の形態では、発光素子部1
00a、100b、100cを覆うように、保護層60
が形成されている。保護層60によって発光素子部10
0a、100b、100cを覆うことにより、陰極層2
2および発光層14の劣化を防止することができる。本
実施の形態では、陰極電極取出部24、陽極電極取出部
26a、26b、26cを形成するために、保護層60
を発光装置全体に形成せず、導波路部200a、200
b、200cが形成されてる部分を露出させている。保
護層60は、必要に応じ、発光装置の全体を覆うように
形成してもよい。
【0072】陽極層20a、20b、20cは、光学的
に透明な導電材料で構成され、光伝播部を構成する。そ
して、陽極層20aとコア層30aとは一体的に連続し
て形成され、陽極層20bとコア層30bとは一体的に
連続して形成され、陽極層20cとコア層30cとは一
体的に連続して形成されている。これらの陽極層20
a、20b、20cおよびコア層30a、30b、30
cを構成する透明導電材料としては、ITOなどの前述
したものを用いることができる。また、発光素子部10
0a、100b、100cの絶縁層(クラッド層)16
は、それぞれ、導波路部200a、200b、200c
のクラッド層32a、32b、32cと一体的に連続し
て形成されている。これらの絶縁層16およびクラッド
層32a、32b、32cを構成する材料としては、絶
縁性があって、かつ陽極層20a、20b、20cおよ
びコア層30a、30b、30cより屈折率が小さく、
光の閉じ込めが可能な材料であれば特に限定されない。
【0073】発光素子部100a、100b、100c
において、絶縁層16は、回折格子12a、12b、1
2cの露出部分を覆うように形成されている。そして、
絶縁層16は、回折格子12a、12b、12cの周期
方向、すなわち屈折率の異なる媒質層が周期的に配列さ
れる方向に伸びるスリット状の開口部16a、16b、
16cを有する。開口部16aにおいて、回折格子12
aおよび発光層14を介在させた状態で、陽極層20a
と陰極層22とが配置されている。開口部16bにおい
て、回折格子12bおよび発光層14を介在させた状態
で、陽極層20bと陰極層22とが配置されている。開
口部16cにおいて、回折格子12cおよび発光層14
を介在させた状態で、陽極層20cと陰極層22とが配
置されている。また、開口部16a、16b、16c以
外の領域においては、陽極層20a、20b、20cと
陰極層22との間に絶縁層16が介在する。そのため、
絶縁層16は、電流狭窄層として機能する。したがっ
て、陽極層20a、20b、20cおよび陰極層22に
所定の電圧が印加されると、開口部16a、16b、1
6cのそれぞれに対応する領域CAにおいて主として電
流が流れる。このように絶縁層(電流狭窄層)16を設
けることにより、光の導波方向に沿って電流を集中させ
ることができ、発光効率をあげることができる。
【0074】回折格子12a、12b、12cは、光伝
播部(陽極層20a、20b、20cおよび回折格子1
2a、12b、12c)の上部であり、かつ、異なる屈
折率を有する2つの媒質層が周期的に配列して構成され
ている。回折格子12a、12b、12cの一方の媒質
層は、陽極層20a、20b、20cを構成する材料か
らなり、他方の媒質層は発光層14を構成する材料から
なる。
【0075】図4は回折格子の平面図であり、(A)は
回折格子12a、(B)は回折格子12b、(C)は回
折格子12cを示している。発光層14の屈折率を
1、陽極層20a、20b、20cの屈折率をn2とす
ると、n1<n2との関係が成立する。回折格子12cの
ピッチP1の光学長をL1、回折格子12bのピッチP
2の光学長をL2、回折格子12aのピッチP3の光学
長をL3とすると、L1>L2>L3の関係が成立す
る。つまり、この例では、三つの回折格子の光学長を変
えることにより、共振波長を変えている。ピッチの光学
長は、回折格子の凹凸の幅dと屈折率nと、以下の関係
を有する。
【0076】L1=n1・d2+n2・d1 L2=n1・d4+n2・d3 L3=n1・d6+n2・d5 ここで、n1:発光層14の屈折率 n2:陽極層20a、20b、20cの屈折率 d1:回折格子12cの凸部の幅 d2:回折格子12cの凹部の幅 d3:回折格子12bの凸部の幅 d4:回折格子12bの凹部の幅 d5:回折格子12aの凸部の幅 d6:回折格子12aの凹部の幅 回折格子12c、回折格子12b、回折格子12aに対
応して出射される共振波長をそれぞれ、λ1、λ2、λ
3とすると、下記の式が成立する。
【0077】L1=λ1/2・(2m1+1) L2=λ2/2・(2m2+1) L3=λ3/2・(2m3+1) ここで、m1、m2、m3は0以上の整数である。
【0078】回折格子12a、12b、12cは、分布
帰還型の回折格子であることが好ましい。このように分
布帰還型の回折格子を形成することにより、光を光伝播
部内で共振させ、波長選択性および指向性に優れ、発光
スペクトル幅の狭い光を得ることができる。さらに、回
折格子12a、12b、12cは、図示はしないが、λ
/4位相シフト構造または利得結合型構造を有すること
が好ましい。このようにλ/4位相シフト構造または利
得結合型構造を有することにより、出射光をより単一モ
ード化することができる。
【0079】発光層14に電界を印加するための電極層
は、共振波長に対応して発光層14に異なる強度の電界
を印加するために、陽極層および陰極層の少なくとも一
方が分離されていることが望ましい。この例では、図2
(B)に示すように、陰極層22は共通電極として形成
され、陽極層は、絶縁層16によって陽極層20a、2
0b、20cに分離されている。これらのことは、他の
実施の形態でも同様である。
【0080】次に、この発光装置1000の動作および
作用について説明する。
【0081】陽極層20aと陰極層22、陽極層20b
と陰極層22、陽極層20cと陰極層22に、それぞれ
所定の電圧が印加されることにより、陰極層22から電
子が、陽極層20a、20b、20cからホールが、そ
れぞれ発光層14内に注入される。発光層14内では、
この電子とホールとが再結合されることにより励起子が
生成され、この励起子が失活する際に蛍光や燐光などの
光が発生する。そして、前述したように、陽極層20a
と陰極層22、陽極層20bと陰極層22、陽極層20
cと陰極層22の間に介在する絶縁層16によって電流
の流れる領域CAが規定されているので、発光させたい
領域に効率よく電流を供給することができる。
【0082】発光層14において発生した光は、一部は
陰極層22およびクラッド層として機能する絶縁層16
によって反射されて、陽極層20aおよび回折格子12
aを含む光伝播部内、陽極層20bおよび回折格子12
bを含む光伝播部内、陽極層20cおよび回折格子12
cを含む光伝播部内のそれぞれに導入される。光伝播部
内に導入された光は、その一部に形成された回折格子1
2a、12b、12cによって分布帰還型の伝播が行わ
れ、光伝播部をその端面(導波路部200a、200
b、200c側)に向けて伝播し、さらに、光伝播部の
一部(陽極層20a、20b、20c)に連続して一体
的に形成された導波路部200aのコア層30a内、導
波路部200bのコア層30b内、導波路部200cの
コア層30c内のそれぞれを伝播する。そして、回折格
子12aによって共振された波長λ3の光、回折格子1
2bによって共振された波長λ2の光、回折格子12c
によって共振された波長λ1の光のそれぞれが、出射口
13a、出射口13b、出射口13cから外部に出射さ
れる。すなわち、各回折格子に対応する発光層をそれぞ
れ独立に駆動制御し、各回折格子に対応する領域からの
異なる共振波長の光を、異なる出射口から外部に出射さ
せることができる。
【0083】そして、これらの出射光は、光伝播部の回
折格子12a、12b、12cによって分布帰還されて
出射されるため、波長選択性があり、発光スペクトル幅
が狭く、かつ優れた指向性を有する。さらに、回折格子
12a、12b、12cをλ/4位相シフト構造または
利得結合型構造とすることにより、出射光をより単一モ
ード化することができる。ここで、λは、光伝播部内の
光の波長を表す。
【0084】図示の例では、陰極層22の反射機能を利
用して、発光層14で発生した光を反射させているが、
必要に応じて陰極層22の外側に反射率の大きな反射
膜、例えば誘電体多層膜ミラー等を形成することもでき
る。例えば、陰極層22の膜厚が薄い場合には、発光層
14において発生した光が陰極層22を透過することが
できる。この場合には、陰極層22の外側に、反射膜を
形成することが望ましい。また、基板10と陽極層20
a、20b、20cとの間に反射膜を形成することもで
きる。このような反射膜を形成することにより、光の閉
じ込めをより確実に行うことができるので、出射効率を
高めることができる。この変形例は、他の実施の形態に
ついても同様に適用できる。
【0085】さらに、回折格子12a、12b、12c
を構成する第1の媒質層あるいは第2の媒質層のいずれ
かは、空気などの気体の層であってもよい。このよう
に、気体の層で回折格子を形成する場合には、発光装置
に用いる一般的な材料の選択範囲で、回折格子を構成す
る二媒質の屈折率差を大きくすることができ、所望の光
の波長に対して効率のよい回折格子を得ることができ
る。この変形例は、他の実施の形態についても同様に適
用できる。
【0086】また、発光素子部100a、100b、1
00cにおいて、必要に応じて、ホール輸送層および電
子輸送層の少なくとも一方を設けることもできる。この
変形例は、他の実施の形態についても同様に適用でき
る。
【0087】本実施の形態の主要な作用効果を、以下に
あげる。
【0088】(a)本実施の形態にかかる発光装置10
00によれば、ピッチの光学長が異なる三つの回折格子
12a、12b、12cが光の伝搬方向に形成されてお
り、回折格子12aによって共振された波長λ3の光、
回折格子12bによって共振された波長λ2の光、回折
格子12cによって共振された波長λ1の光が、それぞ
れ、異なる光の出射口から出射される。すなわち、各回
折格子に対応する発光層をそれぞれ独立に駆動制御し、
各回折格子に対応する領域からの異なる共振波長の光
を、それぞれ別の出射口から出射させることが可能であ
る。
【0089】なお、本実施の形態はピッチの光学長が異
なる三つの回折格子12a、12b、12cを備える。
しかしながら本発明において、光学長が異なる回折格子
の数は三つに限定されず、これ以外のピッチの光学長が
異なる複数の回折格子でもよい。
【0090】(b)発光素子部100aの光伝播部の少
なくとも一部(陽極層20a)と、導波路部200aの
コア層30aとが、一体的に連続している。このことに
より、発光素子部100aと導波路部200aとが、高
い結合効率で光学的に結合され、効率のよい光の伝播が
できる。また、陽極層20aを含む光伝播部とコア層3
0aとは、同一の工程で成膜およびパターニングできる
ので、製造が簡易となる利点を有する。
【0091】また、発光素子部100aの絶縁層(クラ
ッド層)16と、導波路部200aのクラッド層32a
とが一体的に連続している。このことにより、発光素子
部100a(特に光伝播部)と導波路部200aとが、
高い結合効率で光学的に結合され、効率のよい光の伝播
ができる。また、絶縁層16とクラッド層32aとは、
同一の工程で成膜およびパターニングできるので、製造
が簡易となる利点を有する。
【0092】このように、本実施の形態によれば、発光
素子部100aと導波路部200aとが、高い結合効率
で接続されることにより、高効率な出射光を得ることが
できる。以上説明したことは、発光素子部100bと導
波路部200bの結合および発光素子部100cと導波
路部200cの結合についても言える。
【0093】(c)絶縁層16の開口部16aを介して
陽極層20aと陰極層22とが電気的に接続され、この
開口部16aによって電流の流れる領域が規定される。
したがって、絶縁層16は、電流狭窄層として機能し、
発光領域に効率よく電流を供給し、発光効率を高めるこ
とができる。そして、電流を供給する領域を電流狭窄層
で規定することにより、発光領域をコア層30aと位置
合わせした状態で設定でき、この点からも導波路部20
0aに対する光の結合効率を高めることができる。以上
説明したことは、絶縁層16の開口部16b、16cに
ついても言える。
【0094】(d)陽極層20a、20b、20cを互
いに分離することにより、発光素子部100a、100
b、100cをそれぞれ独立に制御可能にしている。こ
のため、発光層14および陰極層22は発光素子部毎に
分離する必要がない。よって、発光層14および陰極層
22の微細なパターンニングが不要となるので、発光層
14および陰極層22の位置制御が容易となる。
【0095】以上の作用効果(b)、(c)、(d)
は、他の実施の形態でも同様である。
【0096】{製造プロセス}次に、図2、図5〜図9
を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置1000
の製造例を説明する。図5〜図9の各図において、
(A)は平面図である。(B)は(A)に示す平面図に
おけるX1−X1線に沿った断面図であり、発光素子部
形成領域を示している。(C)は(A)に示す平面図に
おけるX2−X2線に沿った断面図であり、導波路部形
成領域を示している。
【0097】(1)導電層および回折格子の形成 まず、図5(A)〜(C)に示すように、基板10上
に、光学的に透明な導電材料によって導電層20を形成
する。導電層20の形成方法は、導電層20の材料など
によって選択され、前述した方法を用いることができ
る。例えば、導電層20をITOで形成する場合には、
スパッタリングを好ましく用いることができる。
【0098】次いで、発光素子部100a、100b、
100cが形成される領域の導電層20の表面部に、そ
れぞれ凹凸部11a、11b、11cを形成する。凹凸
部11a、11b、11cは回折格子の一方の媒質層を
構成するためのものである。なお、図5(A)におい
て、凹凸部の凹部にはハッチングを引いている。凹凸部
11aの凹部の幅はd6であり、凸部の幅はd5である。
凹凸部11bの凹部の幅はd4であり、凸部の幅はd3
ある。凹凸部11cの凹部の幅はd2であり、凸部の幅
はd1である。これらの幅d1〜d6の値は図4に示すd1
〜d6の値と対応している。
【0099】凹凸部11a、11b、11cの形成方法
は、導電層20の材質などによって選択され、リソグラ
フィーやスタンピングなどの前述した方法を用いること
ができる。例えば導電層20がITOから構成される場
合には、リソグラフィーおよびエッチング、あるいは液
状のITOを用いたインクジェット法などの液相法によ
って形成することができる。
【0100】次いで、図6(A)〜(C)に示すよう
に、導電層20を例えばリソグラフィーによってパター
ニングすることにより、陽極層20a、20b、20
c、陰極電極取出部24,陽極電極取出部26a、26
b、26cおよびコア層30a、30b、30cを形成
する。
【0101】まず、陽極層20a、陽極電極取出部26
aおよびコア層30aについて説明する。陽極層20a
と陽極電極取出部26aとは連続して形成されている。
回折格子のための凹凸部11aは陽極層20aと一体に
形成され、凹凸部11aを含む陽極層20aの一部は光
伝播部としても機能する。陽極層20aおよび陽極電極
取出部26aからなる構造は、開口部28aによって、
陰極電極取出部24と分離されている。さらに、コア層
30aは、陽極層20a(凹凸部11a)と一体に連続
して形成されている。コア層30aは、陰極電極取出部
24と開口部28aを介して分離され、かつ陽極電極取
出部26aと開口部28aを介して分離されている。
【0102】陽極層20b、陽極電極取出部26bおよ
びコア層30bも上記と同様の構成である。つまり、陽
極層20bと陽極電極取出部26bとは連続して形成さ
れている。回折格子のための凹凸部11bは陽極層20
bと一体に形成され、凹凸部11bを含む陽極層20b
の一部は光伝播部としても機能する。陽極層20bおよ
び陽極電極取出部26bからなる構造は、開口部28b
によって、陽極層20aおよび陽極電極取出部26aか
らなる構造と分離されている。さらに、コア層30b
は、陽極層20b(凹凸部11b)と一体に連続して形
成されている。コア層30bは、陽極電極取出部26a
と開口部28bを介して分離され、かつ陽極電極取出部
26bと開口部28bを介して分離されている。
【0103】陽極層20c、陽極電極取出部26cおよ
びコア層30cも上記と同様の構成である。つまり、陽
極層20cと陽極電極取出部26cとは連続して形成さ
れている。回折格子のための凹凸部11cは陽極層20
cと一体に形成され、凹凸部11cを含む陽極層20c
の一部は光伝播部としても機能する。陽極層20cおよ
び陽極電極取出部26cからなる構造は、開口部28c
によって、陽極層20bおよび陽極電極取出部26bか
らなる構造と分離されている。さらに、コア層30c
は、陽極層20c(凹凸部11c)と一体に連続して形
成されている。コア層30cは、陽極電極取出部26b
と開口部28cを介して分離され、かつ陽極電極取出部
26cと開口部28cを介して分離されている。
【0104】このように、屈折率などの光学特性を考慮
して導電層20の材料を選択することにより、電極(こ
の例の場合、陽極層および電極取出部)とともに、回折
格子を含む光伝播部およびコア層などの光学部を同時に
形成することができる。
【0105】(2)絶縁層の形成 図7(A)〜(C)に示すように、開口部28a、28
b、28cを埋める状態で、所定のパターンを有する絶
縁層16を形成する。絶縁層16は、回折格子のための
凹凸部11aの一部が露出する開口部16a、凹凸部1
1bの一部が露出する開口部16b、凹凸部11cの一
部が露出する開口部16cを有する。開口部16a、1
6b、16cは、それぞれ、光の導波方向に沿って伸び
るスリット形状を有する。この開口部16a、16b、
16cによって、電流の流れる領域が規定されるため、
開口部16a、16b、16cの長さや幅は、得たい電
流密度や電流分布などを考慮して設定される。
【0106】また、絶縁層16は、電流狭窄層の機能と
ともに、光を閉じこめるためのクラッド層としても機能
するため、絶縁性とともに屈折率などの光学特性を考慮
してその材料が選択される。導電層として例えばITO
を用いた場合には、絶縁層16としては、例えばポリイ
ミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エーテルスルホン、ケイ素ポリマーなどを用いることが
できる。
【0107】絶縁層16は、陰極電極取出部24、陽極
電極取出部26a、26b、26cのそれぞれをお互い
に電気的に分離する。また、絶縁層16は、回折格子の
ための凹凸部11a、11b、11cの一部を覆ってク
ラッド層として機能する。また、絶縁層16は、コア層
30aの露出部を覆って、クラッド層32aを構成し、
コア層30bの露出部を覆って、クラッド層32bを構
成し、コア層30cの露出部を覆って、クラッド層32
cを構成している。
【0108】(3)発光層の形成 図2に示す発光素子部100a、100b、100cが
形成される領域を含む所定領域において、図8(A)〜
(C)に示すように、発光層14を形成する。発光素子
部100aが形成される領域において、発光層14は、
少なくとも絶縁層16に形成された開口部16aに発光
材料が充填された発光部14aを有し、さらに、発光層
14を構成する材料は回折格子のための凹凸部11aの
凹部に充填され、回折格子12aを構成する。発光素子
部100bが形成される領域も発光素子部100aが形
成される領域と同様であり、すなわち、発光層14は、
少なくとも絶縁層16に形成された開口部16bに発光
材料が充填された発光部14bを有し、さらに、発光層
14を構成する材料は回折格子のための凹凸部11bの
凹部に充填され、回折格子12bを構成する。発光素子
部100cが形成される領域も発光素子部100aが形
成される領域と同様であり、すなわち、発光層14は、
少なくとも絶縁層16に形成された開口部16cに発光
材料が充填された発光部14cを有し、さらに、発光層
14を構成する材料は回折格子のための凹凸部11cの
凹部に充填され、回折格子12cを構成する。
【0109】以上のように、発光層14の機能として
は、発光機能とともに回折格子12a、12b、12c
のひとつの媒質層を構成するための光学的機能を有する
ことが要求される。このため、発光層14を構成するた
めの材料としては、これらの機能を有するものが選択さ
れる。
【0110】なお、図8(A)、(B)に示すように、
発光層14は複数の発光素子部のすべてにわたって一体
的に形成されている。しかしながら、インクジェット法
により発光材料を絶縁層16の開口部16a、16b、
16cに射出して充填することにより、発光層14が分
離されるよう形成してもよい。特に、この場合、各開口
部に充填される発光材料を異なるものとすることで、各
回折格子の物理的なピッチを同一にして異なる波長の光
を出射できるようにしてもよい。
【0111】(4)陰極層の形成 図9(A)〜(C)に示すように、陰極層22が、発光
層14を覆う状態で形成される。陰極層22は、その一
端が陰極電極取出部24と重なる状態で形成される。こ
のようにして、発光素子部100a、100b、100
cおよび導波路部200a、200b、200cが形成
される。
【0112】(5)保護層の形成 図2(A)〜(C)に示すように、少なくとも発光素子
部100a、100b、100cが覆われるように、保
護層60が形成される。この保護層60は、陰極層2
2,発光層14および陽極層(光伝播部)20a、20
b、20cが外部と接触しないように形成されることが
望ましい。特に、通常活性な金属から構成される陰極層
22および有機材料からなる発光層14は雰囲気や水分
で劣化しやすので、保護層60はこれらの劣化を防止す
るできるように形成される。保護層60は、エポキシ樹
脂、シリコーン系樹脂、紫外線硬化性樹脂などの樹脂材
料を用いることが好ましい。
【0113】以上の工程によって、発光装置1000が
形成される。この製造方法によれば、屈折率などの光学
特性を考慮して導電層20の材料を選択することによよ
り、電極部材(この例の場合、陽極層20a、20b、
20c、陰極電極取出部24および陽極電極取出部26
a、26b、26c)とともに、回折格子のための凹凸
部11a、11b、11cを含む光伝播部(20)およ
びコア層30a、30b、30cなどの光学部材を同一
の工程で形成することができ、製造工程を簡易にするこ
とができる。
【0114】[第2の実施の形態] {デバイス}図10(A)は、本実施の形態に係る発光
装置2000を模式的に示す平面図であり、図10
(B)は、図10(A)におけるX1−X1線に沿った
断面図であり、図10(C)は図10(A)のX2−X
2に沿った断面図である。発光装置1000と実質的に
同様な機能を有する部分には同一の符号を付してある。
第1の実施の形態に係る発光装置1000との主な相違
点を以下に説明する。発光装置2000の導波路部20
0a、導波路部200b、導波路部200cが、それぞ
れ、基板10上で導波路部200dと光学的に連続され
ている。よって、発光装置2000の発光素子部100
a、100b、100cのそれぞれから発生した異なる
共振波長の光は、一本の導波路部200dを通り外部に
出射される。
【0115】次に、発光装置2000の構造を詳細に説
明する。発光装置2000は、基板10と、この基板1
0上に形成された発光素子部100a、100b、10
0cと、導波路部200a、200b、200cとを有
する。発光素子部100bを基準として、発光素子部1
00aは左側、発光素子部100cは右側に、それぞれ
配置されている。また、導波路部200bを基準とし
て、導波路部200aは左側、導波路部200cは右側
に、それぞれ配置されている。発光素子部100aは導
波路部200aと光学的に連続され、発光素子部100
bは導波路部200bと光学的に連続され、発光素子部
100cは導波路部200cと光学的に連続されてい
る。
【0116】導波路部200bは導波路部200dと接
続され、これらは光学的に連続している。導波路部20
0bと導波路部200dとからなる導波路部は直線状を
している。導波路部200aは、導波路部200dの延
びる方向に対して斜め方向から、導波路部200dと接
続されていおり、これらは光学的に連続している。導波
路部200cは、導波路部200dの延びる方向に対し
て斜め方向から、導波路部200dと接続されており、
これらは光学的に連続している。
【0117】導波路部200dは基板10の側面10a
に向けて延びている。導波路部200dのコア層30d
の端部は光の出射口13となる。
【0118】発光素子部100aは、基板10上に、光
伝播部となる陽極層20aおよび回折格子12a、さら
に発光層14および陰極層22が、この順序で配置され
ている。そして、回折格子12aの周囲には、クラッド
層および電流狭窄層としても機能する絶縁層16が形成
されている。
【0119】発光素子部100bは発光素子部100a
と同様の構成をしている。つまり、発光素子部100b
は、基板10上に、光伝播部となる陽極層20bおよび
回折格子12b、さらに発光層14および陰極層22
が、この順序で配置されている。そして、回折格子12
bの周囲には、クラッド層および電流狭窄層としても機
能する絶縁層16が形成されている。
【0120】発光素子部100cは発光素子部100a
と同様の構成をしている。つまり、発光素子部100c
は、基板10上に、光伝播部となる陽極層20cおよび
回折格子12c、さらに発光層14および陰極層22
が、この順序で配置されている。そして、回折格子12
cの周囲には、クラッド層および電流狭窄層としても機
能する絶縁層16が形成されている。
【0121】このように、本実施の形態の発光素子部1
00a、100b、100cにおいて、陽極層および回
折格子は発光素子部毎に分離されており、発光層14お
よび陰極層22は発光素子部毎に分離されていない。
【0122】導波路部200aは、基板10上に、コア
層30aと、このコア層30aの露出部分を覆うクラッ
ド層として機能する絶縁層16とが配置されている。導
波路部200bは導波路部200aと同様の構成であ
り、基板10上に、コア層30bと、このコア層30b
の露出部分を覆うクラッド層として機能する絶縁層16
とが配置されている。導波路部200cは導波路部20
0aと同様の構成であり、基板10上に、コア層30c
と、このコア層30cの露出部分を覆うクラッド層とし
て機能する絶縁層16とが配置されている。
【0123】基板10上には、陽極電極取出部26b、
陽極電極取出部26a、陰極電極取出部24、陽極電極
取出部26cが間隔を設けて形成されている。陽極電極
取出部26b、陽極電極取出部26a、陰極電極取出部
24、陽極電極取出部26cのそれぞれにおいて、基板
10の側面10a側に位置する部分は露出されている。
これらの露出部分において電源との電気的接続がなされ
る。
【0124】陽極電極取出部26aは、発光素子部10
0aの陽極層20aと一体的に連続し、陽極の取出電極
として機能する。陽極電極取出部26bは、発光素子部
100bの陽極層20bと一体的に連続し、陽極の取出
電極として機能する。陽極電極取出部26cは、発光素
子部100cの陽極層20cと一体的に連続し、陽極の
取出電極として機能する。陰極電極取出部24は、その
一部は陰極22と電気的に接続されている。したがっ
て、陰極電極取出部24は発光素子部100a、100
b、100cの共通の取出電極として機能する。本実施
の形態では、陰極電極取出部24、陽極電極取出部26
a、26b、26cは、陽極層20a、20b、20c
と同一の成膜工程で形成される。
【0125】さらに、本実施の形態では、発光素子部1
00a、100b、100cを覆うように、保護層60
が形成されている。保護層60によって発光素子部10
0a、100b、100cを覆うことにより、陽極層2
0a、20b、20c、発光層14および陰極層22の
劣化を防止することができる。本実施の形態では、保護
層60を発光装置全体に形成せずに、部分的に形成する
ことにより陰極電極取出部24、陽極電極取出部26
a、26b、26cを露出させている。保護層60は、
必要に応じ、発光装置の全体を覆うように形成してもよ
い。
【0126】陽極層20a、20b、20cは、光学的
に透明な導電材料で構成され、光伝播部を構成する。そ
して、陽極層20aとコア層30aとは一体的に連続し
て形成され、陽極層20bとコア層30bとは一体的に
連続して形成され、陽極層20cとコア層30cとは一
体的に連続して形成されている。コア層30a、コア層
30b、コア層30cはそれぞれコア層30dと一体的
に連続して形成されている。これらの陽極層20a、2
0b、20cおよびコア層30a、30b、30c、3
0dを構成する透明導電材料としては、ITOなどの前
述したものを用いることができる。また、発光素子部1
00a、100b、100cのクラッド層(絶縁層1
6)は、それぞれ、導波路部200a、200b、20
0cのクラッド層(絶縁層16)と一体的に連続して形
成されている。導波路部200a、導波路部200b、
導波路部200cのクラッド層(絶縁層16)は、それ
ぞれ導波路部200dのクラッド層(絶縁層16)と一
体的に連続して形成されている。これらのクラッド層と
なる絶縁層16を構成する材料としては、絶縁性であっ
て、かつ陽極層20a、20b、20cおよびコア層3
0a、30b、30c、30dより屈折率が小さく、光
の閉じ込めが可能な材料であれば特に限定されない。
【0127】スリット状の開口部16a、16b、16
cを備える絶縁層16が、電流狭窄層として機能するこ
と、回折格子12a、12b、12cの構造等は第1の
実施の形態の発光装置1000と同様なので説明を省略
する。
【0128】次に、この発光装置2000の動作および
作用について説明する。
【0129】陽極層20aと陰極層22、陽極層20b
と陰極層22、陽極層20cと陰極層22に、それぞれ
所定の電圧が印加されることにより、陰極層22から電
子が、陽極層20a、20b、20cからホールが、そ
れぞれ発光層14内に注入される。発光層14内では、
この電子とホールとが再結合されることにより励起子が
生成され、この励起子が失活する際に蛍光や燐光などの
光が発生する。そして、前述したように、陽極層20a
と陰極層22、陽極層20bと陰極層22、陽極層20
cと陰極層22の間に介在する絶縁層16によって電流
の流れる領域CAが規定されているので、発光させたい
領域に効率よく電流を供給することができる。
【0130】発光層14において発生した光は、一部は
陰極層22およびクラッド層として機能する絶縁層16
によって反射されて、陽極層20aおよび回折格子12
aを含む光伝播部内、陽極層20bおよび回折格子12
bを含む光伝播部内、陽極層20cおよび回折格子12
cを含む光伝播部内のそれぞれに導入される。光伝播部
内に導入された光は、その一部に形成された回折格子1
2a、12b、12cによって分布帰還型の伝播が行わ
れ、回折格子12aによって共振された波長λ3の光、
回折格子12bによって共振された波長λ2の光、回折
格子12cによって共振された波長λ1の光が発生す
る。波長λ3の光、波長λ2の光、波長λ1の光は、そ
れぞれ、光伝播部を導波路部200a、200b、20
0c側に向けて伝播し、さらに、光伝播部の一部(陽極
層20a、20b、20c)に連続して一体的に形成さ
れた導波路部200aのコア層30a内、導波路部20
0bのコア層30b内、導波路部200cのコア層30
c内のそれぞれを伝播する。そして、波長λ3の光、波
長λ2の光、波長λ1の光は導波路部200dのコア層
30dを通り、出射口13から外部に出射される。すな
わち、第2の実施の形態では波長λ1、λ2、λ3の光
が異なる出射口から外部に出射されるのではなく、一つ
の出射口13から外部に出射される。
【0131】このように、本実施の形態では三本の導波
路部(導波路部200a、導波路部200b、導波路部
200c)が一本の導波路部200dとなっている。こ
の場合、導波路部200dとの結合効率が最もよいの
は、導波路部200bである。しかし、導波路部200
a、導波路部200cはそれぞれ、導波路部200dの
延びる方向に対して斜め方向から、導波路部200dと
接続されているので、光の進行が90度以上変わること
はなく、光の損失を抑えることができる。
【0132】{製造プロセス}次に、図10〜図15を
参照しながら、本実施の形態に係る発光装置2000の
製造例を説明する。図11〜図15の各図において、
(A)は平面図である。(B)は(A)に示す平面図に
おけるX1−X1線に沿った断面図であり、発光素子部
形成領域を示している。(C)は(A)に示す平面図に
おけるX2−X2線に沿った断面図であり、導波路部形
成領域を示している。
【0133】(1)導電層および回折格子の形成 まず、図11(A)〜(C)に示すように、基板10上
に、光学的に透明な導電材料によって導電層20を形成
する。導電層20の形成方法は図5を用いて説明した導
電層20の形成方法と同様の方法を用いることができ
る。次いで、発光素子部100a、100b、100c
が形成される領域の導電層20の表面部に、それぞれ回
折格子の一方の媒質層を構成するための凹凸部11a、
11b、11cを形成する。凹凸部11a、11b、1
1cは扇型に配列されている。凹凸部11a、11b、
11cの形成方法は図5を用いて説明した凹凸部11
a、11b、11cの形成方法と同様の方法を用いるこ
とができる。
【0134】次いで、図12(A)〜(C)に示すよう
に、導電層20を例えばリソグラフィーによってパター
ニングすることにより、陽極層20a、20b、20
c、陰極電極取出部24,陽極電極取出部26a、26
b、26cおよびコア層30a、30b、30c、30
dを形成する。
【0135】まず、陽極層20a、陽極電極取出部26
aおよびコア層30aについて説明する。陽極電極取出
部26aはY方向に延びるように形成されており、途中
で斜め方向(凹凸部11aの繰り返し方向と直角方向)
に曲がり、陽極層20aと連続している。陽極電極取出
部26aの他方の端部は基板10の側面10a側に位置
している。回折格子のための凹凸部11aは陽極層20
aと一体に形成され、凹凸部11aを含む陽極層20a
の一部は光伝播部としても機能する。さらに、コア層3
0aは、陽極層20a(凹凸部11a)の他方の端部と
連続している。
【0136】陽極層20b、陽極電極取出部26bおよ
びコア層30bも上記と同様の構成である。つまり、陽
極電極取出部26bは基板10の外縁部に沿って形成さ
れている。陽極電極取出部26bの端部は、凹凸部11
bの繰り返し方向に対して直角方向に延びており、陽極
層20bと連続している。陽極電極取出部26bの他方
の端部は基板10の側面10a側に位置している。回折
格子のための凹凸部11bは陽極層20bと一体に形成
され、凹凸部11bを含む陽極層20bの一部は光伝播
部としても機能する。さらに、コア層30bは、陽極層
20b(凹凸部11b)の他方の端部と連続している。
【0137】陽極層20c、陽極電極取出部26cおよ
びコア層30cも上記と同様の構成である。つまり、陽
極電極取出部26cはY方向に延びるように形成されて
おり、途中で斜め方向(凹凸部11cの繰り返し方向と
直角方向)に曲がり、陽極層20cと連続している。陽
極電極取出部26cの他方の端部は基板10の側面10
a側に位置している。回折格子のための凹凸部11cは
陽極層20cと一体に形成され、凹凸部11cを含む陽
極層20cの一部は光伝播部としても機能する。さら
に、コア層30cは、陽極層20c(凹凸部11c)の
他方の端部と連続している。
【0138】陰極電極取出部24はY方向に延びるよう
に形成されいる。陰極電極取出部24は、上記した陽極
層20a、20b、20c、陽極電極取出部26a、2
6b、26cおよびコア層30a、30b、30c、3
0dから分離されている。
【0139】コア層30a、コア層30b、コア層30
cは、それぞれ、コア層30dと光学的に連続されてい
る。コア層30dの端部は光の出射口13となる。
【0140】(2)絶縁層の形成 図13(A)〜(C)に示すように、所定のパターンを
有する絶縁層16を形成する。絶縁層16は、回折格子
のための凹凸部11aの一部が露出する開口部16a、
凹凸部11bの一部が露出する開口部16b、凹凸部1
1cの一部が露出する開口部16cを有する。開口部1
6a、16b、16cは、光の導波方向に沿って伸びる
スリット形状を有する。この開口部16a、16b、1
6cによって、電流の流れる領域が規定されるため、開
口部16a、16b、16cの長さや幅は、得たい電流
密度や電流分布などを考慮して設定される。
【0141】絶縁層16は、回折格子のための凹凸部1
1a、11b、11cの一部を覆ってクラッド層として
機能する。また、絶縁層16は、コア層30a、30
b、30c、30dを覆って、クラッド層として機能す
る。
【0142】陰極電極取出部24、陽極電極取出部26
a、26b、26cのそれぞれは、絶縁層16により、
お互いに電気的に分離される。絶縁層16は、基板10
の側面10a側に位置する部分において、部分的に除去
されている。これにより、絶縁層16には除去領域34
a〜34dが形成されている。陽極電極取出部26a
は、除去領域34aを介して露出されている。陽極電極
取出部26bは、除去領域34bを介して露出されてい
る。陽極電極取出部26cは、除去領域34cを介して
露出されている。陰極電極取出部24は、除去領域34
dを介して露出されている。
【0143】絶縁層16の材料は図7に示す第1の実施
の形態における絶縁層16と同様な材料を用いることが
できる。
【0144】(3)発光層の形成 図10に示す発光素子部100a、100b、100c
が形成される領域を含む所定領域において、図14
(A)〜(C)に示すように、発光層14を形成する。
この工程は第1の実施の形態の図8に示す工程と同様な
ので説明を省略する。
【0145】(4)陰極層の形成 図15(A)〜(C)に示すように、陰極層22が、発
光層14を覆う状態で形成される。陰極層22は、除去
領域34dを介して陰極電極取出部24と電気的に接続
されている。このようにして、発光素子部100a、1
00b、100cおよび導波路部が形成される。
【0146】(5)保護層の形成 図10(A)〜(C)に示すように、発光素子部100
a、100b、100c、導波路部200a、200
b、200cが覆われるように、保護層60が形成され
る。この保護層60は陰極層22,発光層14および陽
極層(光伝播部)20a、20b、20cが外部と接触
しないように形成されることが望ましい。保護層60の
材料は第1の実施の形態の保護層60の材料と同様の材
料を用いることができる。 以上の工程によって、発光
装置2000が形成される。
【0147】[第3の実施の形態]図16(A)は、本
実施の形態に係る発光装置3000の発光素子部100
aおよび導波路部200aを模式的に示す断面図であ
り、図16(B)は発光素子部100aを模式的に示す
部分断面図であり、図16(C)は導波路部200aを
模式的に示す部分断面図である。他の発光素子部および
導波路部はこれらと同様なので図示を省略する。発光装
置1000と実質的に同様な機能を有する部分には同一
の符号が付されている。発光装置3000は、回折格子
および陽極層の形成位置がこれまでの実施の形態に係る
発光装置と異なる。
【0148】発光装置3000は、基板10と、この基
板10上に形成された、発光素子部100aと、導波路
部200aとを有する。
【0149】発光素子部100aは、基板10上に、光
伝播部を構成する回折格子12aおよび陽極層20a、
発光層14および陰極層22が、この順序で配置されて
いる。基板10は、発光素子部100aおよび導波路部
200aにわたって延びるライン状の凸部10bを有
し、この凸部10b上に回折格子12aが形成されてい
る。そして、回折格子12a上を覆うように陽極層20
aが形成されている。さらに、陽極層20aおよび露出
する基板10の上には、その一部を除いて、クラッド層
および電流狭窄層としても機能する絶縁層16が形成さ
れている。
【0150】このように、第3の実施の形態において、
回折格子12aの凹凸部は基板10に形成されている。
このため、基板10の材質としては、導電性がなく、か
つその屈折率が陽極層20aより低い材質が望ましく、
具体的にはガラスや熱酸化膜付きシリコン等がある。
【0151】導波路部200aは、基板10上に、コア
層30aと、このコア層30aの露出部分を覆うクラッ
ド層32aとが配置されている。そして、コア層30a
は、基板10の凸部10b上に形成されている。導波路
部200aに隣接して、陰極電極取出部24と、陽極電
極取出部26aとが配置されている。
【0152】さらに、本実施の形態では、発光素子部1
00aを覆うように、保護層60が形成されている。保
護層60によって発光素子部100aを覆うことによ
り、陰極層12および発光層14の劣化を防止すること
ができる。本実施の形態では、陰極電極取出部および陽
極電極取出部を形成するために、保護層60を発光装置
全体に形成せず、導波路部200aの表面を露出させて
いる。
【0153】発光素子部100aの陽極層20aは、光
学的に透明な導電材料で構成され、光伝播部を構成す
る。そして、この陽極層20aと導波路部200aのコ
ア層30aとは一体的に連続して形成されている。これ
らの陽極層20aおよびコア層30aを構成する透明導
電材料としては、ITOなどの前述したものを用いるこ
とができる。また、発光素子部100aの絶縁層(クラ
ッド層)16と、導波路部200aのクラッド層32a
とは一体的に連続して形成されている。これらの絶縁層
16およびクラッド層32aを構成する材料としては、
絶縁性であって、かつ陽極層20aおよびコア層30a
より屈折率が小さく、光の閉じ込めが可能な材料であれ
ば特に限定されない。
【0154】発光素子部100aにおいて、絶縁層16
は、図16(B)に示すように、陽極層20aおよび基
板10の露出部分を覆うように形成されている。そし
て、絶縁層16は、回折格子12aの周期方向に伸びる
スリット状の開口部16aを有する。この開口部16a
において、発光層14を介在させた状態で、陽極層20
aと陰極層22とが配置されている。また、開口部16
a以外の領域においては、陽極層20aと陰極層22と
の間に絶縁層16が介在する。そのため、絶縁層16
は、電流狭窄層として機能する。したがって、陽極層2
0aおよび陰極層22に所定の電圧が印加されると、開
口部16aに対応する領域CAにおいて主として電流が
流れる。このように絶縁層(電流狭窄層)16を設ける
ことにより、光の導波方向に沿って電流を集中させるこ
とができ、発光効率をあげることができる。
【0155】回折格子12aは、図12(B)に示すよ
うに、基板10の凸部10bの上に形成され、異なる2
つの媒質層からなる。回折格子12のa一方の媒質層
は、陽極層20aを構成する材料からなり、他方の媒質
層は基板10を構成する材料からなる。この実施の形態
での回折格子12aは、第1の実施の形態の場合と異な
り、電流狭窄層16によって規定される領域CAと重な
る状態で形成される。そして、回折格子12aは、分布
帰還型の回折格子であることが好ましく、さらに、回折
格子12aは、λ/4位相シフト構造または利得結合型
構造を有することが好ましい。その理由については、第
1の実施の形態と同様であるので、記載を省略する。
【0156】導波路部200aに隣接する陰極電極取出
部24と陽極電極取出部26aとは、図16(C)に示
すように、絶縁層16と連続する絶縁性のクラッド層3
2aによって電気的に分離されている。陽極電極取出部
26aは、発光素子部100aの陽極層20aと一体的
に連続し、陽極の取出電極として機能する。また、陰極
電極取出部24は、発光素子部100a側に延びるよう
に形成され、その一部は陰極層22と電気的に接続され
ている。したがって、陰極電極取出部26は陰極層22
の取出電極として機能する。本実施の形態では、陰極電
極取出部24および陽極電極取出部26aは、陽極層2
0aと同一の成膜工程で形成される。
【0157】次に、この発光装置3000の動作および
作用を発光素子部100aに着目して説明する。
【0158】陽極層20aと陰極層22とに所定の電圧
が印加されることにより、陰極層22から電子が、陽極
層20aからホールが、それぞれ発光層14内に注入さ
れる。発光層14内では、この電子とホールとが再結合
されることにより励起子が生成され、この励起子が失活
する際に蛍光や燐光などの光が発生する。そして、前述
したように、陽極層20aと陰極層22との間に介在す
る絶縁層16によって電流の流れる領域CAが規定され
ているので、発光させたい領域に効率よく電流を供給す
ることができる。
【0159】発光層14において発生した光は、一部は
陰極層22およびクラッド層として機能する絶縁層16
によって反射されて光伝播部内に導入される。光伝播部
内に導入された光は、回折格子12aによって分布帰還
型の伝播が行われ、陽極層20aを構成する光伝播部内
をその端面側に向けて伝播し、さらに、光伝播部の一部
(陽極層20a)に連続して一体形成された導波路部2
00aのコア層30a内を伝播し、その出射口から出射
される。この出射光は、回折格子12aによって光伝播
部で分布帰還されて出射されるため、波長選択性があ
り、発光スペクトル幅が狭く、かつ優れた指向性を有す
る。なお、他の発光素子部も、上記と同様の動作および
作用をし、これにより、異なる共振波長の光がそれぞれ
の出射口から出射される。
【0160】本実施の形態の主要な作用効果を、発光素
子部100aを用いて説明する。他の発光素子部も、同
様の作用効果を有する。
【0161】(a)発光素子部100aの光伝播部の少
なくとも一部(陽極層20a)と、導波路部200aの
コア層30aとが一体的に連続している。このことによ
り、発光素子部100aと導波路部200aとが、高い
結合効率で光学的に結合され、効率のよい光の伝播がで
きる。また、陽極層20aを含む光伝播部とコア層30
aとは、同一の工程で成膜およびパターニングできるの
で、製造が簡易となる利点を有する。
【0162】また、発光素子部100aの絶縁層(クラ
ッド層)16と、導波路部200aのクラッド層32a
とが一体的に連続している。このことにより、発光素子
部100aと導波路部200aとが、高い結合効率で光
学的に結合され、効率のよい光の伝播ができる。また、
絶縁層16とクラッド層32aとは、同一の工程で成膜
およびパターニングできるので、製造が簡易となる利点
を有する。
【0163】このように、本実施の形態に係る発光装置
3000によれば、発光素子部100aと導波路部20
0aとが、高い結合効率で接続されることにより、高効
率な出射光を得ることができる。
【0164】(b)絶縁層16の開口部16aを介して
陽極層20aと陰極層22とが電気的に接続され、この
開口部16aによって電流の流れる領域が規定される。
したがって、絶縁層16は、電流狭窄層として機能し、
発光領域に効率よく電流を供給し、発光効率を高めるこ
とができる。そして、電流を供給する領域を電流狭窄層
16で規定することにより、発光領域をコア層30aと
位置合わせした状態で設定でき、この点からも導波路部
200aに対する光の結合効率を高めることができる。
【0165】(c)回折格子12aの形成領域と、電流
狭窄層16によって規定される電流が流れる領域CAと
がほぼ一致するので、より電流効率のよい発光が可能と
なる。
【0166】{発光装置の製造方法}次に、図17およ
び図18を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置
3000の製造例を発光素子部100aに着目して説明
する。図17および図18の各図(A)〜(D)は図1
6(B)と対応する。
【0167】(1)導電層および回折格子の形成 まず、図17(A)に示すように、基板10上の所定領
域に、回折格子の一方の媒質層を構成するための凹凸部
11aを形成する。次いで、図17(B)に示すよう
に、凹凸部11aの一部を残すように、基板10の所定
部分をリソグラフィーなどによって除去し、基板10と
連続する凸部10bと、この凸部10b上に回折格子の
ための凹凸部11aを形成する。回折格子のための凹凸
部11aは、図17において、紙面と垂直な方向に所定
のピッチを有する凹凸が連続するように形成される。
【0168】次いで、図17(C)に示すように、基板
10の全面に、光学的に透明な導電材料によって導電層
20を形成する。次いで、図17(D)に示すように、
導電層20を例えばリソグラフィーによってパターニン
グすることにより、陽極層20a、回折格子12aおよ
びコア層30a(図16(C)参照)を形成する。図1
6(C)に示すコア層30aは、陽極層20aと一体に
連続して形成されている。回折格子12aは、第1の媒
質層は基板10を構成する材料からなり、第2の媒質層
は陽極層20aを構成する材料からなる。
【0169】このように、屈折率などの光学特性を考慮
して導電層20aの材料を選択することにより、電極部
(この例の場合、陽極および電極取出部)とともに、回
折格子、光伝播部の一部およびコア層などの光学部を同
時に形成することができる。
【0170】(2)絶縁層の形成 図18(A)に示すように、所定のパターンを有する絶
縁層16を形成する。絶縁層16は、開口部16aを有
する。開口部16aは、光の導波方向に沿って伸びるス
リット形状を有する。この開口部16aによって、電流
の流れる領域が規定されるため、開口部16aの長さや
幅は、得たい電流密度や電流分布などを考慮して設定さ
れる。また、絶縁層16は、電流狭窄層の機能ととも
に、光を閉じこめるためのクラッド層としても機能する
ため、絶縁性とともに屈折率などの光学特性を考慮して
その材料が選択される。
【0171】絶縁層16は、陽極層20aを他の電極と
電気的に分離するとともに、光伝播部の一部を構成する
陽極層20aの一部を覆ってクラッド層として機能し、
さらに、図16(C)のコア層30aの露出部を覆っ
て、クラッド層32aを構成している。
【0172】(3)発光層の形成 図18(B)に示すように、発光素子部が形成される領
域に発光層14を形成する。発光層14は、少なくとも
絶縁層16に形成された開口部16aに発光材料が充填
された発光部14aを有する。
【0173】(4)陰極層の形成 図18(C)に示すように、発光素子部が形成される領
域に陰極層22を形成する。陰極層22は、発光層14
の発光部14aを覆う状態で形成される。このようにし
て、発光素子部100aが形成される。
【0174】(5)保護層の形成 図18(D)に示すように、少なくとも発光素子部10
0aが覆われるように、保護層60が形成される。保護
層60については、第1の実施の形態と同様であるので
記載を省略する。
【0175】以上の工程によって、発光装置3000が
形成される。この製造方法によれば、屈折率などの光学
特性を考慮して導電層20の材料を選択することによ
り、電極部(この例の場合、陽極および電極取出部)と
ともに、回折格子、少なくとも一部の光伝播部およびコ
ア層などの光学部材を同一の工程に形成することがで
き、製造工程を簡易にすることができる。
【0176】[第4の実施の形態]図19は、本実施の
形態に係る発光装置4000の発光素子部100aおよ
び導波路部200aを模式的に示す断面図である。他の
発光素子部および導波路部はこれらと同様なので図示を
省略する。発光装置4000は、回折格子の形成位置が
これまで説明してきた実施の形態に係る発光装置と異な
る。発光装置1000、2000および3000と実質
的に同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、主
として、発光装置1000、2000および3000と
異なる発光装置4000の主要な特徴部分のみを説明す
る。
【0177】発光装置4000は、基板10と、この基
板10上に形成された、発光素子部100aと、導波路
部200aとを有する。
【0178】発光素子部100aは、第1の基板10上
に、光伝播部を構成する回折格子12aおよび陽極層2
0a、発光層14および陰極層22が、この順序で配置
されている。本実施の形態では、第1の基板10の上
に、回折格子12aを形成するための第2の基板(格子
基板)17が配置されている。第2の基板17は、第1
の基板10に比べて回折格子12aが形成しやすい材料
や、第1の基板10より屈折率の高い材料を選択するこ
とが望ましい。このような第2の基板17としては、前
述したように、リソグラフィー、光照射による屈折率分
布の形成、スタンピングなどの方法を適用できる樹脂、
例えば紫外線や電子線の照射で硬化する樹脂を用いて形
成することができる。図示の例では、回折格子12aに
おいて、第1の媒質層は第2の基板17を構成する材料
からなり、第2の媒質層は光伝播部を構成する陽極層2
0aを構成する材料からなる。
【0179】この実施の形態では、第2の基板17の材
質として回折格子12aの形成に有利な材質を選択で
き、回折格子12aの形成が容易となる利点がある。例
えば、第1の基板10とは異なりフレキシブルな基板材
料を用いることができる。特に、剛性のある型を用い
て、第2の基板17の材料を第1の基板10上に塗布し
加熱により硬化した後、型を剥離して格子部分を形成す
る場合には、型の剥離工程が容易となり格子の精度も向
上する。また、第2の基板17上に発光素子部のみなら
ず他の部材やデバイスを設ける場合には、当該基板とし
て最適な材料を選択でき、最終的な発光装置において最
適な特性を得ることができる。
【0180】本実施の形態に係る発光装置4000のそ
の他の部分の構成および作用効果は、第3の実施の形態
に係る発光装置3000と同様であるので、記載を省略
する。
【0181】[第5の実施の形態]図20は、本実施の
形態に係る発光装置5000の発光素子部100aおよ
び導波路部200aを模式的に示す斜視図であり、図2
1は図20におけるX−X線に沿った断面図である。他
の発光素子部および導波路部はこれらと同様なので図示
を省略する。
【0182】発光装置5000は、導波路部の構造がこ
れまで説明してきた実施の形態に係る発光装置と異な
る。発光装置1000、2000、3000および40
00と実質的に同様な機能を有する部分には同一の符号
を付し、主として、発光装置1000、2000、30
00および4000と異なる発光装置5000の主要な
特徴部分のみを説明する。
【0183】発光装置5000は、基板10と、この基
板10上に形成された、発光素子部100aと、導波路
部200aとを有する。
【0184】本実施の形態においては、導波路部200
aに光ファイバ300が搭載されている点に特徴を有す
る。光ファイバ300は、コア層310、クラッド層3
20および図示しない被覆層を有する。
【0185】導波路部200には、光ファイバ300の
端部が載置、固定される光ファイバ収容部330が形成
されている。光ファイバ収容部330は、クラッド層3
2aに形成された断面形状が矩形の第1の溝部32d
と、基板10に形成された断面形状が三角形の第2の溝
部10cとから構成される。光ファイバ収容部330
は、光ファイバ300の端部を光ファイバ収容部330
に収容して位置合わせたときに、少なくとも導波路部2
00aのコア層30aが光ファイバ300のコア層31
0に対向するように形成される。光ファイバ300は、
接着などの方法によって導波路部200aに固定するこ
とができる。
【0186】この発光装置5000によれば、発光素子
部100aによって発生させた光を導波路部200aを
介して光ファイバ300に効率よく伝播させることがで
きる。この発光装置5000は、光ファイバ300を有
するので、例えば光通信デバイスの用途などに好ましく
適用することができる。
【0187】本実施の形態に係る発光装置5000のそ
の他の部分の構成および作用効果は、第1または他の実
施の形態に係る発光装置と同様であるので、記載を省略
する。
【0188】さらに、図示の例では、発光装置5000
は、光ファイバ300を一体的に有するが、これに限定
されない。例えば、発光装置5000は、光ファイバを
有さず、導波路部200aに光ファイバ収容部330が
形成された構造でもよい。このデバイスの場合、必要な
ときに光ファイバを光ファイバ収容部330に接続すれ
ばよい。
【0189】また、図20のように光ファイバ300が
組み込まれたデバイスでは、保護層60は、発光素子部
100aのみならず、さらに少なくとも光ファイバ30
0の端部と光導波部200aのコア層30aとの当接部
を含んだ状態で、光ファイバ300の一部を被覆するよ
うな構造としてもよい。この場合、光ファイバ300の
固定がより確保される。
【0190】[第6の実施の形態]図22は、本実施の
形態に係る発光装置6000の発光素子部100aおよ
び導波路部200aの一部を模式的に示す平面図であ
り、図23は図22おけるX−X線に沿った断面図であ
る。他の発光素子部および導波路部はこれらと同様なの
で図示を省略する。図22は、図23に示す陽極層20
a,絶縁層16および回折格子12aを示し、発光層1
4および陰極層22を省略して示している。
【0191】発光装置6000は、回折格子および陽極
層の構造が第1の実施の形態に係る発光装置1000と
異なる。発光装置1000と実質的に同様な機能を有す
る部分には同一の符号を付し、主として、発光装置10
00と異なる発光装置6000の主要な特徴部分のみを
説明する。発光装置6000は、基板10と、この基板
10上に形成された、発光素子部100aと、導波路部
200aとを有する。
【0192】発光素子部100aは、基板10上に、光
伝播部の少なくとも一部を構成する陽極層20a、回折
格子12a、発光層14および陰極層22が、この順序
で配置されている。そして、回折格子12aの露出部に
は、クラッド層および電流狭窄層としても機能する絶縁
層16が形成されている。そして、絶縁層16は、回折
格子12aの周期方向に開口部16aを有する。この開
口部16aにおいて、回折格子12aおよび発光層14
を介在させた状態で、陽極層20aと陰極層22とが配
置されている。また、開口部16a以外の領域において
は、陽極層20aと陰極層22との間に絶縁層16が介
在する。
【0193】回折格子12aは、陽極層20aの上部に
形成され、かつ、後述する導波路部200aのコア層3
0aと同じ幅を有する。回折格子12aの一方の媒質層
は、陽極層20aを構成する材料からなり、他方の媒質
層は発光層14を構成する材料からなる。
【0194】導波路部200aは、基板10上に、コア
層30aと、このコア層30aの露出部分を覆うクラッ
ド層32aを有し、この導波路部200aに隣接して、
陰極電極取出部24と、陽極電極取出部26aとが配置
されている。
【0195】発光素子部100aの陽極層20aは、光
学的に透明な導電材料で構成され、光伝播部の少なくと
も一部を構成する。そして、この陽極層20aと導波路
部200aのコア層30aとは一体的に連続して形成さ
れている。また、発光素子部100aの絶縁層(クラッ
ド層)16と、導波路部200aのクラッド層32aと
は一体的に連続して形成されている。
【0196】本実施の形態で特徴的なことは、図22に
示すように、絶縁層16と重なる陽極層20aの面積S
が小さいことである。このことは、例えば第1の実施の
形態に係る発光装置1000の製造方法を示す図6
(A)と比較するとよくわかる。このように、絶縁層1
6と重なる陽極層20aの面積Sが小さいことにより、
陽極層20a,絶縁層16および陰極層22で形成され
るキャパシタの平面積が小さくなり、そのキャパシタン
スを小さくできる。
【0197】したがって、この発光装置6000は、寄
生的に形成されるキャパシタの影響が小さいことが望ま
れるデバイスに好適に用いられる。例えば、このような
発光装置6000は、高周波が用いられる通信デバイス
において、キャパシタによる遅延効果を抑制できる。
【0198】本実施の形態に係る発光装置6000のそ
の他の部分の構成および作用効果は、第1または他の実
施の形態に係る発光装置と同様であるので、記載を省略
する。
【0199】[第7の実施の形態]図24は、本実施の
形態に係る発光装置7000の発光素子部100aおよ
び導波路部200aを模式的に示す斜視図であり、第1
の実施の形態を示す図1に対応する図である。他の発光
素子部および導波路部はこれらと同様なので図示を省略
する。
【0200】発光装置7000は、電極取出部の構造が
第1の実施の形態または他の実施の形態に係る発光装置
と異なる。発光装置1000と実質的に同様な機能を有
する部分には同一の符号を付し、主として、発光装置1
000と異なる発光装置7000の主要な特徴部分のみ
を説明する。
【0201】発光装置7000は、基板10と、この基
板10上に形成された、発光素子部100aと、導波路
部200aとを有する。
【0202】導波路部200aは、基板10上に、コア
層30aと、このコア層30aの露出部分を覆うクラッ
ド層32aとを有し、この導波路部200aに隣接して
陰極電極取出部24と、陽極電極取出部26aとが配置
されている。そして、本実施の形態で特徴的なことは、
陰極電極取出部および陽極電極取出部の少なくとも一方
に、ICドライバなどの電子素子が実装されていること
である。つまり、電極の露出部を電子素子の実装面とし
て利用することができる。図24においては、電子素子
400が陽極電極取出部26a上に搭載されている状態
を模式的に表している。また、図24には図示しない
が、電極取出部は必要に応じて所定パターンの配線を形
成するようにパターニングされる。
【0203】この発光装置7000によれば、電極の露
出部を電子素子の実装面として利用することにより、集
積度の高いデバイスを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を模
式的に示す斜視図である。
【図2】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置を模式的に示す平面図であり、(B)は(A)のX
1−X1線に沿った断面図であり、(C)は(A)のX
2−X2線に沿った断面図である。
【図3】図2(A)のY−Y線に沿った断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の発光素子部100aに備えられる回折格子の平面
図であり、(B)は発光素子部100bに備えられる回
折格子の平面図であり、(C)は発光素子部100cに
備えられる回折格子の平面図である。
【図5】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の第1の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図6】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の第2の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図7】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の第3の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図8】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の第4の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図9】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る発光
装置の第5の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図10】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る発
光装置を模式的に示す平面図であり、(B)は(A)の
X1−X1線に沿った断面図であり、(C)は(A)の
X2−X2線に沿った断面図である。
【図11】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る発
光装置の第1の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図12】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る発
光装置の第2の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図13】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る発
光装置の第3の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図14】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る発
光装置の第4の製造工程を示す平面図であり、(B)は
(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図であ
り、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図15】(A)は、本発明の第2の実施の形態に係る
発光装置の第5の製造工程を示す平面図であり、(B)
は(A)に示す平面図のX1−X1線に沿った断面図で
あり、(C)はX2−X2線に沿った断面図である。
【図16】(A)は本発明の第3の実施の形態に係る発
光装置の一部を模式的に示す断面図であり、(B)は発
光素子部の部分断面図であり、(C)は導波路部の部分
断面図である。
【図17】(A)〜(D)は、本発明の第3の実施の形
態に係る発光装置の発光素子部の製造工程を示す断面図
である。
【図18】(A)〜(D)は、本発明の第3の実施の形
態に係る発光装置の発光素子部の製造工程を示す断面図
である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る発光装置の
一部を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係る発光装置の
一部を模式的に示す斜視図である。
【図21】図20のX−X線に沿った断面図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態に係る発光装置の
一部を模式的に示す平面図である。
【図23】図22のX−X線に沿った断面図である。
【図24】本発明の第7の実施の形態に係る発光装置の
一部を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 基板 12a〜12c 回折格子 14 発光層 16 絶縁層(クラッド層、電流狭窄層) 20a〜20c 陽極層 22 陰極層 24 陰極電極取出部 26a〜26c 陽極電極取出部 30a〜30d コア層 32a〜32c クラッド層 60 保護層 100a〜100c 発光素子部 200a〜200c 導波路部 300 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 AA22 BA25 3K007 AB00 BB00 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 GA04 5F041 AA04 AA09 AA12 EE01 FF14

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、複数の発光素子部と、を有し、 前記発光素子部は、 エレクトロルミネッセンスによって発光可能な発光層
    と、 前記発光層に電界を印加するための一対の電極層と、 前記発光層において発生した光を伝播するための光伝播
    部と、 前記一対の電極層の間に配置され、かつ、一部に開口部
    を有し、該開口部を介して前記発光層に供給される電流
    の流れる領域を規定する電流狭窄層として機能しうる絶
    縁層と、 前記光伝播部を伝播する光のための回折格子と、を含
    み、 前記複数の発光素子部の少なくとも一つの前記回折格子
    のピッチの光学長を、他の前記発光素子部の前記回折格
    子のピッチの光学長と異ならせることにより、 少なくとも一つの光の共振波長が他の光の共振波長と異
    なる、複数の異なる共振波長の光を出射可能な発光装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記発光素子部と一体的に形成された導波路部を有し、 前記導波路部は、 前記光伝播部の少なくとも一部と光学的に連続するコア
    層と、 前記絶縁層と光学的に連続するクラッド層と、を含む発
    光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記絶縁層の前記開口部は、前記回折格子の周期方向に
    延びるスリット形状を有する発光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記発光層は、少なくとも一部が前記絶縁層に形成され
    た前記開口部に存在する発光装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記導波路部は、前記コア層が、前記光伝播部と一体的
    に連続し、かつ、前記クラッドが前記絶縁層と一体的に
    連続する発光装置。
  6. 【請求項6】 請求項2または5において、 前記一対の電極層の一方は、透明な導電材料からなり、
    該電極層は前記光伝播部の少なくとも一部および前記コ
    ア層としても機能しうる発光装置。
  7. 【請求項7】 請求項2,5,6のいずれかにおいて、 前記コア層は、少なくとも前記回折格子の形成領域に連
    続する発光装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記回折格子は、前記光伝播部に形成される発光装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、 少なくとも前記発光素子部は、保護層によって覆われた
    発光装置。
  10. 【請求項10】 請求項2,5〜7のいずれかにおい
    て、 さらに、電極取出部を有する発光装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記電極取出部は、陽極および陰極のための第1および
    第2の電極取出部からなり、該第1および第2の電極取
    出部は、前記一対の電極層の一方と同じ材料からなる発
    光装置。
  12. 【請求項12】 請求項1において、 前記一対の電極層は、陽極層と陰極層とから構成され、 前記陽極層は、透明な材質を含み、 前記陽極層は、前記基板上に形成され、 前記陽極層は、前記光伝播部の少なくとも一部として機
    能し、 前記回折格子は、前記陽極層の一部に形成されており、 前記絶縁層の開口部は、前記回折格子に面しており、 前記発光層は、少なくとも一部が前記絶縁層の開口部に
    存在している、発光装置。
  13. 【請求項13】 請求項1において、 前記一対の電極層は、陽極層と陰極層とから構成され、 前記回折格子は、前記基板の一部に形成され、 前記陽極層は、透明な材質を含み、 前記陽極層は、前記回折格子上に形成され、 前記陽極層は、前記光伝播部の少なくとも一部として機
    能し、 前記絶縁層の開口部は、前記陽極層に面しており、 前記発光層は、少なくとも一部が前記絶縁層の開口部に
    存在している、発光装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13において、 前記発光素子部と一体的に形成され、前記発光素子部か
    らの光を伝達する導波路部を有し、 前記導波路部は、 前記基板上に形成され、前記陽極層と光学的に連続する
    コア層と、 前記コア層の露出部分を覆い、前記絶縁層と光学的に連
    続するクラッド層と、を含む発光装置。
  15. 【請求項15】 請求項1において、 前記基板上に配置され、一部に前記回折格子が形成され
    た格子基板を備え、 前記一対の電極層は、陽極層と陰極層とから構成され、 前記陽極層は、透明な材質を含み、 前記陽極層は、前記格子基板の前記回折格子上に形成さ
    れ、 前記陽極層は、前記光伝播部の少なくとも一部として機
    能し、 前記絶縁層の開口部は、前記陽極層に面しており、 前記発光層は、少なくとも一部が前記絶縁層の開口部に
    存在している、発光装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記発光素子部と一体的に形成され、前記発光素子部か
    らの光を伝達する導波路部を有し、 前記導波路部は、 前記基板上に配置された前記格子基板上に形成され、前
    記陽極層と光学的に連続するコア層と、 前記コア層の露出部分を覆い、前記絶縁層と光学的に連
    続するクラッド層と、を含む発光装置。
  17. 【請求項17】 請求項12〜16のいずれかにおい
    て、 少なくとも前記発光素子部は、保護層によって覆われた
    発光装置。
  18. 【請求項18】 請求項2,14,16のいずれかにお
    いて、 前記導波路部は、それぞれ、光ファイバを位置あわせし
    た状態で配置できる光ファイバ収容部を有する発光装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項2,14,16のいずれかにお
    いて、 前記導波路部は、それぞれ、光ファイバを位置あわせし
    た状態で配置できる光ファイバ収容部を有し、該光ファ
    イバ収容部に光ファイバの端部が装着された、光ファイ
    バを有する発光装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかにおいて、 前記一対の電極層の少なくとも一方は前記回折格子の一
    部と接続され、該電極層が前記絶縁層と重なる面積を規
    定してキャパシタンスをコントロールした発光装置。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかにおいて、 電子素子が実装される面を有する発光装置。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21のいずれかにおいて、 前記回折格子は、分布帰還型の回折格子である発光装
    置。
  23. 【請求項23】 請求項22において、 前記回折格子は、λ/4位相シフト構造を有する発光装
    置。
  24. 【請求項24】 請求項22において、 前記回折格子は、利得結合型構造を有する発光装置。
  25. 【請求項25】 請求項1〜21のいずれかにおいて、 前記回折格子は、分布ブラッグ反射型の回折格子である
    発光装置。
  26. 【請求項26】 請求項1〜25のいずれかにおいて、 前記発光層は、発光材料として有機発光材料を含む発光
    装置。
  27. 【請求項27】 請求項1〜26のいずれかにおいて、 前記複数の回折格子の材料は、それぞれ、同じ材料から
    なり、かつ異なるピッチ長を有する発光装置。
  28. 【請求項28】 請求項1〜26のいずれかにおいて、 前記複数の回折格子の材料は、それぞれ、異なる材料か
    らなり、かつ同じピッチ長を有する発光装置。
  29. 【請求項29】 請求項1〜26のいずれかにおいて、 前記複数の回折格子の材料は、それぞれ、異なる材料か
    らなり、かつ異なるピッチ長を有する発光装置。
  30. 【請求項30】 請求項1〜11のいずれかにおいて、 前記複数の発光素子部のそれぞれに対応して、前記電極
    層を独立に制御可能な発光装置。
  31. 【請求項31】 請求項30において、 前記一対の電極層は、陽極層と陰極層とから構成され、 前記陽極層は、互いに電気的に分離された複数の陽極層
    を含み、 前記複数の陽極層は、それぞれ、前記複数の発光素子部
    と対応し、 前記複数の発光素子部は、前記陰極層を共通電極として
    いる発光装置。
  32. 【請求項32】 請求項12〜17のいずれかにおい
    て、 前記複数の発光素子部のそれぞれに対応して、前記電極
    層を独立に制御可能な発光装置。
  33. 【請求項33】 請求項32において、 前記陽極層は、互いに電気的に分離された複数の陽極層
    を含み、 前記複数の陽極層は、それぞれ、前記複数の発光素子部
    と対応し、 前記複数の発光素子部は、前記陰極層を共通電極として
    いる発光装置。
  34. 【請求項34】 請求項2、5〜7、10、11、1
    4、16、18、19のいずれかにおいて、 さらに他の導波路部を備え、 前記複数の発光素子部の前記導波路部は、それぞれ、前
    記基板上で前記他の導波路部と光学的に接続され、 前記複数の発光素子部で発生した光は、それぞれ、前記
    他の導波路部から外部に出射される発光装置。
  35. 【請求項35】 請求項2、5〜7、10、11、1
    4、16、18、19のいずれかにおいて、 前記複数の発光素子部で発生した光は、それぞれ、前記
    複数の発光素子部のそれぞれの前記導波路部から外部に
    出射される発光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8646405B2 (en) 2009-08-21 2014-02-11 Samsung Display Co., Ltd. Deposition mask and method of fabricating the same

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